JPH05246777A - 雲母の表面修飾方法 - Google Patents

雲母の表面修飾方法

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JPH05246777A
JPH05246777A JP8165392A JP8165392A JPH05246777A JP H05246777 A JPH05246777 A JP H05246777A JP 8165392 A JP8165392 A JP 8165392A JP 8165392 A JP8165392 A JP 8165392A JP H05246777 A JPH05246777 A JP H05246777A
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mica
plasma
flake
reaction
vapor
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JP8165392A
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Hiroshi Okusa
洋 大草
Kazue Kurihara
和枝 栗原
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Japan Science and Technology Agency
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Research Development Corp of Japan
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B14/00Use of inorganic materials as fillers, e.g. pigments, for mortars, concrete or artificial stone; Treatment of inorganic materials specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone
    • C04B14/02Granular materials, e.g. microballoons
    • C04B14/04Silica-rich materials; Silicates
    • C04B14/20Mica; Vermiculite

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  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多様なニーズに応じた種々の特性を持つ修飾
膜を雲母表面に共有結合によって生成する。 【構成】 雲母表面に水蒸気プラズマを照射した後、減
圧下で一般式[I]で表されるシラン化合物の蒸気と接
触させる。 【化1】 【効果】 水蒸気プラズマ照射と減圧下シラン化処理と
の組み合わせにより、種々のシラン化剤で雲母表面を化
学修飾することができる。処理された雲母は、各種添加
剤,表面測定用基板等として広範な分野で使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多様なニーズに対応し
て種々の特性を呈するように雲母表面を修飾する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】雲母は、合成樹脂,塗料等に対する添加
物として使用されている。雲母の添加によって、合成樹
脂,塗料等の有機材料の耐熱性及び耐候性が向上すると
共に、機械的強度の改善も図られる。また、化粧品等に
雲母を添加するとき、白色度や光沢性に優れた製品が得
られる。
【0003】雲母を添加物として使用するとき、樹脂や
媒体に対する親和性を調整することが必要である。親和
性が不十分であると、合成樹脂,塗料,化粧品等への雲
母添加によって所期の性質改善を十分に行うことができ
ず、一部の性質が逆に劣化する場合もある。たとえば、
化粧品に雲母を添加したものにあっては、雲母が凝集や
沈澱を起こし易く、保存状況下で品質安定性が保たれな
い。
【0004】これらの欠点は、樹脂,媒体等に対して高
い親和性をもつ表面状態に添加前の雲母を改質すること
により解消される。たとえば、雲母の表面を所定の化学
物質で修飾するとき、表面特性が変わり、樹脂,媒体等
に対する親和性が高くなる。しかし、雲母の表面を改質
することは容易でなく、また改質後の特性も安定化しな
い。
【0005】雲母は、他の物質にみられない特殊な劈開
面をもっている。分子オーダーの極めて平滑な劈開面を
活用し、種々の分野で雲母を使用する試みが行われてい
る。たとえば、物質表面をナノメータスケールで評価・
観察するとき、表面力直接測定装置,原子間力顕微鏡
(AFM)等の機器が使用されている。これらの測定法
において、極めて平滑な表面をもった測定用基板が必要
となるが、雲母の劈開面は測定用基板に適した表面を提
供する。
【0006】測定用基板として使用される雲母を種々の
対象物に広く適用するためには、その対象物に応じた状
態に雲母表面を修飾することが必要になる。この場合に
も、添加剤と同様に雲母の劈開面が化学的に不活性であ
ることから、所定の特性をもった表面層を安定して形成
することができない現状である。
【0007】表面修飾法として、吸着法が採用されてい
る。吸着法では、負電荷をもっている雲母表面の性質を
利用し、所定の化合物を雲母表面に吸着させる。たとえ
ば、化学修飾で雲母の表面を改質するイオン交換法が特
開昭63−3753号公報で紹介されている。この方法
は、膨潤性雲母の層間アルカリイオンをイオン交換法に
より置換するものであり、イオン結合した修飾膜が雲母
表面に形成される。
【0008】LB法も、雲母の表面修飾に使用されてい
る。LB法では、両親媒性物質を液面に展開して単分子
膜を形成し、そこに雲母を浸漬し引き上げることによ
り、単分子膜を雲母表面に移し取り累積させる。累積可
能な単分子膜は、液体表面に単分子膜を形成することが
できる両親媒性物質に限られる。そのため、LB法によ
る雲母の表面修飾は、汎用性に欠け、多様なニーズに応
じた特性をもつ表面修飾に適さない。
【0009】何れの方法においても、媒体の種類によっ
ては安定性が不十分で、修飾層が雲母表面から剥離する
場合がある。この点、多様なニーズに応じ且つ安定性に
優れた修飾表面を作製するためには、雲母表面に共有結
合した修飾層を形成する化学修飾が理想的である。しか
し、雲母の表面が化学的に不活性であるため、化学修飾
層を雲母表面に形成することは一般的に困難であるとさ
れている。
【0010】共有結合によって雲母表面を修飾する方法
として、クロロシラン化合物により雲母表面を疎水化す
ることがJournal of Physical Chemistry (1989
年)第98巻第6121頁で報告されている。この方法
においては、雲母表面を水蒸気プラズマで活性化した
後、アルキルクロロシラン化合物を反応させることによ
って、アルキル基を雲母表面に共有結合させている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】イオン交換法では、修
飾可能な雲母が膨潤性雲母に限られる。また、修飾に使
用される物質も、陽イオン性の化合物に限られ、アニオ
ン性化合物やノニオン性化合物で雲母表面を修飾するこ
とができない。そのため、イオン交換法は、汎用性に乏
しく、多様なニーズに対応した特性で表面修飾すること
ができない。しかも、雲母表面に形成された修飾層は、
媒体の種類によっては安定性が不十分である。
【0012】前掲のクロロシラン化合物で雲母表面を疎
水化する方法においては、クロロシラン化合物が常温で
ある程度の蒸気圧を持つことが必要であり、使用可能な
化合物が限られる。雲母表面を更に機能化させるために
は種々の官能基を雲母表面に導入することが要求され、
このような種々の官能基を有するシラン誘導体には蒸気
圧の低いものが多い。また、官能基の種類によってはシ
ラン誘導体の反応性が低くなり、共有結合で雲母表面を
化学修飾することが困難になる。
【0013】本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、水蒸気プラズマ照射と減圧下での
シラン化処理を組み合わせることにより、官能基の種類
に拘らず、雲母表面の化学修飾を安定した条件下で行
い、多様なニーズに対応した特性を付与することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の修飾方法は、そ
の目的を達成するため、雲母表面に水蒸気プラズマを照
射した後、減圧下で一般式[I]で表されるシラン化合
物の蒸気と接触させることを特徴とする。
【0015】
【化2】
【0016】式[I]におけるXは、アルコキシ基,塩
素原子,臭素原子又は沃素原子を表す。また、R1 ,R
2 及びR3 のうち、少なくとも一つはXよりも加水分解
を受けにくい置換基を表す。置換基R1 ,R2 及びR3
の何れもがアルコキシ基Xよりも加水分解を受け易いも
のであると、先に雲母表面の水酸基と反応・離脱し、目
的とする修飾層が形成されない。
【0017】置換基R1 ,R2 及びR3 としては、具体
的には直鎖状又は分岐したアルキル基,フェニル基等が
掲げられる。また、置換基R1 ,R2 及びR3 の一つR
1 が直鎖状又は分岐したアルキル基,フェニル基等であ
るとき、他の置換基R2 及びR3 はアルコキシ基,水素
原子,ハロゲン原子等であっても良い。
【0018】アルキル基,フェニル基等には、任意の位
置に更に他の置換基を有してもよい。この置換基として
は、ハロゲン原子,アミノ基,メルカプト基,アルコキ
シ基,アリールオキシ基,エポキシ基,シアノ基,アリ
ール基,ピリジル基,アシル基,アシルアミノ基,スル
ホンアミド基等がある。
【0019】一般式[I]で表わされる化合物は、特に
本発明を制限するものではないが、蒸気圧が低いものほ
ど本発明の作用・効果が発揮される。蒸気圧の高い化合
物は、常圧下でのシラン化処理にも使用可能であるが、
減圧下で使用する場合には反応温度を下げることがで
き、反応速度、ひいては修飾量の制御が容易になる。一
般式[I]で表わされるシラン化合物の具体例を表1に
示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【作用】雲母表面を水蒸気プラズマで照射するとき、活
性な水酸基が雲母表面に生成される。生成した水酸基
は、極めて平滑な雲母表面に形成されているため、反応
方向に指向性がある二次元的な反応場を提供する。この
雲母表面に一般式[I]の化合物を減圧下で反応させる
と、効率よく雲母表面を化学修飾することができる。雲
母表面と一般式[I]の化合物との反応が減圧雰囲気で
促進される理由は、次のように推察される。
【0022】雲母表面に形成されている水酸基は、減圧
雰囲気において一般式[I]の化合物と反応し、雲母表
面に反応生成物HXを生成する。反応生成物HXは、一
般的に一般式[I]の化合物に比較して低い蒸気圧を呈
し、速やかに反応系から除かれる。そのため、修飾反応
が促進されると共に、逆反応が抑制される。
【0023】その結果、一般式[I]の化合物が水酸基
で効率よく捕捉され、常圧では反応しにくい化合物によ
っても雲母表面を化学修飾することができる。また、水
蒸気プラズマの照射によって形成された特異な反応場で
修飾層が作製されることから、目的とする機能を備え且
つ雲母表面特有の平滑性を反映した平滑な修飾表面が安
定して得られる。
【0024】反応雰囲気を減圧にするとき、一般式
[I]で表される化合物の蒸気圧が高まり、雲母表面に
衝突する確率が大きくなる。また、低温では十分な蒸気
圧が得られず、高温では分解してしまう化合物をシラン
化剤として使用することが可能になる。減圧雰囲気は、
雲母表面に異分子が吸着することを抑制し、表面水酸基
の反応活性を確保する上でも有効である。
【0025】反応雰囲気の真空度は、表面水酸基と一般
式[I]の化合物との結合反応を促進させる上で380
mmHg以下にすることが好ましい。原理的には、真空
度を高くすると、一般式[I]で表される化合物の分圧
が大きくなり、化学修飾が促進される。この真空度によ
る化学修飾の促進作用は、380mmHg以上の真空度
で現れる。しかし、真空度を極端に高くすると、化学修
飾に消費されずに反応域から排出されるシラン化合物の
蒸気量が増加する。
【0026】表面を修飾される雲母の修飾の有無及び修
飾法を評価する方法として、フーリエ変換赤外分光法
(FT−IR),X線光電子分光法(XPS)等があ
る。なかでも、X線光電子分光法(XPS)は、雲母表
面に微量に存在する修飾層中の元素を高感度で検出でき
ることから、表面修飾された雲母の評価法として適して
いる。
【0027】表面修飾された雲母では、X線光電子分光
法(XPS)を用いて修飾量を評価することができる。
しかし、雲母等の層状構造をもつ物質では、原子の表面
からの距離,光電子の平均自由行程を考慮して、X線光
電子シグナルに対する所定原子の寄与度を求める必要が
ある。
【0028】配向試料中にある元素のX線光電子シグナ
ルへの寄与は、一般に式(1)で表される。ただし、I
d は試料表面から深さdの位置にある原子AによるX線
光電子シグナルに対する寄与を、nd は深さdの位置に
ある元素Aの数,λは元素Aからの光電子の平均自由行
程,θは光電子の取出し角を表す。そこで、Id を深さ
方向に積算することにより、元素Aの光電子強度が理論
的に求められる。 Id =nd ・exp(−dλ/sinθ)・・・・・(1)
【0029】たとえば、白雲母は、図1に示すような層
状構造を持っていることが知られている。この構造に基
づき式(1)を適用すると、未修飾雲母における各原子
のXPSシグナルに対する寄与が計算される。得られる
計算値は、実測値に対して高い一致性を示す。
【0030】雲母表面がある密度で修飾した化合物によ
って被覆されていると仮定する。この化学修飾された雲
母表面に式(1)を適用すると、この仮定の下での修飾
表面における元素比が求められる。そして、求めた元素
比が実測値に近くなるように仮定した密度をフィッティ
ングさせることにより、単位表面積当りにシラン化合物
が反応した量が得られる。
【0031】このようにして、式(1)式を用いてX線
光電子のシグナルに対する寄与を求め、実際のデータと
比較するとき、単位表面積当りの反応分子数、ひいては
被覆率を求めることができる。この解析法によって、配
向した層状構造を持つ雲母の原子濃度が正確に把握され
る。
【0032】[解析例]白雲母薄片を、次の条件下で水
蒸気プラズマ処理した。劈開したシート状の白雲母薄片
をプラズマ処理装置の反応容器内に設置し、容器内を
0.08mmHgまで排気した。次いで、アルゴンをキ
ャリアガスとして流量78ml/分で水蒸気を導入し
た。出力100Wで高周波電圧を印加し、10分間プラ
ズマを照射した。
【0033】水蒸気プラズマ処理した白雲母の組成を、
X線光電子分光機(XPS)により実測した。また、式
(1)を用いて、白雲母の結晶構造から組成を計算し
た。実測値及び計算値を表2に比較して示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2から明らかなように、XPSによる実
測値は、式(1)を用いて白雲母の結晶構造から求めた
計算値に一致していることが判る。このことは、雲母表
面のような配向試料中の原子濃度を、式(1)によって
比較的正確に求めることができることを示す。
【0036】次いで、雲母表面を化合物1で化学修飾し
た。化学修飾は、水蒸気プラズマで照射された雲母を当
初2.0mmHgの減圧雰囲気にし、60℃で16時間
にわたり化合物1の蒸気と接触させることにより行っ
た。真空度は、接触反応の経過に伴って0.4mmHg
まで低下した。
【0037】この場合、雲母表面が1nm2 当り2.8
個の化合物1で修飾されたと仮定したとき、表2に示す
ように計算値と実測値とがほぼ一致していた。そこで、
このときのシラン化合物の密度を修飾量とした。なお、
光電子の平均自由行程については、Journal of Colloid
and Interface Science (1987年)第119巻第1
55頁からλ=3.0nmとした。
【0038】
【表3】
【0039】
【実施例】
−実施例1−本発明試料1の作製 :劈開した雲母薄片をプラズマ処理
装置の反応容器内に設置し、容器内を真空度0.08m
mHgまで排気した。次いで、アルゴンをキャリヤーガ
スとして流量78ml/分で水蒸気を導入した。出力1
00Wで高周波電圧を印加し、10分間プラズマ処理を
施した。
【0040】容器内を0.08mmHgまで再び排気し
た後、水蒸気プラズマ照射された雲母薄片を取り出し、
予め底部にシラン化剤(クロロメチルフェニルエチルト
リクロロシラン)を入れたシラン化処理用反応容器に移
した。
【0041】反応容器を1mmHgに減圧し、80℃に
加温することにより、雲母薄片をシラン化剤蒸気機と接
触,反応させた。反応を1時間継続した後、雲母薄片を
エチルエーテルで洗浄した。
【0042】比較例試料1の作製:同様なプラズマ処理
を施した雲母薄片を、常圧でシラン化処理した。この場
合、シラン化剤(クロロメチルフェニルエチルクロロシ
ラン)の10%トルエン溶液を入れたシラン化処理用反
応容器に雲母薄片を入れ、反応容器を常圧で80℃に加
温した。この条件を1時間保ち、雲母薄片をシラン化剤
の蒸気と反応させた。シラン化処理後の雲母薄片は、ジ
エチルエーテルで洗浄した。
【0043】修飾量の評価:X線光電子分光装置を用い
て化学修飾された雲母表面を分析し、前述した解析例と
同様な方法で修飾量を評価した。評価結果を示す表4か
ら明らかなように、本発明試料1は、シラン化処理を常
圧で行った比較例試料1と比較して修飾量が増加してい
ることが判る。
【0044】
【表4】
【0045】−実施例2− 本実施例においては、雲母表面に形成された修飾層を、
表面の疎水性によって評価した。疎水性は、雲母表面に
滴下した水滴が雲母表面との間になす角度を測る接触角
法によって測定した。使用した各試料は、次の通りであ
る。
【0046】本発明試料2:実施例1と同じ条件下でプ
ラズマ処理を施した雲母薄片を、シラン化剤としてオク
タデシルトリクロロシランを予め底部に入れたシラン化
処理用反応容器に移した。反応容器内を5mmHgに減
圧し、80℃に加温することによって、雲母薄片をシラ
ン化剤の蒸気と接触・反応させた。反応を1時間継続し
た後、雲母薄片をエタノールで洗浄することにより、本
発明試料2を作製した。
【0047】比較例試料2:実施例1と同じ条件下でプ
ラズマ処理を施した雲母薄片を、シラン化剤としてオク
タデシルトリクロロシランの10%トルエン溶液を予め
底部に入れたシラン化処理用反応容器に移した。反応容
器を常圧で80℃に加温することによって、雲母薄片を
シラン化剤の蒸気と接触・反応させた。反応を1時間継
続した後、雲母薄片をエタノールで洗浄することによ
り、比較例試料2を作製した。
【0048】比較例試料3:劈開したままの雲母薄片
を、比較例試料3として使用した。
【0049】
【表5】
【0050】各試料の接触角を、表5に示す。表5から
明らかなように、本発明試料2は、比較例試料2に比較
して、接触角が著しく増加している。このことから、減
圧下でシラン化処理を行うことによって、雲母表面の化
学修飾が促進されることが判る。これに対し、常圧下で
シラン化処理を施した比較例試料2は、シラン化処理を
施していない比較例試料3とほぼ同じ接触角を示す。す
なわち、常圧下でシラン化処理を行った場合、雲母表面
の化学修飾が実質的に進行していないことが示されてい
る。
【0051】以上の実施例においては、クロロメチルエ
チルフェニルトリクロロシラン及びオクタデシルトリク
ロロシランをシラン化剤として使用した。しかし、使用
可能なシラン化剤には、表1に掲げたものを始めとし
て、常圧下のシラン化処理では使用できなかった種々の
シラン化剤が使用される。
【0052】減圧下のシラン化処理により反応温度が低
下し、雲母表面が短時間で高密度修飾され、化学修飾膜
の量的規制も高い自由度で行うことができた。この傾向
は、反応性の低いシラン化剤を使用した場合にあっても
同様であった。しかも、高密度で修飾した場合にも、雲
母表面に形成された修飾層は均一なものであった。ま
た、反応温度が低いことから、高温では分解し易いシラ
ン化剤を使用することができ、より広い範囲で修飾量及
び修飾層の特性を制御することができた。
【0053】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、水蒸気プラズマ照射と減圧下のシラン化処理とを組
み合わせることにより、所与の特性をもつ化学修飾膜を
安定して雲母表面に形成することが可能となる。また、
常圧下における従来のシラン化処理では不適であったシ
ラン化剤をも使用することができるため、多様なニーズ
に応じて種々の特性を持つ修飾表面を有する雲母が得ら
れる。このようにして化学修飾された雲母は、各種添加
剤,触媒材料,光学材料,表面測定用基板材料等として
広範な分野で使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 白雲母の断面モデル及び各原子の層中におけ
る位置関係

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雲母表面に水蒸気プラズマを照射した
    後、減圧下で一般式[I]で表されるシラン化合物の蒸
    気と接触させることを特徴とする雲母の表面修飾方法。 【化1】
JP8165392A 1992-03-03 1992-03-03 雲母の表面修飾方法 Pending JPH05246777A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100655126B1 (ko) * 2005-11-01 2006-12-08 (주)용궁일라이트 무성 방전에 의해 개질된 일라이트의 탈철방법
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