JPH05262673A - 超音波診断用造影剤 - Google Patents

超音波診断用造影剤

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JPH05262673A
JPH05262673A JP4092425A JP9242592A JPH05262673A JP H05262673 A JPH05262673 A JP H05262673A JP 4092425 A JP4092425 A JP 4092425A JP 9242592 A JP9242592 A JP 9242592A JP H05262673 A JPH05262673 A JP H05262673A
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JP
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ferrite
particles
grains
coated
glass balloon
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JP4092425A
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English (en)
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Tadashi Moriya
正 守谷
Masahiro Seki
昌浩 関
Hisaomi Nakamura
壽臣 中村
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K49/00Preparations for testing in vivo
    • A61K49/22Echographic preparations; Ultrasound imaging preparations ; Optoacoustic imaging preparations
    • A61K49/222Echographic preparations; Ultrasound imaging preparations ; Optoacoustic imaging preparations characterised by a special physical form, e.g. emulsions, liposomes
    • A61K49/223Microbubbles, hollow microspheres, free gas bubbles, gas microspheres

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 気体が内包された粒子の表面にフェライト磁
性層を有する粒子を水性媒体中に含む超音波診断用造影
剤。 【効果】 造影の効果が大きく、生体に対して障害を与
えることがなく、生体中での移動を制御できる医療用超
音波診断用造影剤を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用超音波診断に用
いられる造影剤に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波診断は、短波長の超音波が生体内
部を細いビーム状の音波としてほぼ直進的に伝わり、こ
のビーム状の超音波が生体組織を伝わりながら、音響的
性質の異なる臓器や組織の境界面でその一部が反射した
り、散乱したり、吸収などにより減衰したり、さらにド
プラ効果を受けたりする、という音響物理現象を診断に
利用するものであって、音響特性の変化は超音波探触子
により検出される。
【0003】生体の超音波診断において、心臓や血管の
血流、尿流等に関する情報を得るためには超音波造影剤
が用いられる。この造影剤は循環系に非経口的に注入さ
れ、造影される器官へ移動させる。そのため、造影剤は
生体に対して障害を与えないこと、安定であること、被
測定流体中で良好な分散性を示すものであること、が必
要である。
【0004】そのような要件を満す超音波造影剤とし
て、特開平1−203337号及び特開平2−1150
37号公報には、アルブミンのような感熱性蛋白質を水
不溶化処理された生物親和性物質に微小気泡が封入され
た直径10ミクロン以下の微小球の分散体が開示されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ガスを封入した中空の微小球からなる造影剤は、造影効
果は大きいが、造影剤を生体の観察部位付近に集中的に
誘導できないため過剰の造影剤を必要とし、さらに、比
重を調節できないため尿等の低速流体の観察に利用でき
ないという問題がある。
【0006】本発明は、造影の効果が大きく、生体に対
して障害を与えることがなく、生体中での移動を制御で
きる超音波診断用造影剤を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、気体が内包さ
れた粒子の表面にフェライト磁性層を有する粒子を水性
媒体中に含む超音波診断用造影剤である。本発明の造影
剤は造影効果を減じることなく、また生体に対する安全
な磁界で、生体の観察部位に造影剤を生体外から導くこ
とができ、これにより最少使用量の造影剤で造影効果を
得ることができ、また体外へ容易に排除することが可能
となり、副作用をなくすことができた。
【0008】本発明はまた、観察部位付近に配置した磁
場により、本発明の造影剤を観察部位に集中させること
を特徴とする超音波診断方法を提供する。
【0009】本発明はまた、本発明の造影剤を、生体の
被測定流体に導入し、超音波診断において流れを可視化
するとともに、体外から磁気勾配を与えることにより感
度及び分解能を向上させることを特徴とする超音波診断
方法を提供する。
【0010】本発明の超音波診断用造影剤の好適な調製
方法を以下に説明する。
【0011】本発明に用いられる粒子は、内部に気泡を
有するものであれば特に制限されるものではない。、血
管系に用いられるものは粒径が10ミクロン以下である
ことが好ましいが、泌尿器系のトレーサーとして用いら
れるものは粒径が100ミクロン以下であればよい。
【0012】粒子としては、中空の粒子、例えば中空ガ
ラスビーズ(以下、ガラスバルーン粒子ともいう)や中
空プラスチックビーズが用いられ、また前記不溶化処理
された生物親和性微粒子も用いられる。中空ガラスビー
ズとしては、例えばグラスバブルズS60/10000
(直径30μm )、B37/2000(直径50μ
m)、B28/750(直径80μm )(以上住友スリ
ーエム製)及びHSC110(直径8〜12μm )(東
芝バロティーニ社製)等が挙げられる。また天然鉱物の
微小発泡体粒子として、ミツイパーライト(三井金属鉱
業社製)等が挙げられる。また軽石等を粉砕した多孔性
の天然鉱物も使用可能である。さらに中空ポリマー粒子
として、特願平1−232375号公報に記載された複
合中空粒子が挙げられる。
【0013】粒子表面に付けるフェライトは高飽和磁化
のフェライト微粒子であることが望ましい。粒子表面に
フェライト磁性層を形成させる方法は、例えば特開昭6
3−65085号公報に開示されている方法に従って行
うことができる。すなわち、粒子を含む脱酸素水溶液に
第一鉄イオン、酸化剤及びpH調節剤を添加することに
より粒子表面にフェライト被覆層が形成される。
【0014】第一鉄イオンは、第一鉄の塩酸塩、硫酸
塩、酢酸塩等の塩の形で水溶液中に供給される。水溶液
が金属イオンとして第一鉄イオンのみを含む場合には、
金属元素として鉄のみを含むスピネル・フェライト、す
なわちマグネタイトFe34の膜として得られる。ま
た第一鉄イオンの水溶液には他の遷移金属イオンMn+
含んでいてもよい。そのような金属イオン種としては、
亜鉛、コバルト、ニッケル、マンガン、銅、バナジウ
ム、アンチモン、リチウム、モリブデン、チタン、ルビ
ジウム、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、クロ
ム、錫、カルシウム、カドミウム、インジウム等が例示
される。Mn+がコバルトイオンの場合はコバルトフェラ
イト(COX Fe3-X4 )、ニッケルイオンの場合は
ニッケルフェライト(NiX Fe3-X4 )が得られ、
n+が複数種である場合にも混晶フェライトが得られ
る。これらの第一鉄イオン以外の金属イオン種もそれぞ
れ水溶性の塩の形で水溶液中に配合される。本発明のフ
ェライト磁性層は、磁場を取り除いた時に残留磁気が少
なく、再分散が可能である。フェライト磁性層は、粒子
表面に連続的又は不連続的に形成されていればよい。
【0015】酸化剤の例としては亜硝酸塩、硝酸塩、過
酸化水素、有機過酸化物、過塩素酸又は溶存酸素水等が
挙げられる。好適には、酸化剤の水溶液及び金属イオン
の水溶液を分析化学における滴定法のように、一定量を
溶液中に滴下するのが好ましく、滴下量を調節すること
により、フェライト膜厚の調節が容易に行われる。
【0016】水溶液のpHは、水溶液中に存在するアニ
オン、金属イオンの種類によって適宜選択され、制御さ
れるが、好ましくは6〜11、より好ましくは7〜11
の範囲である。pHの安定化のために、例えば酢酸アニ
モニウム等の緩衝剤を加えてもよい。また必要により、
反応中、アンモニア水等のアルカリ溶液を適宜添加して
もよい。
【0017】また特開平3−237019号公報に開示
されているように、pH−酸化還元電位を適当な範囲に
制御して前記の方法を行い、粒子にフェライト磁性層を
形成させる方法が好ましい。
【0018】反応温度は、水溶液の沸点以下の範囲であ
ればよいが、好ましくは60℃〜90℃の範囲である。
また、反応は本質的に脱酸素雰囲気下で行われる。酸素
が多量に存在する条件下では、不必要な酸化反応が進行
するので好ましくない。具体的には窒素雰囲気下で反応
させるのが好ましい。また、同様に水溶液中からも酸素
を除き、脱酸素水溶液を用いる。
【0019】粒子と第一鉄イオン又はその他の遷移金属
イオンの配合重量比は、それらの試薬種によって異なる
が、粒子の比重をa、得られるフェライトの比重をbと
し、フェライト被覆粒子中の粒子の重量比をx%とした
場合、フェライト被覆粒子の比重は、式 ρF =1/{x/100a+(1−x/100)/b} で表わされ、ρF が0.1から5、好ましくは1から
3、より好ましくは体液(血流、尿等)に近似した比重
となるような重量比であることが好ましい。
【0020】比重が0.1より小さい場合、十分なフェ
ライト被覆量が得られず、また5より大きい場合は、水
中又は体液中で粒子が沈んでしまい、十分な移動性が得
られない。
【0021】好適な調製方法は、先ず脱酸素水に粒子を
懸濁し、この際必要により界面活性剤等の添加剤を添加
して粒状物の水への馴染みを向上させることができる。
次いで必要によりpH調節のためにpH緩衝剤を混入
し、pHを所定値に設定する。この後、第一鉄イオン溶
液と酸化剤溶液を上記懸濁液に添加する。この添加プロ
セス中、必要により懸濁液の酸化還元電位及びpHを所
定値の一定範囲内に制御してもよい。酸化還元電位の制
御は、酸化剤溶液もしくは第一鉄イオン溶液の滴下速度
を変化させることで行う。pHの制御は、アンモニア水
等アルカリ溶液を適宜添加することで行うこともでき
る。
【0022】得られたフェライト被覆した粒子は、濾
過、遠心又は透析等により洗浄、分離を行い、必要によ
り分離後乾燥してもよい。
【0023】得られたフェライト被覆した粒子は溶液中
の分級によって目的とする診断部位の体液に近似した比
重のものを得る。分級は分散液を静置する自然沈降、又
は遠心による方法でもよい。また必要により無機塩、糖
等を溶解し、比重を1以上とした水溶媒、さらに四塩化
炭素等の高比重の有機溶媒を用いてもよい。分級は基本
的には沈降したものとそうでないものとを分けることで
行うが、必要により中間層を分取することで行うことも
できる。その後さらに洗浄することにより、目的とする
フェライト被覆した粒子が得られる。
【0024】
【発明の効果】本発明の造影剤を使用する場合には、前
記特開平1−203337号公報に記載の造影剤と同様
に、静脈注射により血管系あるいは泌尿器系に注入し、
診断部位近辺に永久磁石又は電磁石を配置する、あるい
は体外から磁気勾配を与える等により、造影剤を診断部
位に集中させることができる。またカテーテルを使用し
て診断部位に効率よく導くこともできる。
【0025】造影剤使用による診断は、造影剤導入によ
る超音波画像の変化、エコー強度の変化、音速の変化及
び減衰定数の変化を読影あるいは計測することにより行
われる。
【0026】また血管と臓器の境界が識別しにくい場合
に造影剤を注入し、境界に固定することにより境界の識
別を行うことができる。
【0027】本発明の造影剤を前立腺検査における尿流
等低速流体の可視化に使用する場合には、尿道からカテ
ーテルにより膀胱内に造影剤を低密度(100粒子/cc
以下)で導入し、患者に排尿させて尿の流れを超音波診
断で観察する。排尿に障害を有する患者は、完全に排尿
するのに数分から十数分の時間を必要とするが、本発明
の造影剤の比重が尿に近いため、長時間造影剤を尿中に
分散させておくことができる。
【0028】また膀胱、尿道の診断部位に造影剤を固定
し、境界の鮮明化を行うことができる。
【0029】また不可視流体(例えば心臓の血流、膀胱
等)の可視化にも造影剤が用いられているが、トレーサ
ーとして、本発明による造影剤が使用可能である。
【0030】このように、本発明の造影剤は、粒子の表
面にフェライト磁性層を有するため、超音波診断に際し
て感度及び分解能を向上させることができ、また被覆し
たフェライトによる磁気の効果で、所望の体内診断部位
への誘導が可能であり、更にはフェライトの膜厚を調節
することにより粒子の比重を診断部位の体液の比重に近
似させることができるため、体液の流速を観察すること
が可能である。
【0031】
【実施例】本発明を、製造例、実施例により更に詳細に
説明する。製造例1 有機粒子の製造に用いる乳化剤の製造 撹拌機、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、デ
カンターを備えた2リットルコルベンに、ビスヒドロキ
シエチルタウリン213g 、1,6−ヘキサンジオール
236g 、無水フタル酸296g 、アゼライン酸376
g 及びキシレン44g を仕込み、昇温した。反応により
生成した水はキシレンと共沸させて除去した。還流開始
から約3時間かけて温度を210℃にし、カルボン酸相
当の酸価が125になるまで撹拌と脱水を継続して反応
させた。これを140℃まで下げたのち、この温度を保
持し、「カージュラーE10」(シェル社製、バーサテ
ィック酸グリシジルエステル)500g を30分で滴下
し、その後2時間撹拌を継続した。
【0032】製造例2 有機粒子の製造 撹拌機、冷却器、温度制御装置及び窒素導入管を備えた
反応容器に、製造例1で得た乳化剤50g 、ジメチルエ
タノールアミン5.0g 及び脱イオン水508g を仕込
み、撹拌しながら温度を80℃にした。これに下記開始
剤溶液80g を添加した後、直ちに下記単量体混合物の
滴下を開始した。
【0033】開始剤溶液 アゾビスシアノ吉草酸 2 g 脱イオン水 100 g ジメチルエタノールアミン 1.3g単量体混合物 メタクリル酸メチル 100g アクリル酸n−ブチル 50g スチレン 200g エチレングリコールジメタクリレート 100g
【0034】60分間で滴下を終了した後、開始剤溶液
の残り23.3g を加え、30分間撹拌を継続して反応
を終了した。得られたエマルジョンのミクロゲル分散体
の粒径は0.079μm であった。このエマルジョンを
噴霧乾燥して重合体微粒子を得た。
【0035】製造例3 複合中空粒子の製造 製造例2より得た有機粒子15g をスチレン40g 、メ
チルメタクリレート15g 、n−ブチルアクリレート1
5g 、エチレングリコールジメタクリレート30g に均
一に分散した溶液に、2,2−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)1g を溶解し、これを脱イオン水
400g にゴーセノールNH−20(日本合成化学社
製)10g を溶解した水溶液に高速撹拌しながら添加
し、懸濁液を製造した。これを撹拌機、冷却器、温度制
御装置及び窒素導入管を備えた0.5リットル反応容器
に入れ、撹拌下30分間で60℃まで加熱し、この温度
で6時間にわたり重合させた。得られた分散液の不揮発
分は20%であり、これを濾過、乾燥し、粒子径の中心
が3μm にある架橋性の粒子を得た。この粒子の断面を
電子顕微鏡により観察したところ、粒子内部に中空が存
在することが判った。
【0036】製造例4 有機粒子の製造 撹拌機、冷却器、温度制御装置及び窒素導入管を備えた
反応容器に脱イオン水1000g を仕込み、撹拌しなが
ら温度を80℃にした。これに下記開始剤溶液205g
及びメチルメタクリレート50g を添加した後、直ちに
下記単量体混合物の滴下を開始した。
【0037】開始剤溶液 ペルオキソニ硫酸アンモニウム 5 g 脱イオン水 200 g単量体混合物 メタクリル酸メチル 200g アクリル酸n−ブチル 60g スチレン 200g エチレングリコールジメタクリレート 40g
【0038】120分間で滴下を終了した後、60分間
撹拌を継続して反応を終了した。得られたエマルジョン
のミクロゲル分散体の粒径は0.53μm であった。こ
のエマルジョンを噴霧乾燥して重合体微粒子を得た。
【0039】製造例5 複合中空粒子の製造 製造例4より得た有機粒子10g をスチレン25g 、メ
チルメタクリレート40g 、n−ブチルアクリレート5
g 、ネオペンチルグリコールジメタクリレート25g 、
ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド5g に均一に
分散した溶液に、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサナート2g を溶解し、これを脱イオン水900g に
ゴーセノールGH−17(日本合成化学社製)10g を
溶解した水溶液に高速撹拌しながら添加し、懸濁液を製
造した。これを撹拌機、冷却器、温度制御装置及び窒素
導入管を備えた1リットル反応容器に入れ、撹拌下、3
0分間で85℃まで加熱し、この温度で6時間にわたり
重合させた。得られた分散液の不揮発分は10%であ
り、これを濾過、乾燥し、粒子径の中心が5.3μm に
ある架橋性の粒子を得た。この粒子の断面を電子顕微鏡
により観察したところ、粒子内部に中空が存在すること
が判った。
【0040】実施例1 フェライト被覆ガラスバルーン
粒子の作製 反応容器に、脱酸素脱イオン水100g に粒径約30μ
m のガラスバルーン粒子(住友スリーエム社製,グラス
バブルズS60/10000,比重0.6)10g を分
散させて仕込み、脱酸素した4.3mol /l の酢酸アン
モニウム緩衝液100g を加えて、撹拌しながら70℃
に昇温した。これに予め用意したN2 ガスで置換した
1.26mol /l の硫酸第一鉄水溶液と、N2 ガスで置
換した2.16mol /l の亜硝酸ナトリウム溶液を滴下
した。滴下中、温度は70℃、酸化還元電位は−480
mVに保持し、またアンモニア水の滴下によりpH7.0
に維持した。40分かけて硫酸第一鉄溶液103g と亜
硝酸ナトリウム溶液15g を滴下した後、反応を終了
し、得られたフェライト被覆ガラスバルーン粒子を濾過
により分離、水洗した。
【0041】得られた粒子を脱イオン水100g に分散
し、一夜静置して浮遊するものを取り除き分級した。こ
のフェライト被覆ガラスバルーン粒子の比重は2.2で
あり、またVSM振動式磁気測定装置を用いて10Kエ
ルステッドの飽和磁化量を測定したところ42emu /g
であった。得られたフェライト被覆ガラスバルーン粒子
を走査型電子顕微鏡で撮影した(図1)。
【0042】実施例2 フェライト被覆ガラスバルーン
粒子の作製 実施例1におけるガラスバルーン粒子をグラスバブルズ
B37/2000(住友スリーエム社製,平均粒径50
μm ,比重0.37)に変え、硫酸第一鉄水溶液の添加
量を218.3g に変えた以外は同様の処理を行って、
フェライト被覆ガラスバルーン粒子を得た。さらに実施
例1と同様に分級を行ったところ、比重2.0、飽和磁
化量26emu /g であった。
【0043】実施例3 フェライト被覆ガラスバルーン
粒子の作製 実施例1におけるガラスバルーン粒子をHSC−110
(東芝バロティーニ社製,平均粒径10μm ,比重1.
1)に変え、硫酸第一鉄水溶液の添加量を50.7g に
変えた以外は同様の処理を行って、フェライト被覆ガラ
スバルーン粒子を得た。さらに実施例1と同様に分級を
行ったところ、比重1.6、飽和磁化量17emu /g で
あった。
【0044】実施例4 フェライト被覆中空ポリマー粒
子の作製 実施例1におけるガラスバルーン粒子を製造例3で得た
複合中空粒子に変え、硫酸第一鉄水溶液の添加量を9
4.1g に変えた以外は同様の処理を行って、フェライ
ト被覆中空ポリマー粒子を得た。さらに実施例1と同様
に分級を行ったところ、比重1.5、飽和磁化量21em
u /g であった。
【0045】実施例5 フェライト被覆中空ポリマー粒
子の作製 実施例1におけるガラスバルーン粒子を製造例5で得た
複合中空粒子に変え、硫酸第一鉄水溶液の添加量を16
0.0g に変えた以外は同様の処理を行って、フェライ
ト被覆中空ポリマー粒子を得た。さらに実施例1と同様
に分級を行ったところ、比重1.8、飽和磁化量30em
u /g であった。
【0046】実施例6 実施例1〜5のフェライト被覆ガラスバルーン粒子又は
フェライト被覆中空ポリマー粒子1wt%水溶液をシリン
ジに取り、図2の膀胱を想定したモデル装置に1ccを注
入し、直後から10分間、超音波診断装置(日立製作所
社製,EUB−565型,3.5MHz リニア掃査型深触
子付)で観察した。図3は実施例1、図4は実施例2、
図5は実施例3の各フェライト被覆ガラスバルーン粒子
を、図6は実施例4のフェライト被覆中空ポリマー粒子
を用いた場合の超音波診断写真の説明図である。いずれ
も鮮明に、流体の流れが、共鳴散乱による強いエコーに
より観察できた。
【0047】実施例7 実施例1〜5のフェライト被覆ガラスバルーン粒子又は
フェライト被覆中空ポリマー粒子1wt%水溶液をシリン
ジに取り、図7の人体の血管壁モデル装置(流速2〜3
cm/秒、磁束密度は磁界の中央部から1cmのところで約
140ガウス、磁気勾配20エルステッド/mm)に1cc
を注入し、超音波診断装置(日立製作所社製,EUB−
565型,3.5MHz リニア掃査型深触子付)で観察し
た。図8は実施例1のフェライト被覆ガラスバルーン粒
子を流し始めた時の状態を、図9は流し始めから1分後
の状態を撮影した超音波診断写真の説明図である。図8
ではチューブ内壁にフェライト被覆ガラスバルーン粒子
が流れている状態が観察できた。図9では、チューブ内
壁面にフェライト被覆ガラスバルーン粒子が集まった状
態が観察できた。実施例2〜5のフェライト被覆粒子に
ついても、上記と同様の状態が観察できた。
【0048】実施例8 実施例1のフェライト被覆ガラスバルーン粒子を0.2
2μm フィルターで濾過した後、高圧蒸気で滅菌した生
理的食塩水で無菌的に洗浄、置換し、同生理的食塩水中
の10wt%分散液とした。ビーグル犬(6才、13kg、
雄)の後足付け根付近に、塩酸ケタラール注射薬(50
mg/ml)2mlを筋注して、局所麻酔をした。実験観察
中、追加麻酔は行わず、無拘束下で行った。
【0049】尿道からカテーテルを挿入し、留置した。
シリンジによりカテーテルから生理的食塩水60mlを注
入し、膀胱を膨充させた後、上記フェライト被覆ガラス
バルーン粒子の分散液0.5mlを注入した。さらに生理
的食塩水10mlを注入し、カテーテル内の分散液を完全
に注入した(図10)。注入前からの状態を、超音波診
断装置(横河メディカルシステムズ社製、U−soni
c RT5000型、5MHz 深触子付)で観察した。図
11は分散液注入前の状態、図12は注入直後の状態、
図13は磁石によってフェライト被覆ガラスバルーン粒
子が集まった状態を、図14は磁石を外し、再び膀胱内
にフェライト被覆ガラスバルーン粒子が分散した状態を
示した超音波診断写真の説明図である。観察後、カテー
テルを脱離し、自由排尿させた。フェライト被覆ガラス
バルーン粒子の黒色を呈した尿を排尿した。覚醒後、自
由歩行し、正常に回復した。実験終了30日後、特に異
常な症状を示さなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のフェライト被覆ガラスバルーン粒子
の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】人体の膀胱モデル装置の概略図である。
【図3】実施例1のフェライト被覆ガラスバルーン粒子
を用い、図2の膀胱モデル装置で測定した超音波診断写
真の説明図である。
【図4】実施例2のフェライト被覆ガラスバルーン粒子
を用い、図2の膀胱モデル装置で測定した超音波診断写
真の説明図である。
【図5】実施例3のフェライト被覆ガラスバルーン粒子
を用い、図2の膀胱モデル装置で測定した超音波診断写
真の説明図である。
【図6】実施例4のフェライト被覆中空ポリマー粒子を
用い、図2の膀胱モデル装置で測定した超音波診断写真
の説明図である。
【図7】人体の血管壁モデル装置の概略図である。
【図8】図7の血管壁モデル装置で、実施例1のフェラ
イト被覆ガラスバルーン粒子を流し始めた時の状態を測
定した超音波診断写真の説明図である。
【図9】図7の血管壁モデル装置で、実施例1のフェラ
イト被覆ガラスバルーン粒子を流し始めてから1分経過
後の状態を測定した超音波診断写真の説明図である。
【図10】実施例8の測定概略図である。
【図11】実施例8の測定における、実施例1のフェラ
イト被覆ガラスバルーン粒子を注入前の膀胱の状態を測
定した超音波診断写真の説明図である。
【図12】実施例8の測定における、実施例1のフェラ
イト被覆ガラスバルーン粒子を注入直後の膀胱の状態を
測定した超音波診断写真の説明図である。
【図13】実施例8の測定における、実施例1のフェラ
イト被覆ガラスバルーン粒子を集磁した膀胱の状態を測
定した超音波診断写真の説明図である。
【図14】実施例8の測定における、磁石を外した時の
膀胱の状態を測定した超音波診断写真の説明図である。
【符合の説明】
1 水 2 ゴム性氷嚢 3 脱気水 4 スポンジ 5 シリンジ 6 超音波探触子 7 フェライト被覆ガラスバルーン粒子 8 フェライト被覆中空ポリマー粒子 9 ゴム管 10 永久磁石 11 穴をあけたコンニャク 12 流量モニター 13 細いパイプ 14 ペニス 15 膀胱

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体が内包された粒子の表面にフェライ
    ト磁性層を有する粒子を水性媒体中に含む超音波診断用
    造影剤。
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