JPH0523229A - 椅 子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 椅子背もたれの位置を着座部に対して所要の
前後及び上下に位置換え移動可能にすること。 【構成】 椅子着座部１の後端両側に左右一対からなる
背もたれ案内用支持部材６を所要の後上り傾斜状に付設
すると共にこれら背もたれ案内用支持部材６に背もたれ
３を摺動及び固定可能に装着構成してなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、特に成育期の子供を対
象にした椅子に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】椅子を使用する生活時間が増大するにつ
れて、その実用性、安楽度、使用目的等を考慮した多種
・多様のものが提供されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来提供されまた提案
されている多くの椅子は、そのほとんどが大人を対象と
したものであって、子供専用の椅子としては、極く限ら
れている。特に成育期にある子供が長時間使用する椅子
については、机との対応から主に高さの調節に配慮が払
われているが、その他の形状寸法は画一化されており、
健康と成長を意識した、いわゆる姿勢の矯正機能を備え
た椅子は提供されていない。

【０００４】元来椅子は、着座部と背もたれおよびそれ
を支持する脚とで作られ、人が腰を掛けて寄りかかるこ
とができるようになっているが、使用者が不用意に背も
たれから離れた位置に腰を掛けて背もたれに寄りかかる
と、上体の体重が背中にかかって背骨が曲がり上体の姿
勢が悪くなり、そのままの姿勢で長時間いると背骨自体
に曲がり癖がつくだけでなく、曲がった背骨が常時内蔵
を圧迫することになり不測の病を引き起こす誘因ともな
る。

【０００５】しかるに、現在、上記のような傾向が比較
的に椅子を長時間利用する成育期の子供達に見受けられ
るという不都合を生じている。これは、学校などで使用
されている椅子がこれを利用する生徒達の平均身長に合
わせて作られているため、平均身長以下の生徒が腰を掛
けた場合には腰と背もたれとの間に隙間が残ることにな
り、上記不用意な着座と同じ結果を招くからである。

【０００６】そこで、このような不都合を解消するため
には、椅子自体の構造、特に椅子の背もたれを着座部に
対して予め利用者に最適な位置に設定できるようにして
常時正しい姿勢での着座およびその姿勢の維持を行なわ
せるようにすべきである。

【０００７】本発明は、上記のような認識にかんがみ、
身長の差異に幅広く適合させることが可能な調整機能を
もつ椅子を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】椅子着座部の後端両側に
左右一対からなる背もたれ案内用支持部材を互いに平行
状かつ所要の後上がり傾斜状に対設すると共に、これら
背もたれ案内用支持部材に前記背もたれを摺動および固
定可能に装着構成して、椅子の背もたれを着座部上にお
いて所要の前後および上下に比例的に位置換え可能にし
たことを特徴とする。

【０００９】

【作用】椅子着座部に対して左右一対の前記背もたれ案
内用支持部材を所要の傾斜角度で付設しているので、背
もたれの位置を使用者の身長に合わせて前後方向に調整
移動させると、同時にこれと比例的に適合した背もたれ
の高さ方向の位置を容易に調整設定することができる。

【００１０】

【実施例】以下本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。第１図は本発明の実施例を示す全体斜視図、第２図
は椅子着座部の後端両側に付設した背もたれ案内用支持
部材と背もたれとの係合関係を示す一部継断正面図、第
３図は使用状態を示す側面図である。

【００１１】図において、１は着座部、２は支持脚、３
は背もたれであり、この背もたれ３には、その下端両側
にそれぞれ後述する左右一対の背もたれ案内用支持部材
６に対して摺動自在に遊嵌係合させるための断面形例え
ば台形状の係合溝４をそれぞれ内側に備えた係合部５を
設けている。

【００１２】しかして、６は前記背もたれ３を前記着座
部１上において前後方向および上下方向に同時に所要の
調整移動可能に支持させるための左右一対からなる背も
たれ案内用支持部材であり、これら一対の背もたれ案内
用支持部材６は、前記背もたれ３をその下端の係合部５
に設けた前記台形状の係合溝４により、それぞれ遊嵌装
着させて支持可能にその断面形を前記台形状係合溝４と
一致する台形断面とした所定長さの棒状体に形成され、
そのそれぞれの台形頂面側で前記着座部１の後端両側の
所定の位置にそれぞれ所要の傾斜角度となるように回動
および固定可能に取付けねじ７により取付けられてい
る。

【００１３】８は背もたれ３の固定ねじであり、これを
弛めて背もたれ３を前記背もたれ案内用支持部材６上で
所要方向に所要量だけ摺動させ、その位置で締付け固定
するものである。

【００１４】なお、椅子着座部１に対して取付けられる
背もたれ案内用支持部材６の傾斜角度は、人の足の長さ
と胴の長さの比によって決定すべであるので、実施例で
は前記傾斜角度を可変としたがこれを一定として使用す
る場合は固定装着してもよい。

【００１５】

【発明の効果】以上のように、本発明では、椅子の背も
たれを着座部に対して前後および上下に同時かつ比例的
に移動調整する構造としたので、身長差のばらつきが大
きい成育期の子供を対象とした任意の調整が可能であ
り、使用者個々に適合した姿勢矯正機能をもたせること
ができ、健康を考慮した椅子として顕著な効果を発揮す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す全体斜視図。

【図２】椅子着座部の後端両側に付設した背もたれ案内
用支持部材と背もたれとの係合関係を示す一部縦断正面
図。

【図３】使用状態を示す側面図である。

【符号の説明】

１ 着座部 ２ 支持脚 ３ 背もたれ ４ 係合溝 ５ 係合部 ６ 背もたれ案内用支持部材 ７ 取付けねじ ８ 固定ねじ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 脚部に支持された着座部と背もたれから
   なる椅子において、前記着座部の後端両側に左右一対か
   らなる背もたれ案内用支持部材を互いに平行状かつ所要
   の後上り傾斜状に対設すると共に、これら背もたれ案内
   用支持部材に前記背もたれを摺動および固定可能に装着
   構成して、椅子の背もたれを着座部上において所要の前
   後および上下に比例的に位置換え可能にしたことを特徴
   とする椅子。