JPH05246633A - エレベータ群管理制御装置の構築方法 - Google Patents

エレベータ群管理制御装置の構築方法

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JPH05246633A
JPH05246633A JP4084778A JP8477892A JPH05246633A JP H05246633 A JPH05246633 A JP H05246633A JP 4084778 A JP4084778 A JP 4084778A JP 8477892 A JP8477892 A JP 8477892A JP H05246633 A JPH05246633 A JP H05246633A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高性能の呼び割当用ニューラルネットを効率
よく構成し、かつ現場の状況の変化に速やかに適応でき
るようにする。 【構成】 ニューラルネットを3段階に分けて構築す
る。第1段階では予測待時間を出力とするニューラルネ
ットを構成する。第2段階ではその入力層と中間層を流
用し、出力層だけを呼び割当用に再構成して教師信号に
より学習する。第3段階では出力層だけに限定して強化
学習を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニューラルネットを用
いて呼びの割当てを行うエレベータの群管理制御装置に
関し、特にそのニューラルネットを効率よく各現場に適
応させることのできる、群管理制御装置の構築方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、エレベータの群管理制御といえば
評価関数を用いた呼び割当方式が主流であったが、最
近、生物の神経回路のモデルを基にして簡単なアルゴリ
スムにより最適化問題の近似解析やパターン認識を行う
「ニューラルネット」という考え方が注目されており、
このニューラルネットを利用することにより、最適な割
当てかごを決定する判断システムを、実際の運転例によ
り自動的に学習し生成することのできる、従来とは全く
異なる新しいエレベータの群管理制御装置が提案されて
いる。
【0003】ニューラルネットとは、人間の脳を真似た
ネットワークで、神経細胞モデル(ニューロン)が複数
個,複雑に接続され、各ニューロンの動作及びニューロ
ン間の接続形態をうまく決めることで、パターン認識機
能や知識処理機能を埋め込むことができるというもの
で、例えば「日経エレクトロニクス」1987年8月1
0日号( No.427)のP115〜P124や1989
年2月に産業図書株式会社から刊行された図書「PDP
モデル」などに開示されており、特にニューロンを階層
構造に配置した構造のものは、「バックプロパゲーショ
ン」と呼ばれる自律的学習アルゴリズムを利用できるこ
とに特徴がある。
【0004】ニューラルネットを用いると割当てアルゴ
リズムを人間が一切考える必要はなく、しかも各種の交
通状況に対応して結果的には最適な割当てかごを決定す
る判断システムを自動的に生成することができ、例えば
エレベータの呼び割当てに用いた例としては特開平1−
275381号、特開平2−52875号、実開平3−
59971号などがある。
【0005】図9に、呼び割当用ニューラルネットの代
表例を示す。図9に示すように、呼び割当て用のニュー
ラルネットNNは、入力信号(システム状態データ)に
対応する入力層のニューロンNR1 と、割当号機に対応
する出力層のニューロンNR3 、入力層と出力層の中間
に置かれる中間層のニューロンNR2 から構成される。
【0006】入力信号としては、新規ホール呼びの発生
階、エレベータ各号機の位置、運転方向、他のホール呼
び登録階、かご呼び登録階、かご内荷重、乗場の待客数
等、呼び割当てに必要と思われる群のシステム状態デー
タであり、入力層のニューロンの数はその入力信号の情
報量に応じて定められる。出力層のニューロンはそれぞ
れ各号機に対応しており、すなわちエレベータの台数と
同数であり、その出力信号(割当適性)が最も大きな値
となったニューロンに対応する号機を最適号機とし、そ
の号機に呼びが割当てられる。中間層(実施例は一層で
あるが、複数であってもよい)のニューロンの数は、エ
レベータの台数やビルの性質等に応じて適宜定められ
る。
【0007】なお、図示を省略しているがニューロン間
には、ニューロンの結び付きの強さを表す結合重み(シ
ナプスウェイト)が設定される。この結合重みは、最初
は初期化された状態であるが、その後「バックプロパゲ
ーション」と呼ばれる学習アルゴリズムを用いて、より
精度の高い呼び割当てができるように修正していくこと
ができる。
【0008】このバックプロパゲーションとは、同一の
入力信号に対して、ニューラルネットの出力信号と予め
作成された教師信号とを比較し、その誤差を最小化する
ように結合重みを修正していくアルゴリズムで、まず、
最初は、すべての結合重みを初期化(例えばランダムな
値に設定)しておき、入力層の各ニューロンに学習用の
入力データ(教師信号の入力データと同じ)を与える。
そしてこのときの出力層の各ニューロンの出力信号と教
師信号の出力目標とを比較し、その差(誤差)を用いて
その差が小さくなるように各結合重みの値を出力層側か
ら順に修正していく。そしてこれを多数の学習用データ
を用いて誤差が収束するまで繰り返すと、ニューラルネ
ットに教師信号と同レベルの呼び割当機能が自動的に埋
め込まれたことになり、学習用のデータだけでなく未知
の入力データ(新規ホール呼びとそのときのシステム状
態データ)に対しても、教師信号と同レベルの呼び割当
てを行うことができるようになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにバックプ
ロパゲーション法を用いて学習するためには、必ず教師
信号が必要となるが、エレベータの呼び割当ての場合に
は最適な教師信号を得ることは非常に困難である。とい
うのは、新規ホール呼びが発生した場合、各号機のかご
位置や他の呼びの状況等からその時点における最適割当
号機を見つけ出すことは比較的容易であるが、実際には
割当号機がその呼びに応答するまでの間に、新たに呼び
が発生したり途中階での停止時間が長くなったりするな
ど交通状況に予測できないさまざまな変化を生じるた
め、ホール呼びが発生した時点で真に最適な割当解を得
ることは不可能である。
【0010】しかも、バックプロパゲーションにより学
習を行う方法では、教師信号よりも精度の高い呼び割当
て制御を行うことができないという問題がある。このた
め、教師信号の不要ないわゆる強化学習法(reinforcem
ent learning)を用いてニューラルネットの自己組織化
を図っていくことが考えられる。この強化学習法につい
ても既に周知であるので詳細な説明は省略するが、まず
すべての結合重みを初期化しておき、次に任意の1個又
は複数個の結合重みに摂動を与える。すなわち結合重み
の値を僅かに変化させる。そして摂動を与える前と後と
でニューラルネットの出力又はニューラルネットで制御
されているシステムの評価値を比較評価し、改善されて
いる場合はその摂動を受け入れ、改善されていない場合
は摂動を与える前の状態に戻す。こうしてこの手順を繰
り返していくと各結合重みは最適値に向けて少しずつ収
束していくが、この方法の最大の欠点は学習効率が非常
に悪いということである。このため、この強化学習法を
このまま呼び割当て用のニューラルネットに適用するこ
とは非常に困難である。
【0011】また例えば特開平2−52875号公報に
示されているように、一日の間に発生したすべての乗場
呼びに対して最適な運行を解析し、これを基にニューラ
ルネットの学習を行う方法も提案されている。この方法
は、一日間のすべての乗場呼びに対するすべての割当て
の組合せの中から最適解を見つけ出すという問題を、巡
回セールスマン問題などでよく知られている組合せ最適
化問題としてとらえようとするものであるが、この方法
により得られる解はあくまでも近似解であっていまだ最
適解を得る方法は確立されておらず、しかもこの方法で
はエレベータの実際の稼働中にニューラルネットの自己
組織化を図ることができないという問題がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するため、呼び割当て用のニューラルネットを3段階
に分けて構築する。第1の段階では、群の交通状態デー
タを入力信号とし、呼び割当てに密接に関連しかつ精度
の高い教師信号の得られる情報をその出力信号とするニ
ューラルネットを構成し、該教師信号を用いて学習を行
う。
【0013】第2の段階では、上記学習を完了したニュ
ーラルネットの入力層と中間層はそのままとして出力層
を呼び割当て用に再構成し、該出力層を呼び割当ての教
師信号を用いて学習する。第3の段階では、第2の段階
を終了したニューラルネットを呼び割当て用として現場
に適用し、エレベータの稼働中にその出力層だけを強化
学習法によりその現場に適応させてゆく。
【0014】
【作用】第1の段階では、あとで呼び割当て用として流
用できるように、呼び割当てと密接に関連した情報を出
力とするニューラルネットを構成する。しかも正確な教
師信号を用いて学習するので予測精度の高いニューラル
ネットを構成することができる。
【0015】第1の段階のニューラルネットは、そのま
までは呼び割当て用に使えないため、第2の段階では出
力層だけを呼び割当て用に再構成する。第1の段階が終
了した時点で、入力層及び中間層は予測精度の高いニュ
ーラルネットとして構成され、第2の段階が終了した時
点で出力層も呼び割当てが可能となるように学習を完了
しているので、第3の段階では出力層のみを対象として
強化学習を行う。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明におけるニューラルネット構築
の第1段階の手順を示すフローチャートである。まず、
呼び割当てと密接に関連し、すなわち入力信号を呼び割
当てと共通することができて、しかも精度の高い教師信
号の得られる情報を出力信号とするニューラルネットの
構造と、その入力信号の決定(或いは修正)を行う。
(手順11)。
【0017】ここでは上記の出力信号として新規ホール
呼びに対する予測待時間を考える。ホール呼びに対する
最適割当解を得ることは、前述の如く、1日の運行のす
べてを解析したとしても困難であるが、ホール呼びに対
する予測待時間については、その間に交通状況がどのよ
うに変化しようと、かごがその呼びに応答した時点で実
際の待時間すなわち正しい解を得ることができ、しかも
予測待時間を得るのに必要な入力信号は呼び割当ての場
合とほとんど同じと考えられるので、この予測待時間を
出力信号とするニューラルネットを構成する。
【0018】このニューラルネットの構成の一例を図2
に示す。後で呼び割当用に流用するため、図9の構成と
同様とし、出力層の各ニューロンはホール呼びに対する
各号機の予測待時間にそれぞれ対応する。すなわち、入
力信号として新規ホール呼びとその時点のシステム状態
データを入力し、出力信号として各号機の予測待時間が
得られるようにニューラルネットを構成する。
【0019】図1に戻って、次にバックプロパゲーショ
ン法を用いて学習を行う(手順12)。その場合教師信
号が必要となるが、ホール呼びに対する予測待時間は、
かごがそのホール呼びに応答した時点で実際の待時間デ
ータが得られるのでこれを教師信号とする。この教師信
号は、予めシミュレーションによって多数作成しておい
てもよいし、エレベータの据付現場で実測データを登録
していくようにしてもよい。
【0020】学習が終了すると実際にこのニューラルネ
ットを用いて、予測待時間の予測精度が十分か否かを判
断する(手順13)。もし予測精度が十分でない場合
は、手順11へと戻って入力信号の変更や追加などによ
りニューラルネットに修正を加え、更に手順12,13
を繰り返す。そして予測精度が十分高くなると第1の段
階を終了する。
【0021】第1の段階が終了した時点で、このニュー
ラルネットは出力をホール呼びに対する予測待時間と
し、しかも正確な教師信号を用いて学習を行っているの
で、ホール呼び発生後の種々の交通状況の変化に対する
予測機能が精度高く埋め込まれていることになる。
【0022】なお上記の例ではニューラルネットの出力
として予測待時間のみを考えたが、更に出力層のニュー
ロンの数を増やし、ホール呼びに応答時のかご内荷重
等、やはり呼び割当てに密接に関連し、正確な教師信号
の得られる情報を出力信号として加えるようにしてもよ
い。また、予測待時間も新規に発生したホール呼びに対
する予測待時間に限らず、新規ホール呼びを割当てた場
合にそのかごが受け持っているホール呼びの中で最大と
なる予測待時間を出力信号とするようにしてもよい。
【0023】図3は、本発明におけるニューラルネット
構築の第2段階の手順を示すフローチャートである。第
1段階で構築したニューラルネットの出力は予測待時間
でありこのままでは呼び割当用に用いることができない
ので、出力層だけを呼び割当用に再構成する(手順2
1)。すなわち、入力層及び中間層の部分は第1段階で
説明したように、入力信号は呼び割当ての場合と同じで
あり、しかも既に正確な教師信号を用いた学習により予
測機能が精度高く埋め込まれているのでそのまま呼び割
当用に流用し、出力層だけを呼び割当用に再構成する。
この再構成後のニューラルネットの一例を図4に示す。
【0024】図4において、出力層のニューロンはそれ
ぞれ各号機に対応しているためその数は図2のニューラ
ルネットと同じであり、従ってこの例で再構成とは、各
ニューロンの数及び接続構成は図2のままで出力層の結
合重み(中間層と出力層の間の重み)だけを初期化する
ことを意味する。もし図2のニューラルネットにおい
て、出力信号の種類が複数で出力層のニューロンの数が
かご台数よりも多くしていた場合は、出力層のニューロ
ンの数を減らし、接続の変更も含めて出力層の再構成を
行うことになる。
【0025】ここでは出力層の再構成すなわち結合重み
の初期化を行った後、従来と同様の呼び割当ての教師信
号を用いて、バックプロパゲーションに法により、出力
層の結合重みだけを修正する(手順22)。呼び割当て
の教師信号は、入力信号とそれに対する出力目標を一対
とするもので、例えばある新規ホール呼びとその時点の
各号機のかご位置等の入力信号に対し、最適と思われる
号機に対応するニューロンの出力目標を1に、他の号機
の出力目標を0としたものである。この教師信号を作成
する場合の最適割当ての判断基準は、従来と同様の評価
関数による呼び割当てや、或いは群乗合全自動方式によ
る呼び割当を基準としたものなどどのようなものであっ
てもよい。
【0026】この教師信号を予め多数作成しておき、学
習を完了すると(手順23)第2段階は終了する。な
お、このとき前述の特開平1−275381号の中でも
説明しているように、各号機間の対称性を考慮して学習
を行うと効率よく学習を行うことができる。第2段階が
終了した時点で図4に示したニューラルネットは、前述
のように入力層と中間層には既に新規ホール呼び発生後
の交通状況の変化を精度高く予測する機能が埋め込まれ
ており、しかも第2段階で出力層の呼び割当てに対する
学習を完了しているので、このニューラルネットを用い
て呼び割当てを行うことが可能な状態となっている。従
ってこの状態で図4のニューラルネットを群管理制御装
置に組み込み、次の第3段階へと進む。
【0027】図5は、本発明におけるニューラルネット
構築の第3段階の手順を示すフローチャートである。第
3段階では図4のニューラルネットを用いて呼びの割当
てを行い、更に出力層のみを対象に次のようにして教師
信号の不要な強化学習を行う。
【0028】まず、ニューラルネットの出力層の初期化
を行う(手順31)。次にこのニューラルネットを用い
て、所定時間(或いは所定のホール呼び数に対して)呼
び割当制御を行い、その時間内(或いは所定数のホール
呼び)の制御評価指標値を計算し、記憶する(手順3
2)。この制御評価指標値(以下単に評価値という)と
しては、例えばその時間内に割当てたホール呼び或いは
所定数のホール呼びの実際の待時間の平均値などが考え
られる。
【0029】次にニューラルネットの出力層の結合重み
に対して摂動を与える。すなわち任意の1つ或いは複数
の結合重みの値を僅かに変化させる(手順33)。そし
て再び所定時間或いは所定数のホール呼びに対して呼び
割当て制御を行い、手順32と同様に評価値の演算を行
う(手順34)。
【0030】その演算結果と手順32で記憶している評
価値とを比較し(手順35)、もし改善されていなけれ
ば結合重みを、摂動を与える以前の状態へ戻し(手順3
6)、再び手順33以下を繰り返す。また、評価値が改
善されている場合は、手順33で与えられた摂動を受理
し、手順34で演算した評価値を記憶する。このように
して学習が完了するまでは手順33〜37を繰り返し、
結合重みに摂動を与えた結果、評価値が改善される場合
のみその摂動を受け入れるようにすることにより、ニュ
ーラルネットの機能が徐々に向上していく。そして、評
価値が十分満足な値となるか、或いはどのように摂動を
与えても評価値に改善がみられないようになると学習を
完了し(手順38)、第3段階を終了する。
【0031】なお、上記第3段階の各手順はシミュレー
ションによっても、実際の現場で群管理制御しながら行
うこともできる。その場合の評価値の演算は、シミュレ
ーションによる場合は多数のホール呼びの発生を制限す
ることができるので、結合重みに摂動を与える前と後と
の評価値の比較は簡単に行うことができるが、現場で行
う場合はホール呼びの発生状況を全く同じに再現するこ
とは不可能なため、評価値の比較は統計的手法(例えば
student test 等により有意差の有無を判定する方法な
どが周知)を用いて行うようにする。
【0032】こうして第3段階を終了したニューラルネ
ットを用いると精度の高い呼び割当てが可能となり、更
にその後も現場で群管理制御を行いながら第3段階の手
順を定期的に或いは継続的に実施すると、ビルの交通状
況の変化に常に適応していくことができる。
【0033】ところで、上記の実施例ではニューラルネ
ットの入力信号としてすべての号機に関するデータを入
力し、また出力層のニューロンもそれぞれ各号機に対応
させているため、群管理のエレベータの台数が増えると
それに合わせてニューロンの数を増やす必要があり、ニ
ューラルネットの接続構成を標準化することが困難であ
るが、図6に示すような、2台のうちどちらの号機の割
当適性が高いかを出力して表わすことのできるニューラ
ルネットを用いるとエレベータの台数に拘わらず同一の
ニューラルネットを用いて呼び割当てを行うことがで
き、更にこのニューラルネットの構築にも本発明を適用
することができる。
【0034】図6のニューラルネットは、割当ての第1
候補かごに対応するニューラルネットと比較対象かごに
対応するニューラルネットとを組合せ、出力層のニュー
ロンを共通した構成となっている。例えばこのニューラ
ルネットにおいて、第1候補かごに関連の入力信号I1
(かご位置、運転方向、かご内荷重、新規ホール呼びと
の距離、受け持っている呼び)と、比較対象かごに関連
の入力信号I2 とをそれぞれの入力層N1 及びN2 の各
ニューロンに入力すると、出力層のニューロンの出力は
第1候補かごの方が割当適性が高いとしきい値以上とな
るように学習されている。
【0035】このニューラルネットを用いて呼び割当て
を行う場合の手順を図7に示す。まず各かごの入力信号
をそれぞれ計算し記憶しておく(手順41)。次に例え
ば1号機を仮に第1候補かごに設定してその入力信号I
1 を入力層N1 の各ニューロンに入力し(手順42)、
2号機を比較対象かごに設定してその入力信号I2 を入
力層N2 の各ニューロンに入力する(手順43)。そし
てニューラルネットの出力を計算し(手順44)、その
値がしきい値より大きいか否かを判断する(手順4
5)。
【0036】もし、しきい値より大きい場合は第1候補
かごすなわち1号機に所定の得点を加え(手順46)、
またしきい値より小さい場合はそのまま手順47を経て
再び手順43へと戻り、今度は3号機を比較対象かごと
してニューラルネットの出力を計算する。こうして第1
候補かごすなわち1号機と他の候補かごとの比較をすべ
て完了すると(手順47)、手順48を経て再び手順4
2へと戻り、今度は2号機を第1候補かごとし、他の号
機を順次比較対象かごとして手順43〜47を繰り返
す。
【0037】そして全号機について第1候補かごとし他
の号機を比較対象としたすべての組合せについて終了す
ると(手順48)、最大得点数のかごが最も割当適性が
高いということになり、そのかごへ割当てられる(手順
49)。このように、図6に示したニューラルネットを
用いると、エレベータの台数に拘わらず、図6のニュー
ラルネットを繰り返し用いるだけで呼びの割当てを行う
ことができ、ニューラルネットの標準化を容易に図るこ
とができる(このようなニューラルネットを用いた呼び
割当て方式については特願平2−134902号に開
示)が、このようなニューラルネットを用いる場合で
も、本発明を適用することができ、前述と同様に第1段
階〜第3段階の手順により、次のようにして高性能のニ
ューラルネットを効率よく構築することができる。
【0038】まず第1の段階では、図8に示すように1
台のかごについての新規ホール呼び発生時のシステム状
態データを入力信号とし、そのホール呼び或いは既に割
当済の呼びに対する予測待時間を出力信号とするニュー
ラルネットを構成する。予測待時間は実測データを簡単
に得ることができるのでこれを教師信号とし、バックプ
ロパゲーション法を用いて学習する。
【0039】第2の段階では、図8のニューラルネット
を2組用いてその出力層だけを共通にし、更にその出力
層だけを呼び割当て用に教師信号を用いて学習する。こ
の教師信号は前述の場合と同様に、従来の呼び割当ての
判断基準を用いて容易に作成することができる。
【0040】第3の段階では、前述の場合と同様に出力
層のみを対象として強化学習を行い、呼び割当用として
のニューラルネットの構築を完了する。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、呼び割当ての教師信号
より正確な教師信号の得られる予測待時間等を用いて学
習を行うようにしたので、より高性能の予測処理機能が
ニューラルネットに埋め込まれ、更に呼び割当用に強化
学習法を用いて学習するようにしたので従来より精度の
高い呼び割当て制御を行うことができる。
【0042】また本発明によれば、各現場の状況やその
変化に応じてエレベータの稼働中にも自動的に適応して
いくことができ、しかもその場合、強化学習は出力層の
みに限定して行われるので、非常に効率よく、かつ速や
かに状況の変化に適応できるという優れた効果を発揮す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるニューラルネット構築の第1段
階の手順を示すフローチャートである。
【図2】本発明の第1段階におけるニューラルネットの
構成の一例を示す図である。
【図3】本発明におけるニューラルネット構築の第2段
階の手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2段階におけるニューラルネットの
構成の一例を示す図である。
【図5】本発明におけるニューラルネット構築の第3段
階の手順を示すフローチャートである。
【図6】呼び割当用のニューラルネットの構成の他の実
施例を示す図である。
【図7】図6のニューラルネットを用いた呼び割当制御
の手順を示すフローチャートである。
【図8】図6のニューラルネットの構築に利用するニュ
ーラルネットの構成の一例を示す図である。
【図9】呼び割当用ニューラルネットの一般的な構成の
一例を示す図である。
【符号の説明】
NN ニューラルネット NR1 入力層のニューロン NR2 中間層のニューロン NR3 出力層のニューロン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の階床に対し複数台のエレベータを
    就役させ、新規に発生した乗場呼びに対して、群のシス
    テム状態データをニューラルネットに入力し、その出力
    により最適なかごを選択して割当てるようにしたエレベ
    ータの群管理制御装置において、 群のシステム状態データを入力信号とし、呼び割当てに
    密接に関連しかつ精度の高い教師信号の得られる情報を
    その出力信号とするニューラルネットを構成し、該教師
    信号を用いて学習する第1の段階と、 前記第1の段階で学習を完了したニューラルネットの入
    力層と中間層はそのままとして出力層を呼び割当て用に
    再構成し、該出力層を従来の呼び割当方式の割当結果を
    教師信号として学習する第2の段階と、 前記第2の段階を終了したニューラルネットを呼び割当
    て用として現場に適用し、エレベータの稼働中にその出
    力層だけを強化学習法によりその現場に適応させてゆく
    第3の段階とからなることを特徴とするエレベータ群管
    理制御装置の構築方法。
  2. 【請求項2】 呼び割当てに密接に関連しかつ精度の高
    い教師信号の得られる情報とは、少なくともホール呼び
    に対する予測待時間を含む情報であることを特徴とする
    請求項1記載のエレベータ群管理制御装置の構築方法。
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Cited By (2)

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