JPH0524977A - 半導体のドーピング方法及び装置 - Google Patents

半導体のドーピング方法及び装置

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JPH0524977A
JPH0524977A JP3186491A JP18649191A JPH0524977A JP H0524977 A JPH0524977 A JP H0524977A JP 3186491 A JP3186491 A JP 3186491A JP 18649191 A JP18649191 A JP 18649191A JP H0524977 A JPH0524977 A JP H0524977A
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JP
Japan
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semiconductor
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chamber
doping
gas
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Katsumi Nakagawa
克己 中川
Meiji Takabayashi
明治 高林
Eiji Takeuchi
栄治 竹内
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 チャンバー101の中には、アノード103
及びカソード104の1対の電極が設けられている。ア
ノード103には試料105がセットされている。試料
105はヒーター106によって加熱することができ
る。カソード104はアノード103、カソード104
間にプラズマ107を生起するための電源108に接続
されている。カソード104の上にはターゲット109
がセットされている。チャンバー101は、ボンベ11
0から不活性ガスが導入され、ボンベ111から水素や
ハロゲンガスまたはこれらの混合ガスが導入される。 【効果】 特性の優れたp型またはn型の半導体を得る
ことができ、大面積にわたって均一な特性が得られ、大
型の半導体デバイスを低コストで製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高性能な太陽電池や液
晶ディスプレーのアクティブマトリクス回路等の大面積
半導体デバイスの量産に好適な半導体のドーピング方法
及びドーピング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の半導体デバイス技術の流れとし
て、半導体メモリやイメージセンサーに代表される微細
化、集積化の方向と共に、太陽電池や液晶ディスプレー
のアクティブマトリクス回路に代表される大面積化の方
向がある。大面積半導体デバイスにおいては、単位面積
あたりの製造コストを極力下げる必要がある。そのため
半導体材料として単結晶シリコンウェハーと共に、ガラ
ス、金属、セラミックス等の廉価な基板上に堆積された
アモルファスや多結晶の半導体薄膜が用いられ始めてい
る。しかしデバイスの製造コストを下げるためには、他
の各製造プロセスについても低コスト化が要求される。
また製造されたデバイスは30cm角あるいはそれ以上
の大面積にわたって特性が均一でなくてはならない。す
なわち大面積デバイスにはそれにふさわしいプロセス技
術が開発されなくてはならない。
【0003】各製造プロセスの中でも大面積化の観点か
ら最も重要な技術としてドーピング技術が挙げられる。
【0004】半導体のドーピング技術として最も一般的
に用いられてきたのは熱拡散法である。熱拡散法は半導
体表面に塗布または堆積した膜の中に含まれるドーパン
ト原子を通常1000℃以上の高温で半導体中に拡散し
ドーパントとして活性化する技術である。この方法は比
較的容易に大面積デバイスに適用できるが、高温を用い
るため薄膜半導体を用いるに際し使用可能な基板に制約
を受ける。また処理に長時間(通常数時間程度)を要し
製造のスループットが良くない。
【0005】また他の一般的なドーピング技術としてイ
オンインプランテーション法がある。この方法では真空
中でイオン化したドーパント原子イオンのビームから、
質量分析の手段により不純物を取り除いた後、電界で加
速して半導体中に打ち込み、通常800℃以上の温度で
数時間程度アニールしてドーパントを活性化する方法で
ある。この方法ではドーパントの制御がし易いが、大面
積にわたりビームを走査する必要がありやはり製造のス
ループットが良くない。また装置が大がかりになりやは
りコスト面で不利となる。
【0006】一方、熱CVDやプラズマCVD等の方法
で気相から堆積する薄膜半導体の場合には、薄膜の堆積
時に気相中にドーパントを含むガスを混合して薄膜半導
体中にドーパント原子を導入する方法がある。この方法
では比較的大面積化も容易で、スループットも熱拡散法
やイオンインプランテーション法に比べるとよいが、形
成されたn型またはp型の半導体の特性は必ずしも十分
ではなく半導体デバイスへの応用には不十分なことが多
かった。よく知られた例としては、熱CVDにより多結
晶Siを堆積する際、原料のモノシラン(SiH4 )に
フォスフィン(PH3 )を混合してn型にしようとする
と、特に高濃度ではSiの結晶粒が小さくなりn型Si
としての特性が、熱拡散法やイオンインプラテーション
法でn型にする場合に比べて劣ったものとなる。またプ
ラズマCVD法でアモルファスシリコン(a−Si)を
堆積する際、原料のSiH4 にジボラン(B26 )を
混合してp型にしようとすると、光学的バンドギャップ
(Eg)が低下し、局在準位が増加してp型半導体とし
ての特性は劣ったものとなる。
【0007】その理由としては、ドーパントを含むガス
が気相中に混合されると、半導体を構成する主成分の元
素(Si等)を含むガスの反応に影響を及ぼし、半導体
の堆積のプリカーサー(堆積反応の前駆体)を変化させ
るためと考えられる。
【0008】また堆積によりドーピングを行うと、一般
には基板上の特定の場所に選択的にn型やp型の半導体
領域を形成することができない。このため特に液晶ディ
スプレーへの応用においてはプロセスが複雑化する。こ
のような観点からいくつかの提案がなされている。
【0009】M.B. SpitzerとS.N. Bunker はp型単結晶
Siに質量分析を行わずにリン(P)のイオンインプラ
ンテーションを行い、pn接合をもつ変換効率15%の
太陽電池を作った(16th IEEE Photovoltaic Conf. San
Diego, 1982p.711-)。 H.Itoh等も同様な方法で反射防
止層無しで変換効率10%の太陽電池を作った(Proc.3r
d PVSEC in Japan ('82) p.7-) 。質量分析を行わない
イオンインプラテーション法では、装置は比較的簡単と
なり製造のスループットも向上する。しかし太陽電池へ
の応用上十分なほどの大面積の処理は困難である。また
彼らの実験ではイオンを打ち込んだ後、550℃または
600℃以上でアニーリングを行っており、製造のスル
ープットが低いばかりでなく、薄膜半導体への応用に対
して制約が多い。
【0010】また、S.D. Westbrook等は、硼素(B)を
含むガスをグロー放電で分解し、さらに電界を印加する
ことにより硼素イオンを加速し、n型単結晶Siに打ち
込んだ後、550℃以上でアニールを行って、変換効率
19%もの太陽電池を作っている(Appl. Phys. Lett. V
ol. 50 ('87) p.469-)。一方、吉田、瀬恒、平尾は同様
の装置を用いてリンのa−Siへのドーピングを行い薄
膜トランジスター(TFT)を作っている(IEEE Elec.
Device Lett. Vol. 9 (1988) p.90-)。これらの方法で
は大面積化がし易く、製造のスループットも比較的良
い。また後者において示されているように、半導体面の
特定の場所に選択的にp型またはn型の領域を形成する
ことができる。しかし質量分析を行わないためドーパン
トイオン以外に各種の不必要なイオンも高速で打ち込ま
れることとなる。したがって十分な温度でアニールする
ことが困難なa−Siの場合には特にイオンによるダメ
ージが取り除きにくく、a−Si太陽電池への応用に当
たっての障害になっていた。またイオン以外の中性のド
ーパント原子については制御ができず、これらのドーパ
ント原子が装置の各部に拡散し易い。特にa−Si太陽
電池では通常pin接合を用いており、少なくともn
型、i型、p型の3層から、さらに複数のpin接合を
積層したタンデム型a−Siセルでは6層、9層からな
る。これらのドーパントは隣接する導電型の異なる半導
体層(特にi層)に混入するとデバイスの特性に悪影響
を与え易い。中でもa−Si太陽電池の量産を目的とし
て長尺の帯状基板に連続堆積を行うロールトゥロール装
置では、隣接する成膜室へのドーパントの拡散が起こり
易い。
【0011】このように高性能なa−Si太陽電池を量
産するためには、大面積へのドーピング技術をさらに改
善する必要があった。また結晶半導体太陽電池や、液晶
ディスプレーの場合にも製造のスループットのよいドー
ピング技術の開発が望まれていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑みなされたものであって、半導体デバイスの製
造において、ドーパントの不要な拡散が少ない簡単な装
置で、特性の優れたp型またはn型の半導体を、大面積
にわたり均一性よく、短い処理時間で製造する方法及び
この方法を実施するための装置を提供し、特に高性能な
太陽電池や液晶ディスプレーのような大面積の半導体デ
バイスの低コストでの製造を可能とし、これらのデバイ
スの普及に寄与することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体の表面
にスパッタリング法でドーパント層を堆積するにあた
り、活性化された水素またはハロゲンの少なくとも一方
の作用でドーパントを活性化することによって、特性の
良好なp型またはn型の半導体の領域を形成することを
主旨としている。
【0014】すなわち、本発明の半導体のドーピング方
法は、ドーパント元素を含有するターゲットを用いて、
スパッタリング法により半導体の表面にドーパントを堆
積させつつ、少なくとも活性化された水素及び/または
ハロゲンを前記半導体の表面に作用させて、前記半導体
にドーピングを行うものである。
【0015】また、本発明の半導体のドーピング方法
は、ドーパント元素を含有するターゲットを用いて、ス
パッタリング法により半導体の表面にドーパントを堆積
した後、少なくとも活性化された水素またはハロゲンを
前記半導体の表面に作用させて、前記半導体にドーピン
グを行うものである。
【0016】また、本発明の半導体のドーピング装置
は、半導体がセットされる真空排気可能なチャンバー
と、該チャンバーの内部に設けられた、アノードと、表
面にドーパント元素からなるターゲットがセットされた
カソードと、該カソードに電力を供給する電源と、前記
チャンバーに少なくとも水素及び/またはハロゲンを含
むガスを供給するためのラインとを備えたものである。
【0017】本発明の半導体のドーピング装置は、カソ
ードとは別に水素及び/またはハロゲンを活性化するた
めの手段を備えたものとすることができる。
【0018】
【作用】図1は本発明のド−ピング方法を実施するのに
好適な本発明のド−ピング装置の実施態様を示す概略構
成図である。
【0019】真空ポンプ102によって真空排気可能な
チャンバー101の中には、アノード103及びカソー
ド104の1対の電極が設けられている。アノード10
3には試料105がセットされている。
【0020】試料としては単結晶や多結晶の半導体ウェ
ハー、ガラスや金属等の基板上に堆積された多結晶やア
モルファスの半導体薄膜が用いられる。これらの半導体
は目的に応じて予めドーピングされていてもよいし、ド
ーピングされていなくてもよい。試料105はヒーター
106によって所望の温度に加熱することができる。カ
ソード104はアノード103、カソード104間にプ
ラズマ107を生起するための電源108に接続されて
いる。カソード104の上にはターゲット109がセッ
トされている。ターゲットの材料としてはB,Al,G
a,In,Tl,P,As,Sb,Bi等が用いられ
る。電源108としては直流電源でもよいが高周波電源
でもよい。特にターゲット材料が高抵抗な場合には、例
えば13.56MHz等のラジオ周波数の電源が好適に
使用できる。チャンバー101は、ボンベ110からA
r等の不活性ガスが導入され、ボンベ111から水素や
弗素等のハロゲンガスまたはこれらの混合ガスが導入さ
れる。これらのガスの流量はマスフローコントローラー
112,113によって調整される。そして、マスフロ
ーコントローラー112,113及びバタフライバルブ
114の開度によってチャンバー101内の圧力が調整
される。
【0021】実験1 本発明の効果を確認するため次のような実験を行った。
裏面に金電極をシンタリングしたp型のSiウェハー
(比抵抗1ohm・cm)を試料105とし図1のドー
ピング装置にセットした。一旦チャンバー内101を1
-6Torrまで排気した後Arを5sccm、水素を
1sccm流し、バタフライバルブ114を調整して圧
力を10-3Torrとした。次いで、基板温度が100
℃となるようヒーター106の電流を調整した。ターゲ
ット109としては純度99.9%のPの単体のプレー
トを用いた。この状態で電源108から、反射電力が極
小となるよう不図示の整合回路を調整しつつ、200W
の高周波電力を供給したところ、プラズマ107が生起
された。この状態で100秒経過したところで電源10
8及びヒーター106への電力の供給を止めた。試料が
冷却した後、チャンバー101内より取り出して1cm
角に切り出し試料1Aとした。
【0022】次に比較のために、Arのみを流し水素を
流さない他は前記と全く同じ工程にて試料1Bを作っ
た。
【0023】次に試料1A,1Bの裏面及び表面に導線
を銀ペーストで固着した。まず両試料の暗中での電圧電
流特性を測定した。試料1Aでは1Vにおける整流比が
5×104 倍であった。それに対し試料1Bでは整流比
は50倍しかとれなかった。さらにエアマス(AM)
1.5のソーラーシミュレーターのもとでの両試料の太
陽電池特性をみた。試料1Aでは変換効率(η)が9.
6%と反射防止膜のない太陽電池として良好な特性が得
られた。一方試料1Bでは変換効率(η)が2.7%と
太陽電池としての機能は不十分であった。
【0024】実験2 図1でボンベ101からArで10%に希釈したF2
スを5sccm流した他は実験1と同様の手順で試料2
Aを作った。これにさらにボンベ111から水素を1s
ccm加えて試料2Bを作った。
【0025】暗中の1Vでの整流比は試料2Aでは2×
103 倍、試料2Bでは1×105倍であった。またA
M1.5での太陽電池特性は試料2Aの変換効率(η)
が5.8%、試料2Bの変換効率(η)が10.1%と
優れたものであった。
【0026】実験3 本発明がアモルファス半導体に対しても効果的であるこ
とを示すため図2に示すような太陽電池を作った。市販
の高周波容量結合型グロー放電装置に厚さ1mmのステ
ンレスの基板201をセットし、この上にaーSiのn
型半導体層202、次いでaーSiのi型半導体層20
3を堆積した。n型半導体層202の作成条件は原料ガ
スとして5%のPH3 を混合したSiH4 を5scc
m、圧力0.5Torr、放電電力50W、基板温度2
50℃とし、膜厚は200Åである。i型半導体層20
3の作成条件は、原料ガスとしてSiH4 を20scc
m、圧力0.5Torr、放電電力100W、基板温度
250℃とし、膜厚は4000Åである。こうして試料
を、図1の装置にセットした。ターゲット109として
純度99.9%のBの単体のプレートを用いた。
【0027】ドーピング条件としてはAr5sccm、
水素1sccm、圧力10-3Torr、基板温度100
℃、放電電力200Wとし、50秒放電を継続しp型領
域204を作成した。
【0028】試料が冷却した後、チャンバー101から
取り出して、市販の抵抗加熱型真空蒸着装置にセットし
てInとSnの合金を酸素雰囲気中で蒸着し、ITO
(In 23 +SnO2 )層の透明電極205を厚さ7
00Å堆積し試料3Aとした。図2でn型半導体層20
2を厚さ200Åのp型a−Si層とした試料を、図1
のドーピング装置にセットし、Pのターゲットを用い、
前記と同様なドーピング条件でP型領域204を形成し
た。同様に透明電極205を形成し試料3Bとした。
【0029】両試料3A,3Bを実験1と同様な手順で
評価した。1Vでの整流比は試料3Aが2×105 倍、
試料3Bが1×105 倍であった。また太陽電池として
の変換効率(η)は試料3Aが8.5%、試料3Bが
7.8%であり、いずれも優れた特性を示した。
【0030】以上の実験から次のようなことが考えられ
る。
【0031】ドーピングの機構について 以上の実験結果に基づいて本発明のドーピング法の機構
について次のように推測することができる。スパッタリ
ング法においては、放電のプラズマ中にAr等のイオン
が存在するが、これらのイオンは負にバイアスされてい
るカソード104上のターゲット109をたたく。その
結果反跳してくるターゲットの構成原子が試料105上
に堆積する。ドーパント原子は中性なので電界によって
加速されることがないため、一般には試料の内部まで侵
入しにくいであろう。しかし試料面が活性化された水素
やハロゲンに晒されると、これらのエッチング性のある
活性種が半導体を構成するSi等の原子相互の結合を緩
めるために、ドーパントの原子が試料の奥深くまで侵入
し、かつ最終的に適切な配位数で結合できるため、ドー
パントとして活性化されるものと考えられる。
【0032】そのため100℃といった熱的な拡散が全
く期待できない低温においても、効果的なドーピングが
行え、かつ高速に加速されたイオンを打ち込んだ場合の
ようなダメージがないために、後処理としてのアニーリ
ングも不要になると考えられる。
【0033】また、熱CVD法やプラズマCVD法にお
いて、ドーパントを含む雰囲気で半導体が堆積される場
合と異なり、本発明の方法では半導体の母体のネットワ
ークはドーパントの悪影響なしに形成されるため、形成
されたp型層やn型層は優れた特性を示すことが期待で
きる。
【0034】さらにスパッタリング法の場合には、ドー
パント原子がターゲットから試料に向かってかなりの方
向性をもって跳びだすため、ガスとしてドーパントが供
給される場合に比べ、不要な場所へのドーパントの拡散
が大幅に減少することが期待できる。
【0035】ターゲットについて 本発明の方法を実施するにあたって用いるターゲットの
材料としては所望のドーパント元素の単体を用いること
ができる。すなわちSiやGe等の4族半導体ではp型
とするためにはB,Al,Ga,In,Tlの単体また
は合金を、n型とするためにはP,As,Sb,Biの
単体または合金を用いればよい。これらの材料の純度は
高い方がよいが、一般的には99.9%、不純物の種類
によっては99%程度でも使用可能である。また、ター
ゲットの形状としてはプレート状のものが使い易いが、
粉末状の材料をプレスしたもの、またカソードが上向き
の場合にはカソードの上に粉末を盛っただけでもよい。
【0036】スパッタリングの雰囲気ガスについて スパッタリング法では雰囲気ガスとしてArが最も一般
的に用いられている。これはArがイオン化率が高く、
ターゲット原子を最も効率的に打ち出すためである。し
かしドーピングの目的ではあまり大きな堆積速度は必要
ないことが多く、Ar以外にHe,Ne,Kr,Xe等
の不活性ガスを用いることもできる。また、本発明の特
徴である活性化された水素やハロゲンを発生するための
ガスとしては、H2 ,F2 ,Cl2等の単体ガスの他に
HF,HCl等の化合物のガスあるいはこれらの混合ガ
スも使用可能である。また、SiF4 ,Si26 ,S
iCl4 等はSi原子を含んでいるが、いずれもエッチ
ング性があり、放電プラズマによってSiの膜が堆積す
ることはなく、本発明の方法における雰囲気ガスとして
利用できる。
【0037】ドーピング条件について 本発明の方法はSiやGe及びその合金またSiC等の
4族の半導体ばかりでなく、GaAs,InP等の化合
物半導体に対しても適用可能である。ただしドーパント
は母体の半導体に応じて2族、4族、6族の元素から適
宜選択する。放電の雰囲気のガスとしてAr等の不活性
ガス及び水素やハロゲンを含むガスの流量は試料の大き
さに応じて適宜決められる。放電時の圧力は1×10-4
から0.5Torr、好ましくは5×10-4Torrか
ら0.1Torrとする。また水素やハロゲンを含むガ
スの分圧は全圧の5%以上とする。場合によっては不活
性ガスを流さず水素のみでスパッタを行うことも可能で
ある。放電電力も試料の大きさに応じて決められるが3
0cm角の試料の場合、100Wから5kW、好ましく
は250Wから2kW程度とする。基板温度としては室
温で良好な結果が得られる場合もあるが、一般には60
℃以上とする。殆どの場合200℃程度で十分な効果が
得られる。
【0038】水素やハロゲンを活性化する手段 水素やハロゲンを含むガスが十分に効果を発揮するため
には、水素やハロゲンが活性化されなくてはならない。
これまで説明したきた方法ではドーパントをスパッタす
るためのプラズマによってガスの活性化も同時に行われ
た。詳細は不明であるが、おそらくガスが分解されて、
水素やハロゲンラジカルが発生しているものと考えられ
る。
【0039】しかし、場合によってはスパッタのための
最適条件とガスの活性化の最適条件がずれていることが
ある。そこでガスの活性化のための手段を独立に設ける
ことが考えられる。図3にそのための装置の一例を示
す。ここでは水素やハロゲンは専用のガス活性化装置3
15によってスパッタリングとは独立に活性化される。
このガス活性装置315はガラス、石英ガラス、セラミ
ックス等でできた活性化管316、マイクロ波導入窓3
17、マイクロ波電源318から構成される。水素やハ
ロゲンを含むガスはボンベ311からマスフローコント
ローラー313を通してして活性化管316内に供給さ
れ、マイクロ波のエネルギーによって活性化され、プラ
ズマ307が生起される。ここで活性化されたガスは試
料表面に送られ、効果的なドーピングに寄与する。
【0040】図3において、チャンバー301、真空ポ
ンプ302、アノード303、カソード304、試料3
05、ヒーター306、電源308、ターゲット30
9、ボンベ310,311、マスフローコントローラー
312,313及びバタフライバルブ314は、それぞ
れ図1に示すチャンバー101、真空ポンプ102、ア
ノード103、カソード104、試料105、ヒーター
106、電源108、ターゲット109、ボンベ11
0,111、マスフローコントローラー112,113
及びバタフライバルブ114と実質的に同等のものが使
用可能である。
【0041】別の水素の活性化法としては、白熱したタ
ングステンフィラメントを試料近傍に設けこのタングス
テンフィラメントの表面の触媒作用で水素を活性化する
方法がある。
【0042】また水素やハロゲンを用いずにドーパント
を堆積した後、活性化した水素やハロゲンを試料表面に
作用させることによって、両者の機能を完全に分離する
こともできる。この方法ではドープ層が厚くなると、効
果が不十分となるがドープ層が200Å以下であれば使
用可能である。
【0043】
【実施例】以下に、本発明の半導体表面処理方法及び装
置の実施例を述べて本発明をさらに説明するが、本発明
はこれにより何等限定されるものではない。
【0044】実施例1 本実施例においては、図4の断面模式図に示す層構成の
pin型a−Si光起電力素子408を図1に示す装置
を用いて作製した。この光起電力素子408は、基板4
01上に下部電極402、n型半導体層403、i型半
導体層404、p型半導体層405、透明電極406及
び集電電極407をこの順に堆積形成した光起電力素子
である。なお、本実施例の光起電力素子408では透明
電極406の側より光の入射が行われることを前提とし
ている。
【0045】まず、ステンレス製角型基板(5cm×5
cm)を市販のスパッタ装置(アルバック社製、SBH
−2206DE)にセットし、Ag(99.99%)を
ターゲットとして用いて0.3μmのAg薄膜を、また
連続してZnO(99.9%)をターゲットとして用い
て1.5μmのZnO薄膜をスパッタ蒸着し、下部電極
402を形成した。
【0046】引き続き、この下部電極402の形成され
た基板を市販のプラズマCVD装置(アルバック社製、
CHJ−3030)にセットした。排気ポンプにて、反
応容器の排気管を介して、荒引き、高真空引き操作を行
った。このとき、基板の表面温度は250℃となるよ
う、温度制御機構により制御した。
【0047】十分に排気が行われた時点で、ガス導入管
より、SiH4 300sccm,SiF4 4sccm,
PH3 /H2 (1%H2 希釈)55sccm,H2 40
sccmを導入し、スロットルバルブの開度を調整し
て、反応容器の内圧を1Torrに保持し、圧力が安定
したところで、直ちに高周波電源より200Wの電力を
投入した。プラズマは5分間持続させた。これにより、
+ 半導体層403としてのn+ a−Si:H:F膜が
下部電極402上に形成された。
【0048】再び排気した後に、今度はガス導入管より
SiH4 300sccm,SiF44sccm,H2
0sccmを導入し、スロットルバルブの開度を調整し
て、反応容器の内圧を1Torrに保持し、圧力が安定
したところで、直ちに高周波電源より150Wの電力を
投入した。プラズマは40分間持続させた。これにより
i型半導体層404としてのa−Si:H:F膜がn型
半導体層403上に形成された。
【0049】次に基板401をプラズマCVD装置より
取り出し、図1に示すドーピング装置にセットした。硼
素(B)をターゲットとして、Ar流量5sccm、水
素流量1sccm、圧力2×10ー3Torr、基板温度
100℃、放電電力200Wの条件で70秒間放電を継
続し、p型半導体層405がi型半導体層404上に形
成された。
【0050】次に真空蒸着により透明電極406(IT
O(In23+SnO2 ))を形成し、さらに集電電極
407(Al)をマスク蒸着して光起電力素子408を
完成した。
【0051】作製した光起電力素子408について、エ
アマス(以降AMと記す)1.5(100mW/cm
2 )光照射下にて特性評価を行ったところ、光電変換効
率(η)で9.7%が得られた。また、AM1.5(1
00mW/cm2 )光の500時間連続照射後の光電変
換効率の初期値に対する変化率を測定したところ23%
以内に納まった。
【0052】実施例2 本実施例においては、図6の断面模式図に示す層構成の
a−Si/a−Siタンデム型光起電力素子613を図
5に示すロールトゥロール装置542を用いて作製し
た。
【0053】この光起電力素子613は、基板601上
に下部電極602、第1のセル611を構成するn型半
導体層603、i型半導体層604、p型半導体層60
5、さらに第2のセル612を構成するn型半導体層6
06、i型半導体層607、p型半導体層608、さら
に透明電極609及び集電電極610をこの順に堆積形
成した光起電力素子である。なお、本実施例の光起電力
素子613では透明電極609の側より光の入射が行わ
れることを前提としている。
【0054】図5のロールトゥロール装置542は、ス
テンレス鋼製の帯状基板504に連続的に光起電力素子
を形成するものである。同図の装置は、基板送り出し室
503、第1のn型チャンバー513、第1のi型チャ
ンバー522、第1のp型チャンバー532、第2のn
型チャンバー(不図示)、第2のi型チャンバー(不図
示)、第2のp型チャンバー(不図示)、及び基板巻取
り室539がこの順に配置されている。第2のn型チャ
ンバー、第2のi型チャンバー、第2のp型チャンバー
は、それぞれ第1のn型チャンバー513、第1のi型
チャンバー522、第1のp型チャンバー532と全く
同じ構成である。各チャンバー間はガスゲート507,
515,524,533,536(他不図示)により隔
離され、チャンバー間の不純物の混入を防止している。
【0055】同図においてまず基板送り出し室503
は、帯状基板504がセットされる室であり、成膜中は
この室からガイドローラー505を介して反応室へ基板
が連続的に搬出される。また排気口502及びバルブ5
01を介して真空排気される。基板巻取り室539は、
成膜された帯状基板538が巻取られる室であり、成膜
中はこの室へガイドローラ537を介して反応室から基
板が連続的に搬入される。また排気口540及びバルブ
541を介して真空排気される。
【0056】n型チャンバー513及びi型チャンバー
522は、プラズマCVDチャンバーであり、それぞれ
n型半導体層及びi型半導体層を堆積する。各チャンバ
ー513,522内で基板は基板加熱ヒータ514,5
23により加熱され所定の基板温度に制御される。原料
ガスは原料ガス供給管510,518より供給され、シ
ールド板512,521により流れが整えられ、カソー
ド511,520と基板間に生起されたプラズマにより
分解され基板上に半導体膜が形成され、さらに排気口5
09,519より排気される。
【0057】p型チャンバー532は本発明の方法を用
いた本発明のドーピング装置の実施態様である。基板は
基板加熱ヒータ531により所定温度に制御される。チ
ャンバー内は排気口528より真空排気される。カソー
ド529の表面には硼素(B)のターゲット530がセ
ットされている。Ar及び水素は原料ガス供給管527
より供給される。このロールトゥロール装置542では
基板がアノードとして機能しカソード529との間にプ
ラズマが生起され、ドーパント元素がスパッタリングさ
れかつ水素が活性化されて、i型半導体層の表面領域が
p型にドーピングされる。
【0058】ガスゲート507,515,524,53
3,536(他不図示)には、チャンバー間のガスを隔
離するためにAr、水素等の掃引ガスがガス導入口50
6,508,516,517,525,526,53
4,535(他不図示)より導入される。
【0059】このようなロールトゥロール装置542を
用いて光起電力素子613を作製した。
【0060】まず、ステンレス鋼製帯状基板を連続スパ
ッタ装置(不図示)にセットし、Al−Si(5%S
i)をターゲットとして用いて0.2μmのAl−Si
薄膜を、また連続してSnO2 (99.99%)をター
ゲットとして用いて0.1μmのSnO2 薄膜をスパッ
タ蒸着し、下部電極602を形成した。
【0061】引き続き、この下部電極602の形成され
た帯状基板を図5で示したロールトゥロール装置542
にセットした。その後、排気ポンプ(不図示)にて、各
チャンバーの排気管を介して真空引き操作を行った。こ
のとき、基板の表面温度は250℃となるよう、温度制
御機構により制御した。
【0062】十分に排気が行われた時点で、ガス導入管
510,518より、n型チャンバーにはSiH4 /P
3 /H2 を、i型チャンバーにはSiH4 /SiF4
/H 2 を、p型チャンバーにはAr/H2を、 ガスゲー
トにはArガスを導入し、n型及びi型チャンバーの内
圧を100mTorrにまたp型チャンバーの圧力は5
0mTorrに保持した。
【0063】圧力が安定したところで、各高周波電源よ
り電力を投入し、各々のチャンバー内でプラズマを生起
させ、また蒸発源加熱用電源も投入して、放電等が安定
したところで帯状基板を搬送スピード20cm/min
で図中左側から右側方向へ搬送させ、連続して、n,
i,p,n,i,p型半導体層を積層形成した。
【0064】帯状基板の全長にわたって半導体層を積層
形成した後、冷却後取り出し、ITO(In23+Sn
2 )連続蒸着装置(不図示)にセットし帯状基板全長
にわたって厚さ700ÅのITO層を蒸着し、透明電極
609とした。さらに、連続モジュール化装置(不図
示)にて35cm×70cmの太陽電池モジュールを連
続作製した。
【0065】作製した太陽電池モジュールについて、A
M1.5(100mW/cm2 )光照射下にて特性評価
を行ったところ、光電変換効率(η)で8.2%以上が
得られ、更にモジュール間の特性のバラツキは10%以
内に納まっていた。
【0066】また、AM1.5(100mW/cm2
光の500時間連続照射後の光電変換効率の初期値に対
する変化率を測定したところ10%以内に納まった。
【0067】これらのモジュールを接続して1kWの電
力供給システムを作製することができた。
【0068】比較のため、各ガスケートに掃引ガスを流
さずに同様な光起電力素子を作成したところ、光電変換
効率(η)7.7%以上が得られ、500時間後の劣化
率は20%以内に納まっていた。すなわち掃引ガスを用
いなくとも各チャンバー間のドーパントの拡散の影響は
若干認められるものの、軽微であった。
【0069】実施例3 本実施例においては、実施例2と同様に図6の断面模式
図に示す層構成のa−Si/a−Siタンデム型光起電
力素子を図5に示すロールトゥロール装置542を一部
改造した装置(不図示)を用いて作製した。図5の装置
と異なるのは第2のn型チャンバーに第1または第2の
p型チャンバーと全の同じ本発明のドーピング装置を用
いたことである。
【0070】第1及び第2のp型チャンバーには硼素
(B)のターゲットを、また第2のn型チャンバーには
アンチモン(Sb)のターゲットを用いている。
【0071】このようなロールトゥロール装置を用いて
光起電力素子613を作製した。
【0072】まず、実施例2と同様にステンレス鋼製帯
状基板を連続スパッタ装置にセットし、Al−Si(5
%Si)をターゲットとして用いて0.5μmのAl−
Si薄膜を、また連続してZnO(99.99%)をタ
ーゲットとして用いて0.5μmのZnO薄膜をスパッ
タ蒸着し、下部電極602を形成した。
【0073】引き続き、この下部電極602の形成され
た帯状基板を本実施例のロールトゥロール装置にセット
した。その後、排気ポンプにて、各チャンバーの排気管
を介して真空引き操作を行った。このとき、基板の表面
温度は250℃となるよう、温度制御機構により制御し
た。
【0074】十分に排気が行われた時点で、ガス導入管
より、第1のn型チャンバーにはSiH4 /PH3 /H
2 を、第1及び第2のi型チャンバーにはSiH4 /S
iF 4 /H2 を、第1、第2のp型チャンバー及び第2
のn型チャンバーにはAr/H2 を、ガスゲートにはA
rガスを導入し、スロットルバルブの開度を調整して、
第1のn型及び第1、第2のi型チャンバーの内圧を1
00mTorrに、また第2のn型チャンバー及び第
1、第2のp型チャンバーの圧力は50mTorrに保
持した。
【0075】圧力が安定したところで、各高周波電源よ
り電力を投入し、各々のチャンバー内でプラズマを生起
させ、放電が安定したところで帯状基板を搬送スピード
20cm/minで搬送させ、連続して、n,i,p,
n,i,p型半導体層を積層形成した。
【0076】帯状基板の全長にわたって半導体層を積層
形成した後、冷却後取り出し、さらに、ITO(In2
3+SnO2 )層を蒸着して透明電極609を形成
し、連続モジュール化装置にて30cm×120cmの
太陽電池モジュールを連続作製した。 作製した太陽電
池モジュールについて、AM1.5(100mW/cm
2)光照射下にて特性評価を行ったところ、光電変換効
率(η)で8.4%以上が得られ、さらにモジュール間
の特性のバラツキは10%以内に納まっていた。
【0077】また、AM1.5(100mW/cm2
光の500時間連続照射後の光電変換効率の初期値に対
する変化率を測定したところ15%以内に納まった。
【0078】実施例4 本実施例においては、図7の断面模式図に示す層構成の
a−SiC/a−Si/a−SiGeトリプル型光起電
力素子を図5に示すロールトゥロール装置542を一部
改造した装置(不図示)を用いて作製した。本実施例で
用いた装置は、実施例2で用いた装置にさらに第3のn
型、i型及びp型チャンバーを追加したものであり、第
1から第3のp型チャンバーのみが本発明のドーピング
チャンバー、他のチャンバーはプラズマCVDチャンバ
ーである。
【0079】このようなロールトゥロール装置を用いて
図7に示す光起電力素子717を作製した。
【0080】この光起電力素子717は、基板701上
に下部電極702、第1のセル714を構成するn型半
導体層703、i型半導体層704、p型半導体層70
5、さらに第2のセル715を構成するn型半導体層7
06、i型半導体層707、p型半導体層708、さら
に第3のセル716を構成するn型半導体層709、i
型半導体層710、p型半導体層711、さらに透明電
極712及び集電電極713をこの順に堆積形成した光
起電力素子である。なお、本実施例の光起電力素子71
7では透明電極712の側より光の入射が行われること
を前提としている。
【0081】まず、実施例2と同様にステンレス鋼製帯
状基板を連続スパッタ装置にセットし、Al(99.9
9%)をターゲットとして用いて0.3μmのAl薄膜
を、また連続してZnO(99.9%)をターゲットと
して用いて0.3μmのZnO薄膜をスパッタ蒸着し、
下部電極702を形成した。
【0082】引き続き、該下部電極702の形成された
帯状基板をロールトゥロール装置にセットした。その
後、排気ポンプにて、各チャンバーの排気管を介して真
空引き操作を行った。このとき、基板の表面温度は25
0℃となるよう、温度制御機構により制御した。
【0083】十分に排気が行われた時点で、ガス導入管
より、各n型チャンバーにはSiH 4 /PH3 /H2
を、第1のi型チャンバーにはSiH4 /GeH4 /H
2 を、第2のi型チャンバーにはSiH4 /SiF4
2 を、第3のi型チャンバーにはSiH4 /CH4
2 を、また各p型チャンバーにはAr/H2 を、また
ガスゲートにはArガスを導入し、スロットルバルブの
開度を調整して、各n型及び各i型チャンバーの内圧を
100mTorrにまた各p型チャンバーの圧力は50
mTorrに保持した。
【0084】圧力が安定したところで、各高周波電源よ
り電力を投入し各々のチャンバー内でプラズマを生起さ
せ、放電等が安定したところで帯状基板を搬送スピード
30cm/minで搬送させ、連続して、n,i,p,
n,i,p型半導体層を積層形成した。
【0085】帯状基板の全長にわたって半導体層を積層
形成した後、冷却後取り出し、さらに、ITO(In2
3+SnO2 )層を蒸着して透明電極609を形成
し、さらに連続モジュール化装置にて30cm×120
cmの太陽電池モジュールを連続作製した。
【0086】作製した太陽電池モジュールについて、A
M1.5(100mW/cm2 )光照射下にて特性評価
を行ったところ、光電変換効率(η)で10.5%以上
が得られ、さらにモジュール間の特性のバラツキは5%
以内に納まっていた。
【0087】また、AM1.5(100mW/cm2
光の500時間連続照射後の光電変換効率の初期値に対
する変化率を測定したところ10%以内に納まった。
【0088】これらのモジュールを接続して5kWの電
力供給システムを作製することができた。
【0089】実施例5 本実施例において図8に示すような構成の多結晶Si太
陽電池801について説明する。Wacker社製の表面が研
磨された直径6インチのn型多結晶Siウェハー(比抵
抗2ohm・cm)を基板として用意した。弗酸にて自
然酸化膜を除去した後、この基板を図1のドーピング装
置と同様な構造だが大型のドーピング装置に研磨面が表
向きとなるようセットした。ターゲット109として純
度99.9%のGaのプレートを用いた。ドーピング条
件としては、Ar流量20sccm、水素流量4scc
m、圧力10ー3Torr、基板温度100℃、放電電力
は1kWとし、放電を150秒継続しp型領域802を
形成した。次いでターゲット109を純度99.9%の
Sbのプレートに交換し、基板を裏返しにセットしなお
した以外は同様のドーピング条件でn+ 型領域803を
形成した。このn+型領域803はいわゆるバックサー
フェスフィールドを形成しキャリアの電極近傍での再結
合を防ぎ、さらにオーミック性を向上させるためのもの
である。次いで、両面にTi,Pd,Agの積層からな
る集電電極804、下部電極805を電子ビーム蒸着法
で形成した。表面の電極は光の入射をあまり妨げないよ
うマスクをかけてグリッド状とした。電極を形成した後
400℃にて2分間シンタリングを行った。次いで表面
にZnSとMgF2 を積層し反射防止層806とした。
この試料を2cm角に切って太陽電池特性を評価したと
ころ、光電変換効率(η)が16.05±0.45%と
極めて優れた特性及び均一性が得られた。
【0090】実施例6 本実施例は図9にその断面構造を示すa−Si薄膜トラ
ンジスター(TFT)の例である。コーニング#705
9ガラスを基板901としてこの上にCrを蒸着し、さ
らにフォトリソグラフィー工程にてゲート902を形成
した。次いで市販の容量結合型高周波グロー放電装置に
てSiH4 とアンモニア(NH3 )を原料ガスとして厚
さ3000Åのアモルファス窒化シリコン(a−Si
N)膜903を堆積した。この上に同じ装置を用いて厚
さ2000Åのi型a−Si層904を堆積した。この
上に同じ装置で再び厚さ3000Åのa−SiN層を堆
積しチャネル905を残してフォトリソグラフィー工程
にてエッチングした。この後試料を実施例5で用いたも
のと同様のドーピング装置にセットしターゲットとして
純度99%のPのプレートを用い、ドーピング条件とし
て、Arで希釈されたHFの流量30sccm、圧力5
×10-3Torr、基板温度80℃、放電電力800W
として、放電を200秒間継続しn+ 型領域906を形
成した。ここでチャネル905のa−SiNは絶縁体で
あるため表面にドーピングによる低抵抗領域ができるこ
とはない。次いでこの上にAlを厚さ2000Å蒸着
し、さらにチャネル905をフォトリソグラフィー工程
にてエッチングしソース907、ドレイン908として
TFTを形成した。なおここでチャネル長は10μmで
ある。
【0091】このようにして製造されたTFTのゲート
902、ソース907、ドレイン908に各々導線を固
着しトランジスタ特性を20cm角の範囲にわたって評
価した。ドレイン電圧15Vのとき、ゲート電圧15V
と0VとのON/OFF比は3×105 倍±10%と優
れたものであった。本発明の方法ではチャネル部がa−
SiNで保護されエッチング等の処理を受けないためO
N/OFF比が大きくかつ均一性も優れていると考えら
れる。したがって本発明の方法によるTFTは大型の液
晶ディスプレーのアクティブマトリックス回路に用いる
のに最適なものである。
【0092】
【発明の効果】本発明のドーピング方法及び装置によれ
ば、良質な半導体の母体に対して大きな損傷を与えずに
ドーピングが行え、かつ高温での後処理が不要なため、
単結晶、多結晶、アモルファスであるを問わず、各種の
半導体に対して、特性の優れたp型、またはn型の半導
体領域を形成することができる。しかもドーパントの不
要な拡散がないため特性の優れた半導体デバイスを得る
ことができる。また装置の構成が簡単であり、大面積に
わたって均一な特性が得られ、処理時間が短いので、特
に大型の太陽電池や液晶ディスプレーのアクティブマト
リクス回路等を低コストにて製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のド−ピング方法を実施するのに好適な
本発明のド−ピング装置の実施態様を示す概略構成図で
ある。
【図2】本発明のド−ピング方法で作成したa−Si太
陽電池を示す断面摸式図である。
【図3】本発明のド−ピング方法を実施するのに好適な
本発明のド−ピング装置の別の実施態様を示す概略構成
図である。
【図4】本発明のド−ピング方法で作成したシングル型
a−Si太陽電池を示す断面摸式図である。
【図5】本発明のド−ピング装置を組み込んだロ−ルト
ゥロ−ル装置の一例を示す概略構成図である。
【図6】本発明のド−ピング方法で作成したタンデム型
a−Si太陽電池を示す断面摸式図である。
【図7】本発明のド−ピング方法で作成したトリプル型
a−Si太陽電池を示す断面摸式図である。
【図8】本発明のド−ピング方法で作成した多結晶Si
太陽電池を示す断面摸式図である。
【図9】本発明のド−ピング方法で作成したa−SiT
FTを示す断面摸式図である。
【符号の説明】
101 チャンバー 102 真空ポンプ 103 アノード 104 カソード 105 試料 106 ヒーター 107 プラズマ 108 電源 109 ターゲット 110,111 ボンベ 112,113 マスフローコントローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/784 31/04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドーパント元素を含有するターゲットを
    用いて、スパッタリング法により半導体の表面にドーパ
    ントを堆積させつつ、少なくとも活性化された水素及び
    /またはハロゲンを前記半導体の表面に作用させて、前
    記半導体にドーピングを行う半導体のドーピング方法。
  2. 【請求項2】 ドーパント元素を含有するターゲットを
    用いて、スパッタリング法により半導体の表面にドーパ
    ントを堆積した後、少なくとも活性化された水素または
    ハロゲンを前記半導体の表面に作用させて、前記半導体
    にドーピングを行う半導体のドーピング方法。
  3. 【請求項3】 半導体がセットされる真空排気可能なチ
    ャンバーと、 該チャンバーの内部に設けられた、アノードと、 表面にドーパント元素からなるターゲットがセットされ
    たカソードと、 該カソードに電力を供給する電源と、 前記チャンバーに少なくとも水素及び/またはハロゲン
    を含むガスを供給するためのラインとを備えた半導体の
    ドーピング装置。
  4. 【請求項4】 カソードとは別に水素及び/またはハロ
    ゲンを活性化するための手段を備えた請求項3記載の半
    導体のドーピング装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08186082A (ja) * 1994-12-28 1996-07-16 Nec Corp 半導体装置の製造方法
CN113025970A (zh) * 2019-12-09 2021-06-25 美光科技公司 材料沉积系统及相关方法、微电子装置及存储器装置

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