JPH05248597A

JPH05248597A - 可燃性液化ガス充填ボンベ

Info

Publication number: JPH05248597A
Application number: JP8595092A
Authority: JP
Inventors: Junichi Fujiwara; 順一藤原
Original assignee: Japan Metals and Chemical Co Ltd
Current assignee: Japan Metals and Chemical Co Ltd
Priority date: 1992-03-09
Filing date: 1992-03-09
Publication date: 1993-09-24

Abstract

(57)【要約】【目的】可燃性の液化ガスの担体が、ボンベの使用
中にボンベ内のフィルターやステムの目詰まりの原因と
なるようなことがなく、また、この担体がフィルターに
付着してガスの噴出を阻害するようなこともなく、しか
も、可燃性液化ガスの吸着性能が極めて良好で、かつ、
一度吸された可燃性液化ガスの一部が担体から分離する
ようなことがなく、さらには、口の狭いガスボンベに対
しても担体の装填が容易であり、また、担体の充填後に
もボンベ内にフィルターを挿入する作業が容易に行なえ
る可燃性液化ガス充填ボンベ。【構成】ボンベ内に充填させたバーミュキュライト
あるいは該バーミュキュライトとＳｉＯ₂ 微粉末とから
なる担体に可燃性液化ガスを担持させてなる可燃性液化
ガス充填ボンベ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、耐圧容器内に液化プロ
パンや液化ブタン等の可燃性液化ガスを充填させた可燃
性液化ガス充填ボンベに関する。

【０００２】

【従来の技術】携帯用コンロやトーチバーナー等に使用
される可燃性液化ガス充填ボンベは、このガスボンベの
噴出口を下向きにして使用すると、可燃性液化ガスが液
状のままで流出して火災に繋る危険がある。このため、
この種の噴霧容器によるボンベにおいては、耐圧容器の
底にウレタンフォームのような多孔性樹脂を装填し、こ
れに可燃性液化ガスを担持させることによって前述の問
題を解決していた。

【０００３】しかるに、前記多孔性樹脂を可燃性液化ガ
スの担体として利用するものは、該多孔性樹脂による可
燃性液化ガスの担持量が小さく、必然的にボンベ内の可
燃性液化ガスの収容量が小さくなるという欠点を有する
ために、ボンベ内に充填させたＳｉＯ₂ の微粉末に可燃
性液化ガスを吸着させる（特公昭５７−２５５９０号公
報）ものや、同じくボンベ内に充填させたパルプ粉末に
可燃性液化ガスを吸着させる（特公昭６３−４９１１９
号公報）もの等が提案された。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記ＳｉＯ
₂ 微粉末を可燃性液化ガスの担体として利用するもの
は、ＳｉＯ₂ 微粉末の粒子が細かすぎるため、ボンベの
使用中にボンベ内のフィルターやステムに目詰まりが発
生する、フィルターに付着したＳｉＯ₂ 微粉末が乾燥して膜
状のコーティング層となるため、充填したガスが無くな
る前にガスが噴出しなくなる、ＳｉＯ₂ 微粉末がゲル化するために、可燃性液化ガ
スがＳｉＯ₂ 微粉末に高効率で保持され得ず、ボンベの
下部に液化ガスが残留する、等の欠点を有する。

【０００５】また、パルプ粉末を可燃性液化ガスの担体
として利用するものは、パルプ粉末の嵩比重が極めて高いため、口の狭いガ
スボンベに対しての担体としてのパルプ粉末を装填する
操作が困難である、また、パルプ粉末の嵩比重が高いために、パルプ粉
末の充填後にボンベ内にフィルターを挿入する作業が困
難である、等の欠点を有する。

【０００６】これに対して本発明は、可燃性の液化ガス
の担体が、ボンベの使用中にボンベ内のフィルターやス
テムの目詰まりの原因となるようなことがなく、また、
この担体がフィルターに付着してガスの噴出を阻害する
ようなこともなく、しかも、可燃性液化ガスの吸着性能
が極めて良好で、かつ、一度吸着された可燃性液化ガス
の１部が担体から分離するようなことがなく、さらに
は、口の狭いガスボンベに対しても担体の装填が容易で
あり、また、担体の充填後にもボンベ内にフィルターを
挿入する作業が容易に行なえるような担体を利用するこ
とにより、前述の欠点を解消する可燃性液化ガス充填ボ
ンベを提供する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、可燃性液化ガ
スの吸着性能が極めて良好で、しかも、一度吸着した可
燃性液化ガスの一部を分離するようなことのない性質を
有する担体、すなわち、バーミュキュライトの粉状物を
ボンベ内の可燃性液化ガスの担体として利用することに
より、前述の課題を解決するものである。

【０００８】すなわち、本第１の発明の可燃性液化ガス
充填ボンベは、ボンベ内に充填させたバーミュキュライ
トの粉状物からなる担体に対して、可燃性液化ガスを担
持させた液化ガス充填ボンベからなる。

【０００９】また、本第２の発明の可燃性液化ガス充填
ボンベは、ボンベ内に充填させたバーミュキュライトの
粉状物１００重量部とＳｉＯ₂ 微粉末１〜１０重量部と
からなる担体に対して可燃性液化ガスを担持させた液化
ガス充填ボンベからなる。

【００１０】本第３の発明は、前述の本第１の発明また
は第２の発明の可燃性液化ガス充填ボンベにおいて、担
体としてのバーミュキュライトの粉状物として、原石に
対する膨張率が１０〜５０倍のバーミュキュライトの粉
状物を利用する液化ガス充填ボンベからなる。

【００１１】さらに本第４の発明は、前記本第１の発
明，第２の発明あるいは第３の発明の可燃性液化ガス充
填ボンベにおいて、担体としてのバーミュキュライトの
粉状物として、粒径が３２メッシュ〜３５０メッシュの
範囲内のバーミュキュライトの粉状物を利用する液化ガ
ス充填ボンベからなる。

【００１２】前記構成による本発明の可燃性液化ガス充
填ボンベにおいて、液化プロパンや液化ブタン等の可燃
性液化ガスの担体としてボンベ内に装填されるバーミュ
キュライトの粉状物は、ヒル石を焼成して得られる膨張
ヒル石であり、水和マグネシウムとアルミニウムの珪酸
塩とを主成分とするものである。このバーミュキュライ
トの粉状物の膨張は、天然石であるヒル石の焼成の際に
劈開面の間の水分が蒸気として噴出することに基づいて
なされるもので、焼成によって原石の１０倍以上に膨張
し、吸水性に対して極めて優れた性質を有することから
可燃性液化ガスの吸着量が高く、しかも、一度吸着した
可燃性液化ガスの一部を分離するというというような不
安定なものではないことから、担体に一度吸着した可燃
性液化ガスは容易には放出されることがなく、ボンベ内
の可燃性液化ガスの担体として優れた作用を奏する。

【００１３】なお、前記可燃性液化ガスの担体として利
用されるバーミュキュライトの粉状物の原石に対する膨
張率が１０倍未満の場合には、このものの嵩比重が高過
ぎるために、可燃性液化ガスを担持させるためのバーミ
ュキュライトの粉状物の量が多くなり、また、５０倍を
超えるものは、可燃性液化ガスの吸着能力が小さくな
る。したがって、担体として利用するバーミュキュライ
トの粉状物としては、原石に対する膨張率が１０〜５０
倍のものが好適である。

【００１４】さらに、このバーミュキュライトの粉状物
の粒径が３２メッシュを超えるような大粒径のものにな
ると、担体としてボンベ内に装填されたバーミュキュラ
イトの粉状物の粒子間の透き間が大きくなり過ぎるため
に、可燃性液化ガスの吸着容量が低下し、また、３５０
メッシュ未満の小粒径のものになると、ボンベ内にバー
ミュキュライトの粉状物を装填させる際の作業性が悪く
なり、さらに、バーミュキュライトの粉状物自体の強度
も悪く、不純物の混入等も避けられなくなる。このた
め、担体として利用するバーミュキュライトの粉状物
は、３２〜３５０メッシュの範囲内の粒径のものが好適
である。

【００１５】ボンベ内に充填する可燃性液化ガスの担体
として、前記バーミュキュライトの粉状物１００重量部
に対して１〜１０重量部のＳｉＯ₂ 微粉末を利用する本
第２の発明においては、バーミュキュライトの粉状物の
みを可燃性液化ガスの担体として使用する場合と比較し
て、外部からの振動による担体の移動がＳｉＯ₂ 微粉末
の存在によって防止されるようになり、耐振動特性が得
られる。

【００１６】すなわち、バーミュキュライトの粉状物の
みを可燃性液化ガスの担体として使用する場合には、ボ
ンベが外部からの振動を受けたときに、バーミュキュラ
イトの粉状物が移動する不安定さが残るが、このバーミ
ュキュライトの粉状物に対してＳｉＯ₂ 微粉末を担体と
して兼用させる場合には、可燃性液化ガスの充填に伴っ
て発生するＳｉＯ₂ 微粉末のゲル化により、担体に耐振
動特性が得られるようになる。

【００１７】なお、バーミュキュライトの粉状物とＳｉ
Ｏ₂ 微粉末とを可燃性液化ガスの担体として利用する場
合に、バーミュキュライトの粉状物１００重量部に対し
てＳｉＯ₂ 微粉末が１重量部未満になると、ＳｉＯ₂ 微
粉末による作用が得られ難く、また、ＳｉＯ₂ 微粉末が
１０重量部を超えるようになると、可燃性液化ガスの充
填に伴うＳｉＯ₂ 微粉末のゲル化による目詰まりを生ず
る虞れがある。

【００１８】さらに、ＳｉＯ₂ 微粉末としては、２〜４
０μ程度のものが好ましく、また、可燃性液化ガスの吸
着能が良好でしかも無毒性であるという点から、非晶質
のＳｉＯ₂ 微粉末が好適である。

【００１９】なお、本発明によるバーミュキュライトの
粉状物あるいはバーミュキュライトの粉状物とＳｉＯ₂
微粉末とを可燃性液化ガスの担体として利用する可燃性
液化ガス充填ボンベにおいては、可燃性液化ガスの充填
量をボンベの容積の約６０％程度にまで高めることがで
きる。

【００２０】

【作用】本発明第１の発明の可燃性液化ガス充填ボンベ
は、ボンベ内に充填させたバーミュキュライトの粉状物
からなる担体にプロパンやブタン等の可燃性液化ガスを
担持させてなるもので、ボンベに付設させてある噴出口
を開放することにより、液化ガスが常圧下で気化しガス
が噴出する。したがって、この噴出ガスに点火して携帯
コンロやトーチバーナー等として利用する際には、ボン
ベの噴出口からは気化ガスのみが噴出し、可燃性液化ガ
スの担体としてボンベ内に充填されているバーミュキュ
ライトの粉状物は、そのままボンベ内に残存することと
なるため、ボンベを下向きにして使用するような場合に
も、バーミュキュライトの粉状物に担持されている可燃
性液化ガスが液状で流出するようなことが無く、安全に
燃焼させ得る。

【００２１】また、本発明第２の発明の可燃性液化ガス
充填ボンベは、ボンベ内に充填させたバーミュキュライ
トの粉状物とＳｉＯ₂ 微粉末とからなる担体にプロパン
やブタン等の可燃性液化ガスを担持させてなるもので、
ボンベ内に可燃性液化ガスを充填させると、ＳｉＯ₂ 微
粉末がゲル化を起こすため、ボンベに対して外部から加
わる振動に対してのボンベ内の担体の振動が抑えられ、
安定した状態でガスを燃焼させ得る。

【００２２】

【実施例】以下、本発明の可燃性液化ガス充填ボンベの
具体的な構成を実施例に基づいて説明する。

【００２３】実施例１容積５３０ｍｌの噴霧用の耐圧性容器内に、粒径が３２
メッシュ〜３５０メッシュの範囲内（平均粒径１２０メ
ッシュ）で、原石に対する膨張率が１５倍のバーミュキ
ュライトの粉状物１２０ｇを装填した後に、フィルター
付きのバルブを取り付けた。

【００２４】なお、バーミュキュライトの粉状物は流動
性を有しているため、耐圧性容器内への装填操作が、例
えば、パルプ粉の装填操作や多孔性樹脂（スポンジ）の
装填操作の場合と比較して極めて容易に行なえた。ま
た、フィルター付きのバルブの挿入を同様に極めて容易
に行なえた。

【００２５】しかる後に、前記耐圧性容器に取り付けた
バルブの噴出口から、１８０ｇの液化ブタンを注入し、
本発明の１実施例品である可燃性液化ガス充填ボンベ
（Ａ）を得た。

【００２６】得られた可燃性液化ガス充填ボンベ（Ａ）
からのガスの噴出，点火を、ガス充填ボンベ（Ａ）を倒
立させた状態で試みたところ、気化ガスのみが噴出し、
安定した炎が得られた。また、液化ガス充填ボンベ
（Ａ）内の液化ブタンの全量を使用し終える迄フィルム
ターの目詰まりは無かった。

【００２７】実施例２容積５３０ｍｌの噴霧用の耐圧性容器内に、粒径が３２
メッシュ〜３５０メッシュの範囲内（平均粒径１２０メ
ッシュ）で、原石に対する膨張率が１５倍のバーミュキ
ュライトの粉状物１１０ｇと粒径２０μの非晶質ＳｉＯ
₂ 微粉末１０ｇとを装填した後に、フィルター付きのバ
ルブを取り付けた。

【００２８】続いて、前記耐圧性容器に取り付けたバル
ブの噴出口から、１８０ｇの液化ブタンを注入し、本発
明の１実施例品である可燃性液化ガス充填ボンベ（Ｂ）
を得た。

【００２９】得られた可燃性液化ガス充填ボンベ（Ｂ）
からのガスの噴出，点火を、ガス充填ボンベ（Ｂ）を倒
立させた状態で試みたところ、気化ガスのみが噴出し、
安定した炎が得られた。また、可燃性液化ガス充填ボン
ベ（Ｂ）を強く振った場合にも、安定した炎が得られ
た。さらに、液化ガス充填ボンベ（Ｂ）内の液化ブタン
の全量を使用し終える迄、フィルムターの目詰まりは無
かった。

【００３０】なお、ガス充填ボンベ（Ｂ）内の液化ブタ
ンの全量を使用し終えた後に、耐圧性容器を切断して内
部の状態を観察したところ、ＳｉＯ₂ 微粉末がゲル化を
起こしており、このゲル化したＳｉＯ₂ 微粉末がバーミ
ュキュライトの粉状物の振動を抑える作用を奏すること
から、可燃性液化ガス充填ボンベ（Ｂ）を強く振った場
合にも、安定した炎が得られたことが確認できた。

【００３１】比較例１実施例１の工程において、バーミュキュライトの粉状物
の代わりにＳｉＯ₂ 微粉末を利用し、それ以外の工程
は、実施例１の対応する工程と全く同様にして、比較の
ための可燃性液化ガス充填ボンベ（Ｃ）を得た。

【００３２】得られた可燃性液化ガス充填ボンベ（Ｃ）
からのガスの噴出，点火を、ガス充填ボンベ（Ｃ）を倒
立させた状態で試みたところ、気化ガスの全量を使用し
終える前にフィルムターに目詰まりが発生し、液化ガス
充填ボンベ（Ｃ）内の液化ブタンの全量を使用すること
ができなかった。

【００３３】

【発明の効果】本発明の可燃性液化ガス充填ボンベは、
可燃性液化ガスの担体、すなわち、バーミュキュライト
の粉状物あるいは該バーミュキュライトの粉状物に少量
のＳｉＯ₂ 微粉末を添加した担体が、液化ガス充填ボン
ベの使用中にボンベ内のフィルターやステムに目詰まり
を発生させることがなく、また、フィルターに付着した
担体によってガスが噴出しなくなるようなこともなく、
さらには、可燃性液化ガスの担体として使用したバーミ
ュキュライトの粉状物あるいは該バーミュキュライトの
粉状物と少量のＳｉＯ₂ 微粉末との混合物が、可燃性液
化ガスを高効率で吸着し、かつ、一度吸着した可燃性液
化ガスの１部を分離するようなことが無いため、ボンベ
の下部に液化ガスが貯留する等のことが無く、安全でし
かも安定したガスの燃焼を行なえる。したがって、実用
面での価値に優れた効果を有する。

【００３４】また、本発明の可燃性液化ガス充填ボンベ
は、口の狭いガスボンベに対しても担体の装填が容易で
あり、また、担体の充填後にボンベ内にフィルターを挿
入する作業も容易に行なえため、可燃性液化ガス充填ボ
ンベの製作作業が容易である。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ボンベ内に充填させたバーミュキュラ
イトの粉状物からなる担体に可燃性液化ガスを担持させ
たことを特徴とする可燃性液化ガス充填ボンベ。
【請求項２】ボンベ内に充填させたバーミュキュラ
イトの粉状物１００重量部とＳｉＯ₂ 微粉末１〜１０重
量部とからなる担体に可燃性液化ガスを担持させたこと
を特徴とする可燃性液化ガス充填ボンベ。
【請求項３】原石に対するバーミュキュライトの粉
状物の膨張率が１０〜５０倍である請求項１または請求
項２記載の可燃性液化ガス充填ボンベ。
【請求項４】バーミュキュライトの粉状物の粒径が
３２メッシュ〜３５０メッシュの範囲内である請求項
１，請求項２または請求項３記載の可燃性液化ガス充填
ボンベ。