JPH05263935A - 高真空チャンバの製造方法及び溶接構造 - Google Patents

高真空チャンバの製造方法及び溶接構造

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JPH05263935A
JPH05263935A JP6059192A JP6059192A JPH05263935A JP H05263935 A JPH05263935 A JP H05263935A JP 6059192 A JP6059192 A JP 6059192A JP 6059192 A JP6059192 A JP 6059192A JP H05263935 A JPH05263935 A JP H05263935A
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JP
Japan
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wall
vacuum chamber
high vacuum
welding
gap
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Application number
JP6059192A
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English (en)
Inventor
Shunzo Kawabata
俊造 川畑
Akio Fukunaga
昭男 福永
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高真空チャンバにおいて、適正な漏れ試験を
行いながら、電解液等が壁の端部同士の隙間内に侵入す
るのを防ぐ。 【構成】 側壁20の上下端と天壁22及び底壁24の
側端との間に隙間19を残してその内面部分を溶接し、
この状態でチャンバの漏れ試験を行う。次いで、外面部
分を全周にわたってシール溶接してから各壁表面の電解
研磨を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造装置等に用
いられる真空チャンバの製造方法及び溶接構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体の製造には、その集積度の
向上を図るために超高真空下でかつウルトラスクリーン
下での製造が要求されており、上記超高真空を実現する
ための半導体製造装置やシステムの開発が進められてい
る。
【0003】図10は、上記半導体製造装置に使用され
る真空チャンバの一例を示したものである。この真空チ
ャンバは、側壁10を有し、この側壁10に2つの補助
穴11,12、図外の真空排気設備への接続穴13、及
び点検穴14が設けられている。側壁10の上端には天
壁16が溶接により接合され、この天壁16に掃除穴1
7が設けられている。また同様に、側壁10の下端にも
図略の底壁が接合されている。
【0004】図11は、上記側壁10の上端と天壁16
の側端との接合構造を示したものである。図示のよう
に、側壁10の上端面と天壁16の下面との間には、チ
ャンバ全体の寸法を調節するために隙間19が設けられ
ている。この状態で、両壁接合部の内面部分がシール溶
接される、すなわち連続的なビードAが形成されるとと
もに、外面部分には、その所定個所にのみ溶接が施さ
れ、従って断続的にビードBが形成されている。ここ
で、上記内面部分の溶接は、チャンバ内のシールを目的
とするものであり、従って、リーク(漏れ)の発生がな
い健全なビードAを形成することが要求されるのに対
し、外面部分の溶接は、接合部分の補強及び組立寸法交
差の確保を目的とするものであるため、図示のように断
続的なビードBの形成で足りている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記高真空チャンバ
は、その使用時に内部を高真空にするため、洗浄及び乾
燥後、表面全体に電解研磨が施され、これによって、表
面に付着している不純物の除去が行われて、鏡面が形成
される。この電解研磨は、一般にチャンバ全体を電解液
に浸漬することにより行われる。
【0006】しかしながら、前記図11に示した構造で
は、洗浄液が外側ビードBの間から狭い隙間19内に侵
入するので、その後チャンバ全体の乾燥を行っても、上
記隙間19内の電解液を完全に除去することは非常に困
難である。従って、この洗浄後、隙間19内の残液が気
化してチャンバ内面に付着することにより、電解研磨の
ムラを引き起こし、チャンバの品質を劣化させるおそれ
がある。さらに、この電解研磨時に用いる電解液も上記
隙間19内に残留しやすく、研磨後、チャンバ内表面に
酸化被膜を施す場合には、上記残液が被膜ムラの要因と
なり易い。また、上記隙間19にゴミや粒子等の異物が
侵入してチャンバの清浄性を損なうおそれもある。
【0007】このような不都合を解消する手段として
は、両壁10,16の接合部の外面部分を、内面部分と
同様に、全域にわたって連続的にシール溶接することが
考えられる。しかしながら、このような構造を採用した
場合には、新たに次のような問題点が生じる。
【0008】(a) 上記高真空チャンバでは、各部の溶接
終了後、内面側に形成されたビードAのリーク試験が行
われる。このリーク試験は、チャンバ内を密封した状態
でチャンバ外部にヘリウム等のリーク検出用ガスを供給
し、このガスがチャンバ内に侵入しているか否かを、チ
ャンバ内に設けたセンサ(例えばヘリウムディテクタ
ー)で検出することにより行われる。このリーク試験の
際、内外面の双方をシール溶接した構造では、仮に内側
ビードAにリークがあっても、外面ビードBで完全なシ
ールが行われていれば、チャンバ内にリーク検出用ガス
が侵入できないので、上記内側ビードAのリークの有無
を正確に把握できない不都合がある。
【0009】(b) 上記高真空チャンバでは、その使用の
際、内部の水分等を除去するためにベーキング(空焼
き)が行われる。このベーキングでは、場合によっては
数百℃といった非常に高い温度までチャンバが加熱され
ることがあるが、このような高温加熱により、内外両ビ
ードA,Bによって隙間19内に閉じ込められているエ
アの圧力が異常に高まり、この圧力によって内側ビード
Aに割れその他の損傷が生じ、シール性を損なうおそれ
がある。
【0010】本発明は、このような事情に鑑み、電解液
等が隙間内に侵入するのを防ぎながら、適正なリーク試
験を行うことができる高真空チャンバの製造方法を提供
し、さらに好ましくは、溶接完了後、チャンバを非常に
高い温度まで加熱してもシール性を損なうことのない高
真空チャンバの製造方法及び溶接構造を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の壁の端
部同士が互いに略直交する状態で溶接されることにより
形成される高真空チャンバの製造方法であって、上記壁
の端部同士の間に隙間を残した状態でその内面部分を連
続的にシール溶接し、この状態でガスの漏れ試験を行っ
た後、上記壁の端部の外面部分を連続的にシール溶接
し、各壁の表面を電解研磨するものである(請求項
1)。
【0012】また本発明は、複数の壁の端部同士が互い
に略直交する状態で溶接されることにより形成される高
真空チャンバの製造方法であって、上記壁の端部同士の
間に隙間を残した状態でその内面部分を連続的にシール
溶接し、かつ外面部分を部分的にシール溶接し、この状
態でガスの漏れ試験を行った後、上記壁の端部の外面部
分を全域にわたって連続的にシール溶接し、各壁の表面
を電解研磨するものである(請求項2)。
【0013】また本発明は、複数の壁の端部同士が互い
に略直交する状態で溶接されることにより形成される高
真空チャンバの製造方法であって、上記壁の端部同士の
間に隙間を残した状態で、その内面部分を連続的にシー
ル溶接する作業と、外面部分の複数の位置に上記隙間を
外部に連通する連通穴をもつ連通部材を接合する作業
と、この連通部材を接合した部分以外の外面部分を連続
的にシール溶接する作業とを行った後、上記連通部材の
一つから漏れ検出用ガスを上記隙間内に導入して他の連
通部材から流出させることによりガスの漏れ試験を行
い、次いで、全ての連通部材の連通穴を塞いだ状態で各
壁の表面を電解研磨するものである(請求項4)。
【0014】また本発明は、複数の壁の端部同士が互い
に略直交する状態で溶接されることにより形成される高
真空チャンバにおいて、連通穴が貫設された連通部材
と、この連通部材の連通穴を塞ぐ閉塞部材とを備えると
ともに、上記壁の端部同士の間に隙間を残した状態でそ
の内面部分を連続的にシール溶接し、外面部分の複数の
位置に上記隙間と連通穴とを合致させた状態で上記連通
部材を接合し、この連通部材を接合した部分を残して他
の外面部分を連続的にシール溶接したものである(請求
項6)。
【0015】また、上記請求項1,2,4記載の方法に
おいて、上記壁の端部同士の溶接を行う前に各壁の表面
を機械加工することにより、後述のようなより優れた効
果が得られる(請求項3,5)。
【0016】
【作用】請求項1または2記載の方法によれば、壁の端
部同士の内面部分のみをシール溶接した状態、あるいは
内面部分に加えて外面部分を部分的に溶接した状態でガ
スの漏れ試験を行うことにより、この内面溶接部の漏れ
状態を適切に把握することができる。しかも、その後、
上記壁の端部の外面部分を完全に連続してシール溶接す
ることにより、上記隙間は内外から密封されるので、こ
の状態で例えばチャンバ全体を電解液に浸漬し、電解研
磨を行うことにより、上記電解液が上記隙間内に侵入す
るのを防ぐことができる。
【0017】請求項4記載の方法及び請求項6記載の構
造によれば、壁の端部同士の内面部分を連続的にシール
溶接し、外面部分の複数の位置に連通部材を接合し、か
つこの連通部材を残して他の外面部分を連続的にシール
溶接した状態で、所定の連通部材の連通穴から漏れ検出
用ガスを上記隙間内に導入し、このガスが他の連通部材
の連通穴から排出するのを確認することにより、上記隙
間内に漏れ検出用ガスが行きわたっていることを確認す
ることができ、この状態でチャンバ内外のガスの連通の
有無を検出することにより、内面溶接部の漏れ状態を的
確に把握することができる。次いで、全ての連通部材の
連通穴を塞いだ状態でチャンバ全体の洗浄や電解研磨を
行うことにより、隙間内に洗浄液や電解液が侵入するの
を防ぐことができる。さらに、少なくとも一つの連通部
材の連通穴を開放し、隙間内のエアが自由に外部へ逃げ
ることができる状態にすれば、ベーキング等でチャンバ
を高温加熱しても、上記隙間内のエアの圧力が異常に高
まることがなくなる。
【0018】さらに、請求項3,5記載の方法によれ
ば、上記壁の端部同士の溶接、すなわちチャンバの組立
を行う前に各壁の表面を機械加工するので、組立後に機
械加工する従来方法のように、上記機械加工による切り
屑等がチャンバ内に残存してせっかくの鏡面を傷付ける
といったおそれがない。また、上記従来方法のように機
械加工時にチャンバを把持すると行った作業が不要であ
るため、その段取り時に壁表面を工作機械に当てて損傷
するといった不都合も生じない。しかも、組み立てられ
た後の複雑な形状の状態で機械加工を行う場合に比べ、
加工時間は大幅に短縮される。
【0019】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜5に基づいて説
明する。
【0020】図1〜4は、本発明方法により得られた高
真空チャンバの一例を示すものである。この高真空チャ
ンバは、4つの壁からなる側壁20を備え、この側壁2
0の上下端にそれぞれ天壁22及び底壁24が接合され
ている。側壁20において相対向する一対の壁には、貫
通穴20a,20bが設けられており、貫通穴20aに
はノズル26が装着され、貫通穴20bの外側周縁部に
はノズル28が装着されている。また、上記天壁22及
び底壁24の中央には、上下方向の貫通穴22a,24
aが設けられ、天壁22の貫通穴22aにはノズル30
が装着されている。
【0021】図4に示すように、ノズル30の下端部外
周面と、天壁22における貫通穴22aの周縁部とに
は、互いに嵌合する段部30a,22bが各々形成され
ている。そして、両者を嵌合した状態で溶接を施すよう
にすることにより、この溶接による熱歪みの発生が抑制
されている。
【0022】次に、この高真空チャンバの製造方法を、
図5の流れ図を併せて参照しながら説明する。
【0023】まず、チャンバの組立を行う前に、予め、
各壁20,22,24、ノズル26,28,30といっ
た各部品の表面を機械加工し、所定の表面粗さが得られ
るように仕上げる(工程P1)。特に、各壁20,2
2,24の内面は、高真空が得られるように鏡面加工す
る。
【0024】次いで、各ノズル26,28,30を側壁
20及び天壁22に溶接するとともに、側壁20の上下
端と天壁22及び底壁24の周縁部とを突き合わせ、両
者の間に隙間を残した状態で、その内面部分を全周にわ
たって連続的にシール溶接する(工程P2)。すなわ
ち、図1に示すように、上記側壁20の上端と天壁22
との間に隙間19を残した状態で、上記側壁20上端の
内側角部と天壁22の下面とをシール溶接し、全周にわ
たって連続するビードAを形成する。同様に、図3に示
すように、側壁20と底壁24との間にもその内周部分
にシール用のビードAを全周にわたって連続的に形成す
る。このような溶接を行うには、例えば底壁24の上に
側壁20をセットした状態で両者を内面溶接し、次い
で、側壁20を天地逆にして天壁22上にセットし、両
者を内面溶接するといった作業を行えばよい。
【0025】なお、ここで隙間19を残しているのは、
チャンバ全体の高さ寸法を適正な値に調節するためであ
る。また、本願における各図面においては、便宜上、隙
間19を実際よりも大きく誇張して描いてある。
【0026】上記のような内面溶接を行った後、外面溶
接は行わずにそのまま、この内面溶接部すなわちビード
Aのリーク(漏れ)試験を行う(工程P3)。具体的に
は、高真空チャンバ全体の外側にフードを装着するとと
もに、チャンバ内部にリーク検出用ガス(ここではヘリ
ウム)を検出するディテクターをセットし、上記フード
内で高真空チャンバに対して外側からヘリウムを供給し
て、このヘリウムがチャンバ内部に侵入しているか否か
を検出する。
【0027】この試験によってリークの発生が確認され
た場合には、そのリーク部分に内面溶接を施し(前記工
程P2)、リークが確認されなかった場合には、前記内
面溶接と同様にして外面溶接を行う(工程P4)。すな
わち、図1に示すように、側壁20上端の外側角部と天
壁22側端の下側角部とをシール溶接し、両者の間に全
周にわたって連続するビードBを形成するとともに、図
3に示すように、側壁20と底壁24との間にもその外
周部分にシール用のビードBを全周にわたり連続的に形
成する。この外面溶接により、側壁20と天壁22及び
底壁24との隙間19は内外から密封されることとな
る。
【0028】なお、この外面溶接の際、その溶接部分は
高温にまで熱せられるので、外面溶接を完全に終了する
間際にガス抜き用の穴を残しておき、この状態で自然冷
却して隙間19内のガスを逃がした後に上記穴をプラグ
溶接等で塞ぐようにすることが、より好ましい。
【0029】次に、溶接部の研磨(工程P5)、及び洗
浄・乾燥を行う(工程P6)。さらに、チャンバ全体を
電解液に浸漬して電解研磨を行うことにより(工程P
7)、チャンバ表面からゴミ等の不純物を分離し、次い
で洗浄・乾燥を行う(工程P8)。このような洗浄及び
電解研磨の際、上述のように、側壁20の上下端と天壁
22及び底壁24との接合部では、その外面部分にも全
周にわたってシール溶接が施されているので、洗浄液や
電解液が前記隙間19内に侵入することが防がれる。従
って、上記工程P6及び工程P8においてチャンバの乾
燥が終了した段階では、このチャンバに電解液や洗浄液
の残液は存在しない。
【0030】このような電解研磨の後、高真空チャンバ
内表面に酸化被膜を形成する(工程P9)。この酸化被
膜により、真空操作の際に材料内部から不純物がチャン
バ内部に放出されることが防がれる。
【0031】以上のように、この方法では、側壁20と
天壁22及び底壁24とを内面溶接した後、外面溶接を
行う前にリーク試験を行うので、上記内面溶接により形
成される内側ビードAのリーク検査を適正に行うことが
できる。しかも、リーク試験後は、外面部分を全周にわ
たってシール溶接してから電解研磨を行うようにしてい
るので、電解液や洗浄液が隙間19内に侵入して残存す
るのを防ぐことができ、従って、この残液に起因する電
解研磨ムラや酸化被膜の形成ムラを防ぐことができる。
【0032】また、従来方法では、チャンバを組み立て
てから各部材の表面を機械加工していたので、切り屑が
チャンバ内に残存してチャンバ内面を傷付けたり、機械
加工の段取り時等において仕上げ面が損傷したりするお
それがあったが、この実施例方法では、チャンバの組立
を行う前に各部材の表面を機械加工(工程P1)するの
で、上記機械加工による切り屑等がチャンバ内に残存す
るおそれがなく、また、機械加工した面を損傷すること
もない。しかも、組立後のチャンバ形状は複雑であるの
で、この状態で各面を機械加工する場合に比べ、組立前
に機械加工を行えば加工に要する時間は大幅に短縮され
る。
【0033】なお、この機械加工と溶接の順序について
は、必ずしも、全ての部材を機械加工してから溶接を行
うようにしなくてもよく、場合によっては、一部溶接を
行ってから機械加工を行うようにしてもよい。例えば、
図3に示すように、側壁20と底壁24との肉厚が大き
く異なる場合には、両者の溶接によって大きな熱歪みが
発生し易いので、これらの部材については、両者を接合
してから機械加工を行うことにより、所望の寸法をより
高精度で得ることができる。
【0034】また、上記実施例方法では、内面溶接を行
った後、外面溶接を全く行わずにリーク試験を行う方法
を示したが、内面部分に加えて外面部分を部分的に溶接
しておき、この状態でリーク試験を行ってから外面部分
を完全にシール溶接するようにしても、上記と同様の効
果が得られる。
【0035】次に、第2実施例を図6〜図9に基づいて
説明する。
【0036】ここに示す高真空チャンバにおいても、前
記実施例の高真空チャンバと同様に、側壁20の上下端
と天壁22及び底壁24との接合部分において、その内
外両面に全周にわたるシール溶接が施され、連続するビ
ードA,Bによって隙間19が閉じ込められた状態にあ
るが、この接合部分の外側面において互いに略180°
離間した2個所に、上記隙間19をチャンバ外部に連通
する連通筒(連通部材)40が設けられている。
【0037】この連通筒40は、図8(a)(b)に示
すように、小径穴41と、この小径穴41よりも大径の
ねじ穴42とを有し、両者によって、隙間19とチャン
バ外部とを連通する連通穴が構成されている。また、こ
の高真空チャンバは蓋(閉塞部材)44を備え、この蓋
44に設けられたねじ部46が上記ねじ穴42内に着脱
可能にねじ込まれることにより、上記連通穴が塞がれる
ようになっている。
【0038】次に、この高真空チャンバの製造方法を説
明する。
【0039】この方法では、前記実施例と同様に各部品
の機械加工を行った後(工程P11)各連通筒40に蓋
46を装着しない状態、すなわち各連通筒40の連通穴
を開放した状態で(工程P12)、リーク試験前に全て
の部材の溶接を行うようにする(工程P13)。具体的
に、側壁20と天壁22及び底壁24との接合部におけ
る内面部分に対しては、前記実施例と同様のシール溶接
を施し、全周にわたるビードAを施すが、外面部分につ
いては、その2個所に連通筒40の小径穴41側の端面
を接合してその周縁部を上記外面部分に溶接し、この連
通筒40の接合個所を除く他の外面部分に全域にわたる
シール溶接を施す。すなわち、図7に示すように、連通
筒40の周縁部に連通筒接合用のビードCを形成すると
ともに、この連通筒40の配設位置を除く全域にわたっ
て連続的にビードBを形成する。これにより、上記隙間
19は、上記連通筒40の連通穴を残して他の部分で内
外から密封されることとなる。
【0040】ここで、上記外側ビードBを形成する際、
隙間19内のガスは連通筒40の連通穴を通じて外部に
逃げることが可能であるので、この外面溶接を最後まで
連続して行っても、隙間19内のガスの圧力が異常に上
昇してビードA,Bに悪影響を与えると行ったおそれは
ない。
【0041】なお、上記連通筒40は、互いに異なる複
数の位置に配すればよいが、その配設位置は、図6に示
すように互いになるべく離間させた方が効果的である。
【0042】上記のような溶接作業が全て終了した後、
内側ビードAのリーク試験を行う。このリーク試験は、
チャンバ内に前記実施例と同様のヘリウムディテクター
をセットするとともに、一方の連通筒40の連通穴から
隙間19内にヘリウムガスを導入することにより行う。
この導入したヘリウムガスが他方の連通筒40の連通穴
から流出すれば、隙間19内にヘリウムガスが行きわた
っていると判断できるので、このガスの流出を確認した
時点で、チャンバ内にヘリウムガスが侵入しているか否
かを検出することにより、内側ビードAにおけるリーク
の有無を的確に判断することができる。
【0043】このリーク試験でリークが確認された場合
には、そのリーク部分を溶接し(工程P13)、リーク
が確認されない場合には、各連通筒40のねじ穴42に
蓋44を装着してその連通穴を閉じる(工程P15)。
そして、溶接部の研磨を行った後(工程P16)、洗浄
・乾燥を行い(工程P17)、さらに、チャンバ全体を
電解液に浸漬して電解研磨を行い(工程P18)、その
後洗浄・乾燥を行う(工程P19)。この電解研磨や洗
浄の際、連通筒40の連通穴を蓋44で塞いでいるた
め、電解液や洗浄液が隙間19内に侵入することが防が
れる。従って、上記工程P17や工程P19における乾
燥後に隙間19内に液が残存することはなく、工程P1
8において均一な電解研磨を行い、その後の酸化被膜の
形成工程(工程P20)において、ムラのない均一な酸
化被膜を形成することができる。
【0044】以上のように、この方法においても、前記
第1実施例と同様に、内側ビードAのリーク試験を適正
に行いながら、電解液や洗浄液が隙間内に侵入して残存
するのを確実に防ぐことができる。しかも、各連通筒4
0の連通穴を開放すれば、外面溶接を行った後も隙間1
9をチャンバ外部に連通することができるので、この外
面溶接やチャンバ使用前のベーキングによってチャンバ
が非常に高い温度まで加熱されても、隙間19内のガス
の圧力が異常に高まるのを確実に防ぐことができ、この
ガス圧の上昇によるビードA,Bの損傷を防ぐことがで
きる。また、リーク試験を行う際、チャンバ全体を覆う
フード等は不要であり、一つの連通筒40から隙間19
内に直接リーク検出用ガスを導入するだけで確実にリー
ク検査を行うことができる利点もある。
【0045】なお、上記ガス圧上昇防止の効果は、少な
くとも一つの連通筒40の連通穴を開放すれば、得るこ
とができ、全ての連通筒40を開放する必要はない。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、次のよ
うな効果を得ることができる。
【0047】まず、請求項1または2記載の発明では、
各壁の端部同士をこれらの間に隙間を残して内面溶接
し、その後、外面溶接を行う前に、あるいは外面溶接を
部分的に行ってから漏れ試験を行うことにより、内面溶
接部における漏れ検査を適正に行うことができるととも
に、漏れ試験後、外面部分を全周にわたって連続的にシ
ール溶接してから電解研磨を行うことにより、電解液や
洗浄液が隙間内に侵入して残存するのを防ぐことがで
き、よって、これらの残液がチャンバの品質に悪影響を
及ぼすのを未然に防ぐことができる効果がある。
【0048】また、請求項4,6記載の発明は、上記隙
間とチャンバ外部との連通を連通部材で確保しながら、
その他の部分を内外ともにシール溶接したものであり、
一つの連通穴から漏れ検出用ガスを隙間内に導入するだ
けの簡単な操作で、確実に内面溶接部の漏れ検査を行う
ことができるとともに、上記連通部材の連通穴を塞いだ
状態で洗浄や電解研磨を行うことにより、電解液や洗浄
液が上記隙間内に侵入、残存してチャンバ品質を劣化さ
せるのを防ぐことができる効果がある。しかも、外面溶
接後においても上記連通部材で隙間とチャンバ外部との
連通を確保することができるので、この外面溶接後、ベ
ーキング等においてチャンバを非常に高い温度まで加熱
しても、この加熱時に隙間内のガスの圧力が異常に上昇
するのを確実に防ぐことができ、このガス圧上昇に起因
して溶接部に損傷等が発生するのを未然に防ぐことがで
きる効果がある。また、上記漏れ試験においては、チャ
ンバの外側にフード等を取り付けることなく、連通部材
の連通穴から隙間内に直接漏れ検出用ガスを導入するだ
けの簡単な作業で漏れ検出を確実に行うことができる利
点がある。
【0049】さらに、請求項3,5記載の発明は、上記
方法において、チャンバの組立を行う前に各壁表面の機
械加工を行うようにしたものであるので、この機械加工
によって発生する切り屑や、機械加工時の把持作業等に
よって壁表面を損傷することを防ぐとともに、組立後に
機械加工を行う場合に比べて加工所要時間を大幅に短縮
することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における高真空チャンバの
要部を示す断面斜視図である。
【図2】上記高真空チャンバの全体斜視図である。
【図3】上記高真空チャンバの断面正面図である。
【図4】上記高真空チャンバにおけるノズルの取付構造
を示す断面正面図である。
【図5】上記高真空チャンバの製造方法を示す流れ図で
ある。
【図6】第2実施例における高真空チャンバの全体斜視
図である。
【図7】上記高真空チャンバの要部を示す断面斜視図で
ある。
【図8】(a)は上記高真空チャンバに設けられる連通
筒及び蓋を示す一部断面図、(b)は連通筒及び蓋の変
形例を示す断面図である。
【図9】上記高真空チャンバの製造方法を示す流れ図で
ある。
【図10】従来の高真空チャンバの一例を示す斜視図で
ある。
【図11】上記高真空チャンバの要部を示す断面斜視図
である。
【符号の説明】
19 隙間 20 側壁 22 天壁 24 底壁 40 連通筒(連通部材) 41 小径穴(連通穴を構成) 42 ねじ穴(連通穴を構成) 44 蓋(閉塞部材) A 外側ビード B 内側ビード

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の壁の端部同士が互いに略直交する
    状態で溶接されることにより形成される高真空チャンバ
    の製造方法であって、上記壁の端部同士の間に隙間を残
    した状態でその内面部分を連続的にシール溶接し、この
    状態でガスの漏れ試験を行った後、上記壁の端部の外面
    部分を連続的にシール溶接し、各壁の表面を電解研磨す
    ることを特徴とする高真空チャンバの製造方法。
  2. 【請求項2】 複数の壁の端部同士が互いに略直交する
    状態で溶接されることにより形成される高真空チャンバ
    の製造方法であって、上記壁の端部同士の間に隙間を残
    した状態でその内面部分を連続的にシール溶接し、かつ
    外面部分を部分的にシール溶接し、この状態でガスの漏
    れ試験を行った後、上記壁の端部の外面部分を全域にわ
    たって連続的にシール溶接し、各壁の表面を電解研磨す
    ることを特徴とする高真空チャンバの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の高真空チャンバ
    の製造方法において、上記壁の端部同士の溶接を行う前
    に各壁の表面を機械加工することを特徴とする高真空チ
    ャンバの製造方法。
  4. 【請求項4】 複数の壁の端部同士が互いに略直交する
    状態で溶接されることにより形成される高真空チャンバ
    の製造方法であって、上記壁の端部同士の間に隙間を残
    した状態で、その内面部分を連続的にシール溶接する作
    業と、外面部分の複数の位置に上記隙間を外部に連通す
    る連通穴をもつ連通部材を接合する作業と、この連通部
    材を接合した部分以外の外面部分を連続的にシール溶接
    する作業とを行った後、上記連通部材の一つから漏れ検
    出用ガスを上記隙間内に導入して他の連通部材から流出
    させることによりガスの漏れ試験を行い、次いで、全て
    の連通部材の連通穴を塞いだ状態で各壁の表面を電解研
    磨することを特徴とする高真空チャンバの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の高真空チャンバの製造方
    法において、上記壁の端部同士の溶接を行う前に各壁の
    表面を機械加工することを特徴とする高真空チャンバの
    製造方法。
  6. 【請求項6】 複数の壁の端部同士が互いに略直交する
    状態で溶接されることにより形成される高真空チャンバ
    において、連通穴が貫設された連通部材と、この連通部
    材の連通穴を塞ぐ閉塞部材とを備えるとともに、上記壁
    の端部同士の間に隙間を残した状態でその内面部分を連
    続的にシール溶接し、外面部分の複数の位置に上記隙間
    と連通穴とを合致させた状態で上記連通部材を接合し、
    この連通部材を接合した部分を残して他の外面部分を連
    続的にシール溶接したことを特徴とする高真空チャンバ
    の溶接構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010056615A2 (en) * 2008-11-14 2010-05-20 Applied Materials, Inc. Electron beam welding of large vacuum chamber body having a high emissivity coating

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