JPH0522613Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、開けられたスライドドアを自動的に
閉めるためのドアクローザに関する。

「従来の技術」 従来、スライドドアを開けた後、このスライド
ドアを自動的に閉めるためにドアクローザが用い
られている。このドアクローザの一例として特願
昭60−133353号に開示されたものが知られてい
る。このものは、第５図に示すように、ケース１
と、このケース１内に取り付けられたガススプリ
ング２と、このガススプリング２の先端に回転自
在に取り付けられたピニオン３と、ケース１内に
ガススプリング２の伸縮方向に向けて固定され、
ピニオン３に噛合された第１のラツク（固定ラツ
ク）４と、この第１のラツク４と対向して設けら
れこの第１のラツク４との間にピニオン３を挟み
このピニオン３に噛合されてケース１に対し相対
移動可能にこのケース１に支持された第２のラツ
ク（移動ラツク）５とからなるものであり、出入
り口の壁または枠等に第２のラツク５の一部を固
定し、一対のスライドドアの一方のスライドドア
内にケース１を埋設し、一方のスライドドアを開
けた後このスライドドアを解放するとこのスライ
ドドアを自動的に閉めることができるようにした
ものである。

「考案が解決しようとする問題点」 ところが、このようなドアクローザにあつて
は、 (a) フリクシヨンが大きく、 (b) 温度変化に応じて反力が変化し、即ち低温時
に反力が減少し、スライドドアを完全に閉めき
れないおそれがある、 等の問題があつた。

そこで、実願昭61−143815号に開示されている
ように、ケース内にコイルスプリングを収容し、
このコイルスプリングにより駆動するようにした
ドアクローザが提案されている。

ところが、このドアクローザにおいては、スプ
リングが金属からなるためこのスプリングの作動
音が大きいという問題があつた。

本考案は、以上のような問題点を解決したドア
クローザを提供することを目的とする。

「問題点を解決するための手段」 本考案は前記目的を達成させるために次のよう
な構成としている。即ち、ケースと、該ケース内
に固定されたシリンダから一端を突出して該シリ
ンダ内に収容されたロツドを前記シリンダ内に設
けられたコイルスプリングにより駆動するシリン
ダ機構と、前記ロツドの一端に回転自在に連結さ
れたピニオンと、前記コイルスプリングの伸縮方
向に向けて前記ケースに固定され前記ピニオンに
噛み合わされた固定ラツクと、該固定ラツクに対
向する位置で前記ケースに支持され、該固定ラツ
クとの間に前記ピニオンを挟み該ピニオンに噛み
合わされて前記ケースに対し相対移動自在になさ
れた移動ラツクと、前記シリンダ内に封入された
所定量のオイルとからなる構成としている。

「作用」 ケースに対し移動ラツクを、該移動ラツク、固
定ラツク間のピニオンを介してこのピニオンに連
結されたシリンダ機構のコイルスプリングにより
相対的に移動させ、シリンダ機構内のオイルの作
用により作動音を大幅に減少させ、しかもコイル
スプリングの力によりスライドドアを閉じること
によりスライドドアの閉鎖時におけるフリクシヨ
ンに対するスライドドアの十分な駆動力を持た
せ、かつ温度変化による反力変化を無くし、これ
により開けられたスライドドアを自動的に確実に
閉める。

「実施例」 以下、本考案の一実施例を第１図ないし第４図
に基づいて説明する。第１図及び第２図中１１は
第３図に示すスライドドア１２内に埋設されるケ
ースである。このケース１１は第１図及び第２図
に示すように両端の長方形部を中央の円形部で連
結した断面形状の長方形筒部１１ａ，１１ｂ、円
筒部１１ｃからなる筒形のものである。

ケース１１内の略中央部には、一端に蓋体１３
ａが他端にロツドガイド１３ｂが設けられたシリ
ンダ１３と、ロツド１４ａを有しこのロツド１４
ａをロツドガイド１３ｂから突出してシリンダ１
３内に摺動自在に設けられたピストン１４と、シ
リンダ１３内に設けられ一端が蓋体１３ａに他端
がピストン１４に取り付けられこのピストン１４
をロツドガイド１３ｂ側に付勢しているコイルス
プリング１５とからなるシリンダ機構１６が設け
られている。このシリンダ機構１６はブラケツト
１７，１７によりケース１１に固定されている。

ピストン１４にはオリフイス１４ｂが形成され
ており、コイルスプリング１５の伸縮方向とケー
ス１１の長さ方向とは同一方向とされている。ま
た、シリンダ１３内のピストン１４の両側にはオ
イル１８が封入されている。このオイル１８の量
はこのオイルの上面が第１図におけるオリフイス
１４ｂ位置より若干下方に位置する量とされてい
る。

ロツド１４ａの先端にはブラケツト１９を介し
て大径ピニオン２０と小径ピニオン２１とが回転
自在に取り付けられている。大径ピニオン２０
は、２つの同じ小径ピニオン２１，２１の中間に
位置させられ、大径ピニオン２０と２つの小径ピ
ニオン２１，２１とは同軸状にかつ一体的に設け
られている。

大径ピニオン２０の一方側即ち、長方形筒部１
１ｂ側には２本の固定ラツク２２が所定間隔離間
して設けられ、これらの固定ラツク２２はコイル
スプリング１５の伸縮方向に向けられ、ケース１
１の長方形筒部１１ｂに嵌合固定されている。固
定ラツク２２，２２間には大径ピニオン２０の一
部がその回転及び移動を許容されて嵌入されてい
る。固定ラツク２２，２２は両小径ピニオン２
１，２１に噛み合わせられている。

他方、大径ピニオン２０の他方側即ち、長方形
筒部１１ａ側には、固定ラツク２２，２２と対向
させられて移動ラツク２３が設けられている。こ
の移動ラツク２３はケース１１の長方形筒部１１
ａに、ケース１１に固定されたテフロンからなる
所定長さのスペーサ２４，２５を介して摺動自在
に嵌合されて支持されている。即ち、第１図にお
る長方形筒部１１ａの上板と移動ラツク２３との
間にはスペーサ２４が介在され、長方形筒部１１
ａの下板と移動ラツク２３との間にはスペーサ２
５が介在されている。これらスペーサ２４，２５
はケース１１と移動ラツク２３との間のフリクシ
ヨンを低減させるためのものである。

また移動ラツク２３は、固定ラツク２２と移動
ラツク２３との間に大径ピニオン２０が設けられ
かつ固定ラツク２２に小径ピニオン２１が噛み合
わせられた状態で、大径ピニオン２０に噛み合わ
せられている。なお、２６はスライドドアの出入
り口、２７は壁面、２８は壁体である。

しかして、前記のように構成されたドアクロー
ザを使用するときには、ケース１１を第３図、第
４図に示すようにスライドドア１２の下部に埋め
込み固定し、スライドドア１２から移動ラツク２
３が突出し得るようにすると共にスライドドア１
２内に移動ラツク２３が退入し得るようにする。

そして、第３図及び第４図に示す出入り口２６
をスライドドア１２で閉じた状態においては、移
動ラツク２３の先端を壁面２７に当接させてお
く。

次に、スライドドア１２を第３図において矢印
Ａ方向にスライドさせて開けると、移動ラツク２
３が長方形筒部１１ａ、スペーサ２４，２５に案
内されてケース１１に対し相対的に移動してケー
ス１１内に入り込む。このとき、大径ピニオン２
０、小径ピニオン２１が回転しつつロツド１４
ａ、ピストン１４を介しコイルスプリング１５の
力に抗してロツドガイド１３ｂ側へ移動し、コイ
ルスプリング１５を圧縮する。

スライドドア１２を解放する（スライドドア１
２から手を離す）と、コイルスプリング１５の力
によりピストン１４、ロツド１４ａがコイルスプ
リング１５の反対側へ移動し、これにより固定ラ
ツク２２、小径ピニオン２１、大径ピニオン２０
を介し移動ラツク２３がケース１１から突出し、
スライドドア１２を第３図において矢印Ｂ方向へ
移動させ、出入り口２６をこのスライドドア１２
により自動的に閉じる。スライドドア１２の閉じ
はじめには、エアがオリフイス１４ｂを流通する
ためスライドドア１２の移動速度は比較的速く、
スライドドア１２の閉じ終わり近くなるとオイル
１８がオリフイスを流通するためその流通抵抗が
空気の場合よりも大であるために絞り効果が上が
りスライドドア１２の移動速度は遅くなる。した
がつてスライドドア１２の開閉における安全性が
よい。

また、シリンダ１３内のピストン１４の両側に
はオイル１８が封入されているので、このオイル
１８により作動音を従来品より大幅に減少させる
ことができる。

また、第５図に示すドアクローザにおいては、
移動ラツク５が、ピニオン３の上方向に働く力の
分力によりケース１に押し付けられるため移動ラ
ツク５のケース１とのフリクシヨンを低減するこ
とが困難であり、また移動ラツク５がケース１か
ら延出し第５図における移動ラツク５の左側先端
が下がつてこの移動ラツク５がこじれた場合特に
フリクシヨンが大となるおそれがあるが、この実
施例によれば、前述のようにケース１１、移動ラ
ツク２３間にスペーサ２４，２５が介在されてい
るので、移動ラツク２３とケース１１とのフリク
シヨンが低減し、移動ラツク２３のこじれをも防
止することができ、さらにコイルスプリング１５
を用いているので、温度変化による反力変化を無
くすこともできる。

また、上述のケース１１に対する移動ラツク２
３の相対移動においては、固定ラツク２２に噛み
合つて回転する小径ピニオン２１より大きい径の
大径ピニオン２０が小径ピニオン２１と同軸状に
かつ一体回転しつつ移動ラツク２３の長さ方向に
移動するので、ロツド１４ａのストロークに対し
移動ラツク２３は２倍以上のストロークをもつ。
また、ケースの埋設場所はスライドドアの下部に
限られることなく、状況に応じてスライドドアの
上部に埋設してもよい。

「考案の効果」 本考案によれば、ケースに対し移動ラツクを、
該移動ラツク、固定ラツク間のピニオンを介して
このピニオンに連結されたシリンダ機構のコイル
スプリングにより相対的に移動させるので、シリ
ンダ機構内のオイルの作用により作動音を従来よ
り大幅に減少させることができ、しかもコイルス
プリングの力によりスライドドアを閉じるので、
スライドドアの閉鎖時におけるフリクシヨンに対
しスライドドアの十分な駆動力を持つことがで
き、かつ温度変化による反力変化を無くし、これ
らにより開けられたスライドドアを自動的に確実
に閉めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の一実施例を示す
もので、第１図は縦断側面図、第２図は第１図の
矢視図、第３図は使用状態を示す図、第４図は
第３図の−線に沿う断面図、第５図は従来の
ドアクローザの縦断側面図である。 １１……ケース、１３……シリンダ、１４ａ…
…ロツド、１４ｂ……オリフイス、１５……コイ
ルスプリング、１６……シリンダ機構、１８……
オイル、２０……大径ピニオン、２１……小径ピ
ニオン、２２……固定ラツク、２３……移動ラツ
ク、２４，２５……スペーサ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケースと、該ケース内に固定されたシリンダか
   ら一端を突出して該シリンダ内に収容されたロツ
   ドを前記シリンダ内に設けられたコイルスプリン
   グにより駆動するシリンダ機構と、前記ロツドの
   一端に回転自在に連結されたピニオンと、前記コ
   イルスプリングの伸縮方向に向けて前記ケースに
   固定された前記ピニオンに噛み合わされた固定ラ
   ツクに対向する位置で前記ケースに支持され、該
   固定ラツクとの間に前記ピニオンを挟み該ピニオ
   ンに噛み合わされて前記ケースに対し相対移動自
   在になされた移動ラツクと、前記シリンダ内に封
   入された所定量のオイルとからなることを特徴と
   するドアクローザ。