JPH05253775A - 精密スライド機構 - Google Patents

精密スライド機構

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JPH05253775A
JPH05253775A JP15984191A JP15984191A JPH05253775A JP H05253775 A JPH05253775 A JP H05253775A JP 15984191 A JP15984191 A JP 15984191A JP 15984191 A JP15984191 A JP 15984191A JP H05253775 A JPH05253775 A JP H05253775A
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俊郎 森川
Yoshiki Omori
良樹 大森
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、スライダの支持剛性を高め、往復
運動時に発生する振動の減衰性を向上させた精密スライ
ド機構を提供する。 【構成】 固定側軌道台3のV形溝31と浮動側軌道台
4のV形溝41の間に、ローラを有する軸受5を介して
スライダ2を摺動自在に支持し、スライダ2の軌道面が
必要直進精度方向に対して所定の角度だけ傾斜するよう
に構成したので、取付け誤差を吸収し、高い走行精度が
得られる。軌道面の加工精度の直進精度に対する影響が
小さくなる。しかも、予圧機構10によってスライダ2
の支持力を調節可能にしたので、スライダ2の支持機構
としての剛性と減衰性が向上すると共に、軸受5の保持
器の位置ずれの修正が容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、リード加工用刃物台
装置等におけるスライダを高速で往復運動させる精密ス
ライド機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、リード加工用刃物台装置のスライ
ド機構としては、例えば、特開平2−180503号公
報に開示されたものがある。該リード加工用刃物台装置
のスライド機構を図8及び図9を参照して概説する。図
8はリード加工用刃物台装置を示す断面図、及び図9は
図8のリード加工用刃物台装置の側面図である。
【0003】図8及び図9に示すように、リード加工刃
物台装置80は、刃物81即ちバイトを取り付けた刃物
取付用スライダ82に往復運動を与える機能を有するも
のであり、テーブル83に固定されたサーボモータ8
4、サーボモータ84の駆動軸と一体構造の回転軸86
に形成した雄ねじ861、その雄ねじ861に螺合し且
つ回転軸86の回転運動に応じて往復運動可能なナット
部材862、そのナット部材862に固定され且つ一端
に刃物81を取り付けたスライダ82、そのスライダ8
2を往復運動可能に支持する軌道台としてのスライドベ
ース85から構成されている。
【0004】スライダ82はスライドベース85との間
にエア軸受90を構成して支持されている。スライダ8
2は、図9に示すように断面形状が四角形に形成されて
いる。また、スライドベース85の支持面850がスラ
イダ82の外周面820に対応するようにスライドベー
ス85も断面四角形状に形成されている。スライドベー
ス85は、4つのプレート、即ち、底面を形成するスラ
イドベース部材851、上面を形成するスライドベース
852、両側面を形成するスライドベース部材853、
854から構成されている。これらのスライドベース部
材851、852、853、854には、スライドベー
ス85とスライダ82との間にエア軸受90を構成する
ため、エア供給手段(図示せず)から圧縮エアが供給さ
れるエア導入通路91がそれぞれ形成されている。スラ
イドベース85の内周面、即ち、スライドベース部材8
51、852、853、854の内面には、エア導入通
路91に連通するエア溝が中央部に形成されると共に、
両側部にはスライド方向(図8に示すZ方向)に延びる
エア逃げ溝92、93が形成されている。そして、リー
ド加工用刃物台装置のスライド機構として、上記のよう
なエア軸受90を採用した場合、スライダ82とスライ
ドベース85とのギャップは5〜8μm程度に保持され
るので、摩擦がなく、摩耗が発生することがなく、サー
ボモータ84の回転角度に対応して応答性が良く、高速
往復運動が可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記リード
加工用刃物台装置のスライド機構において、図8に示す
ように、スライダ82に取り付けたバイトホルダ87に
バイト81を固定して、このバイト81によって工作物
をリード加工する場合に、両側面に配置されたスライド
ベース部材853、854は加工精度に影響する方向の
面となる。即ち、加工精度に影響する方向とは、工作物
の回転中心とバイト81の刃先とを結ぶ半径方向〔図9
に示す水平方向(X軸)または上下方向(Y軸)〕であ
り、加工精度を上げるにはこれらの方向のバイト81の
支持状態を堅固なものにしなければならない。ここで、
直進精度の必要な面の方向、即ち、上下方向及び水平方
向を必要直進精度方向と称することにする。
【0006】しかしながら、スライドベース部材85
1、852、853、854の内面即ち軌道面の方向は
必要直進精度方向と同一方向であるため、軌道面の加工
精度がスライダ82の直進精度に直接影響する。即ち、
スライドベース85及びスライダ82の加工精度や摩耗
がスライダ82の直進精度に直接影響する。また、従来
のリード加工用刃物台装置のように、スライド機構とし
てエア軸受90を採用した場合、スライダ82は軌道台
上を非接触で往復運動することになるので、スライダの
支持機構の剛性や往復運動時に発生する振動の減衰性が
不足するという問題点がある。また、滑り軸受を採用し
た場合には高速運動に対応できないし、ボールを介在さ
せた軸受を採用した場合にはやはり剛性、減衰性が不足
する。また、エア軸受90を用いた場合、エア圧の低下
などの原因でスライダ82とスライドベース85との摺
動面が摩耗した場合には、予圧抜けの問題が生じる。そ
の場合には、軌道台としてのスライドベース85が非可
動に構成されているので、この問題に対処することがで
きなくなる。
【0007】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、リード加工用刃物台装置等のスラ
イド機構において、スライダの直進精度に対する軌道台
の加工精度の影響を少なくすることができ且つ高速運転
時において高い剛性及び減衰性を得ることができる精密
スライド機構を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、一定の角度で傾斜する2つの平面から成る
V形の固定側軌道台、該固定側軌道台の上方に対向位置
し且つ一定の角度で傾斜する2つの平面から成る逆V形
の上下方向に浮動の浮動側軌道台、前記固定側軌道台と
前記浮動側軌道台との間に配置され且つ前記各平面に対
向する各平面を有する往復移動可能なスライダ、前記固
定側軌道台と前記スライダとの間及び前記浮動側軌道台
と前記スライダとの間に介在させた転動体を有する軸
受、及び前記浮動側軌道台を押圧して前記スライダを前
記固定側軌道台側へ押圧する押圧力調節可能な予圧機構
を有する精密スライド機構に関する。
【0009】また、この精密スライド機構において、前
記予圧機構は導入したエア圧を油圧に変換して押圧力を
調節する液圧式予圧機構で構成されているものである。
【0010】また、この精密スライド機構において、前
記軸受は転動体循環形リニア軸受又は転動体非循環形リ
ニア軸受で構成されているものである。
【0011】
【作用】この発明による精密スライド機構は、上記のよ
うに構成されているので、次のように作用する。即ち、
この精密スライド機構において、スライダは固定側軌道
台のV形の2つの平面と浮動側軌道台のV形の2つの平
面との間に転動体を介在させて構成した軸受によって摺
動可能に支持しているので、軌道面は必要直進精度方向
に対して所定の角度だけ傾斜している。このため、スラ
イダの直進精度に対する軌道面の加工精度の影響は、図
8に示す従来のものに比べて、単位面積当たり小さくす
ることができる。例えば、スライダの断面形状を正方形
にした場合、即ち、45°傾斜させた90°をなす2平
面のV形溝の場合、軌道面はスライド時の必要直進精度
方向に対して45°傾斜させたことになるので、2列の
軌道面で下向き荷重を受けることになり、静負荷容量は
約1.414(ルート2)倍になる。従って、外力によ
る軌道面即ちスライダ単位の撓みも小さくなり、高い走
行精度が得られる。
【0012】また、許容荷重の大きな軸受を介してスラ
イダを支持している上に、浮動側軌道台を固定側軌道台
の方へ押圧する時の押圧力を調節する予圧機構を設けて
いるので、浮動側軌道台と固定側軌道台との取付誤差を
吸収し、スライダの支持機構としての剛性を十分に高め
ることができ、且つスライダが往復運動する時に発生す
る振動の減衰性を向上することができる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による精密
スライド機構の一実施例を説明する。図1はこの発明に
よる精密スライド機構の一実施例を示す断面図、及び図
2は図1におけるAーA断面図である。
【0014】図1において、この精密スライド機構をリ
ード加工用刃物台装置に適用した一実施例が示されてお
り、図1にはリード加工用刃物台装置において使用され
る精密スライド機構1の側方断面図が示されている。こ
の精密スライド機構1は、スライダ2、スライダ2を往
復運動可能に支持する固定側軌道台3、浮動側軌道台
4、スライダ2と固定側軌道台3及び浮動側軌道台4と
の間にそれぞれ転動体であるローラ52(図3参照)を
介在させて構成した軸受5、及び予圧機構10を有して
いる。この精密スライド機構1は、図2に示すように、
スライダ2が挿通される貫通孔71を有する刃物台ハウ
ジング7、刃物台ハウジング7の下端に固着されたスラ
イドベースである固定側軌道台3、刃物台ハウジング7
の上端に固着され且つ中央部に貫通孔72を有する蓋部
材73、及び蓋部材73の上部に取付けられた増圧シリ
ンダ9とを有している。そして、スライダ2は、刃物台
ハウジング7、固定側軌道台3、蓋部材73、増圧シリ
ンダ9及び浮動側軌道台4によって囲まれる空間内に貫
通収容されている。
【0015】図示していないが、図8又は図9に示すも
のと同様に、スライダ2の一方の端面には刃物即ちバイ
トを取り付けられるようになっていて、VTRシリンダ
のリード加工を行う。スライダ2の反対の端面には、図
示していないが、例えば、スライダ2を往復運動させる
送り機構としてのサーボモータが配置され、スライダ2
を高速で往復運動させる。
【0016】スライダ2は、各平面は正方形の面を構成
しており、図1では断面形状が正方形に構成されてい
る。スライダ2を直線運動案内支持する各軌道台は、ス
ライドベースである固定側軌道台3とスライドブロック
である浮動側軌道台4とから構成されている。固定側軌
道台3は、一定の角度で傾斜し且つV形に開拡した2つ
の平面即ち軌道面、図1では上面が角度90°に開いた
V形溝31が形成されている。このV形溝31には、V
形溝に多数の転動体であるローラ52を配置した軸受5
である転動体非循環形リニア軸受50(図3参照。具体
的構成については後述)が載置され、その上にスライダ
2が摺動可能に載置されている。また、浮動側軌道台4
は、固定側軌道台3の上方に対向位置し且つ一定の角度
で傾斜する逆V形の2つの平面、図1では下面に90度
に開いたV形溝41が形成され、上下方向に浮動の状態
で刃物台ハウジング7に支持され、浮動側軌道台4は固
定側軌道台3と協働してスライダ2を上から挟むように
配置されている。浮動側軌道台4とスライダ2との間に
も、V形溝41に上記と同様の軸受5である転動体非循
環形リニア軸受50が介在されている。
【0017】スライダ2の中心を通る上下方向及び横方
向の軸をそれぞれX軸、Y軸とすると、このX軸及びY
軸の方向が必要直進精度方向に当たる。両軌道台には、
図1に示すように、90°開いたV形溝31,41が形
成されているので、軌道面は必要直進精度方向に対して
45度傾斜した面となる。このため、スライダの直進精
度に対する軌道面の加工精度の影響は、図8に示す従来
のものに比べて、単位面積当たり小さくすることができ
る。例えば、スライダの断面形状をほぼ正方形にした場
合、即ち、45°傾斜させた90°に開拡する2平面か
らなるV形溝の場合、軌道面はスライド時の必要直進精
度方向に対して45°傾斜させたことになるので、2列
の軌道面で下向き荷重を受けることになり、静負荷容量
は約1.414(ルート2)倍になる。従って、外力に
よる軌道面即ちスライダ単位の撓みも小さくなり、高い
走行精度が得られる。
【0018】浮動側軌道台即ちスライドブロック4は、
予圧機構10によってスライダ2側へ押し付けられる。
この予圧機構10は、圧縮エアを導入する加圧ポート1
1、加圧ポート11から導入された圧縮エアが供給され
るシリンダ9、シリンダ9内に摺動自在に嵌合されてい
て供給された圧縮エアによって作動するピストン12、
ピストン12と一体構造のピストンロッド13、ピスト
ンロッド13が嵌合された予圧ピストン14、及び予圧
ピストン14に摺動自在に嵌合し且つスライドブロック
4に当接する予圧シリンダ15から構成されている。こ
の予圧機構10は、導入したエア圧を液圧に変換してス
ライドブロック4をスライドベース3側へ押圧する押圧
力を調節する液圧式予圧機構であって、刃物台ハウジン
グ7内に収容され、コンパクトな構造に構成されてい
る。
【0019】更に、予圧機構10には、ピストン12の
作動限界を検出するため、ストロークエンドキャッチ用
センサー121が設けられている。また、予圧機構10
は、上記のような液圧式予圧機構10に換えて、例え
ば、予圧シリンダ15をスライドブロック4の方向にス
プリングで付勢すると共に、そのスプリングのばね力を
調節可能にした機械式予圧機構に構成してもよく、或い
は予圧シリンダ15を油圧源に直結するように構成する
こともできる。
【0020】図2に示すように、予圧機構10におい
て、予圧ピストン14は、小径部141と大径部142
からなる。小径部141の外径は蓋部材73に形成され
た貫通孔72に挿入できるように貫通孔72の内径にほ
ぼ等しくしてある。予圧ピストン14は小径部141を
貫通孔72に挿入し、小径部141の突出した先端部を
締付ナット16で締め付けることにより蓋部材73に固
着されている。予圧ピストン14の中心には、ピストン
ロッド13を嵌合するための貫通孔143が形成されて
おり、その貫通孔143内が予圧室144としての機能
を果たす。即ち、ピストンロッド13が下方に移動して
きた時に、予圧室144が圧縮され、その結果として予
圧シリンダ15が下方へ押し下げられる。予圧室144
へ供給される予圧液体は、外部に設置した予圧液タンク
20に蓄えられていて、刃物台ハウジング7に形成した
供給口74から導入され、蓋部材73に形成された液体
通路75を通って予圧室144へ供給される。予圧液タ
ンク20には油量の減少を検出するためのセンサ21が
設けられている。蓋部材73に形成された貫通孔72の
内周面にはOリング76、77が設けられていて、予圧
ピストン14と蓋部材73との境界面から予圧液体がも
れるのを防止している。また、予圧ピストン14の貫通
孔143は、図2に二点鎖線145で示すように、下方
に向かって内径が大きくなるように形成する方がよい。
その理由は予圧液体内に発生した気泡を逃がし易くする
ためである。気泡は予圧液タンク20から逃げていく。
予圧ピストン14の貫通孔143の内周面にはOリング
146及びリップシール147が設けられていて、ピス
トンロッド13と予圧ピストン14との境界面から予圧
液体が漏れるのを防止している。
【0021】浮動側軌道台4は浮動状態に設けられてい
て、予圧シリンダ15によってスライダ2側へ押し付け
られる。スライダ2の直進精度は、固定側軌道台3、転
動体非循環形軸受50、及びスライダ2の接触面の加工
精度で決定される。浮動側軌道台4は、スライダ2の軌
道面に追従して、加工誤差分だけ傾く。浮動側軌道台4
が傾く余裕は予圧シリンダ15にOリング151が設け
られていることによって生まれる。
【0022】図3は、精密スライド機構に組み込んだ軸
受5として、転動体が軌道部を循環しない転動体非循環
形リニア軸受50の構造を示す斜視図である。この転動
体非循環形リニア軸受50は、耐摩耗性処理を施した軽
量で剛性のあるローラケージである保持器51、及び平
面的な負荷軌道部、該負荷軌道部でエンドレスに循環せ
ずに保持器51内で転動する転動体である多数の精密ロ
ーラ52から構成されている。ローラ52は保持器51
のポケットに保持されて脱落しないような構造に構成さ
れている。ローラ52同士の相互摩擦がなく、スキュー
(ローラ52の倒れ)が抑えられる構造になっているた
め、摩擦係数はμ=0.001〜0.003と小さく、
滑り面で問題となるスティックスリップは全く生じな
い。多数のローラ52が小さなピッチで保持器51に組
み込まれているので許容荷重が大きく、軌道面の硬さが
低い場合でも、軌道面に傷をつけることなく円滑な運動
が得られる。保持器51は2つのローラ条列を90度に
曲げて形成されていて、図1の軌道台3,4のV形溝3
1、41の面に組み込めるようになっている。
【0023】次に、この発明による精密スライド機構1
の作動を説明する。図2において、シリンダ9の上方に
設けられた加圧ポート11から圧縮エアをシリンダ9に
導入すると、ピストン12が下降を始める。増圧ピスト
ン12が下降すると、このピストン12に連結されてい
るピストンロッド13も下降する。このピストンロッド
13の下降に伴って、ピストンロッド13は予圧ピスト
ン14の内部に形成された予圧室144の空気及び予圧
液体を排出しつつさらに下降する。ピストンロッド13
の先端が予圧ピストン14の内部に設けられたリップシ
ール147の位置より下位部に達するとピストンロッド
13の先端、予圧ピストン14、予圧シリンダ15の三
者で予圧室144を形成する。この予圧室144には外
部に設けられた予圧液タンク20から供給された予圧液
が満たされている。さらに、加圧ポート11に圧力を供
給すれば、予圧液体には予圧が発生し、予圧シリンダ1
5が下方に押し下げられる。この結果、浮動側軌道台4
としてのスライドブロックと固定側軌道台3としてのス
ライドベースの間に、スライダ2は軸受5を介して保持
される。転動体非循環形リニア軸受50の許容荷重は大
きいので、スライダ2を保持する力は十分大きなものに
することができる。
【0024】上記のように、この精密スライド機構1
は、加圧ポート11に供給された圧力に比例してスライ
ダ2を押圧することができるので、押圧力を任意に調節
することができる。したがって、使用上必要な剛性をス
ライダ2に対して十分に与えることができ、スライダ2
を最適な状態で支持することができる。図1の実施例で
はスライダ2の断面形状を正方形にしているので、左右
方向に働く力と上下方向に働く力は等しくなる。この精
密スライド機構1をリード加工用刃物台に適用すれば、
スライダ2の上下、左右の直進精度が向上し、30m/
min以上の高速往復運動時であっても、刃物による加
工精度を安定に且つ向上させることができる。
【0025】転動体非循環形リニア軸受50は、スライ
ダ2の移動量の1/2だけ移動する。しかし、スライダ
2が高速往復運動を繰り返しているうちに、転動体非循
環形リニア軸受50は正規の位置からずれてくることが
ある。保持器ずれが大きくなると、刃物による加工精度
が悪化するため、保持器の位置ずれを修正する必要があ
る。ところで、予圧機構10を単に皿ばねで構成した場
合、あるいは、ねじで構成した場合、保持器ずれを修正
するために予圧機構を分解調整する必要がある。しか
し、この精密スライド機構1は、浮動側軌道台4を固定
側軌道台3へ押圧する時の押圧力を調節可能とした予圧
機構10を備えているので、以下のようにしてその修正
が可能である。即ち、予圧シリンダ15に予圧をかけな
い状態でスライダ2を全ストローク移動させ、転動体非
循環形リニア軸受50を図示しないエンドカバーに当て
ることにより、転動体非循環形リニア軸受50をストロ
ーク中心(原点位置)に戻すことができる。勿論、この
修正を機械的に行うようにするために、修正用シリンダ
等を設けてもよい。
【0026】図4は、この発明による精密スライド機構
の別の実施例を示す側面断面図である。図から明らかな
ように、スライダ2の断面形状は菱形をしている。スラ
イダ2の上下の頂点の角度をα、左右の頂点の角度をβ
とする。図示のように、スライダ2はα>βの関係があ
る。この場合には、スライダ2の軌道面に垂直方向に働
く力は軌道面方向に働く力より大きく、従って、面に対
して上下方向の負荷を大きくする場合にはこのように構
成することもできる。
【0027】次に、図5は、この発明による精密スライ
ド機構の更に別の実施例を示す側面断面図である。図か
ら明らかなように、スライダ2の断面形状は菱形をして
いる。図示のように、スライダ2はα<βの関係があ
る。この場合にはスライダ2の軌道面方向に働く力は軌
道面に垂直方向に働く力より大きく、従って図5の面に
対して水平即ち左右方向の負荷を大きくする場合にはこ
のように構成することもできる。
【0028】更に、図6及び図7を参照して、この発明
による精密スライド機構の他の実施例を説明する。図6
はこの発明による精密スライド機構の他の実施例を示す
側面断面図、及び図7は図6の線B−Bにおける断面図
である。この実施例は、図1に示す実施例と比較して、
固定側軌道台とスライダとの間及び浮動側軌道台とスラ
イダとの間に介在させた転動体を有する軸受の構成が相
違する以外は、同一の構成であるので、同一の部品には
同一の符号を付して重複する説明は省略する。この実施
例における各軸受は、転動体であるローラ52がエンド
レスに循環する形式の軸受、言い換えれば、転動体循環
形リニア軸受58に構成されている。
【0029】この転動体循環形リニア軸受58について
は、スライダ2とスライドブロック4との間に配置され
る軸受5は、スライダ2とスライドブロック4との間に
形成された負荷軌道部56、スライドブロック4に組み
込まれたガイド部材53で形成された転動体リターン路
55及びスライドブロック4の両端に取付けたカバー部
材54で形成された方向変換部材57によって構成され
るエンドレス軌道部を、ローラ52がエンドレスに循環
するものであり、また、スライダ2とスライドベース3
との間に配置される軸受5は、スライダ2とスライドベ
ース3との間に形成された負荷軌道部56、スライドベ
ース3に組み込まれたガイド部材53で形成された転動
体リターン路55、及びスライドベース3の両端に取付
けたカバー部材54で形成された方向変換部材(図示せ
ず)によって構成されるエンドレス軌道部を、ローラ5
2がエンドレスに循環するものである。この精密スライ
ド機構において、ローラ52がエンドレスに循環する形
式の軸受は、負荷を受けるローラ52の数及び位置が安
定しており、スライダ2のストロークが大きい場合に用
いることに特に適している。
【0030】
【発明の効果】この発明による精密スライド機構は、上
記のように構成されているので、次のような効果を有す
る。即ち、この精密スライド機構は、スライダと固定側
軌道台と浮動側軌道台との各軌道面は、V形溝に形成さ
れて必要直進精度方向に対して所定の角度だけ傾斜して
いるので、直動方向に垂直な面に関して軌道面が上下方
向及び左右即ち横方向に形成した従来のものに比べて、
剛性が大であるため安定した案内精度が得られる。しか
も、エア軸受を介さずに転動体を有する軸受を介してス
ライダを摺動可能に支持しているので、摩耗による予圧
抜けの問題が発生しないというだけでなく、予圧機構を
制御して浮動側軌道台を固定側軌道台の方へ常に一定の
押圧力で押圧することができるので、スライダの支持機
構は剛性に優れたものとなり、且つ、スライダの往復運
動時に発生する振動の減衰性を向上させることができ
る。このため、この精密スライド機構をリード加工用刃
物台に適用すれば、スライダの直進精度が向上し、高速
往復運転時における加工精度を安定且つ向上させること
ができる。
【0031】また、この精密スライド機構については、
左右即ち横方向と上下方向とのいずれの方向の負荷を大
きくするかによって、スライダの断面形状を適宜選択す
るだけで、簡単に対応することができる。
【0032】更に、この精密スライド機構については、
スライダが高速往復運動を繰り返しているうちに、前記
軸受が正規の移動位置からずれてくることがあっても、
この精密スライド機構は予圧機構を備えているので、簡
単にそのずれを修正することができる。
【0033】また、この精密スライド機構において、前
記軸受は転動体循環形リニア軸受又は転動体非循環形リ
ニア軸受のいずれでも使用することができる。特に、前
記軸受として前記転動体循環形リニア軸受を用いた場合
には、負荷を受ける転動体52の数及び位置が安定して
おり、スライダ2のストロークが大きい場合に適してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による精密スライド機構の一実施例を
示す側面断面図である。
【図2】図1におけるAーA断面図である。
【図3】この発明による精密スライド機構に使用される
転動体を有する軸受の構造の一例を示す斜視図である。
【図4】この発明による精密スライド機構の別の実施例
を示す断面図である。
【図5】この発明による精密スライド機構の更に別の実
施例を示す断面図である。
【図6】この発明による精密スライド機構の他の実施例
を示す側面断面図である。
【図7】図6におけるB−B断面図である。
【図8】従来の精密スライド機構を使用したリード加工
用刃物台装置の一例を示す断面図である。
【図9】図6のリード加工用刃物台装置の側面図であ
る。
【符号の説明】
1 精密スライド機構 2 スライダ 3 固定側軌道台(スライドベース) 4 浮動側軌道台(スライドブロック) 5 軸受 10 予圧機構 31 V形溝 41 V形溝 50 転動体非循環形軸受 52 ローラ(転動体) 58 転動体循環形軸受

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の角度で傾斜する2つの平面から成
    るV形の固定側軌道台、該固定側軌道台の上方に対向位
    置し且つ一定の角度で傾斜する2つの平面から成る逆V
    形の上下方向に浮動の浮動側軌道台、前記固定側軌道台
    と前記浮動側軌道台との間に配置され且つ前記各平面に
    対向する各平面を有する往復移動可能なスライダ、前記
    固定側軌道台と前記スライダとの間及び前記浮動側軌道
    台と前記スライダとの間に介在させた転動体を有する軸
    受、及び前記浮動側軌道台を押圧して前記スライダを前
    記固定側軌道台側へ押圧する押圧力調節可能な予圧機構
    を有する精密スライド機構。
  2. 【請求項2】 前記予圧機構は導入したエア圧を油圧に
    変換して押圧力を調節する液圧式予圧機構である請求項
    1に記載の精密スライド機構。
  3. 【請求項3】 前記軸受は、転動体循環形リニア軸受又
    は転動体非循環形リニア軸受である請求項1に記載の精
    密スライド機構。
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