JPH05230102A - 製剤用のコーティング剤 - Google Patents
製剤用のコーティング剤Info
- Publication number
- JPH05230102A JPH05230102A JP2955092A JP2955092A JPH05230102A JP H05230102 A JPH05230102 A JP H05230102A JP 2955092 A JP2955092 A JP 2955092A JP 2955092 A JP2955092 A JP 2955092A JP H05230102 A JPH05230102 A JP H05230102A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tragacanth gum
- group
- coating agent
- derivative
- large intestine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 トラガントガムのエステルおよび/またはエ
ーテル誘導体トラガントガムのエステルおよび/または
エーテル誘導体を1〜100 %含有する固形経口投与製剤
用コーティング剤である。 【効果】 本発明のトラガントガム誘導体を利用し、コ
ーティングすることにより、薬物の経口投与による他の
消化器官での分解吸収を抑え、大腸へ選択的に到達させ
ることにより薬物を大腸に高濃度で存在させることがで
きる。このため薬物の投与量が減り副作用の少ない生物
学的利用率を改善させた製剤設計が可能となる。
ーテル誘導体トラガントガムのエステルおよび/または
エーテル誘導体を1〜100 %含有する固形経口投与製剤
用コーティング剤である。 【効果】 本発明のトラガントガム誘導体を利用し、コ
ーティングすることにより、薬物の経口投与による他の
消化器官での分解吸収を抑え、大腸へ選択的に到達させ
ることにより薬物を大腸に高濃度で存在させることがで
きる。このため薬物の投与量が減り副作用の少ない生物
学的利用率を改善させた製剤設計が可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然由来の多糖である
トラガントガムの誘導体および該多糖誘導体からなるコ
ーティング剤に関する。さらに詳しくは、トラガントガ
ムの誘導体および該多糖誘導体からなる、薬物を大腸内
へ選択的に到達させる固形経口投与製剤のためのコーテ
ィング剤に関する。
トラガントガムの誘導体および該多糖誘導体からなるコ
ーティング剤に関する。さらに詳しくは、トラガントガ
ムの誘導体および該多糖誘導体からなる、薬物を大腸内
へ選択的に到達させる固形経口投与製剤のためのコーテ
ィング剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】イン
スリンやバソプレシンなどのタンパク・ペプチド性薬物
の投与方法としては、現在静脈注射による方法が行われ
ているが、これらのタンパク・ペプチド性薬物が普及す
るにつれ、より簡便な投与方法が求められてきており、
経口、経皮、経鼻、座剤などによる方法が検討されてい
る。なかでも経口による投与方法はもっとも一般的な方
法として様々な検討がなされている。しかし、経口投与
されたタンパク・ペプチド性薬物は小腸に存在する酵素
により容易に分解され、失活するため、極端に生物学的
利用率が低い。
スリンやバソプレシンなどのタンパク・ペプチド性薬物
の投与方法としては、現在静脈注射による方法が行われ
ているが、これらのタンパク・ペプチド性薬物が普及す
るにつれ、より簡便な投与方法が求められてきており、
経口、経皮、経鼻、座剤などによる方法が検討されてい
る。なかでも経口による投与方法はもっとも一般的な方
法として様々な検討がなされている。しかし、経口投与
されたタンパク・ペプチド性薬物は小腸に存在する酵素
により容易に分解され、失活するため、極端に生物学的
利用率が低い。
【0003】このような薬物のために、薬物を大腸まで
到達させる方法として、薬物に化学的修飾を行ったプロ
ドラッグが考案されてきた。しかし、やはり小腸上部で
吸収されるため、大腸における薬物濃度を上げるために
は高投与量を余儀なくされる。したがって副作用の可能
性も増大する。さらにプロドラッグのばあい、修飾した
基が代謝され遊離してくるため、その毒性に由来する副
作用も判明している。たとえばペッパーコーン エム
エー(Peppercorn M.A)らが報告しているサリチルアゾス
ルファピリジン(ジャーナル オブ ファーマコロジー
アンド エクスペリメンタル セラピューティクス
(J. Pharmcol. Exp. Ther.)181:555 −562, 1972 参
照)は、5−アミノサリチル酸のプロドラッグであり、
修飾基のスルファピリジンが毒性を有することが判明し
ている(インターナショナル ファーマシー ジャーナ
ル(International Pharmacy Journal)1(6), 233 −226,
1987参照)。
到達させる方法として、薬物に化学的修飾を行ったプロ
ドラッグが考案されてきた。しかし、やはり小腸上部で
吸収されるため、大腸における薬物濃度を上げるために
は高投与量を余儀なくされる。したがって副作用の可能
性も増大する。さらにプロドラッグのばあい、修飾した
基が代謝され遊離してくるため、その毒性に由来する副
作用も判明している。たとえばペッパーコーン エム
エー(Peppercorn M.A)らが報告しているサリチルアゾス
ルファピリジン(ジャーナル オブ ファーマコロジー
アンド エクスペリメンタル セラピューティクス
(J. Pharmcol. Exp. Ther.)181:555 −562, 1972 参
照)は、5−アミノサリチル酸のプロドラッグであり、
修飾基のスルファピリジンが毒性を有することが判明し
ている(インターナショナル ファーマシー ジャーナ
ル(International Pharmacy Journal)1(6), 233 −226,
1987参照)。
【0004】そこでこれらのタンパク・ペプチド性薬物
を消化酵素のほとんど存在しない大腸で選択的に放出さ
れる製剤とすることにより、生物学的利用率を向上させ
ようとする試みがなされている。
を消化酵素のほとんど存在しない大腸で選択的に放出さ
れる製剤とすることにより、生物学的利用率を向上させ
ようとする試みがなされている。
【0005】その一つとして、pHの上昇で被膜が溶け
て製剤中の薬物が放出されるように考案された腸溶性製
剤があるが、生体側の消化管のpHの日内変動や食事の
影響が大きく、小腸上部で崩壊したり、反対にその製剤
が崩壊されずに排泄されたりすることが問題となってい
る。
て製剤中の薬物が放出されるように考案された腸溶性製
剤があるが、生体側の消化管のpHの日内変動や食事の
影響が大きく、小腸上部で崩壊したり、反対にその製剤
が崩壊されずに排泄されたりすることが問題となってい
る。
【0006】また別の大腸選択的放出製剤として、大腸
内に存在する細菌の分泌する酵素に注目し、その酵素に
より大腸内で特異的に分解するポリマーを利用する製剤
が検討されている。大腸内には、多種類の嫌気性菌が存
在しており、人の消化酵素にはない様々な酵素を分泌し
ている。その一つとして、アゾ基をアミノ基に還元する
酵素があり、このアゾ還元酵素により切断される芳香族
アゾ基を分子内に含んだポリマーについて報告がなされ
ている(米国特許第4663308 号、特開平3-7718号)。し
かし、これらの方法は、被膜形成性、溶解性が悪かった
り、発ガン性のあるアゾ基を使用しているという欠点が
ある。
内に存在する細菌の分泌する酵素に注目し、その酵素に
より大腸内で特異的に分解するポリマーを利用する製剤
が検討されている。大腸内には、多種類の嫌気性菌が存
在しており、人の消化酵素にはない様々な酵素を分泌し
ている。その一つとして、アゾ基をアミノ基に還元する
酵素があり、このアゾ還元酵素により切断される芳香族
アゾ基を分子内に含んだポリマーについて報告がなされ
ている(米国特許第4663308 号、特開平3-7718号)。し
かし、これらの方法は、被膜形成性、溶解性が悪かった
り、発ガン性のあるアゾ基を使用しているという欠点が
ある。
【0007】一方、ランカスター(Lancaster C.M.)ら
は、腸内細菌の作用で分解を受ける他の被膜性ポリマー
として、天然由来しかもGRAS規格の多糖であるキシ
ラン、トラガントガム、グアガム、ローカストビーンガ
ムを報告している(ポリマープレプリント(Polymer Pre
print)30(1),480 −481,1989参照)。しかし、これら多
糖単独からなる被膜はもろく、しかも水溶性が高いこと
から固形製剤用のコーティング剤としては用いることが
できない。
は、腸内細菌の作用で分解を受ける他の被膜性ポリマー
として、天然由来しかもGRAS規格の多糖であるキシ
ラン、トラガントガム、グアガム、ローカストビーンガ
ムを報告している(ポリマープレプリント(Polymer Pre
print)30(1),480 −481,1989参照)。しかし、これら多
糖単独からなる被膜はもろく、しかも水溶性が高いこと
から固形製剤用のコーティング剤としては用いることが
できない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はトラガントガム
のエステルおよび/またはエーテル誘導体ならびにトラ
ガントガムのエステルおよび/またはエーテル誘導体を
1〜100 重量%含有する固形経口投与製剤用コーティン
グ剤に関する。
のエステルおよび/またはエーテル誘導体ならびにトラ
ガントガムのエステルおよび/またはエーテル誘導体を
1〜100 重量%含有する固形経口投与製剤用コーティン
グ剤に関する。
【0009】
【実施例】本発明者らは、腸内細菌の作用により分解さ
れ、かつ被膜形成性にすぐれており、しかも安全性の高
い被膜性コーティング剤を見出すため、鋭意検討を重ね
た結果、小腸内では不溶であるが大腸内では分解する被
膜性修飾多糖であるトラガントガム誘導体が目的を達成
することを見出し、前記被膜が大腸に達するまでは投与
形態がそのまま残るような厚さをもつ、トラガントガム
のエステルおよび/またはエーテル誘導体を1〜100 重
量%含んだ固形経口投与製剤用コーティング剤を発明す
るにいたった。
れ、かつ被膜形成性にすぐれており、しかも安全性の高
い被膜性コーティング剤を見出すため、鋭意検討を重ね
た結果、小腸内では不溶であるが大腸内では分解する被
膜性修飾多糖であるトラガントガム誘導体が目的を達成
することを見出し、前記被膜が大腸に達するまでは投与
形態がそのまま残るような厚さをもつ、トラガントガム
のエステルおよび/またはエーテル誘導体を1〜100 重
量%含んだ固形経口投与製剤用コーティング剤を発明す
るにいたった。
【0010】トラガントガムとはイラン、ギリシャ、ト
ルコ、シリア、アルメニアなどに産するトラガンタ(As
tragalus属のA. gum mifer、A. kuridicus、A.microcep
halusなど)から滲出する樹液を乾燥してえられた天然
多糖で、水溶性多糖を含む構造未定の多糖混合物であ
り、構成成分はガラクツロン酸、ガラクトース、フコー
ス、キシロース、アラビノースである。
ルコ、シリア、アルメニアなどに産するトラガンタ(As
tragalus属のA. gum mifer、A. kuridicus、A.microcep
halusなど)から滲出する樹液を乾燥してえられた天然
多糖で、水溶性多糖を含む構造未定の多糖混合物であ
り、構成成分はガラクツロン酸、ガラクトース、フコー
ス、キシロース、アラビノースである。
【0011】トラガントガムが大腸内の細菌により分解
を受けることは既に知られている。また、GRAS規格
であることから安全性にすぐれることが確かめられてい
る。かかるトラガントガムをコーティング剤として用い
るばあいの欠点は、水溶性であることである。
を受けることは既に知られている。また、GRAS規格
であることから安全性にすぐれることが確かめられてい
る。かかるトラガントガムをコーティング剤として用い
るばあいの欠点は、水溶性であることである。
【0012】本発明のトラガントガム誘導体は、エステ
ルおよび/またはエーテル誘導体へ導くことにより、ト
ラガントガムの溶解性を改善したものである。
ルおよび/またはエーテル誘導体へ導くことにより、ト
ラガントガムの溶解性を改善したものである。
【0013】本発明を実施するに際して用いるトラガン
トガムの形態としては樹液乾燥物を粗砕したスプリット
状であってもよく、また細かく粉砕した粉状の状態であ
ってもよい。さらには粉状のトラガントガムをエーテ
ル、アルコール、ベンゼンなどにて精製したものであっ
てもよい。また熱分解、酸化分解、酵素分解、酸加水分
解などの操作を加えて分子量を低下せしめたトラガント
ガムを使用することができる。
トガムの形態としては樹液乾燥物を粗砕したスプリット
状であってもよく、また細かく粉砕した粉状の状態であ
ってもよい。さらには粉状のトラガントガムをエーテ
ル、アルコール、ベンゼンなどにて精製したものであっ
てもよい。また熱分解、酸化分解、酵素分解、酸加水分
解などの操作を加えて分子量を低下せしめたトラガント
ガムを使用することができる。
【0014】本発明でトラガントガムをエステルおよび
/またはエーテル誘導体化する際に用いる修飾基は、エ
ステル化のための修飾基としては、フォルミル基、アセ
チル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル
基、バレリル基、クロトニル基、ヘプタノイル基、カプ
リリル基、カプリル基、ラウリル基、ミリスチル基、ス
テアリル基、パルミチル基、ベンゾイル基、トシル基、
メタクリリル基、硝酸基、硫酸基などがあり、エーテル
化のための修飾基として、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ビニル基、オクチル基、オクタデシル
基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル
基、2−ヒドロキシブチル基、2−シアノエチル基、カ
ルボキシメチル基、フェニル基、ベンジル基などがある
が、これらに限定されるものではない。好ましくは炭素
数1〜6の低級アシル基および/または低級アルキル基
である。また1種類または2種類以上の修飾基で修飾さ
れていてもよい。
/またはエーテル誘導体化する際に用いる修飾基は、エ
ステル化のための修飾基としては、フォルミル基、アセ
チル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル
基、バレリル基、クロトニル基、ヘプタノイル基、カプ
リリル基、カプリル基、ラウリル基、ミリスチル基、ス
テアリル基、パルミチル基、ベンゾイル基、トシル基、
メタクリリル基、硝酸基、硫酸基などがあり、エーテル
化のための修飾基として、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ビニル基、オクチル基、オクタデシル
基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル
基、2−ヒドロキシブチル基、2−シアノエチル基、カ
ルボキシメチル基、フェニル基、ベンジル基などがある
が、これらに限定されるものではない。好ましくは炭素
数1〜6の低級アシル基および/または低級アルキル基
である。また1種類または2種類以上の修飾基で修飾さ
れていてもよい。
【0015】トラガントガムをエステルおよび/または
エーテル誘導体化する際の修飾基の導入率によって、ト
ラガントガム誘導体の有機溶剤に対する溶解性ならびに
分解速度は大きく変化する。有機溶剤に対する溶解性、
水に対する不溶性、コーティング剤としての加工性、大
腸内での分解性、薬物の放出性を考慮した修飾基の好ま
しい導入率は、トラガントガムのアンヒドロ糖単位当り
0.1 モルから3モルの間である。ここでいう有機溶剤と
は、製剤領域で一般式に用いられる有機溶剤(塩化エチ
レン、クロロホルム、ジオキサン、アセトン、エタノー
ルなど)であり、好ましくはエタノール、塩化メチレン
である。
エーテル誘導体化する際の修飾基の導入率によって、ト
ラガントガム誘導体の有機溶剤に対する溶解性ならびに
分解速度は大きく変化する。有機溶剤に対する溶解性、
水に対する不溶性、コーティング剤としての加工性、大
腸内での分解性、薬物の放出性を考慮した修飾基の好ま
しい導入率は、トラガントガムのアンヒドロ糖単位当り
0.1 モルから3モルの間である。ここでいう有機溶剤と
は、製剤領域で一般式に用いられる有機溶剤(塩化エチ
レン、クロロホルム、ジオキサン、アセトン、エタノー
ルなど)であり、好ましくはエタノール、塩化メチレン
である。
【0016】さらに、本発明にはトラガントガム誘導体
を1〜100 重量%含むコーティング剤が含まれる。トラ
ガントガム誘導体は大腸内で特異的に分解するので薬物
を大腸内へ選択的、高濃度に到達させることを目的とし
た固形経口投与製剤用コーティング剤として利用するこ
とができる。
を1〜100 重量%含むコーティング剤が含まれる。トラ
ガントガム誘導体は大腸内で特異的に分解するので薬物
を大腸内へ選択的、高濃度に到達させることを目的とし
た固形経口投与製剤用コーティング剤として利用するこ
とができる。
【0017】コーティングには可塑剤や着色剤、滑沢
剤、タルクおよび/またはステアリン酸マグネシウムな
どのコーティング技術でよく知られている添加物を加え
ることができる。所望により水不溶性のポリマー(たと
えば、エチルセルロース、メタアクリル酸コポリマーな
ど)や腸溶性ポリマー(ヒドロキシプロピルメチルセル
ロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチ
ルセルロースなど)を混合してもよい。
剤、タルクおよび/またはステアリン酸マグネシウムな
どのコーティング技術でよく知られている添加物を加え
ることができる。所望により水不溶性のポリマー(たと
えば、エチルセルロース、メタアクリル酸コポリマーな
ど)や腸溶性ポリマー(ヒドロキシプロピルメチルセル
ロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチ
ルセルロースなど)を混合してもよい。
【0018】薬剤にコーティングを施すばあいには、本
発明のトラガントガム誘導体を適当な有機溶剤(たとえ
ば、塩化メチレン、クロロホルム、ジオキサン、アセト
ンおよびエタノールから選ばれる1種または2種以上の
混合溶剤)に溶解または懸濁させ、別途製造した固形経
口投与製剤にスプレー法またはパン・コーティング法な
どの従来からの方法あるいは簡易的には該誘導体を溶解
または懸濁させた有機溶剤中に錠剤を浸漬する方法によ
り行われる。
発明のトラガントガム誘導体を適当な有機溶剤(たとえ
ば、塩化メチレン、クロロホルム、ジオキサン、アセト
ンおよびエタノールから選ばれる1種または2種以上の
混合溶剤)に溶解または懸濁させ、別途製造した固形経
口投与製剤にスプレー法またはパン・コーティング法な
どの従来からの方法あるいは簡易的には該誘導体を溶解
または懸濁させた有機溶剤中に錠剤を浸漬する方法によ
り行われる。
【0019】コーティングは、経口製剤が大腸に達する
までは完全な形を維持するように充分な厚さとする。通
常は厚さ20〜150 μmのコーティングが必要とされる。
40〜100 μm、とくに50〜70μmの厚さが望ましい。あ
る特定の固形経口製剤における特定のポリマーによるコ
ーティングの適切な厚さを確認するまでは、試行錯誤の
実験が必要なことが明らかであるが、そのような実験は
当業者における平均的な技術を有する者の能力の範囲で
充分である。
までは完全な形を維持するように充分な厚さとする。通
常は厚さ20〜150 μmのコーティングが必要とされる。
40〜100 μm、とくに50〜70μmの厚さが望ましい。あ
る特定の固形経口製剤における特定のポリマーによるコ
ーティングの適切な厚さを確認するまでは、試行錯誤の
実験が必要なことが明らかであるが、そのような実験は
当業者における平均的な技術を有する者の能力の範囲で
充分である。
【0020】固形経口投与製剤とは、のみこまれること
を意図し、コーティングの対象となりうる明かな形態を
有しているいかなる投与形態をも意味する。通常、投与
形態は普通の錠剤や硬ゼラチンカプセルまたは軟ゼラチ
ンカプセルなどのカプセル剤である。
を意図し、コーティングの対象となりうる明かな形態を
有しているいかなる投与形態をも意味する。通常、投与
形態は普通の錠剤や硬ゼラチンカプセルまたは軟ゼラチ
ンカプセルなどのカプセル剤である。
【0021】固形経口投与製剤には主薬剤に加え、充填
剤(乳糖またはリン酸カルシウムなど)、結合剤(デン
プンまたはポリビニルピロリドンなど)、潤滑剤(ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクな
ど)および崩壊剤(アルギン酸、バレイショデンプンな
ど)のような常用の添加物を1種類以上含有させてもよ
い。
剤(乳糖またはリン酸カルシウムなど)、結合剤(デン
プンまたはポリビニルピロリドンなど)、潤滑剤(ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクな
ど)および崩壊剤(アルギン酸、バレイショデンプンな
ど)のような常用の添加物を1種類以上含有させてもよ
い。
【0022】本発明のコーティング剤を適用しうる薬物
は、大腸への到達が指向されるものであれば、とくに制
限されることなく、いずれであっても使用できる。その
ような薬物としては、たとえばインスリン、バソプレシ
ン、カルシトニン、インターフェロン、インターロイキ
ン、エリスロポイエチン、顆粒球コロニー活性化因子な
どのペプチド性およびタンパク質性の薬物、あるいはメ
シル酸ガベキサート、メシル酸カモスタット、メシル酸
ナファモスタットなどのグアニジノ安息香酸誘導体およ
びインドメサシン、イブプロフェン、アスピリンなどの
非ステロイド性消炎剤およびハイドロコーチゾン、ブレ
ドニゾロン、ベクロメサゾン・吉草酸エステルなどのス
テロイド剤などの抗炎症剤、あるいはコレスチラミンな
どのような過剰の胆汁酸を除去する化合物などがあげら
れる。
は、大腸への到達が指向されるものであれば、とくに制
限されることなく、いずれであっても使用できる。その
ような薬物としては、たとえばインスリン、バソプレシ
ン、カルシトニン、インターフェロン、インターロイキ
ン、エリスロポイエチン、顆粒球コロニー活性化因子な
どのペプチド性およびタンパク質性の薬物、あるいはメ
シル酸ガベキサート、メシル酸カモスタット、メシル酸
ナファモスタットなどのグアニジノ安息香酸誘導体およ
びインドメサシン、イブプロフェン、アスピリンなどの
非ステロイド性消炎剤およびハイドロコーチゾン、ブレ
ドニゾロン、ベクロメサゾン・吉草酸エステルなどのス
テロイド剤などの抗炎症剤、あるいはコレスチラミンな
どのような過剰の胆汁酸を除去する化合物などがあげら
れる。
【0023】つぎに、本発明のトラガント誘導体および
コーティング剤を実施例、参考例および実施例に基づい
て詳しく説明するが、本発明はもとよりかかる実施例の
みに限定されるものではない。
コーティング剤を実施例、参考例および実施例に基づい
て詳しく説明するが、本発明はもとよりかかる実施例の
みに限定されるものではない。
【0024】実施例1 トラガントガム(シグマ(Sigma) 社製)20.0gを38℃で
酢酸50ml中で撹拌し、1時間後に酢酸50mlと濃硫酸180m
g を加え、さらに1時間撹拌ののち、無水酢酸50mlと濃
硫酸600mg を加え、50℃に昇温し2時間30分反応させ
た。反応溶液を水に注ぎ込むことによりえた沈殿物をエ
タノール洗浄し乾燥することにより生成物トラガントガ
ムのアセチルエステル9.0 gをえた。
酢酸50ml中で撹拌し、1時間後に酢酸50mlと濃硫酸180m
g を加え、さらに1時間撹拌ののち、無水酢酸50mlと濃
硫酸600mg を加え、50℃に昇温し2時間30分反応させ
た。反応溶液を水に注ぎ込むことによりえた沈殿物をエ
タノール洗浄し乾燥することにより生成物トラガントガ
ムのアセチルエステル9.0 gをえた。
【0025】生成物は、米国薬局方(USP)記載のア
セチル コンテンツ(Acetyl Contents) の測定法に準拠
し、アセトン中でアルカリ加水分解後逆滴定により測定
したところ、アセチル基の含有率は27%であり、アンヒ
ドロ糖単位当りの導入率は1.38モルであった。
セチル コンテンツ(Acetyl Contents) の測定法に準拠
し、アセトン中でアルカリ加水分解後逆滴定により測定
したところ、アセチル基の含有率は27%であり、アンヒ
ドロ糖単位当りの導入率は1.38モルであった。
【0026】実施例2 実施例1において反応後の溶液を水に注ぎ込むかわりに
エタノールに注ぎ込み生成物18gをえた。トラガントガ
ムのアンヒドロ糖単位当りのアセチル基の導入率は0.82
モルであった。
エタノールに注ぎ込み生成物18gをえた。トラガントガ
ムのアンヒドロ糖単位当りのアセチル基の導入率は0.82
モルであった。
【0027】実施例3 実施例1において反応後の溶液から不溶成分を遠心分離
により除去し、可溶性上澄分画のみエタノールに注ぎ込
み生成物5.2 gをえた。トラガントガムのアンヒドロ糖
単位当りのアセチル基の導入率は3.00モルであった。
により除去し、可溶性上澄分画のみエタノールに注ぎ込
み生成物5.2 gをえた。トラガントガムのアンヒドロ糖
単位当りのアセチル基の導入率は3.00モルであった。
【0028】実施例4 トラガントガム(シグマ社製)2.0 gを40%水酸化ナト
リウム水溶液7mlに浸漬した。これをトルエン50mlに懸
濁し、硫酸ジメチル12mlを1時間かけて加えかき混ぜ、
室温に一昼夜保った。トルエンを除去後、メタノールで
洗浄した。再びトルエン50mlに懸濁し、40%水酸化ナト
リウム水溶液7mlを加え、40分後に硫酸ジメチル12mlを
加えて操作を繰り返した。反応終了後、水洗および乾燥
し生成物トラガントガムのメチルエーテル2.2 gをえ
た。
リウム水溶液7mlに浸漬した。これをトルエン50mlに懸
濁し、硫酸ジメチル12mlを1時間かけて加えかき混ぜ、
室温に一昼夜保った。トルエンを除去後、メタノールで
洗浄した。再びトルエン50mlに懸濁し、40%水酸化ナト
リウム水溶液7mlを加え、40分後に硫酸ジメチル12mlを
加えて操作を繰り返した。反応終了後、水洗および乾燥
し生成物トラガントガムのメチルエーテル2.2 gをえ
た。
【0029】生成物は、日本薬局方に準拠しメトキシル
基の定量を行ったところ含有率29%であり、トラガント
ガムのアンヒドロ糖単位当りのメチル基の導入率は1.52
モルであった。
基の定量を行ったところ含有率29%であり、トラガント
ガムのアンヒドロ糖単位当りのメチル基の導入率は1.52
モルであった。
【0030】実施例5 実施例4において硫酸ジメチルのかわりにパルミトイル
クロライド1.5 gを用い生成物トラガントガムのパルミ
トイルエステルをえた。トラガントガムのアンヒドロ糖
単位当りのパルミトイル基の導入率は1.2 モルであっ
た。
クロライド1.5 gを用い生成物トラガントガムのパルミ
トイルエステルをえた。トラガントガムのアンヒドロ糖
単位当りのパルミトイル基の導入率は1.2 モルであっ
た。
【0031】実施例6 実施例4において硫酸ジメチルのかわりにモノクロル酢
酸0.5 gを用い、1.5時間沸点まで加熱して反応させ、
トラガントガムのアンヒドロ糖単位当りのカルボキシメ
チル基の導入率0.60モルの生成物トラガントガムのカル
ボキシメチルエーテル1.8 gをえた。
酸0.5 gを用い、1.5時間沸点まで加熱して反応させ、
トラガントガムのアンヒドロ糖単位当りのカルボキシメ
チル基の導入率0.60モルの生成物トラガントガムのカル
ボキシメチルエーテル1.8 gをえた。
【0032】実施例7 実施例4において硫酸ジメチルのかわりにオクチルクロ
ライド1.0 gを用い、トラガントガムのアンヒドロ糖単
位当りのオクチル基の導入率0.54モルの生成物トラガン
トガムのオクチルエーテル2.3 gをえた。
ライド1.0 gを用い、トラガントガムのアンヒドロ糖単
位当りのオクチル基の導入率0.54モルの生成物トラガン
トガムのオクチルエーテル2.3 gをえた。
【0033】実施例8 実施例4において硫酸ジメチルのかわりにベンジルクロ
ライド5.0ml を用いた。反応後大量の水で洗い、さらに
大量のメタノールで数回洗ったのち乾燥した。この操作
を2回繰り返し生成物トラガントガムのベンジルエーテ
ル2.1 gをえた。トラガントガムのアンヒドロ糖単位当
りのベンジル基の導入率は1.50モルであった。
ライド5.0ml を用いた。反応後大量の水で洗い、さらに
大量のメタノールで数回洗ったのち乾燥した。この操作
を2回繰り返し生成物トラガントガムのベンジルエーテ
ル2.1 gをえた。トラガントガムのアンヒドロ糖単位当
りのベンジル基の導入率は1.50モルであった。
【0034】実施例9 実施例4においてトラガントガムのかわりに、実施例1
でえられたアセチル基の導入率1.38モルのアセチル化ト
ラガントガムを用い生成物アセチル化トラガントガムの
メチルエーテル2.0 gをえた。トラガントガムのアンヒ
ドロ糖単位当りのメチル基の導入率は0.80モルであっ
た。
でえられたアセチル基の導入率1.38モルのアセチル化ト
ラガントガムを用い生成物アセチル化トラガントガムの
メチルエーテル2.0 gをえた。トラガントガムのアンヒ
ドロ糖単位当りのメチル基の導入率は0.80モルであっ
た。
【0035】実施例10 実施例4において硫酸ジメチルのかわりに硫酸ジエチル
を用い生成物トラガントガムのエチルエーテル2.0 gを
えた。トラガントガムのアンヒドロ糖単位当りのエチル
基の導入率は1.60モルであった。
を用い生成物トラガントガムのエチルエーテル2.0 gを
えた。トラガントガムのアンヒドロ糖単位当りのエチル
基の導入率は1.60モルであった。
【0036】実施例11 トラガントガム50gを、150ml のピリジンと50mlの水の
混合液に一晩浸漬し、かき混ぜて活性化し、液を濾過に
より除き、トラガントガムを無水ピリジンに2〜3時間
浸漬した。この操作を4回繰り返したのち、このトラガ
ントガムに100gのピリジンと70gのp−トルエンスル
ホン酸クロライドを加え、室温で168 時間反応させた。
反応後、同量のピリジンで薄め、エタノール中に沈澱さ
せ、エタノールでよく洗い乾燥し、生成物トラガントガ
ムのトシルエステル60gをえた。プロトン核磁気共鳴ス
ペクトルによるトシル基のトラガントガムのアンヒドロ
糖単位当りの導入率は2.3 モルであった。
混合液に一晩浸漬し、かき混ぜて活性化し、液を濾過に
より除き、トラガントガムを無水ピリジンに2〜3時間
浸漬した。この操作を4回繰り返したのち、このトラガ
ントガムに100gのピリジンと70gのp−トルエンスル
ホン酸クロライドを加え、室温で168 時間反応させた。
反応後、同量のピリジンで薄め、エタノール中に沈澱さ
せ、エタノールでよく洗い乾燥し、生成物トラガントガ
ムのトシルエステル60gをえた。プロトン核磁気共鳴ス
ペクトルによるトシル基のトラガントガムのアンヒドロ
糖単位当りの導入率は2.3 モルであった。
【0037】実施例12 実施例11のトラガントガムのかわりに実施例1でえら
れたアセチル基の導入率1.38モルのアセチル化トラガン
トガムを用い、かき混ぜたのち室温に20日間保った。反
応後、水洗乾燥し生成物アセチル化トラガントガムのト
シルエステル55gをえた。トラガントガムのアンヒドロ
糖単位当りのトシル基の導入率は0.69モルであった。
れたアセチル基の導入率1.38モルのアセチル化トラガン
トガムを用い、かき混ぜたのち室温に20日間保った。反
応後、水洗乾燥し生成物アセチル化トラガントガムのト
シルエステル55gをえた。トラガントガムのアンヒドロ
糖単位当りのトシル基の導入率は0.69モルであった。
【0038】実施例13 内容積1000mlの加圧密閉型ニーダー内でトラガントガム
10gと40%水酸化ナトリウム水溶液200ml を練り合わせ
る。しかるのちニーダーを密閉し窒素でシールし、ニー
ダーを80℃に加温し100 gのプロピレンオキサイドを徐
々に加え4時間反応を行なった。反応物を取り出し乾燥
し、生成物トラガントガムのヒドロキシプロピルエーテ
ル12gをえた。トラガントガムのアンヒドロ糖単位当り
のヒドロキシプロピル基の導入率は1.50モルであった。
10gと40%水酸化ナトリウム水溶液200ml を練り合わせ
る。しかるのちニーダーを密閉し窒素でシールし、ニー
ダーを80℃に加温し100 gのプロピレンオキサイドを徐
々に加え4時間反応を行なった。反応物を取り出し乾燥
し、生成物トラガントガムのヒドロキシプロピルエーテ
ル12gをえた。トラガントガムのアンヒドロ糖単位当り
のヒドロキシプロピル基の導入率は1.50モルであった。
【0039】実施例14 実施例4においてトラガントガムのかわりに、実施例1
3でえられたヒドロキシプロピル基の導入率1.50モルの
ヒドロキシプロピル化トラガントガムを用い生成物ヒド
ロキシプロピル化トラガントガムのメチルエーテル2.5
gをえた。アンヒドロ糖単位当りのメチル基の導入率は
0.82モルであった。
3でえられたヒドロキシプロピル基の導入率1.50モルの
ヒドロキシプロピル化トラガントガムを用い生成物ヒド
ロキシプロピル化トラガントガムのメチルエーテル2.5
gをえた。アンヒドロ糖単位当りのメチル基の導入率は
0.82モルであった。
【0040】参考例1 ブルーデキストラン2000を2%、デキストランを2%、
アルシアンブルー8GSを2%、アニリンブルーを2
%、メチレンブルーを2%、ステアリン酸マグネシウム
を3%、アビセルPH−102(旭化成工業株式会社
製)を87%の割合で混合し、HU−T型打錠機(畑鉄工
所製)により、杵臼径4mm、吸込量30mg、回転数8.8rp
m、打錠圧900Kg の条件で色素含有錠剤を製造した。
アルシアンブルー8GSを2%、アニリンブルーを2
%、メチレンブルーを2%、ステアリン酸マグネシウム
を3%、アビセルPH−102(旭化成工業株式会社
製)を87%の割合で混合し、HU−T型打錠機(畑鉄工
所製)により、杵臼径4mm、吸込量30mg、回転数8.8rp
m、打錠圧900Kg の条件で色素含有錠剤を製造した。
【0041】実験例1 実施例1〜14によりえられたトラガントガム誘導体およ
び腸溶性コーティング剤であるヒドロキシプロピルメチ
ルセルロースフタレートHP−55S(信越化学工業株
式会社製)と可塑剤である分子量4000のポリエチレング
リコールを混合し、メタノールと塩化メチレンの1:1
(容量比)混合液に10%の濃度になるように懸濁した。
この懸濁液中に参考例1でえられた色素含有錠剤を浸漬
し乾燥するという工程を膜厚が40〜120 μmになるまで
繰り返した。膜厚はコーティング前後の錠剤の径および
厚さの差から求めた。
び腸溶性コーティング剤であるヒドロキシプロピルメチ
ルセルロースフタレートHP−55S(信越化学工業株
式会社製)と可塑剤である分子量4000のポリエチレング
リコールを混合し、メタノールと塩化メチレンの1:1
(容量比)混合液に10%の濃度になるように懸濁した。
この懸濁液中に参考例1でえられた色素含有錠剤を浸漬
し乾燥するという工程を膜厚が40〜120 μmになるまで
繰り返した。膜厚はコーティング前後の錠剤の径および
厚さの差から求めた。
【0042】実験例2 (生体内での分解性)ウィスター系雄性ラットを3群に
分け、各群6匹とした。第1群のラットを開腹し、小腸
大腸接合部を結紮した。結紮部の小腸側を切開し、大腸
側はそのまま腹部に戻し、小腸の切断部位と開腹部を腸
管が体外へ開存するように縫合した。つぎに左腹部を開
腹し、十二指腸最上部(胃幽門直下)を切開し、十二指
腸内へ実施例1でコーティングを施した錠剤3個を投与
した。十二指腸切開部を縫合したのち、外科用接着剤で
切開部を接着し、開腹部を縫合した。このラットを清潔
な環境で飼育しておき、経時的に小腸開存部より流出す
る内容物を観察し、錠剤の有無、錠剤の形状・硬さ、色
素の溶出状態を調べた。第2群のラットには、第1群と
同じ操作で切開した小腸大腸接合部の縫合修復を施した
のち、十二指腸最上部より十二指腸内にポリマーコーテ
ィングした錠剤3個を投与した。このラットを同様に飼
育し、糞便の状態(色調・内容物)を観察した。第3群
のラットは開腹し、小腸大腸接合部を切開し、実施例1
でコーティングした錠剤3個を大腸内へ挿入した。切開
部および開腹部の縫合ののち、同様にラットを飼育し、
糞便の状態を観察した。
分け、各群6匹とした。第1群のラットを開腹し、小腸
大腸接合部を結紮した。結紮部の小腸側を切開し、大腸
側はそのまま腹部に戻し、小腸の切断部位と開腹部を腸
管が体外へ開存するように縫合した。つぎに左腹部を開
腹し、十二指腸最上部(胃幽門直下)を切開し、十二指
腸内へ実施例1でコーティングを施した錠剤3個を投与
した。十二指腸切開部を縫合したのち、外科用接着剤で
切開部を接着し、開腹部を縫合した。このラットを清潔
な環境で飼育しておき、経時的に小腸開存部より流出す
る内容物を観察し、錠剤の有無、錠剤の形状・硬さ、色
素の溶出状態を調べた。第2群のラットには、第1群と
同じ操作で切開した小腸大腸接合部の縫合修復を施した
のち、十二指腸最上部より十二指腸内にポリマーコーテ
ィングした錠剤3個を投与した。このラットを同様に飼
育し、糞便の状態(色調・内容物)を観察した。第3群
のラットは開腹し、小腸大腸接合部を切開し、実施例1
でコーティングした錠剤3個を大腸内へ挿入した。切開
部および開腹部の縫合ののち、同様にラットを飼育し、
糞便の状態を観察した。
【0043】結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】本発明によるトラガントガムのエステルお
よび/またはエーテル誘導体からなるコーティング剤
は、小腸内では崩壊せず、薬物の放出も抑えられている
一方、大腸内では被膜は崩壊し、薬物も放出されている
ことがわかった。
よび/またはエーテル誘導体からなるコーティング剤
は、小腸内では崩壊せず、薬物の放出も抑えられている
一方、大腸内では被膜は崩壊し、薬物も放出されている
ことがわかった。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明によるトラガント
ガムのエステルおよび/またはエーテル誘導体および該
誘導体からなるコーティング剤を利用することにより、
包埋された薬物を経口投与によっても大腸以外で分解吸
収されることなく大腸へ選択的にかつ高濃度で到達させ
ることができるため、薬剤の投与量が少なくかつ副作用
の少ない生物学的利用率を改善させた製剤設計が可能と
なる。
ガムのエステルおよび/またはエーテル誘導体および該
誘導体からなるコーティング剤を利用することにより、
包埋された薬物を経口投与によっても大腸以外で分解吸
収されることなく大腸へ選択的にかつ高濃度で到達させ
ることができるため、薬剤の投与量が少なくかつ副作用
の少ない生物学的利用率を改善させた製剤設計が可能と
なる。
Claims (2)
- 【請求項1】 トラガントガムのエステルおよび/また
はエーテル誘導体。 - 【請求項2】 トラガントガムのエステルおよび/また
はエーテル誘導体を1〜100 重量%含有する固形経口投
与製剤用コーティング剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2955092A JPH05230102A (ja) | 1992-02-17 | 1992-02-17 | 製剤用のコーティング剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2955092A JPH05230102A (ja) | 1992-02-17 | 1992-02-17 | 製剤用のコーティング剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05230102A true JPH05230102A (ja) | 1993-09-07 |
Family
ID=12279253
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2955092A Pending JPH05230102A (ja) | 1992-02-17 | 1992-02-17 | 製剤用のコーティング剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05230102A (ja) |
-
1992
- 1992-02-17 JP JP2955092A patent/JPH05230102A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5688776A (en) | Crosslinked polysaccharides, process for their preparation and their use | |
KR960006063B1 (ko) | 대장에서만 방출할 수 있는 피복시킨 고체 약물형태 | |
US6319518B1 (en) | Colon selective drug delivery composition | |
JP4444496B2 (ja) | 低温コーティング | |
US7655697B2 (en) | Oral pharmaceutical composition for targeted transport of a platinum complex into the colorectal region, method for producing and use as medicament thereof | |
US5213811A (en) | Oral sustained-release drug compositions | |
IL98087A (en) | Preparation for dispensing drugs in the colon | |
RO121082B1 (ro) | Compoziţie farmaceutică, învelită cu un stratde acoperire enterosolubil | |
WO1991016881A1 (en) | Colonic drug delivery system | |
EP0616802B1 (en) | Oral preparation for release in lower digestive tracts | |
JPH05230102A (ja) | 製剤用のコーティング剤 | |
WO1996004014A1 (fr) | Preparation de medicament a liberation lente | |
IE49323B1 (en) | Galenical compositions | |
JP3122478B2 (ja) | 下部消化管放出型経口製剤 | |
AU671651B2 (en) | A drug delivery device and a method of making such device | |
JPH05331074A (ja) | 薬物運搬体 | |
Krishna et al. | Studies on development of oral colon targeted drug delivery system of locust bean and xanthan gum. | |
WO1997047311A1 (en) | Coated compositions containing polyene derivatives | |
CN111870580A (zh) | 含姜黄素的药剂和在结肠炎靶向治疗中的应用 | |
Vibhooti et al. | Eudragit and chitosan—The two most promising polymers for colon drug delivery | |
CA2171963C (en) | Dextran esters, the preparation thereof and the use thereof for coating or embedding drugs | |
JP2521229B2 (ja) | 大腸崩壊性組成物及びその製造法 | |
JPH04264023A (ja) | 持続性カプセル製剤 | |
JP4821607B2 (ja) | 水難溶性薬物配合固形製剤 | |
JP3167156B2 (ja) | 製剤用補助剤 |