JPH0523217A - 電動歯ブラシ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バス磨きにおける歯ブラシの振動幅又はロー
リング磨きにおけるローリング角度を複数段に切り替え
ることができるようにした電動歯ブラシを提供すること
を目的としている。 【構成】 モータ15で駆動され偏心量が異なる複数個の
板カム311 、312 を有する回転軸31と、頭部に歯ブラシ
16の移動方向に直交する方向又は移動方向を長径とする
偏心孔331 を有し、尾部が歯ブラシ軸12に連結された可
動板33と、可動板33に略準ずる固定板34と、可動板33及
び固定板34と回転軸31の間に摺動可能に挿入されたカム
切替筒35を具備している。カム切替筒35の外周面は前記
偏心孔331の周縁に接しており、一方内周面には歯ブラ
シ16の移動方向又は移動方向に直交する周縁に板カム31
1 、312 に当接する段差351 、352 を有する凸部353 が
形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電動歯ブラシに係り、特
にバス磨きにおける歯ブラシの振動幅又はローリング磨
きにおける歯ブラシのローリング角度を切り替えるよう
にした電動歯ブラシに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の電動歯ブラシのバス磨き及びロー
リング磨きの動作機構を図を参照して説明する。図１
１、図１２はバス磨き動作機構を説明する図面であっ
て、図１１は電動歯ブラシの要部平面図、図１２は同側
面図、図１３、図１４はローリング磨き動作機構を説明
する図面であって、図１３は電動歯ブラシの平面図、図
１４は同側面図である。

【０００３】歯ブラシの前後方向に微振動させるバス磨
き動作機構について説明する。電動歯ブラシは電動歯ブ
ラシ本体10と、これに着脱可能に装着された歯ブラシ16
からなっている。

【０００４】電動歯ブラシ本体10は回転偏心軸11と、歯
ブラシ軸12と、可動板13と固定板14とモータ15を含んで
いる。回転偏心軸11は一端に形成された従歯車111 と一
体に樹脂成型されており、回転偏心軸11の軸心は従歯車
111 の軸心に対して所定間隔Ｄだけ偏心している。従歯
車111 は小歯車を介してモータ15の駆動軸に連結されて
いる。歯ブラシ軸12は先端に歯ブラシ16を挿着し、基部
に可動板13と固定板14の尾部を連結しロックする嵌合孔
121 、122 が設けられている。

【０００５】可動板13は樹脂製で、頭部が平板状に尾部
がＬ字状に折曲し縮径された棒状に形成されている。前
記頭部には歯ブラシ16の移動方向と直交する方向を長径
とする偏心孔131 が開設されており、これに回転偏心軸
11が回転可能に挿通されている。一方、尾部は歯ブラシ
軸12の嵌合孔121 に嵌まり込みロックされている。固定
板14は樹脂製で可動板13と略同様に形成されている。

【０００６】頭部には回転偏心軸11の挿通口と、この挿
通口に挿入され回転偏心軸11と固定板14の間をシールす
るＯリング141 が設けられており、尾部は前記嵌合孔12
2 に嵌まり合い固定されている。前記回転偏心軸11と偏
心孔131 を有する可動板13と、固定板14と、歯ブラシ軸
12によってバス磨き動作機構が構成されている。モータ
15の駆動によって回転偏心軸11が矢印方向に回転する
と、可動板13は図１１に示す矢印方向に所定間隔Ｄだけ
前後方向に速やかに移動( 振動）する。従って、歯ブラ
シ軸12の先端に挿着した歯ブラシ16がバス磨き動作す
る。

【０００７】つぎに、歯ブラシ16を所定角度で往復ロー
リングさせるローリング磨き動作機構について説明す
る。ローリング磨き動作機構はバス磨き動作機構と可動
板の偏心孔が相違するほかは同一であり、同一部品は同
一符号で示している。

【０００８】電動歯ブラシ本体20は回転偏心軸11と、歯
ブラシ軸12と、可動板23と、固定板14とモータ15を含ん
でいる。可動板23の頭部には歯ブラシ16の移動方向を長
径とする偏心孔231 が開設され、これに回転偏心軸11が
回転可能に挿通されている。そして前記回転偏心軸11と
偏心孔231 を有する可動板23と、固定板14と、歯ブラシ
軸12によってローリング磨き動作機構が構成されてい
る。

【０００９】回転偏心軸11が回転すると、偏心孔231 の
両内壁を交互に押圧し、図１３の矢印方向に速やかに揺
動する。可動板23の尾部は歯ブラシ軸12にロックされて
いるので、歯ブラシ16は歯ブラシ軸12を中心として所定
角度往復ローリング運動するようになっている。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】前記バス磨きは歯槽膿
漏の予防と治療に効果的であり、一方ローリング磨きは
虫歯予防に効果的であるが、バス振動振幅及びローリン
グ角度を加減し、使用者の歯と歯ぐきの状態に見合った
最適のブラッシングができるようにすることが望まし
い。

【００１１】しかしながら、従来の電動歯ブラシは歯ブ
ラシのバス振動振幅及びローリング角度が一定で、これ
らを変えることができないので、誰にでも適合するもの
とはいえなかった。本発明は上記事情に鑑みて創案され
たもので、バス磨きにおける歯ブラシの振動幅又はロー
リング磨きにおける歯ブラシのローリング角度を複数段
に切り替えることができるようにした電動歯ブラシを提
供することを目的としている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】第1 の発明に係る電動歯
ブラシは、モータで駆動され偏心量が異なる複数個の板
カムを有する回転軸と、頭部に歯ブラシの移動方向に直
交する方向を長径とする偏心孔を有しており尾部が歯ブ
ラシ軸に連結された可動板と、頭部に前記偏心孔と同心
状に開設された開孔を有しており尾部が歯ブラシ軸の基
端に固定された固定板と、可動板及び固定板と回転軸の
間に摺動可能に挿入されたカム切替筒を具備しており、
前記カム切替筒の外周面は前記可動板の偏心孔周縁に接
するとともに固定板の開孔に挿着したＯリングに密接
し、一方内周面は前記歯ブラシの移動方向周縁に前記板
カムに当接する複数段の段差を有する凸部が形成されて
おり、かつカム切替筒を回転軸方向に摺動させることに
より歯ブラシの前後方向の振動幅を複数段に切り替える
ようにしたことを特徴としている。

【００１３】第2 の発明に係る電動歯ブラシは、モータ
で駆動され偏心量が異なる複数個の板カムを有する回転
軸と、頭部に歯ブラシの移動方向を長径とする偏心孔を
有しており尾部が歯ブラシ軸に連結された可動板と、頭
部に前記偏心孔と同心状に開設された開孔を有しており
尾部が歯ブラシ軸の基端に固定された固定板と、可動板
及び固定板と回転軸の間に摺動可能に挿入されたカム切
替筒を具備しており、前記カム切替筒の外周面は前記可
動板の偏心孔周縁に接するとともに固定板の開孔に挿着
したＯリングに密接し、一方内周面は前記歯ブラシの移
動方向に直交する周縁に前記板カムに当接する複数段の
段差を有する凸部が形成されており、かつカム切替筒を
回転軸方向に摺動させることにより歯ブラシのローリン
グ角度を複数段に切り替えるようにしたことを特徴とし
ている。

【００１４】

【実施例】以下、図面を参照して本発明に係る実施例を
説明する。図１から図４にかけては第1 の発明であるバ
ス磨き動作機構を説明する図面であって、図１は電動歯
ブラシの要部平面図、図２は振動幅が小さい場合の側面
断面図、図３は振動幅が大きい場合の側面断面図、図４
は振動幅の切替動作を示す説明図である。

【００１５】図５から図１０にかけては第2 の発明であ
るローリング磨き動作機構を説明する図面であって、図
５は電動歯ブラシのローリング角度が小さい場合を示す
平面図、図６は背面視軸心断面図、図７は歯ブラシの前
面図、図８はローリング角度が大きい場合を示す背面視
軸線断面図、図９は図８のX-X 断面平面図、図１０は歯
ブラシの前面図である。従来技術と同一の部分は同一の
符号で示している。

【００１６】第1 の発明に係る電動歯ブラシは、電動歯
ブラシ本体30と、歯ブラシ16からなり、電動歯ブラシ本
体30は回転軸31と、歯ブラシ軸12と可動板33と固定板34
とカム切替筒35とモータ15を含んでいる。

【００１７】回転軸31は一端に形成された従歯車111
と、従歯車111 の軸心に偏心量が異なる複数個( 図１で
は2 個) の板カム311 、312 とを有しており、これらが
一体に樹脂成型されている。可動板33は樹脂製で、頭部
が平板状に尾部がＬ字状に折曲・縮径された棒状に形成
されている。前記頭部には歯ブラシ16の移動方向と直交
する方向を長径とする偏心孔331 が開設されており、尾
部は歯ブラシ軸12の嵌合孔121 に嵌まり込み係止されて
いる。

【００１８】固定板34は樹脂製で、可動板33と略同様に
形成されている。頭部には前記偏心孔331 と同心状に形
成された開孔341が開設されており、尾部は歯ブラシ軸1
2の基端に設けられた嵌合孔122 に嵌まり込み固定され
ている。カム切替筒35は筒状に一体に形成された樹脂成
型品で、前記回転軸31と可動板33及び固定板34との間に
摺動可能に挿入されている。

【００１９】前記カム切替筒35の外周面には前記可動板
33の偏心孔331 の周縁に接するとともに、固定板34の開
孔341 に挿着されたＯリング342 に密接してシールされ
ている。一方その内周面には歯ブラシ16の移動方向周縁
に前記板カム311 、312 に当接する段差351 、352 を有
する凸部353 が形成されている。

【００２０】前記回転軸31と、偏心孔331 を有する可動
板33と、固定板34と、カム切替筒35と歯ブラシ軸12によ
ってバス磨き動作機構が構成されている。つぎにバス磨
きにおける振動幅の切替動作について説明する。

【００２１】(1) 振動幅を小さくする場合 図２に示すように、偏心量の小さい板カム311 を凸部35
3 のうち突出量が大きい段差351 の垂直面351Aに接する
ようにカム切替筒35を摺動させる。モータ15の駆動によ
って回転軸31が回転し、板カム311 に接するカム切替筒
35の凸部353 及び可動板33は図２に示す矢印方向に移動
する。これにより、歯ブラシ16は小さい振動幅でもって
前後方向に移動する。 (2) 振動幅を大きくする場合 図３の破線矢印で示す方向にカム切替筒35を手で摺動さ
せる。そして段差351の水平面を偏心量の大きい板カム3
12 の側面に当接させると、段差352 の垂直面352Aは板
カム312 の周面に接する。板カム312 は板カム311 より
も偏心量が大きいので、歯ブラシ16は偏心量の差だけ振
動幅が大きくなる。

【００２２】すなわち、図４に示すように、板カム311
、312の偏心量をD1、D2とすると、D2＞D1である。振動
幅が小さい場合は板カム311 が段差351 の垂直面351Aを
偏心量D1だけ押し込むのに対し、振動幅が大きい場合に
は板カム312が段差351 よりも突出量の小さい段差352
の垂直面352Aを偏心量D2だけ押し込むことにより、段差
の突出量の差が偏心量差に加わり、振動幅が増大する。
この際、板カム311 はカム切替筒35の凸部353 に接する
ことなく、フリー状態となっている。

【００２３】第2 の発明に係る電動歯ブラシは電動歯ブ
ラシ本体40と歯ブラシ16からなり、電動歯ブラシ本体40
は回転軸31と歯ブラシ軸12と可動板43と固定板34とカム
切替筒45とモータ15を含んでいる。第1 の発明と同一の
部分は同一の符号で示している。

【００２４】可動板43は前記可動板33と略同様の形状を
有しており、頭部には歯ブラシ16のバス磨き移動方向と
同じ方向を長径とする偏心孔431 が開設されている。カ
ム切替筒45も前記カム切替筒35と略同様の形状を有して
おり、外周面は可動板43の偏心孔431 に接しており、内
周面は歯ブラシ16の移動方向に直交する周縁に前記板カ
ム311 、312 に当接する段差451 、452 を有する凸部45
3 が形成されている。前記回転軸31と、偏心孔431を有
する可動板43と、固定板34と、カム切替筒45と、歯ブラ
シ軸12によってローリング磨き動作機構が構成されてい
る。

【００２５】つぎにローリング角度の切替動作について
説明する。 (3) ローリング角度を小さくする場合 バス磨きの場合と同様にカム切替筒35を摺動し、板カム
311 に段差451 の垂直面451Aを当接させる。回転軸31の
回転によって板カム311 がカム切替筒45を押し込み、可
動板43、固定板34を図５の矢印方向に揺動させる。これ
により、歯ブラシ16が偏心量に見合った角度A でローリ
ングする。 (4) ローリング角度を大きくする場合 バス磨きの場合と同様にカム切替筒45を摺動させ、段差
451 の水平面を板カム312 の側面に当接させる。段差45
2 の垂直面452Aは板カム312 の周面に当接する。前記
(2) の説明に準じて歯ブラシ16はローリング角度がB に
増大する。

【００２６】なお、前記説明においては、切替を2 段階
としたが、これに限らず、例えば3段階とし、健康で丈
夫な歯と歯ぐきには強、普通の場合は中に、歯ぐきの弱
い場合には弱に、前記に準ずる機構によって切り替える
ようにしてもよいことは勿論である。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、第1 の発明におい
ては、偏心量が異なる複数個の板カムを有する回転軸
と、頭部に歯ブラシの移動方向に直交する方向を長径と
する偏心孔を有する可動板と、前記板カムに当接する段
差を有する凸部が形成されたカム切替筒を具備してお
り、カム切替筒を手で摺動させることによりバス磨きの
振動幅を複数段に切り替えるようにしている。また、第
2 の発明においては、偏心量が異なる複数個の板カムを
有する回転軸と、頭部に歯ブラシの移動方向を長径とす
る偏心孔を有する凸部が形成された可動板と、前記板カ
ムに当接する段差を有するカム切替筒を具備しており、
前記と同様にローリング磨きの角度を複数段にわたって
手軽に切り替えるようにしている。従って、使用者に適
合した最適ブラッシングができるので、極めて便利で都
合のよいものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る図面であって、電動歯ブラシの要
部平面図である。

【図２】本発明に係る図面であって、振動幅が小さい場
合の側面断である。

【図３】本発明に係る図面であって、振動幅が大きい場
合の側面断面図である。

【図４】本発明に係る図面であって、振動幅の切替動作
を示す説明図である。

【図５】本発明に係る図面であって、電動歯ブラシのロ
ーリング角度が小さい場合を示す平面図である。

【図６】本発明に係る図面であって、背面視軸心断面図
である。

【図７】本発明に係る図面であって、歯ブラシの前面図
である。

【図８】本発明に係る図面であって、ローリング角度が
大きい場合を示す背面視軸線断面図である。

【図９】本発明に係る図面であって、図８のX-X 断面平
面図である。

【図１０】本発明に係る図面であって、歯ブラシの前面
図である。

【図１１】従来技術に係る図面であって、電動歯ブラシ
の要部平面図である。

【図１２】従来技術に係る図面であって、電動歯ブラシ
の側面図である。

【図１３】従来技術に係る図面であって、電動歯ブラシ
の平面図である。

【図１４】従来技術に係る図面であって、電動歯ブラシ
の側面図である。

【符号の説明】

12 歯ブラシ軸 16 歯ブラシ 30 電動歯ブラシ本体 31 回転軸 311 、312 板カム 33 可動板 331 偏心孔 34 固定板 35 カム切替筒 351 、352 段差 353 凸部 40 電動歯ブラシ本体 43 可動板 431 偏心孔 45 カム切替筒 451 、452 段差 453 凸部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 モータで駆動され偏心量が異なる複数個
   の板カムを有する回転軸と、頭部に歯ブラシの移動方向
   に直交する方向を長径とする偏心孔を有しており尾部が
   歯ブラシ軸に連結された可動板と、頭部に前記偏心孔と
   同心状に開設された開孔を有しており尾部が歯ブラシ軸
   の基端に固定された固定板と、可動板及び固定板と回転
   軸の間に摺動可能に挿入されたカム切替筒を具備してお
   り、前記カム切替筒の外周面は前記可動板の偏心孔周縁
   に接するとともに固定板の開孔に挿着したＯリングに密
   接し、一方内周面は前記歯ブラシの移動方向周縁に前記
   板カムに当接する複数段の段差を有する凸部が形成され
   ており、かつカム切替筒を回転軸方向に摺動させること
   により歯ブラシの前後方向の振動幅を複数段に切り替え
   るようにしたことを特徴とする電動歯ブラシ。
2. 【請求項２】 モータで駆動され偏心量が異なる複数個
   の板カムを有する回転軸と、頭部に歯ブラシの移動方向
   を長径とする偏心孔を有しており尾部が歯ブラシ軸に連
   結された可動板と、頭部に前記偏心孔と同心状に開設さ
   れた開孔を有しており尾部が歯ブラシ軸の基端に固定さ
   れた固定板と、可動板及び固定板と回転軸の間に摺動可
   能に挿入されたカム切替筒を具備しており、前記カム切
   替筒の外周面は前記可動板の偏心孔周縁に接するととも
   に固定板の開孔に挿着したＯリングに密接し、一方内周
   面は前記歯ブラシの移動方向に直交する周縁に前記板カ
   ムに当接する複数段の段差を有する凸部が形成されてお
   り、かつカム切替筒を回転軸方向に摺動させることによ
   り歯ブラシのローリング角度を複数段に切り替えるよう
   にしたことを特徴とする電動歯ブラシ。