JPH05231370A - 容積式回転形流体機械 - Google Patents
容積式回転形流体機械Info
- Publication number
- JPH05231370A JPH05231370A JP4033422A JP3342292A JPH05231370A JP H05231370 A JPH05231370 A JP H05231370A JP 4033422 A JP4033422 A JP 4033422A JP 3342292 A JP3342292 A JP 3342292A JP H05231370 A JPH05231370 A JP H05231370A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rotary
- fluid machine
- scroll
- positive displacement
- liquid refrigerant
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04C—ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
- F04C18/00—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
- F04C18/02—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
- F04C18/0207—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form
- F04C18/023—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form where both members are moving
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04C—ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
- F04C23/00—Combinations of two or more pumps, each being of rotary-piston or oscillating-piston type, specially adapted for elastic fluids; Pumping installations specially adapted for elastic fluids; Multi-stage pumps specially adapted for elastic fluids
- F04C23/008—Hermetic pumps
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04C—ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
- F04C2240/00—Components
- F04C2240/40—Electric motor
- F04C2240/402—Plurality of electronically synchronised motors
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Rotary Pumps (AREA)
- Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
Abstract
て用い、従来必要とされていた潤滑油を一切必要としな
い冷凍サイクル用の圧縮機を提供すること。 【構成】 圧縮機の軸受摺動部や圧縮作動室にサイクル
側から高圧の液化した液冷媒を供給して潤滑する。さら
には、この液冷媒中に超微粒子を混合してもよく、さら
には、スクロール圧縮機の場合、両スクロール部材間を
境にして圧縮機全体を電気的に2分して両スクロール部
材間に交流電位差を印加してもよい。さらには、軸受等
の摺動面にセラミックを母材にした高い摺動特性の材を
適用してもよい。 【効果】 圧縮機内の摺動面では、潤滑油でなくて液冷
媒によって2面間の金属接触率が低減できる。超微粒子
の混合や交流電位差の印加によってさらに摺動特性を向
上させることができる。
Description
ステムに用いられる容積式回転形流体機械に係り、特に
潤滑油を不要とするために、凝縮した後の液冷媒で摺動
部を潤滑するようにした容積式回転形流体機械に関す
る。
いられる容積式回転形流体機械としてはスクロール形、
スクリュ形、ロータリ形の回転形流体機械がある。ここ
では、例としてスクロール形流体機械で説明する。
6−143386号公報に開示されているように、一方
のスクロールを固定し、他方のスクロールを一定半径の
もとで旋回運動させて気体を圧縮もしくは移送するタイ
プのものと、例えば特開平2−125985号公報や特
開平2−227576号公報に開示されているように、
一対のスクロールを共に回転させながら気体を圧縮もし
くは移送するタイプのものとがある。これら2つのタイ
プのスクロール流体機械は、いずれも、両スクロールの
渦巻状ラップと鏡板とで形成される圧縮作動室が気体を
圧縮する基本動作においてほとんど同じであり、吸入口
から吸入した気体を両方のスクロールのラップ間に形成
された一対の圧縮作動室内に閉じ込めてスクロールを運
動させることによって圧縮作動室の容積を漸次減少さ
せ、同時に気体を圧縮して高圧とし、スクロールの中心
部に設けられた吐出口よりこの高圧ガスを吐出するよう
にしたものである。
ては、一方のスクロール(旋回スクロール)を相手側の
スクロール(固定スクロール)に対して自転を阻止した
状態で旋回運動させるためにオルダムリングと呼ばれる
要素が旋回スクロールとフレームの間で往復運動できる
ように配置されている。後者のタイプのスクロール流体
機械では、特開平2−125985号公報開示のよう
に、一つの駆動源によって一方のスクロールを駆動し、
他方のスクロールをオルダム継ぎ手によって従動させる
構造のもの、又は、特開平2−227576号公報に開
示されているように、各々のスクロールにそれぞれ駆動
源を結合させて両方一緒に回転させる構造のものがあ
る。
部を潤滑油と共に密閉容器(ケーシング)に収納した構
造になっているのが普通である。そして、この潤滑油は
文字どうり駆動機構部やスクロールの摺動面に供給され
て運動が円滑に行われるように作用している。
スクロール流体機械を空調機用圧縮機として使用して長
時間運転すると、内部に貯溜された潤滑油が吐出ガスと
共に圧縮機から外部の空調サイクル内に流出することが
ある。空調サイクルはいわゆる密閉サイクルであるた
め、作動ガスは圧縮機の吐出口から吸入口まで循環流と
なっており、圧縮機の運転に伴って連続的に流れてい
る。従って、圧縮機外へ流出した潤滑油もその一部はガ
スと共に再び圧縮機に戻って来る。しかしながら、空調
サイクルには熱交換器をはじめとして種々の要素部品が
接続されており、圧縮機と空調サイクルとの位置関係に
よっては、それらの要素部品のいずれかに潤滑油が多く
溜ってしまい圧縮機には戻らなくなり、摺動部分を潤滑
するための必要油量が確保できなくなることがある。特
に、例えば大きいビルディング内の多室の空調を1つの
圧縮機を用いて行ういわゆるマルチタイプの空調機の場
合には、配管が複雑でそのどこかに潤滑油が溜るとか、
又は、空調していない室内機に潤滑油が溜まるなどし
て、潤滑油が圧縮機に戻らないことがある。このよう
に、圧縮機を長時間運転すると圧縮機の摺動部では次第
に潤滑油が不足がちになって摩擦損失が増大したり、ひ
いては焼け付いたりすることになり、大きな問題となっ
ていた。さらには、空調サイクル側に流出した油は配管
中に溜って圧力損失を増大させたり、熱交換器内に溜っ
てその性能を低下させるなどの問題があった。
の適合性に問題があって、うまく適合しないと潤滑油と
しての能力を十分発揮出来なくなり、軸受等の摺動に関
する信頼性が低下する。特に、最近に至ってはある種の
作動ガスが地球を取り巻くオゾン層を破壊すると言われ
ているため、この対応手段として新しい作動ガスを開発
している状況にあるため、作動ガスの種類も種々あっ
て、従来の潤滑油だけではすべての作動ガスに適合する
ものは無いという問題が生じてきた。だからといって、
作動ガスごとに異なる潤滑油を用意しておくことは管理
する上で煩わしさが付きまとう。
ように作られているものであるため、宇宙空間等の無重
力下で利用することについては十分な考慮が為されてい
ない。そのため、無重力下では圧縮機内の油面レベルを
正規の位置に確保出来ず、油が作動ガスと共に圧縮機の
ケーシング内で浮遊したり、サイクル側へ出ていってし
まったりして摺動面に対しては潤滑不良をきたす恐れが
ある。さらには、ケーシング内に溜めておいた油がサイ
クルを一巡して、多量の潤滑油が一度に作動ガスと共に
圧縮機の吸込口に流入することもある。この場合には、
圧縮作動室内では油圧縮の状態を引き起こし、ひいては
圧縮機の破損を招く恐れがある。
機内に貯溜されている潤滑油の存在によってもたらされ
るものである点に着目してなされたものであり、圧縮機
の摺動部の潤滑を油で行うという従来の技術思想から脱
却して、油を不必要とする潤滑を行い、さらには、改良
された摺動面を備えた容積式回転形流体機械を提供しよ
うとするものである。
体機械は特許請求の範囲の各請求項に記載した特徴を有
する。なお、該流体機械に供給される液冷媒中にはガス
冷媒が若干混在することが起り得るが、この様なガスの
混在した液冷媒をも本発明では液冷媒という。
流体機械が運転されるときには液タンクから高圧の液冷
媒が該流体機械中の相接して相対運動する部材の摺動部
や軸受の摺動部に供給される。従って、これら摺動部に
おいては供給された液冷媒によって互いが非接触状態に
維持され、摺動部の金属接触率が低減される。さらに
は、液冷媒が摺動部に供給されるとその部分での摩擦に
よる発生熱量をすばやく吸収するので、摺動部分は常に
冷却され、かつ低い温度に維持される。この結果、摺動
部分は好適な環境を維持することができる。さらに、液
冷媒中に大きさが数ミクロン以下の超微粒子を混入させ
ることにより耐摺動特性がより一層改善される。これ
は、母材表面にある程度の表面粗さが存在するときには
超微粒子が摺動面の微細な凹凸面に配置されて実質的な
表面粗さが母材の表面粗さより小さくなり、その結果、
摺動抵抗が大きく低減するからである。また、母材表面
が鏡面のように表面粗さが小さいときには、超微粒子の
大きさの範囲で適度な粗さが与えられるため、摺動面間
の密着状態を妨げることになり、摩擦抵抗を小さくする
からである。この状態においては、特に静止摩擦係数を
小さくする働きがあり、流体機械の起動時の負荷を小さ
くする働きがある。さらに、この超微粒子の材質を摺動
特性の良い高分子材料、例えばポリテトラフルオロエチ
レンとすることにより、摺動面の負荷抵抗がより一層小
さくなり、摩擦損失が低減する。さらに、両方の回転ス
クロール間に電位差を印加することは、摺動面において
金属酸化膜の生成を妨げ、常にきれいな摺動面を保つの
で、摺動面の負荷抵抗を大幅に低減する作用をもたら
す。特に、摺動中の金属面間に発生するひずみ交流電圧
を打ち消すように、発生電圧とは反対のひずみ交流電圧
を印加することによって、摩擦面の摺動抵抗を効果的に
低減することができる。さらに、セラミックを主材料と
し、特に表面層にポリテトラフルオロエチレン樹脂を設
けた部材を摺動面に適用した場合には、これ自身で高い
摺動特性を備えているので、上記手段と相まって、より
一層摺動面の耐負荷性能を向上させることができる。
よび図3により説明する。図1は密閉形の同期回転形ス
クロール流体機械を空調機用圧縮機として適用したもの
で、圧縮機と冷媒サイクル全体の構成の概略を示した図
である。図2は、これに適用したスクロール圧縮機の第
1の実施例を示す断面図、図3は該圧縮機の中央部を示
す主要部断面図である。以下、図に従って説明する。
ロール圧縮機であって、その中央部に1対の回転スクロ
ールからなる圧縮要素部が構成され、これに対応して作
動ガス(冷媒ガス)の流れる低圧の吸入配管(低圧側配
管)2が接続され、そして圧縮機の両側には高圧の吐出
配管3a,3bが接続されている。この吐出配管3a,
3bは、さらに外側で合流し1本の高圧側吐出配管3と
なる。この高圧側には、第1の熱交換器(凝縮器)4、
液冷媒タンク5、膨張弁6が連結されている。これに連
続した低圧側配管2には、第2の熱交換器(蒸発器)7
が連結されている。高圧側の液冷媒タンク5には、別
途、液冷媒配管8が接続されていて、逆流防止機能を備
えた流量制御弁9(9a,9b,9c,9d)を介し
て、圧縮機1の軸受摺動部等に連通されている。また、
この液冷媒配管8の途中にはポンプ手段10が配置され
ている。
同期回転形スクロール圧縮機1の構成について、より詳
しく説明する。11a,11bは密閉ケーシング(その
全体を符号11で示す)で、その両側にはハーメチック
端子23a,23bや吐出配管3a,3bがケーシング
11内部を密封状態に維持して接続されている。密閉ケ
ーシング11a,11bにはモータ12a,12bが固
定され、さらにこのモータ12a,12bに駆動軸17
a,17bが備えられている。駆動軸17a,17bは
クランク部がなく、真直に構成されており、夫々の一方
の端部は補助軸受支持板14a,14bに固定された軸
受16a,16bによって回転可能に支持され、他端は
密閉ケーシング11の中心部に配設したフレーム13
a,13bに固定された滑り形主軸受15a,15bに
よって、回転スクロール19a,19bの中央部に構成
されたボス部26a,26bを介して、回転可能に支持
されている。
1a,21bが形成されている。この貫通孔21a,2
1bは、夫々の一端が吐出室22a,22bに開口して
いる。さらに、左右の吐出室22aと22bの圧力を等
しくするために均圧孔25がフレーム13a,13bの
外側に設けられている。駆動軸17a,17bと回転ス
クロールのボス部26a,26bは圧入や焼嵌めなどに
より、隙間のない嵌めあい状態で結合されており、駆動
軸17a,17bの回転トルクを該回転スクロール19
a,19bに十分伝えられるようになっている。回転ス
クロール19a,19bの各モータ側に構成されたボス
部26a,26bの外周面は、すべり軸受15a,15
bに対向した滑り面を構成している。このすべり軸受1
5a,15bの中心は、それぞれに対応した駆動軸17
a,17bの中心に合致しており、さらに、回転スクロ
ール19a,19bの中心は、夫々、対応する駆動軸1
7a,17bの軸心に一致している。
ラップが設けられている側の面には互いに環状の凸部5
2a,52bが構成されている。両方の回転スクロール
19aおよび19bは、互いに近づくように移動する
と、まず最初にこれらの回転スクロールの外周部に設け
た上記の環状の凸部52a,52b同志でスラスト方向
にほぼ接するようになり、従って、この状態では、両方
の回転スクロールのラップ先端面と相手側ラップ底面と
の間にできる軸方向隙間は微小量に保たれる。さらに、
一対の回転スクロール19a,19bは、両方のフレー
ム13a,13bに設けた環状のスラスト軸受18a,
18bによってサンドウィッチ状に配設されるが、組立
て時には、この一対の回転スクロールが運転中にスムー
ズな回転運動が行えるように、軸方向に僅かではあるが
移動可能なようになっている。
けた上記の環状凸部52a,52bには複数個の吸入口
20が径方向に形成されている。また、密閉ケーシング
11には、この吸入口20に連通する吸入配管2が設け
られている。第1の回転スクロール19aと第2の回転
スクロール19bは、互いに渦巻状ラップを内側にして
噛み合わされていて圧縮作動室29を形成する。第1の
回転スクロール19aの中心軸線は第1の駆動軸17a
の中心軸線に一致させて配置されている。他方、第2の
回転スクロール19bの中心軸線は、第1の駆動軸17
aの中心軸線からこれに垂直方向に一定距離偏心して配
置されている第2の駆動軸17bの中心軸線に一致させ
て配置されている。この結果、一対の回転スクロール1
9a,19bは、両方の駆動軸17a,17bの回転と
共に同一方向に回転することが出来るようになっている
(なお、図3では、第1の駆動軸17aおよび第1のス
クロール19aの中心軸線が第2の駆動軸17bおよび
第2のスクロール19bの中心軸線と一致している如く
図示されているが、これは、図3が図2とは90°だけ
異なる角度でとった断面図を図示したものだからであっ
て、実際には、上記両中心軸線は互いに一定距離だけ偏
心して配置されていることは上述したとおりであ
る。)。
力によるスラスト力が発生するが、このスラスト力を受
けるため、それぞれの回転スクロール19a,19bの
背面に対向してフレーム13a,13bに環状のスラス
ト軸受18a,18bを配置してある。このスラスト軸
受18a,18bとしては、相手部材が回転することに
よって動圧を発生するいわゆる動圧形グルーブ軸受を使
用することができる。
は8a,8b,8c,8dに分岐し、そのうち、分岐管
8a,8dは、軸受16a,16bに開口する補助軸受
支持板14a,14bに設けられた連通孔14a,14
bに接続され、分岐管8b,8cは、回転スクロール1
9a,19bのラジアル軸受15a,15bや動圧形ス
ラスト軸受18a,18bに開口するフレーム13に設
けられた連通孔24a,24bに接続されている。さら
に、動圧形スラスト軸受18a,18bと圧縮作動室2
9とは、回転スクロール19a,19bの鏡板に設けら
れた連通孔28a,28bによって連通されている。図
3において、スクロール19a,19bの鏡板の裏面に
設けられた環状突起部27a,27bは、フレーム13
a,13bに設けた凹部に組み合わされていて、夫々の
スクロールは回転可能に支承されている。
記動圧形スラスト軸受18aの正面図である。該スラス
ト軸受18aは、中心穴182の明いた円盤180の面
に、その接線方向とは斜めに溝181(図中の黒の部
分)を多数刻設したものである。溝181は、その外端
が開放しており、内端が行き止まりである様に刻設され
ている。このスラスト軸受18aに対接する回転スクロ
ール19aが図示矢印の方向に回転すると、両者間の液
は粘性によって溝181の中へ周部から内方へ引き込ま
れるが、溝181が行き止まりになっているため、溝1
81内に引き込まれた液は回転スクロール19aを軸方
向に押す力を発生するのである。他のスラスト軸受18
bも同様である。
から図3に従って説明する。ハーメ端子23a,23b
から電力供給を受けることにより第1のモータ12aと
第2のモータ12bが同時に回転する。これによって、
第1の回転スクロール19aと第2の回転スクロール1
9bが同じ方向に同じ速度で回転する。これに伴い、サ
イクル内に封入されている冷媒ガスが密閉ケーシング1
1に設けられた吸入配管2を通って圧縮機内のフレーム
13a,13b内の空間に流入し、さらに各回転スクロ
ールの外周部に設けられている吸入口20を通って圧縮
作動室内29に取り込まれ、中心に向って移動するに従
い昇圧される。高圧になったガスは、回転スクロール1
9a,19bの中央部の吐出ポート30a,30bから
駆動軸17a,17bに設けられている貫通孔21a,
21bを通って密閉ケーシング11a,11b内の吐出
室22a,22bに吐き出され、さらに、この吐出室2
2a,22bに充満すると吐出配管3a,3bから機外
へ排出される。そして、この高圧ガスは合流し吐出配管
3内を通過して第1の熱交換器(凝縮器)4に到達す
る。第1の熱交換器(凝縮器4)では、放熱が行われ、
冷媒ガスは高い圧力の状態を維持しながら液化する。そ
して、この液化した液冷媒は下流側に設けた液タンク5
に充満する。さらにこの液冷媒は膨張弁6に到達し、こ
の部分で液冷媒は断熱膨張して低圧で低温のガスに状態
変化する。この冷媒ガスは第2の熱交換器7で外部から
熱を吸収する。その後、冷媒ガスは、吸入配管2を流れ
て圧縮機内に流入する。圧縮機内では回転スクロール1
9a,19bの回転運動にともなってガスは再び昇圧さ
れる。このように作動ガスが状態変化を伴いながらサイ
クル中を循環する。
は、液配管8に設けたポンプ手段10によって分岐管8
a〜8bを経て圧縮機1の前記各軸受摺動部等に供給さ
れる。この結果、軸受部等の摺動部では液冷媒潤滑の状
態になる。さらに、環状スラスト軸受部18a,18b
では液冷媒が存在することによって、回転スクロール1
9a,19bの回転に伴って動圧が発生する。この結
果、両回転スクロールには、圧縮作動室29のガス力に
よるスラスト力に対抗して、互いに近寄りあうようにス
ラスト力が作用する。尚、この動圧は該動圧形スラスト
軸受に夫々の回転スクロールが近づく程大きくなるた
め、該動圧形スラスト軸受と回転スクロールとの摺動部
は微小隙間を保った状態で維持される。環状スラスト軸
受18a,18bに供給された液冷媒は、スクロール鏡
板に設けた連通孔28a,28bを通って圧縮作動室2
9に入る。液冷媒は、この圧縮作動室29の中で気化す
るため、ガスの圧縮によって生じる熱を効果的に冷却
し、断熱圧縮変化をより等温変化に近づけるように作用
する。
9a,19bや駆動軸17a,17bの軸受摺動面に供
給された高圧の液体によって互いの摺動面間は非接触状
態に維持されるので、回転時の摩擦抵抗が低減する。さ
らに、ラジアル軸受15a,15b,16a,16bお
よびスラスト軸受18a,18bに、セラミック材を母
材として表面にポリテトラフルオロエチレン樹脂からな
る高分子材料の層を設けたものを適用すると、さらに摩
擦抵抗が減少すると共に、軸受摺動面の許容負荷を大き
くすることができる。また、スラスト軸受18a,18
bから排出された液冷媒は連通孔28a,28bから圧
縮作動室29に流入し、圧縮過程中の作動ガスを液冷媒
によって冷却するから、吐出ガス温度を低くすることが
でき、ひいては回転スクロール19a,19bの温度を
低くすることが出来る。この結果、回転スクロールの熱
膨張量を小さくすることが出来るのでスクロールラップ
間の隙間を平均的に小さくできる。この効果はさらに圧
縮中のガスの漏れを小さくして圧縮機性能の向上をもた
らす。
その構成から説明する。図5は密閉ケーシング11(1
1a,11b)の内部の圧力を吸入圧力並に低くして使
われる同期回転形スクロール圧縮機を空調機に適用した
場合の、圧縮機だけを示したものである。以下では、本
実施例が第1の実施例と異なる部分を重点に説明する。
圧縮機構成要素の多くは図2や図3とほぼ同じであり、
モータ12a,12bによって回転スクロール19a,
19bが回転し、ガスを圧縮する点は同じである。異な
る点は、密閉ケーシング11の両側に吸入配管2a及び
2bが接続されていて、ケーシング11の内部が吸入圧
力並の低い圧力に保たれることにある。そして、密閉ケ
ーシング11とフレーム13(13a,13b)の間に
は流路31が形成され、さらにフレーム13にも吸込流
路32が設けられている。両方のフレーム13a,13
bには吐出流路33a,33bが設けられていて、これ
は密閉ケーシングの外側に向う吐出配管3aおよび3b
に夫々接続されている。また、駆動軸17a,17bに
は部分的に流路34a,34bがあって、その一端が回
転スクロール19a,19bの吐出孔30a,30bに
開口しており、他端が吐出流路33a,33bに開口す
るように構成されている。補助軸受側には、ここに供給
された液冷媒が密閉ケーシング11内に漏出するのを防
止するためシールキャップ付軸受35a,35bが配置
されている。この軸受35a,35bから排出した冷媒
は、駆動軸17a,17b内に設けられた逃がし穴36
a,36bから吐出流路33a,33bに達し、吐出ガ
スと混合するようになっている。
る。両方の回転スクロール部材19a,19bが回転す
ることによって、作動ガスは吸入配管2aおよび2bか
ら密閉ケーシング11の内部に流入し、流路31から吸
い込み流路32を通って圧縮作動室内29に取り込まれ
る。圧縮作動室29は、回転スクロール19a,19b
の回転にともなって容積を縮少させながら中央部へ移動
するので、作動ガスは昇圧され、吐出孔30a,30b
から駆動軸17a,17b内の流路34a,34b、そ
してフレーム13内の吐出流路33a,33bを通って
吐出配管3a,3bに排出される。この実施例では、そ
の後のガスの循環経路は第1の実施例と同じである。
尚、サイクル内の液冷媒タンク5から冷媒配管8を通っ
てシールキャップ付き軸受35aや35bへ供給された
液冷媒は、前記したように、軸受隙間を通って駆動軸1
7a,17bの端から該駆動軸内の逃がし穴36a,3
6bを通り、吐出ガスと合流する。この実施例では、吸
入ガスによってモータ12a,12bを効果的に冷却す
ることができる。そして、圧縮作動室内部の冷却効果も
重合されるため圧縮機全体の温度が低く保たれる。
場合の第3の実施例について図6、図7、図8に従って
説明する。本第3の実施例の同期回転形スクロール圧縮
機1は、前記第1の実施例に用いられているそれと同様
の構造のものであり、これを用いた空調サイクルの全体
の概略図を図5に示す。以下の説明では、前記第1の実
施例と異なる部分を重点に説明する。本第3の実施例で
は、液冷媒配管8の途中に制御弁43と並列に密閉タン
ク40を制御弁41,42を介して接続し、この密閉タ
ンク40の中には超微粒子を封入してある。この超微粒
子は前掲「作用」の項で述べた材質のものであり、大き
さが数ミクロン以下の小さな粒子からなる。圧縮機運転
中、制御弁41,42を開放し、制御弁43を閉塞する
ことにより、液冷媒が密閉タンク40を通って圧縮機へ
到達する。従って、タンク40内の超微粒子は液冷媒に
混入して液冷媒と共に圧縮機へ流入する。圧縮機の軸受
等へ到達した超微粒子は、図7や図8の概念図に示した
ような状態になる。
ールボス部26aとの組合せ状況を拡大して模式的に表
したものである。ここでは特に摺動面が互いに適度な粗
さを有しいる場合を例示しており、44は液冷媒、45
は超微粒子を示している。液冷媒44中に浮遊する超微
粒子45は摺動面の表面の粗さ内に侵入、付着して表面
の実質的な粗さを小さくする。従って、摺動面の摩擦抵
抗はより一層低減されることになる。図8は、互いの摺
動面が鏡面のように粗さが非常に小さい場合を示したも
ので、超微粒子45は液冷媒中44に浮遊すると共に、
摺動面に付着する。この結果、部材表面では実質的な粗
さが大きくなっている。従って、超微粒子45が2面間
の密着状態を妨げて、摺動面の摩擦抵抗を小さくする働
きをする。
り、摩擦抵抗を小さくすることが出来、さらに静止摩擦
抵抗をも小さくする効果がある。また、第1の実施例の
ように液冷媒だけを摺動部へ供給するのに比較して、本
実施例では超微粒子による作用効果が重合するため、冷
媒の使用量を低減できる効果がある。
に従って説明する。図9は本実施例の同期回転形スクロ
ール圧縮機の断面を示したものである。以下では、前記
3つの実施例と異なる特徴的な部分を重点に説明する。
密閉ケーシング11aと11bとの間には、電気的絶縁
物50bを介装してある。また、吸入配管2a,2bや
吐出配管3a,3b、および液冷媒配管8a〜8dの接
続部分にも絶縁物50a,50b,50cが介装されて
おり外部とも絶縁されている。一方、圧縮機運転中は圧
縮作動室29内のガス圧力とスラスト軸受18で発生す
る動圧とのバランスによって、両回転スクロール19
a,19bのラップの軸方向隙間は好適な微小隙間を保
った状態に維持される。従って、本実施例では圧縮機は
全体として中央部を境に電気的に分離された構造にな
る。このような構成において、圧縮機外部に設けられた
電源装置51からフレーム13a,13bに対して電圧
が印加できるように配線されている。圧縮機の構造は図
5とほぼ同じに構成されているので、吸入配管2a,2
bから流入した冷媒ガスが圧縮されて吐出配管3a,3
bに排出されるに至るまで、構成部品の動作と作用はほ
ぼ同じである。従って、第1の実施例と同じく、各摺動
部分を液冷媒で潤滑することが出来る。これに加えて本
発明では、電源装置51によって第1の回転スクロール
19aと第2の回転スクロール19bとの間に電位差を
設けることが出来る。
ついて説明する。一般に、隣り合った2つの部品が互い
に接触して相対運動をすると、摩擦による温度上昇にと
もなって、摩擦部分にはゼーベック効果による熱起電力
で電位差が発生する。この電位差は不規則に生じるもの
であり、その波形はひずみ波交流電圧となる。そして、
摩擦部分が電気的な閉回路の一部となっている場合に
は、この電位差による電流が摩擦面を通して流れること
になる。この結果、摩擦面においては金属酸化膜の発生
が促進され、さらに凝着摩耗が進行する。本実施例で
は、前記の如く電気絶縁物の介装により、圧縮機は全体
として中央部を境として電気的に分離されているが、両
スクロール19a,19bの外周部の環状凸部52a,
52bでは互いにその金属表面の微細凹凸の接触が生
じ、それを通じて電気回路が出来、電流の流れに因る上
記の如き不所望な現象が生じる恐れがある。これを防ぐ
べく、本実施例では、摩擦面の発生電圧とは逆向きのひ
ずみ波交流電圧を電源装置51から両スクロール19a
と19bとの間に印加するものである。この結果、隣り
合ったスクロールラップ間やスクロール外周部に設けた
環状凸面52a,52b等に交流電位差が作用するた
め、その摺動表面では金属酸化膜の発生が抑制され摩擦
抵抗が減少する。さらに、第1の実施例のように作動流
体だけを摺動部へ供給するのに比較して、本実施例の上
記作用効果が重合するため冷媒の使用量を低減できる効
果がある。また、本実施例に前記第3の実施例の超微粒
子混入供給手段を併せて使用すれば、さらに大きな効果
をもたらすことができる。
て説明する。図10はこの実施例の同期回転形スクロー
ル圧縮機の縦断面を示したものである。以下では、前記
4つの実施例と異なる部分を重点に説明する。電源装置
51からの配線は、ハーメ端子23a,23bを介して
行われ、密閉ケーシング11内のケーブル55a,55
bによって補助軸受支持板14a,14bに設けたコネ
クター56a,56bから圧縮機モータ12a,12b
に接続されている。圧縮機の密閉ケーシング11aと1
1bは絶縁物50bを介して電気的に分離された状態で
一体化されている。吸入配管2は密閉ケーシング11と
絶縁物50aで絶縁された状態で配置され、吸入ガスは
直接に回転スクロール19a,19bの外周部に流入す
るように構成されている。回転スクロール19a,19
bによって圧縮されたガスは、駆動軸17a,17b内
の流路21a,21bを通って密閉ケーシング11内部
に排出される。そして、密閉ケーシング11に絶縁物5
0aで絶縁された状態で固定された吐出配管3からサイ
クル側へ流出する。従って、密閉ケーシング11内の圧
力は吐出圧と同じ高圧になる。圧縮機構成要素の配置と
その作用は、図2に示した圧縮機と基本的にほとんど同
じである。異なる点は、第4の実施例で示したものと同
じように、運転中に両方の回転スクロール19aと19
bのラップ間に摩擦によって発生するひずみ交流電圧を
打ち消すように反対向きのひずみ交流電圧を電源装置5
1から印加することが出来ることである。これによる効
果は、前記第4の実施例と実質的に同じである。従っ
て、本実施例によれば、第1の実施例に比較して、より
信頼性が高められ、油潤滑を不必要とする高圧形の同期
回転形スクロール圧縮機を提供することが出来る。ま
た、本実施例にも前述の超微粒子混入供給手段を併せて
適用することができる。
て説明する。図11はこの実施例の同期回転形スクロー
ル圧縮機の断面を示したものである。図11は圧縮機だ
けを示したものであるが、サイクル側の構成は図1もし
くは図6と同じ構成になっている。図11に示す同期回
転スクロール圧縮機はモータ1つで駆動する形式のもの
で、密閉ケーシング11に電動機12が固定され、さら
にこの電動機12に駆動軸17が備えられている。駆動
軸17はクランク部がなく、真直に構成されており、一
方の端部は補助軸受支持板14に固定された軸受16に
よって回転可能に支持され、他端はフレーム13bに固
定されたすべり形主軸受15bによって、回転スクロー
ル19bの中央部のボス部26bを介して回転可能に支
持されている。駆動軸17と回転スクロール19bのボ
ス部26bは圧入や焼嵌めなど、隙間のない嵌めあい状
態で結合されており、駆動軸17の回転トルクを該回転
スクロール19bに十分伝えられるようになっている。
周面は、すべり軸受15bに対向した滑り面を構成して
いる。このすべり形主軸受15bの中心は駆動軸17の
中心に合致しており、さらに、回転スクロール19bの
中心は駆動軸17の軸心に一致している。この回転スク
ロール19bの背面には環状の動圧形スラスト軸受18
bが配置され、回転スクロール19bの軸方向の位置決
めがなされている。他方の回転スクロール19aは、回
転スクロール19bに噛み合わされて配置されており、
中央に吐出孔30を有するボス部26aがラジアル軸受
15aによって回転可能に軸支されている。また、この
回転スクロール19aの背面には環状動圧形スラスト軸
受18aが配置されている。
周部のラップが設けられている側の面には環状の凸部5
2a,52bが形成されており、回転スクロール19a
および19bが互いに近づくように移動すると、まず最
初に両回転スクロールの外周部に設けた該環状凸部52
a,52b同志でスラスト方向にほぼ接するようになっ
ている。従って、この状態では両方の回転スクロールの
ラップ先端面と相手側ラップ底面との間にできる軸方向
隙間は微小量に保たれる。一対の回転スクロール19
a,19bは両方のフレーム13a,13bに設けた環
状スラスト軸受18a,18bによってサンドウィッチ
状に配設されるが、組立て時には、この一対の回転スク
ロールは、運転中にスムーズな回転運動が行えるよう
に、軸方向に僅かではあるが移動可能なようになってい
る。この環状スラスト軸受18a,18bは動圧形スラ
スト軸受を構成しているので、回転スクロール19a,
19bの回転にともなって大きなスラスト力を発生する
ことが出来る。両スクロール19a,19bの外周部の
前記環状凸52a,52bには図示していないが複数個
の吸入口20が径方向に形成されている。
アル軸受15aの中心に合わせて配置されている。第2
の回転スクロール19bの中心は、ラジアル軸受15a
の中心からこれに垂直方向に一定距離偏心して配置され
ている他方のラジアル軸受15bの中心に一致して配置
されている。さらに、これら回転スクロールの外周部に
は後述の回転力伝達手段があり、これによって、第1の
回転スクロール19aは、第2の回転スクロール19b
の回転に伴なって、同期しながら回転せしめられる。
管8は8a,8b,8cに分岐し、圧縮機の各軸受摺動
部と連通するように構成されていて、圧縮機運転中は高
圧の液冷媒が供給されるようになっている。一方、吸入
配管2から流入した冷媒ガスは、圧縮作動室29に取り
込まれ、回転スクロール19a,19bの回転に伴なっ
て圧縮される。そして、高圧になった冷媒ガスは、回転
スクロール19aの中央部の吐出孔30から吐き出さ
れ、さらに吐出配管3に排出される。サイクル側に吐出
されたガスは、図1や図6で示した実施例と同じように
循環、流動し、再び圧縮機1に戻って来る。尚、モータ
室61は、フレーム13a,13bと密閉ケーシング1
1との間に設けた図示していない連通孔を介して吐出室
22と連通しているので、吐出圧と同じ高い圧力になっ
ている。本実施例によれば、油潤滑を必要とせずにモー
タ1つで駆動できる同期回転形スクロール圧縮機を提供
できる。
よび第2の回転スクロール19aおよび19b間の前記
回転力伝達手段を説明する。これは例えばオルダムリン
グ継手を両スクロール19a,19bの環状凸部52
a,52b間に設けたものでもよいが、本実施例におい
ては、図12に示す手段を用いる。図12に示す如く、
一方の回転スクロール19aの外周部の環状凸部52a
の表面(他の回転スクロール19bの外周部の環状凸部
52bに対向する面)には等間隔の三個所に円形の穴
(円形の凹み)190が刻設されている。この穴190
には、他方の回転スクロール19bの外周部の環状凸部
52bの表面に等間隔にて植立されたピン191が夫々
係合している。回転スクロール19bがモータ12で回
転駆動されると、それに対して一定偏心量だけ偏心して
いる相手方の回転スクロール19aは、上記の穴190
とピン191との係合で回転力が伝達されることによ
り、同期して回転せしめられる。この場合、ピン191
は穴190に内接しながら穴190に対して相対的に旋
回する。すなわち、そのような関係になる様に穴190
の内径およびピン191の外径を両スクロール間の偏心
量に応じて決めてあるのである。
従って説明する。図13は、冷媒ポンプ70を密閉ケー
シング内に内蔵した密閉形の同期回転形スクロール圧縮
機を空調機に適用したもので、圧縮機と冷媒サイクル全
体の構成の概略を示した図である。図14は、図13の
X−X断面を示したもので、ローリングピストンタイプ
の冷媒ポンプ70の構成を示している。ここでは第1の
実施例と異なる点を重点に説明する。図13に示すよう
に、サイクル側に設けられた液冷媒タンク5と圧縮機1
とを連結する液冷媒配管8がサイクル配管とは別個に設
けられている。この液冷媒配管8には流量制御弁9が設
置されており、さらに下流側にて液冷媒配管8は圧縮機
内部の冷媒ポンプ70に直接接続されている。圧縮機内
の冷媒ポンプ70は駆動軸17bの端面に設けられ、補
助軸受支持板14bに固定されている。圧縮機内部で
は、補助軸受支持板14a,14bとフレーム13a,
13bにそれぞれ接続された連通管65a,65bが配
設されており、この連通管65a,65bと連通孔24
a,24b,24c,24d,24eとによって全ての
軸受摺動部が連通状態になっている。
ンダ71、ピストン72、回転軸73、左右の作動室7
81,782を分離するベーン75、さらにベーン75
をピストン72側に押しつけるためのバネ76によって
構成されている。シリンダ71には、ベーン75の近く
に吸入ポート74と吐出ポート77が設けられている。
シリンダ71の内面は駆動軸17bと同心状に配置され
ているが、回転軸73は駆動軸17bに対して偏心して
配置されている。ピストン72は、この回転軸73に嵌
め合わされていて回転軸73と共に運動することが出来
る。このピストン72の運動はシリンダ71の内面を転
がるような旋回運動である。液冷媒配管8は、シリンダ
71の吸入ポート74に接続されており、ピストン72
の旋回運動によってサイクル側から液冷媒を作動室78
1の中に吸い込む。さらにピストン72の旋回運動が行
われるにつれて、液冷媒は作動室782から吐出ポート
77を通って連通孔24dに吐出され、そしてさらに連
通管65a,65bや連通孔24a,24b,24c,
24eを流れて各軸受摺動部に供給される。
も第1の実施例とほぼ同じになる。しかしながら、第1
の実施例では、液冷媒配管8が複数本に分岐して圧縮機
に接続されているのに比べて、本実施例では、液冷媒ポ
ンプ70を内蔵したことにより、圧縮機に接続する液冷
媒配管8が分岐なしに1本に簡略化できる効果があり、
新たに空調システム構成する際にも簡単に作業できると
いう特徴を有する。尚、本実施例は、第2の実施例から
第6の実施例に対しても適用することが出来るものであ
る。
ロール圧縮機に限定して示したが、一方のスクロールが
固定で他方のスクロールが旋回するスクロール圧縮機、
更には、スクリュー圧縮機またはロータリ圧縮機など、
他の形式の圧縮機にも本発明は適用できる。
機(例えばランキンサイクルにおける)としての容積式
回転形流体機械としても適用できる。
内部のラジアル軸受部やスラスト軸受部にサイクル側の
高い圧力レベルの液化した冷媒を供給させると共に、軸
受部から更に圧縮作動室内部へも液化した冷媒を供給で
きるように構成したので、この液冷媒によって各軸受摺
動部における金属接触率を低減すると共に、液冷媒によ
る摩擦熱の冷却作用が働くこと、また圧縮過程中の作動
ガスの状態変化を断熱圧縮変化からより等温圧縮変化に
なるように冷却作用が働くことによって、摺動面の温度
を低く保つことができる。これによって、従来技術では
必要であった油潤滑を不必要とした液冷媒潤滑方式の容
積式回転形流体機械を提供することが出来る。
量制御装置を介して液冷媒の適確な必要量を供給できる
ように構成することにより、液冷媒潤滑の状態が好適に
維持されるので摺動部の信頼性が向上する。
の一部分を、セラミックを母材としてその表面に摺動特
性の高い高分子の層を設けた材料で構成することによ
り、摺動部の耐焼き付き性をより一層向上させることが
出来る。さらに、液冷媒に超微粒子を混合させて摺動面
に供給することにより、超微粒子が摺動面の表面層に付
着して、摺動部の摩擦係数や摩擦抵抗を低減し、ひいて
は摺動面の耐久性が向上する表面層を得ることができ
る。
に、該2面間に発生する電位差に対抗する交流の電位差
を印加することにより、該摺動部の摩擦面における金属
酸化膜の生成を妨げ、摺動面の摩擦抵抗を低減でき、ひ
いては摩耗量の減少、摺動面のかじり付を防止できる。
いれば、潤滑油を必要としない冷凍空調システムを得る
ことが出来る。従って、従来の空調システムの如く、油
の滞留による空調機性能の低下や圧縮機への油の戻りの
低下の問題、さらには、作動ガスと油との適合性の問題
は回避され、また、宇宙のような無重力下における居住
空間を空調するにあたり、好適な空調機用圧縮機を提供
できる。
転するように、真直ぐな駆動軸を用いて構成した本発明
による同期回転形のスクロール圧縮機においては、各々
の回転スクロールおよびそれに結合された回転部材は、
回転軸線上に重心を有しこの軸線を中心とした回転体と
なり、偏心部材は一切無く、回転による不釣合も存在し
ないから、従って、回転軸には、一方のスクロールのみ
を回転させる従来のスクロール圧縮機において必要であ
ったバランスウエイトが不必要であるため、これによる
遠心力が軸受に作用しない。さらには、両方のスクロー
ルが回転する同期回転形スクロール流体機械は、遠心力
が軸受や摺動部に作用しないなど、軸受に対する荷重が
軽減され、摺動部の面圧を小さくできるので、本発明に
基づき油潤滑なしで液冷媒で潤滑して運転するのに好適
な圧縮機となる。
圧縮機と冷媒サイクル全体の概略図
圧縮機の詳細断面図
圧縮機の主要部の断面図
圧縮機の詳細断面図
圧縮機と冷媒サイクル全体の概略図
の様子を例示した模式的拡大図
の様子を示した他の模式的拡大図
圧縮機の断面図
ル圧縮機の断面図
ル圧縮機の断面図
達機構を示す図
ル圧縮機と冷媒サイクル全体の概略図
す断面図
…吸込配管 3,3a,3b…吐出配管 4…第1の熱交
換器 5…液冷媒タンク 6…膨張弁 7…第1の熱交換器 8…液冷媒配管 9…流量制御弁 10…ポンプ 11a,11b…密閉ケーシング 12a,12b
…モータ 13a,13b…フレーム 14a,14b
…補助軸受支持板 15a,15b…主軸受 16a,16b
…補助軸受 17a,17b…駆動軸 18a,18b
…スラスト軸受 19a…第1の回転スクロール 19b…第2の
回転スクロール 20…吸入口 22a,22b
…吐出室 23a,23b…ハーメ端子 26a,26b
…スクロールボス部 29…圧縮作動室 30a,30b
…吐出ポート 32…吸込流路 33a,33b
…吐出流路 35a,35b…シールキャップ付軸受 36a,36b…逃がし孔 37a,37b
…シール 40…密封タンク 44…液冷媒 45…超微粒子 50a〜50c
…電気絶縁物 51…電源装置 52a,52b
…環状凸部 56a,56b…コネクタ 61…モータ室 65a,65b…連通管 70…内蔵冷媒
ポンプ
Claims (13)
- 【請求項1】 冷媒圧縮式冷凍サイクルに用いる容積式
回転形流体機械において、該流体機械の構成部材のうち
相接して相対運動を行う部材の摺動部および軸受の摺動
部に冷凍サイクル中の液化した液冷媒を潤滑用に供給す
る様に構成したことを特徴とする容積式回転形流体機
械。 - 【請求項2】 前記容積式回転形流体機械がスクロール
流体機械である請求項1記載の容積式回転形流体機械。 - 【請求項3】 前記容積式回転形流体機械は、鏡板と渦
巻状のラップとを有する第1の回転スクロールおよび鏡
板と渦巻状のラップとを有する第2の回転スクロールを
具備し、これら両回転スクロールを互いにその回転軸心
を偏心させて渦巻状ラップを互いに噛み合わせた状態で
組み合わせ、互いに偏心した夫々の回転軸心のまわりに
該両回転スクロールを同じ方向に同じ回転速度で回転さ
せることによって、第1の回転スクロールと第2の回転
スクロールとで形成される圧縮作動室の体積を変化させ
て冷媒ガスを圧縮する同期回転形スクロール流体機械で
ある、請求項1記載の容積式回転形流体機械。 - 【請求項4】 前記第1の回転スクロールおよび第2の
回転スクロールは、それぞれ、第1の電動機に連結され
た第1の駆動軸および第2の電動機に連結された第2の
駆動軸によって回転されることを特徴とする請求項3記
載の容積式回転形流体機械。 - 【請求項5】 前記第1および第2の回転スクロールの
うちの一方の回転スクロールは電動機に連結された駆動
軸によって回転され、他方の回転スクロールは、該一方
の回転スクロールから回転力伝達手段を介して回転され
ることを特徴とする請求項3記載の容積式回転形流体機
械。 - 【請求項6】 前記第1および第2の回転スクロールの
夫々の鏡板背面は前記の液冷媒が供給されるスラスト軸
受部で支承され、両回転スクロールで形成される圧縮作
動室と夫々のスラスト軸受部とを連通させる連通孔を両
回転スクロールの鏡板に設けた請求項3,4又は5記載
の容積式回転形流体機械。 - 【請求項7】 前記の同期回転形スクロール流体機械は
第1の回転スクロールと第2の回転スクロールとの相互
接触部を境として電気的に絶縁分離された2部分に分け
られており、第1の回転スクロールと第2の回転スクロ
ールとの間にそれら両者間に発生する電位差に対抗する
電位差を印加する手段を備えた請求項3,4,5又は6
記載の容積式回転形流体機械。 - 【請求項8】 第1の回転スクロールと第2の回転スク
ロールとの間に印加する電圧はひずみ交流波形である請
求項3,4,5,6又は7記載の容積式回転形流体機
械。 - 【請求項9】 前記液冷媒は、冷凍サイクル中の高圧部
に設けた液冷媒タンクから前記流体機械内部の摺動部へ
配管を介してポンプ手段によって供給されることを特徴
とする請求項1ないし8のいずれかに記載の容積式回転
形流体機械。 - 【請求項10】 前記配管に流量制御弁を介装した請求
項9記載の容積式回転形流体機械。 - 【請求項11】 前記容積式回転形流体機械の全構成部
品は密閉ケーシング内に収納されており、前記ポンプ手
段は該密閉ケーシング内に設けられている請求項9記載
の容積式回転形流体機械。 - 【請求項12】 前記容積式回転形流体機械の構成部材
のうち相接して相対運動を行う部材または軸受部の全体
もしくは一部分を、セラミックを母材としその表面に潤
滑特性を有する樹脂層を設けたもので構成したことを特
徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の容積式
回転形流体機械。 - 【請求項13】 前記の液冷媒中に潤滑性を有する超微
粒子を混入する請求項1ないし12のいずれかに記載の
容積式回転形流体機械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04033422A JP3122512B2 (ja) | 1992-02-20 | 1992-02-20 | 容積式回転形流体機械 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04033422A JP3122512B2 (ja) | 1992-02-20 | 1992-02-20 | 容積式回転形流体機械 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05231370A true JPH05231370A (ja) | 1993-09-07 |
JP3122512B2 JP3122512B2 (ja) | 2001-01-09 |
Family
ID=12386131
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04033422A Expired - Fee Related JP3122512B2 (ja) | 1992-02-20 | 1992-02-20 | 容積式回転形流体機械 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3122512B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007198180A (ja) * | 2006-01-24 | 2007-08-09 | Sanden Corp | 冷熱システム |
US20110243710A1 (en) * | 2010-03-31 | 2011-10-06 | Kazuaki Kurihara | Turbo compressor and turbo refrigerator |
US8503163B2 (en) | 2005-11-22 | 2013-08-06 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Electrolytic capacitor |
JP2014001678A (ja) * | 2012-06-18 | 2014-01-09 | Scroll Giken:Kk | スクロール流体機械 |
CN112856857A (zh) * | 2019-11-28 | 2021-05-28 | 复盛股份有限公司 | 无油冷媒压缩机与无油冷媒膨胀机的润滑系统及润滑方法 |
-
1992
- 1992-02-20 JP JP04033422A patent/JP3122512B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8503163B2 (en) | 2005-11-22 | 2013-08-06 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Electrolytic capacitor |
JP2007198180A (ja) * | 2006-01-24 | 2007-08-09 | Sanden Corp | 冷熱システム |
US20110243710A1 (en) * | 2010-03-31 | 2011-10-06 | Kazuaki Kurihara | Turbo compressor and turbo refrigerator |
JP2014001678A (ja) * | 2012-06-18 | 2014-01-09 | Scroll Giken:Kk | スクロール流体機械 |
CN112856857A (zh) * | 2019-11-28 | 2021-05-28 | 复盛股份有限公司 | 无油冷媒压缩机与无油冷媒膨胀机的润滑系统及润滑方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3122512B2 (ja) | 2001-01-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4192152A (en) | Scroll-type fluid displacement apparatus with peripheral drive | |
CA1073023A (en) | Scroll-type apparatus with hydrodynamic thrust bearing | |
US4867657A (en) | Scroll compressor with axially balanced shaft | |
JP2938901B2 (ja) | 協働回転型スクロール装置 | |
US3924977A (en) | Positive fluid displacement apparatus | |
US5295808A (en) | Synchronous rotating type scroll fluid machine | |
US5931650A (en) | Hermetic electric scroll compressor having a lubricating passage in the orbiting scroll | |
US6616430B2 (en) | Scroll compressors | |
US4934910A (en) | Scroll-type fluid apparatus with radially compliant driving means | |
EP0807759B1 (en) | Scroll-type fluid machinery | |
JP2010065635A (ja) | スクロール圧縮機 | |
JPH04272402A (ja) | 潤滑剤の流れを確実にしたスクロール装置 | |
JP3122512B2 (ja) | 容積式回転形流体機械 | |
JPH08128395A (ja) | スクロール形圧縮機 | |
WO1997019269A1 (fr) | Compresseur volumetrique a spirale et palier de poussee de plateau coulissant | |
JP2004028017A (ja) | スクロール型圧縮機 | |
US11231035B2 (en) | Scroll compressor | |
JP3545826B2 (ja) | スクロ−ル圧縮機 | |
TW386135B (en) | Displacement type fluid machine | |
JP3196589B2 (ja) | 高圧ドーム形圧縮機 | |
JPS6047441B2 (ja) | スクロ−ル流体機械 | |
JP5091019B2 (ja) | スクロール膨張機 | |
JPH03990A (ja) | スクロール型流体装置 | |
JP2001012365A (ja) | 外周駆動形スクロール圧縮機 | |
JP2985705B2 (ja) | スクロール圧縮機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071020 Year of fee payment: 7 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071020 Year of fee payment: 7 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071020 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071020 Year of fee payment: 7 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081020 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020 Year of fee payment: 11 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |