JPH0524643Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、重量物運搬装置に関するもので、
特に、地面と重量物の下面との間に配置され、重
量物を地面に沿つて移動させるのに用いられる、
重量物運搬装置に関するものである。

［従来の技術］ 重量物運搬装置として、フレーム、およびこの
フレームを地面に対して移動可能に支持する、た
とえばローラのような車輪手段を備えるものがあ
る。このような重量物運搬装置は、フレーム上に
重量物を載せた状態としながら、車輪手段により
重量物を所定の場所まで移動するのに用いられ
る。重量物運搬装置のフレームには、重量物の下
面を支えるターンテーブルが取付けられているも
のもある。この場合には、重量物を載せたまま、
フレームの方向転換、ひいては車輪手段の方向転
換を比較的容易に行なうことができる。

［考案が解決しようとする課題］ 重量物を移動させるとき、移動後において、決
められた場所への重量物の位置決めが、重要な作
業項目の１つである。しかしながら、上述したよ
うな重量物運搬装置を用いて重量物を移動させる
とき、移動方向とは交差する方向、たとえば移動
方向と直交する方向に対する位置合わせは、極め
て困難である。すなわち、重量物運搬装置によつ
て移動されてきた重量物を、決められた場所にま
で最終的に位置合わせする場合、重量物運搬装置
の自然な動きとは別に、重量物を無理にずらす方
法がとられるか、ターンテーブルが取付けられて
いる重量物運搬装置の場合には、ターンテーブル
の回転を利用して重量物運搬装置の方向転換を行
なつてから、重量物を所望の方向へ移動させる方
法がとられるのが通常である。

しかしながら、上述した方法は、いずれも、非
常に危険を伴ない、かつ非能率的である。特に、
１個の重量物を移動させるのに、通常、複数個の
重量物運搬装置が重量物を分担するように重量物
の下面の複数箇所に分布させて用いられることを
考慮したとき、上述したような方法に基づく作業
は、非常に危険であり、かつ非能率的であること
がよりよく理解されるであろう。

それゆえに、この考案の目的は、重量物を移動
させた後において、重量物の位置の調整または位
置合わせを容易に行なうことができる、重量物運
搬装置を提供しようとすることである。

［課題を解決するための手段］ この考案は、フレーム、および前記フレームを
地面に対して所定の方向に移動可能に支持する車
輪手段を備える、重量物運搬装置に向けられるも
のであつて、上述した技術的課題を解決するた
め、次のような構成を採用したことを特徴として
いる。

すなわち、前記フレームには、スライドテーブ
ルが水平方向であつて前記車輪手段による移動方
向とは交差する方向にスライド可能に取付けられ
るとともに、前記スライドテーブルのスライド方
向に延びるリードスクリユーが回転可能に取付け
られる。また、前記スライドテーブルには、前記
リードスクリユーに螺合する雌ねじ部が保持され
る。

［作用］ この考案にかかる重量物運搬装置において、リ
ードスクリユーを回転させることにより、雌ねじ
部は、リードスクリユーの長手方向に沿つてその
位置を変える。このような雌ねじ部の変位は、ス
ライドテーブルに伝達され、スライドテーブル
は、水平方向に移動する。スライドテーブルの移
動方向は、リードスクリユーの回転方向に支配さ
れ、かつ、スライドテーブルの移動の度合は、リ
ードスクリユーの回転数に支配される。

［考案の効果］ したがつて、この考案によれば、重量物運搬装
置の本来の移動方向とは関係なしに、スライドテ
ーブルのスライドによつて、重量物を移動させる
ことが可能になる。たとえば、重量物運搬装置に
よる本来の移動方向とは直交する方向にスライド
テーブルがスライドするように取付けられていれ
ば、重量物を、重量物運搬装置自身の移動方向と
は直交する方向に容易に移動させることができ
る。したがつて、前述したように、重量物運搬装
置による本来の移動で与えられた重量物の最終位
置が、決められた位置からずれている場合、リー
ドスクリユーを回転操作して、スライドテーブル
を移動させることにより、重量物を本来の移動方
向とは別の方向に移動させることができるので、
重量物の最終的な位置合わせを、高い安全性をも
つて能率的に行なうことができる。

また、この考案によれば、スライドテーブルの
スライド動作を用いることにより、重量物運搬装
置本来の移動の方向が所望の方向から多少ずれて
も、最終的には、位置合わせのための修正を行な
うことがある程度可能であるので、重量物運搬装
置による重量物の本来の移動作業の精度を高くす
る必要がなくなる。この点においても、重量物の
移動作業の能率化を図ることができる。

また、スライドテーブルをスライドさせる動作
は、リードスクリユーを回転させて、雌ねじ部を
リードスクリユー上で変位させることによつて達
成されるので、そのようなスライドテーブルのス
ライド動作をそれほど大きな力を必要とすること
なく行なうことができる。

［実施例］ 第１図は、この考案の一実施例の重量物運搬装
置１の外観を示す斜視図である。第２図は、第１
図に示した重量物運搬装置１の断面図である。第
３図は、重量物運搬装置１の動作を説明するため
の正面図である。

重量物運搬装置１は、フレーム２を備える。フ
レーム２の前方側面および後方側面には、それぞ
れ、所定の間隔を隔てて、ブラケツト３，４、な
らびに５，６が設けられる。ブラケツト３，４，
５，６には、貫通孔７，８，９，１０がそれぞれ
設けられる。互いに整列する貫通孔７，８およ
び／または貫通孔９，１０には、たとえばピン
（図示せず）が挿入される。このピンには、たと
えば、当該重量物運搬装置１を牽引するワイヤロ
ープの端部が接続されたり、当該重量物運搬装置
１の方向転換を行なうためのハンドルが連結され
る。

フレーム２を地面に対して移動可能に支持する
車輪手段となるべきたとえば４個のローラ１１
が、フレーム２に対して回転可能に取付けられ
る。このようなローラ１１の数は任意であり、ま
た、ローラ方式に代えて、エンドレスチエーンに
よつて連結された複数個のローラからなるエンド
レスローラ方式等を採用してもよい。

フレーム２には、スライドテーブル１２が水平
方向にスライド可能に取付けられる。この実施例
では、ローラ１１の車輪１３の延びる方向、すな
わちローラ１１による移動方向と直交する方向
に、スライドテーブル１２がスライドするように
取付けられている。そのため、フレーム２には、
車輪１３と平行な方向に延びるガイドスリツト１
４が形成され、他方、スライドテーブル１２に
は、各ガイドスリツト１４内に嵌入するガイドピ
ン１５が設けられる。

また、フレーム２には、スライドテーブル１２
のスライド方向、すなわちガイドスリツト１４の
延びる方向に延びるリードスクリユー１６が回転
可能に取付けられる。リードスクリユー１６の外
周面には雄ねじ１７が形成される。リードスクリ
ユー１６の一方端部は、フレーム２の側面から突
出する状態とされ、この突出した部分に、たとえ
ば断面六角形の頭部１８が形成される。

スライドテーブル１２には、第２図に示される
ように、下方へ延びる１対の脚部１９が形成され
る。脚部１９の各々に設けられた貫通孔２０は、
前述したリードスクリユーとの間で所定のクリア
ランスを形成している。１対の脚部１９の間に
は、リードスクリユー１６に螺合する雌ねじ部を
構成するナツト２１は配置される。ナツト２１
は、リードスクリユー１６の雄ねじ１７に螺合す
る雌ねじ２２を形成している。ナツト２１は、脚
部１９に対して回転が禁止された状態とされる。
したがつて、リードスクリユー１６が回転された
とき、ナツト２１は、リードスクリユー１６の長
手方向に沿つてその位置を変える。このようなナ
ツト２１は、スライドテーブル１２に保持されて
いるので、その結果、スライドテーブル１２は、
ガイドスリツト１４の延びる方向にスライドす
る。

スライドテーブル１２上には、垂直方向に向く
軸線のまわりに回転可能なターンテーブル２３が
取付けられてもよい。

第３図に示すように、重量物２４は、スライド
テーブル１２上、より正確にはターンテーブル２
３上に載せられて、重量物運搬装置１によつて移
動される。この移動は、ローラ１１が地面（図示
せず）を転動することによつて達成される。この
ような移動の最終位置において、重量物２４に位
置ずれが生じているとする。この場合、リードス
クリユー１６の頭部１８に適当な工具が適用さ
れ、リードスクリユー１６が矢印２５または２６
方向に回転される。これに応じて、前述した動作
に従つて、スライドテーブル１２が、矢印２７ま
たは２８方向へスライドし、重量物２４が、想像
線で示すような位置に移動される。このようにし
て、重量物２４を、所望の位置に位置合わせした
り、重量物２４の位置の微調整を行なつたりする
ことができる。

以上、この考案を図示の実施例に関連して説明
したが、この考案の範囲内において、その他、
種々の変形例が可能である。

たとえば、図示の実施例では、スライドテーブ
ル１２上にターンテーブル２３が取付けられた
が、このようなターンテーブルを備えない重量物
運搬装置に対しても、この考案を適用することが
できる。

また、図示の実施例では、ガイドスリツト１４
およびガイドピン１５の組合わせを用いてスライ
ドテーブル１２のスライド方向を案内したが、こ
のような案内手段は、他の構造のものに置換えて
もよい。このような案内手段は、スライドテーブ
ル１２のスライド動作をより安定に行なわせるこ
とを可能にするものであるが、このような利点を
望まないのであれば、リードスクリユー１６自身
が、スライドテーブル１２のスライド動作を案内
する機能をも有しているので、特に別の案内手段
を設ける必要はない。

また、図示の実施例では、スライドテーブル１
２が、車輪手段としてのローラ１１による移動方
向に対して直交する方向へスライドするように構
成されたが、スライドテーブルのスライド方向
は、ローラ１１による移動方向とは交差する方向
であれば、いずれの方向に選ばれてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例の重量物運搬装
置１の外観を示す斜視図である。第２図は、第１
図に示した重量物運搬装置１の断面図である。第
３図は、重量物運搬装置１の動作を説明するため
の正面図である。 図において、１は重量物運搬装置、２はフレー
ム、１１はローラ（車輪手段）、１２はスライド
テーブル、１６はリードスクリユー、１７は雄ね
じ、２１はナツト、２２は雌ねじ、２４は重量物
である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 フレーム、および前記フレームを地面に対して
   所定の方向に移動可能に支持する車輪手段を備え
   る、重量物運搬装置において、 前記フレームには、スライドテーブルが水平方
   向であつて前記車輪手段による移動方向とは交差
   する方向にスライド可能に取付けられるととも
   に、前記スライドテーブルのスライド方向に延び
   るリードスクリユーが回転可能に取付けられ、か
   つ、 前記スライドテーブルには、前記リードスクリ
   ユーに螺合する雌ねじ部が保持された、 ことを特徴とする、重量物運搬装置。