JPH05252613A - 電気駆動車の車速制御装置 - Google Patents

電気駆動車の車速制御装置

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JPH05252613A
JPH05252613A JP4047161A JP4716192A JPH05252613A JP H05252613 A JPH05252613 A JP H05252613A JP 4047161 A JP4047161 A JP 4047161A JP 4716192 A JP4716192 A JP 4716192A JP H05252613 A JPH05252613 A JP H05252613A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】運転者の運転感覚に適合した最適車速および加
速度制御を行う。 【構成】アクセル角度信号S1をもとに電流制限関数発
生器2が生成する、アクセル角度に対応した最大制限電
流信号S2に対し、任意に選択されたアクセル角度に対
応する可変の積分定数T1により時間的変化をもたせた
電流制限信号S7を電流制限モジュレータ7が生成し、
この電流制限信号S7と電流検出器10による駆動モー
タの検出電流信号S10のと差を演算し、検出電流信号
のほうが大きい場合は、その差に応じた通流率低減信号
S9を出力し、通流率指令信号S8から通流率低減信号
S9を減算することにより、通流率生成器12が出力す
る通流率信号S12を制御し、駆動モータ14に流れる
電流制御を行い、駆動モータの速度制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、運転者が操作するアク
セルの操作量および操作量の変化をもとに車速を制御す
る電気駆動車の車速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フォークリフト等の荷役作業車の
走行駆動系において、トルクコンバータを有する駆動力
伝達特性が、走行性能、特に加速時のスムースさにおい
て有効であることが、広く知られていた。
【0003】これは、運転者によるアクセル操作に対し
て車体牽引力の変化がスムースであり、加速時の車体加
速度の変化率が小さいことを意味する。
【0004】すなわち、運転者によりアクセルが操作さ
れると、エンジンの出力トルクが上昇し、これによりエ
ンジンの回転数の上昇が起こる。車体の駆動輪は、この
エンジンをトルクコンバータを介して結合されており、
トルクコンバータの出力トルクは、その入力軸を出力軸
との回転数の差により決定される。
【0005】このことは、トルコン車の牽引力が、運転
者のアクセル操作に対するエンジンの出力トルクの変化
から出力軸の回転数変化にいたるまでに時定数系を含ん
でいることを意味する。
【0006】一方、電気駆動車においては、従来、発進
加速時のスムースさを得るため、アクセル操作に対し
て、モータの平均印加加速電圧を時間的に遅らせる、い
わゆるモジュレーションを採用することが一般的であっ
た。
【0007】図4は、従来の電気駆動車の車速制御装置
の構成ブロック図である。
【0008】図4において、電気駆動車のアクセルを踏
み込んだアクセル角度θを検出するアクセル角度検出器
401によって検出されたアクセル角度θの情報を含む
アクセル角度信号SS1は、電圧制限関数発生器403
に入力される。電圧制限関数発生器403は、入力され
たアクセル角度信号SS1を、電圧制限関数Fv(θ)
により最大制限電圧Vmaxを発生し、最大制限電圧信
号SS3を出力し、通流率モジュレータ408に入力さ
れる。
【0009】一方、加速性調整器404によって、加速
性を調整する加速性する積分定数信号TT2が通流率モ
ジュレータ408に入力される。通流率モジュレータ4
08は、入力された最大制限電圧信号SS3を入力され
た積分定数信号TT2により時間的変化を加えた通流率
指令信号をSS8を出力し、減算器411に入力する。
【0010】一方、電気駆動車の駆動モータ414を駆
動する電流を検出する電流検出器410により検出され
た電流Iは、検出電流信号SS10として電流制限演算
器409に入力される。また、固定の電流制限値Ili
mは、電流制限信号SS7として電流制限演算器409
に入力される。電流制限演算器409は、入力された検
出電流信号SS10の電流Iから電流制限信号SS7の
電流制限値Ilimを減算した正負の大きさをもとに発
生する通流率低減信号SS9を出力する。この通流率低
減信号SS9は、減算した値が正である場合すなわち、
駆動モータを駆動する駆動電流が電流制限値Ilimよ
り大きい場合は、その大きさに応じて駆動モータの電流
を制御する値である通流率を低減する働きをすることに
なる。また、減算した値が負である場合、通流率低減信
号SS9の低減量は、’0’となる。
【0011】さて、減算器411において、入力された
通流率指令信号SS8から入力された通流率低減信号S
S9が減算され、減算された信号は、平均印加電圧信号
SS11として出力され、通流率生成器412に入力さ
れる。通流率生成器412は、平均印加電圧信号に応じ
た通流率を生成し、通流率信号SS12として、駆動モ
ータに電圧を印加/遮断するドライブスイッチ413に
入力する。そして、ドライブスイッチ413は、通流率
信号SS12に従って、駆動モータ414に電圧を印加
し、駆動電流を制御することになる。
【0012】従って、通流率低減信号SS9が低減量を
有する場合は、その低減量が通流率を減じ、ドライブス
イッチ413が電圧を印加する平均時間が減じるため、
駆動モータ414に流れる駆動電流が減じられることに
なる。
【0013】もちろん、通流率モジュレータ408が出
力する通流率指令信号SS8の増減により、通流率が増
減し、ドライブスイッチ413の平均印加時間の増減に
より、駆動モータ414の駆動電流が増減することにな
る。
【0014】このようにして、駆動モータ414の駆動
電流値検出によるフィードバックを含めて、アクセル角
度θに応じた通流率を生成し、駆動モータ414を制御
している。
【0015】図5は、従来の電気駆動車の車速制御装置
の動作タイムチャートである。
【0016】図5において、図(a−11)は、時間に
対するアクセル角度の変化を示しており、このアクセル
角度の入力により、駆動モータが制御されることにな
る。図(a−12)は、通流率指令信号SS8および平
均印加電圧信号SS11の時間変化を示したものであ
る。図(a−13)は、駆動モータを駆動する駆動電流
値の時間変化を示したものである。図(a−14)は、
駆動電流により駆動された駆動モータの駆動モータ速度
の時間変化を示したものである。
【0017】図5において、図(a−11)のようにア
クセルが踏み込まれ、アクセル角度信号SS1が入力さ
れると、図(a−12)における通流率指令信号SS8
−1または通流率指令信号SS8−2が通流率モジュレ
ータ408により生成され、駆動電流のフィードバック
による通流率低減信号SS9を減算することにより、平
均印加電圧信号SS11−1または平均印加電圧信号S
S11−2が、減算器411から出力される。さらに、
図(a−13)において、平均印加電圧信号SS11−
1および平均電圧信号SS11−2に、それぞれ応じた
駆動電流値SSP10−1およびSSP10−2が生じ
ることになり、それぞれの駆動モータ速度Vm−1およ
び駆動モータ速度Vm−2で走行することになる。
【0018】ところで、従来、電気駆動車のようなモー
タ系においては、駆動モータの回転数により決定される
電気子起電圧を越えて電圧を印加した場合、駆動モータ
に流入する駆動電流は、回路のインピーダンスに支配さ
れており、高効率を目するシステムにおいては、特にこ
のインピーダンスが低く抑えられている。従って、図
(a−13)の駆動電流値SSP10−1のように、駆
動電流は急激に増加する。このため、図(a−14)の
駆動モータ速度Vm−1のように走行当初、駆動力の急
変、あるいは、これに伴う加速ショックを誘発するとい
う問題点があった。
【0019】また、この加速ショックを低減するために
は、図(a−12)の通流率指令信号SS8−2および
平均印加電圧信号SS11−2のように、印加電圧モジ
ュレーション時間を十分長くとり、最終的に図(a−1
4)のような駆動モータ速度Vm−2として、走行当初
の駆動モータ速度の勾配すなわち、加速度を減じること
が考えられるが、結果として、必要な加速感が得られな
いという問題を生じることになる。
【0020】さらに、このような問題点を解消するため
に、アクセル操作と駆動モータ電流を対応させるべく駆
動モータ電流に直接、モジュレーションをかける方法も
採用されている。
【0021】しかし、この場合、運転者が低速走行を希
望して、アクセル操作量を減じても、システム的には駆
動モータ電流を減じたことにはならず、駆動モータ系
は、駆動トルクを発生し続けるため、車体は加速を続行
し、運転者の意志に反した走行を行うことにとなるとい
う問題点を生ずることになる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来
の電気駆動車の走行制御装置は、駆動モータの回転数に
より決定される電気子起電圧を越えて電圧を印加した場
合、駆動モータに流入する駆動電流は、回路のインピー
ダンスに支配されており、高効率を目するシステムにお
いては、特にこのインピーダンスが低く抑えられている
ため、駆動電流は急激に増加し、駆動力の急変、あるい
は、これに伴う加速ショックを誘発するという問題点が
あった。
【0023】また、この加速ショックを低減するため、
印加電圧モジュレーション時間を十分長くとり、加速度
を減じることが考えられるが、結果として、必要な加速
感が得られないという問題点があった。
【0024】さらに、このような問題点を解消するため
に、アクセル操作と駆動モータ電流を対応させるべく駆
動モータ電流に直接、モジュレーションをかける方法も
採用されているが、この場合、運転者が低速走行を希望
して、アクセル操作量を減じても、システム的には駆動
モータ電流を減じたことにはならず、駆動モータ系は、
駆動トルクを発生し続けるため、車体は加速を続行し、
運転者の意志に反した走行を行うことにとなるという問
題点があった。
【0025】そこで、本発明は、かかる問題点を除去
し、運転者の運転感覚に適合した最適車速制御を行うこ
とができる電気駆動車の車速制御装置を提供することを
目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定の関数を
もとにアクセル角度に対応した信号を生成し、該信号に
所定の第1の積分定数から時間的変化を加えられた制御
信号と、駆動モータ電流の検出電流値と所定の電流基準
値との比較により生成する帰還制御信号とから駆動モー
タ制御信号を生成して駆動モータの電流制御を行うこと
により車速制御をする電気駆動車の車速制御装置におい
て、前記アクセル角度から所定の関数により最大制限電
流値を出力する制限電流出力手段と、所定の第2の積分
定数から前記最大制限電流値を時間的に変化させた前記
電流基準値を生成する電流基準値生成手段とを具備する
ことを特徴とする。
【0027】また、所定の関数または所定のデータをも
とに前記アクセル角度に対応する可変の前記第1の積分
定数を生成する第1の積分定数生成手段と、所定の関数
または所定のデータをもとに前記アクセル角度に対応す
る可変の前記第2の積分定数を生成する第2の積分定数
生成手段と、前記第1の積分定数生成手段と前記第2の
積分定数生成手段が有する所定の関数または所定のデー
タを任意に選択し、加速性を調整する加速性調整手段と
を具備することを特徴とする。
【0028】
【作用】本発明は、駆動モータ制御信号を生成して駆動
モータの電流制御を行うことにより車速制御をする電気
駆動車の車速制御装置において、制限電流出力手段が、
アクセル角度から所定の関数により最大制限電流値を出
力し、電流基準値生成手段が、所定の第2の積分定数か
ら前記最大制限電流値を時間的に変化させた電流基準値
を生成し、駆動モータ電流の検出電流値と前記電流基準
値との比較により生成する帰還制御信号と、所定の関数
をもとにアクセル角度に対応した信号を生成し、該信号
に所定の第1の積分定数から時間的変化を加えられた制
御信号とから前記駆動モータ制御信号を生成する。
【0029】また、第1の積分定数生成手段および第2
の積分定数生成手段が、加速性の選択、調整を行うこと
ができる加速性調整手段により任意に選択された所定の
関数または所定のデータをもとに、第1の積分定数生成
手段および第2の積分定数生成手段が、前記アクセル角
度に対応する前記第1の積分定数および前記第2の積分
定数を生成し、前記第1の積分定数をもとに時間的変化
をもった前記制御信号を生成し、前記第2の積分定数は
前記電流基準値生成手段に入力されて時間的変化をもっ
た前記電流基準値を出力する。
【0030】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。
【0031】図1は、本発明の一実施例である電気駆動
車の車速制御装置の構成ブロック図である。
【0032】図1において、電気駆動車のアクセルを踏
み込んだアクセル角度θを検出するアクセル角度検出器
1によって検出されたアクセル角度θの情報を含むアク
セル角度信号S1は、電流制限関数発生器2に入力され
るとともに、電圧制限関数発生器3に入力される。
【0033】電流制限関数発生器2は、入力されたアク
セル角度信号S1を、電流制限関数Fi(θ)により最
大制限電流Imaxを発生し、最大制限電流信号S2を
出力し、電流制限モジュレータ7に入力される。一方、
電圧制限関数発生器3は、入力されたアクセル角度信号
S1を、電圧制限関数Fv(θ)により最大制限電圧V
maxを発生し、最大制限電圧信号S3を出力し、通流
率モジュレータ8に入力される。
【0034】一方、アクセル角度信号S1は、アクセル
角度θに対応する積分定数T1を定義する異なる複数の
電流加速性関数FT1(θ)を有する電流加速性関数発生
器5およびアクセル角度θに対応する積分定数T2を定
義する異なる複数の電圧加速性関数FT2(θ)を有する
電圧加速性関数発生器6に入力される。電流加速性関数
発生器5および電圧加速性関数発生器6は、加速性調整
器4から出力される電流加速性関数FT1(θ)および電
圧加速性関数FT2(θ)を任意に選択する加速性調整信
号S4により、それぞれの関数が選択される。選択され
た電流加速性関数FT1(θ)および電圧加速性関数FT2
(θ)をもとに、電流加速性関数発生器5および電圧加
速性関数発生器6は、アクセル角度θに応じた積分定数
T1および積分定数T2を生成し、それぞれ、電流制限
モジュレータ7および通流率モジュレータ8に入力され
る。
【0035】電流制限モジュレータ7は、入力された最
大制限電流信号S2に、可変の積分定数T1により、傾
斜を持たせ、時間的に変化する電流制限値信号S7を生
成し、電流制限演算器9に入力する。
【0036】また、通流率モジュレータ8は、入力され
た最大制限電圧信号S3に、可変の積分定数T2によ
り、傾斜をもたせ、時間的に変化する通流率指令信号S
8を生成し、減算器11に入力する。
【0037】一方、電気駆動車の駆動モータ14を駆動
する電流を検出する電流検出器10により検出された電
流Iは、検出電流信号S10として電流制限演算器9に
入力される。
【0038】ここで、電流制限演算器9は、入力された
検出電流信号S10の電流Iから電流制限信号S7の電
流制限値Ilimを減算した値をもとに通流率低減信号
S9を出力する。この通流率低減信号S9は、減算した
値が正である場合すなわち、駆動モータを駆動する駆動
電流Iが電流制限値Ilimより大きい場合は、その大
きさに応じた通流率低減信号S9を出力し、減算した値
が負である場合、通流率低減信号S9の低減量は、’
0’として出力する。
【0039】さて、減算器11において、入力された通
流率指令信号S8から入力された通流率低減信号S9が
減算され、減算された信号は、平均印加電圧信号S11
として減算器11から出力され、通流率生成器12に入
力される。通流率生成器12は、平均印加電圧信号に応
じた通流率を生成し、通流率信号S12として、駆動モ
ータに電圧を印加/遮断するドライブスイッチ13に入
力する。そして、ドライブスイッチ13は、通流率信号
S12に従って、駆動モータ14に電圧を印加/遮断
し、駆動電流を増減して、駆動モータを制御することに
なる。
【0040】ここで、図2は、通流率生成器の動作説明
図である。
【0041】図2において、図(a)は、アクセル角度
の時間変化に対する通流率指令信号S8および平均印加
電圧信号S11の変化を示した図である。また、図
(b)は、図(a)の時間変化に対する通流率生成器が
生成する通流率信号S12の時間変化を示した図であ
る。通流率信号S12は、ドライブスイッチ13のスイ
ッチを開閉する信号である。また、図(b)における、
スイッチを閉じる時間aとスイッチを開く時間bで通流
率は表され、通流率はa/bとなる。さて、図(a)に
おいて、前述したように、平均印加電圧信号S11は、
通流率指令信号S8から通流率低減信号S9を減じた値
となり、通流率生成器12は、図(b)のように、平均
印加電圧信号S11の大きさに応じて通流率の大きさを
変化させ、通流率信号を12を出力している。
【0042】従って、通流率指令信号S8の値のみなら
ず、通流率低減信号S9が低減量を有する場合は、その
低減量により通流率が減少し、ドライブスイッチ13に
より電圧を印加する平均時間が減少するため、駆動モー
タ14に流れる駆動電流が減少し、それに応じて駆動モ
ータの速度が制御されることになる。
【0043】このようにして、駆動モータ14の駆動電
流値検出によるフィードバックを含めて、アクセル角度
θに応じた通流率を生成し、駆動モータ14を制御して
いる。
【0044】次に、従来の電気駆動車の車速制御装置と
の比較を通して、本発明の一実施例である電気駆動車の
車速制御装置の動作について説明する。
【0045】図3は、本発明の一実施例と従来例の電気
駆動車の車速制御装置との比較動作タイムチャートであ
る。
【0046】図3において、図(a−1)は、時間に対
するアクセル角度の変化を示しており、このアクセル角
度の入力により、駆動モータが制御されることになる。
図(a−2)は、通流率指令信号SS8および平均印加
電圧信号SS11の時間変化を示したものである。図
(a−3)は、駆動モータを駆動する駆動電流値の時間
変化を示したものである。図(a−4)は、駆動電流に
より駆動された駆動モータの駆動モータ速度の時間変化
を示したものである。
【0047】同様に、図(b−1)は、図(a−1)と
同一であり、時間に対するアクセル角度の変化を示して
おり、このアクセル角度の入力により、駆動モータが制
御されることになる。図(b−2)は、通流率指令信号
S8および平均印加電圧信号S11の時間変化を示した
ものである。図(b−3)は、駆動モータを駆動する駆
動電流値の時間変化を示したものである。図(b−4)
は、駆動電流により駆動された駆動モータの駆動モータ
速度の時間変化を示したものである。
【0048】図3において、図(b−1)のようにアク
セルが踏み込まれ、アクセル角度信号S1が入力される
と、図(b−2)における通流率指令信号S8が通流率
モジュレータ8により生成され、駆動電流のフィードバ
ックによる通流率低減信号S9を減算することにより、
平均印加電圧信号S11が、減算器11から出力され
る。さらに、図(b−3)において、平均印加電圧信号
S11に応じた駆動電流値S10が生じることになり、
駆動モータ速度Vmで走行することになる。
【0049】さて、図(a−2)と図(b−2)におい
て、まず、通流率指令信号SS8−1と通流率指令信号
S8は、詳細に図示されていないが、積分定数T2が可
変と固定の違いにより、アクセルの踏み込み当初は、従
来より傾斜の緩やかな変化となる。また、アクセルの踏
み込み当初における平均印加電圧信号S11は、従来の
平均印加電圧信号SS11−1に比較して、傾斜が緩や
かである。
【0050】従って、図(a−3)と図(b−3)にお
いて、本実施例による駆動モータに流れる駆動電流値S
10は、従来の駆動電流値SSP10−1のような急激
な傾斜をもった電流の増加がない。
【0051】また、図(a−4)と図(b−4)は、最
終的な駆動モータ速度の時間的変化を表したものである
が、従来、アクセル踏み込み当初に急激な傾斜すなわち
加速度の変化(V1−1)を生じていたが、本実施例に
おいては、アクセルの踏み込み当初は、傾斜が緩やかで
あり、従って加速度が少なく速度の変化が少ない。この
ため、従来のような加速ショックを伴うことはない。な
お、従来例および、本実施例とも一定時間(t)後の傾
斜すなわち、加速度の変化は同じであり(V2−1およ
びV1)、一定の速度に到達する時間も同じである。
【0052】なお、本実施例においては、走行当初のア
クセル角度の変化について説明したが、走行途中におい
てもアクセルの角度およびアクセルの角度変化に応じ
て、加速、減速ショックのない最適な加速度制御を行う
ことができる。
【0053】また、加速性調整器4により、任意に加速
性を制御できるため、運転者の運転感覚にあった最適な
加速性、速度制御を選択することができる。
【0054】さらに、本実施例においては、電流加速性
関数発生器5および電圧加速性関数発生器6は、電流加
速性関数および電圧加速性関数を有するとしたが、関数
である必要はなく、アクセル角度θに対応した積分定数
を生じる、複数の電流加速性のデータあるいは複数の電
圧加速性のデータであってもよい。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、駆動モ
ータ制御信号を生成して駆動モータの電流制御を行うこ
とにより車速制御をする電気駆動車の車速制御装置にお
いて、制限電流出力手段が、アクセル角度から所定の関
数により最大制限電流値を出力し、電流基準値生成手段
が、所定の第2の積分定数から前記最大制限電流値を時
間的に変化させた電流基準値を生成し、駆動モータ電流
の検出電流値と前記電流基準値との比較により生成する
帰還制御信号と、所定の関数をもとにアクセル角度に対
応した信号を生成し、該信号に所定の第1の積分定数か
ら時間的変化を加えられた制御信号とから前記駆動モー
タ制御信号を生成するため、走行当初あるいは走行途中
における加速ショックまたは減速ショックをなくし、し
かも、運転者の運転感覚に適合した速度および加速度制
御を行うことができる利点を有する。
【0056】また、第1の積分定数生成手段および第2
の積分定数生成手段が、加速性の選択、調整を行うこと
ができる加速性調整手段により任意に選択された所定の
関数または所定のデータをもとに、第1の積分定数生成
手段および第2の積分定数生成手段が、前記アクセル角
度に対応する前記第1の積分定数および前記第2の積分
定数を生成し、前記第1の積分定数をもとに時間的変化
をもった前記制御信号を出力し、前記第2の積分定数は
前記電流基準値生成手段に入力されて時間的変化をもっ
た前記電流基準値を出力して駆動モータ制御制御信号を
生成するため、個々の運転者が有する固有の運転感覚に
適合した加速性および速度制御を任意に選択して行うこ
とができる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電気駆動車の車速制御
装置の構成ブロック図。
【図2】通流率生成器の動作説明図。
【図3】本発明の一実施例と従来例の電気駆動車の車速
制御装置との比較動作タイムチャート。
【図4】従来の電気駆動車の車速制御装置の構成ブロッ
ク図。
【図5】従来の電気駆動車の車速制御装置の動作タイム
チャート。
【符号の説明】
1,401 アクセル角度検出器 2 電流制限関数発生器 3,403 電圧制限関数発生器 4 加速性調整器 5 電流加速性関数発生器 6 電圧加速性関数発生器 7 電流制限モジュレータ 8,408 通流率モジュレータ 9,409 電流制限演算器 10,410 電流検出器 11,411 減算器 12,412 通流率生成器 13,413 ドライブスイッチ 14,414 駆動モータ S1,SS1 アクセル角度信号 S2 最大電流制限信号 S3,SS3 最大電圧制限信号 S4 加速性調整信号 S5,SS5,S6,SS6,T1,TT1,T2、T
T2 積分定数 S7,SS7 電流制限信号 S8,SS8,SS8−1,SS8−2 通流率指令信
号 S9,SS9 通流率低減信号 S10,SS10 検出電流信号 S11,SS11,SS11−1,SS11−2 平均
印加電圧信号 S12,SS12 通流率信号 SSP10,SSP10−1,SSP10−2 駆動電
流値 Vm,Vm−1,Vm−2 駆動モータ速度 θ アクセル角度

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の関数をもとにアクセル角度に対応し
    た信号を生成し、該信号に所定の第1の積分定数から時
    間的変化を加えられた制御信号と、駆動モータ電流の検
    出電流値と所定の電流基準値との比較により生成する帰
    還制御信号とから駆動モータ制御信号を生成して駆動モ
    ータの電流制御を行うことにより車速制御をする電気駆
    動車の車速制御装置において、 前記アクセル角度から所定の関数により最大制限電流値
    を出力する制限電流出力手段と、 所定の第2の積分定数から前記最大制限電流値を時間的
    に変化させた前記電流基準値を生成する電流基準値生成
    手段とを具備することを特徴とする電気駆動車の車速制
    御装置。
  2. 【請求項2】所定の関数または所定のデータをもとに前
    記アクセル角度に対応する可変の前記第1の積分定数を
    生成する第1の積分定数生成手段と、 所定の関数または所定のデータをもとに前記アクセル角
    度に対応する可変の前記第2の積分定数を生成する第2
    の積分定数生成手段と、 前記第1の積分定数生成手段と前記第2の積分定数生成
    手段が有する所定の関数または所定のデータを任意に選
    択し、加速性を調整する加速性調整手段とを具備するこ
    とを特徴とする前記請求項1記載の電気駆動車の車速制
    御装置。
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