JPH05245616A - 局部異径管を用いた鋼の鋳造法 - Google Patents
局部異径管を用いた鋼の鋳造法Info
- Publication number
- JPH05245616A JPH05245616A JP8313492A JP8313492A JPH05245616A JP H05245616 A JPH05245616 A JP H05245616A JP 8313492 A JP8313492 A JP 8313492A JP 8313492 A JP8313492 A JP 8313492A JP H05245616 A JPH05245616 A JP H05245616A
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- JP
- Japan
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- molten steel
- steel
- cooling element
- different diameter
- locally different
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 低コストで高率の微細粒状凝固組織を生成
し、強度・靱性に優れた鋼板を直送圧延で製造すること
を可能とする。 【構成】 鋼を鋳造する際、冷却子1〜4により断面積
を局部的に変化させ、毎秒冷却子側を通過する溶鋼質量
がαkgの場合α×3.0×102 〜α×3.0×10
5 J/secの冷却能を持つ局部異径管Xを用いて注湯
することにより1.0×105 以上のレイノルズ数を持
つ溶鋼流を生成し、微細な凝固組織を生成する。
し、強度・靱性に優れた鋼板を直送圧延で製造すること
を可能とする。 【構成】 鋼を鋳造する際、冷却子1〜4により断面積
を局部的に変化させ、毎秒冷却子側を通過する溶鋼質量
がαkgの場合α×3.0×102 〜α×3.0×10
5 J/secの冷却能を持つ局部異径管Xを用いて注湯
することにより1.0×105 以上のレイノルズ数を持
つ溶鋼流を生成し、微細な凝固組織を生成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼の鋳造法に関するもの
である。
である。
【0002】
【従来の技術】鋼の強度・靱性等の諸特性を満足するた
めには、金属組織を微細にすることが有効であることが
知られている。一方、エネルギーコスト低減、生産性の
向上の意図から、鋼を鋳造後冷却することなくそのまま
圧延する直送圧延法が近年試みられている。このような
技術には、例えば特開昭59−208018号公報、特
開昭61−146072号公報に開示される技術があ
る。
めには、金属組織を微細にすることが有効であることが
知られている。一方、エネルギーコスト低減、生産性の
向上の意図から、鋼を鋳造後冷却することなくそのまま
圧延する直送圧延法が近年試みられている。このような
技術には、例えば特開昭59−208018号公報、特
開昭61−146072号公報に開示される技術があ
る。
【0003】しかし、通常このような鋳造を行った場合
には凝固組織が粗大となり、その後の圧延により再結晶
しがたく、その結果最終的に得られる金属組織も比較的
粗大であるか、または部分的に生じる再結晶により粗大
粒と細粒の混粒状態となってしまい、強度・靱性共に良
好なものを得ることが難しいという欠点があった。
には凝固組織が粗大となり、その後の圧延により再結晶
しがたく、その結果最終的に得られる金属組織も比較的
粗大であるか、または部分的に生じる再結晶により粗大
粒と細粒の混粒状態となってしまい、強度・靱性共に良
好なものを得ることが難しいという欠点があった。
【0004】一方、上記の欠点を克服するために、溶鋼
を流動させつつ凝固させて凝固組織自体を微細にするこ
とが考えられる。この方法では、溶鋼を流動させる手法
として、機械攪拌・電磁攪拌・局部異径管等を用いる。
しかし、この技術は機械・電磁攪拌については設備費の
増大ひいては製品のコストアップを招き、局部異径管に
ついては等軸晶率が80%未満であり、より高い等軸晶
率が得られかつ設備費の極端な増大を招かない凝固組織
の微細化手法が望まれていた。
を流動させつつ凝固させて凝固組織自体を微細にするこ
とが考えられる。この方法では、溶鋼を流動させる手法
として、機械攪拌・電磁攪拌・局部異径管等を用いる。
しかし、この技術は機械・電磁攪拌については設備費の
増大ひいては製品のコストアップを招き、局部異径管に
ついては等軸晶率が80%未満であり、より高い等軸晶
率が得られかつ設備費の極端な増大を招かない凝固組織
の微細化手法が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、鋼を鋳
造する際、冷却子により断面積を局部的に変化させ、毎
秒冷却子側を通過する溶鋼質量がαkgの場合α×3.
0×102 〜α×3.0×105 J/secの冷却能を
持つ局部異径管を用いて注湯することにより1.0×1
05 以上のレイノルズ数を持つ溶鋼流を生成し、微細な
凝固組織を生成することを特徴とする局部異径管を用い
た鋼の鋳造法である。
造する際、冷却子により断面積を局部的に変化させ、毎
秒冷却子側を通過する溶鋼質量がαkgの場合α×3.
0×102 〜α×3.0×105 J/secの冷却能を
持つ局部異径管を用いて注湯することにより1.0×1
05 以上のレイノルズ数を持つ溶鋼流を生成し、微細な
凝固組織を生成することを特徴とする局部異径管を用い
た鋼の鋳造法である。
【0006】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。
【0007】凝固組織の中で柱状晶部は特に粗大で極め
て再結晶しにくいため、直送圧延をした場合の変態後の
金属組織は粗大になるかまたは微細組織と粗大組織の混
合組織となり、材質を劣化させる。
て再結晶しにくいため、直送圧延をした場合の変態後の
金属組織は粗大になるかまたは微細組織と粗大組織の混
合組織となり、材質を劣化させる。
【0008】凝固状態で鋳片のほぼ全面にわたり微細な
等軸晶を生成することができれば、その後の熱間圧延に
より凝固組織は容易に再結晶し、材質特性に優れた厚鋼
板の製造が可能となる。しかし、従来の鋳造法では凝固
核の生成サイトが鋳壁及び湯面に限られるため、凝固時
に生成する凝固核の数が少なく、粗大な柱状の凝固組織
が形成されていた。本発明は、冷却子に溶鋼を接触させ
ることにより溶鋼を部分的に過冷して凝固核を生成させ
ると共に、冷却子の突起により生成した溶鋼流の乱流で
冷却子表面に付着した凝固核をはぎ取って溶鋼中に多数
の凝固核を混入させ、鋳片のほぼ全面にわたり微細な等
軸晶を得ることを可能とするものである。
等軸晶を生成することができれば、その後の熱間圧延に
より凝固組織は容易に再結晶し、材質特性に優れた厚鋼
板の製造が可能となる。しかし、従来の鋳造法では凝固
核の生成サイトが鋳壁及び湯面に限られるため、凝固時
に生成する凝固核の数が少なく、粗大な柱状の凝固組織
が形成されていた。本発明は、冷却子に溶鋼を接触させ
ることにより溶鋼を部分的に過冷して凝固核を生成させ
ると共に、冷却子の突起により生成した溶鋼流の乱流で
冷却子表面に付着した凝固核をはぎ取って溶鋼中に多数
の凝固核を混入させ、鋳片のほぼ全面にわたり微細な等
軸晶を得ることを可能とするものである。
【0009】溶鋼流のレイノルズ数を1.0×105 以
上と限定するのは、それ未満であると溶鋼流の乱流が弱
すぎて冷却子からの凝固核の遊離が充分に行われず、微
細な等軸晶の生成が阻害されるためである。
上と限定するのは、それ未満であると溶鋼流の乱流が弱
すぎて冷却子からの凝固核の遊離が充分に行われず、微
細な等軸晶の生成が阻害されるためである。
【0010】局部異径管の冷却能下限をα×3.0×1
02 J/sec以上(αは毎秒冷却子側を通過する溶鋼
の質量〔kg〕)と限定するのは、これ未満の冷却能で
は冷却子の冷却能が小さすぎて冷却子の溶鋼接触面上に
生成する凝固核の数が減り、溶鋼流中に充分な数の凝固
核が確保できず、結果として等軸晶率の減少、柱状晶の
粗大化を招くからである。また、局部異径管の冷却能上
限をα×3.0×105 J/sec以下と限定したの
は、これを超える冷却能では冷却子に強固な凝固殻が生
成して溶鋼中への凝固核の放出が困難になるためであ
る。
02 J/sec以上(αは毎秒冷却子側を通過する溶鋼
の質量〔kg〕)と限定するのは、これ未満の冷却能で
は冷却子の冷却能が小さすぎて冷却子の溶鋼接触面上に
生成する凝固核の数が減り、溶鋼流中に充分な数の凝固
核が確保できず、結果として等軸晶率の減少、柱状晶の
粗大化を招くからである。また、局部異径管の冷却能上
限をα×3.0×105 J/sec以下と限定したの
は、これを超える冷却能では冷却子に強固な凝固殻が生
成して溶鋼中への凝固核の放出が困難になるためであ
る。
【0011】異径部の材質としては、熱伝導性・耐熱性
を考慮してホウ素や珪素の酸化物もしくは窒化物等の耐
熱物質を金属にコーティングもしくは溶射したもの等が
考えられるが、特に限定はしない。また、異径部の形状
は溶鋼の乱流化を促進するものであればよく、突起、く
ぼみまたは羽根等が有効である。図1に局部異径管の例
を4例示す。左側より、それぞれ突起状冷却子1、円環
状冷却子2、羽根状冷却子3、段状冷却子4を用いる例
である。なお、冷却子の冷却は、水・油・ガス・溶融塩
等の冷媒を冷却子内部に循環させ、または管外に引き出
した冷却子の熱伝導部を上記冷媒に接触させて行うこと
が望ましいが、特に限定はしない。
を考慮してホウ素や珪素の酸化物もしくは窒化物等の耐
熱物質を金属にコーティングもしくは溶射したもの等が
考えられるが、特に限定はしない。また、異径部の形状
は溶鋼の乱流化を促進するものであればよく、突起、く
ぼみまたは羽根等が有効である。図1に局部異径管の例
を4例示す。左側より、それぞれ突起状冷却子1、円環
状冷却子2、羽根状冷却子3、段状冷却子4を用いる例
である。なお、冷却子の冷却は、水・油・ガス・溶融塩
等の冷媒を冷却子内部に循環させ、または管外に引き出
した冷却子の熱伝導部を上記冷媒に接触させて行うこと
が望ましいが、特に限定はしない。
【0012】
【実施例】表1に示す鋼種を用いて、表2に示す条件で
鋳造を行った。その結果、表2に示したような凝固組織
の等軸晶寸法、等軸晶率となり、明らかに本発明により
微細な等軸晶が増加しており、本発明は有効である。
鋳造を行った。その結果、表2に示したような凝固組織
の等軸晶寸法、等軸晶率となり、明らかに本発明により
微細な等軸晶が増加しており、本発明は有効である。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【発明の効果】本発明は鋼を鋳造する際に低コストで高
率の微細等軸晶を生成させることができるので、この鋼
塊を用いれば強度・靱性に優れた鋼を直送圧延で製造す
ることができる。
率の微細等軸晶を生成させることができるので、この鋼
塊を用いれば強度・靱性に優れた鋼を直送圧延で製造す
ることができる。
【図1】局部異径管の例を示す図である。
1 突起状冷却子 2 円環状冷却子 3 羽根状冷却子 4 段状冷却子 X 局部異径管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤岡 政昭 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内
Claims (1)
- 【請求項1】 鋼を鋳造する際、冷却子により断面積を
局部的に変化させ、毎秒冷却子側を通過する溶鋼質量が
αkgの場合α×3.0×102 〜α×3.0×105
J/secの冷却能を持つ局部異径管を用いて注湯する
ことにより1.0×105 以上のレイノルズ数を持つ溶
鋼流を生成し、微細な凝固組織を生成することを特徴と
する局部異径管を用いた鋼の鋳造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8313492A JPH05245616A (ja) | 1992-03-05 | 1992-03-05 | 局部異径管を用いた鋼の鋳造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8313492A JPH05245616A (ja) | 1992-03-05 | 1992-03-05 | 局部異径管を用いた鋼の鋳造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05245616A true JPH05245616A (ja) | 1993-09-24 |
Family
ID=13793733
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8313492A Withdrawn JPH05245616A (ja) | 1992-03-05 | 1992-03-05 | 局部異径管を用いた鋼の鋳造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05245616A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19828992C1 (de) * | 1998-06-29 | 1999-10-07 | Schott Glas | Bleifreie optische Gläser |
DE19827568C1 (de) * | 1998-06-20 | 2000-01-05 | Schott Glas | Bleifreie optische Bariumflintgläser, Bariumleichtflintgläser und Bariumkrongläser |
CN103949625A (zh) * | 2014-05-05 | 2014-07-30 | 江苏兴达高温合金科技有限公司 | 钢水分流器支架 |
-
1992
- 1992-03-05 JP JP8313492A patent/JPH05245616A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19827568C1 (de) * | 1998-06-20 | 2000-01-05 | Schott Glas | Bleifreie optische Bariumflintgläser, Bariumleichtflintgläser und Bariumkrongläser |
DE19828992C1 (de) * | 1998-06-29 | 1999-10-07 | Schott Glas | Bleifreie optische Gläser |
CN103949625A (zh) * | 2014-05-05 | 2014-07-30 | 江苏兴达高温合金科技有限公司 | 钢水分流器支架 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990518 |