JPH0526222A - ビ ス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種機器、設備等に使用されるビスにおい
て、そのビスに仮保持の為の係止機能を持たせることに
より、ビス締め作業時においてしばしば発生するビスの
落下を防止し、生産性と品質の向上を目的とする。 【構成】 ビス１の先端部に被固定部材２に切られたメ
ネジ２ａの外径Ｄよりも若干大きな突起部１ｆを設ける
ことにより、ビス材質の有する弾粘性を利用して、突起
部１ｆの付け根であるくびれ部１ｇと被固定部材２に切
られたメネジ２ａの間で係止させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は固定部材と被固定部材を
締結するための一つの手段であるビス、あるいはボルト
等に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、各種機器、設備等の生産、販売を
行うメーカーにとって、その生産性の向上ということが
重要な取り組みポイントの一つになっている。本発明は
その生産性との依存性が高いビス締め作業の効率化を目
指すものである。

【０００３】以下に従来のビス、及びそのビス締め作業
について説明する。図５は従来のビス、及びそのビス締
め作業を示したものである。同図において、１はビス、
２は固定部材、３は被固定部材、４はドライバーの先端
部である。普通このビス締め作業を行う場合、まずビス
頭溝部１Ｂにドライバー先端部４をあてて、ビス先端部
１Ａを固定部材２に接触させ、ドライバー先端部４を回
転させることにより固定部材２に切られてあるメネジ２
Ａにネジ込みその作業は完了する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ビス及びその作業方法においては、ビス締め時ビスがし
ばしば落下するという課題があった。以下その課題の詳
細を図５によって説明する。まず第一にビス１の材質が
樹脂に代表されるような非磁性体の場合、ドライバー先
端部４が磁化されたものを使用しても、当然それに付着
せず、ビス締め作業時、ビス１を落下させやすい。また
第２にビス１の材質が鉄に代表される磁性体だったとし
ても、ドライバー先端部４が磁化されたものを使用しな
ければ、やはりビス１を落下させやすい。特に機器内部
において、ビス締め作業時そのビスを機器内に落下させ
ると著しく生産性を落とすばかりでなく、金属製のビス
の場合などは機器内に設けられた活電部に接触し電気的
ショートを引き起こすという課題を有していた。

【０００５】本発明は前記従来の課題を解決するもの
で、各種機器、設備等の生産性及び品質を向上させるこ
とを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のビスは、少なくともビスの先端部に仮保持の
ための、係止機能を有させるものである。

【０００７】

【作用】この機能によって、ビス先端部と固定部材、あ
るいは被固定部材との間において仮保持が可能になり、
前記課題を解決することができる。

【０００８】

【実施例】

（実施例１）以下本発明の一実施例について、図を参照
しながら説明する。

【０００９】図１、図２（Ａ）〜（Ｂ）は本発明の第１
の実施例を示したものである。図１において、１は本発
明のビス、２は固定部材、３は被固定部材、４はドライ
バー先端部である。ビス１は樹脂に代表されるような弾
粘性材で成形されている。ビス１の先端部にスリット１
ａを有する突起部１ｆを設ける。この時、突起部１ｆの
外径Ａは固定部材２に切られてあるメネジ２ａの谷径Ｄ
よりも若干大きめに設定する。スリット１ａは突起部１
ｆにバネ性を持たせるためであり、使用する材料の硬
度、あるいは本ビスのネジ部１ｂの外径（ネジ径）に応
じて、その隙間間隔Ｂは各々設定するものである。また
前記突起部１ｆの付け根であるくびれ部１ｇの外径Ｃは
固定部材２に切られてあるメネジ２ａの谷径Ｄよりも若
干小さめにする。

【００１０】以上のように構成されたビスについて、図
２（Ａ）〜２（Ｃ）を用いてその動作を説明する。図２
（Ａ）はビス締め作業開始状態を、図２（Ｂ）はビス締
め作業中でありビスが係止された状態を、図２（Ｃ）は
ビス締め作業終了時点で締結完了状態を示す。

【００１１】ビス締め作業が図２（Ａ）の状態からさら
にドライバー先端部４にてビス１を固定部材２側へ押す
と、突起部１ｆはその先端である円錐部１ｄにより、突
起部１ｆのスリット１ａの隙間Ｂが小さくなる方向に、
突起部１ｆの外径Ａが固定部材２に切られてあるメネジ
２ａの谷径Ｄに等しくなるまでたわむ。さらにビス１を
押すと、やがて突起部１ｆは固定部材２に切られてある
メネジ２ａを貫通し、図２（Ｂ）で示すようにくびれ部
１ｇがメネジ２ａにはまった状態で係止される。少なく
とも図２（Ｂ）の状態まではドライバーを使用せずと
も、手の指で行うことも可能である。以下普通にドライ
バーにてねじ込むことにより、図２（Ｃ）で示すような
状態でネジ締め作業は完了する。

【００１２】（実施例２）図３、図４は本発明の第２の
実施例を示したものである。

【００１３】図３において１１は本発明のビスである。
ビス１１は鉄に代表されるような磁性体である。ビス１
１の先端部１１ａ，もしくはビス１１全体を磁化するこ
とによって、少なくとも磁性体で成形された固定部材５
あるいは被固定部材６に、図４で示すように付着させる
ことによって、本ビスの落下を防止するものである。

【００１４】

【発明の効果】以上のように本発明は、ビス自身に仮保
持のための係止機能を持たせることによって、各種機
器、設備等のビス締め作業性、及び品質の向上を実現で
きるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例における全体構成図

【図２】本発明の第１の実施例における動作状態図

【図３】本発明の第２の実施例における構成図

【図４】本発明の第２の実施例における動作状態図

【図５】従来の技術の全体構成図

【符号の説明】

１ ビス １ａ スリット １ｄ 円錐部 １ｆ 突起部 ２ 固定部材 １１ａ 磁化部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ビスの少なくともネジ部先端に係止機能を
   有したことを特徴とするビス。
2. 【請求項２】弾粘性材で成形したビスのネジ部先端に被
   固定部材に設けられたメネジの谷径よりも若干大きな突
   起部を設うけ、ネジ材質の弾粘性を利用し、係止機能を
   持たせたことを特徴とするビス。
3. 【請求項３】少なくとも磁性体で作られた被固定部材、
   もしくは固定部材に付着させるため、磁性体で成形され
   たビスのネジ部先端、あるいはビス全体を磁化させるこ
   とにより係止機能を持たせたことを特徴とするビス。