JPH05228838A - 帯状金属体の処理方法 - Google Patents

帯状金属体の処理方法

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JPH05228838A
JPH05228838A JP3616992A JP3616992A JPH05228838A JP H05228838 A JPH05228838 A JP H05228838A JP 3616992 A JP3616992 A JP 3616992A JP 3616992 A JP3616992 A JP 3616992A JP H05228838 A JPH05228838 A JP H05228838A
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富美夫 札軒
Yoshio Uzuki
淑夫 卯月
Akifumi Takaira
昌文 高井良
Toshihiko Uchida
俊彦 内田
Kazumi Daitoku
一美 大徳
Hiroyuki Matsumura
裕之 松村
Chikafumi Tsujita
京史 辻田
Kiwa Ikemoto
喜和 池本
Yoshio Arai
由夫 新井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、帯状金属体の表面スケールや表面疵
を除去するに際し、処理工程に設けた超高圧水処理、コ
ンディショニングおよび酸洗手段を連続化して、帯状金
属体の表面品質向上と工程の簡略化を行い、処理作業を
高能率化すると共に、別ラインでの疵取り作業を不要と
する帯状金属体の処理方法を提供する。 【構成】帯状金属体のスケールおよび疵を除去する処理
ラインにおいて、表面にスケールを有する帯状金属体の
表層部を、砥粒を含む超高圧水にて研削し、その後によ
り細い砥粒を含む超高圧水により該研削表面をコンディ
ショニングし、更に必要に応じて高圧水のみによる、及
び又は溶削量を0.1μm以上とする軽酸洗処理による
コンディショニングすることを要旨とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、帯状金属体において、
熱間圧延工程や薄肉鋳片連続鋳造工程にて生成した表面
スケールや表面疵を除去するに際して、帯状金属体の表
面品質向上と酸洗処理および別ラインでの表面疵取り工
程の簡省略などを可能とする帯状金属体の処理方法に関
するものである。本明細書において帯状金属体とは、ス
テンレス鋼、普通鋼、チタンおよびその合金、高合金等
を通常の方法で製造した熱延板(帯)或いはコイル、ま
たは薄肉に連続鋳造で製造した板(帯)或いは捲き取ら
れたコイルをいう。
【0002】
【従来の技術】帯状金属体の製造工程においては、鋳片
の加熱およびその後の熱間圧延や薄肉鋳片連続鋳造など
により帯状金属体の表面に酸化スケールや表面疵が生じ
るため、これらを除去し、かつその表面を仕上げるため
の工程が必要である。従来これらの方法としては、帯状
金属体の表面に0.2〜0.6mm径の鋼球を投射して表
層を研掃するショットブラストなどの処理を施してスケ
ールの亀裂や剥離を生じさせ、次いで硝弗酸、硫酸や塩
酸などの酸洗によりデスケールし、その後に帯状金属体
の形状矯正のための冷間圧延を行い、しかる後、別ライ
ンでのベルト研削により帯状金属体の表面疵を除去する
ことが代表的な方法とされていた。
【0003】しかしこの従来の工程では、酸洗工程は焼
鈍工程との連続ラインであり、研削ラインと圧延ライン
あるいはダミー板溶接ラインは別々に配置されているた
め、帯状金属体の酸化スケールと表面疵の除去のために
は2乃至4ラインを通板させる必要があり、能率が極め
て悪いという問題があった。焼鈍酸洗ラインは、デスケ
ーリングを酸洗により行うものであるため非能率であ
り、更に酸洗に伴う多量の廃液発生があるなど、生産
性、コストおよび省力の点から種々の問題があった。一
方、ベルト研削による表面疵取りを板幅方向に均一に行
うには、コイルの形状を冷間加工によりフラット矯正す
る必要があるが、この矯正作業は通常の冷間圧延ミルを
用いて行う場合が多く、そのために本来のゲージダウン
(減厚)作業以外に形状矯正作業を余分に行わなければ
ならず、従って能率が向上しないばかりかコストアップ
につながるという問題があった。更に、研削ラインで
は、回転式エンドレスベルトにより帯状金属体の表面を
研削する方法が主体であるが、この方法は通板速度が低
いと共に、ベルト寿命が短く頻繁なベルト交換を必要と
するため作業性が悪い。その上研削前の板形状がフラッ
トでないと均一研削できない等の問題があった。
【0004】そこで、デスケーリングの効率向上や熱延
鋼帯の表面品質改善を目的に、テンションレベラーから
成る前処理工程の後に複数の酸洗処理工程を設けると共
に、この複数の酸洗処理工程の間に主に金属残渣やスマ
ットを除去する研削工程を組み合わせたデスケーリング
ラインが特開昭59−41482号公報に開示されてい
る。しかしながら、該デスケーリングラインは、鋼帯の
表面品質がある程度改善されるがその効果には限度があ
り、デスケーリングの殆どを酸洗処理により行うことか
ら相当大規模な酸洗処理設備が必要であるため、初期投
資が多大であり、かつ大規模酸洗に伴う多量の廃液の処
理が必要となる。また、各酸洗処理工程間に設けられた
研削工程が鋼帯の表面疵を積極的に除去するためのもの
ではないため、該デスケーリングラインを通板した鋼帯
を表面疵除去のための別の研削ラインに通板しなければ
ならないという問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な従
来の問題点を解消するものであって、帯状金属体の表面
スケールや表面疵を除去するに際し、帯状金属体の表面
品質向上と酸洗処理および表面疵取り工程を簡省略化す
ることができるメカニカルなデスケーリングと表面コン
ディショニングにより、処理作業を高能率化すると共
に、酸および廃液処理の簡省略化による製造コスト減と
公害対策などの投資減および作業環境の改善を図り、更
に連続処理化によって別ラインでの疵取り作業を不必要
とする帯状金属体の処理方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、この目的を達
成するためにメカニカルデスケーリングおよび表面コン
ディショニング方法と該方法の組合せを種々検討した結
果、完成したものであって、帯状金属体のスケールおよ
び疵を除去する処理ラインにおいて、(1) 表面にスケー
ルを有する帯状金属体の表層部を砥粒を含む超高圧水で
研掃処理する重研削と、その後に該研削表面のコンディ
ショニングを、例えば高圧水による研掃、或いは軽酸洗
による溶削で実施し、この処理を連続することを特徴と
する帯状金属体の処理方法を要旨とする。この際、超高
圧水に含む砥粒サイズが砥粒番手で#40〜#800の
範囲にあるものを用いることが好ましい。砥粒を含む超
高圧水で研掃する重研削と高圧水によるコンディショニ
ングとはそれぞれ複数段で実施してもよく、またこの高
圧水によるコンディショニングに使用する投射圧力は1
00kgf/cm2 以上とするのが好ましい。更に、軽酸洗に
よるコンディショニングは溶削量が0.1μm以上と
し、これは高圧水による掃射処理後に連続して実施する
ことができる。また、(2) 表面にスケールを有する帯状
金属体の表層部を砥粒を含む超高圧水で研掃処理する重
研削と、その後に前記重研削で使用した砥粒より大きい
番手の砥粒を含む超高圧水で該研削表面を研掃するコン
ディショニングを行い、さらに必要により、その後に該
研削表面のコンディショニングを、例えば高圧水による
研掃、或いは軽酸洗による溶削で実施しすることを特徴
とする帯状金属体の処理方法も別の要旨とする。上記発
明で重研削に使用する砥粒の番手が#40〜#200で
あり、コンディショニングに使用する砥粒の番手が#1
00〜#800の範囲にあるあるものを使用することが
好ましい。また重研削、高圧水利用によるそれぞれのコ
ンディショニングを複数段で実施してもよいこと、また
高圧水による投射圧力、軽酸洗による溶削量等について
は前記発明(1) の場合とと同様である。
【0007】
【作用】本発明に関わる帯状金属体の処理方法につい
て、以下に図面に示す実施例に基づいて詳細に説明す
る。図1は本発明方法を実施するためのプロセスライン
の1実施例を示す概略説明図である。図において、1は
帯状金属体を捲き戻して供給するペイオフリール、2は
熱間圧延または薄肉鋳片連続鋳造された帯状金属体、3
は帯状金属体へのダミー板(以下、リーダーと呼ぶ)の
溶接やリーダーどうしの溶接を行うための溶接機であ
り、例えばサブマージアーク溶接機、TIG溶接機、プ
ラズマ溶接機、スポット溶接機、レーザ溶接機等が用い
られる。4は熱間圧延または薄肉鋳片連続鋳造時に帯状
金属体に発生するエッジ疵や熱間割れを切断除去するト
リマーであり、5はこのような疵や割れの中でも比較的
微小なものを研削除去するためのエッジグラインダーで
ある。以上の各装置は、本発明における前処理手段であ
り、それぞれ必要に応じ配置すればよい。
【0008】8は走行する帯状金属体2の表面側におけ
るスケールを研掃し、疵を除去するための重研削をする
第1砥粒入り超高圧水噴射装置であり、9は該超高圧水
噴射装置8で処理した表面にコンディショニングが施さ
れてから反転した帯状金属体2の裏面側を表面側と同様
に処理する第2砥粒入り超高圧水噴射装置である。この
第1、第2超高圧水噴射装置8および9には、それぞれ
に超高圧水と共に砥粒を噴射するノズル8a,9aを備
えている。10は前記第1の砥粒入り超高圧水噴射装置
8に続いて設置され、重研削した帯状金属体2の表面側
を高圧水だけで研掃し、コンディショニングする第1高
圧水噴射装置であり、11は前記第2の砥粒入り超高圧
水噴射装置8に続いて設置され、重研削した帯状金属体
2の裏面側を高圧水だけで研掃し、コンディショニング
する第2高圧水噴射装置である。各高圧水噴射装置1
0、11にはそれぞれに設置されているノズル10a,
11aで高圧水を噴射する。16は軽酸洗装置であり、
上記工程で、重研削時に帯状金属体2に発生したバリ等
が充分に除去し得ない場合に実施するコンディショニン
グであって、必要に応じて設ければよく、この場合その
表面溶削量が0.1μm以上となるように調整できる処
理を行う。17は洗浄装置であり、18は帯状金属体を
巻取るテンションリールである。
【0009】このような構成のプロセッシングラインに
おいて、適宜前処理を施された帯状金属体2は、第1砥
粒入り超高圧水噴射装置8(表面重研削)−第1高圧水
噴射装置10(表面コンディショニング)−第2砥粒入
り超高圧水噴射装置9(裏面重研削)−第2高圧水噴射
装置11(裏面コンディショニング)を順次通過し、表
裏面は先ず重研削処理されるが、一般に熱間圧延あるい
はその後の工程の焼鈍や薄肉鋳片連続鋳造で発生するス
ケールの厚みや表面疵の深さは少なくとも5〜10μm
程度あるため、スケールや表面疵を除去するためには少
なくとも10μmを超える研削が必要であり、より確実
な研削を行うには20μmを超えるのが望ましい。その
ための投射圧力は1000kgf/cm2 以上の超高圧とし、
超高圧水と共に噴出する砥粒の粒度は番手で#40〜#
800の範囲から選択することが好ましい。すなわち砥
粒番手が#40未満では、後工程の目ならしの負荷が増
大することになり、また#800を超えると研削が充分
に行われなくなるからである。この様なに砥粒を超高圧
噴射水に混入することにより研削効率が極めて向上す
る。この様な砥粒入り超高圧水での研掃処理には、板の
形状やクラウンに関係なく均一なデスケールおよび疵取
りが可能となる。尚、重研削後の表面粗さはRmax が5
0μmを超えるとスクラッチのような深い研削目が生
じ、これを十分に除去するためには後工程の表面コンデ
ィショニングの負荷が増大するのでRmax ≦50μmに
するのが望ましい。
【0010】次いで前記重研削した帯状金属体の表面
は、第1のコンディショニング高圧水噴射装置10に導
かれ、また裏面は第2のコンディショニング高圧水噴射
装置11に導入されて処理される。このコンディショニ
ング装置10、11では、重研削された帯状金属体2の
表面および裏面を高圧水を噴射して研掃し、目ならしに
よる平坦化および或いは砥粒除去を行う。この際の研掃
圧力は100kgf/cm2 以上とすることが好ましい。すな
わちそれ未満では目ならしや砥粒除去としての充分な効
果が期待できないからである。
【0011】上記砥粒を含む超高水圧で研削する重研削
や重研削後に高圧水のみで研削するコンディショニング
は、ノズル寿命や能率向上のためにそれぞれ複数のノズ
ルを設け、複数段の研掃を行うことが好ましい。また上
記重研削処理された帯状金属体は、高圧水噴射装置1
0,11によるコンディショニングに代えて、若しくは
さらに続いて軽酸洗装置16に導いてコンディショニン
グを施してもよく、溶削量が0.1μm以上になるよう
にすることにより目ならしによる平坦化および或いは残
留している噛込み砥粒の除去やバリ取りを有効に行うこ
とができる。何れのコンディショニングを実施するかは
被処理材の材質や処理条件によって適宜選択すればよ
い。18はテンションリールである。
【0012】図2は本発明方法を実施するプロセスライ
ンの別の実施例を示す概略説明図である。図2におい
て、図1と同様の前処理手段を有するが、更にエッジグ
ラインダー5に次いで、帯状金属体を加熱するために必
要により設置する加熱炉6、および加熱後冷却するため
の冷却帯7が連続している例を示している。加熱炉6は
通常重油焚きやガス焚き等による加熱炉が用いられる
が、誘導加熱または直接通電加熱等の電気加熱炉を用い
てもよく、また雰囲気をコントロールすることもでき
る。冷却帯7での冷却には、例えばガス冷却、噴霧冷
却、水スプレー冷却、ロール冷却等の方法がある。
【0013】図2の実施例において、12は帯状金属体
2表面側のスケールを研掃し、疵を除去するための重研
削をする第1段の粗い砥粒入り超高圧水噴射装置であ
り、13は該金属体の裏面側を同様に処理する第2段の
粗い砥粒入り超高圧水噴射装置であって、それぞれに超
高圧水と共に粗い砥粒を噴射するノズル12a,13a
を備えている。14は前記第1段の粗い砥粒入り超高圧
水噴射装置12に続いて設置され、重研削した帯状金属
体2の表面側をコンディショニングする比較的細かい砥
粒入りの第1段超高圧水噴射装置であり、15は前記第
2の粗い砥粒入り超高圧水噴射装置13に続いて設置さ
れ、重研削した帯状金属体2の裏面側をコンディショニ
ングする比較的細かい砥粒入りの第2段超高圧水噴射装
置であって、第1段、第2段のそれぞれに設置されてい
るノズル14a,15aで比較的細くした砥粒と共に超
高圧水を噴射する。16は軽酸洗装置であり、上記工程
で、研掃時に帯状金属体2に形成されるバリや噛込み砥
粒等を除去しする。表面溶削量は0.1μm以上となる
ように調整できる処理を行う。17は洗浄装置であり、
18は帯状金属体を巻取るテンションリールである。
【0014】上記図2のプロセッシングラインにおい
て、例えばSUS304ステンレス鋼帯を処理する場合
に、必要に応じ加熱炉6内で加熱することにより帯状金
属体素地近傍のスケールの空洞化が進み、引き続く冷却
帯7で行う急速冷却で、冷却時に発生する歪みにより該
スケールに亀裂または剥離を生じさせることができ、後
のデスケーリングを容易にし得る。
【0015】この様に適宜前処理を施された帯状金属体
表裏面は、第1,2段の砥粒入り超高圧水噴射装置1
2、13を通過しながら重研削処理されるが、図1の場
合と同様に、スケールや表面疵を充分に除去するために
は少なくとも10μmの研削が必要であり、より確実に
は20μmを超えるのが望ましい。そのための投射圧力
は1000kgf/cm2 以上の超高圧とし、超高圧水と共に
噴出する砥粒は粗い方を採用し、研削効率の向上を図
る。すなわち粒度番手で#40〜#200の範囲で行う
のが好ましい。砥粒番手が#40未満では、後工程の目
ならしの負荷が増大することになり、また#200を超
えると研削効率が低下するからである。噴出水の滴状サ
イズは前記と同様である。上記砥粒入り超高圧水で研削
する重研削は、ノズル寿命や能率向上のために複数段で
行うのが好ましい。
【0016】次いで前記重研削した帯状金属体は、第1
段および第2段の超高圧水噴射装置14、15でコンデ
ィショニングされ、このコンディショニングに使用する
砥粒は比較的細粒にするのがよく、#100〜#800
の範囲で、しかも前段での重研削時に使用した砥粒サイ
ズより細くすることが好ましい。#100未満では目な
らしとしては目が粗すぎ冷間圧延による表面造り込みが
充分に出来ず、また#800を超えると、目ならし又は
デスケール等を実施する場合に所望に効果が得られな
い。またこの砥粒入り超高圧水でのコンディショニング
はノズル寿命や能率向上のために複数段で行うのが好ま
しく、上記#100〜#800の範囲で砥粒番手を順次
大きくするのが効率的な目ならしができる。
【0017】続いて必要に応じ、高圧水のみによるコン
ディショニング或いは軽酸洗によるコンディショニング
を施す。図2は軽酸洗を行う場合を示した。すなわち、
軽酸洗処理16では帯状金属体に軽溶削し、研削時に形
成されるバリを除去し、噛込み砥粒があればこれも除去
すると共に平滑化・ボカシが施される。そのために溶削
量を0.1μm以上とし、上限は限定的ではないがほぼ
30μmの範囲で行う。0.1μm未満ではバリを十分
に除去できないからであり、また30μmを超えるとエ
ッチピット状の表面凹凸が多くなり、その後の冷延によ
る造り込みが困難となるためである。このような酸洗処
理により、シャープな研削目が丸みを帯びてなくなり表
面プロフィールが改善され、冷延後の表面性状が一層向
上する。酸洗は硫酸、硝酸及び硝弗酸の単独または複数
処理にて対象材料に応じて使い分けるのが望ましい。必
要に応じてこれらの液による電解酸洗を行ってもよい。
酸洗後は酸洗液を洗浄し、テンションリールに巻き取
る。高圧水による研掃は、軽酸洗に先立って行うか、軽
酸洗に代えて実施するものであり、この場合図1と同様
に、目ならしによる平坦化および或いは砥粒除去の効果
を得るために投射圧力を100kgf/cm2 以上とするのが
よい。
【0018】以上のように本発明では従来の重研削のよ
うな別ラインでの処理でなく、インラインで実施し、し
かも酸洗処理等と共に設備がコンパクト化されて初期投
資が軽減し、低コストのデスケール・疵取り処理ができ
るようになった。以下に本発明の実施例を説明する。
【0019】
【実施例】図2に示す連続工程に準じて帯状金属体を表
1に示す条件にて超高圧水と共に砥粒を噴射する重研削
処理およびコンディショニング処理並びに酸洗処理を行
い、処理後の表面品質および冷延焼鈍製品の品質を調
査、評価し、その結果も表1に併記した。この表におい
て、研掃量は処理前後の重量を測定し、比重から除去厚
みを算出した。デスケール・疵取りの評価は、次のよう
にした。 ○:スケール残りおよび表面疵なし。 △:スケール残りが認められないが、表面疵は残存。 ×:スケールおよび表面疵残存。 また、冷延焼鈍製品の表面品質は光沢の程度により特A
及びA〜Dの5ランクにて評価し、Bランク以上を1級
とした。冷延焼鈍の条件は通常条件とした。この表から
明らかなように本発明法による帯状金属体の評価結果は
いずれも良好であり、スケール残りや表面疵は認められ
ず、冷延焼鈍後の製品も良好な表面性状が得らている。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【発明の効果】以上のことから明らかな如く、本発明で
は表面スケールや表面疵を除去するに際して、研削およ
びコンディショニング処理を砥粒入りの超高圧水を噴射
して行ってオンライン化し、また酸洗処理を連続化せし
めて帯状金属体を処理することによって、帯状金属体の
表面品質を向上させ、かつデスケーリングおよび表面疵
取り工程や酸洗処理を簡省略化し且つ高能率化すると共
に、酸および廃液処理の簡省略化による製造コストの減
少と公害対策費用の削減と、作業環境の改善を図ること
ができる。また連続処理による別ラインでの疵取りの省
略も可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための1実施例を示す概略説
明図。
【図2】本発明を実施するための他の実施例を示す概略
説明図。
【符号の説明】
1 ペイオフリール 2 帯状金属体 3 溶接機 4 トリマー 5 エッジグラインダー 6 加熱炉 7 冷却帯 8 第1砥粒入り超高圧水噴射装置(表側) 8a 噴射ノズル 9 第2砥粒入り超高圧水噴射装置(裏側) 9a 噴射ノズル 10 第1超高圧水噴射装置(表側コンディショニン
グ) 10a 噴射ノズル 11 第2超高圧水噴射装置(裏側コンディショニン
グ) 11a 噴射ノズル 12 第1段粗い砥粒入り超高圧水噴射装置(表側) 12a 噴射ノズル 13 第2段粗い砥粒入り超高圧水噴射装置(裏側) 13a 噴射ノズル 14 第1段細い砥粒入り超高圧水噴射装置(表側コ
ンディショニング) 14a 噴射ノズル 15 第2段細い砥粒入り超高圧水噴射装置(裏側コ
ンディショニング) 15a 噴射ノズル 16 軽酸洗装置 17 洗浄装置 17a ブラシロール 17b 押えロール 17c スプレー 18 テンションリール
フロントページの続き (72)発明者 卯月 淑夫 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内 (72)発明者 高井良 昌文 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内 (72)発明者 内田 俊彦 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内 (72)発明者 大徳 一美 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 松村 裕之 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 辻田 京史 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 池本 喜和 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 新井 由夫 東京都港区浜松町2丁目4番1号 川崎重 工業株式会社東京本社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状金属体の処理工程において、表面に
    スケールを有する帯状金属体の表層部を砥粒を含む超高
    圧水で研掃する重研削と、その後に該研削表面を平坦化
    する或いは砥粒を除去するコンディショニングとを連続
    して行うことを特徴とする帯状金属体の処理方法。
  2. 【請求項2】 超高圧水に含む砥粒サイズが砥粒番手で
    #40〜#800の範囲にあることを特徴とする請求項
    1記載の帯状金属体の処理方法。
  3. 【請求項3】 砥粒を含む超高圧水で研掃する重研削を
    複数段行うことを特徴とする請求項1或いは2記載の帯
    状金属体の処理方法。
  4. 【請求項4】 コンディショニングが高圧水による研掃
    処理であって、これを1段または複数段で行うことを特
    徴とする請求項1記載の帯状金属体の処理方法。
  5. 【請求項5】 高圧水で研掃するコンディショニングに
    おける投射圧力が100kgf/mm2 以上であることを特徴
    とする請求項1或いは4記載の帯状金属体の処理方法。
  6. 【請求項6】 コンディショニングが軽酸洗による溶削
    処理であることを特徴とする請求項1記載の帯状金属体
    の処理方法。
  7. 【請求項7】 軽酸洗コンディショニングにおける溶削
    量が0.1μm以上の軽酸洗処理することを特徴とする
    請求項1或いは6記載の帯状金属体の処理方法。
  8. 【請求項8】 コンディショニングが高圧水による研掃
    処理と、その後に軽酸洗による溶削処理を行うことを特
    徴とする請求項1記載の帯状金属体の処理方法。
  9. 【請求項9】 帯状金属体の処理工程において、表面に
    スケールを有する帯状金属体の表層部を砥粒を含む超高
    圧水で研掃処理する重研削と、その後に前記重研削で使
    用した砥粒より大きい番手の砥粒を含む超高圧水で該研
    削表面を研掃するコンディショニングとを連続すること
    を特徴とする帯状金属体の処理方法。
  10. 【請求項10】 帯状金属体の処理工程において、表面
    にスケールを有する帯状金属体の表層部を砥粒を含む超
    高圧水で研掃処理する重研削と、その後に前記重研削で
    使用した砥粒より大きい番手の砥粒を含む超高圧水で該
    研削表面を研掃するコンディショニングと、さらに、研
    掃表面を平坦化する或いは砥粒を除去するコンディショ
    ニングとを連続して行うことを特徴とする帯状金属体の
    処理方法。
  11. 【請求項11】 重研削に使用する砥粒の番手が#40
    〜#200であり、コンディシィニングに使用する砥粒
    の番手が#100〜#800の範囲であ請求項9或いは
    10記載の帯状金属体の処理方法。
  12. 【請求項12】 砥粒を含む超高圧水で研掃する重研削
    を複数段行うことを特徴とする請求項9或いは10記載
    の帯状金属体の処理方法。
  13. 【請求項13】 重研削で使用した砥粒より大きい番手
    の砥粒を含む超高圧水で該研削表面を研掃するコンディ
    ショニングを複数段行うことを特徴とする請求項9或い
    は10記載の帯状金属体の処理方法。
  14. 【請求項14】 研掃表面を平坦化する或いは砥粒を除
    去するコンディショニングが高圧水による研掃処理であ
    って、これを1段または複数段で行うことを特徴とする
    請求項10記載の帯状金属体の処理方法。
  15. 【請求項15】 高圧水で研掃するコンディショニング
    における投射圧力が100kgf/mm2 以上であることを特
    徴とする請求項10或いは14記載の帯状金属体の処理
    方法。
  16. 【請求項16】 研掃表面を平坦化する或いは砥粒を除
    去するコンディショニングが軽酸洗による溶削処理であ
    ることを特徴とする請求項10記載の帯状金属体の処理
    方法。
  17. 【請求項17】 軽酸洗コンディショニングにおける溶
    削量が0.1μm以上の軽酸洗処理することを特徴とす
    る請求項10或いは16記載の帯状金属体の処理方法。
  18. 【請求項18】 研掃表面を平坦化する或いは砥粒を除
    去するコンディショニングが高圧水による研掃処理と、
    その後に軽酸洗による溶削処理を行うことを特徴とする
    請求項10記載の帯状金属体の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102847631A (zh) * 2011-06-29 2013-01-02 宝山钢铁股份有限公司 金属板带表面清洗喷嘴装置及其清洗方法

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