JPH05247271A - スチールコードとゴム組成物との複合体 - Google Patents

スチールコードとゴム組成物との複合体

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JPH05247271A
JPH05247271A JP4045609A JP4560992A JPH05247271A JP H05247271 A JPH05247271 A JP H05247271A JP 4045609 A JP4045609 A JP 4045609A JP 4560992 A JP4560992 A JP 4560992A JP H05247271 A JPH05247271 A JP H05247271A
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JP
Japan
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rubber composition
steel cord
rubber
weight
plating layer
Prior art date
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Pending
Application number
JP4045609A
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English (en)
Inventor
Yoji Noguchi
洋司 野口
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スチールコードとゴムとの接着性を安定化す
る。 【構成】 加硫前のスチールコードコーティングゴム組
成物中の水分含有率が0.2〜0.7 重量%であり、且つゴ
ム成分 100重量部に対して、硫黄を 0.5〜4.0重量部含
有するゴム組成物中に、表面にコバルトめっき層を有す
るスチールコードを埋設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スチールコードとゴム
組成物との複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】タイヤ、ベルト、ホース等には、ゴム中
に、補強用のスチールコードを埋設した複合体が使用さ
れているが、耐久性等を向上させるためには、スチール
コードとゴム組成物との安定した接着性が要求される。
このために、従来より、スチールコードとゴム組成物と
を接着させるために、コードに銅と亜鉛の合金である黄
銅めっきを施し、ゴム組成物中の硫黄と反応させる直接
接着法が一般的である。
【0003】また、ゴム組成物の耐熱老化性を向上させ
るためには、ゴム組成物中の硫黄含有量を大幅に減らす
ことが必要で、このようなゴム組成物を用いる場合等に
はコードにコバルトめっきを施す方法が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来法のコバ
ルトめっきしたスチールコードとゴム組成物との接着に
あっては、ゴム練り条件、めっき処理条件、加硫条件等
を十分にコントロールした場合であってもコードとゴム
組成物との接着不良の発生を完全に回避することはでき
ないのが実状であった。そこで、本発明は、コバルトめ
っき層を有するスチールコードとゴム組成物との安定し
た接着性を得ることを目的とし、もってこの複合体を適
用したタイヤ、ベルト・ホース等の耐久性を大幅に向上
させる。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、加硫前のスチールコードコーティングゴ
ム組成物中の水分含有率が 0.2〜0.7 重量%であり、且
つゴム成分 100重量部に対して、硫黄を 0.5〜4.0 重量
部含有するゴム組成物中に、表面にコバルトめっき層を
有するスチールコードを埋設してスチールコードとゴム
組成物との複合体を構成する。また、前記コバルトめっ
き層を電気めっき法で形成し、この場合はめっき層の厚
みを 0.05 〜0.40μm の範囲とするとよい。あるいは、
前記コバルトめっき層をドライめっき法で形成し、この
場合はめっき層の厚みを 0.001〜0.15μm の範囲とする
とよい。また、ゴム組成物中の水分含有率については、
電気めっき法の場合が 0.2〜0.6 重量%であり、ドライ
めっき法の場合が 0.3〜0.7 重量%であることが好まし
い。
【0006】ゴム中の水分含有率を上記の範囲に調整す
る方法としては、ゴム配合に用いる天然ゴムの水分含有
率を測定し、ゴム組成物中の水分含有率が0.2 〜0.7 重
量%の範囲に入るものを選んで使用する方法と、加硫前
のゴム組成物を恒温恒湿環境下で一定時間保持し、上記
の範囲の水分含有率に調湿する方法等がある。
【0007】上記コバルトめっき層の形成方法について
は電気めっき法、ドライめっき法のいずれでもよく、ま
ためっき工程はスチールコードの撚り工程の前後いずれ
に行っても差しつかえない。尚、コバルトめっきの素地
としては、鉄並びに鉄上に銅、亜鉛、黄銅等を被覆した
もののいずれでも差しつかえない。また、ゴム組成物の
加硫後の 100%モジュラスが 20Kg/cm2 以上であるよう
にするのが好ましい。
【0008】
【作用】本発明において、加硫前のゴム組成物中の水分
含有率を 0.2〜0.7 重量%の範囲としたのは、0.2 重量
%未満だと、加硫中にゴム組成物中の硫黄とめっきコバ
ルトとの反応(接着反応)が起こりにくく、緻密な、均
一なそして十分な量の接着層が形成されないためであ
る。また 0.7重量%を超えると、ゴム中の硫黄とめっき
コバルトとの反応が激しく進み過ぎて、粗い、脆いそし
て厚い接着層が形成されてしまい、もって、接着層での
破壊が起こることにより、接着性が低下するためであ
る。
【0009】また、ゴム組成物中の硫黄含有量を 0.5〜
4.0 重量部としたのは、0.5 重量部未満だと、架橋反応
及び接着反応に不足し、一方4.0 重量部を超えるとゴム
の耐熱老化性が悪化するためである。また、コバルトめ
っき層の好適な厚みを電気めっき法による場合に0.05〜
0.40μm としたのは、0.05μm 未満とすると、めっき層
厚が均一になりにくく、ときに素地が露出してしまう可
能性もあり、ゴムとの接着が安定化せず、一方0.40μm
を越えるとコバルトめっき層のゲージが厚くなり、生産
効率、コストの面で好ましくないからである。
【0010】同様にドライめっき法による場合にコバル
トめっき層の好適な厚みを 0.001〜0.15μm と規定した
のは、0.001 μm 未満とするとめっき層が島状晶あるい
は網目状晶の状態となり、安定したゴムとの接着が得ら
れず、一方 0.15 μm を超えると生産性、コストの面で
望ましくないばかりか逆に接着性の低下をきたし、好ま
しくないからである。更に、加硫後 100%モジュラスを
20Kg/cm2 以上を好適範囲としたのは、20Kg/cm2未満だ
と、本発明の複合体をタイヤに適用した際に、複合体に
外力が加わった際にゴムの歪が大きくなり過ぎて、耐久
性上に問題が生ずるからである。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。本実施例では、スチールコードのめっき法として、
以下に示す電気めっき法とドライめっき(スパッタリン
グ)法の2通りの方法を用いた。実施例1〜5, 比較例1及び2 電解脱脂及び酸洗(酸浸漬)の前処理にて表面洗浄を施
した後に、電気めっきを下記の電気めっき条件にて行っ
た。コバルトめっき層を形成した後は十分に超音波洗浄
を行い乾燥させた。尚、めっき層厚は 0.30 μm であ
る。電気めっき条件
【0012】
【表1】 めっき液組成 硫黄コバルト 330g/l 塩化コバルト 45g/l ホウ酸 30g/l 塩化ナトリウム 25g/l 浴のpH :4 浴の温度:40℃ 電流密度:5A/dm2 前記コバルトめっき処理の施されたスチールコードを埋
設するゴム組成物としては下記に示す配合処方のゴム組
成物を用い、通常行なわれているゴム配合手順によって
調製した。尚、ゴム組成物中の水分含有率は表3に示す
各種の値のものについて行った。
【0013】
【表2】 天然ゴム 80(重量部) ポリイソプレンゴム 20(重量部) カーボンブラック 50(重量部) 亜 鉛 華 8(重量部) 老化防止剤(米国モンサント社製 商品名:サントフレックス 13) 1.4(重量部) 加硫促進剤 (大内振興 (株) 製 商品名: ノクセラー DZ) 1.5(重量部) 硫 黄 2.5(重量部) 得られたスチールコードとゴム組成物との接着試験は J
IS-K-6301 に準拠して行った。試験法の概要を記載する
と次の通りである。JIS-K-6301剥離試験に準じてコード
径 1.2mmおよび撚り構造3+6のスチールコードを打込
数 26 本/5cmになるようにゴムに埋設して短冊状試料
を作製し、145 ℃で40分加硫して試験片とした。この試
験片を 25mm/min の速度でゴムの引き裂きが起こらない
ようにナイフで切り傷を入れて室温中で剥離させ、その
剥離面を目視により観察し、剥離したコード表面にゴム
が付着している状態を指数評価した。完全接着の状態を
100 とし、指数が大きいほど接着界面状態が良好である
ことを示す。評価結果を表3に示す。
【0014】
【表3】
【0015】表3によると、実施例1〜5の複合体は比
較例1及び2に較べて接着性が大幅に向上することが分
かる。また、実施例1〜5においては、水分含有率が0.
2 〜0.6 重量%の範囲の実施例1〜4がより好結果とな
る。
【0016】実施例6〜10, 比較例3及び4 一方、マグネトロンスパッタリング装置を用いて以下の
ようにしてドライめっきを行った。まず、チャンバー内
を 10 -5Torr以下の真空度としてからこの中に微量のア
ルゴンガスを流入して真空度を 0.1 Torr に調整した
後、13.56MHzの高周波グロー放電にて5分間試験片(ス
チールコード)表面をクリーニングした。クリーニング
後、高周波グロー放電を止め、金属試料(コバルト)タ
ーゲットに直流電圧−600 Vを印加し、ターゲット電流
0.5Aにてアルゴンプラズマでスパッタリングを行な
い、コバルトめっき層を形成した。前記と同様の配合処
方のゴム組成物を用いて、同様に複合体を形成し、剥離
試験を行った。尚、めっき層厚は 0.05 μm である。そ
の結果を表4に示す。
【0017】
【表4】
【0018】表4によると、実施例6〜10の複合体は比
較例3及び4に較べて接着性が大幅に向上することが分
かる。また、実施例6〜10においては、水分含有率が0.
3 〜0.7 重量%の範囲の実施例7〜10がより好結果とな
る。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
コバルトめっきしたスチールコードとゴム組成物との接
着性を大幅に向上させることができる。それによって季
節による接着不良率の悪化等を回避して、安定した接着
性を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加硫前のスチールコードコーティングゴ
    ム組成物中の水分含有率が 0.2〜0.7 重量%であり、且
    つゴム成分 100重量部に対して、硫黄を 0.5〜4.0 重量
    部含有するゴム組成物中に、表面にコバルトめっき層を
    有するスチールコードを埋設してなることを特徴とする
    スチールコードとゴム組成物との複合体。
  2. 【請求項2】 前記コバルトめっき層を電気めっき法で
    形成し、めっき層の厚みを 0.05 〜0.40μm の範囲とす
    ることを特徴とする請求項1記載のスチールコードとゴ
    ム組成物との複合体。
  3. 【請求項3】 前記コバルトめっき層をドライめっき法
    で形成し、めっき層の厚みを 0.001〜0.15μm の範囲と
    することを特徴とする請求項1記載のスチールコードと
    ゴム組成物との複合体。
JP4045609A 1992-03-03 1992-03-03 スチールコードとゴム組成物との複合体 Pending JPH05247271A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017065242A1 (ja) * 2015-10-16 2017-04-20 栃木住友電工株式会社 スチールコードおよびその製造方法

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017065242A1 (ja) * 2015-10-16 2017-04-20 栃木住友電工株式会社 スチールコードおよびその製造方法
JP2017075384A (ja) * 2015-10-16 2017-04-20 栃木住友電工株式会社 スチールコードおよびその製造方法
US10914015B2 (en) 2015-10-16 2021-02-09 Sumitomo Electric Tochigi Co., Ltd. Steel cord and method for producing the same

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