JPH05233813A - 動画像解析方法 - Google Patents

動画像解析方法

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JPH05233813A
JPH05233813A JP3308623A JP30862391A JPH05233813A JP H05233813 A JPH05233813 A JP H05233813A JP 3308623 A JP3308623 A JP 3308623A JP 30862391 A JP30862391 A JP 30862391A JP H05233813 A JPH05233813 A JP H05233813A
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moving
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Naoya Ota
直哉 太田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 移動するカメラから得られる動画像から得ら
れる移動ベクトル(オプティカルテロー)と、その移動
ベクトルの信頼性を示す情報を使用して、カメラの運
動を検出する、移動物体を検出することを目的とす
る。 【構成】 カメラの運動は運動パラメータによって決定
される。ある運動パラメータから理論的に計算される移
動ベクトルと、実際に検出された移動ベクトルと、その
信頼性を考慮しながら差をとり、その差を最小にする運
動パラメータを解とする。図はそのアルゴリズムを示
す。の目的に対しては、検出された運動パラメータか
らは生じない移動をしている部分を目的の領域として検
出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば自動車のよう
な、静止環境中を移動する物体に設置されたカメラから
得られる動画像を用いて、そのカメラの運動に関する情
報(運動パラメータ)を検出する技術、さらにこの情報
を用いて、たとえば先行車のように、自己以外の静止環
境中を運動する物体を検出する技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】動画像の持つ移動情報を用いて、それが
写されたカメラの運動情報を得る処理は、一般に図2に
示される構成をとる。最初に、移動ベクトル検出処理2
1によって、動画像からその画像上での移動ベクトル
(オプティカルフロー)を検出し、次に運動パラメータ
計算処理22によって、その移動ベクトルを解析するこ
とにより自己運動を表す運動パラメータを計算する。移
動ベクトル検出処理については、たとえば、吹抜敬彦,
「画像信号による動対象の移動量、速度の測定」,電子
通信学会技術研究報告,IE−67,1978−10、
あるいは、和田正裕、山口博久,「反復勾配法による動
画像信号の動き量検出」,電子通信学会論文誌D,19
85−4,pp.663−670、によって報告されて
いる方法がある。また、運動パラメータ計算処理につい
ては、たとえば、Anna R.Bruss,Bert
hold K.P.Horn,「Passive Na
vigation」,COMPUTER VISIO
N,GRAPHICS,ANDIMAGE PROCE
SSING,21,3−20,1983、によって報告
されている方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上で述べた方法によ
って、動画像から運動パラメータが検出できるが、次に
述べる問題点がある。移動ベクトル検出処理によって検
出される移動ベクトルは、画像の各部分でその検出精度
が異なる。従って、その移動ベクトルには大きな誤差を
含むものが含まれており、上述の運動パラメータ計算処
理は、そのような誤った移動ベクトルをも使用して運動
パラメータを計算するため、正確な運動パラメータを計
算できない。従って、正確な運動パラメータを計算する
ためには、検出された移動ベクトルの精度を考慮するこ
とが必要である。移動ベクトルの精度は、たとえば、太
田直哉,「信頼性指標を持つ移動ベクトルの検出」,コ
ンピュータビジョン’90,シンポジウム論文集,19
90−8,pp.21−30、で報告されている信頼性
指標を導入することにより知ることができる。しかし従
来は、このような移動ベクトルの精度に関する情報を有
効に利用して運動パラメータを計算する手法がなかっ
た。本発明の目的は、これを可能にする手法を提供し、
高精度な運動パラメータの検出を可能にすること、さら
に運動パラメータと移動ベクトルおよびその精度に関す
る情報を使用して、自己が環境中を運動している場合で
も、他の移動物体を検出することを可能にすることであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】第1の発明の動画像解析
方法は、環境に対して相対運動をするカメラによって撮
影された動画像上の各点での移動ベクトル(オプティカ
ルフロー)を用いて、該カメラの運動に関する情報(運
動パラメータ)を検出する動画像解析方法に於いて、前
記動画像から検出された移動ベクトルvd i と、ある運
動パラメータから理論的に計算された移動ベクトルvi
との差異εi 2 を、前記動画像から検出された移動ベク
トルの信頼性を表すベクトルr1 i ,r2 i を用いて、 εi 2 =((vd i −vi )・r1 i 2 +((vd i −vi )・r2 i 2 とし、該差異の各移動ベクトルに関する合計
【0005】
【数2】
【0006】を最小にする運動パラメータを実際のカメ
ラの運動パラメータとして検出することを特徴とする。
【0007】第2の発明の動画像解析方法は、第1の発
明の動画像解析方法において、運動パラメータから理論
的に計算される移動ベクトルvi =(ui ,vi )を、
回転運動を表すパラメータ(Ω1 ,Ω2 ,ω3 )および
並進運動を表すパラメータ(xe ,ye )から、式 ui =(xi −xe )ti +Ω1 i i −Ω2 (xi 2 +f2 )+ω3 i i =(yi −ye )ti +Ω1 (yi 2 +f2 )−Ω2 i i −ω3 i によって計算することを特徴とする。
【0008】第3の発明の動画像解析方法は、第1の発
明の動画像解析方法において、運動パラメータから理論
的に計算される移動ベクトルvi =(ui ,vi )を、
回転運動を表すパラメータ(ur ,vr )および並進運
動を表すパラメータ(xe ,ye )から、式 ui =(xi −xe )ti +uri =(yi −ye )ti +vr によって計算することを特徴とする。
【0009】第4の発明の動画像解析方法は、第2の発
明の動画像解析方法において、動画像から検出された移
動ベクトルと運動パラメータから理論的に計算される移
動ベクトルとの全体の差異Pを最小にする運動パラメー
タを、回転運動を表すパラメータ(Ω1 ,Ω2
ω3 )、ti および並進運動を表すパラメータ(xe
e)の各々に関する最適化を順次、繰り返して行うこ
とにより求めることを特徴とする。
【0010】第5の発明の動画像解析方法は、第3の発
明の動画像解析方法において、動画像から検出された移
動ベクトルと運動パラメータから理論的に計算される移
動ベクトルとの全体の差異Pを最小にする運動パラメー
タを、回転運動を表すパラメータ(ur ,vr )、ti
および並進運動を表すパラメータ(xe ,ye )の各々
に関する最適化を順次、繰り返して行うことにより求め
ることを特徴とする。
【0011】第6の発明の動画像解析方法は、環境に対
して相対運動をするカメラによって撮影された動画像上
の各点での移動ベクトル(オプティカルフロー)と、該
カメラの運動に関する情報(運動パラメータ)を用い
て、環境に対して移動している物体を検出する動画像解
析方法に於いて、前記動画像から検出された移動ベクト
ルvd i と、前記運動パラメータから理論的に計算され
た移動ベクトルvi との差異εi 2 を、前記動画像から
検出された移動ベクトルの信頼性を表すベクトル
1 i ,r2 i を用いて、式 εi 2 =((vd i −vi )・r1 i 2 +((vd i −vi )・r2 i 2 によって計算し、該差異の値を用いて前記移動している
物体を検出することを特徴とする。
【0012】第7の発明の動画像解析方法は、第6の発
明の動画像解析方法において、カメラの運動パラメータ
を、第4の発明の動画像解析方法によって求めることを
特徴とする。
【0013】第8の発明の動画像解析方法は、第6の発
明の動画像解析方法において、カメラの運動パラメータ
を、第5の発明の動画像解析方法によって求めることを
特徴とする。
【0014】
【作用】初めに、静止環境中のカメラの運動により生じ
る画像上の移動ベクトル場(オプティカルフローと呼
ぶ)について述べる。カメラの座標系(X,Y,Z)を
図3に示すように設定する。すなわち、レンズ中心を原
点0とし、Z軸がカメラの光軸と一致するように選ぶ。
Z=fで表される面を撮像面とし、撮像面の座標系
(x,y)を、xおよびy軸がカメラの座標系のXおよ
びY軸と同じ方向を向くように設定する。ここでfは焦
点距離である。物体上の点P=(X,Y,Z)が投影さ
れる撮像面上の点をp=(x,y)とすると、これらの
間には式1で示す関係がある。
【0015】
【数3】
【0016】カメラの任意の瞬間的運動(速度)は、並
進成分と回転成分の合成によって表すことができる。い
ま、カメラの座標系は静止環境に対し並進速度Tと、カ
メラの座標系の原点0を中心とした回転速度ωを持って
いるとする。この2つのベクトルTとωが運動パラメー
タである。このとき、静止環境上の点Pはカメラの座標
系に対し並進速度−T、原点0に対する回転速度−ωの
運動を行っていることに等しい。従ってTおよびωの各
成分をカメラの座標系によって表せば、点Pのカメラの
座標系に対する速度Vは、点Pの位置ベクトルをrとし
て次のようになる。
【0017】 V=−ω×r−T (2) ここで、式2の各ベクトルの成分を V=(X’,Y’,Z,)T (3) r=(X ,Y ,Z )T T=(τ1 ,τ2 ,τ3 T ω=(ω1 ,ω2 ,ω3 T として、Vの各成分を書き下せば式4を得る。
【0018】 X’=−τ1 −ω2 Z+ω3 Y (4) Y’=−τ2 −ω3 X+ω1 Z Z’=−τ3 −ω1 Y+ω2 X この点Pの運動により生じる画像上の点pの速度v=
(u,v)は、式1で示される点pの座標(x,y)を
時間微分することにより得られる。
【0019】
【数4】
【0020】式4を上式に代入し、式1の関係を用いて
整理することにより、次式が得られる。
【0021】 u =ut +ur (6) v =vt +vr t =(τ3 x−T1 )/Z (7) vt =(τ3 y−T2 )/Z ur =Ω1 xy−Ω2 (x2 +f2 )+ω3 y (8) vr =Ω1 (y2 +f2 )Ω2 xy−ω3 x ただし T1 =fτ1 ,T2 =fτ2 (9) Ω1 =ω1 /f,Ω2 =ω2 /f 静止環境中の各点は、それぞれの撮像面上の位置(x,
y)により、式6で示される速度(u,v)を撮像面上
で持つことになる。したがって、この(u,v)がカメ
ラの運動により生じるオプティカルフローである。式6
は、オプティカルフロー(u,v)がカメラの並進運動
によって生じる並進成分(ut ,vt )と回転運動によ
って生じる回転成分(ur ,vr )の和によって表され
ることを示している。回転成分(ur ,vr )は、カメ
ラの回転速度ωと撮像面上の位置(x,y)によって一
意に定まるが、並進成分(ut ,vt )はカメラの並進
速度Tと撮像面上の位置(x,y)の他に点Pの3次元
空間中でのZ座標の値にも依存することが分かる。ここ
で、並進成分(ut ,vt )を次のように書き換える。
【0022】 ut =(x−xe )t (10) vt =(y−ye )t ただし xe =f(τ1 /τ3 ),ye =f(τ2 /τ3 ),t=τ3 /Z (11) tがZに依存するので、(ut ,vt )の大きさはZに
依存するが、その方向はZに依存しない撮像面上の点
(xe ,ye )を向くことが分かる。この点はFOE
(Focus of Expansion)と呼ばれ
る。
【0023】さて、オプティカルフローからカメラの移
動パラメータを検出することは、撮像面上の移動ベクト
ルvの分布が与えられたときに、Tおよびωを決定する
ことであるが、並進速度Tの大きさはオプティカルフロ
ーからのみでは決定できない。これは次の事情による。
式11に示される各値は、Tの各成分およびZにある定
数を乗じても変化しない。これはTの各成分とZの比が
同じならば、同じオプティカルフローが生じることを示
している。従って、可能なことはTの各成分の比、言い
替えればTの方向を求めることのみである。この任意性
は式11の関係のみに含まれているので、(xe
e ),t,ωはオプティカルフローから決定すること
ができる。以降、(xe ,ye ),ωを運動パラメータ
と呼ぶ。tは点Pのz座標値Zを反映する量で撮像面上
の各位置について独立に存在する。
【0024】以上の議論より、解くべき問題は移動ベク
トルvの分布が与えられたときに、運動パラメータ(x
e ,ye ),ωを決定することであるが、原理的には画
像上の8点で移動ベクトルが与えられればこの問題を解
くことができる(H.C.Longust−Higgi
ns,「A computer algorithmf
or reconstructing a scene
from twoviews」,Nature,29
3−10,1981,pp.133−135)。しか
し、この手法が現実性を持つような正確な移動ベクトル
を検出することが不可能なので、多数の点で計測した移
動ベクトルを用いて、それらに最も良く当てはまる
(u,v)を生成する運動パラメータを求め、それを解
とする。いま、移動ベクトルが計測された点がN点ある
とし、第i番目の計測された移動ベクトルをvd i
(ud i ,vd i )、運動パラメータから計算されるそ
の点での移動ベクトルをvi =(ui ,vi )とする。
これらのベクトルの差異を表す量εi 2 を、移動ベクト
ルの信頼性を考慮して定義すると次式となる。
【0025】 εi 2 =(δvi ・r1 i 2 +(δvi ・r2 i 2 (12) δvi =vd i −vi ただし、(a・b)はベクトルaとbの内積を表す。こ
こで、ベクトルr1 i ,r2 i は移動ベクトルの信頼性
を表すベクトルで、たとえばθ方向の信頼性Rθ は次式
で表される(太田直哉,「信頼性指標を持つ移動ベクト
ルの検出」,コンピュータビジョン’90,シンポジウ
ム論文集,1990−8,pp.21−30)。
【0026】
【数5】
【0027】δvi の方向をθとすると、 δvi =|δvi |e となるので、式12のεi 2 は次式で表される。
【0028】εi 2 =(Rθ |δvi |)2 このことより、ベクトルの差異は、実際のベクトルの差
δvi をその方向の信頼性で重み付けし、自乗したもの
で測られることになる。さて、移動ベクトル場全体の差
異は、個々のベクトルの差異を合計した値Pで測られ
る。
【0029】
【数6】
【0030】この値Pはエネルギーと呼ばれる。解くべ
き問題は「vd i ,r1 i ,r2 i が与えられたとき、
エネルギーPを最小にする(xe ,ye ),ti ,ωを
求めること」となる。ここで、各変数に付加された添え
字iはi番目の点に関するものであることを示し、全体
でN個ある。この問題は制約なしの非線形最適化問題で
あるので、この問題は最急降下法、共役勾配法などを用
いて解かれる(「最適化」,岩波講座情報科学−19,
岩波書店,1982)。以上述べた手法により、動画像
から検出された移動ベクトルの信頼性を考慮した運動パ
ラメータの検出が可能となる。
【0031】次に、検出された運動パラメータを用いた
移動物体検出処理について述べる。基本的な考え方は次
のとおりである。運動パラメータが決定されれば、その
運動によって生じうるオプティカルフローが分かる。こ
のオプティカルフローは、カメラは静止環境を運動して
いるという仮定の下に計算された結果であるので、もし
そのオプティカルフローで表せない移動をしている部分
があれば、その部分は静止環境に対し移動している物体
であると考えられる。式12に示されているεi 2 は、
移動ベクトルの信頼性を考慮して理論的に計算される移
動ベクトルvi=(ui ,vi )と実際に検出された移
動ベクトルvd i =(ud i ,vd i )との差を計算し
た結果であるので、移動ベクトルが信頼性高く検出でき
ているにも関わらず、理論的に計算される移動ベクトル
と合わない時に大きな値をとる。従って、上述の移動物
体の領域は、εi 2 が大きな値を示している部分を検出
することによって求めることができる。
【0032】
【実施例】前述のごとく、移動ベクトルの信頼性を考慮
して運動パラメータを求めるために解くべき問題は制約
なしの非線形最適化問題であり、様々な非線形最適化手
法を用いて解くことができる。しかしこの問題では、変
数を(Ω1 ,Ω2 ,ω3 ),ti および(xe ,ye
の3つのグループに分けると、それぞれのグループで
は、Pを最小にする値を解析的に求めることができると
いう特徴があるので、この特徴を生かした効率的なアル
ゴリズムを構成することができる。すなわち最初に(Ω
1 ,Ω2 ,ω3 )以外の変数を固定して、Pを最小にす
る(Ω1 ,Ω2,ω3 )を求める。次に(xe ,ye
について同じことを行い、さらにti について行う。こ
れらの処理を1サイクルとして、解が収束するまでこの
処理を繰り返す。まず、(xe ,ye )について、Pを
最小にする値(xe 0 ,ye 0 )の計算法について述べ
る。求めるべき値は、Pのxe ,ye に対する偏微分を
計算し、それぞれを0と置くことにより得られる。
【0033】
【数7】
【0034】ここでr1 x i ,r1 y i および
2 x i ,r2 y i は、それぞれ信頼性を表すベクトル
1 i ,r2 i のxおよびy成分である。また、
r i ,vr i は式8により計算される。次に、Pを最
小にするti についても同様にして、Pをtiで偏微分
し、0と置くことにより得られる。求めるべき値をt
i 0 と表記する。
【0035】
【数8】
【0036】ここに、ai ,bi ,hi は式20、u
r i ,vr i は式8で計算される。同様にして、Pを最
小にするΩ1 ,Ω2 ,ω3 をΩ1 0 ,Ω2 0 ,ω3 0
すれば、これらの値は次式で与えられる。
【0037】
【数9】
【0038】
【数10】
【0039】
【数11】
【0040】上式において、ai ,bi ,hi は式2
0、ut i ,vt i は式10を用いて計算される。これ
らの結果より、運動パラメータを求めるためのアルゴリ
ズムは図1に示すものになる。まず、ステップ1で各パ
ラメータに初期値を与える。初期値は実際の値に近い方
が望ましいので、たとえば、進行方向を向いたカメラか
ら得られた画像に対しては、Ω1 =Ω2 =ω3 =0,t
i =0とし、xe ,ye は画像の中心とする。次にステ
ップ2で現在のエネルギーPを計算し、変数Pb に設定
するとともに、繰り返し回数を保持する変数kに1をセ
ットする。ステップ3では(Ω1 ,Ω2 ,ω3 )に関す
る最適化を行う。すなわち、式22を用いて(Ω1 0
Ω2 0 ,ω3 0 )を計算し、これを新たな(Ω1
Ω2 ,ω3 )とする。ステップ4に於いて、式21を用
いてti 0 を計算して新たなti とし、ステップ5に於
いて、式17を用いて(xe 0 ,ye 0 )を計算しこれ
を新たな(xe ,ye )とする。次に、ステップ6に於
いて収束の判定を行う。すなわち、この段階でのエネル
ギーPを計算し、1サイクル前のエネルギーPb と比較
する。エネルギーの減少量がPe に等しいかより小さい
場合反復を終了する。また、反復回転kがke に等しい
場合にも反復を終了する。ここに、Pe は収束判定用の
定数であり、ke は最大の反復回数である。反復の終了
条件が満たされない場合はステップ7に進み、ステップ
6で計算したエネルギーPをPb に代入し、反復回数k
に1を加えてステップ3に戻る。このように、ステップ
3,4,5,6,7によって反復演算の1サイクルが構
成される。ここでは、収束の判定をエネルギーPの減少
量で行ったが、簡単には反復回数kのみで行うこともで
きる。以上のアルゴリズムで運動パラメータ(xe ,y
e ),ωとti をが求まる。
【0041】以上の議論では完全な回転運動を扱った
が、一般に移動ロボットや自動車などの地上を移動する
物体は地平面に束縛されているので、カメラの光軸を地
平面と平行に設置すれば、Z軸回りの回転運動は小さい
と仮定できる。また、カメラに画角が小さいもの(望遠
レンズに近いもの)を使えば、物体の撮像面上の位置
(x,y)は焦点距離fに較べて十分小さいと仮定でき
る。これらの仮定を行うと、運動パラメータの計算をあ
る程度単純化できる。これらの仮定を数式で表すと次の
ようになる。
【0042】
【数12】
【0043】この条件を用いて式8を形成すると次式と
なる。
【0044】 ur ≒Ω1 xy−Ω2 2 (24) vr ≒Ω1 2 −Ω2 xy また、ur の式Ω1 xyはvr の式Ω1 2 に対し無視
でき、vr の式のΩ2 xyはur の式Ω2 2 に対して
無視できるので、式24はさらに次式のように変形でき
る。
【0045】 ur ≒−Ω2 2 (25) vr ≒ Ω12 すなわち、(ur ,vr )は画像上の位置によらず一定
値になる。運動パラメータを計算するには図1に示した
アルゴリズムに次の変更を加えれば良い。ステップ4お
よび5で使用する計算式、式21,17に含まれるu
r i ,vr i を定数ur ,vr に置き換える。ステップ
3の(Ω1 ,Ω2 ,ω3 )に関する最適化は(ur ,v
r )に関する最適化になり、次の式で計算される。次式
に於いて(ur 0 ,vr 0 )がPを最小にする(ur
r )であり、ステップ3に於いて、この値を新たな
(ur ,vr )として設定する。
【0046】
【数13】
【0047】このアルゴリズムからはPを最小にするx
e ,ye ,ti およびur ,vr が計算されるが、必要
な場合には、式25によってΩ1 ,Ω2 へ変換される。
【0048】さて次に、上述の方法で検出された運動パ
ラメータを用いて移動物体を検出する処理について述べ
る。運動パラメータ(Ω1 ,Ω2 ,ω3 )及び(xe
e)とti が与えられているので、式6,8,10、
または式6,10,25を用いて任意の画像上の点(x
i ,yi )で、オプティカルフローを構成する移動ベク
トルvi =(ui ,vi )を計算する。次に実際に検出
された移動ベクトルvd i =(ud i ,vd i )とその
信頼性を表すベクトルr1 i =(r1 i ,r1i )およ
びr2 i =(r2 i ,r2 i )を用いて、式12により
εi 2 を計算する。このεi 2 があるしきい値よりも大
きい部分を移動物体領域として検出する。また、移動物
体の写っている領域がある程度大きいと期待できる場合
には、しきい値処理を行う前に画像上で平滑化処理を行
うことが有効である。以上では、運動パラメータ検出処
理に本特許で述べた方法を用いるとしたが、その他の方
法によって検出された運動パラメータを使用することも
可能である。この場合には、一般にti が与えられない
ので、式21を用いてti を求めてからεi 2 を計算す
る。
【0049】
【発明の効果】本発明により、動画像から検出された移
動ベクトルの信頼性を有効に使用して、カメラの運動パ
ラメータを精度良く計算すること、また、環境中を移動
する物体を精度良く検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】運動パラメータの計算方法を示す図
【図2】一般的な運動パラメータ検出処理の構成を示す
【図3】カメラの撮像系と撮影される物体との関係を示
す図
【符号の説明】
21 移動ベクトル検出処理 22 運動パラメータ計算処理

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環境に対して相対運動をするカメラによ
    って撮影された動画像上の各点での移動ベクトルを用い
    て、該カメラの運動パラメータを検出する動画像解析方
    法に於いて、前記動画像から検出された移動ベクトルv
    d i と、ある運動パラメータから理論的に計算された移
    動ベクトルvi との差異εi 2 を、前記動画像から検出
    された移動ベクトルの信頼性を表すベクトルr1 i ,r
    2 i を εi 2 =((vd i −vi )・r1 i 2 +((vd i −vi )・r2 i 2 とし、該差異の各移動ベクトルに関する合計 【数1】 を最小にする運動パラメータを実際のカメラの運動パラ
    メータとして検出する動画像解析方法。
  2. 【請求項2】 運動パラメータから理論的に計算される
    移動ベクトルvi =(ui ,vi )を、回転運動を表す
    パラメータ(Ω1 ,Ω2 ,ω3 )および並進運動を表す
    パラメータ(xe ,ye )から、式 ui =(xi −xe )ti +Ω1 i i −Ω2 (xi 2 +f2 )+ω3 i i =(yi −ye )ti +Ω1 (yi 2 −f2 )−Ω2 i i −ω3 i によって計算することを特徴とする請求項1記載の動画
    像解析方法。
  3. 【請求項3】 運動パラメータから理論的に計算される
    移動ベクトルvi =(ui ,vi )を、回転運動を表す
    パラメータ(ur ,vr )および並進運動を表すパラメ
    ータ(xe ,ye )から、式 ui =(xi −xe )ti +uri =(yi −ye )ti +vr によって計算することを特徴とする請求項1記載の動画
    像解析方法。
  4. 【請求項4】 動画像から検出された移動ベクトルと運
    動パラメータから理論的に計算される移動ベクトルとの
    全体の差異Pを最小にする運動パラメータを、回転運動
    を表すパラメータ(Ω1 ,Ω2 ,ω3 )、ti および並
    進運動を表すパラメータ(xe ,ye )の各々に関する
    最適化を順次、繰り返して行うことにより求めることを
    特徴とする請求項2記載の動画像解析方法。
  5. 【請求項5】 動画像から検出された移動ベクトルと運
    動パラメータから理論的に計算される移動ベクトルとの
    全体の差異Pを最小にする運動パラメータを、回転運動
    を表すパラメータ(ur ,vr ),ti および並進運動
    を表すパラメータ(xe ,ye )の各々に関する最適化
    を順次、繰り返して行うことにより求めることを特徴と
    する請求項3記載の動画像解析方法。
  6. 【請求項6】 環境に対して相対運動をするカメラによ
    って撮影された動画像上の各点での移動ベクトルと、該
    カメラの運動パラメータを用いて、環境に対して移動し
    ている物体を検出する動画像解析方法に於いて、前記動
    画像から検出された移動ベクトルvd i と、前記運動パ
    ラメータから理論的に計算された移動ベクトルvi との
    差異εi 2 を、前記動画像から検出された移動ベクトル
    の信頼性を表すベクトルr1 i ,r2 i を用いて、式 εi 2 =((vd i −vi )・r1 i 2 +((vd i −vi )・r2 i 2 によって計算し、該差異の値を用いて前記移動している
    物体を検出することを特徴とする動画像解析方法。
  7. 【請求項7】 カメラの運動パラメータを、請求項4記
    載の動画像解析方法によって求めることを特徴とする請
    求項6記載の動画像解析方法。
  8. 【請求項8】 カメラの運動パラメータを、請求項5記
    載の動画像解析方法によって求めることを特徴とする請
    求項6記載の動画像解析方法。
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