JPH052296Y2 - - Google Patents

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JPH052296Y2
JPH052296Y2 JP1987106996U JP10699687U JPH052296Y2 JP H052296 Y2 JPH052296 Y2 JP H052296Y2 JP 1987106996 U JP1987106996 U JP 1987106996U JP 10699687 U JP10699687 U JP 10699687U JP H052296 Y2 JPH052296 Y2 JP H052296Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は工作物等を固定保持するためのバイス
等のクランプ装置に用いられる機械的増力機構に
関する。
〔従来の技術およびその問題点〕
バイス等のクランプ装置として、一般的には、
2つのタイプのクランプ装置、すなわち油圧式増
力機構を持つクランプ装置と機械的増力機構を持
つクランプ装置とが知られている。
油圧式増力機構を持つクランプ装置は大きなク
ランプ力が得られる点では優れているが、そのメ
インテナンスが面倒である点が問題とされる。と
いうのは、油圧式増力機構の場合、作動油が長期
間に亘つて僅かづつ漏洩するためにクランプ力が
次第に低下するので、作動油を時々補給したり、
また油圧式増力機構に用いられているo−リング
等のシール材を交換したりすることが必要とされ
るからである。
一方、機械的増力機構を持つクランプ装置の場
合には、上述したようなメインテナンス上の問題
は無いが、機械的増力機構の場合、一般的には、
油圧式増力機構に比べて小さなクランプ力しか得
られないという点が問題とされる。
機械的増力機構を持つクランプ装置の従来例の
1つとして、特開昭50−56699号に開示されてい
るクランプ装置が知られている。このクランプ装
置の増力機構では、一対のアングルレバーすなわ
ち増力レバー部材がシリンダ内でその軸線に対し
て対称な関係に配置され、しかも該軸線に対して
直角な軸線を持つ軸に回動自在に軸着される。一
対のアングルレバーは長い方のアームと短い方の
アームとを備え、その長い方のアーム間には楔片
が押し込まれるようになつている。楔片が長い方
のアーム間に押し込まれると、その両アームは押
し拡げられるように変位し、これに伴つて一対の
アングルレバーの短い方のアームも変位する。こ
の場合、長い方のアームの変位量は短い方の変位
量よりも大きく、このため所謂“てこの原理”に
より短い方のアームから大きな力が得られ、それ
がクランプ力として利用される。
さて、このようなクランプ装置において、大き
なクランプ力を得るためには、長い方のアームを
できるだけ長くし、一方短い方のアームをできる
だけ短くし、その長さ比を大きくすればよい訳で
あるが、実際問題として、そのような解決策は強
度上あるいはスペース上の理由から採用すること
はできない。
詳述すると、大きなクランプ力を得ようとして
短い方のアームの長さを小さくした場合、そのク
ランプ力の増大に応じて一対のアングルレバーの
軸着部の強度を高めなければなない。すなわち、
一対のアングルレバーの軸着部の軸の直径を大き
くしてクランプ力の増大化に耐え得るようにしな
ければならない。しかしながら、軸着部の軸の直
径を大きくすると、短い方のアームの長さを小さ
く取ることが難しく、このためクランプ力の大き
な増大化を図ることはできなくなり、そうすると
軸着部の軸の直径を太くする必要性がなくなると
いうことになる。要するに、軸着部の軸の直径と
短い方のアームの長さとの間には矛盾した関係に
あり、このため短い方のアームをできるだけ短く
して大きなクランプ力を得ようとする試みは採用
され得ない。一方、長い方のアームの長さをでき
るだけ長くしてクランプ力の増大化を図ろうとし
ても、一対のアングルレバーを設置するためのス
ペースは限られているので、このような試みも採
用され得ない。
また、特開昭50−56699号に開示されたクラン
プ装置の場合、一対のアングルレバーは単に軸の
回りに摺動自在に軸着されているだけなので、そ
の間の摺動摩擦抵抗が大きくなり、このためクラ
ンプ操作時に作業者に大きな負担が掛かり、ま
た、軸着部や軸が摩耗するという点も問題とされ
る。なお、かかる摩擦抵抗を小さくするために軸
着部に軸受等を介在させることも考えられるが、
この場合軸着部の実質的な軸直径が軸受のために
大きくされるので、また軸受が大きな負荷を受け
ることになるので、軸受等を用いることはできな
い。
さらに、一対のアングルレバーをシリンダに軸
着するにはかなりの手数を要する。
〔考案の目的および構成〕
したがつて、本考案の目的は、バイス等のクラ
ンプ装置に用いられる機械的増力機構であつて、
従来の場合よりも一層大きなクランプ力が得られ
ると共にクランプ操作時に作業者に掛かる負担や
部材の磨耗が従来の場合よりも軽減され、しかも
増力レバー部材組付けの手数も軽減される機械的
増力機構を提供することである。
本考案による機械的増力機構はバイス等のクラ
ンプ装置に用いられるものであつて、該クランプ
装置の可動ジヨーにクランプ力を及ぼすべく摺動
自在に配置されたピストン部材と、このピストン
部材にクランプ力を発生させるべく該ピストン部
材に作用するようになつた少なくとも1つの増力
レバー部材とを具備する。本考案によれば、その
ような構成の機械的増力機構において、増力レバ
ー部材に適当な支承部材に対して衝合関係で支承
されるようになつた支点と、ピストン部材と係合
するようになつた肩部とを設け、増力レバー部材
をその支点で回動させることによつて、ピストン
部材を該増力レバー部材の肩部でもつて上述の可
動ジヨー側に変位させるようにした点が特徴とさ
れる。
本考案の好ましい実施例においては、増力レバ
ー部材が一対設けられ、しかもピストン部材の中
心軸線に対して対称に配置される。また、本考案
においては、増力レバー部材を3つ以上設けても
よく、この場合にはそれら増力レバー部材はピス
トン部材の中心軸線の回りに等間隔に配置される
ことになる。
また、本考案の好ましい実施例においては、ピ
ストン部材がスリーブ部材内に摺動自在に配置さ
れ、増力レバー部材をその支点で支承するための
支承部材が該スリーブ部材内に形成された狭窄部
によつて構成される。
〔実施例〕
次に、添付図面を参照して、本考案による機械
的増力機構の一実施例について説明する。
第1図を参照すると、そこには本考案による機
械的増力機構が組み込まれたクランプ装置が示さ
れている。このクランプ装置は細長の矩形状を呈
した基部10と、この基部10の一端部にそれと
一体構造となつた固定ジヨー12と、この固定ジ
ヨー12から基部10の両側辺に沿つて延びしか
も該基部10と一体構造となつた一対の側壁状部
材14(第1図では、その一方だけが見える)
と、この一対の側壁状部材14上に摺動自在に配
置された可動ジヨー16と、一対の側壁状部材1
4上で可動ジヨー16に摺動運動を行わせる作動
機構18と、固定ジヨー12に対するクランプ力
を可動ジヨー16に与える増力機構20とから構
成される。
増力機構20は後で詳述するように本考案に従
つて構成されるものであるが、その他の構成要素
は従来のクランプ装置と同様な構成を持つもので
あり、先ず、本考案の理解のために、増力機構2
0を除く構成要素について簡単に説明することに
する。固定ジヨー12および可動ジヨー16には
それぞれ口金22および24が取り付けられ、こ
れら口金22および24間で工作物等が保持され
る。なお、第1図では、口金22および24は互
いに接触した状態で示されている。一対の側壁状
部材14の頂部にはその外側に沿つて案内路26
が形成され、一方可動ジヨー16の両側の下部か
らは案内26をその外側から包むように係合する
係合部28が延び(第1図では、その紙面の反対
側の下部から延びる係合部が破線で示されてい
る)、これにより可動ジヨー16は一対の側壁状
部材14上で案内摺動運動を行うことになる。そ
のような案内摺動運動を行わせる作動機構18は
可動ジヨー16の一端部すなわち口金24とは反
対側の端部に回転自在に支持された中空送りボル
ト30と、この中空送りボルト30と係合させら
れしかも一対の側壁状部材14間を延びる軸要素
32に枢着された送りナツト34とを具備し、こ
の送りナツト34内で中空送りボルト30を回転
させることによつて、可動ジヨー16が一対の側
壁状部材14上で移動させられることになる。
第2図を参照すると、そこには本考案に従つて
構成された増力機構20の詳細が示されており、
この増力機構20はスリーブ部材36を具備す
る。スリーブ部材36の一端部には内側ねじ部3
8が形成され、その内側ねじ部38には中空送り
ボルト30の外側ねじ切り端部40が螺着され、
これによりスリーブ部材36は中空送りボルト3
0と共に回転し得るようになつている。なお、ス
リーブ部材36と中空送りボルト30との一体的
な回転を保証すべくスリーブ部材36にはセツト
ねじ(図示されない)を収容するねじ孔42が形
成される。
スリーブ部材36のほぼ中間箇所には狭窄部4
4が形成され、この狭窄部44は、第3図に示す
ように、スリーブ部材36の内周壁からその軸線
に対して左右対称に突出した一対の弧状壁部46
と、該軸線に対して上下対称に突出した一対の突
起壁部47とによつて形成される。
狭窄部44を形成する一対の弧状壁部46と、
中空送りボルト30の外側ねじ切り端部40の端
面との間には、ピストン部材48がスリーブ部材
36の軸線方向に摺動自在に配置され、このピス
トン部材48は小径部分50および大径部分52
からなる。第2図から見られるように、小径部分
50の先端は中空送りボルト30の外側ねじ切り
端部40に形成された拡大ボア54内に侵入し、
しかも中空送りボルト30の中空部内に摺動自在
に収容されたスピンドル部材56の一端部の端面
と衝合し得るようになつている。第1図に示すよ
うに、スピンドル部材56の他端部は中空送りボ
ルト30の前方端部(第1図および第2図におい
て左側の端部)から突出して可動ジヨー16のヘ
ツド部の裏側すなわち口金24の反対側に連結さ
れる。
スピンドル部材56の後端部とピストン部材4
8の小径部50とには互いに向かい合う中心ボア
が形成され、それら中心ボア内には圧縮コイルば
ね58が収容され、一方中空送りボルト30の外
側ねじ切り端部40の端面と大径部52の前方環
状端面との間にも圧縮コイルばね60が収容され
る。これら圧縮コイルばね58および60によつ
て、ピストン部材48は通常は狭窄部44を形成
するようになつた一対の弧状壁部46と一対の突
起壁部47とに対して衝合させられる。
狭窄部44内には一対の増力レバー部材62が
スリーブ部材36の中心軸線すなわちピストン部
材48の摺動方向軸線に対して対称な上下関係に
配置される。一対の増力レバー部材62は互いに
同一の構造を有し、第4A図ないし第4C図から
明らかなように、各増力レバー部材62は略T字
形状の形態を呈するブロツク要素として構成され
る。詳述すると、各増力レバー部材62は第1の
アームを構成するステム部64と、第2のアーム
を形成する横方向張出し部66とから構成され
る。
第1のアームすなわちステム部64には矩形底
面68と、この矩形底面68の延長部としてそこ
から延びる傾斜底面70とが形成される。一方、
第2のアームすなわち横方向張出し部66にも矩
形底面68から延びる傾斜底面72が形成され
る。第4C図から明らかなように、傾斜底面70
には一対の長円形溝部74が形成される。また、
第4B図および第4C図から明らかなように、矩
形底面68と傾斜底面72との境界には直線状角
部76が形成され、この直線状角部76はピスト
ン部材48の摺動方向軸線に対して直角に配置さ
れる。一対の増力レバー部材62は後で述べるよ
うにピストン部材48にクランプ力を発生させる
べく回動させられることになるが、このときステ
ム部64の基部が内側に移動する虞れがあるか
ら、これを防止するには第2図に示すように一対
の増力レバー部材62の直線状角部76は互いに
突き合わされた関係を保つようにしておけばよ
く、直線状角部76に幾分丸みを付けておくこと
が好ましい。
第4A図および第4B図から見られるように、
第1のアーム64の上面と短い方のアーム66上
面との間には段差が設けられ、これにより増力レ
バー部材62には肩部78が形成されることにな
る。第2図から明らかなように、ピストン部材4
8の大径部分52には横方向に横切る溝部80が
形成され、この溝部80内には一対の増力レバー
部材62の第2のアームすなわち横方向張出し部
66が収容され、このとき一対の上下増力レバー
部材62の肩部78のそれぞれはピストン部材4
8の上下後方端面すなわち溝部80の上下縁面に
衝合させられる。
一方、横方向張出し部66のステム部側の側面
にも肩部82および83が形成され、これら両肩
部82および83は第4A図および第4B第から
明らかなように互いに傾斜した関係に配置され、
これにより両肩部82および83間には鈍角の角
部84が形成されることになる。一対の増力レバ
ー部材62は通常では第2図に実線で示すような
非作動位置に置かれているが、このとき各増力レ
バー部材62の両肩部83の面のそれぞれは狭窄
部44を形成するようになつた弧状壁部46に対
して衝合させられた状態となつている。一対の増
力レバー部材62がピストン部材48にクランプ
力を発生させるべく上述の非作動位置から作動位
置(第2図では、図示の複雑化を避けるために上
方の増力レバー部材だけが作動位置において破線
で示されている)に向かつて回動させられる間、
各増力レバー部材62はその角部84を支点とし
て弧状壁部46に対して支承され、各増力レバー
部材62がその作動位置まで回動させられた際に
は各増力レバー部材62の両肩部82の面が弧状
壁部46に衝合することになる。なお、増力レバ
ー部材62の回動時、支点となる角部84は、弧
状壁部46の面上をころがるような状態となるの
で、摩擦を生じることがない。要するに、一対の
増力レバー部材62が狭窄部44内でピストン部
材48の摺動方向軸線に対して対称な上下関係に
配置されることは既に述べたが、一対の増力レバ
ー部材62はそのような対称な配置関係を維持し
つつ上述したような非作動位置と作動位置との間
で角部84を支点として回動運動を行うことにな
り、このとき一対の増力レバー部材62の直線状
角部76は互いに対して転動変位を行うことにな
る。そして、増力レバー部材62が、角部84を
支点として回動させられた時、肩部78も同様に
回動してピストン部材48を固定ジヨー12の方
向へ押圧することになる。なお、第2図から明ら
かなように、一対の増力レバー部材62が非作動
位置に置かれているとき、その両矩形底面68は
互いに整合された関係で接触させられ、一方その
両傾斜面72間にはV字形状の隙間が形成され、
これにより一対の増力レバー部材62の回動運動
が許容されることになる。
なお、増力レバー部材62の組付けは、狭窄部
44の内部にピストン部材側から第2図に示され
た状態で挿入し、そのピストン部材48で押さえ
るだけであるから非常に簡単である。
一対の増力レバー部材62を非作動位置から作
動位置まで回動させるために、スリーブ部材36
内でしかも一対の増力レバー部材62の後方に楔
部材すなわちコツタ85が配置される。第5図に
詳しく図示するように、コツタ85は略三角形状
の横断面を持つ拡大部分86と、この拡大部分8
6の底面から延びる短軸部分86とから構成され
る。コツタ85の拡大部分86にはピストン部材
48の摺動方向軸線に対して上下に対称な関係と
なつた一対の傾斜面90が形成され、この一対の
傾斜面90のそれぞれは一対の増力レバー部材6
2が非作動位置に置かれている際の該当傾斜面7
0に対して平行な関係にある。
一対の傾斜面90のそれぞれには該当傾斜面7
0に形成された一対の長円形溝部74に対応する
一対の長円形溝部92が形成され、各長円形溝部
92とその該当長円形溝部74との間には第2図
に示すように転動要素例えばボール要素94が配
置される。コツタ85も一対の増力レバー部材6
2と対応した非作動位置と作動位置との間でピス
トン部材48の摺動方向軸線に沿つて移動するよ
うになつている。第2図では、コツタ85は非作
動位置で示され、この非作動位置において、コツ
タ85の拡大部分86の先端は一対の増力レバー
部材62の傾斜面70によつて形成されるV字形
状の隙間内に幾分侵入した状態となつていて、こ
のときボール要素94は傾斜面70の長円形溝部
74に対してはその後方縁側に位置し、一方コツ
タ85の傾斜面90の該当長円形溝部92に対し
てはその前方縁側に位置する。コツタ85が非作
動位置から作動位置に向かつて(すなわち、第2
図において左方に向かつて)移動させられると、
その楔作用によつて、一対の増力レバー部材62
は狭窄部44の弧状壁部46に対して衝合させら
れた角部84を支点として回動させられて前述の
作動位置を取ることになる。なお、コツタ85が
作動位置に置かれた際のボール要素94(図示の
複雑化を避けるために上方のボール要素だけ)が
第2図において破線で示されている。
コツタ85に上述のような楔作用を与えるため
に、スリーブ部材36の後方開口端を閉鎖する端
壁部材96にはスラスト部材98が螺着され、こ
のスラスト部材98の前端部に設けられた中心ボ
ア100内にコツタ85の短軸部分88が回転自
在に収容されることになる。なお、端軸部分88
が中心ボア98内で回転させられる際のその間の
摺動抵抗を低減させるために、該中心ボア98内
の底部と該短軸部分88の短面との間にボール要
素102が配置される。スラスト部材96の後方
端部にはそれを手動で回転させるハンドル104
(第1図)を取り付けるための取付凹部106が
設けられる。ハンドル104が回転させられる
と、スラスト部材98が端壁部材96中で螺着状
態で回転させられ、これによりスラスト部材98
が一対の増力レバー部材62に対して前後方向に
移動させられて、コツタ85が非作動位置と作動
位置との間を移動させられる。
また、スラスト部材98の前方端部の外側周囲
にはトルククラツチ108が設けられ、このトル
ククラツチ108は端壁部材96の前方壁面と摩
擦係合するようになつている。トルククラツチ1
08の係合時では、ハンドル104の回転によつ
て、スラスト部材98はスリーブ部材36と共に
回転させられ、このため中空送りボルト30が送
りナツト34内で回転させられて、可動ジヨー1
6が固定ジヨー12に対して前後方向に移動させ
られることになる。
次に、以上で説明したクランプ装置の作動につ
いて述べる。なお、可動ジヨー16が固定ジヨー
12から十分な距離を置いて離されていて、その
間に工作物をクランプする場合を想定する。先
ず、固定ジヨー12側にその口金22と接触させ
た状態で工作物を配置して、可動ジヨー16を該
工作物に向かつて移動させるべくハンドル104
を所定の方向に回転させる。このときトルククラ
ツチ108は係合状態にあるので、上述したよう
に中空送りボルト30が送りナツト34内で回転
させられて、可動ジヨー16が工作物に向かつて
前進させられることになる。
可動ジヨー16が工作物に衝合すると、可動ジ
ヨー16とスピンドル56との前進が停止する
が、中空送りボルト30とスリーブ部材36とは
ピストン部材48がスピンドル56の後方端面に
衝合するまで前進させられる。ピストン部材48
がスピンドル56の後方端面に衝合すると、トル
ククラツチ108の係合状態が解放され、この時
点でスラスト部材98がスリーブ部材36の端壁
部材96中を回転させられて前方に推進させられ
る。スラスト部材98の推進により、コツタ85
が一対の増力レバー部材62間に前進させられて
非作動位置から作動位置まで移動させられ、これ
により一対の増力レバー部材62には前述したよ
うな楔作用が及ぼされる。このような楔作用が一
対の増力レバー部材62に及ぼされると、この一
対の増力レバー部材62も非作動位置から作動位
置まで回動させられ、これにより一対の増力レバ
ー部材62はその肩部78によつてピストン部材
48を“てこの原理”に基づく大きな力で即ち、
コツタ85より受ける作用力を、角部84からボ
ール要素94との係合位置までの距離と、角部8
4から肩部78までの距離との比率で増幅して前
方に押圧することになる。このような大きな力は
スピンドル56を介して可動ジヨー16にクラン
プ力として作用することになる。
上述の実施例において、一対の増力レバー部材
62が設けられているが、この増力レバー部材を
1つだけにすることもできる。この場合には、単
一の増力レバー部材は好ましくはピストン部材の
中心部付近に配置され、その肩部が該ピストンの
中心部に作用させられるようにされる。また、ス
リーブ部材の狭窄部の形状を適当に工夫すること
によつて、3つ以上の増力レバー部材を設けるよ
うにしてもよい。
また、上述の実施例では、増力レバー部材の支
点を衝合状態で支承させる支承部材として、スリ
ーブ部材の内壁部から一体的に突出する弧状壁部
が利用されたが、スリーブ部材とは別体として構
成された適当な支承部材をスリーブ部材内に固定
支持させるようにすることもできる。
〔効果〕
以上の記載から明らかなように、本考案による
増力機構においては、増力レバー部材は従来のよ
うに軸着されることなくその支点を支承部材に対
して衝合関係で支承させられるので、ピストン部
材に係合して作用する肩部および該支点間の距離
を比較的小さく取ることが可能であり、このため
比較的大きなクランプ力を得ることができる。な
お、先に述べたように、増力レバー部材が軸着さ
れる従来の場合には、クランプ力の増大化と増大
レバー構造の強度との間には矛盾した関係があつ
たが、本考案においては、クランプ力の増大化に
よつて増力レバー構造の強度が制限されることは
ないので、クランプ力の増大化に伴つて増力レバ
ー構造に十分な強度を与えることができる。
また、本考案による機械的増力機構にあつて
は、支点の部分で摺動摩擦が大巾に排除されてい
るので、部材の摩耗が非常に少なく、またクラン
プ操作時に作業者に掛かる負担が小さくされると
いう利点も得られ、そのような負担は増力レバー
部材とコツタとの間にボール要素あるいはローラ
要素のような転動要素を介在させることによつて
一層軽減されることになる。さらに、増力レバー
部材の組付けを非常に簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案による増力機構が組み込まれた
クランプ装置を示す側面図であつて、その一部を
切り欠いて示す側面図、第2図は本考案による増
力機構の縦断面図、第3図は第2図の−線に
沿う断面図であつて、一対の増力レバー部材を排
除してスリーブ部材の横断面を示す断面図、第4
A図は第2図の増力機構に用いられる増力レバー
部材を示す斜視図、第4B図は第4A図の増力レ
バー部材の側面図、第4C図は第4A図の増力レ
バー部材の底面図、第5図は第2図の増力機構に
用いられるコツタを示す側面図である。 10……基部、12……固定ジヨー、14……
側壁状部材、16……可動ジヨー、18……作動
機構、20……増力機構、22……口金、24…
…口金、26……案内路、28……係合部、30
……中空送りボトル、32……軸要素、34……
送りナツト、36……スリーブ部材、38……内
側ねじ部、40……外側ねじ切り端部、42……
ねじ孔、44……狭窄部、46……弧状壁部、4
8……ピストン部材、50……小径部分、52…
…大径部分、54……拡大ボア、56……スピン
ドル部材、58……圧縮コイルばね、60……圧
縮コイルばね、62……増力レバー部材、64…
…ステム部材、66……横方向張出し部、68…
…矩形底面、70……傾斜底面、72……傾斜底
面、74……長円形溝部、76……直線状角部、
78……肩部、80……凹部、82……肩部、8
5……コツタ、86……拡大部分、88……短軸
部分、90……傾斜面、92……長円形溝部、9
4……ボール要素、96……端壁部材、98……
スラスト部材、100……中心ボア、102……
ボール要素、104……ハンドル、106……取
付凹部、108……トルククラツチ。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 バイス等のクランプ装置に用いられる機械的
    増力機構であつて、前記クランプ装置の可動ジ
    ヨーにクランプ力を及ぼすべく摺動自在に配置
    されたピストン部材と、このピストン部材にク
    ランプ力を発生させるべく該ピストン部材に作
    用するようになつた少なくとも1つの増力レバ
    ー部材とを具備する機械的増力機構において、 前記増力レバー部材には適当な支承部材に対
    して衝合関係で支承されるようになつた支点
    と、前記ピストン部材と係合するようになつた
    肩部とが設けられ、前記増力レバー部材をその
    支点で回動させることによつて、前記ピストン
    部材が該増力レバー部材の肩部でもつて前記可
    動ジヨー側に変位させられるようになつている
    ことを特徴とする機械的増力機構。 2 実用新案登録請求の範囲第1項に記載の機械
    的増力機構において、前記増力レバー部材が一
    対設けられ、しかも前記ピストン部材の中心軸
    線に対して対称に配置されることを特徴とする
    機械的増力機構。 3 実用新案登録請求の範囲第1項に記載の機械
    的増力機構において、前記増力レバー部材が3
    つ以上設けられ、これら増力レバー部材が前記
    ピストン部材の中心軸線の回りに等間隔に配置
    されることを特徴とする機械的増力機構。 4 実用新案登録請求の範囲第1項から第3項ま
    でのいずれか1項に記載の機械的増力機構にお
    いて、前記ピストン部材がスリーブ部材内に摺
    動自在に配置され、前記増力レバー部材をその
    支点で支承するための前記支承部材が前記スリ
    ーブ部材内に形成された狭窄部によつて構成さ
    れることを特徴とする機械的増力機構。
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JP2018153904A (ja) * 2017-03-21 2018-10-04 株式会社北川鉄工所 バイス

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