JPH05237692A - フラックス入りワイヤ用Al−Mg合金原料 - Google Patents
フラックス入りワイヤ用Al−Mg合金原料Info
- Publication number
- JPH05237692A JPH05237692A JP7547692A JP7547692A JPH05237692A JP H05237692 A JPH05237692 A JP H05237692A JP 7547692 A JP7547692 A JP 7547692A JP 7547692 A JP7547692 A JP 7547692A JP H05237692 A JPH05237692 A JP H05237692A
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- Japan
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- cored wire
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- alloy
- flux cored
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 スパッター発生量が少なく、かつ全溶着金属
部の性能を向上させる巻締型フラックス入りワイヤ充填
用のMg合金を提供する。 【構成】 Mg含有量が90%以上、98%以下のAl
−Mg合金を用いる。
部の性能を向上させる巻締型フラックス入りワイヤ充填
用のMg合金を提供する。 【構成】 Mg含有量が90%以上、98%以下のAl
−Mg合金を用いる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶接用フラックス入り
ワイヤに係わり、その金属製外皮内に充填されるフラッ
クス中に添加するAl−Mg合金に関するものである。
ワイヤに係わり、その金属製外皮内に充填されるフラッ
クス中に添加するAl−Mg合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼製外皮中にフラックスを充填したフラ
ックス入りワイヤには、冷間圧延鋼板を使用してフラッ
クスを充填しながら管状に成形したまま伸線して製品と
する巻締型と、それを溶接してパイプとし、あるいはも
ともと電縫管であるパイプにフラックスを充填させた後
伸線して製品とするシームレス型との大きく分けて2種
類のものがある。ところで、鋼製外皮中に充填されるフ
ラックスは、一般にスラグ剤、シールド剤、アーク安定
剤、合金成分、脱酸剤などからなっており、その中でも
アーク安定剤、脱酸剤としてAl−Mg合金あるいはM
gが使用されている。ワイヤに開口部のないシームレス
型フラックス入りワイヤではAl−Mg合金ならびにM
gを使用しても溶接時のスパッター発生にはあまり影響
しないことがわかっている。しかし、ワイヤに開口部の
ある巻締型フラックス入りワイヤでは、Mgを使用した
場合にスパッターが多発することがわかった。この理由
としては、溶接時にワイヤ突出部でワイヤがジュール加
熱されることにより、非常に活性な原料であるMgが開
口部から逃げ出そうとするために溶滴中に侵入し、急激
な加熱によってガス化することにより爆発状の現象を引
き起こし、小さなスパッターが多発すると考えられてい
る。そのため、従来では、例えば特開昭57−1245
95号公報に開示されているようなAl−Mg合金をM
gの代わりに使用していた。ところが、Al含有率の多
いAl−Mg合金を使用した場合、多量のAlが溶接金
属中に歩止まり、粗大なAlNとなって溶接金属の靱性
を低下させるために、溶接金属の性能が劣化するという
問題点があった。
ックス入りワイヤには、冷間圧延鋼板を使用してフラッ
クスを充填しながら管状に成形したまま伸線して製品と
する巻締型と、それを溶接してパイプとし、あるいはも
ともと電縫管であるパイプにフラックスを充填させた後
伸線して製品とするシームレス型との大きく分けて2種
類のものがある。ところで、鋼製外皮中に充填されるフ
ラックスは、一般にスラグ剤、シールド剤、アーク安定
剤、合金成分、脱酸剤などからなっており、その中でも
アーク安定剤、脱酸剤としてAl−Mg合金あるいはM
gが使用されている。ワイヤに開口部のないシームレス
型フラックス入りワイヤではAl−Mg合金ならびにM
gを使用しても溶接時のスパッター発生にはあまり影響
しないことがわかっている。しかし、ワイヤに開口部の
ある巻締型フラックス入りワイヤでは、Mgを使用した
場合にスパッターが多発することがわかった。この理由
としては、溶接時にワイヤ突出部でワイヤがジュール加
熱されることにより、非常に活性な原料であるMgが開
口部から逃げ出そうとするために溶滴中に侵入し、急激
な加熱によってガス化することにより爆発状の現象を引
き起こし、小さなスパッターが多発すると考えられてい
る。そのため、従来では、例えば特開昭57−1245
95号公報に開示されているようなAl−Mg合金をM
gの代わりに使用していた。ところが、Al含有率の多
いAl−Mg合金を使用した場合、多量のAlが溶接金
属中に歩止まり、粗大なAlNとなって溶接金属の靱性
を低下させるために、溶接金属の性能が劣化するという
問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
巻締型フラックス入りワイヤ用のフラックス原料として
Mgを用いた場合スパッターが多発し、またAl含有率
の高いAl−Mg合金を使用した場合溶着金属の靱性が
低下するという問題を解決して、スパッターの発生が少
なくかつ溶着金属の靱性も良好な巻締型フラックス入り
ワイヤ用Al−Mg合金を提案するものである。
巻締型フラックス入りワイヤ用のフラックス原料として
Mgを用いた場合スパッターが多発し、またAl含有率
の高いAl−Mg合金を使用した場合溶着金属の靱性が
低下するという問題を解決して、スパッターの発生が少
なくかつ溶着金属の靱性も良好な巻締型フラックス入り
ワイヤ用Al−Mg合金を提案するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、Mg含有量が
90wt%以上、98%以下であることを特徴とする巻
締型フラックス入りワイヤ用Al−Mg合金である。
90wt%以上、98%以下であることを特徴とする巻
締型フラックス入りワイヤ用Al−Mg合金である。
【0005】
【作用】本発明者は、実施例の項で後述するようにMg
含有率を種々に変化させたAl−Mg合金を用いて巻締
型フラックス入りワイヤを試作し、そのワイヤを使用し
た時のスパッター発生量と全溶着金属性能を調査した。
その結果、巻締型フラックス入りワイヤの鋼製外皮中に
充填されるAl−Mg合金原料のうち、Mg含有率を9
0%以上、98%以下とすることによってスパッター発
生が少なく、しかも溶着金属性能も良好になることを発
見した。Mg含有率が90%未満ではスパッター発生量
が多くなり、また衝撃値も低下するという理由で下限を
90%とし、また98%を越えるとスパッター発生量が
増加するという理由で上限を98%とした。
含有率を種々に変化させたAl−Mg合金を用いて巻締
型フラックス入りワイヤを試作し、そのワイヤを使用し
た時のスパッター発生量と全溶着金属性能を調査した。
その結果、巻締型フラックス入りワイヤの鋼製外皮中に
充填されるAl−Mg合金原料のうち、Mg含有率を9
0%以上、98%以下とすることによってスパッター発
生が少なく、しかも溶着金属性能も良好になることを発
見した。Mg含有率が90%未満ではスパッター発生量
が多くなり、また衝撃値も低下するという理由で下限を
90%とし、また98%を越えるとスパッター発生量が
増加するという理由で上限を98%とした。
【0006】
【実施例】表1に示す配合フラックス中のAl−Mg合
金について、表2に示す如くMg含有量の比率を変化さ
せたフラックスをSPCC材で作製した鋼製外皮に充填
(フラックス率15%)して、直径1.2mmの巻締型
フラックス入りワイヤを用いて、溶接電流250A、電
圧30V、溶接速度30cm/分、突き出し長さ20m
mの条件でシールドガスにCO2 を用いて溶接を行い、
スパッター発生量および全溶着金属性能を調べた。その
結果を表2に併記する。また実験結果を図1に示す。M
g含有率が100%に近いところでは従来の知見同様に
スパッターの発生量が多いが、それ以外のところではス
パッターの発生量が少なく、Mgのア−ク安定化効果が
確認された。また溶着金属の性能については、Al含有
率の高い、すなわちMg含有率の低いところでは靱性が
劣化しているが、Al含有率が20%以下、すなわちM
g含有率が80%以上では靱性が向上している。この結
果、Mg含有率を90%以上、98%以下に限定するこ
とによって溶接時のスパッター発生量も少なく、また同
時に溶着金属の靱性も良好となることが明らかである。
金について、表2に示す如くMg含有量の比率を変化さ
せたフラックスをSPCC材で作製した鋼製外皮に充填
(フラックス率15%)して、直径1.2mmの巻締型
フラックス入りワイヤを用いて、溶接電流250A、電
圧30V、溶接速度30cm/分、突き出し長さ20m
mの条件でシールドガスにCO2 を用いて溶接を行い、
スパッター発生量および全溶着金属性能を調べた。その
結果を表2に併記する。また実験結果を図1に示す。M
g含有率が100%に近いところでは従来の知見同様に
スパッターの発生量が多いが、それ以外のところではス
パッターの発生量が少なく、Mgのア−ク安定化効果が
確認された。また溶着金属の性能については、Al含有
率の高い、すなわちMg含有率の低いところでは靱性が
劣化しているが、Al含有率が20%以下、すなわちM
g含有率が80%以上では靱性が向上している。この結
果、Mg含有率を90%以上、98%以下に限定するこ
とによって溶接時のスパッター発生量も少なく、また同
時に溶着金属の靱性も良好となることが明らかである。
【0007】
【表1】
【0008】
【表2】
【0009】なお、スパッター発生量の測定には、図2
に示すように溶接トーチ2を固定し、スパッター捕集容
器1内に試験鋼板3をセットし、ワイヤ供給装置5から
ワイヤを供給しつつ台車4で捕集容器1を移動させなが
ら溶接を行い、試験鋼板3、トーチ2とチップ回りに付
着したスパッターおよび捕集容器内に飛散したスパッタ
ーのすべてを回収して秤量し、単位時間当たりのスパッ
ター発生量(g/分)を算出した。
に示すように溶接トーチ2を固定し、スパッター捕集容
器1内に試験鋼板3をセットし、ワイヤ供給装置5から
ワイヤを供給しつつ台車4で捕集容器1を移動させなが
ら溶接を行い、試験鋼板3、トーチ2とチップ回りに付
着したスパッターおよび捕集容器内に飛散したスパッタ
ーのすべてを回収して秤量し、単位時間当たりのスパッ
ター発生量(g/分)を算出した。
【0010】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればス
パッター発生量が少なく、しかも溶着金属部の性能が良
好なフラックス入りワイヤ用Al−Mg合金原料を提供
することができる。
パッター発生量が少なく、しかも溶着金属部の性能が良
好なフラックス入りワイヤ用Al−Mg合金原料を提供
することができる。
【図1】Al−Mg合金中のMg含有率とスパッター発
生量および全溶着金属部の衝撃値の関係を示すグラフ。
生量および全溶着金属部の衝撃値の関係を示すグラフ。
【図2】スパッター捕集装置の概略を示す正面図。
【図3】図2のスパッター捕集容器の上面から見た平面
図。
図。
1 スパッター捕集容器 2 溶接トーチ 3 鋼板 4 台車 5 ワイヤ送給装置 6 トーチカバー
Claims (1)
- 【請求項1】 Mg含有率が90%以上、98%以下で
あることを特徴とする巻締型フラックス入りワイヤ用A
l−Mg合金原料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7547692A JPH05237692A (ja) | 1992-02-26 | 1992-02-26 | フラックス入りワイヤ用Al−Mg合金原料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7547692A JPH05237692A (ja) | 1992-02-26 | 1992-02-26 | フラックス入りワイヤ用Al−Mg合金原料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05237692A true JPH05237692A (ja) | 1993-09-17 |
Family
ID=13577394
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7547692A Pending JPH05237692A (ja) | 1992-02-26 | 1992-02-26 | フラックス入りワイヤ用Al−Mg合金原料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05237692A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4830508A (en) * | 1987-05-01 | 1989-05-16 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Controlling method and a measuring mixer for liquids and powders |
US4872763A (en) * | 1987-05-01 | 1989-10-10 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Method of and apparatus for measuring liquid |
CN100389000C (zh) * | 2005-12-02 | 2008-05-21 | 北京工业大学 | 脱渣性优良的含铌不锈钢药芯焊丝 |
-
1992
- 1992-02-26 JP JP7547692A patent/JPH05237692A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4830508A (en) * | 1987-05-01 | 1989-05-16 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Controlling method and a measuring mixer for liquids and powders |
US4872763A (en) * | 1987-05-01 | 1989-10-10 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Method of and apparatus for measuring liquid |
CN100389000C (zh) * | 2005-12-02 | 2008-05-21 | 北京工业大学 | 脱渣性优良的含铌不锈钢药芯焊丝 |
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