JPH0525048A - 異型移植反応阻止用のキサンチン類 - Google Patents

異型移植反応阻止用のキサンチン類

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JPH0525048A
JPH0525048A JP3316209A JP31620991A JPH0525048A JP H0525048 A JPH0525048 A JP H0525048A JP 3316209 A JP3316209 A JP 3316209A JP 31620991 A JP31620991 A JP 31620991A JP H0525048 A JPH0525048 A JP H0525048A
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JP3316209A
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James A Bianco
ジエイムズ・エイ・ビアンコ
Jack W Singer
ジヤツク・ダブリユー・シンガー
William J Novick Jr
ウイリアム・ジエイ・ノビツク・ジユニア
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Aventis Pharmaceuticals Inc
Fred Hutchinson Cancer Center
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Fred Hutchinson Cancer Research Center
Hoechst Roussel Pharmaceuticals Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記式Iおよび下記式IIのキサンチン類の用
途。 (式中RおよびRは同一または相異なっていて、2
〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖状アルキル
基、シクロヘキシル基、直鎖または分枝鎖状アルコキシ
アルキル基およびヒドロキシアルキル基からなる群から
選択され:Aはメチル基で置換されうる、4個までの炭
素原子を有する炭化水素基を示す) (式中、RおよびRの少なくとも一方は、分枝鎖状
ヒドロキシアルキル基またはオキソアリル基であり、他
方は水素原子または炭化水素基であり、Rはアルキル
基を示す) 【効果】 該キサンチン類はヒトの移植における異型移
植反応特に移植片対宿主反応の阻止に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
【発明の背景】本発明はヒトの異型移植反応を阻止する
ためのキサンチン類の使用に関する。一つの態様では本
発明はヒトの移植片対宿主反応(GVHR)に関連した
作用を阻止するためのキサンチン類の使用に関する。別
の態様では本発明は移植療法に付随するヒトのGVHR
の発現を阻止するためのある種のキサンチンの使用方法
に関する。
【0002】移植または組織移植は生きている細胞、組
織または器官を身体の一部分から別の部分へまたは1個
体から別個体へ移すことを包含する。移植片の運命は提
供者と宿主との間の遺伝的関係によって決定される。種
のそれぞれは、組織移植の適合性または非適合性を決定
する組織適合性抗原をコードする組織適合性遺伝子の1
群を有する。抗原は主組織適合性複合体(MHC)を作
るが、それは移植の運命を決定するのに圧倒的な重要性
を有するものと思われる。
【0003】一般に、組織適合性遺伝子が異なっていな
い動物間で交換される移植片は受容されるが、一方組織
適合性遺伝子が異なっている個体間で移植される移植片
は拒絶される。例えば移植片の受容者が、移植片の提供
者では存在する組織適合性遺伝子を欠いている場合には
拒絶が起こる。該拒絶は異型移植反応によりもたらさ
れ、組織適合性(移植)抗原に対する特異的免疫反応で
ある。
【0004】異型移植反応は移植外科医にとって大きな
失敗原因であり、該反応は最も熟練した業による有利性
をも否定することが可能である。異型移植反応はあたか
も移植片が外からの侵入者であるように移植片に対する
宿主のリンパ球による攻撃を含む。宿主による該反応は
移植失敗をもたらすことができる。
【0005】大低の状況では異型移植反応は1方向だけ
の過程である。すなわち宿主は移植片に対して反応する
(“宿主対移植片反応”または“HVGR”)。しか
し、移植片がリンパ球を含有することもよくあり、その
場合には宿主に対する移植片の免疫学的反応が生じ得
る。ある場合にはこの“移植片対宿主反応”または“G
VHR”は、HVGRが優勢であるがために気づかれな
いままでありそして全ての移植される細胞が拒絶され、
その結果、宿主を害することが可能である。宿主がHV
GRを開始することができない場合には、GVHRの結
果を明らかに認識することができる。
【0006】GVHRは複雑な過程であり、十分に理解
されていない。一般的な反応過程はおそらく免疫不全宿
主中への提供者のリンパ球の接種からなると思われる。
提供者のリンパ球は芽球変換を受け、究極的には小リン
パ球が生成される。これらの小リンパ球は宿主組織の破
壊を遂行し得るキラー能力を有する。細胞が播種し、宿
主の器官および組織中に増殖した後にGVHRが起こ
る。
【0007】提供者リンパ球の増殖および、その生成す
るキラー細胞が宿主組織に加える損傷は宿主由来の複雑
な反応を推進する。該反応の最も顕著な特徴は提供者細
胞増殖の部位における炎症、増加する食細胞活性並びに
脾臓および肝臓における細網内皮系細胞およびリンパ性
細胞の増大する増殖である。臨床反応は種々の造血およ
びリンパ球生成組織の拡大、皮膚発疹、腸障害およびそ
の他のアレルギー型症状により特徴づけられる。やがて
提供者誘導による細胞傷害細胞が宿主のリンパ性組織を
攻撃し、それにより大集団の細胞が破壊される。これら
の作用は病原体に対する宿主の抵抗を弱め、その結果と
して二次合併症が出現し始める。GVHRの最も重度の
場合には受容者はついには死んでしまう。
【0008】異型移植反応は免疫学的に仲介される。従
って、該反応の進行を防止するために免疫抑制療法が使
用されている。メソトレキセート、シクロホスファミド
およびシクロスポリンが骨髄移植に有用であることが見
出されたが、しかし急性のGVHRは重大な問題として
残っている。実際には、中度から重度のGVHDを示す
患者の約1/3は前記合併症で死んでしまう。
【0009】MHC不同がGVHRの最も強力な刺激物
であるけれども、該反応を引き出すことの可能なその他
の組織適合性個所が存在する。このためにGVHRが骨
髄移植に対する主要な障害となっている。いくつかの医
療センターでは骨髄移植を、同一姉妹細胞が入手されう
る場合に制限している。組織適合性系の極めて複雑な性
質のために、血縁でない個人間に一定基準で完全な適合
を獲得することができるのは見込みがなさそうである。
従って、血縁関係のない個人間での骨髄移植は特異的免
疫療法のより優れた手法が入手されうるまで延期されな
ければならない。肝臓移植の場合にはMHCの良好な適
合を待つことは、外科手術前の大部分の肝臓移植受容者
の不安定な医療状態のために今日では実際的ではない。
【0010】移植患者の臨床管理にとって本技術分野で
は、移植の受容または拒絶の過程を維持しかつ適当な処
置を提供する必要性が存在することは明白である。異型
移植反応例えばHVGRおよび急性GVHDを防止する
現存の処置および手法は不十分であるので、異型移植拒
絶を防止または治療するための新しい方法が見出されな
ければならない。なぜならば異型移植拒絶は移植患者の
死亡および病的状態の主要原因であるからである。
【0011】
【発明の要約】本発明はヒトの異型移植反応例えば宿主
対移植片反応(HVGR)および移植片対宿主反応(G
VHR)を阻止する手法を提供することによって本技術
分野における前記の必要性をみたすことを目的とする。
さらに詳しく言えば、本発明は少なくとも1種の式
【0012】
【化3】 (式中R1およびR2は同一または相異なっていて、それ
ぞれ独立して2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分
枝鎖状アルキル基、シクロヘキシル基、直鎖または分枝
鎖状アルコキシアルキル基およびヒドロキシアルキル基
からなる群から選択され;Aはメチル基で置換されう
る、4個までの炭素原子を有する炭化水素基を示す)を
有する、デンブフィリン以外の7−(オキソアルキル)
1,3−ジアルキルキサンチンをヒトに投与することに
よる異型移植反応阻止方法を提供する。式(I)のキサ
ンチンは異型移植反応を阻止するのに有効な量で用いら
れる。本発明の好ましい態様において、式(I)のキサ
ンチンはヒトのGVHRの作用を阻止するのに有効な量
で投与される。
【0013】本発明はまた式
【化4】 〔式中R1およびR3のうち少なくとも一方は
【0014】a) 第3アルコール官能基を有する式 (CH2)n−CR4(OH)−CH3 (ここでR4は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基
を示し、そしてnは2〜5の整数である)の分枝鎖状ヒ
ドロキシアルキル基であり、場合により存在しうる他方
のR1またはR3基は水素原子であるか、またはその炭素
鎖が2個までの酸素原子により中断されうるかまたはヒ
ドロキシもしくはオキソ基により置換されうる、6個ま
での炭素原子を有する脂肪族炭化水素基R5であるか、
または
【0015】b) 式 R6−CO−(CH2)p− (ここでR6はC1〜C6−アルキルでありそしてpは2、
3または4である)のオキソアリル基であり、残りのR
1またはR3は前述の定義を有し、そしてR2はC1〜C4
−アルキル基である〕を有する化合物をヒトに投与する
ことからなるヒトの異型移植反応阻止方法を提供する。
式(II)のキサンチンは異型移植反応を阻止するのに有
効な量で用いられる。本発明の好ましい態様において、
式(II)のキサンチンはヒトのGVHRの作用を阻止す
るのに有効な量で投与される。
【0016】
【従来の技術】よく知られた製剤ペントキシフィリンは
一般式(II)に包含される化合物の1例である。ペント
キシフィリン(“PTX”)は経口用錠剤の形態で商標
トレンタール(TrentalR)で商業的に入手しうる。該化
合物は血液の流動性改善のための製剤としてしばらく使
用されてきたけれども(1971年に臨床試験が実施さ
れた)、それは異型移植反応例えばGVHRの阻止剤と
して有効であることは報告されていない。
【0017】
【好ましい態様】本発明によればある種のキサンチン
は、ヒト患者のTリンパ球の反応に関連した作用を阻止
するのに用いられる。本発明に包含される生物学的過程
の本質を最初に記述する。次にキサンチン類の詳細な説
明および該キサンチンの製造方法について述べる。それ
からインビボおよびインビトロ試験で得られた結果につ
いて記載する。
【0018】1. 異型移植反応および異型移植拒絶 本発明はヒト患者の異型移植反応の作用を阻止すること
を可能にする。さらに詳しく言えば、キサンチン類は異
型移植に対する免疫反応を調整するのに本発明に従って
用いられる。もし未処置である場合には拒絶が起って移
植片損失になってしまうであろう。急性の移植片拒絶は
主として細胞仲介の免疫反応であり、本発明によって用
いられる場合のキサンチン類はいくつかの型のエフェク
ター細胞(エフェクター炎症性細胞以外の)の活性化ま
たは作用化を抑制する。すなわち、キサンチン類は宿主
および提供者のリンパ球すなわちTリンパ球およびBリ
ンパ球の活性化を抑制する。キサンチンによるリンパ球
活性化の抑制はその他の免疫抑制療法を用いてもまたは
用いなくても、移植片受容者に定着すべき異型移植片に
対する後天的寛容性が得られるに十分な程度に成就され
る。これにより安定かつ延期された移植が成就する。
【0019】キサンチン類はTヘルパー細胞、T細胞傷
害性細胞、Tサプレッサー細胞、ナチュラルキラー細
胞、抗体依存性細胞仲介による細胞傷害性の原因である
キラー細胞、T遅延型過敏性細胞、Bリンパ球およびこ
れらの細胞型それぞれの部分集合からなる群より選択さ
れるリンパ球1種以上の活性化を抑制する。キサンチン
によるリンパ球活性化の抑制は、たとえ白血球誘導のサ
イトカイン(cytokines)例えば腫瘍壊死因子(TN
F)が不在でも証明され得る。
【0020】異型移植反応はヒト患者の宿主対移植片反
応(HVGR)または移植片対宿主反応(GVHR)と
して顕在化されうる。HVGRは、宿主抵抗性または永
続性の宿主免疫性による移植の失敗または拒絶をもたら
すことが可能である。宿主細胞は、提供者誘導による組
織の拡大または提供者誘導による細胞の増殖および分化
を害することがある。
【0021】GVHRは、3つの条件をみたす場合に起
こることが可能である。まず第1に、GVHRは宿主が
主要組織適合性複合体(MHC)抗原を有することを必
要とする。その際該抗原は実質的に移植片を含有しな
い。GVHRを生起させうる組織適合性抗原の出現を最
小にするにはHLA型別を使用することができるが、大
低の場合には全HLA系での適合性は実現され得ず、移
植はある程度の不適合の下で遂行されなければならな
い。GVHRは提供者と受容者との間の不適合性に伴っ
て厳しさが増大される。
【0022】第2に、GVHRは移植片が免疫学的感応
リンパ球を含有することを必要とする。移植片リンパ球
は典型的にリンパ節細胞、末梢血液白血球、脾臓細胞、
骨髄細胞および胸腺細胞から発生する。その他の細胞が
存在しかつ包含され得る場合もあるけれども、明らかに
Tリンパ球がGVHRを開始させる。未熟Tリンパ球は
一般にGVHRを開始させることはできない。
【0023】第3に、GVHRは受容者宿主が移植片を
拒絶できない程度に免疫学的に非感応または免疫抑制性
もしくは免疫不全であることを必要とする。GVHRは
典型的には免疫学的に非感応または抑制された受容者宿
主において起こるけれども、GVHRはまた該反応の作
用がより強力なHVGRによって保護されない免疫学的
感応受容者でも起こり得ることが理解されよう。
【0024】異型移植反応を導く1個体から別の個体へ
の細胞、組織または器官の移転は典型的には移植療法に
関連する。すなわち、例えば異型移植反応は骨髄移植、
腎臓移植、心臓移植、皮膚移植、角膜移植並びにその他
の器官および組織例えば肝臓、肺、脾臓、膵臓、腸、
腱、骨、軟骨、血管および喉頭の移植に関連することが
できる。GVHRはしばしば1個体から別個体への免疫
学的感応細胞の移転、例えば提供者の器官または細胞例
えば骨髄、リンパ節、脾臓、胸腺または肝臓の均質化に
より調製され、受容者宿主に接種される懸濁液のような
リンパ組織の移植を伴う。
【0025】本発明は全タイプの移植療法に伴うGVH
RおよびHVGRの作用を阻止するのに有用である。す
なわち、例えば本発明は通常移植組織により占められる
解剖上同一の位置に(オルトトロピック)植えられた移
植片または不自然な位置に(ヘテロトロピック)植えら
れた移植片に付随するHVGRおよびGVHRを治療す
るのに有用である。同様にHVGRおよびGVHRは同
一個体から採られて同一個体に植える移植片(自己移植
片)、遺伝的に同一の個体間で移植する移植片(同質移
植片)、同一種の遺伝的に異なる個体間で移植する移植
片(異型移植片)および2種の異なる種の個体間で移植
する移植片(異種間移植片)に付随し得る。
【0026】本発明の好ましい態様において、キサンチ
ン類は臨床の骨髄移植受容者に投与される。本発明のキ
サンチン類の使用により、骨髄移植に付随するGVHR
およびGVHDの作用を阻止することができる。すなわ
ち、本発明の使用は移植細胞で正常な骨髄機能を獲得し
たい患者、例えば重度の合併免疫不全疾患または再生不
能性貧血を有する患者並びに白血病およびその他の悪性
腫瘍に対する積極的治療法としての化学療法および照射
を受けている患者にとって好ましい。移植される骨髄細
胞は適合する提供者由来であるかまたは患者からあらか
じめ細胞を取り出して貯蔵しておいた保存細胞由来であ
ることができる。未処置骨髄細胞を用いることができる
か、または例えばGVHDの発生に関連する細胞からな
る骨髄を涸渇するためのリンパ球パージングによって骨
髄細胞を処置することができる。T細胞を除去する手法
には抗胸腺細胞グロブリン、抗T細胞モノクロナール抗
体、補体仲介溶菌、レシチン凝集素沈降、ヒツジ赤血球
によるロゼット法、向流遠心水簸、抗T細胞モノクロナ
ール抗体に結合した免疫ビードまたは抗T細胞モノクロ
ナール抗体に結合した磁気ビードによる処置がある。骨
髄接種物のT細胞涸渇は急性GVHDを防止するけれど
も、移植拒絶または白血病再発の発生率増加または移植
片対白血病作用の減少が存在することもある。本発明に
よってキサンチン類を用いる場合には、骨髄接種物のT
細胞涸渇は必要とされないことが見出された。
【0027】またGVHRは移植療法を受けている患者
以外の患者に観察されたことがある。例えば重度に免疫
抑制された患者は普通の輸血中に外来リンパ細胞によっ
て偶然に移植可能になることがある。本発明は異型移植
反応および非移植患者に起こるGVHRないしGVHD
の作用を阻止するのに有用であることが理解されよう。
【0028】GVHRはヒトの場合にはGVHDとして
顕在化され、それは臨床適応症および化学的手法によっ
て診断されうる。GVHDの臨床上観察される作用には
発熱、不定愁訴、高熱および移植領域の疼痛、高血圧、
体重減少および脾臓機能の損傷がある。骨髄移植の場合
には、GVHDは皮膚発疹および水ぶくれ、重度の吐き
気、嘔吐、下痢、胃腸出血または肝機能の損傷によって
指摘される。肝臓移植による異型移植拒絶は胆汁管破壊
およひ肝細胞壊死によって特徴づけられる。
【0029】またGVHRないしGVHDの作用は生化
学的手法により、例えば患者の生物学的過程の酵素レベ
ルおよび排出物または分解生成物の測定により調べるこ
とができる。例えば、GVHDは腎臓移植の場合には血
漿クレアチニンレベルの測定により、または肝臓移植の
場合にはアルカリ性ホスファターゼ、トランスアミナー
ゼおよびビリルビンのレベルの測定により確かめること
ができる。
【0030】キサンチンまたはキサンチン混合物は異型
移植反応の前記作用の1種以上を阻止するのに十分な量
で治療を要するヒト患者に投与されうる。すなわち、例
えばGVHRないしGVHDを顕在化させる臨床適応症
または生化学的変化の1種以上は本発明のキサンチン投
与によって発生率または重度の面で減少されうるかまた
は軽減、防止または抑制されうる。キサンチン混合物を
用いることができるが、混合物使用には全く利点は観察
されなかった。
【0031】キサンチン類が患者の移植療法と共に用い
られる場合、該キサンチンは移植の前後または移植中に
投与されうる。キサンチンは一般には患者に経口または
静脈内投与される。本発明の好ましい態様において、キ
サンチンは移植直後には患者に静脈内投与されそして次
に移植後免疫抑制療法として移植受容者に経口投与され
る。
【0032】本発明によるGVHRの阻止はインビトロ
で証明され得る。さらに詳しく言えば、血縁でない個体
からの白血球の共培養は、T細胞へのミトゲンの添加と
同時に観察されるのと同様の芽細胞の形質転換および増
殖をもたらす。該反応の基本は別個体の細胞表面標識に
よる1個体からのT細胞の活性化であると思われる。2
個体からの血液白血球の共培養は“混合白血球培養”ま
たは“MLC”と称されそして該反応は“混合白血球反
応”または“MLR”と称される。リンパ器官から得ら
れた細胞の共培養は“混合リンパ球培養”または“混合
リンパ球反応”と称される。混合白血球反応においてさ
え、関与する細胞は末梢血液Tリンパ球であるので、一
般的にはこれら2種の型の培養の間に実質上全く相違は
ない。すなわち、これらの表現はここでは交換可能な同
義として用いる。
【0033】MLRを刺激する性質は刺激細胞および反
応細胞のMHCにおける不同の機能である。MHCにお
ける不同はまた異型移植反応の主原因であるので、ML
Rは本発明中ヒトの異型移植反応のインビトロ類似物と
して使用される。さらに詳しく言えば、MLCは本発明
において、個々の臨床設定で用いるのに好ましいキサン
チンおよびその量を決定するためにインビトロアッセイ
として用いることができる。ヒトMLRを阻止するのに
強い応答を示すキサンチンは、本発明によるGVHRな
いしGVHDの阻止に使用するのが好ましい。
【0034】MLRは慣用技法を用いて実施されうる。
MLR用に培養される細胞は末梢血液、脾臓、リンパ節
または胸腺から誘導されうる。細胞数は数桁で変化し得
る。刺激細胞は照射によりまたはDNA複製を崩壊する
抗生物質での処置により不活化され得る。培地は必要に
より、オートロガス、シンジェネイック、異型的または
異種間由来の血清タンパク質によって補うことが可能で
ある。培養は数日間にわたって遂行され得る。刺激細胞
による反応細胞の刺激度は3H−チミジンまたは放射能
標識されたアミノ酸の吸収率から測定されるかまたは芽
細胞および分割細胞を計数することによって測定され得
る。放射能標識を用いる場合には、収穫の数時間前の培
地に加えることができる。
【0035】本発明によるGVHRに及ぼすキサンチン
類の効果はMLRで測定された。さらに詳しく言えば、
相異なる提供者5人を使用した個々の用量−反応実験6
回をPHAに対する反応およびMLRの両方を用いて実
施した。細胞はペントキシフィリンまたは希釈剤に6日
間さらした。3H−チミジンを3時間加え、細胞を収穫
しついでシンチレーションカウンターで計数した。デー
タは対照のCPMを100%に設定することにより標準
化し、供試物質(ペントキシフィリン)のCPMを対照
の数に対するCPMの比率の平均として決定した。結果
は後記図に示すとおりである。ペントキシフィリンはM
LRおよび、PHAに対する反応の両方を抑制した。1
mMにおいて、ペントキシフィリンはPHA反応を対照の
53±9%にそしてMLRを対照の42±6%に抑制し
た。細胞の生存能力は、トリパンブルー色素排除を用い
て100%であった。
【0036】上記操作を化合物7−エトキシメチル−1
−(5−ヒドロキシ−5−メチルヘキシル−3−メチル
キサンチンを用いて繰り返した。該化合物はMLRおよ
び、PHAに対する反応の両方を抑制するのにペントキ
シフィリンと同様であった。100μg/mlでの該化合
物はPHA反応を対照の41±5%にそしてMLRを対
照の39±3%に抑制した。該化合物の濃度はペントキ
シフィリンの濃度の半分以下であり、そして試験条件下
で少なくともペントキシフィリンと同じ位高い活性を有
した。
【0037】該操作を化合物1−(5−ヒドロキシ−5
−メチルヘキシル)−3−メチルキサンチンおよびデン
ブフィリン(すなわち7−アセトニル−1,3−ジブチ
ルキサンチン)を用いて再び繰り返した。供試濃度にお
いて前者の化合物は最小活性を有しそしてデンブフィリ
ンは不活性のようであった。
【0038】細胞、組織および器官がMHC不適合性域
で移植される場合に、異型移植反応は起こり得る。組織
適合性の少ない個所での不適合性は通常、最小免疫抑制
領域により克服されることができるが、しかし主要個所
での不適合性による拒絶の抑制には遥かにより積極的な
免疫抑制療法が必要とされる。本発明は患者に対して単
独でまたはこのような最小もしくは積極的な免疫抑制療
法との組合せで用いることができることを理解された
い。
【0039】さらに詳しく言えば、免疫抑制剤は宿主の
免疫反応を低下させるためおよび異型移植反応を少なく
とも遅延させるために本発明のキサンチンとともに用い
ることができる。すなわち、キサンチン類は化学的免疫
抑制剤例えばアルキル化剤、抗代謝産物、コルチコステ
ロイドまたは抗生物質;物理学的免疫抑制剤例えば電離
照射、免疫試薬例えば抗リンパ球血清または抗リンパ球
グロブリン;または特異的抑制のための抗原またはポリ
クロナールもしくはモノクロナール抗体の投与を同時に
または前後のいずれかに行なって本発明により用いるこ
とができる。
【0040】さらに詳しく言えば、骨髄移植の場合には
該キサンチンは免疫抑制剤例えばシクロホスファミド、
メソトレキセート、シクロスポリンA、プレドニソン、
メチルプレドニソン、抗胸腺細胞グロブリン、ヒトリン
パ球副次集団と反応するモノクロナール抗体またはこれ
ら治療の組合せの投与前、中または後に投与され得る。
これらの免疫抑制剤は、通常骨髄移植でGVHD阻止の
ために免疫抑制用に使用される養生法に従って用いられ
る。
【0041】同様に、腎臓移植の場合には該キサンチン
はこの種の移植に用いるよく知られた免疫抑制療法と組
合せて本発明に従って用いることができる。すなわち、
例えば該キサンチンは、腎臓移植の手術後管理において
該キサンチンをコルチコステロイド例えばプレドニソン
およびメチルプレドニソン;シクロスポリンA;アザチ
オプリン;抗リンパ球血清またはグロブリン;ヒトリン
パ球副次集団と反応するモノクロナール抗体またはこれ
ら治療の組合せの投与前、中または後に投与することに
よって用いることができる。再度、これらの免疫抑制剤
は腎臓移植受容者の免疫抑制用に通常使用する養生法に
よって用いられる。
【0042】本発明の実施は、移植強化のためまたは異
型移植反応の臨床発現の発生率、重度もしくは期間を減
少させるために行なう異型移植受容者への造血生長因子
の投与を伴うことが可能である。本発明の好ましい態様
において、該キサンチンによる骨髄移植受容者の治療に
は顆粒性白血球−マクロファージコロニー刺激因子(G
M−CSF)の投与を伴う。GM−CSFは骨髄移植後
の血液学上の回復を促進するように思われる。
【0043】本発明はまた異型移植拒絶の危険を減少さ
せるのに使用する慣用の移植前治療と組合せて用いるこ
ともできる。この調整用養生法は受容者の全疾患を撲滅
し、異型的植え付けで移植を保持させうるように適切に
患者を免疫抑制しかつ毒性が最小であるべきである。典
型的には患者は宿主の免疫系抑制のために移植前の薬物
療法を受けるが、その際には身体全体または限定領域で
の照射を単一用量でまたは細分した用量で数日にわたっ
て、用いてもよいしまたは用いなくてもよい。すなわ
ち、例えば移植拒絶の危険を減少させるために身体全体
の照射を受ける患者は、GVHDの発現を減少させるの
に本発明のキサンチンで治療され得る。
【0044】本発明はヒト患者の異型移植反応例えばH
VGRまたはGVHRを治療するのに、またはHVGR
もしくはGVHRの予防薬として用いることができる。
本発明により、急性GVHRを阻止することで患者の状
態および幸福感を改善することができるし、また慢性G
VHDの発生率を減少させることができる。生存する患
者が増大することが予期される。
【0045】2. ヒト患者へのキサンチン類の投与 キサンチン類の有効量は種々の方法のいずれかで、例え
ばカプセルまたは錠剤で経口的に、または滅菌性溶液の
形態で例えば静脈または筋肉注射により非経口的に投与
することができる。キサンチン類はそれ自体で有効であ
るけれども、安定性、結晶化の便宜性、溶解性増大等の
ためにそれらの医薬的に許容しうる付加塩の形態で調製
されかつ投与されうる。
【0046】好ましい医薬的に許容しうる付加塩として
は無機酸例えば塩酸、硫酸、硝酸等の塩;一塩基性カル
ボン酸例えば酢酸、プロピオン酸等の塩;二塩基性カル
ボン酸例えばマレイン酸、フマル酸、シュウ酸等の塩;
および三塩基性カルボン酸例えばカルボキシコハク酸、
クエン酸等の塩を挙げることができる。
【0047】該キサンチンは、例えば不活性希釈剤また
は食用担体とともに経口投与されうる。それ等はゼラチ
ンカプセル中に封入されるか、または錠剤に圧縮されう
る。経口治療投与の場合には、該化合物は賦形剤ととも
に混入されて錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、
懸濁液、シロップ剤、カシエ剤、チューインガム剤等の
形態で使用されうる。これらの製剤は少なくとも0.5
%の活性化合物を含有すべきであるが、しかしその量は
個々の形態によって変更されることができそして好都合
には単位重量の4.0%〜約70%であるのがよい。こ
のような組成物中におけるキサンチンの量は、適当な投
与量が得られるような量である。本発明による好ましい
組成物および製剤は、経口単位剤形が活性化合物を約
1.0mg〜約400mgを含有するように調製される。
【0048】錠剤、丸剤、カプセル、トローチ等はまた
以下の成分をも含有することができる。結合剤例えば微
結晶性セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチン;
賦形剤例えばデンプンまたはラクトース;崩壊剤例えば
アルギン酸、プリモルゲル(Primolgel)、コーンスタ
ーチ等;潤滑剤例えばステアリン酸マグネシウムまたは
ステロテス(Sterotes);滑沢剤例えばコロイド性二酸
化珪素;甘味剤例えばスクロースまたはサッカリン;ま
たは香味剤例えばペパーミント、サリチル酸メチルまた
はオレンジ香料。単位剤形がカプセルである場合には、
それは前記型の物質の外に液状担体例えば脂肪油を含有
することができる。
【0049】その他の単位剤形は、その投与量単位の物
理的形態を調整するその他の物質例えばコーティング剤
を含有しうる。すなわち、錠剤または丸剤は糖、シェラ
ックまたはその他の腸溶コーティング剤で被覆されう
る。シロップ剤は活性化合物の外に甘味剤としてのスク
ロースおよび保存剤、染料、着色剤および香料を含有す
ることができる。これらの組成物を調製する際に用いる
物質は、その使用量において当然製薬的に純粋かつ無毒
でなければならない。
【0050】非経口治療投与の場合には、該キサンチン
を溶液または懸濁液中に混入させることができる。これ
らの製剤は少なくとも0.1%の前記化合物を含有すべ
きであるが、しかしその重量の0.5〜約50%で変更
されてもよい。このような組成物中における活性化合物
の量は、適当な投与量が得られるような量である。本発
明による好ましい組成物および製剤は、非経口投与量単
位が0.5〜100mgの活性化合物を含有するように調
製される。
【0051】該キサンチンの溶液または懸濁液はさらに
次の成分を含有してもよい。滅菌希釈剤例えば注射用
水、塩溶液、不揮発油、ポリエチレングリコール類、グ
リセリン、プロピレングリコールまたはその他の合成溶
媒;抗菌剤例えばベンジルアルコールまたはメチルパラ
ベン類;抗酸化剤例えばアスコルビン酸または亜硫酸水
素ナトリウム;キレート化剤例えばエチレンジアミン四
酢酸;緩衝液例えば酢酸塩、クエン酸塩またはりん酸塩
並びに張度調整剤例えば塩化ナトリウムまたはデキスト
ロース。該非経口製剤はガラスもしくはプラスチック製
のアンプル、使い捨て注射器または多重投与用バイアル
中に封入されることができる。
【0052】投与量の値は変更されるが、式(I)また
は式(II)のキサンチンを治療を必要とする患者に、1
日に体重1kgあたり0.1〜25mgの経口、非経口また
は静脈内による有効投与量として投与する場合に良好な
結果が得られる。骨髄移植療法で使用するのに特に好ま
しい養生法は、連続20日にわたる1/2mg/kg/時で
の塩水溶液(100mg/5ml)状態のPTXの静脈内投
与およびそれに続く移植後100日までの2,000mg
/日の経口用量の投与からなる。しかし、いずれもの個
々の患者にとって具体的な服用養生法は、各個人の必要
性並びに該キサンチンの投与を管理または監督する人の
専門的な判断に合せて調整すべきであることは理解され
よう。さらに、ここに記載の投与量は単に例示であっ
て、本発明の範囲または実施を決して限定するものでは
ないことも理解されよう。
【0053】3. 式(I)のキサンチンについての記
載および製造 本発明で用いることのできるキサンチンの1群は下記式
【化5】 を有する。式(I)の置換基R1およびR2は同一である
かまたは相異なっていて、独立して2〜6個の炭素原子
を有する直鎖または分枝鎖状アルキル基、シクロヘキシ
ル、アルコキシアルキルおよびヒドロキシアルキル基か
らなる群より選択される。置換基Aはメチル基で置換さ
れうる、4個までの炭素原子を有する炭化水素基を示
す。
【0054】多数の式(I)の化合物が本発明で用いる
ことができる。例えば式(I)のキサンチンはアルキル
基、アルコキシ基またはヒドロキシアルキル基で置換さ
れ得る。適当なアルキル基としては分枝鎖および直鎖状
基例えばエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s
ec−ブチル、tert−ブチル、アミル、ヘキシル等
がある。アルコキシ置換アルキル基としては合一したア
ルコキシおよびアルキル基中に2〜6個の炭素原子を有
する分枝鎖および直鎖状基、例えばメトキシメチル、ア
ミロキシメチル、メトキシエチル、ブトキシエチル、プ
ロポキシプロピル等がある。ヒドロキシアルキル基は1
〜6個の炭素原子を有する基であって、例えばヒドロキ
シメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒ
ドロキシヘキシル等がある。
【0055】式(I)でAにより示される炭化水素基は
二価の飽和脂肪族炭化水素基例えばメチレン、エチレ
ン、トリメチレンおよびテトラメチレンであり、それら
はカルボニル基に隣接する炭素上でメチルにより置換さ
れうる。このようなメチル置換の基としてはエチリジ
ン、1,2−プロピレンおよび1,3−ブチレン基があ
る。
【0056】本発明の手法は、インビボで前記式(I)
のキサンチンの1種に変化する化合物並びに前記式
(I)のキサンチンから生成される代謝産物と同様の代
謝産物をインビボで産生する化合物を用いて実施され得
ることが理解されよう。
【0057】GVHRの作用を阻止するのに有効でない
ことが見出された、式(I)に包含される化合物はデン
ブフィリンである。ここではまた略記形態で“DBOP
X”と称するが、該化合物は下記の式
【0058】
【化6】 を有する。MLRにより明らかにされるGVHRの作用
を化合物(III)が阻止し得る能力はインビトロでは証
明されていない。
【0059】本発明で用いる式(I)の化合物は知られ
た技法で合成され得る。例えば該化合物は高められた温
度で、場合により溶媒の存在下において式
【0060】
【化7】 (式中R1およびR2は前述の定義を有する)の対応して
置換された1,3−ジアルキルキサンチンを式 H2C=CR−CO−CH3 (IV) に相当するα,β−不飽和メチルケトンと反応させるこ
とにより製造できる。式(IV)の置換基Rは水素または
メチル基を示す。該反応はアルカリ媒体中で遂行され得
る。
【0061】別法は一般式(III)(式中R1およびR2
は前述の定義を有する)で表される1,3−ジアルキル
キサンチン誘導体のアルカリ金属塩を式 CH3−CO−A−Hal (V) (式中Aは前述の定義を有しそしてHalはハロゲン原
子好ましくは塩素または臭素を示す)に相当するオキソ
アルキルハライドと反応させることからなる。
【0062】これらの反応は好ましくは40°〜80℃
で、場合により高められた圧力または減圧下において、
しかし通常は大気圧下で実施される。個々の出発化合物
は化学量論的量または過剰量のいずれかで用いることが
できる。別法でのアルカリ塩はあらかじめ製造され得る
かまたは反応それ自体中において製造され得るかのいず
れかである。
【0063】該反応に使用するのに適当な溶媒は水混和
性化合物好ましくは低級アルコール例えばメタノール、
プロパノール、イソプロパノールおよび種々のブタノー
ル;さらにまたアセトン;ピリジン;トリエチルアミ
ン;多価アルコール例えばエチレングリコールおよびエ
チレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテ
ルである。
【0064】式(I)の化合物は骨格筋を通る血流を増
加させる顕著な作用および低毒性で知られている。本発
明で用いる該化合物およびその製造方法についてのより
詳細な記載は米国特許第4,242,345号に包含されてお
り、その全開示はここで参考までに考慮されかつ組込ま
れる。
【0065】4. 式(II)のキサンチンについての記
載および製造 また、異型反応特にGVHRの阻止はヒト患者に下記式
【化8】 〔式中R1およびR3のうち少なくとも一方は
【0066】a) 第3アルコール官能基を有する式
(CH2)n−CR4(OH)−CH3 (ここでR4は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基
を示しそしてnは2〜5の整数である)の分枝鎖状ヒド
ロキシアルキル基であり、場合により存在しうる他方の
1またはR3基は水素原子であるか、またはその炭素鎖
が2個までの酸素原子により中断されうるかまたはヒド
ロキシもしくはオキソ基により置換されうる、6個まで
の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基R5であるか、ま
たは
【0067】b) 式 R6−CO−(CH2)p− (ここでR6はC1〜C6−アルキルでありそしてpは
2、3または4である)のオキソアリル基であり、残り
のR1またはR3は前述の定義を有し、そしてR2はC1
4−アルキル基である〕を有するキサンチンを投与す
ることによって達成される。式(II)のキサンチンは異
型移植反応特にGVHRを阻止するのに有効な量で用い
られる。これらの化合物には商業的に入手し得る化合物
ペントキシフィリン(TrentalR)がある。一般式(II)
に包含されるその他の多数の化合物はGVHR活性の阻
止に用いることができる。これらの化合物としては下記
の化合物があげられる。
【0068】
【表1】
【0069】本発明手法はインビボで前記式(II)のキ
サンチンの1種に変化する化合物並びに前記式(II)の
キサンチンから生成される代謝産物と同様の代謝産物を
インビボで産生する化合物で実施されうることが理解さ
れよう。例えば、経口および静脈内投与後にはペントキ
シフィリンはほとんど完全に代謝される。下記の7種の
代謝産物が、それの主要な排泄路であるヒトの尿中に確
認されている。
【0070】代謝産物I 1−(5−ヒドロキシヘキ
シル)−3,7−ジメチルキサンチン 代謝産物II 1−(5,6−ジヒドロキシヘキシル)
−3,7−ジメチルキサンチン 代謝産物III 1−(4,5−ジヒドロキシヘキシル)
−3,7−ジメチルキサンチン 代謝産物IV 1−(4−カルボキシブチル)−3,7
−ジメチルキサンチン 代謝産物V 1−(3−カルボキシプロピル)−3,7
−ジメチルキサンチン 代謝産物VI 1−(5−オキソヘキシル)−3−メチ
ルキサンチン 代謝産物VII 1−(5−ヒドロキシヘキシル)−3−
メチルキサンチン 代謝産物IおよびVが主要代謝産物である。尿中に排泄
される主要代謝産物である代謝産物Vは投与された量の
うちの約50〜60%になる。ほんの痕跡量のペントキ
シフィリンおよび代謝産物Iが尿中に検出される。ペン
トキシフィリンのジヒドロキシ誘導体(代謝産物IIおよ
びIII)は排泄産物の約12%を示しそして代謝産物IV
は約8%を示す。
【0071】式(II)の化合物は米国特許第3,737,433
号およびベルギー特許第831,051号の開示に従って製造
することができる(ここでR1/R3はオキソアリルであ
る)。R1/R3のうちの少なくとも1つが第3アルコー
ルである場合は1985年7月8日付ドイツ国優先権主
張の、1986年7月8日付国際出願PCT/EP 86/00401
号を参照することができる。該出願明細書にはその発明
として、本発明に包含される式(II)のキサンチンの合
成経路についての種々の態様が記載されている。
【0072】一つの態様の一例は a) 式(VII)
【化9】 (式中R2は4個までの炭素原子を有するアルキルを示
す)の3−アルキルキサンチンを式(VIII) X−(CH2)n−C(OH)R4−CH3 (VIII) (式中Xはハロゲン好ましくは塩素、臭素もしくは沃素
またはスルホン酸エステル基またはリン酸エステル基を
示しそしてR4およびnは前述の定義を有する)のアル
キル化剤と反応させてR3の位置に第3ヒドロキシアル
キル基およびR1の位置に水素を有する式(IX)
【0073】
【化10】 の化合物を得ついで
【0074】a1) これを式(VIII)の同一または相
異なるアルキル化剤でアルキル化して、R1およびR3
位置に同一または相異なる2種の第3ヒドロキシアルキ
ル基を有する式(X)
【0075】
【化11】 の本発明化合物を得るか、または
【0076】a2) それを式 R5−X (Xa) (式中Xは式(VIII)に記載の定義を有しそしてR5
前述の定義を有する)の化合物で式(XI)
【0077】
【化12】 の化合物に変換することからなる。これら全ての場合に
おいて反応は塩基性媒体の存在下または塩形態のキサン
チンを用いて行うのが好ましい。
【0078】別の態様は b) 式(XII)
【化13】 の1,3−ジアルキル化キサンチンを好ましくは塩基性
媒体の存在下でまたは塩形態でその7−位において、1
段階反応によって式(VIII)の化合物で置換して式(X
I)の化合物を得ることからなる。
【0079】別の態様は c) 最初に式(VII)の3−アルキルキサンチンを同
様に好ましくは塩基性媒体の存在下でまたは塩形態で式 R15−X (XIII) の化合物と反応させて式(XIV)
【0080】
【化14】 (式中R15はR5に記載の定義を有するかまたはベンジ
ルもしくはジフェニルメチルを示す)の3,7−ジ置換
キサンチンを得、次にそれらを再び好ましくは塩基性媒
体の存在下でまたは塩形態で、その1位において式(VI
II)の化合物で置換することからなる。式(XV)
【0081】
【化15】 (式中R15はベンジル、ジフェニルメチル、アルコキシ
メチルまたはアルコキシアルコキシメチル基を示す)の
化合物が得られ、それを還元または加水分解条件下で式
(XVI)
【0082】
【化16】 の本発明化合物に変換しついで引続き再び所望によりそ
れを式(VIII)または(Xa)の化合物と反応させて式
(X)または(XV)の本発明化合物を得る。
【0083】別の態様は d) 式(XI)または(XV)(式中R5またはR15はオキ
ソアルキル基を示す)の本発明化合物をケト基用の慣用
還元剤で還元して本発明の対応するヒドロキシアルキル
化キサンチンを得ることからなる。
【0084】ここで出発物質として使用される式(VI
I)または(XII)の3−アルキル−または1,3−ジア
ルキルキサンチンおよび式(VIII)、(Xa)および(XII
I)の“アルキル化剤”は大部分知られているかまたは
文献に開示された方法によって容易に製造されうる。す
なわち、式(VIII)の第3アルコールは例えば式 Hal−(CH2)n−CO−CH3 (XVII) の立体障害されていないハロケトンをいわゆるカルボニ
ル基の還元アルキル化による合成反応において、例えば
アルキルマグネシウムハライドR4−MgHal(グリ
ニャール化合物)またはアルキルリチウム化合物R4
Liの形態での特にマグネシウム、亜鉛またはリチウム
のアルキル金属化合物R4−Mと通常の条件下(例えばH
ouben-Weyl, Vol. VI/1a, Part 2 (1980), pp. 928〜4
0、特にpp.1021 ff. および1104〜1112参照)で反応さ
せることによる有機金属合成によって得ることができ
る。同じ方法で、式 Hal−(CH2)n−CO−R4 (XVIII) のハロケトンをメチルマグネシウムハライドまたはメチ
ルリチウムと反応させて同様に目的化合物が得られる。
【0085】また式(XVII)および(XVIII)に相当する
ヒドロキシケトンはアルキル金属化合物を用いて通常の
方法で、直接的にまたは例えば5,6−ジヒドロ−4H
−ピランでのアセタール形成によるヒドロキシ基の一時
的保護(例えばHouben-Weyl,Vol. VI/1a, Part 2 (198
0), pp. 1113〜1124参照)によるかのいずれかで穏やか
にジオールに変換されうる。式(VIII)の化合物は有利
には塩基性媒体の存在下で末端第1ヒドロキシル基をス
ルホニルまたはリン酸ハライドまたは無水物で選択的に
エステル化することによって得られる。
【0086】式(VIII)の第3アルコール誘導体合成の
ためのその他の可能性はω−クロロ−1−ブロモアルカ
ンをモノメタル化してω−クロロアルキル金属化合物に
し(Houben-Weyl, Vol. XIII/2a (1973), pp. 102およ
び319)、次いでそれらをケトンR4−CO−CH3と反
応させることからなるが、その際中間体として生成され
るアルカノレートが金属塩を除去して閉環する傾向があ
るので、該中間体からの副生成物生成は適当な温度調節
によって最小にするようにする。または前記式(VIII)
の化合物の合成可能性は出発物質としてω−ハロ−1−
アルカノールを用い、それを通常の方法で好ましくはテ
トラヒドロピラニル−(2)エーテルの形態でまたはヒ
ドロキシ基のアルカノレート(MO−CH2)n−Hal形
成後にいずれか所望のアルキル金属化合物で金属化し
(例えばHouben-Weyl, Vol. XIII/2a(1973), p 113参
照)ついでそれらをケトンR4−CO−CH3と反応させ
て前記のジオールを得(Houben-Weyl, Vol. VI/1a, Par
t 2 (1980), p. 1029)、次にその第1ヒドロキシ基を
適当なスルホン酸またはリン酸誘導体で選択的にエステ
ル化することからなる。
【0087】またR4がメチル基を示す式(VIII)の化
合物への好都合な合成はω−ハロアルカン酸アルキルエ
ステル(Hal−(CH2)n−COO−アルキル)を2当
量のメチル金属化合物と反応させることによって達成で
きる。その際該エステルはケトンと反応して2個のメチ
ル基の導入された第3アルコールが得られる(Houben-We
yl, Vol. VI/1a, Part 2 (1980)、pp. 1171〜1174)。
同じ方法で、ω−ヒドロキシ−カルボン酸エステルを、
そのヒドロキシ基を例えばテトラヒドロピラニル−
(2)またはメトキシメチルエステルの形態でまたは場
合により環状エステルのようなラクトン形態で保護する
かまたは保護しないで(例えばHouben-Weyl,Vol. VI/1
a, Part 2 (1980), pp. 1174〜1179参照)、メチル金属
化合物でジオールに変換し次にそれよりその第1ヒドロ
キシル基をスルホン酸またはリン酸ハライドまたは無水
物で選択的にエステル化して式(VIII)の活性アルキル
化剤を得ることができる。
【0088】前記の各方法で製造され得る式(VIII)の
適当な化合物は例えば〔(ω−1)−ヒドロキシ−(ω
−1)−メチル〕ブチル、−ペンチル、−ヘキシル、お
よび−ヘプチル、〔(ω−2)−ヒドロキシ−(ω−
2)−メチル〕ペンチル、−ヘキシル、−ヘプチル、お
よび−オクチル並びに〔(ω−3)−ヒドロキシ−(ω
−3)−メチル〕ヘキシル、−ヘプチル、−オクチル、
および−ノニルのクロライド、ブロマイド、ヨージド、
スルホネートおよびホスフェートである。
【0089】キサンチン骨格の1−または7−位へのR
5の導入および7−位へのR15の導入に適した式R5−X
(Xa)またはR15−X(XIII)の化合物には、アルコキ
シメチルおよびアルコキシアルコキシメチル誘導体が適
当であり、実際にはそれらのハライドが反応成分として
好適に使用されうるが、しかし少なくとも大規模使用で
は毒物学上の問題がある。このために、この特別な場合
には対応するスルホネートの使用が好ましいが、これは
例えば脂肪族カルボン酸および脂肪族または芳香族スル
ホン酸の混合無水物(M.H. Karger et al., J.Org. Che
m. 36 (1971), pp. 528〜531)をホルムアルデヒドジア
ルキルアセタールまたはジアルコキシアルキルアセター
ルと穏和かつほぼ定量の反応において反応させることに
より容易に入手し得る(M.H. Karger et al., J. Amer.
Chem. Soc. 91 (1969), pp. 5663/5665:R7-SO2-O-CO-
(C1〜C4)アルキル + R8-O-CH2-O-R8-(C1〜C4)アルキ
ル-CO2R8 → R7-SO2-O-CH2-O-R8 )。前記式中、R7
は脂肪族基例えばメチル、エチルもしくはトリフルオロ
メチル、または芳香族基例えばフェニル、4−トリルも
しくは4−プロモフェニル好ましくはメチルもしくは4
−トリルを示しそしてR8はR5またはR15の定義にある
アルキルもしくはアルコキシアルキル基を示す。
【0090】該反応は反応成分に不活性な物質中または
無水非プロトン性溶媒中のいずれかにおいて−20°〜
+40℃、好ましくは0°〜20℃で実施され得る。加
水分解し易くかつ熱的に不安定である反応性の高いスル
ホネートの中間体単離は全く必要でない。それらはキサ
ンチンの窒素上置換のために粗生成物として直ちに使用
するのが好ましい。塩基性縮合剤の通常の添加は不必要
である。
【0091】モノ−またジ置換されたキサンチン誘導体
(IX)、(XVI)、(VII)、(VIII))、(Xa)または(XII
I)の反応は通常、反応成分に不活性な分散剤または溶
媒中で実施される。実際の代表としては特に双極性、非
プロトン性溶媒例えばホルムアミド、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、
テトラメチル尿素、ヘキサメチルりん酸トリアミド、ジ
メチルスルホキシド、アセトンまたはブタノンがある。
しかしまたアルコール例えばメタノール、エチレングリ
コール、およびそれらのモノ−またはジアルキルエーテ
ル(ここでアルキル基は1〜4個の炭素原子を有する
が、両方一緒では最大5個の炭素原子を有する)、エタ
ノール、プロパノール、イソプロパノールおよび種々の
ブタノール;炭化水素例えばベンゼン、トルエンまたは
キシレン;ハロゲン化炭化水素例えばジクロロメタンま
たはクロロホルム;ピリジン、および上記溶媒の混合物
またはそれらの水との混合物も使用できる。
【0092】“アルキル化反応”は塩基性縮合剤の存在
下で行うのが適当である。これに適した物質の例として
はアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭
酸塩、水素化物、アルコラートおよび有機塩基例えばト
リアルキルアミン(例えばトリエチルアミンもしくはト
リブチルアミン)、第4アンモニウムまたはホスホニウ
ムヒドロキシドおよび固定された、場合により置換され
たアンモニウム基またはホスホニウム基を有する架橋樹
脂がある。キサンチン誘導体はまた該アルキル化反応に
おいて、それらの別々に製造される塩例えばアルカリ金
属塩、アルカリ土類金属塩または場合により置換アンモ
ニウム塩またはホスホニウム塩の形態で直接使用するこ
ともできる。またモノ−およびジ置換されたキサンチン
誘導体は前記無機縮合剤の存在下でまたはそれらのアル
カリ金属またはアルカリ土類金属の塩形態でのいずれか
において、いわゆる相転移触媒例えば第3アミン、四級
アンモニウムもしくはホスホニウム塩またはクラウンエ
ーテル類を用いて、好ましくは相転移触媒条件での2相
系においてアルキル化され得る。一般に商業上入手しう
る適当な相転移触媒にはテトラ(C1〜C4)アルキル−
およびメチルトリメチルアンモニウムおよび−ホスホニ
ウム塩、メチル−、ミリスチル−、フェニル−、および
ベンジルトリ(C1〜C4)アルキル−およびセチルトリ
メチルアンモニウム並びに(C1〜C12)アルキル−お
よびベンジルトリフェニルホスホニウム塩があり、より
大きくかつより多くの対称性構造の陽イオンを有する化
合物が一般的にはより有効であることが証明されてい
る。
【0093】前記操作による基Ia、R5およびR15
導入は一般的には、0℃から使用する特定反応媒体の沸
点までの反応温度で、好ましくは20°〜130℃で場
合により高められた圧力または減圧において実施され
る。反応時間は1時間以下または数時間までであること
ができる。
【0094】式(X)の本発明化合物を製造するための
3−アルキルキサンチン(VIII)の反応には2個の第3
ヒドロキシアルキル基の導入が必要である。同一または
相異なる置換基をキサンチン骨格に順次結合させるか、
または2個の同一ヒドロキシアルキル基を中間体単離な
しで単一ポット反応において結合させることができる。
【0095】7−位にキサンチン原子を生成させる、式
(XV)の化合物からのベンジルおよびジフェニルメチル
基の還元開裂は、アルカロイドおよびペプチド合成での
保護基技法の分野で特に開発されており、従って広く知
られていると推定できる標準条件下で実施される。特に
ベンジル化合物の、液体アンモニア中におけるナトリウ
ムでの化学的還元(Houben-Weyl, Vol.XI/1 (1957), p
p. 974〜975)の外に、貴金属触媒を用いる接触水素化
分解による2個の前記アラルキル基の除去はまた特に実
用的である(Houben-Weyl, Vol. XI/1 (1957),pp. 968〜
971およびVol.IV//1c, Part I (1980), pp. 400〜40
4)。通常、低級アルコールがここでは反応媒体として
使用される(場合によりギ酸またはアンモニアを加え
る)し、または非プロトン性溶媒例えばジメチルホルム
アミドまたは特に氷酢酸も使用される。しかし、これら
の水との混合物も使用できる。特に適当な水添触媒は活
性木炭または硫酸バリウム上のパラジウム黒およびパラ
ジウムであり、一方他の貴金族触媒例えば白金、ロジウ
ムおよびルテニウムは競争的環水素化のために副反応を
生じることがよくありそしてそれ故に条件付でのみ使用
可能である。該水素化分解は20℃〜100℃の温度お
よび大気圧または好ましくは約10バールまでの若干過
剰な圧力で実施するのが好ましい。その際、反応時間は
数分〜数時間が一般に必要とされる。
【0096】R15の位置にアルコキシメチルまたはアル
コキシアルコキシメチル基を有する式(XV)の1,3,7
−トリ置換キサンチンはO,N−アセタールを示す。そ
の結果、7−位のそれらの置換基は酸加水分解の通常の
条件下で開裂されて(Houben-Weyl, Vol. VI/Ib (198
4), pp. 741〜745参照)、式(XVI)の7H化合物が同
様に生成されうる。加水分解で除去され得る好ましい基
の例はメトキシ、エトキシおよびプロポキシメチル基並
びにメトキシエトキシ−およびエトキシエトキシメチル
基である。該反応は希鉱酸例えば塩酸または硫酸中で場
合により溶解促進剤としての氷酢酸、ジオキサン、テト
ラヒドロフランまたは低級アルコールを添加して加熱し
ながら実施するのが有利である。また、触媒量の鉱酸と
組合せた過塩素酸または有機酸例えばトリフルオロ酢
酸、ギ酸および酢酸も有用である。またアルコキシアル
コキシメチル化合物は特に、無水媒体好ましくはジクロ
ロメタンまたはクロロホルム中でルイス酸例えば臭化亜
鉛および四塩化チタンを使用することによって分裂され
得、中間体として生成される7−ブロモメチルまたは7
−ブロモ亜鉛誘導体は水溶液での後処理中に同時に加水
分解する。鉱酸溶液中での分裂中、反応温度は1−位の
第3ヒドロキシアルキル基の有意脱水が全く起こらない
ように選択すべきである。すなわち、原則として100
℃以下であるべきである。
【0097】R5またはR15の位置にオキソアルキル基
を有する式(XI)および(XV)のキサンチンを対応する
ヒドロキシアルキル化合物にする還元は、実際には原則
として塩基金属または接触水添のいずれかによって行う
ことができるが、重要な方法は単純な金属水素化物(M
n)、複雑な金属水素化物(M1〔M2nm)または
有機金属水素化物を用いて、極めて温和な条件下および
高収量で行われる反応からなる(Houben-Weyl, Vol. IV
/1d (1981), pp. 267〜282,およびVol. VI/1b(1984),
pp. 141〜155)。ケトンの還元に使用できる多数の複雑
な金属水素化物のうち、最も頻繁に使用される試薬とし
ては例えばリチウムアラネート、リチウムボロヒドリド
および特にナトリウムボロヒドリドがある。ナトリウム
ボロヒドリドは反応性がより低いし、しかもとりわけア
ルコール性、アルコール水性および純粋な水性の溶液ま
たは懸濁液中で処理可能であるために取扱い易い。その
他の慣用不活性溶媒例えばエーテル(例えばジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタ
ン)、炭化水素およびピリジンの外に、ニトリル例えば
アセトニトリルはまた反応媒体として使用され得る。0
℃から特定溶媒の沸点までの温度、好ましくは室温で実
施するのが適している水素化は一般には迅速に行われ、
数分から数時間で完了する。
【0098】また式(II)の第3ヒドロキシアルキルキ
サンチンは式(XIX)
【化17】
【0099】e) (式中R9およびR10の位置におい
て2個の同一または相異なる下記式 −(CH2)n−CO−CH3 (XX);または −(CH2)n−CO−R4 (XXI) の基、または上記式(XX)または(XXI)のうちの1個
だけの置換基および水素または基R5またはR15を含有
する)の置換キサンチンを(C1〜C3)アルキル−また
はメチル金属化合物と、カルボニル基の還元“アルキル
化”を用いて反応させて式(IX)〜(XVI)の本発明に
よるキサンチンを得るか、または
【0100】f) 式−(CH2)n−Hal (XXII)
(ここでHalは塩素または臭素であるのが好ましい)
で示される2個の同一または相異なる基、または1個だ
けの該基および他方の位置における水素または置換基R
5またはR15を有する式(XIX)のキサンチンを末端位置
で金属化し、次にそれらを式 R4−CO−CH3 (XXIII) のケトンと、カルボニル基の還元アルキル化で反応させ
て本発明による式(IX)〜(XVI)のキサンチンを得る
か、または
【0101】g) R9および/またはR10の位置に下
記の基 −(CH2)n−COO−(C1〜C4)アルキル (XXIV) をそして他方の位置には場合により水素または基R5
たはR15を有する式(XIX)のキサンチンを、アルコキ
シカルボニル基当たり2当量のメチル金属化合物を用い
て、R4がメチルを示す式(IX)〜(XVI)のキサンチン
に変換するか、または
【0102】h) R9およびR10の位置に下記の基 −(CH2)n-1−CH=CHR4(CH3) (XXV) (ここで該基(XXV)はC=Cの二重結合を分枝鎖状炭
素原子上での位置異性配置で例えば−C=CH2として
も含有しうる)で示される2個の同一または相異なる基
を有するかまたは1個だけの該基および水素または基R
5またはR15を有する式(XIX)のキサンチンをマルコウ
ニコフ則による酸触媒での水和によって本発明による式
(IX)〜(XVI)のキサンチンに変換し、所望により次
いで前記の方法e)〜h)で本発明により得られた、1
−または7−位に水素原子を有する式(IX)、(XII)、(XI
V)、(XVI)の第3ヒドロキシアルキルキサンチンを場合
により塩基性媒体の存在下でまたは塩形態で、式(VII
I)または(Xa)または(XIII)のアルキル化剤で式
(X)または(XI)または(XV)(ここで前記式中の
2、R4、R5、R15およびnは前述の定義を有する)
のトリ置換化合物に変換することからなる。
【0103】出発物質としてこのために必要とされる3
−アルキル化モノ−またはジオキソアルキル−(XIXa)、
−(ω−ハロアルキル)(XIXb)、−(ω−アルコキシカル
ボニルアルキル)−(XIXc)、および−アルケニルキサン
チン(XIXd)は知られているかまたは例えば3−アルキ
ル−キサンチン(VII)およびスルホニルオキシ−また
はハロケトン(XVII)および(XVIII)、ω−ハロアルキ
ルスルホネート、または1,ω−ジハロアルカン(例え
ばV.B. Kalcheva et al., Journal fur prakt.Chemie 3
27 (1985) pp. 165〜168参照)、ω−スルホニルオキシ
またはω−ハロカルボン酸アルキルエステルまたは式
(XXV)に相当するスルホニルオキシまたはハロアルケ
ンから、式(VIII)および(Xa)の化合物によるモノ−
およびジ置換キサンチンのアルキル化について前記で詳
細に述べた反応条件下で容易に製造されることができ
る。
【0104】R9およびR10の基で官能性化されたキサ
ンチン(XIXa)および(XIXc)の有機金属反応におい
て、操作はアルキル化剤として用いる式(VIII)の第3
アルコールの製造について記載した操作と原則的には同
じである。すなわち、ケトン(XIXa)およびエステル
(XIXc)の還元アルキル化は例えばアルキルカリウム、
−ナトリウム、−リチウム、−マグネシウム、−亜鉛、
−カドミウム、−アルミニウムおよび−スズ化合物を用
いて行うことができる。最近推奨されているアルキルチ
タンおよび−ジルコニウム化合物(D. Seebach et al.,
Agnew, Chem. 95(1983), pp. 12〜26)も使用でき
る。しかし、ナトリウムおよびカリウムのアルキル金属
化合物は高い反応性のために副反応の傾向がありそして
亜鉛およびカドミウムの該化合物はかなり鈍いので、通
常はアルキルリチウムおよび−マグネシウム(グリニャ
ール)化合物が好ましい。
【0105】ヌクレオフィル性の強い有機金属化合物は
加水分解および酸化に極めて敏感である。従って、それ
らを安全に取扱うには場合によっては不活性ガス雰囲気
中で、水性媒体中において用いることが必要である。通
常の溶媒または分散剤は主に、アルキル金属化合物の製
造にも適当であるものである。実際の例としては特に1
個以上の酸素原子を有するエーテル例えばジエチル、ジ
プロピル、ジブチルもしくはジイソアミルエーテル、
1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、テトラヒドロピラン、フランおよびアニソー
ル、並びに脂肪族または芳香族炭化水素例えば石油エー
テル、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ジエチルベンゼンおよびテトラヒドロナフタレンが
ある。しかし、第3アミン例えばトリエチルアミンまた
は双極性非プロトン性溶媒例えばヘキサメチルリン酸ト
リアミド並びに上記各溶媒の混合物も有利に使用でき
る。カルボニル化合物(XIXa)および(XIXc)と式R4
−MgHalのグリニャール化合物の反応はまた、エー
テル中に有機金属化合物を入れついでケトンまたはエス
テルを、ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタン
中の溶液として滴加することにより都合よく実施され得
る。臭化マグネシウムの添加がしばしば推奨されるが、
これは複雑な環状遷移状態になるために有機金属化合物
のヌクレオフィル性を増加させることができる。
【0106】該ケトンまたはエステルおよび有機金属化
合物は一般に、−20℃〜100℃好ましくは0℃〜6
0℃または外部冷却なしの室温において、通常は若干過
剰に用いるアルキル金属化合物と合一される。次にこの
反応は通常、還流下での短時間加熱により完了し、その
際の時間は数分から数時間が一般に適当である。得られ
たアルカノレートは塩化アンモニウム水溶液または希酢
酸で分解するのが好ましい。
【0107】金属のマグネシウムおよびリチウムは主と
して、ω−ハロアルキルキサンチン(XIXb)の金属化に
適当である。他方、有機リチウム試薬、一般には1−ブ
チル−、2−ブチル−、t−ブチル−、またはフェニル
リチウムを使用することも可能であるが、前記ハロゲン
原子のリチウムによる置換は従属的役割を果す。しか
し、特にグリニャール化合物を用いるのが好ましい。該
化合物は有利には、キサンチン(XIXa)および(XIXc)
とアルカリ金属化合物との反応で特に適しているとして
記載したエーテル、炭化水素、第3アミンまたは非プロ
トン性溶媒中で25°〜125℃好ましくは100℃以
下において製造される。金属化反応を炭化水素中で実施
する場合には、化学量論的量のエーテル例えばテトラヒ
ドロフランまたは第3アミン例えばトリエチルアミンの
添加が有用であると、じはしば証明されている。触媒例
えばブタノール、塩化アルミニウム、四塩化珪素、テト
ラクロロメタンおよびアルミニウムアルコラートまたは
マグネシウムアルコラートの使用もまた有用であること
がある。ハロゲン−金属交換において、クロライドは通
常、対応するブロマイドまたはヨージドよりも遅く反応
するが、原則としてそれらは収率がより良好である有機
金属化合物を提供する。反応の開始を促進するために、
いくらかの臭化マグネシウム、いくらかの沃素粒または
数滴の臭素、テトラクロロメタンまたは沃化メチルを僅
かに加熱しながら加えることがしばしば推奨される。得
られたグリニャール化合物は通常、単離されずに直ち
に、キサンチン(XIXa)および(XIXc)の還元アルキル
化に記載の反応条件下で式(XXIII)のケトンと反応させ
られる。
【0108】式(XXV)ではマルコウニコフ則に従っ
て、より少ない水素原子を有する炭素原子にヒドロキシ
基が加わると第3アルコールが得られるが、その式(XX
V)の構造要素を有するアルケニルキサンチン(XIXd)
のC=C二重結合への水の付加が、水性溶液または懸濁
液中で強酸例えば硫酸、硝酸またはりん酸の存在下にお
いてしばしば起こる。触媒としてはハロゲン化水素およ
びスルホン酸例えばトリフルオロメタンスルホン酸、酸
交換樹脂、三フッ化硼素錯体またはシュウ酸をも使用す
ることができる。しかし、硫酸中で酸濃度を50〜65
%にして操作するのが好ましいし、温度は原則として0
°〜10℃で十分である。しかし、より低いかまたは高
い酸濃度および/または反応温度を使用し得る場合もあ
る。いずれの場合でも、約60℃以上ではオレフィンへ
の逆脱水が不都合なことに有意になり得るので、反応温
度はできるだけ低く保持すべきである。
【0109】また酸に不活性な溶媒例えば1,4−ジオ
キサン、ベンゼンまたはトルエンの添加が有利である場
合もある。特に高い酸濃度を使用する場合の酸触媒によ
る水和ではエステルが中間体として生成し得るので、反
応バッチは、エステル加水分解のために酸が作用した後
に短時間に加熱しながら多量の水で処理するかまたは混
合物をアルカリ性範囲で処理するのが望ましい。
【0110】本発明による1−および7H−化合物(I
X)または(XVI)を化合物(VIII)または(Xa)または
(XIII)でのN−アルキル化により式(X)または(X
V)のトリ置換キサンチンに場合により変換するための
実験条件は既に詳細に前述したとおりである。
【0111】アルキル基R4の鎖の長さ(少なくとも
2)および/または置換基R5の構造(例えば2−ヒド
ロキシプロピル)により、式(II)の第3ヒドロキシア
ルキルキサンチンは1個または2個の不整炭素原子を有
しそしてそれ故に立体異性体として存在することができ
る。従って、本発明は純粋な立体異性化合物およびそれ
らの混合物の両方に関する。
【0112】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳記する。さら
に詳しく云えば、特許請求する発明の有効性を証明する
ために、式(II)の化合物を試験して、インビボでのG
VHRの作用阻止を証明した。一般式(I)および(I
I)に包含される種々の化合物が有効であるけれども、
それらは特に好ましいキサンチンとしてのペントキシフ
ィリン(“PTX”)に関して例証されよう。
【0113】実施例1 ペントキシフィリンに関する骨髄移植患者の寛容性調査目的 連続患者10人の各グループを累積投与量において登録
した、投与量漸増試験。ペントキシフィリンは3種の用
量すなわち1日当たり1200mg、1600mgおよび2
000mgをそれぞれ1日に3回、4回および5回の分割
用量にして移植後−10日から+100日まで経口投与
した。完全なキャプレット(caplet)を飲み込むのが困
難であったことのある患者のために丸剤は粉砕して液体
と混合した。粉砕状用量投与の30分以内に嘔吐が起っ
た場合または完全な丸剤が回収された場合には、吐き出
された用量の投与を繰り返した。
【0114】患者 連続患者30人をこの調査に登録し、オートロガス、適
合および不適合の異型的移植を受けさせた。移植に関係
した毒性は移植の型で変化するので、この分析では表現
型または遺伝子型が同一の提供者のある患者のみを用い
た。登録した30人の調査患者のうち、移植後≧100
日の適合した異型移植受容者(平均年齢34.6才)1
8人からのデータを分析した。15人の患者はHLA−
同一の姉妹細胞移植を受けたが、3人の患者は血縁でな
い提供者からの適合移植を受けた。診断および病相は表
2に示すとおりである。
【0115】
【表2】 q=個別の患者番号 M=男性 ALL=急性リンパ球白血病 AML=急性骨髄性白血病 NHL=非ホジキンリンパ腫 MM=多発性骨髄腫 CML=慢性骨髄性白血病 PLL=前リンパ球白血病 Rel=再発または治療不能性疾患 Rem=第2または第3の緩解 CP=慢性相 AP=加速相 Bu=ブスルファン(Buslfan) Cy=シクロホスファミド 1440=(cGy)全身照射 CBV=シトキサン カルムスチン(Cytoxan Carmustin
e)VP−16 PTX=ペントキシフィリン(mg/日) GM−CSF=250ug/M2/日、0〜21日間静脈
内投与 M(*)=血縁のHLA−同一の提供者 URD=血縁でない適合する提供者
【0116】急性GVHDの予防および治療 aGVHDの予防はシクロスポリン(CSP)とメチル
プレドニソロン(MP)、またはシクロスポリンと少量
のメソトレキセート(MTX)のいずれかよりなった
〔13,14〕。移植前の特徴および調整用養生法は表
2に記載のとおりである。患者はaGVHD予防として
彼等がCSPと一緒にMP(グループI、n=8)を摂
取するかまたはMTX(グループII、n=10)を摂取
するかに基づいて分析用にグループ分けした。これは、
前記調査がMTX含有のGVHD養生法を用いた場合に
は移植がより遅延でありかつ粘膜炎がより多くなること
を示唆しているためになされた。両グループにおいて急
性GVHDを従来より公表された基準〔15〕に従って
診断し、等級化しついでメチルプレドニソロン(2mg/
kg/日、3週間)で治療した。
【0117】移植後の回復ケア 全患者は個別の回復用隔離室中で看護され、静脈内投与
で過栄養および原虫のニューモシスティス カリニ(Pne
umocystis carinii)予防(トリメソプリム−スルファ
メソキサゾール)を、月に1回の免疫グロブリン(Sand
oglobulinTM Sandoz, NJ)500mg/kgの静脈内投与と
ともに受けた。患者は計算された流体およびカロリーの
必要量を経口的に100%保持することができるように
なるまで、非経口的に栄養を維持した。17人の患者は
移植前にはCMV血清陽性であり、放電まで毎日予防上
多量のアシクロビル(acyclovir)を服用し〔16〕、
その後は移植後+75日までアシクロビル(400mgq.
i.d.)を経口的に服用した。全患者は熱のある場合(T
≧38.5℃)または絶対好中球数(ANC)が≦50
0細胞/μLである場合にはセフォタキシムおよびメズ
ロシリンからなる全身性抗生物質を予防上服用し、AN
Cが≧500細胞/μLになるまで続けた。不明の熱が
≧48時間ある患者は好中球減少症が解決するまでアン
ホテリシンB(0.3g/kg、静脈内投与)による推定
に基づく抗真菌療法を受けた。毎週、迅速診断用のサイ
トメガロウイルス(CMV)シェル−バイアル検定を全
てのCMV血清陽性患者の軟膜および尿試料について+
35日から始めて通常のように実施した。CMVを放出
する患者を2週間DHPG(10mg/kg/日、静脈内投
与、GanciclovirTM)で処理し、次に1週に5回の割合
でさらに4週間持続療法(5mg/kg/日)で治療した。
さらに、10人の患者は0〜21日に組換えヒトGM−
CSF(rhGM−CSF)(Immunex社製、Seattle)を
250μg/M2/日で2時間にわたって静脈内服用し
た。
【0118】毒性の定義 急性毒性は公表の基準〔17〕に従って判断された。腎
臓の機能不全症は基線(0日目)血清クレアチニン(Sc
r)の倍増として定義され、腎不全は血尿窒素(BU
N)≧80mg/dlで、Scr≧3.0mg/dlとして定義され
た。肝臓VODの診断には肝腫の存在の有無にかかわら
ず、過ビリルビン血症(≧3.0mg/dl)の存在、基準
体重の≧2.5%の体重増加および右上部四分円の疼痛
を必要とした〔18〕。粘膜炎の重度は前記の公表の基
準〔14〕に従って得点した。該分析において≧等級II
の重度は毒性ありとみなした。モルフィンスルフェート
(MSO4)の連続投与日数を粘膜炎の重度についての
他覚的パラメータとして用いた。
【0119】PTXの毒性 いかなる患者も服用したいずれもの用量で有意の有害副
作用を経験しなかった。軽い胃腸症状が2人の患者に生
じたが、両者とも経口制酸薬で軽減された。
【0120】生存者 平均160日(100〜320の範囲)の追跡調査の結
果、死をもたらす養生法は全く存在しなかった。1人の
患者が132日目に再発のために死亡した。
【0121】移植に関係した毒性 グループIの1人の患者およびグループIIの1人の患者
(11%)は軽い肝臓VODを発現したが、どの患者も
最初の21日間中は基準より2.5%以上の体重増加を
経験しなかった。1人の患者だけが腎臓不全症を発現し
た。1人の患者は移植前に肝臓−脾臓カンジダ症用にア
ンフォテリシンB 4.5gを服用し、次いで移植中の最
初の30日間は予防上さらにアンフォテリシンB 1.0g
を服用した。グループIの患者は全てMSO4を必要と
する有意重度の粘膜炎を経験しなかったが、グループII
の5人(50%)の患者はMSO4を必要とした。120
0mg/日以上の用量のPTXを服用する患者では、無痛
法を必要とする患者が1人だけいたが、1200mg/日
の用量を服用する5〜7人の患者と対比してさほど有意
な粘膜炎を有しなかった。グループIの全患者は1日当
たりのカロリー要求の100%を平均18日で経口的に
摂食することができたが、グループIIの患者はそのカロ
リー要求の100%を平均29.6日で経口的に摂食達
成した。両グループの放電時間の平均は26.4日であ
った。
【0122】GVHD GVHDの発生は両グループで低かった。全体的に、7
8%が等級0〜IのGVHDを有した(表3、表4)。
グループIの患者1人(12.5%)は主として皮膚に
関係した等級IIのGVHDを発現したが、一方グループ
IIの患者3人(30%)は全て最低用量レベルのPTX
を服用したが、等級IIのGVHDを経験した。全ての症
状の発現はステロイド治療で解決された。いずれの患者
も重度の(すなわち≧等級III)GVHDは発現しなか
った。
【0123】
【表3】
【0124】
【表4】
【0125】発熱および感染症 発熱(温度≧38.5℃)の全発生率は60%であり、
11人の患者は平均4.6日間発熱を経験した。グルー
プIの患者はグループIIの患者よりも発熱日数が少なか
った。1人(5.5%)の患者だけが初期の入院期間中
に正の血液培養を有した。1人の患者は移植後2日目に
単離されたコアグラーゼ陰性のスタフィロコッカス(St
aphylococcus)を有した。17人のCMV血清陽性患者
のうち16人(94%)には移植後最初の100日間中
にCMV排出の証拠があった。どの患者にもCMV組織
感染症の証拠は見られなかった。
【0126】移植および骨髄機能 2種の相異なるGVHD予防用の養生法で治療した患者
の結果は表3、表4に示すとおりである。全ての患者で
は完全に移植されることができそして移植片拒絶の症状
発見は全く見られなかった。彼等がGM−CSFを受容
したかどうかにかかわらず、GVHD予防法の一部とし
てMTXを服用しなかった患者(グループI)ではMT
Xを服用した患者(グループII)に比べて好中球回復が
促進された。
【0127】この調査の目的はまず第1にBMT患者に
おけるPTXの寛容性を測定することそして第2にPT
XがBMT後の毒性発現に及ぼす作用を評価することで
あった。患者の88%は年令〔22〕、病相、および調
整用養生法〔17〕による毒性関与の移植に危険が大き
いとみなされた。全ての患者は、前記用量の>95%の
経口PTXを、全く毒性も注目されずに許容した。さら
に、PTXが移植に関連した毒性を改善することが強く
示唆された。たった2人の患者は治療を要する程でない
最小の体重増加を伴った軽いVODを発現し、たった1
人の患者は軽い腎不全症を経験した。これは最近報告さ
れたVODおよび腎不全症それぞれの57%および53
%の発生率と対照的である〔1,18〕。さらに最初の
100日間には特発性またはCMVによるいずれもの間
質性肺炎の症状発現は全く見られなかった。後者のCM
Vによる発現は抗ウイルス療法での、CMV排出の初期
治療結果によるものと思われる。同様に、粘膜炎の発生
率も両グループで低かった〔13〕。
【0128】予想されたGM−CSFはMP服用患者
(グループI)で好中球回復を促進するものと思われ、
2つのグループ間で観察された発熱日数の減少に貢献し
たかもしれない。しかし、PTXなしでCSP + MP
を用いてGVHD予防を受けたその他の患者〔23〕と
比較した場合、GM−CSFだけを摂取した患者の75
%は平均7日間(1〜19日の範囲)発熱を経験し、P
TX ± GM−CSFを受けた本発明による患者(平均
4日間、1〜7日の範囲)の場合の37%に匹敵する。
これより、PTXは炎症性メディエータの調節において
GM−CSFにより相乗的に作用し得ることが示唆され
る。主として皮膚関係の疾患であるが、等級IIのaGV
HDの全発生率もまた低く、丁度22%であった。追跡
調査中、どの患者も多発系aGVHDを発現しなかった
が、たった1人の患者だけが軽いが、隔離された慢性肝
臓GVHDを発現した。
【0129】この調査において、2000mg/日の量ま
でのPTXの経口服用は、有害な副作用が観察されず
に、十分許容され得ると思われた。その他のメチルキサ
ンチン誘導体とは違って、PTXには多くの心臓血管系
副作用がない。すなわち1つの発現が該GVHD相I−
IIの調査によって支持される。
【0130】最近の歴史的調整による患者と比較した場
合、PTXは異型的BMTを受ける患者において罹病率
および死亡率を減少させるようであった。実際に、PT
Xが再発率を増加させずに移植に関連する毒性を改善す
るならば、単独またはGM−CSFのようなサイトカイ
ン(cytokines)との組合せでのPTXの使用は、再発
率がより低くかつ全体的に障害のない改善された生存が
得られる化学照射療法のより多く、より有効な投与量の
デリバリーを可能にすることができる。
【0131】実施例2 骨髄移植を受ける患者における養生法関連毒性に及ぼす
ペントキシフィリンの効果 再発疾患および養生法に関連した毒性(“RRT")は、
骨髄移植(“BMT")を受ける患者の治療失敗の25〜
75%である。より集中的な化学照射養生法の場合に観
察されるより低い再発率は、養生法関連による死亡増加
によって相殺されている。8人の連続異型移植受容者に
対して予防薬の経口用PTX(BMT後100日まで4
00mg q.i.d)の開発研究を実施した。6人の患者はH
LA同一の姉妹細胞から骨髄を受け、一方2人は1つの
HLA−遺伝子座で異なる血縁者の移植片を受けた。全
患者をシトキサン(cytoxan)と過細分した照射との組
合せで調整した。年令、疾患、養生法およびHLAを釣
り合わせた20種の対照に対比して、PTXはBMT後
の全ての主要合併症の発生率および重度を下記に示すよ
うに有意に減少させた。
【0132】 合 併 症 対照 n=20 PTX n−8 p* 平均年令(年) 31.6±1.5 34.9±2.1 0.51 粘膜炎(日数、MSO4) 18.7±1.1 4.4±2.2 0.007 肝静脈閉塞疾患の発生率 65% 25% 0.04 腎不全(0日目のクレア チニンの倍増) 65% 0% 0.009 高血圧症の発生率 (血圧≧140/95) 95% 0% 0.005 移植片対宿主疾患の発生率 ≦等級I 45% 100% 0.045 ≧等級II 55% 0% 0.005 * Wilcoxson氏がランク分析を保証した。全ての値は
±SEMを意味する。
【0133】PTX投与による有害な副作用は全く存在
しなかった。移植後>100日の患者の大多数には再発
疾患の証拠はなかった。
【0134】〔結論〕要約すれば、本発明によるキサン
チン使用により移植手法の実施可能性を増大させること
ができる。該キサンチンは異型移植反応例えばHVGR
およびGVHDの予防および治療の両方に対して価値の
ある治療剤である。移植による生存には主として急性G
VHDの重度が関係している。本発明はGVHRの阻止
を可能にし、関連のGVHD減少を期待することができ
る。結果として移植患者の予後が改善されるはずであ
る。本発明方法は細胞、組織および器官の移植の予後に
影響する新規な手法であるので、提供者および受容者の
組織適合性に対する要求を変え、そしてそれ故にまた提
供者選択の基準をも変えることができるであろう。
【0135】明細書中に引用された出版物 [1]: Zager R.A., O'Quigley J., Zager B.K. et al.
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【図面の簡単な説明】
【図1】培養したリンパ球による3H−チミジンの吸収
に及ぼすペントキシフィリンの効果を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591267383 ザ・フレツド・ハツチンソン・キヤンサ ー・リサーチ・センター THE FRED HUTCHINSON CANCER RESEARCH CE NTER アメリカ合衆国ワシントン州98104.シア トル.コロンビアストリート1124 (72)発明者 ジエイムズ・エイ・ビアンコ アメリカ合衆国ワシントン州98116.シア トル.アルキアベニユー2920 (72)発明者 ジヤツク・ダブリユー・シンガー アメリカ合衆国ワシントン州98122.シア トル.イーストスプリングストリート3515 (72)発明者 ウイリアム・ジエイ・ノビツク・ジユニア アメリカ合衆国ニユージヤージー州08833. レバノン.バートルズロード.アール・デ イー・ナンバー2

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトの異型移植反応阻止用医薬を製造す
    るための少なくとも1種の式I 【化1】 (式中R1およびR2は同一または相異なっていて、2〜
    6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖状アルキル
    基、シクロヘキシル基、直鎖または分枝鎖状アルコキシ
    アルキル基およびヒドロキシアルキル基からなる群から
    選択され;Aはメチル基で置換されうる、4個までの炭
    素原子を有する炭化水素基を示す)を有する、デンブフ
    ィリン以外の7−(オキソアルキル)1,3−ジアルキ
    ルキサンチンの使用。
  2. 【請求項2】 異型移植反応が宿主対移植片反応または
    移植片対宿主反応である、ヒトの異型移植反応阻止用医
    薬を製造するための請求項1記載の化合物の使用。
  3. 【請求項3】 ヒトの異型移植反応阻止用医薬を製造す
    るための組換えヒトGM−CSFの使用。
  4. 【請求項4】 ヒトの異型移植反応阻止用医薬を製造す
    るための少なくとも1種の式II 【化2】 〔式中R1およびR3のうち少なくとも一方は a) 式 (CH2)n−CR4(OH)−CH3 (ここでR4は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基
    を示し、そしてnは2〜5の整数である)の分枝鎖状ヒ
    ドロキシアルキル基であり、場合により存在しうる他方
    のR1またはR3基は水素原子であるか、またはその炭素
    鎖が2個までの酸素原子により中断されうるかまたはヒ
    ドロキシもしくはオキソ基により置換されうる、6個ま
    での炭素原子を有する脂肪族炭化水素基R5であるか、
    または b) 式 R6−CO−(CH2)p− (ここでR6はC1〜C6−アルキルでありそしてpは2、
    3または4である)のオキソアリル基であり、残りのR
    1またはR3は前述の定義を有し、そしてR2はC1〜C4
    −アルキル基である〕を有する化合物の使用。
  5. 【請求項5】 異型移植反応が宿主対移植片反応または
    移植片対宿主反応である、ヒトの異型移植反応阻止用医
    薬を製造するための請求項4記載の化合物の使用。
  6. 【請求項6】 化合物がペントキシフィリンである請求
    項4記載の化合物の使用。
  7. 【請求項7】 化合物が式IIにおいてR1がCH3CO
    (CH2)4−であり、R 2が−CH3でありそしてR3が−
    CH2−CH2−CH3である化合物である請求項4記載
    の化合物の使用。
  8. 【請求項8】 化合物が式IIにおいてR1がCH3C(O
    H)(CH3)(CH2)4−であり、R2が−CH3でありそし
    てR3が−CH2−CH2−O−CH3である化合物である
    請求項4記載の化合物の使用。
  9. 【請求項9】 化合物が式IIにおいてR1がCH3C(O
    H)(CH3)(CH2)4−であり、R2が−CH3でありそし
    てR3が−CH2−O−(CH2)2−O−CH3である化合
    物である請求項4記載の化合物の使用。
  10. 【請求項10】 化合物が式IIにおいてR1がCH3
    (OH)(CH3)(CH2) 4−であり、R2が−CH3であり
    そしてR3が−Hである化合物である請求項4記載の化
    合物の使用。
  11. 【請求項11】 化合物が式IIにおいてR1がCH3
    (OH)(CH3)(CH2) 4−であり、R2が−CH3であり
    そしてR3が−CH2−CH2−CH3である化合物である
    請求項4記載の化合物の使用。
  12. 【請求項12】 化合物が式IIにおいてR1がCH3
    (OH)(CH3)(CH2) 4−であり、R2が−CH3であり
    そしてR3が−CH2−CH(OH)−CH3である化合物
    である請求項4記載の化合物の使用。
  13. 【請求項13】 化合物が式IIにおいてR1がCH3
    (OH)(CH3)(CH2) 4−であり、R2が−CH3であり
    そしてR3が−CH2−CH(OH)−(CH3)2である化合
    物である請求項4記載の化合物の使用。
  14. 【請求項14】 化合物が式IIにおいてR1がCH3
    (OH)(CH3)(CH2) 4−であり、R2が−CH2−CH3
    でありそしてR3が−CH2−O−CH2−CH3である化
    合物である請求項4記載の化合物の使用。
  15. 【請求項15】 化合物が式IIにおいてR1がCH3
    (OH)(CH3)(CH2) 4−であり、R2が−CH3であり
    そしてR3が−(CH2)4−C(OH)(CH3)2である化合
    物である請求項4記載の化合物の使用。
  16. 【請求項16】 化合物が式IIにおいてR1がCH3
    (OH)(CH3)(CH2) 4−であり、R2が−CH3であり
    そしてR3が−CH2−O−CH2−CH3である請求項4
    記載の化合物の使用。
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