JPH0525471Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は書棚に書物を並べて置いた際、書物が
倒れて、乱れぬように整理する整理具に関するも
のである。

［従来の技術］ 書棚に充満しない書物を倒れないように支持す
るには、書棚の幅を区切る隔壁あるいは隔板が要
求される。しかも隔板が倒れないように、隔板を
支持する適切な構造が要求される。

また背受けのない書棚においては、後方へ書物
が落ちないようにする必要がある。そのために、
書物の厚さに応じた任意な位置での、隔板等の固
定と背受けとが必要であつて、これに対応する手
段として、本考案者によつて考案された以下に示
す書棚用書物整理具がある。

すなわち、この書棚用書物整理具は書棚の幅に
近い長さを持つバーを設け、そのバーの一端には
鍔状の当板を固定し、また他端に同様の当板を有
するピンを、バーに対し摺動可能にして、かつ外
方へ突出する如く付勢バネを添えて設置し、バー
の中間にはそのバーに遊嵌する筒に固定した所の
隔板を設けてなるものである。

このように構成することによつて、バーの両側
に設けた２枚の当板の間隔を付勢バネに抗して圧
縮可能であり、この２枚の当板の間隔を圧縮して
書棚の幅間に差し込み、放つことにより両当板が
外方に伸びて、幅の間に当着されるようになつて
おり、バーの書物の背受けとして機能させること
ができると共に書棚の幅の間に書物が満たされな
いときは、筒を介してバーに遊嵌する隔板をバー
に沿つて移動させ、末端の書物の側面へ当てて書
物の傾倒を阻止することができる。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案は上記書棚用書物整理具の２枚の当板の
間隔を圧縮して書棚の幅間に差し込むに当たつ
て、圧縮のために必要な力を低減することによつ
て、非力の子供、老人にも取り付け可能な書棚用
書物整理具を提供しようとするものである。

さらに、本考案は書棚の幅の間に圧着される両
当板の部分にも背受けとして機能するバーの前面
まで書物を差し込むことの可能な書棚用書物整理
具を提供しようとするものである。

［問題点を解決するための手段］ 図面を参考に説明する。以上の問題点を解決す
るための本考案に係る書棚用書物整理具は書棚１
の幅Ａに近い長さを持つバー２を設け、そのバー
２の一端に鍔状の当板３ａを固定し、また別の同
様の当板３ｂを固定したピン４をバー２の他端に
対し摺動可能にして、かつ外方に突出する如く付
勢バネ５を添えて設置し、バー２の中間にはその
バー２に遊嵌する筒７に固定した所の隔板８を設
けたものであつて、特に前記バー２に対し摺動可
能にして、かつ外方へ突出する如く付勢バネ５を
添えて設置するピン４にはねじを切つてあり、そ
のピン４の前記付勢バネ６と当板３ｂとの間にナ
ツト６を螺着し、且つ当板３ａ，３ｂのバー２に
平行な一側面をバー２の接平面にほぼ一致させる
ように形成したものである。

［実施例］ 本考案の実施例について図面によつて説明す
る。１は書棚、２は書棚１の幅Ａに近く且つ同幅
Ａに満たない長さのバー、３ａはバー２の一端に
固定した鍔状の当板、３ｂは別の鍔状の当板、４
はその鍔状の当板３ｂに固定したピンであつて、
バー２の他端に対し、摺動可能にして且つ外方へ
突出するように付勢バネ５を添えて、設置してあ
る。ピン４をバー２に対し摺動可能に設けること
は、ピン４あるいはバー２の一方を鞘状として嵌
合せしめる状態を言うが、本実施例ではピン４を
バー２に摺動可能に挿入してある。

なお、ピン４にはねじが切つてあり、そのねじ
の付勢バネ５と当板３ａとの間には蝶ネツト６を
螺着してある。前記当板３ａ，３ｂのそれぞれ外
面には滑り止め加工をした布あるいはスポンジ等
の軟質材９を貼着して柔軟面としてある。バー２
の中間には同バー２に遊嵌する筒７に固定した所
の隔板８が設けてある。

なお隔板は合板や硬質合成樹脂或は金属等の剛
体製である。

さらに本考案においては当板３ａ，３ｂのバー
２に平行な一側面をバー２の接平面にほぼ一致さ
せるように形成してある。

その他、ピン４の先端にはキヤツプ４ａを嵌め
込んであり、バー２のピン４挿入側には鍔つき内
筒２ａを嵌め込んであり、キヤツプ４ａが鍔つき
内筒２ａに引掛つて、ピン４がバー２より抜け落
ちないようにしてある。

左右取付け部に当る当板を書棚内壁に当てて図
のようにセツトし、書棚全面にわたつて本が平行
になるよう（飛び出ぬよう）に当板３ａ，３ｂは
半月状の形に加工する。

力のかかる中心は確保されている為、取付けに
は問題はなく、本の出し入れは後に力がかかる為
半月状でよい。

［作用］ 以上のように構成することによつて、まず本考
案の書棚用書物整理具を書棚１に装着するに当た
つて、蝶ナツト６を当板３ｂ側に移動し、付勢バ
ネ５を同様に当板３ｂ側に移動し、ピン４のバー
２への挿入長を大にし、当板３ａ，３ｂの間隔を
縮め、大きな力を要せずに２枚の当板３ａ，３ｂ
の間隔をバネ５に抗してさらに圧縮し、あるいは
圧縮せずに書棚１の幅Ａ間に差し込み、放ち、両
当板３ａ，３ｂを外方に伸ばす。

その後蝶ナツト６を回わし、バー２側へ移動
し、付勢バネ５をさらに圧縮することにより、さ
らに両当板３ａ，３ｂを外方に伸ばし、幅Ａの間
に圧着させる。

したがつて本整理具は書棚１の内側の任意の箇
所に横架することができ、背受けのない書棚であ
つても、後方へ書物が落ちないようにすることが
できる。

さらに書棚１の幅Ａ間に書物が満たされないと
き、書物１０の側面に隔板８を当てて書物１０の
傾倒を阻止する。その場合の隔板８は筒７を介し
てバー２へ遊嵌しており、筒７はバー２の外周に
沿つて移動可能であるが、これに書物１０の圧力
が加わるときは、傾倒姿勢を強いられ、バー２を
こじる状態となり、移動しにくくなり、書棚１に
並ぶ書物１０の側面に当たつて支持する働きを持
つ。

その他に当板３ａ，３ｂの一側面をバー２の接
平面に一致させるように形成してあるため、その
側面を書物１０の背中に平行にして、当板３ａ，
３ｂを幅Ａ間に圧着することにより、当板３ａ，
３ｂの部分にも他の部分同様書物１０を並べるこ
とができる。

［考案の効果］ 本考案によれば、先願の本考案者による書棚用
書物整理具を老人、子供のような非力の者でも書
棚１へ容易に、しかも十分強固に装着することが
できると共に、当板３ａ，３ｂの部分にも書物１
０を他の部分同様バー２の前面一杯に差し込むこ
とができ、書棚の容量をそれだけ増大することが
できる。

すなわち、本考案は書棚１へ書物を並べるのに
極めて扱いやすい整理具である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は一部断
面図で示す正面図、第２図は使用状態平面図、第
３図は当板の側面図である。 １……書棚、２……バー、２ａ……鍔つき内
筒、３ａ，３ｂ……当板、４……ねじ付きピン、
４ａ……先端キヤツプ、５……蝶ナツト、６……
付勢バネ、７……筒、８……鍔状隔板、９……軟
質材、１０……書物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 書棚の幅に近い長さを持つバーを設け、そのバ
   ーの一端には鍔状の当板を固定し、また別の同様
   の当板を固定したピンを、バーの他端に対し摺動
   可能にして、かつ外方へ突出する如く付勢バネを
   添えて設置し、バーの中間にはそのバーに遊嵌す
   る筒に固定した所の隔板を設けてなる書棚用書物
   整理具において、前記バーに対し摺動可能にし
   て、かつ外方へ突出する如く付勢バネを添えて設
   置するピンにはねじを切つてなり、そのピンの前
   記付勢バネと当板との間にナツトを螺着し、且つ
   当板のバーに平行な一側面をバーの接平面にほぼ
   一致させる如く形成してなる書棚用書物整理具。