JPH0523390A - 医科用または歯科用硬化性組成物 - Google Patents

医科用または歯科用硬化性組成物

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JPH0523390A
JPH0523390A JP3179917A JP17991791A JPH0523390A JP H0523390 A JPH0523390 A JP H0523390A JP 3179917 A JP3179917 A JP 3179917A JP 17991791 A JP17991791 A JP 17991791A JP H0523390 A JPH0523390 A JP H0523390A
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JP
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strontium
weight
glass powder
medical
phosphate
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Application number
JP3179917A
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English (en)
Inventor
Norifumi Nagata
憲史 永田
Takayuki Yogoro
孝之 余頃
Sadayuki Yuta
貞之 夕田
Masahiko Ueda
正彦 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sankin Industry Co Ltd
Onoda Cement Co Ltd
Original Assignee
Sankin Industry Co Ltd
Onoda Cement Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/062Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C10/00Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
    • C03C4/0007Compositions for glass with special properties for biologically-compatible glass

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、補綴材や充填材として要求される十
分な硬化性、強度を有すると共に生体親和性及びX線造
影性に優れた医科用または歯科用硬化性組成物を提供す
ることにある。 【構成】本発明に係る医科用または歯科用硬化性組成物
は、ストロンチウムアパタイト結晶及び/またはリン酸
ストロンチウムを含むリン酸ストロンチウム系失透ガラ
ス粉末、またはリン酸ストロンチウムカルシウム系失透
ガラス粉末と、ラジカル重合性不飽和化合物及び重合開
始剤からなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医科用または歯科用硬
化性組成物に関し、より詳細にはX線造影性のある医科
用、歯科用材料として、特に病的、外的理由により生じ
た骨や歯牙の欠損部や空隙への充填あるいは人工補綴物
を装着するための骨セメントや歯科用セメントとして使
用し、当該箇所に新たに新生骨や歯牙を発生させ易く
し、後には生体の骨組織、歯牙組織と一体化し、更には
術後観察が容易かつ正確に行うことのできる無機質材料
あるいは無機質材料と有機質材料との複合体である骨、
歯牙充填用硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】外科、整形外科領域においては、交通事
故、骨腫瘍切除等、または歯科領域においては歯槽膿
漏、歯槽骨吸収、抜歯及びう蝕歯牙削除等により、骨や
歯牙に欠損あるいは空隙が生じる。このような骨欠損部
あるいは空隙部の充填、補綴のために自家骨、高分子、
金属、セラミックス等種々の材料が使用されている。中
でも、自家骨は骨形成能に優れ、拒否反応が少ないなど
の点で非常に優れている。しかしながら、自家骨は本人
の正常な組織から採取せねばならないため、手術による
大きな苦痛を伴うばかりでなく、十分な量を確保できな
い場合も多い。そこで近年は自家骨に代わる材料として
水酸化アパタイトが使用され始めている。水酸化アパタ
イトは合成または動物の骨を焼成し、有機成分を除去す
る等により得ることができ、生体親和性が非常に良いこ
とが知られている。しかしながら、水酸化アパタイトを
微粉末または顆粒状で充填材とした場合、血液や体液に
よる流出あるいは縫合後も異物として漏出されるという
問題点が指摘されている。
【0003】また、人工補綴物を生体硬組織に装着する
場合、骨セメントを用いて接合、装着する。この骨セメ
ントにはPMMA(polymethyl methacrylate)を主体と
する所謂医用高分子が多く用いられているが、この材料
は生体親和性が不十分であるばかりでなく、硬化反応時
に発生する反応熱によって生ずる患部の痛みや未反応モ
ノマーの生体為害性が問題となっている。
【0004】一方、歯科用コンポジットや歯科用硬質レ
ジンなどと呼ばれている歯科用硬化性樹脂は歯の治療の
ための硬化性充填物、硬化性接着剤あるいは硬化性塗布
剤として用いられ、また、義歯、歯冠、その他の歯科用
硬化成形物の製造に用いられる。この硬化性樹脂は通常
硬化することができるモノマーなどの重合性化合物とそ
の重合開始剤を含み、必要によりシリカなどの充填材や
顔料、その他の配合剤を配合したものであった。重合性
化合物としてはメチルメタクリレート(以下、MMAと
いう)などの単官能性化合物(重合性不飽和基を1個有す
る化合物)やポリオールポリメタクリレートなどの多官
能性化合物(重合性不飽和基を2個以上有する化合物)の
単独で、あるいは組み合わせであった。そのような硬化
性樹脂としては、例えば、特開昭61−339号公報、特開
昭61−36204号公報、特開昭61−36205号公報などに記載
されている。また、充填材として、シリカの他にはガラ
ス粉末も使用され、歯牙色に近似した半透明性の色調と
することができる。
【0005】これらの組み合わせからなる硬化性組成物
によれば、硬度や接着性に関しては満足しうるが、いず
れも生体拒絶反応を生じ易く、生体親和性の観点から見
れば十分とは言えない。
【0006】これまで開発されてきた医科用または歯科
用硬化性組成物は上記の如く、それぞれ一長一短があ
り、その用途に応じて使い分ける必要があるが、医科用
または歯科用硬化性材料としては硬化特性が十分である
こと及び生体親和性を有することは共通の要求特性であ
り、これらを両方とも満足するのが望まれている。
【0007】更に、上記に述べた様々な医科歯科材料に
は生体親和性とX線造影性の両方を同時に合わせ持った
材料は今のところ見出されていない。生体用材料として
生体親和性が極めて重要な性質であることはいうまでも
ないが、体内に何らかの形で埋入される人工材料では埋
入された時の状態や埋入後の経年変化を正確に把握して
いくことが重要である。即ち、X線造影性もまた重要な
性質となる。一般に、X線造影性を付与する手段として
はベースになる材料に対して、ストロンチウム、バリウ
ム、ランタン等の金属酸化物や金属塩をX線造影剤とし
て配合する方法がよく採用されている。ところがこれら
の造影成分は生体親和性を有していないばかりでなく、
生体内における溶解性が高い、あるいはアレルギー等の
為害作用の問題を有している。こうしたことから造影成
分そのものが生体親和性を有し、かつ生体内において安
定に存在し得る材料が近年強く望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のような
技術的課題を解決するためになされたものであって、そ
の目的とするところは上記趣旨からも明らかなように補
綴材や充填材として要求される十分な硬化性、強度を有
すると共に生体親和性に優れ、かつX線造影性を合わせ
もった医科用または歯科用硬化性組成物を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明の医科用または歯科用硬化性組成物とは、ストロン
チウムアパタイト結晶及び/またはリン酸ストロンチウ
ム結晶を含むリン酸ストロンチウム系失透ガラス粉末、
またはストロンチウム固溶アパタイト結晶を含むリン酸
ストロンチウムカルシウム系失透ガラス粉末と、ラジカ
ル重合性不飽和化合物及び重合開始剤からなる点に要旨
を有するものである。本発明者らは上記要求を満足する
医科用または歯科用硬化性組成物の開発を目指し、種々
研究を重ねた結果、ストロンチウムアパタイト結晶及び
/またはリン酸ストロンチウム結晶を含むリン酸ストロ
ンチウム系失透ガラス粉末、またはストロンチウム固溶
アパタイト結晶を含むリン酸ストロンチウムカルシウム
系失透ガラス粉末と、ラジカル重合性不飽和化合物及び
重合開始剤とを混合、練和することによって硬化性及び
生体親和性及びX線造影性のいずれの点でも優れた硬化
性組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0010】
【作用】以下に本発明について具体的に説明する。本発
明のリン酸ストロンチウム系失透ガラス粉末またはリン
酸ストロンチウムカルシウム系失透ガラス粉末は、スト
ロンチウムアパタイト結晶及び/またはリン酸ストロン
チウム結晶またはストロンチウム固溶アパタイト結晶を
含有したものでなければならない。これらの結晶は骨の
主成分に極めて近似しており、骨の形成を促進させるも
のである。これは単にガラスに上記結晶を添加、混合し
たものではなく、結晶安定化した結晶相がガラス中に分
散した所謂失透ガラスでなければならない。この結晶相
は生体親和性並びにX線造影性を付与する上で不可欠な
ものである。更に上記結晶相にガラスが共存することも
必須条件である。このガラスは優れた硬化性を提供する
のに不可欠なものであって、上記の結晶相とガラス相が
共存した所謂失透ガラスにおいて生体親和性、X線造影
性、硬化性のいずれの点でも優れた硬化性組成物とな
る。これらの結晶相を生成させるためには原料中に主要
成分となるストロンチウム塩またはカルシウム塩やリン
酸塩化物が適量含有することが不可欠である。特に、本
発明の材料は、溶融したガラスを再加熱して結晶化させ
たり、溶融したガラスを徐冷して結晶化させるのではな
く、溶融したガラス生成物を急冷して、その一部を結晶
化させ失透ガラスを得る点に特色があり、失透させるた
めの原料の選択や調合は極めて重要である。結晶相とガ
ラス相が共存した所謂結晶化ガラスを作製する際に、常
法では生成したガラスを再度加熱処理したり、溶融状態
にあるガラスを徐冷して生成した結晶化ガラスを得るの
に対して、本発明に使用する失透ガラスは溶融状態にあ
るガラスを急冷して失透させるために、ガラス内部に結
晶相を含む失透ガラスを得ることができる。従って、生
体親和性の良い結晶成分を含有しながら物性の優れた硬
化性組成物を得ることができる。ここで言う物性とは、
硬化体の強度及び溶解安定性である。
【0011】本発明の失透ガラスの原料組成は例えば次
のように表すことができる: SrO:3〜55重量% CaO:0〜40重量% P25:5〜32重量% SiO2:15〜30重量% Al23:3〜37重量% F2:1〜10重量% MgO:0〜2重量%
【0012】SrOはX線造影性を付与する成分として
不可欠であるが、造影性の付与を目的にSrO等の所謂
造影成分を単に添加、混合したものではならない。これ
らの造影剤は生体に対する親和性が低いばかりでなく、
生体内における溶解性が高い、あるいはアレルギー等の
為害性の問題を有しているからである。本発明の特長は
X線造影性を付与する成分として効果的であるストロン
チウムが、上記のように酸化ストロンチウム(SrO)と
いう形ではなく、生成した失透ガラス中においてストロ
ンチウムアパタイト[Sr10(PO4)6(OH)2]または
リン酸ストロンチウム結晶またはストロンチウム固溶ア
パタイト[SrxCa10-x(PO4)6(OH)2]といった生
体の骨や歯の主成分と同様の構造をもつアパタイトを形
成する点に特長を有するものである。
【0013】以下に組成を限定した理由を述べる。ま
ず、SrOが3重量%未満ではX線造影性を付与するに
は不足である。逆にSrOが55重量%を超える場合に
は、全体に占めるガラス成分が少なくなる。即ち、ガラ
ス強度に劣るものとなる。
【0014】また、CaOは0重量%から40重量%が
適当であるが、0重量%の場合には失透ガラス中に生成
する結晶相としては純粋なストロンチウムアパタイトも
しくはリン酸ストロンチウム結晶である。CaOが配合
された場合にはストロンチウム固溶のアパタイト結晶を
生成する。この場合は固溶体であり、SrOとCaOの
量比によって連続的に構造を変化させたアパタイト型結
晶相を与える。両者の配合比は目的とする結晶相によっ
て、あるいは目的とするX線の造影度によって任意に変
化させることができるが、両者の合量は60重量%以下
が好ましい。これは60重量%を超える場合は全体に占
めるガラス成分が少なくなる。即ち、硬化反応に預かる
成分が少なくなるため、硬化特性に劣るものとなるため
である。なお、CaOの含有量によって生成する結晶は
様々であるが、何れも生体硬組織によく近似した構造を
呈するものであり、生体親和性は何れにおいても極めて
良好である。
【0015】また、P25が5重量%未満では、リン酸
ストロンチウム系結晶またはリン酸ストロンチウムカル
シウム系結晶が晶出し得ず、生体との親和性がなく、逆
にP25が32重量%を超える場合には、化学的耐久性
が悪く、生体内での侵食が見られ不適当である。
【0016】また、SiO2が15重量%未満では、全
体に占めるガラス成分が少なく、透明性が低下し、逆
に、SiO2が30重量%を超える場合には、ガラス粉
末中に占めるリン酸カルシウム結晶相またはリン酸スト
ロンチウムカルシウム系結晶相の割合が相対的に少なく
なり、生体親和性も低下する。
【0017】また、Al23が3重量%未満では、ガラ
ス強度の低下を招き、逆に、Al23が37重量%を超
える場合にはSiO2と同様に生体親和性の低下を招
く。
【0018】F2は融剤として効果があり、歯科領域で
応用した場合、1〜10重量%の添加で、フッ素の徐放
効果が見られるが、10重量%を超えた場合は失透ガラ
ス本来の機械的強度の低下及び化学的耐久性の低下を招
く。
【0019】また、ガラス溶融温度の制御や、生成する
結晶量の制御を目的にMgO、Na2O及びB23から
なる群から選択された1種以上の成分を添加しても良
い。しかし、多量に添加した場合は、リン酸ストロンチ
ウム結晶またはリン酸ストロンチウムカルシウム結晶の
晶出を極度に抑制し生体親和性の低下を招く。従って、
これらの成分の添加量は2重量%以下である。
【0020】次に、ラジカル重合性不飽和化合物は特に
限定されず、公知のものが用いられる。具体的には(メ
タ)アクリル酸エステルすなわちメチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−ジ(メタ)ア
クリレート、2,2'−ビス[(メタ)アクリロキシ−エト
キシフェニル]プロパン、2,2'−ビス[γ−(メタ)ア
クリロキシ−β−ヒドロキシプロポキシフエニル]プロ
パン、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
モノ、ジ、トリまたはテトラエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレートなどが挙げられる。
【0021】更に、生体硬組織との接着性を付与するた
めに、分子内に−COOH基、 上混合して用いられる。
【0022】重合開始剤は特に限定されず、通常用いら
れる有機過酸化物の内からジベンゾイルパーオキサイ
ド、ジ−p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ジラウ
ロイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイドが好
ましく用いられる。また、アミン化合物はアリール基に
アミノ基の結合した第2級、または第3級アミンとして
N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トル
イジン、N−メチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリ
ン、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)アニリン、N,N
−ジ(β−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N−メ
チルアニリン、N−メチル−p−トルイジン等が好まし
く用いられる。また、これらのアミン化合物は塩酸、酢
酸、リン酸などの塩化合物になってもよい。
【0023】更に、光重合の触媒系としては、380〜
500nmの紫外可視領域における吸収特性をもつα−
ジケトンなかでもカンファーキノン、ベンジル、ジアセ
チル、フェナントラキノン、アセナフテンキノン、2,
3−ペンタンジオン、2,3−、3,4−ヘプタンジオン
または2,3−、3,4−もしくは4,5−オクタンジオ
ン等が特に好ましい。また、還元剤としては、前述のア
ミン化合物の他、ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、4・(N,N・ジメチルアミノ)安息香酸イソアミル
等が好適である。
【0024】なお、生じた結晶中にストロンチウムアパ
タイトやリン酸ストロンチウム結晶あるいはストロンチ
ウム固溶アパタイトの他に、ウォラストナイト結晶(C
aO・SiO2)、ジオプサイト結晶(MgO・CaO・
2SiO2)、フォルステライト結晶(2MgO・Si
2)などのアルカリ土類金属珪酸塩結晶をわずかながら
含有することがあり得るが、いずれも本発明における失
透ガラスに包含される。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に説明する
が、これにより本発明は限定されるものではないことは
言うまでもない。なお、下記実施例中の化合物の略号は
以下の意である: Bis−GMA:2,2−ビス[4−(3−メタクリロキ
シ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル]プロパン; 3G:トリエチレングリコールジメタクリレート; HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート; BHT:2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾー
ル。
【0026】実施例1 SrO:36.2重量%、P25:12.2重量%、Si
2:23.4重量%、Al23:22.7重量%、Mg
O:0.5重量%、F2:5重量%となるようにガラス原
料を調合し、1600℃で2時間溶融させた後、水中急
冷させて失透ガラスを得た。これをX線回折法により同
定したところ、ストロンチウムアパタイト結晶、リン酸
三ストロンチウム結晶及び非晶質相を確認した。その結
果を図1に示す。
【0027】次に、得られた失透ガラス粉末を微粉砕し
て平均粒径5μmの粉末とし、常法によりγ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理した。シ
ラン処理失透ガラス粉末100gに対し、ベンゾイルパ
ーオキサイド2gを均一に混合して粉剤Aを得た。3G
50g、HEMA50g、N,N−ジメチル−p−トル
イジン1gとハイドロキノン0.002gを加え、液剤
Bを得た。A剤:B剤=3:1にて混和し、物性を測定
した結果、硬化時間10分、圧縮強度2015kg/c
2であった。
【0028】更に、この混和物を雑種成犬の大腿骨部2
カ所に穿孔した骨髄腔に充填し、X線撮影を行ったとこ
ろ、充填物が明瞭に撮影された。3カ月後に切り出して
常法に従い研磨薄片を作製して検鏡したところ充填物の
周囲に新生骨がとり囲むように侵入しており、強固に結
合しているのが確認された。
【0029】なお、平均粒径5μmのリン酸ストロンチ
ウム系失透ガラスの代わりに平均粒径5μmのアルミノ
シリケートガラス粉末と平均粒径3μmの水酸化アパタ
イト結晶粉末を重量比1:1に混合したものを実施例1
と同様に雑種成犬の大腿骨部2カ所に穿孔した骨髄腔に
充填し、X線により充填物を確認したが、周囲とは明瞭
な差は認められなかった。3カ月後に切り出して常法に
従い研磨薄片を作製して検鏡したところ、充填部位の周
囲の一部にしか新生骨が認められなかった。
【0030】実施例2 SrO:27.8重量%、CaO:12.0重量%、P2
5:7.0重量%、SiO2:22.0重量%、Al
23:26.4重量%、MgO:0.5重量%、F2:4.
4重量%となるようにガラス原料を調合し、1600℃
で2時間溶融させた後、空中急冷させて失透ガラスを得
た。これをポットミルにて平均粒径が3μmになるよう
に微粉砕した。得られた失透ガラス粉末はX線回折法に
よるとガラス相と結晶相が共存し、結晶はストロンチウ
ム固溶アパタイトであり、ガラス相と結晶相は7:3で
あった。その結果を図2に示す。
【0031】実施例1と同様にシラン処理した失透ガラ
ス粉末3gに対して、Bis−GMA70重量部、3G
30重量部、カンファーキノン0.3重量部及び4−
(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸イソアミル0.6重量
部、BHT0.15重量部からなるビニルモノマー混合
物1gを遮光下で混和してペーストを調製した。歯科用
光重合器(サンキュアライト)にて60秒間光照射して物
性を調べたところ、硬化深度4.5mm、圧縮強度36
00kg/cm2、表面硬度Hk63、X線造影性は純
アルミ板5mm相当であった。
【0032】実施例3 実施例1のシラン処理失透ガラス粉末を使用して下記組
成となるようにA剤、B剤を調製した。 A剤(液) Bis−GMA 50重量部 1,4−ブタンジオールジメタクリレート 40重量部 テトラ(メタクリロキシエチル)ピロホスフェート 10重量部 ベンゾイルパーオキサイド 1.0重量部 BHT 0.1重量部 B剤(粉) 表面処理した失透ガラス粉末 100重量部 ベンゼンスルフィン酸ソーダ 0.5重量部 N,N−ジエタノール−p−トルイジン 0.5重量部
【0033】抜去された人大臼歯咬合面に直径4mm、
深さ3mmの円筒状窩洞を注水下、ダイヤモンドポイン
トで形成し、該窩洞に適合するインレーを14K金合金
にて鋳造した。次に、該鋳造物の被表面を30μmの酸
化アルミニウム粒子でサンドブラスト研磨した。窩洞
は、酸エッチングを行わないで水洗のみてを行い、気銃
でよく乾燥した。粉と液を0.4g対0.1gの割合で1
分間練り合わせ、柔らかいペーストを得た。該ペースト
を窩洞壁面に塗り付け、ただちにインレーを窩洞内に嵌
め込んだ。これを歯科用X線装置にて撮影したところ、
接着剤層はエナメル質以上のX線不透過性を示し、適合
状態が明瞭に観察された。接着10分後に、37℃水中
に浸漬し、24時間後に60℃と4℃のフクシン水溶液
中に交互に1分間浸漬し、100サイクルのパーコレー
ションテストを行ったところ、フクシンの侵入は窩洞内
のエナメル質層上端の深さまでであり、象牙質層には全
く認められなかった。
【0034】以上の結果からも明らかなように、本発明
の医科用または歯科用硬化性組成物は良好な硬化特性を
示し、かつ生体親和性も良好であることが判る。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば既述の構成を採用するこ
とによって、硬化性に優れ、硬化体強度も十分に有し、
かつ生体親和性に優れた新しい医科用または歯科用硬化
性組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたリン酸ストロンチウム系失
透ガラス粉末のX線回折図である。
【図2】実施例2で得られたリン酸ストロンチウムカル
シウム系失透ガラス粉末のX線回折図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 夕田 貞之 兵庫県川西市加茂6丁目120番地1 三金 工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 植田 正彦 兵庫県川西市加茂6丁目120番地1 三金 工業株式会社中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストロンチウムアパタイト結晶及び/ま
    たはリン酸ストロンチウム結晶を含むリン酸ストロンチ
    ウム系失透ガラス粉末と、ラジカル重合性不飽和化合物
    及び重合開始剤からなることを特徴とする医科用または
    歯科用硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 リン酸ストロンチウム系失透ガラス粉末
    が、SrO、P25、Al23、SiO2及びF2からな
    る必須成分または該必須成分と、MgO、Na2O及び
    23からなる群から選択された1種以上の成分を溶融
    し、これを急冷して失透させたものである請求項1記載
    の組成物。
  3. 【請求項3】 ストロンチウム固溶アパタイト結晶を含
    むリン酸ストロンチウムカルシウム系失透ガラス粉末
    と、ラジカル重合性不飽和化合物及び重合開始剤からな
    ることを特徴とする医科用または歯科用硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 リン酸ストロンチウムカルシウム系失透
    ガラス粉末が、 SrO、CaO、P25、Al23、SiO2及びF2
    らなる必須成分または該必須成分と、MgO、Na2
    及びB23からなる群から選択された1種以上の成分を
    溶融し、これを急冷して失透させたものである請求項3
    記載の組成物。
  5. 【請求項5】 ラジカル重合性不飽和化合物が(メタ)ア
    クリル酸エステルである請求項1または3記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】 重合開始剤が有機過酸化物とアミン化合
    物、またはα−ジケトンと還元剤により構成される請求
    項1または3記載の組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010533016A (ja) * 2007-07-09 2010-10-21 サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク ストロンチウムを添加した生体活性ガラス

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