JPH05244924A - 酵母入りビール - Google Patents

酵母入りビール

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JPH05244924A
JPH05244924A JP5020292A JP2029293A JPH05244924A JP H05244924 A JPH05244924 A JP H05244924A JP 5020292 A JP5020292 A JP 5020292A JP 2029293 A JP2029293 A JP 2029293A JP H05244924 A JPH05244924 A JP H05244924A
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沢 敦 子 宮
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製品ビールとして発酵が実質的に終了してい
てしかも固定化酵母が存在させてある容器入りビールで
あって、容器に充填したあとでの香味の変化を防止した
容器入りビールの提供。 【構成】 容器に充填された、製品ビールとして発酵が
実質的に終了していて外観最終発酵度と外観発酵度との
差が7%未満であるビールに102 〜106 cells /ml
の割合で固定化酵母を存在させてなることを特徴とす
る、酵母入りビール。 【効果】 上記の目的が達成される。存在酵母が飲用者
の口に入らない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の背景]
【産業上の利用分野】本発明は、製品ビールとして発酵
が実質的に終了していてしかも酵母が存在させてある容
器入りビールに関する。さらに具体的には、本発明は、
容器に充填したあとでの香味の変化を防止した容器入り
ビールに関する。
【0002】ビール工場で製造された直後の新鮮なビー
ルは美味であるが、それが生ビールであれあるいは熱処
理を施したビールであれ、日時が経過すると香味に変化
が生じてくることが避け難い。
【0003】このビール香味の変化は一つには酸化によ
るものと考えられており、ビールが消費者用の容器に充
填されてから消費者が飲用する頃には多かれ少なかれ酸
化された状態になっていることは否めないところより、
上記のような香味の変化の問題が生じる訳である。酸化
も極めて低度のものであれば香味に問題となるような変
化が生じることはないが、酸化が進行すると酸化臭と呼
ばれる不快な臭気が指摘されるようになる。
【0004】
【従来の技術】容器充填後のビールの酸化を防止すべ
く、ビール生産者は容器中への空気の混入を少なくする
ための工夫や市場滞留日数を短くするため努力をしてい
る。このような消極的な酸化防止、換言すれば酸化予
防、に対して、抗酸化剤としてアスコルビン酸を添加す
る方法があり、事実酒税法上もアスコルビン酸のビール
への添加は認められているところである。
【0005】ところで、酵母入りビールというものが、
外国、特にヨーロッパ、において製造されている。この
公知の酵母入りビールは、典型的には、製品ビールとし
ての発酵が実質的に終了している状態に達する前のビー
ルに酵母を添加して、その最終的な発酵、すなわち後発
酵、をビン内で行なわせたものであって、小麦麦芽の使
用あるいは乳酸菌の作用の併用等による効果をも含めて
特徴のある香味のビールを醸出することを目的としたも
のである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、このような酸化
による香味の変化を防止するために、アスコルビン酸の
ような抗酸化剤を添加しているが、この酸化防止の効果
的な方法が強く要望されていた。本発明は、従来のよう
に抗酸化剤の添加によらなくてもアルコール類からアル
デヒド類への酸化を抑制し、これに伴って酸化臭の生成
を抑制できるビールを提供することを目的とするもので
ある。更に、容器入りビールにおいては、ダイアセチル
臭はビールの香味に影響を及ぼす重量な因子であり、ま
たビールの保存に伴う混濁は、容器入りビールの製品の
品質に影響を及ぼす因子であるが、本発明は、ビールの
性状にいても優れた性状を有するビールを提供すること
を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔発明の概要〕 <要 旨>本発明はビールに酵母を存在させることによ
って、製品ビールの経時的香味変化を防止しようとする
ものである。
【0008】従って、本発明による酵母入りビールは、
容器に充填された、製品ビールとして発酵が実質的に終
了していて外観最終発酵度と外観発酵度との差が7%未
満であるビールに102 〜106 cells/mlの割合で固定
化酵母を存在させてなること、を特徴とするものであ
る。
【0009】<効 果>本発明による酵母入りビールは
製品ビールとして発酵の実質的に終了しているビールに
酵母を少量存在させてなるものであって、存在させた酵
母によって香味の経時変化が有意に防止されている(後
記実験例参照)。
【0010】前記のように、ビールをあまり長く保存し
ておくとビールの新鮮さが失なわれるのは、諸成分がし
だいに酸化されて、酸化臭と呼ばれる変性臭味が発生す
るからである。酸化臭の全体像は現在のところ必ずしも
明らかではないが、揮散性アルデヒドの増加がその原因
であるとみられている。酸化臭の本体が明らかではない
ので、本発明での酵母の作用は必ずしも明確ではない
が、酵母の添加によって酸化臭の生成が抑制されるのは
アルコール類のアルデヒド類への酸化が抑制されるため
であろう(酵母の添加によっていったん生成した酸化臭
が消失することも認められたが、それも生成したアルデ
ヒド類がアルコール類に還元されるためであろう)。
【0011】本発明によってもたらされる主たる効果は
上記の酸化臭生成の抑制にあるが、これ以外にも、次の
ような本発明の効果も期待できる。そのひとつは、ダイ
アセチルあるいはその前駆体であるα‐アセト乳酸を閾
値以上に含有するビールであっても、酵母との接触によ
ってダイアセチル臭の感じられないビールとして飲用す
ることができることである。ダイアセチルはビールに不
快な未熟な臭味を与える成分であるが、このような酵母
の効果は、ダイアセチルが酵母との接触によってアセト
イン、さらには2,3‐ブタンジオールに変換されるか
らである。
【0012】さらに、もうひとつの本発明の効果は、保
存にともなう濁り(非生物的溷濁)の発生を抑制できる
ことである。ビールの保存にともなう非生物的溷濁発生
の機構は、ビール中のポリフェノール類が酸化重合して
高分子化して、溷濁の元となる蛋白質との親和力を増し
て不溶化するためであると考えられている。このような
不溶化は飲用時の冷却によって促進され、寒冷溷濁とな
って飲用時のビールの外観を著しく損ねることもある。
酵母の添加によって溷濁の生成が抑制されるのは、ポリ
フェノール類の酸化重合が抑制されるためであろうと想
像される。
【0013】本発明による容器に充填された酵母入りビ
ールは、酵母を存在させるべきビールが製品ビールとし
て発酵が実質的に終了しているという点において(そし
て、存在させた酵母が固定化酵母であるという点におい
て)前記したような従来の酵母入りビールと区別される
ものである。このように、酵母を存在させる時点で対象
ビールは製品ビールとして発酵が実質的に終了している
ので、容器内で進行するかも知れない更なる発酵が少な
く、従って容器充填時と消費者飲用時のビールの物性
値、たとえばアルコール濃度、エキス濃度、二酸化炭素
濃度、の変化は最少に抑えられている。容器へ充填した
あとは、そのビールの服すべき環境はもはやビール生産
者の制御の及ばないところであるから、本発明のこの要
件は近代的量産品としてのビールにとって重要なもので
ある。
【0014】本発明による酵母入りビールの他の特徴
は、当該酵母が固定化酵母であるということである。
【0015】ビール中に存在させる酵母がばらばらの菌
体からなるものである場合には、ビール中に菌体が分散
していて飲用時に違和感を与えることがあり、また酵母
菌体の沈殿を待って飲用するという配慮が必要となる
が、酵母を固定化酵母の形で使用する本発明によれば、
酵母が飲用者の口に入るということはない。そして、こ
の固定化酵母を容器内部に固定しておけば、消費者は本
発明製品を飲用するに当って存在酵母を事実上意識しな
いですむという効果が得られよう。
【0016】〔発明の具体的説明〕 <対象ビール>本発明で固定化酵母を存在させるべきビ
ールは、製品としての発酵が実質的に終了したビール、
である。
【0017】ここで、製品として発酵が実質的に終了し
たビールというのは、低温で行なわれる後発酵が実質的
に終了したビールということである。
【0018】発酵の終了の程度は、外観最終発酵度と外
観発酵度との差が好ましくは7%未満、さらに好ましく
は5%以下、である、と考えることができる。なお、こ
れらの発酵度の定義および測定法は、Methods of Analy
sis of the ASBC 7th revised edition 1976に記載され
ている。外観最終発酵度は500ml容三角フラスコに2
00mlの試料を入れ、圧搾酵母1gを加えてよく懸濁さ
せ、25℃で2日間発酵させたときの外観発酵度であ
る。これは、酵母により最大限消費されたエキスの量を
示す指標となる。
【0019】また、「ビール」はアルコール発酵を行な
うべき微生物およびその基質に関して産物がビールの範
疇に入る限り任意であるが、微生物としてビール酵母
を、その基質として主として大麦を、使用して得られた
もの、すなわち酒税法上のビールの定義に従うもの、が
代表的である。
【0020】<酵 母>上記のような製品ビールに存在
させるべき固定化酵母は、当該酵母として微生物分類上
酵母の範疇に入るものはすべてが本発明の対象となる。
ただし、本発明製品中での酵母は直接飲用される可能性
があるから、酒類などの食品の製造に用いられるもの、
その他の無害なもの、であることが望ましい。
【0021】そのような酵母の典型的なものはビール酵
母であるが、その他にも清酒酵母、ワイン酵母、その他
がある。
【0022】本発明は固定化酵母を存在させるべき対象
ビールとして、製品ビールとして発酵が実質的に終了し
たものを用いることによって、容器内でのビールの更な
る発酵を防止しているのであり、そのような配慮の下で
は慣用のビール酵母は本発明で適当なものの一つである
が、この目的をより良く達成するためにはそれに適した
酵母を選択して使用することもできる。
【0023】酵母は、所謂固定化酵母として容器中に存
在させる。
【0024】<本発明酵母入りビールおよびその製造>
本発明による酵母入りビールは、前記のような製品ビー
ルとして発酵が実質的に終了しているビールに固定化酵
母を所定濃度、すなわち102 〜106 cells/mlの割合
で存在させてなり、しかも容器入りのものである。
【0025】ここで、酵母を存在させるということは、
対象ビール中に固定化酵母が存在する状態に到らせると
いうことを意味するものであって、合目的的な任意の手
段によることができる。そのような手段の最も代表的な
のは、製造時に使用した酵母を槇過あるいは加熱によっ
て除去あるいは失活させた製品ビールに、固定化酵母を
所定割合となるように添加することである(この場合の
対象製品ビール中の酵母割合は102 cells/ml未満であ
ることはいうまでもない)。
【0026】酵母を存在させる手段の他の一つは、製造
時に使用した固定化酵母の槇過または失活の工程を制御
した条件下で行なって、この工程後に所定割合の酵母が
残存しているビールを得ることである。本発明製品中の
酵母割合の調節あるいは酵母種類の調節の点から、酵母
の別途添加を併用してもよい。
【0027】ビール中の酵母割合は、102 〜106 ce
lls/ml、好ましくは102 〜104cells/mlである。酵
母割合の測定は、寒天培地上での平板培養によるコロニ
ー計数法(「実験農芸化学」、下巻、第3版、東京大学
農学部農芸化学教室著 朝倉書店)による。ここでいう
ビール中の酵母割合は、本発明ビール容器充填直後のそ
れである。
【0028】固定化酵母は今や周知のものであって、固
定化材ないし包括材の種類および固定化法をも含めて各
種のものを本発明においても利用することができる。固
定化酵母は食品中に用いるという点から固定化に用いる
素材には制約があり、現在の酒税法上は用いることので
きる素材はないが、食品添加物として認められているア
ルギン酸塩などは有効に用いることのできる固定化材で
あるといえる。多孔性無機材料、たとえば多孔性ガラ
ス、も適当な固定化材である。(例えば、西村功著「バ
イオリアクター」工業調査会にその例を見ることができ
る。)固定化酵母は、ビーズ状、シート状、テープ状、
ヒモ状、その他任意の形状のものであってもよい。ビー
ズ状の場合は、「篭」状の収容部材で容器内部に固定さ
せることができる。シート状、テープ状、ヒモ状その他
の一次元的ないし二次元的な広さをもつ形状の場合に
は、容器内壁への貼着(シート等の全面または一端で)
その他の手段(たとえば、シート状固定化酵母の前駆体
である酵母分散液の塗布および不溶化)によって容器内
壁への固定を行なうことができる。この場合の容器内壁
というときは、王冠栓の内側面を包含するものとする。
【0029】本発明製品は容器入りのものであるが、そ
の場合の「容器」は消費用容器、具体的にはタル(たと
えば100リットル程度までのもの)、ビン、カンその
他である。
【0030】
【実施例】以下の実施例における官能検査(酸化臭、香
味の総合評価、ダイアセチル臭等)は、8℃にした試料
を10名のパネルにより試飲して行なったものである。
【0031】参考例1 製品ビールにビール醸造用下面酵母を2×102 、2×
103 、2×104 および2×105 cells/ml添加し、
30℃で2週間あるいは1ケ月、20℃で1ケ月あるい
は2ケ月保存し、酵母を添加しないビールを対照とし
て、5試料について酸化臭の強さ、香味の総合評価を比
較した。いずれの試料についても大びんのヘッドスペー
ス空気量は1.8mlに調整した。
【0032】第2表および第3表に示すように、2×1
2 cells/mlの微量添加であっても酵母を添加しない場
合に比べて、新鮮さの保持、香味の総合評価の維持に明
らかな効果がみられたが、大きな効果を得るには2×1
3 あるいは2×104 cells/mlの添加が必要であっ
た。
【0033】
【表1】 パネル10名の平均値。 酸化臭:0…感じない、1…少し感じる、2…感じる、
3…強く感じる。 香味の総合評価:−3…大変わるい、−2…わるい、−
1…少しわるい、0…どちらでもない、1…少しよい、
2…よい、3…大変よい。(酸化臭、香味の総合評価の
尺度は以下の表でも同じである。)
【0034】
【表2】
【0035】参考例2 製品ビールに0.2ppm となるようにダイアセチル(閾
値は0.08ppm)を添加し、そのままあるいは106 ce
lls/mlのビール醸造用下面酵母を添加して20℃、30
℃で8、20日保存し、官能検査を実施した。
【0036】
【表3】
【0037】第3表に示すように、酵母を添加しないビ
ールでは保存期間を通じてダイアセチル量が高く、ダイ
アセチル臭の指摘も高い。また、保存とともに酸化臭の
指摘も増大してくるので、香味の総合評価はよくない。
これに対して、酵母を添加するとダイアセチル臭もほと
んど指摘されなくなり、保存にともなう酸化臭の生成も
抑制されるので、香味の総合評価もわるくはない。
【0038】参考例3 製品ビールにダイアセチルとして0.7ppm となるよう
にダイアセチルの前駆体であるα‐アセト乳酸を添加し
て、そのままあるいは4×105 cells/mlのビール醸造
用下面酵母を添加して20℃、30℃で保存して、ダイ
アセチル臭、酸化臭、香味のよさを調べた。
【0039】第4表に示すように、ダイアセチルの前駆
体としてα‐アセト乳酸が、閾値(ダイアセチルに変換
されたとして0.08ppm)を越えて含まれていて、保存
中にダイアセチルに変換されても、酵母が存在していれ
ば、ダイアセチルに変換されると同時にアセトインにま
で変換されるので、ダイアセチル臭が指摘されることは
なかった。また、酵母の添加による酸化臭の抑制効果も
認められ、無添加のものに比べて明らかに香味の総合評
価も優れていた。なお30℃保存の酵母無添加ビールで
ダイアセチル臭の指摘がそれほど高くないのは、あまり
にも酸化臭が強いためであると考えられる。
【0040】 (第4表)酵母の添加によるダイアセチル臭発生の防止 酸 化 臭 ダイアセチル臭 香味の総合評価 (0〜3) (0〜3) (-3〜3) 保存条件 酵 母 無添加 酵 母 無添加 酵 母 無添加 添 加 (対 照) 添 加 (対 照) 添 加 (対 照) 20℃ 5日 0.1 0.1 0.1 0.6 -0.3 -0.7 〃 10日 0 0.8 0.2 1.4 0.3 -1.2 30℃ 5日 0.4 0.5 0 0.7 -0.1 -1.1 〃 10日 0.4 2.2 0 0.5 -0.1 -2.2 参考例1(第1表)と同じ要領で官能検査を実施した。
【0041】参考例4 製品ビールに2×105 cells/mlのビール醸造用下面酵
母あるいはそれから得た呼吸能欠失株を添加して30℃
で2ケ月保存した後、8℃で24時間冷却し、濁度を測
定、酵母を添加しないビールを対照として寒冷溷濁の生
成を比較した。いずれの試料も633ml容透明びんに入
れて保存し、保存前にヘッドスペースの空気量を1.8
mlに調整した。
【0042】第5表に示すように、酵母の添加によって
寒冷溷濁の発生を抑制することができた。 (第5表)酵母の添加による寒冷溷濁発生の抑制 (30℃2 ケ月保存、8 ℃24時間後の濁度) 試 料 −(保存前濁度)(EBC.f.u) 酵母無添加 0.60 正常酵母添加 0.16 呼吸能欠失酵母添加 0.27 EBC.f.uとは、Analytica EBC, 3rd Edition 1975に記載されたところに従った濁度の単位である。
【0043】実施例1 製品ビールに、ビール醸造用下面酵母をそのままあるい
はその酵母をアルギン酸カルシウムゲルに包括固定化し
て(常法によって直径3mmのビーズに成型)3×105
cells/ml添加し、30℃で1、3ケ月、20℃で1、
3、6ケ月保存し、酵母を添加しないビールを対照とし
て酸化臭の強さ、香味の総合評価の変化を調べた。いず
れの試料についても、大びんのヘッドスペース空気量は
1.8mlに調整した。
【0044】第6表に示すように、固定化酵母であって
も、非固定化酵母(通常酵母)と同様に酸化臭生成の抑
制効果が認められた。なお、30℃の保存では3ケ月
で、酵母添加による酸化臭生成の抑制効果が顕著ではな
くなるが、20℃の保存では6ケ月でもその効果がみら
れた。
【0045】なお、固定化酵母を用いた試料は、飲用時
に違和感を感じることもなく、存在酵母を事実上意識し
ないで飲用することができた。
【0046】 (第6表)固定化酵母の添加による酸化臭の生成の抑制 酸化臭 (0〜3) 香味の総合評価(-3 〜3) 保存条件 無添加 通 常 固定化 無添加 通 常 固定化 酵 母 酵 母 酵 母 酵 母 (対照) 添 加 添 加 (対 照) 添 加 添 加 20℃1 ケ月 1.0 0.2 0.1 -1.3 -0.1 0.3 〃 3 ケ月 2.2 0.3 0.3 -2.0 -0.2 -0.1 〃 6 ケ月 2.4 0.8 0.5 -2.1 -0.6 -0.4 30℃1 ケ月 2.1 0.3 0.3 -1.6 -0.6 0.3 〃 3 ケ月 2.2 2.2 1.6 -1.8 -1.5 -1.3 参考例1(第1表)と同じ要領で官能検査を実施した。
【0047】
【発明の効果】発酵終了後の容器入りビールの酸化臭の
発生および濁りの発生が酵母を存在させることによって
防止され、しかも酵母が固定化酵母であることによって
酵母が飲用者の口に入らないことは、〔発明の概要〕の
項において前記したところである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製品ビールとして発酵が実質的に終了し、
    外観最終発酵度と外観発酵度との差が7%未満であるビ
    ールが充填されている容器内に、充填されたビールに対
    し、102 〜106 cells/mlの割合で固定化酵母を存在
    させてなる酵母存在容器入りビール。
  2. 【請求項2】固定化酵母が、容器内部に固定してある、
    特許請求の範囲第1項記載の酵母存在容器入りビール。
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JP2710739B2 (ja) 1998-02-10

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