JPH05246962A - 塩基性アミノ酸またはその塩を含む水溶液の防臭方法 - Google Patents
塩基性アミノ酸またはその塩を含む水溶液の防臭方法Info
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- JPH05246962A JPH05246962A JP4044497A JP4449792A JPH05246962A JP H05246962 A JPH05246962 A JP H05246962A JP 4044497 A JP4044497 A JP 4044497A JP 4449792 A JP4449792 A JP 4449792A JP H05246962 A JPH05246962 A JP H05246962A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】塩基性アミノ酸またはその塩を含む水溶液を安
定化し、塩基性アミノ酸に特有な臭いの発生を抑制す
る。 【構成】水溶性還元剤及び／またはキレート剤を水溶液
中に添加する。水溶性還元剤とキレート剤の両方を添加
した場合のほうが、どちらか一方のみの添加と比較して
より防臭効果がある。
定化し、塩基性アミノ酸に特有な臭いの発生を抑制す
る。 【構成】水溶性還元剤及び／またはキレート剤を水溶液
中に添加する。水溶性還元剤とキレート剤の両方を添加
した場合のほうが、どちらか一方のみの添加と比較して
より防臭効果がある。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は塩基性アミノ酸またはそ
の塩を含む水溶液の防臭方法に関し、さらに詳しくは、
水溶性還元剤及び／またはキレート剤を用いることによ
り、塩基性アミノ酸またはその塩を含む水溶液を安定化
し、防臭する方法に関する。
の塩を含む水溶液の防臭方法に関し、さらに詳しくは、
水溶性還元剤及び／またはキレート剤を用いることによ
り、塩基性アミノ酸またはその塩を含む水溶液を安定化
し、防臭する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】塩基性アミノ酸またはその塩を含む水溶
液は、加熱や保存により塩基性アミノ酸特有の臭いを発
するようになることからその利用が限定されてきた。
液は、加熱や保存により塩基性アミノ酸特有の臭いを発
するようになることからその利用が限定されてきた。
【０００３】例えばアニオン界面活性剤の対イオンとし
て、塩基性アミノ酸は、その安全性のため好ましいもの
とされている。しかしながら、そのような界面活性剤を
含む洗浄剤は、保存安定性が悪く、保存中に悪臭を発す
るようになるため、実際には使用することは困難であっ
た。このような、塩基性アミノ酸に由来する臭いを防止
する方法としては、例えば尿素を用いる方法（特開昭５
８−１６８６９５号公報）が知られているが、十分なも
のではなかった。
て、塩基性アミノ酸は、その安全性のため好ましいもの
とされている。しかしながら、そのような界面活性剤を
含む洗浄剤は、保存安定性が悪く、保存中に悪臭を発す
るようになるため、実際には使用することは困難であっ
た。このような、塩基性アミノ酸に由来する臭いを防止
する方法としては、例えば尿素を用いる方法（特開昭５
８−１６８６９５号公報）が知られているが、十分なも
のではなかった。
【０００４】また塩基性アミノ酸は、各種有用化合物の
原料としても重要であるが、水溶液として使用または保
存した場合、特に弱酸性からアルカリ条件下では安定性
が悪く、容易に悪臭を発するようになるため、低温で使
用または保存する必要があった。
原料としても重要であるが、水溶液として使用または保
存した場合、特に弱酸性からアルカリ条件下では安定性
が悪く、容易に悪臭を発するようになるため、低温で使
用または保存する必要があった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塩基
性アミノ酸またはその塩を含む水溶液を安定化し、臭い
の発生を抑制する方法を提供することである。
性アミノ酸またはその塩を含む水溶液を安定化し、臭い
の発生を抑制する方法を提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため、鋭意検討した結果、水溶性還元剤及び／
またはキレート剤が塩基性アミノ酸またはその塩を含む
水溶液を安定化し、臭気の発生を防止することを見いだ
し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、水
溶性還元剤及び／またはキレート剤を用いることを特徴
とする塩基性アミノ酸またはその塩を含む水溶液の防臭
方法である。
解決するため、鋭意検討した結果、水溶性還元剤及び／
またはキレート剤が塩基性アミノ酸またはその塩を含む
水溶液を安定化し、臭気の発生を防止することを見いだ
し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、水
溶性還元剤及び／またはキレート剤を用いることを特徴
とする塩基性アミノ酸またはその塩を含む水溶液の防臭
方法である。
【０００７】本発明における塩基性アミノ酸とは、リジ
ン、アルギニン、オルニチン、ヒドロキシリジン、ヒス
チジンなど塩基性側鎖を有するアミノ酸をいう。
ン、アルギニン、オルニチン、ヒドロキシリジン、ヒス
チジンなど塩基性側鎖を有するアミノ酸をいう。
【０００８】本発明で用いる水溶性還元剤としては、亜
硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、アスコルビン酸塩、
エリソルビン酸塩などが挙げられる。これらは単独また
は組合せて用いることができる。
硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、アスコルビン酸塩、
エリソルビン酸塩などが挙げられる。これらは単独また
は組合せて用いることができる。
【０００９】水溶性還元剤の濃度は用いる水溶性還元剤
の種類、塩基性アミノ酸の種類、水溶液の保存条件など
によって異なるが、０．００５〜２０重量％（以下単に
％で表わす）、好ましくは０．０２〜５％である。０．
００５％以下の濃度では安定化の効果を十分に維持する
ことが困難である。しかし、水溶性還元剤の存在が特に
問題とならない場合、例えば高濃度の塩基性アミノ酸ま
たはその塩を含む水溶液を水などで希釈して用いる場合
の高濃度溶液の保存時などでは、水溶性還元剤を２０％
以上の濃度で使用することもできる。
の種類、塩基性アミノ酸の種類、水溶液の保存条件など
によって異なるが、０．００５〜２０重量％（以下単に
％で表わす）、好ましくは０．０２〜５％である。０．
００５％以下の濃度では安定化の効果を十分に維持する
ことが困難である。しかし、水溶性還元剤の存在が特に
問題とならない場合、例えば高濃度の塩基性アミノ酸ま
たはその塩を含む水溶液を水などで希釈して用いる場合
の高濃度溶液の保存時などでは、水溶性還元剤を２０％
以上の濃度で使用することもできる。
【００１０】本発明で用いるキレート剤としてはエチレ
ンジアミン四酢酸（ＥＤＴＡ）、エチレングリコールビ
ス（２−アミノエチルエーテル）四酢酸、１−ヒドロキ
シエチリデン−１，１−ジホスホン酸（ＨＥＤＰ）、エ
チレンジアミンテトラ（メチレンホスホン酸）、酒石
酸、クエン酸及びそれらの塩などが挙げられる。これら
は単独または組合わせて用いることができる。
ンジアミン四酢酸（ＥＤＴＡ）、エチレングリコールビ
ス（２−アミノエチルエーテル）四酢酸、１−ヒドロキ
シエチリデン−１，１−ジホスホン酸（ＨＥＤＰ）、エ
チレンジアミンテトラ（メチレンホスホン酸）、酒石
酸、クエン酸及びそれらの塩などが挙げられる。これら
は単独または組合わせて用いることができる。
【００１１】キレート剤の濃度は用いるキレート剤の種
類、塩基性アミノ酸の種類、水溶液の保存条件などによ
って異なるが、０．００２〜１０％、好ましくは０．０
１〜５％である。０．００２％以下の濃度では安定化の
効果を十分に維持することが困難である。また、前記水
溶性還元剤の場合と同様に、１０％以上の濃度で使用す
ることも可能である。
類、塩基性アミノ酸の種類、水溶液の保存条件などによ
って異なるが、０．００２〜１０％、好ましくは０．０
１〜５％である。０．００２％以下の濃度では安定化の
効果を十分に維持することが困難である。また、前記水
溶性還元剤の場合と同様に、１０％以上の濃度で使用す
ることも可能である。
【００１２】本発明の方法は、水溶性還元剤またはキレ
ート剤のどちらか一方のみを使用しても十分な防臭効果
が得られるが、これらを同時に用いることにより、さら
に防臭効果をあげることが可能である。
ート剤のどちらか一方のみを使用しても十分な防臭効果
が得られるが、これらを同時に用いることにより、さら
に防臭効果をあげることが可能である。
【００１３】本発明の方法が塩基性アミノ酸またはその
塩を含む水溶液の防臭に有効である理由は、臭いの原因
となる物質の構造及び生成機構が十分解明されていない
ため不明であるが、還元剤及びキレート剤が、水溶液中
に含まれる微量の金属によって引き起こされる反応を抑
制するためと考えられる。
塩を含む水溶液の防臭に有効である理由は、臭いの原因
となる物質の構造及び生成機構が十分解明されていない
ため不明であるが、還元剤及びキレート剤が、水溶液中
に含まれる微量の金属によって引き起こされる反応を抑
制するためと考えられる。
【００１４】
【効果】本発明の方法は、塩基性アミノ酸またはその塩
を含む水溶液を安定化し、臭いの発生を抑制する効果的
な方法である。この方法により、これまで限られていた
塩基性アミノ酸またはその塩を含む水溶液の利用が容易
となる。
を含む水溶液を安定化し、臭いの発生を抑制する効果的
な方法である。この方法により、これまで限られていた
塩基性アミノ酸またはその塩を含む水溶液の利用が容易
となる。
【００１５】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。
本実施例で用いた臭いの評価方法は、男女各１０名のパ
ネラーによる官能試験により行った。評価の基準は、
◎；全く臭いが無い、○；ほとんど臭いが無い、△；わ
ずかに臭う、×；臭う、で表わす。
本実施例で用いた臭いの評価方法は、男女各１０名のパ
ネラーによる官能試験により行った。評価の基準は、
◎；全く臭いが無い、○；ほとんど臭いが無い、△；わ
ずかに臭う、×；臭う、で表わす。
【００１６】実施例１ ３０％やし油脂肪酸Ｌ−リジン塩水溶液５０ｇに表１に
示す水溶性還元剤を加え４０℃で１カ月間保存した後、
臭いの評価を行った。その結果を表１に示す。
示す水溶性還元剤を加え４０℃で１カ月間保存した後、
臭いの評価を行った。その結果を表１に示す。
【００１７】
【表１】
【００１８】水溶性還元剤を用いることでリジン特有の
臭いが抑えられたことがわかる。
臭いが抑えられたことがわかる。
【００１９】実施例２ ５０％Ｌ−リジン水溶液５０ｇに表２に示すキレート剤
を加え、４０℃で１カ月間保存した後、臭いの評価を行
った。その結果を表２に示す。
を加え、４０℃で１カ月間保存した後、臭いの評価を行
った。その結果を表２に示す。
【００２０】
【表２】
【００２１】キレート剤を用いることでリジン特有の臭
いが抑えられたことがわかる。
いが抑えられたことがわかる。
【００２２】実施例３ ５０％Ｌ−リジン水溶液５０ｇに表３に示す水溶性還元
剤を０．０１％、キレート剤としてＥＤＴＡを０．０１
％の濃度になるよう加え、４０℃での保存安定性を調べ
た。その結果を表３に示す。
剤を０．０１％、キレート剤としてＥＤＴＡを０．０１
％の濃度になるよう加え、４０℃での保存安定性を調べ
た。その結果を表３に示す。
【００２３】
【表３】
【００２４】水溶性還元剤とキレート剤の両方を加えた
ものは、それぞれ単独で用いた場合と比較して防臭効果
がさらに改善されていた。
ものは、それぞれ単独で用いた場合と比較して防臭効果
がさらに改善されていた。
【００２５】使用例１ ボディーシャンプー 下に示す成分Ａを８０℃で加熱溶解し、次いで攪拌しな
がら冷却し６０℃で成分Ｂを添加し３０℃まで冷却し製
品を得た。このものは、塩基性アミノ酸特有の臭いは全
くなかった。 成分Ａ やし油脂肪酸リジン塩（３５％水溶液） ６０重量％ 亜硫酸ナトリウム ０．１ チオ硫酸ナトリウム ０．５ やし油脂肪酸ジエタノールアミド ５ １，３−ブチレングリコール ５ ヒドロキシエチルセルロース ３ 防腐剤 適量 精製水 残量 成分Ｂ 香料 適量
がら冷却し６０℃で成分Ｂを添加し３０℃まで冷却し製
品を得た。このものは、塩基性アミノ酸特有の臭いは全
くなかった。 成分Ａ やし油脂肪酸リジン塩（３５％水溶液） ６０重量％ 亜硫酸ナトリウム ０．１ チオ硫酸ナトリウム ０．５ やし油脂肪酸ジエタノールアミド ５ １，３−ブチレングリコール ５ ヒドロキシエチルセルロース ３ 防腐剤 適量 精製水 残量 成分Ｂ 香料 適量
Claims (3)
- 【請求項１】 水溶性還元剤及び／またはキレート剤を
用いることを特徴とする塩基性アミノ酸またはその塩を
含む水溶液の防臭方法。 - 【請求項２】 水溶性還元剤が亜硫酸塩、チオ硫酸塩ま
たは亜リン酸塩である請求項１記載の防臭方法。 - 【請求項３】 キレート剤がエチレンジアミン四酢酸、
１−ヒドロキシエチリデン−１，１−ジホスホン酸また
はその塩である請求項１記載の防臭方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4044497A JPH05246962A (ja) | 1992-03-02 | 1992-03-02 | 塩基性アミノ酸またはその塩を含む水溶液の防臭方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4044497A JPH05246962A (ja) | 1992-03-02 | 1992-03-02 | 塩基性アミノ酸またはその塩を含む水溶液の防臭方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05246962A true JPH05246962A (ja) | 1993-09-24 |
Family
ID=12693194
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4044497A Pending JPH05246962A (ja) | 1992-03-02 | 1992-03-02 | 塩基性アミノ酸またはその塩を含む水溶液の防臭方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05246962A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006137671A (ja) * | 2004-11-10 | 2006-06-01 | Kao Corp | アミノカルボン酸エステルの保存方法 |
| WO2009064004A1 (ja) | 2007-11-16 | 2009-05-22 | Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. | シトルリン含有飲料 |
| JP2011144143A (ja) * | 2010-01-15 | 2011-07-28 | Shiseido Co Ltd | 皮膚外用剤 |
| KR20170033101A (ko) | 2015-09-16 | 2017-03-24 | 원광대학교산학협력단 | 시트룰린을 유효성분으로 함유하는 간 기능 개선용 조성물 |
| JP2017193504A (ja) * | 2016-04-20 | 2017-10-26 | 株式会社ナリス化粧品 | 消臭化粧料 |
| WO2023067826A1 (ja) * | 2021-10-22 | 2023-04-27 | 株式会社ダリヤ | 不快臭抑制剤 |
-
1992
- 1992-03-02 JP JP4044497A patent/JPH05246962A/ja active Pending
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006137671A (ja) * | 2004-11-10 | 2006-06-01 | Kao Corp | アミノカルボン酸エステルの保存方法 |
| JP4531528B2 (ja) * | 2004-11-10 | 2010-08-25 | 花王株式会社 | アミノカルボン酸エステルの保存方法 |
| WO2009064004A1 (ja) | 2007-11-16 | 2009-05-22 | Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. | シトルリン含有飲料 |
| US8679568B2 (en) | 2007-11-16 | 2014-03-25 | Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. | Citrulline-containing beverage |
| JP2014236743A (ja) * | 2007-11-16 | 2014-12-18 | 協和発酵バイオ株式会社 | シトルリン含有飲料 |
| US9375479B2 (en) | 2007-11-16 | 2016-06-28 | Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. | Citrulline containing beverage |
| JP5944091B2 (ja) * | 2007-11-16 | 2016-07-05 | 協和発酵バイオ株式会社 | シトルリン含有飲料 |
| JP2011144143A (ja) * | 2010-01-15 | 2011-07-28 | Shiseido Co Ltd | 皮膚外用剤 |
| KR20170033101A (ko) | 2015-09-16 | 2017-03-24 | 원광대학교산학협력단 | 시트룰린을 유효성분으로 함유하는 간 기능 개선용 조성물 |
| JP2017193504A (ja) * | 2016-04-20 | 2017-10-26 | 株式会社ナリス化粧品 | 消臭化粧料 |
| WO2023067826A1 (ja) * | 2021-10-22 | 2023-04-27 | 株式会社ダリヤ | 不快臭抑制剤 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20040224 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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| A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20040607 |
|
| A521 | Written amendment |
Effective date: 20040607 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070828 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080108 |