JPH05247812A - 難燃性ネップ入り紙状物及びその製造方法 - Google Patents

難燃性ネップ入り紙状物及びその製造方法

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JPH05247812A
JPH05247812A JP4076141A JP7614192A JPH05247812A JP H05247812 A JPH05247812 A JP H05247812A JP 4076141 A JP4076141 A JP 4076141A JP 7614192 A JP7614192 A JP 7614192A JP H05247812 A JPH05247812 A JP H05247812A
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JP
Japan
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nep
paper
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low melting
retardant
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JP4076141A
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English (en)
Inventor
Masahiro Suda
正弘 須田
Yasuo Nakajima
康雄 中島
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KANEBO TOIDE KK
Kanebo Ltd
Original Assignee
KANEBO TOIDE KK
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 絹短繊維を合成繊維によりバインディングし
たネップ入り紙状物の安全性を損なうことなく難燃性が
付与され、障子紙等として好適な難燃性ネップ入り紙状
物を提供すること及びかかる難燃性ネップ入り紙状物が
簡単且つ安価に得られるようにすることである。 【構成】 ネップを有する絹短繊維と低融点合成繊維と
が交絡され、少なくともその一部が上記低融点合成繊維
の溶融により溶着されてなるネップ入り紙状物に炭酸ナ
トリウム及び/又は炭酸水素ナトリウムを塗被してなる
ことを特徴とし、またその製造方法はネップを有する絹
短繊維と低融点合成繊維とを混綿し、この混綿物をカー
ディングしてウェブ状にした後、これを熱融着加工し、
しかる後炭酸ナトリウム及び/又は炭酸水素ナトリウム
を施与することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性を有するネップ
入り紙状物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より紙は様々な用途に使用されてお
り、特に近年においては、紙の消費が著しく増大し、こ
れに伴って紙の原料となる木材の消費も急増し、多くの
木材が伐採されて、世界の各地で森林が失われつつあ
る。そして、近年においては、環境保全の点から森林の
保護が強く叫ばれ、紙の原料となる木材の入手が次第に
困難になってきた。
【0003】また、上記のように木材を原料にして製造
される紙は、一般に耐水性,機械的強度,寸法安定性等
が低く、簡単に破れたり、印刷時に紙を構成する繊維が
ずれて印刷がうまく行えなかったり、また水に濡れた場
合にはさらに強度や寸法安定性が悪くなると共に、書か
れた文字等がにじんだりするという問題があった。
【0004】一方、従来より行われている絹紡績や絹紬
糸紡績等においては、絹繊維が絡み合ったネップや繊維
の長さが短い絹短繊維を含む落綿が多く発生し、このよ
うに発生した落綿をどのように処分するかが問題となっ
ており、このような落綿の有効な用途の開発が望まれて
いた。
【0005】そこで、本願発明者等は上記のような問題
点を解決するためにネップを有する絹短繊維と低融点合
成繊維とが交絡され、少なくともその一部が上記低融点
合成繊維の溶融により溶着されてなるネップ入り紙状物
(特願平3−45723号参照)を提案したが、紙と同
様燃焼し易いと云う欠点があった。
【0006】一方、紙の難燃性を改善するために、燐酸
アンモニウム,硫酸アンモニウム等の無機塩類を紙に含
浸させたり、三酸化アンチモンやハロゲン化合物を添加
する方法、あるいはパルプ材料に水酸化アルミニウム等
を混合して抄紙する方法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
な方法を絹短繊維を合成繊維によりバインディングした
ネップ入り紙状物に適用した場合、難燃性は向上する
も、幼児等が舐った場合に安全性に問題があり、また製
造コストが高く付くという問題があった。
【0008】この発明は、上記のような事情に鑑みなさ
れたものであり、絹短繊維を合成繊維によりバインディ
ングしたネップ入り紙状物の安全性を損なうことなく難
燃性が付与され、障子紙等として好適な難燃性ネップ入
り紙状物を提供することを課題とするものである。また
他の課題は、かかる難燃性ネップ入り紙状物が簡単且つ
安価に得られるようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明においては、上
記のような課題を解決するものとして、ネップを有する
絹短繊維と低融点合成繊維とが交絡され、少なくともそ
の一部が上記低融点合成繊維の溶融により溶着されてな
るネップ入り紙状物に炭酸ナトリウム及び/又は炭酸水
素ナトリウムを塗被してなる難燃性ネップ入り紙状物を
開発したのである。
【0010】そして、このような難燃性ネップ入り紙状
物を製造するにあたっては、ネップを有する絹短繊維と
低融点合成繊維とを混綿し、この混綿物をカーディング
してウェブ状にした後、これを熱融着加工し、しかる後
炭酸ナトリウム及び/又は炭酸水素ナトリウムを施与す
るようにしたのである。
【0011】ここで、この発明において使用するネップ
入り絹短繊維の原料としては、日本産,中国産,ソ連
産,インド産,韓国産いずれの産地のものであっても良
く、また通常飼育されている家蚕或いは野生している野
蚕のいずれから得られたものであっても良い。
【0012】そして、これらの原料からネップ入りの絹
短繊維を得るにあたっては、絹紡績や絹紬糸紡績等にお
いて発生した落綿から蛹かす等の異物を分離して得るよ
うにする他、これらの原料から絹長繊維を採取し、その
残物であるまゆ屑を開切綿して得るようにする。
【0013】なお、絹は高価な部類に属するものである
が、この発明においては、上記のように絹紡績工程等に
おいて発生するコーマ・ノイル等の屑物を利用すること
ができるため、原料に要するコストは少なくてすむ。
【0014】ここで、上記の絹短繊維としては、その繊
維長が一般的には5〜40mmの繊維長のものを用いる
ようにし、好ましくは、その繊維長が5〜30mmのも
のを用いるようにする。
【0015】また、上記のようにして得られたネップ入
りの絹短繊維を紙状物の原料として使用するにあたって
は、必要に応じて、このネップ入りの絹短繊維を過酸化
水素等の公知の漂白剤を使用して漂白することが好まし
い。
【0016】一方、この発明において使用する低融点合
成繊維としては、160℃よりも低い融点を持つ低融点
成分単独の材料から成るものの他に、このような低融点
成分を少なくとも一部に有するものであってもよく、上
記のような低融点成分とこの低融点成分より高い融点を
有する異種若しくは同種の重合体などをサイドバイドサ
イド型、または同芯ないし偏心型に複合したいわゆる複
合繊維等を使用することができる。そして、上記のよう
な低融点成分としては、ポリエステル系,ポリアミド
系,ポリアクリルニトリル系,ポリエチレン系等のポリ
マーの他、各種変性ないし共重合したポリマーを使用す
ることができる。
【0017】また、上記の低融点合成繊維においては、
その繊度が小さいと熱融着に際して接着密度が高くなる
一方、その繊度が大きいと接着強度が大きくなるため、
通常は繊度が1〜10デニールのものを用いるように
し、またその繊維長は通常2〜100mm、好ましくは
5〜60mmのものを用いるようにする。
【0018】そして、上記のようなネップを含む絹短繊
維と低融点合成繊維とを配合し、これらをカーディング
してウェブ状に形成するにあたり、低融点合成繊維の配
合量が多くなり過ぎると、得られる紙状物の風合いが低
下して粗硬になる一方、その配合量が少なすぎると、得
られる紙状物の寸法安定性が悪くなったりするため、通
常はネップを含む絹短繊維100重量部に対して、低融
点合成繊維を30〜200重量部加えるようにする。
【0019】また、上記のようにカーディングされてウ
ェブ状になったものを熱融着加工して紙状物を得るにあ
たっては、上記のようにウェブ状になったものを低融点
合成繊維の低融点成分が溶融する以上の温度に加熱し、
低融点成分を溶融させると共に、通常はこれに50〜2
00kg/cm2 の圧力を加えて加圧し、ネップを有す
る絹短繊維と低融点合成繊維との交絡部の少なくとも一
部を溶融された低融点成分によって溶着させるようにす
る。
【0020】そして、上記のように熱融着加工されて紙
状物になったものに炭酸ナトリウム及び/又は炭酸水素
ナトリウムを施与するにあたっては、炭酸ナトリウム及
び/又は炭酸水素ナトリウムを水に溶解し、必要であれ
ばポリビニルアルコール,デンプン,酢酸ビニル等の接
着剤と、更に必要であれば界面活性剤を添加した加工液
を、浸漬法,パディング法,スプレー法,コーティング
法等によって施与させるようにする。尚、紙状物に対し
て炭酸ナトリウム及び/又は炭酸水素ナトリウムの量が
多くなり過ぎると、効果の割には経済的でなく、一方そ
の量が少なすぎると、得られる紙状物の難燃性が悪くな
るため、通常は紙状物100重量部に対して、炭酸ナト
リウム及び/又は炭酸水素ナトリウムが5〜10重量部
付着するようにする。
【0021】
【作用】以上にようにして製造された難燃性ネップ入り
紙状物は所定温度以上に加熱された場合、含有されてい
る炭酸ナトリウム及び/又は炭酸水素ナトリウムが熱分
解し、その際水が遊離し蒸発することによる吸熱作用と
炭酸ガスの遊離による不活性ガス作用により難燃効果が
発揮されるようになる。
【0022】
【実施例】以下、この発明に係る難燃性ネップ入り紙状
物及びその製造方法の一実施例について具体的に説明す
る。
【0023】この実施例においては、ネップを有する絹
短繊維を得るにあたり、その原料として絹紡績や絹紬糸
紡績において発生した落綿を用いるようにした。そし
て、この落綿をアナライザーによりネップを有する絹短
繊維と蛹かす異物とに分離し、これを精製した。
【0024】次いで、このようにして得られたネップを
有する絹短繊維を過酸化水素を用いて還元漂白するよう
にした。ここで、ネップを有する絹短繊維を還元漂白す
るにあたっては、ネップを有する絹短繊維に対し、35
%の過酸化水素溶液8重量%とソーダ灰4重量%とを加
え、pH7.6〜7.8に調整し、98℃で約150分
間還元漂白を行なった。
【0025】一方、低融点合成繊維としては、融点が1
10℃の低融点成分と融点が255℃の高融点成分から
なる芯鞘構造のポリエステル複合繊維であって、その繊
維径が4デニール,繊維長が51mmのものを用いるよ
うにした。
【0026】そして、上記のように漂白されたネップを
有する絹短繊維50重量%と上記の低融点合成繊維50
重量%とを配合し、これらを混綿工程及びカード工程を
経て混綿及びカーディングし、目付が70g/m2 にな
ったウェブを得た。
【0027】次いで、このようにして得られたウェブを
金属ロール間に導き、この金属ロール間において温度1
50℃,圧力150kg/cm2 の条件の下で熱融着加
工を行ない、ネップを有する紙状物を得た。
【0028】そして、このようにして得られたネップ入
り紙状物に炭酸水素ナトリウムを用いて難燃化処理する
ようにした。ここで、ネップ入り紙状物を難燃化処理す
るにあたっては、炭酸水素ナトリウム120g/l,ポ
リビニルアルコール10g/l,アニオン系活面活性剤
10g/l及び残部が水からなる水溶液を準備し、これ
にネップ入り紙状物を10分間含浸し、絞ることなく乾
燥し難燃性ネップ入り紙状物を得た。
【0029】次に、実施例で得られた難燃性ネップ入り
紙状物の防炎性の評価を行なった。尚、防炎性の評価は
消防庁施行規則第4条の3の基準(45°ミクロバーナ
ー1分間加熱)を準用して行なった。結果は、炭化面積
は25cm2 ,残炎時間0秒,残じん時間0秒であっ
た。
【0030】以上から明らかなように本発明実施例で得
られたネップ入り紙状物は難燃性能に優れることがわか
る。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明による難燃
性ネップ入り紙状物は難燃効果が高く、また炭酸ナトリ
ウム,炭酸水素ナトリウムは安全性に優れるので障子紙
等に用いた場合に頗る有用である。また本発明の製造方
法は特殊な装置及び薬剤を必要としないので、簡単かつ
安価に製造しうるという効果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネップを有する絹短繊維と低融点合成繊
    維とが交絡され、少なくともその一部が上記低融点合成
    繊維の溶融により溶着されてなるネップ入り紙状物に炭
    酸ナトリウム及び/又は炭酸水素ナトリウムを塗被して
    なる難燃性ネップ入り紙状物。
  2. 【請求項2】 ネップを有する絹短繊維と低融点合成繊
    維とを混綿し、この混綿物をカーディングしてウェブ状
    にした後、これを熱融着加工し、しかる後炭酸ナトリウ
    ム及び/又は炭酸水素ナトリウムを施与することを特徴
    とする難燃性ネップ入り紙状物の製造方法。
JP4076141A 1992-02-26 1992-02-26 難燃性ネップ入り紙状物及びその製造方法 Pending JPH05247812A (ja)

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JP (1) JPH05247812A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4311180C1 (de) * 1993-04-06 1995-01-12 Flachglas Ag Bronzefarbenes oder graufarbenes Kalknatron-Silikatglas
US5618626A (en) * 1992-11-09 1997-04-08 Central Glass Company, Limited Glass plate with ultraviolet absorbing multilayer coating

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5618626A (en) * 1992-11-09 1997-04-08 Central Glass Company, Limited Glass plate with ultraviolet absorbing multilayer coating
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