JPH0524634Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動二輪車や自動三輪車等の鞍乗型
車両において同乗者が足を載せるのに用いるピリ
オンステツプ装置に関する。

（従来の技術） 従来、この種装置として、ピリオンステツプを
芯棒の外周にステツプラバーを装着して成るバー
タイプのものとし、これを芯棒の先端部において
車体に固定されるヒンジブラケツトにヒンジピン
で枢着し、該ピリオンステツプを車体側方の張出
し位置と車体側面に沿わせた折畳み位置とに揺動
自在とするものは知られ、この場合ピリオンステ
ツプを実公昭59−8949号公報等に見られるように
略垂直方向に揺動させるものと、略水平方向に揺
動させるものとの２つのタイプがあり、後者のタ
イプでは、ヒンジブラケツトをチヤンネル形状の
ものとし、その上下の側板間に芯棒の先端部を挿
入して、これを該両側板間に挿通する略垂直のヒ
ンジピンにより該ヒンジブラケツトに枢着するよ
うにしている。

（考案が解決しようとする問題点） 本願が解決しようとするものは、ピリオンステ
ツプを水平方向に揺動させるタイプのものにおけ
る以下の問題点である。

即ち、このタイプでは、ヒンジブラケツトの上
下の側板間に挿入される芯棒の先端部は足載部と
て機能せず、ヒンジブラケツトから張出す部分に
ステツプラバーを装着してこれを足載部としてお
り、外観をすつきりさせるためピリオンステツプ
の張出し長さを短縮したくとも、所要長さの足載
部を確保する必要性から一定限度以下には短縮で
きない。

本考案は、ヒンジブラケツトを足載部の一部と
して活用し得るようにして上記の問題点を解決し
た装置を提供することをその目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記目的を達成すべく、芯棒の外周
にステツプラバーを装着して成るピリオンステツ
プと、車体に固定されるチヤンネル形状のヒンジ
ブラケツトとから成り、該芯棒の先端部を該ヒン
ジブラケツトの上下の側板間に挿入して略垂直の
ヒンジピンにより該ヒンジブラケツトに枢着する
ものにおいて、該ステツプラバーの上面部分を先
方に舌片状に延出して、この延出部分を該ヒンジ
ピンの頭部を覆うようにして該ヒンジブラケツト
の上側板上に添接させ、更に、該ヒンジブラケツ
トに上下の側板間の空〓の前向きの開口部を覆う
カバー部を設けると共に、該ステツプラバーに、
ステツプ折畳み位置で外向きとなる側面部分から
先方に延出される舌片を、ステツプ折畳み位置で
は前記空〓の外向きの開口部を覆い、ステツプ張
出し位置では前記カバー部の内側に滑り込むよう
に形成したことを特徴とする。

（作用） ヒンジブラケツトの上側板上に添接されるステ
ツプラバーの延出部分によりヒンジピンの頭部が
覆われるため、ヒンジブラケツト側に足をずらし
ても靴底がピン頭部に引掛るようなことはなく、
ピリオンステツプの外端部からヒンジブラケツト
に亘り連続して足載部に利用でき、ヒンジブラケ
ツトからのピリオンステツプの張出し長さを所要
の足載せ長さより短くしても、その不足分は該ブ
ラケツトで補われ、所要長さの足載部を確保でき
る。

また、前記延出部分に加えてステツプラバーの
側面部分にも舌片を延出するため、ヒンジブラケ
ツトは上方から見ても又側方から見てもステツプ
ラバーにより覆われて外観が良好となり、更にヒ
ンジブラケツトに設けたカバー部では覆われない
外向きの開口部からのヒンジブラケツト内への
埃、泥等の侵入を舌片により阻止でき、ピリオン
ステツプの折畳み位置や張出し位置への揺動操作
性を良好に保つことができる。

（実施例） 図面はスクータ式の鞍乗型車両に本案装置を適
用した実施例を示し、第１図を参照して、１は車
体の後部上方に設けたシート、２はステツプフロ
ア、３はシート１の下部に設けたリヤカバーであ
り、該カバー３の側面のステツプフロア２寄りの
部分に該カバー３内のフレームに形成した固定部
４にステー５を介してボルト６止めされるヒンジ
ブラケツト７を設け、該ブラケツト７にピリオン
ステツプ８を水平方向に揺動自在に枢着した。

これを更に詳述するに、該ピリオンステツプ８
は、第２図乃至第５図に示す如く、パイプ製の芯
棒９の外周に筒状のステツプラバー１０を装着し
て成るもので、該芯棒９の尾端に該ラバー１０の
尾端に食い込むように周縁を折曲げたフランジ９
ａを固着して、該フランジ９ａにより該ラバー１
０を抜止め及び回止めし、又該芯棒９の先端部を
該ラバー１０から突出させると共に、前記ヒンジ
ブラケツト７を上下の側板７ａ，７ｂを有するチ
ヤンネル形状に形成し、該芯棒９の先端部を該ブ
ラケツト７の該両側板７ａ，７ｂ間に挿入した状
態でこれを該両側板７ａ，７ｂと該先端部とに貫
通する略垂直のヒンジピン１１により該ブラケツ
ト７に枢着して、ピリオンステツプ８を前記リヤ
カバー３の側面に沿つた折畳み位置とその側方に
張出した延出し位置とに略水平方向に揺動し得る
ようにした。

前記ヒンジピン１１は、その頭部１１ａにおい
てヒンジブラケツト７の上側板７ａと、その下端
部に取付けた割ピン１１ｂにおいて該ブラケツト
７の下側板７ｂとに係止されて、該ブラケツト７
に抜止めされる。図中９ｂは芯棒９の先端に取付
けたキヤツプを示す。

ここで、前記ステツプラバー１０には、その上
面部分を先方に舌片状に延出して成る延出部分１
０ａを形成するものとし、該延出部分１０ａを前
記ヒンジブラケツト７の上側板７ａの上面に前記
ヒンジピン１１の頭部１１ａを覆うように添接し
た。尚、該延出部分１０ａの下面には、該頭部１
１ａを受入れる凹部１０ｂを形成し、更に該延出
部分１０ａを含むステツプラバー１０の上面全体
に滑止め用の凹溝１０ｃを形成した。

又、該ステツプラバー１０に、折畳み位置で外
向きとなる側面部分から先方に延出される舌片１
０ｄを形成すると共に、ヒンジブラケツト７にそ
の上下の側板７ａ，７ｂの前縁に対し〓間を存し
て対向するブラケツトカバー７ｃを取付け、折畳
み位置で該舌片１０ｄの先端が該カバー７ｃ内に
挿入されるようにして、該舌片１０ｄにより該ブ
ラケツト７やこれに挿入される芯棒９の先端部が
隠蔽されるようにし、ピリオンステツプ８を第６
図に示す如く張出し位置に揺動させたときは、該
舌片１０ｄが前記側板７ａ，７ｂの前縁に沿つて
該カバー７ｃ内に滑り込むようにした。

ここで、張出し位置では、ピリオンステツプ８
の外端からステツプラバー１０の延出部分１０ａ
で覆われるヒンジブラケツト７に亘つて一体的に
連続した足載部が構成され、足載部に必要な長さ
をＬとして、ピリオンステツプ８の該ブラケツト
７からの張出し長さｌはＬから該ブラケツト７の
張出し長さを引いた長さにすることができる。

（考案の効果） 以上の如く本考案によるときは、ヒンジブラケ
ツトも足載部の一部として活用することができる
ため、その分ピリオンステツプの張出し長さを短
縮でき、且つヒンジブラケツトは上方から見ても
又側方から見てもステツプラバーで覆われて外観
が良好となり、更にヒンジブラケツト内への埃や
泥等の侵入を防止して、ピリオンステツプの折畳
み位置や張出し位置への揺動操作性を良好に保つ
ことができ、而もその構成はステツプラバーの上
面部分や側面部分を先方に延出するだけで足り、
構造簡単にして安価に得られる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置の車体への取付位置を説明す
る斜視図、第２図はその要部の分解状態の斜視
図、第３図はピリオンステツプの折畳み位置にお
ける平面図、第４図はその側面図、第５図は第４
図の−線横断面図、第６図はピリオンステツ
プの張出し位置における平面図である。 ７……ヒンジブラケツト、７ａ……上側板、７
ｂ……下側板、８……ピリオンステツプ、９……
芯棒、１０……ステツプラバー、１０ａ……延出
部分、１１……ヒンジピン、１１ａ……頭部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 芯棒の外周にステツプラバーを装着して成るピ
   リオンステツプと、車体に固定されるチヤンネル
   形状のヒンジブラケツトとから成り、該芯棒の先
   端部を該ヒンジブラケツトの上下の側板間に挿入
   して略垂直のヒンジピンにより該ヒンジブラケツ
   トに枢着するものにおいて、該ステツプラバーの
   上面部分を先方に舌片状に延出して、この延出部
   分を該ヒンジピンの頭部を覆うようにして該ヒン
   ジブラケツトの上側板上に添接させ、更に、該ヒ
   ンジブラケツトに上下の側板間の空〓の前向きの
   開口部を覆うカバー部を設けると共に、該ステツ
   プラバーに、ステツプ折畳み位置で外向きとなる
   側面部分から先方に延出される舌片を、ステツプ
   折畳み位置では前記空〓の外向きの開口部を覆
   い、ステツプ張出し位置では前記カバー部の内側
   に滑り込むように形成したことを特徴とする鞍乗
   型車両のピリオンステツプ装置。