JPH05261491A - Ni基合金板の製造法 - Google Patents
Ni基合金板の製造法Info
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- JPH05261491A JPH05261491A JP9228992A JP9228992A JPH05261491A JP H05261491 A JPH05261491 A JP H05261491A JP 9228992 A JP9228992 A JP 9228992A JP 9228992 A JP9228992 A JP 9228992A JP H05261491 A JPH05261491 A JP H05261491A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 双ロール法でLaves相が析出するNi基
合金の薄板を製造する際に生じる割れやバルジングを防
止する。 【構成】 双ロール式連鋳機を用いてLaves相化合
物が析出するNi基合金の金属板を製造するさいに,ロ
ールの円周面を銅または銅合金で構成したうえ,その表
面に熱伝導率10〜90 W/m.Kの材質からなる厚みが 1.0mm
超え 3.5mm以下の伝熱抵抗層を形成し且つこの伝熱抵抗
層の表面を中心平均粗さ (Ra)で5〜25μmの粗面と
した双ロール式連鋳機を用い,該ロール対の間隙を通過
する薄板にかかる単位板幅当りの圧着負荷を20〜100 N/
mm幅の範囲に制御して該Ni基合金を鋳造する。
合金の薄板を製造する際に生じる割れやバルジングを防
止する。 【構成】 双ロール式連鋳機を用いてLaves相化合
物が析出するNi基合金の金属板を製造するさいに,ロ
ールの円周面を銅または銅合金で構成したうえ,その表
面に熱伝導率10〜90 W/m.Kの材質からなる厚みが 1.0mm
超え 3.5mm以下の伝熱抵抗層を形成し且つこの伝熱抵抗
層の表面を中心平均粗さ (Ra)で5〜25μmの粗面と
した双ロール式連鋳機を用い,該ロール対の間隙を通過
する薄板にかかる単位板幅当りの圧着負荷を20〜100 N/
mm幅の範囲に制御して該Ni基合金を鋳造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,Laves相が析出す
るNi基合金からなる良品質の金属板を歩留りよく製造
する方法に関する。
るNi基合金からなる良品質の金属板を歩留りよく製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼よりも耐熱・耐食性に優れ
たNi合金は,ステンレス鋼でも使用できないような苛
酷な環境,例えば化学装置や耐海水用部品に用いられて
いる。
たNi合金は,ステンレス鋼でも使用できないような苛
酷な環境,例えば化学装置や耐海水用部品に用いられて
いる。
【0003】一般にNi基合金はステンレス鋼より高温
変形抵抗が高いので, その合金板を製造する場合には,
合金塊から薄板を得るまでに, 焼鈍と圧延を何度も繰り
返さなければならない。特にLaves相化合物が析出
するNi基合金は熱間加工性が極めて悪い。
変形抵抗が高いので, その合金板を製造する場合には,
合金塊から薄板を得るまでに, 焼鈍と圧延を何度も繰り
返さなければならない。特にLaves相化合物が析出
するNi基合金は熱間加工性が極めて悪い。
【0004】すなわち, マトリックス中にγ'相やMC
型炭化物を析出させることによって高温強度の向上を図
ったNi基合金, 例えばMoやNbが多く添加されたNi基
合金ではLaves相(金属間化合物)が凝固末期に偏
析により析出する。Laves相が析出したNi基合金
は,Lavas相が低融点であるために,延性の発現す
る温度が低下し,いわゆる液膜脆化により熱間加工中に
割れが生じ易くなる。
型炭化物を析出させることによって高温強度の向上を図
ったNi基合金, 例えばMoやNbが多く添加されたNi基
合金ではLaves相(金属間化合物)が凝固末期に偏
析により析出する。Laves相が析出したNi基合金
は,Lavas相が低融点であるために,延性の発現す
る温度が低下し,いわゆる液膜脆化により熱間加工中に
割れが生じ易くなる。
【0005】したがって,Laves相が析出したNi
基合金の鋳塊を熱間加工する場合には,加工温度を液膜
脆化が生じない温度まで下げる必要があった。その結
果,鋳塊から薄板を得るためには,変形抵抗の高い領域
における加工を余儀なくされ,加工コストが必然的に増
大した。
基合金の鋳塊を熱間加工する場合には,加工温度を液膜
脆化が生じない温度まで下げる必要があった。その結
果,鋳塊から薄板を得るためには,変形抵抗の高い領域
における加工を余儀なくされ,加工コストが必然的に増
大した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような熱間加工の
困難な材料に対しては,双ロール法や単ロール法のよう
に溶湯から直接薄板を製造する技術の適用が考えられ
る。即ち,溶湯からの急冷凝固により直接薄板を得るこ
とが可能となれば,単に省工程によるメリットにとどま
らず,材料中の析出物(Laves相化合物)の微細分
散化など品質面でも向上が期待できる。
困難な材料に対しては,双ロール法や単ロール法のよう
に溶湯から直接薄板を製造する技術の適用が考えられ
る。即ち,溶湯からの急冷凝固により直接薄板を得るこ
とが可能となれば,単に省工程によるメリットにとどま
らず,材料中の析出物(Laves相化合物)の微細分
散化など品質面でも向上が期待できる。
【0007】しかし,Laves相化合物が析出するN
i基合金を双ロール法を適用して薄板に製造する場合に
は,他のNi基合金に比べ鋳造時に割れが発生しやす
い。すなわち液膜脆性が生じ易い合金は,双ロール法に
おいても鋳造時に板表面に割れが発生し易く,著しい場
合, 裂断が生じるという問題がある。したがって,双ロ
ール法や単ロール法等の溶湯急冷法を何ら技術的改善な
しに該合金に適用しても割れなどの欠陥のない良好な板
を得ることは極めて困難である。
i基合金を双ロール法を適用して薄板に製造する場合に
は,他のNi基合金に比べ鋳造時に割れが発生しやす
い。すなわち液膜脆性が生じ易い合金は,双ロール法に
おいても鋳造時に板表面に割れが発生し易く,著しい場
合, 裂断が生じるという問題がある。したがって,双ロ
ール法や単ロール法等の溶湯急冷法を何ら技術的改善な
しに該合金に適用しても割れなどの欠陥のない良好な板
を得ることは極めて困難である。
【0008】本発明は,Laves相が析出するNi基
合金を双ロール法により溶湯から直接薄板を製造する場
合の上記の課題を解決しようとするものである。
合金を双ロール法により溶湯から直接薄板を製造する場
合の上記の課題を解決しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,一対の
内部冷却式ロールの両円周面上で形成する凝固シエルを
該ロール対の間隙で圧着して薄板に直接鋳造する双ロー
ル式連鋳機を用いて,Laves相化合物が析出するNi
基合金の金属板を製造する方法であって,内部から冷却
される該ロールの円周面を銅または銅合金で構成したう
え,その表面に熱伝導率10〜90 W/m.Kの材質からなる厚
みが 1.0mm超え 3.5mm以下の伝熱抵抗層を形成し且つこ
の伝熱抵抗層の表面を中心平均粗さ (Ra)で5〜25μ
mの粗面とした双ロール式連鋳機を用いること,および
該ロール対の間隙を通過する薄板にかかる単位板幅当り
の圧着負荷を20〜100 N/mm幅の範囲に制御して該Ni基
合金を鋳造することを特徴とするNi基合金板の製造法
を提供する。
内部冷却式ロールの両円周面上で形成する凝固シエルを
該ロール対の間隙で圧着して薄板に直接鋳造する双ロー
ル式連鋳機を用いて,Laves相化合物が析出するNi
基合金の金属板を製造する方法であって,内部から冷却
される該ロールの円周面を銅または銅合金で構成したう
え,その表面に熱伝導率10〜90 W/m.Kの材質からなる厚
みが 1.0mm超え 3.5mm以下の伝熱抵抗層を形成し且つこ
の伝熱抵抗層の表面を中心平均粗さ (Ra)で5〜25μ
mの粗面とした双ロール式連鋳機を用いること,および
該ロール対の間隙を通過する薄板にかかる単位板幅当り
の圧着負荷を20〜100 N/mm幅の範囲に制御して該Ni基
合金を鋳造することを特徴とするNi基合金板の製造法
を提供する。
【0010】
【作用】本発明者らは,Laves相が析出するNi基
合金を双ロール法により種々の条件で鋳造し,板表面の
割れと鋳造条件との関係を詳細に調査した。その結果,
まず割れの発生位置については,鋳造時に生じる板表面
の温度むら (冷却むら)の高温部に対応した位置である
ことを知った。また割れは板表面の温度むらが著しいほ
ど発生しやすいこともわかった。したがって,該合金板
の割れを防止するためには鋳造時に発生する板表面の温
度むらを軽微にすることが重要である。
合金を双ロール法により種々の条件で鋳造し,板表面の
割れと鋳造条件との関係を詳細に調査した。その結果,
まず割れの発生位置については,鋳造時に生じる板表面
の温度むら (冷却むら)の高温部に対応した位置である
ことを知った。また割れは板表面の温度むらが著しいほ
ど発生しやすいこともわかった。したがって,該合金板
の割れを防止するためには鋳造時に発生する板表面の温
度むらを軽微にすることが重要である。
【0011】内部冷却式双ロールを用いた双ロール式連
鋳機では, ロール表面から成長する凝固シエルは均一で
はなくある程度のシエル厚むらを伴って成長する。シエ
ル厚むらが厚い領域では,他より早く両ロール面から成
長してきたシエル同士が突き合わさって圧延されるた
め,その領域だけロールとの密着性が急激に改善され伝
熱抵抗が著しく低下し,温度が低下する。
鋳機では, ロール表面から成長する凝固シエルは均一で
はなくある程度のシエル厚むらを伴って成長する。シエ
ル厚むらが厚い領域では,他より早く両ロール面から成
長してきたシエル同士が突き合わさって圧延されるた
め,その領域だけロールとの密着性が急激に改善され伝
熱抵抗が著しく低下し,温度が低下する。
【0012】すなわち,板表面の温度むらはシエル厚む
らが大きいほど著しくなる。また圧着負荷が大きいほ
ど,凝固シエルとロールとの密着性が急激に改善され温
度が低下する領域と,他の密着性が改善されなかった領
域との温度差が大きくなり,その結果板表面の温度むら
は著しくなる。
らが大きいほど著しくなる。また圧着負荷が大きいほ
ど,凝固シエルとロールとの密着性が急激に改善され温
度が低下する領域と,他の密着性が改善されなかった領
域との温度差が大きくなり,その結果板表面の温度むら
は著しくなる。
【0013】このようなことから,板表面の割れを引き
起こす板表面の温度むらを軽微にするには,円周面上で
成長するシエル厚むらを小さくし, また 圧着負荷を小
さくするとともに,密着性が良くなったときにも急激な
抜熱を抑制することが肝要となる。
起こす板表面の温度むらを軽微にするには,円周面上で
成長するシエル厚むらを小さくし, また 圧着負荷を小
さくするとともに,密着性が良くなったときにも急激な
抜熱を抑制することが肝要となる。
【0014】ロールスリーブ (ロールの胴部の円周面)
の材質は,一般にロールの熱膨張を小さくするため熱伝
導率の高い銅あるいは銅合金が使用される。本発明にお
いても,この意味からスリーブの材質は銅あるいは銅合
金を用いる。
の材質は,一般にロールの熱膨張を小さくするため熱伝
導率の高い銅あるいは銅合金が使用される。本発明にお
いても,この意味からスリーブの材質は銅あるいは銅合
金を用いる。
【0015】そして,この銅または銅合金からなるスリ
ーブ表面(円周面)に熱抵抗となる層 (伝熱抵抗層) を
別途設ける。すなわち銅または銅合金スリーブ表面に銅
より熱伝導率の低い金属層を例えばメッキ処理によって
形成する。より具体的には,熱伝導率10〜90 W/m.Kの材
質からなる厚みが 1.0mm超え 3.5mm以下の伝熱抵抗層を
スリーブ表面に形成すれば,密着性が良くなったときに
も急激な抜熱を抑制することができる。
ーブ表面(円周面)に熱抵抗となる層 (伝熱抵抗層) を
別途設ける。すなわち銅または銅合金スリーブ表面に銅
より熱伝導率の低い金属層を例えばメッキ処理によって
形成する。より具体的には,熱伝導率10〜90 W/m.Kの材
質からなる厚みが 1.0mm超え 3.5mm以下の伝熱抵抗層を
スリーブ表面に形成すれば,密着性が良くなったときに
も急激な抜熱を抑制することができる。
【0016】伝熱抵抗層の構成材料は熱伝導率が90W/m.
K以下のものを用いる。これより高い熱伝導率のもので
は伝熱抵抗としての作用を十分に果たさない。しかし,
熱伝導率が10W/m.K未満のものでは凝固速度が遅くなり
すぎて,生産性の面やその他の面でも支障となる。
K以下のものを用いる。これより高い熱伝導率のもので
は伝熱抵抗としての作用を十分に果たさない。しかし,
熱伝導率が10W/m.K未満のものでは凝固速度が遅くなり
すぎて,生産性の面やその他の面でも支障となる。
【0017】伝熱抵抗層の厚みは1.0mm超え3.5mm以下の
範囲とするのがよい。1.0mm以下では厚みが薄くなりす
ぎて,伝熱抵抗層としての本来の作用を果たし難くな
り, また3.5mmを超えると凝固速度が遅くなって生産性
の面やその他の点でも支障を来すようになる。
範囲とするのがよい。1.0mm以下では厚みが薄くなりす
ぎて,伝熱抵抗層としての本来の作用を果たし難くな
り, また3.5mmを超えると凝固速度が遅くなって生産性
の面やその他の点でも支障を来すようになる。
【0018】一方, 伝熱抵抗層の表面に対して,ブラス
ト処理等によってその表面粗度を中心平均粗さ(Ra)
で5〜25μmに調節する。このような表面粗度とするこ
とによって溶湯から円周面に凝固するさいの初期凝固時
のシェル厚のむらを抑制できる。表面粗度が5μm未満
の表面では例え前記の伝熱抵抗層の熱伝導率の条件を満
足しても緩冷却効果が小さく,このためにシェル厚のむ
らを抑制できず,板表面の温度むらが助長され, 結果的
には割れが発生しやすくなる。しかし,25μmを超えた
値に表面を粗くすると, 表面の凹凸が鋳造板に転写さ
れ, これが, 鋳造された薄板を続いて冷延工程において
光沢不良などの欠陥を形成する原因となるので好ましく
ない。
ト処理等によってその表面粗度を中心平均粗さ(Ra)
で5〜25μmに調節する。このような表面粗度とするこ
とによって溶湯から円周面に凝固するさいの初期凝固時
のシェル厚のむらを抑制できる。表面粗度が5μm未満
の表面では例え前記の伝熱抵抗層の熱伝導率の条件を満
足しても緩冷却効果が小さく,このためにシェル厚のむ
らを抑制できず,板表面の温度むらが助長され, 結果的
には割れが発生しやすくなる。しかし,25μmを超えた
値に表面を粗くすると, 表面の凹凸が鋳造板に転写さ
れ, これが, 鋳造された薄板を続いて冷延工程において
光沢不良などの欠陥を形成する原因となるので好ましく
ない。
【0019】このようにロールスリーブ材質並びに表面
粗度を調節したうえ,さらに本発明では鋳造時の薄板に
かかる単位板幅当りの圧着負荷を20N/mm幅以上 100N/mm
幅以下の範囲に制御する。圧着負荷が 100N/mm幅を超え
ると温度むらが助長され, またロール表面の摩耗も激し
くなる。他方, 20N/mm幅未満では, 板厚中心部が未凝固
となり, 板がロール離脱後バルジングや復熱により割れ
などが発生しやすくなる。このような圧着負荷の制御
は,同一出願人に係る例えば特願平2-214041や特願平2-
214042号で提案した圧着負荷制御技術を採用することに
よって行なうことができる。
粗度を調節したうえ,さらに本発明では鋳造時の薄板に
かかる単位板幅当りの圧着負荷を20N/mm幅以上 100N/mm
幅以下の範囲に制御する。圧着負荷が 100N/mm幅を超え
ると温度むらが助長され, またロール表面の摩耗も激し
くなる。他方, 20N/mm幅未満では, 板厚中心部が未凝固
となり, 板がロール離脱後バルジングや復熱により割れ
などが発生しやすくなる。このような圧着負荷の制御
は,同一出願人に係る例えば特願平2-214041や特願平2-
214042号で提案した圧着負荷制御技術を採用することに
よって行なうことができる。
【0020】このようにして本発明によれば,Lave
s相化合物が析出するNi基合金において割れ等の表面
欠陥のない良好な金属板を溶湯から直接製造でき,しか
も析出物(Laves相)の微細分散化といった品質面
でも良好な作用が供される。
s相化合物が析出するNi基合金において割れ等の表面
欠陥のない良好な金属板を溶湯から直接製造でき,しか
も析出物(Laves相)の微細分散化といった品質面
でも良好な作用が供される。
【0021】
【実施例】300mm幅×400mmφの銅合金製の内部水冷式ロ
ールを用いた双ロール式連鋳機を用いて, Ni基合金の
薄板鋳造を行った。表1に, 供試したNi基合金の化学
成分値を示した。いずれも,Laves相が凝固末期に
晶出する成分のNi基合金である。ロールの銅合金表面
に伝熱抵抗層としてNiメッキまたはNi-2.5%Feメッキ
を表1に示す厚さで施し,また,これらメッキ層の表面
にサンドブラスト処理を施すことにより,表1に示した
中心平均粗さ (Ra)の粗度に調節した。Niメッキま
たはNi-2.5%Feメッキ層はいずれも熱伝導率が90W/m.K
以下である。
ールを用いた双ロール式連鋳機を用いて, Ni基合金の
薄板鋳造を行った。表1に, 供試したNi基合金の化学
成分値を示した。いずれも,Laves相が凝固末期に
晶出する成分のNi基合金である。ロールの銅合金表面
に伝熱抵抗層としてNiメッキまたはNi-2.5%Feメッキ
を表1に示す厚さで施し,また,これらメッキ層の表面
にサンドブラスト処理を施すことにより,表1に示した
中心平均粗さ (Ra)の粗度に調節した。Niメッキま
たはNi-2.5%Feメッキ層はいずれも熱伝導率が90W/m.K
以下である。
【0022】鋳造にさいしては,溶湯量110Kgで, 板厚
が1mm超え6.0mm以下となるようにロールギャップを設
定した。そして,鋳造中の板にかかる圧着負荷を検出
し,ロールの回転速度を制御することによって,圧着負
荷が各ヒート毎に表1の範囲に入るように調節した。す
なわち,圧着負荷が規定範囲よりも大きくなりそうな場
合は,ロールの回転速度を増し, 逆に小さくなりそうな
場合は,ロールの回転速度を減じた。
が1mm超え6.0mm以下となるようにロールギャップを設
定した。そして,鋳造中の板にかかる圧着負荷を検出
し,ロールの回転速度を制御することによって,圧着負
荷が各ヒート毎に表1の範囲に入るように調節した。す
なわち,圧着負荷が規定範囲よりも大きくなりそうな場
合は,ロールの回転速度を増し, 逆に小さくなりそうな
場合は,ロールの回転速度を減じた。
【0023】表1には,各例における鋳造条件のほか,
得られた板の割れおよびバルジングの発生状況を調査し
た結果を併せて示した。
得られた板の割れおよびバルジングの発生状況を調査し
た結果を併せて示した。
【0024】
【表1】
【0025】表1の結果から,Laves相化合物が析
出するNi基合金でも本発明で規定する条件を満たした
双ロール法によれば,割れやバルジングを起こさない
で,良好な表面品質を有する薄板が得られることがわか
る。
出するNi基合金でも本発明で規定する条件を満たした
双ロール法によれば,割れやバルジングを起こさない
で,良好な表面品質を有する薄板が得られることがわか
る。
【0026】これに対して,比較例に見られるように本
発明で規定する条件を一つでも外れると,割れやバルジ
ングが発生して良好な薄板が得られない。すなわち,No.
8,9,12のように,メッキなしまたは1.0mm以下のメッキ
厚では割れが発生した。また圧着負荷がNo11のように小
さい範囲を含む場合では,未凝固に起因したバルジング
が発生した。熱伝導率が90W/m.K以下でかつ厚みが1mm
を超えるメッキを施しても,No.10 のように表面が中心
平均粗さが5μm以下のロールでは鋳造板の表面に割れ
が多数発生した。
発明で規定する条件を一つでも外れると,割れやバルジ
ングが発生して良好な薄板が得られない。すなわち,No.
8,9,12のように,メッキなしまたは1.0mm以下のメッキ
厚では割れが発生した。また圧着負荷がNo11のように小
さい範囲を含む場合では,未凝固に起因したバルジング
が発生した。熱伝導率が90W/m.K以下でかつ厚みが1mm
を超えるメッキを施しても,No.10 のように表面が中心
平均粗さが5μm以下のロールでは鋳造板の表面に割れ
が多数発生した。
【0027】なお,本発明例で得られた薄板の外観と比
較例で得られた薄板の外観とを対比すると,前者のもの
は温度むら模様が見られなかったのに対し,後者のもの
では鋳造方向に温度むら模様が発生しており,その高温
部に対応した位置において表面部に割れが発生してい
た。
較例で得られた薄板の外観とを対比すると,前者のもの
は温度むら模様が見られなかったのに対し,後者のもの
では鋳造方向に温度むら模様が発生しており,その高温
部に対応した位置において表面部に割れが発生してい
た。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば難
熱間加工性のLaves相が析出するNi基合金につい
て,割れやバルジングのない表面品質の良好な薄板を溶
湯から直接製造できようになった。また,析出物(La
ves相)が微細分散化するので品質面でも向上する。
熱間加工性のLaves相が析出するNi基合金につい
て,割れやバルジングのない表面品質の良好な薄板を溶
湯から直接製造できようになった。また,析出物(La
ves相)が微細分散化するので品質面でも向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 守弘 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社鉄鉱研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 一対の内部冷却式ロールの両円周面上で
形成する凝固シエルを該ロール対の間隙で圧着して薄板
に直接鋳造する双ロール式連鋳機を用いて,Laves
相化合物が析出するNi基合金の金属板を製造する方法
であって,内部から冷却される該ロールの円周面を銅ま
たは銅合金で構成したうえ,その表面に熱伝導率10〜90
W/m.Kの材質からなる厚みが 1.0mm超え 3.5mm以下の伝
熱抵抗層を形成し且つこの伝熱抵抗層の表面を中心平均
粗さ (Ra)で5〜25μmの粗面とした双ロール式連鋳
機を用いること,および該ロール対の間隙を通過する薄
板にかかる単位板幅当りの圧着負荷を20〜100N/mm幅の
範囲に制御して該Ni基合金を鋳造すること,を特徴と
するNi基合金板の製造法。 - 【請求項2】 鋳造される金属板の厚みは 1.0mm超え
6.0mm以下である請求項1に記載のNi金属合金板の製造
法。 - 【請求項3】 伝熱抵抗層はNiメッキ層またはNi-Fe
メッキ層である請求項1または2に記載のNi基合金板
の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04092289A JP3088186B2 (ja) | 1992-03-19 | 1992-03-19 | Ni基合金板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04092289A JP3088186B2 (ja) | 1992-03-19 | 1992-03-19 | Ni基合金板の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05261491A true JPH05261491A (ja) | 1993-10-12 |
JP3088186B2 JP3088186B2 (ja) | 2000-09-18 |
Family
ID=14050256
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04092289A Expired - Fee Related JP3088186B2 (ja) | 1992-03-19 | 1992-03-19 | Ni基合金板の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3088186B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6491089B1 (en) * | 1999-03-26 | 2002-12-10 | Sollac | Process for manufacturing carbon-steel strip by twin-roll continuous casting, product produced and apparatus |
JP2007061845A (ja) * | 2005-08-31 | 2007-03-15 | Nippon Yakin Kogyo Co Ltd | Ni−Cr−Mo−Fe系合金用連続鋳造パウダーおよび連続鋳造方法 |
-
1992
- 1992-03-19 JP JP04092289A patent/JP3088186B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US6679313B2 (en) * | 1999-03-26 | 2004-01-20 | Sollac | Process for manufacturing carbon-steel strip by twin-roll continuous casting, product produced and apparatus |
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