JPH05223386A - 多室型空気調和機 - Google Patents

多室型空気調和機

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JPH05223386A
JPH05223386A JP4027682A JP2768292A JPH05223386A JP H05223386 A JPH05223386 A JP H05223386A JP 4027682 A JP4027682 A JP 4027682A JP 2768292 A JP2768292 A JP 2768292A JP H05223386 A JPH05223386 A JP H05223386A
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electric expansion
expansion valve
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pipe
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Akihiro Kino
章宏 城野
Hiroshi Kitayama
浩 北山
Takayuki Takatani
隆幸 高谷
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Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷房主体運転時の室外熱交換器の能力制御を
最適化し、従室内機の暖房能力制御での快適性を高める
ことを目的とする。 【構成】 能力可変圧縮機21の吐出圧力を検知する吐
出圧力検知手段62と、検知した吐出圧力より、室外フ
ァン29の回転数を演算する室外ファン吐出圧力制御手
段75と、第1,第2の室外電動膨脹弁24,26の開
度を演算する室外電動膨脹弁吐出圧力制御手段76とフ
ァジィ推論手段74で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多室型空気調和機に関
し、各室を各々自在に冷房暖房可能な冷暖同時運転技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ビル空調において個別空調が進展
しており、負荷の異なる複数の部屋に対し各室毎に室内
機を設置し、これを1台の室外機に接続するという、特
開平1−212870号公報において知られるような多
室型空気調和機による個別空調化が進められてきてい
る。
【0003】以下、図面を参考に従来の技術について、
説明する。図11,図12において、1は多室型空気調
和機の室外機で、能力可変圧縮機2,四方弁3,室外側
熱交換器4,室外電動膨脹弁5,室外ファン6を設置し
ている。7は室内機で、室外機1に4台並列に接続さ
れ、それぞれ室内側電動膨脹弁8,室内側熱交換器9,
室内ファン10が設置されている。11は圧力センサー
で、四方弁3と室内側熱交換器9の間の室外機内配管に
設けられている。12はインバータで圧力センサー11
の検知圧力により能力可変圧縮機2の周波数を制御す
る。
【0004】以上のように構成された多室型空気調和機
の動作について説明する。まず冷房運転では、能力可変
圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒は、四方弁3を
通り、室外側熱交換器4に流入し、凝縮液化し室外電動
膨脹弁5を介して、それぞれの室内機7に配管により分
配され室内側電動膨脹弁8で減圧され、室外側熱交換器
9で蒸発気化し、再び四方弁3を介して能力可変圧縮機
2に帰る。
【0005】また暖房運転では、能力可変圧縮機2から
吐出された高温高圧の冷媒は、四方弁3を介し、各室内
機7に分配される。冷媒は、室内側熱交換器9で凝縮液
化し、室内側電動膨脹弁8を介して、室外電動膨脹弁5
で減圧され、室外側熱交換器4で蒸発気化し、四方弁3
を介して、能力可変圧縮機2にもどる。
【0006】このとき、能力可変圧縮機2の能力は圧力
センサー11が、その時の空調負荷に応じて変化する検
出圧力(冷房時は蒸発圧力,暖房時は凝縮圧力)によ
り、あらかじめ決められた所定の圧力となるようインバ
ータ12が、能力可変圧縮機2の周波数を増減すること
により行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成では、例えば1台の室内機7を冷房運転に設
定すると、他の3台についても同一モードである冷房運
転しかできず、冬季のような低外気温時に3台は暖房運
転を行い、熱負荷の大きい1室は冷房運転を行うとい
う、暖房と冷房の同時運転のニーズには対応できないと
いう課題を有していた。
【0008】そこで本発明は、上記従来の課題を解決す
るもので、冷房・暖房の各運転サイクルでの冷暖同時運
転時に各室内機の冷房,暖房に必要な負荷に応じて、能
力可変圧縮機,室外熱交換器の能力を制御し、冷房暖房
の同時運転の快適性を高めるものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の多室型空気調和機は、能力可変圧縮機,三方
切替機構,室外側熱交換器,室外電動膨脹弁,室外ファ
ンを設置した室外機と、室内側電動膨脹弁,室内側熱交
換器を設置した複数の室内機と、高圧ガス弁と低圧ガス
弁を設置した複数の分岐ユニットからなる。
【0010】前記分岐ユニットは高圧ガス管,低圧ガス
管,液管により、前記室外機に対し並列に接続し、前記
各分岐ユニットと前記室内機はガス管と液管により接続
し、前記能力可変圧縮機の吐出管と吸入管は、前記室外
側熱交換器と前記三方切替機構により選択可能に連通す
るように接続し、前記室外側熱交換器の他端に前記室外
側電動膨脹弁を接続し、前記室外電動膨脹弁の他端を液
管とし、前記液管を前記分岐ユニットを経由して前記室
内機に接続し、前記能力可変圧縮機の吐出管と吸入管
は、それぞれ前記高圧ガス管と低圧ガス管に接続する。
【0011】前記能力可変圧縮機の吐出管と吸入管にそ
れぞれ設けた吐出圧力検知手段と吸入圧力検知手段と、
前記能力可変圧縮機の駆動電源周波数を変化するインバ
ータと、前記室外電動膨脹弁を駆動する室外電動膨脹弁
駆動手段と、前記室外ファンの風量を連続的に変化する
室外ファン駆動手段と、前記吐出圧力検知手段とによ
り、冷房運転時、前記室外電動膨脹弁駆動手段と前記室
外ファン駆動手段へ制御指令を行う吐出圧力制御手段
と、吐出圧力制御を前記室外電動膨脹弁、あるいは前記
室外ファンにより行うかを選択判断するファジィ推論手
段を設けた構成を備えたものである。
【0012】さらに、前記室外側電動膨脹弁の暖房運転
回路出口に設置した室外熱交換器出口過熱度検知手段
と、室内機の空調負荷を検出する室内空調負荷検出手段
と、暖房運転時、前記吐出圧力検知手段の出力より前記
能力可変圧縮機の駆動周波数を決定する暖房吐出圧力制
御手段と、前記吸入圧力検知手段の出力により、前記室
外ファンを制御する室外ファン吸入圧力制御手段と、前
記室外熱交換器出口過熱度検知手段の出力と前記室内空
調負荷検知手段の出力より室外側電動膨脹弁開度を決定
する暖房室外電動膨脹弁開度決定手段と、前記室外熱交
換器出口過熱度検知手段の出力と前記室内空調負荷検知
手段の出力のどちらを室外側電動膨脹弁開度決定に用い
るかを選択判断する暖房ファジィ推論手段を設けたとい
う構成を備えたものである。
【0013】
【作用】上記した構成により本発明の多室型空気調和機
は、能力可変圧縮機の吐出圧力及び吸入圧力を所定の圧
力に制御するために、冷房主体運転時に能力可変圧縮機
運転周波数により吸入圧力を制御すると共に、吐出圧力
の状態変化をファジィ推論により第1及び第2の室外電
動膨脹弁の開度,室外ファンの回転数のどちらで制御す
るのが適しているかを選択判断し吐出圧力の制御を行
い、各室内機の冷房暖房能力を最適に制御し快適性を高
めるものである。
【0014】さらに、暖房主体運転時には、室外側熱交
換器の能力制御を室外ファンと室外電動膨脹弁で行い室
外ファンは吸入圧力を検知して、蒸発圧力の制御を行
い、室外側熱交換器出口の過熱度と室内機の空調負荷を
ファジィ推論により選択判断して制御入力とし、室外電
動膨脹弁で冷媒循環量制御を行うことにより、各室内機
の冷房暖房能力を最適に制御し快適性を高めるものであ
る。
【0015】
【実施例】以下本発明の多室型空気調和機の第1の実施
例を図1から図5を参考に説明する。
【0016】20は室外機であり、能力可変圧縮機2
1,四方弁22,第1の室外側熱交換器23,第1の室
外電動膨脹弁24,第2の室外側熱交換器25,第2の
室外電動膨脹弁26,第1の二方弁27,第2の二方弁
28,室外ファン29を設置している。
【0017】能力可変圧縮機21の吐出管30,吸入管
31は、それぞれ四方弁22の第1路22a,第3路2
2cに接続される。四方弁22は三方切替機構として機
能させるため、四路のうち第4路22dを封止して用い
ている。また、第1路22aと第3路22cは切り替え
により、どちらか一方が第2路22bと連通する。
【0018】第2路22bは、第1の分岐管32により
分岐し第1の室外側熱交換器23と第2の室外側熱交換
器25に接続される。分岐管32と第2の室外側熱交換
器25の間には、第1の二方弁27が設置され冷媒流路
を開閉する。さらに、第1の二方弁27と第2の室外側
熱交換器25の間の配管33と吐出管30の間にはバイ
パス管34,第2の二方弁28が設置される。
【0019】第1及び第2の室外側熱交換器23,25
はそれぞれ第1及び第2の室外電動膨脹弁24,26を
介して第2の分岐管35に接続される。分岐管35は液
管36に接続される。また、吐出管30は高圧ガス管3
7に、吸入管31は低圧ガス管38に接続される。
【0020】40は分岐ユニットで、高圧ガス弁41,
低圧ガス弁42が設置される。分岐ユニット40は、高
圧ガス配管43,低圧ガス配管44,液配管45によ
り、複数(例えば4台)が並列に接続される。高圧ガス
弁41は高圧ガス配管43に、低圧ガス弁42は低圧ガ
ス配管44に接続される。高圧ガス弁41及び低圧ガス
弁42は集合管46に接続される。
【0021】50は室内機であり、室内側電動膨脹弁5
1,室内側熱交換器52,室内ファン53が設置され
る。室内機50は、分岐ユニット40に接続される。
【0022】分岐ユニット40の集合管46から室内側
熱交換器52,室内側電動膨脹弁51,液配管45と順
次接続される。
【0023】62は吐出圧力検知手段で、能力可変圧縮
機21の吐出管30に設置される。61は吸入圧力検知
手段で、能力可変圧縮機21の吸入管31に設置され
る。63はインバータで、能力可変圧縮機21の駆動電
源周波数を変化することにより、能力を変化させる。
【0024】64は吐出圧力制御手段、65は第1の室
外電動膨脹弁駆動手段、66は第2の室外電動膨脹弁駆
動手段、71は室外ファン駆動手段である。67は室外
機制御手段、68a,68b,68c,68dは分岐ユ
ニット制御手段、69a,69b,69c,69dは室
内機制御手段、70a,70b,70c,70dは各室
内機50a,50b,50c,50dの運転状態を使用
者が操作するリモコンである。
【0025】72はファジィ推論入力演算手段、73は
ファジィ推論手段、74は吸入圧力制御手段、75は室
外ファン吐出圧力制御手段、76は室外電動膨脹弁吐出
圧力制御手段であり、77はメモリ装置である。
【0026】室外機制御手段67は、各室内機制御手段
69a,69b,69c,69dと接続される。また、
各室内機制御手段69a,69b,69c,69dはそ
れぞれ対応する分岐ユニット制御手段68a,68b,
68c,68dとリモコン70a,70b,70c70
dと接続される。また吐出圧力制御手段64は、室外フ
ァン吐出圧力制御手段75,室外電動膨脹弁吐出圧力制
御手段76,ファジィ推論入力演算手段72,ファジィ
推論手段73と接続する。
【0027】吸入圧力の制御回路は吸入圧力検知手段6
1,吸入圧力制御手段74,インバータ63を順次接続
してなる。また、吐出圧力の制御回路は、吐出圧力検知
手段62が、ファジィ推論入力演算手段72,吐出圧力
制御手段64にそれぞれ接続され、ファジィ推論入力演
算手段72の出力はファジィ推論手段73に接続する。
ファジィ推論手段73の推論出力は、吐出圧力制御手段
64に接続し、さらに室外ファン駆動手段71,第1,
第2の電動膨脹弁駆動手段65,66に接続される。
【0028】次に上記構成の動作について冷房運転時よ
り説明する。図3において能力可変圧縮機21で圧縮さ
れた高温高圧の冷媒ガスは、吐出管30より、四方弁2
2,第1の分岐管32で分岐され第1の室外側熱交換器
23,第2の室外側熱交換器25にそれぞれ流入する。
このとき、第1の二方弁27は、開路、第2の二方弁2
8は閉路している。
【0029】ここで凝縮液化した液冷媒は、第1の室外
電動膨脹弁24,第2の室外電動膨脹弁26を経て第2
の分岐管35で集合し液管36から室外機20を出て液
配管45により各分岐ユニット40へ分配される。
【0030】液冷媒は、各分岐ユニット40を経由し、
各室内機50へ達し、ここで室内側電動膨脹弁51で膨
脹し、室内側熱交換器52で蒸発する。
【0031】蒸発気化した冷媒ガスは、再び分岐ユニッ
ト40へ戻る。この時、高圧ガス弁41は閉路、低圧ガ
ス弁42は開路されており、冷媒は低圧ガス弁42を通
り、低圧ガス配管44を流れ、各分岐ユニット40から
流出してきた冷媒ガスとともに室外機20に還り、冷媒
ガスは、低圧ガス管38を経由し、吸入管31から能力
可変圧縮機21に吸入される。
【0032】次に冷房主体の冷房暖房同時運転時の動作
について図4を参照しながら説明する。
【0033】この時、分岐ユニット40及び室内機50
は4台接続され、それぞれに添え字a,b,c,dを添
付するとし、室内機50aを暖房、他の3台を冷房運転
するものとして説明する。
【0034】室内機50aを暖房運転する場合、分岐ユ
ニット40a内の高圧ガス弁41aは開路,低圧ガス弁
42aは閉路され、他の分岐ユニット40b,40c,
40dの高圧ガス弁41b,41c,41dは閉路、低
圧ガス弁42b,42c,42dは開路されている。
【0035】また四方弁22は、冷房運転時と同じ開路
に切り替えられている。このとき、第1の二方弁27は
開路、第2の二方弁28は閉路している。
【0036】能力可変圧縮機21で圧縮された高温高圧
の冷媒ガスは、吐出管30より、冷房室内機50b,5
0c,50dに至る冷媒は、四方弁22,第1の分岐管
32で分岐され第1の室外側熱交換器23,第2の室外
側熱交換器25にそれぞれ流入し、ここで凝縮液化した
液冷媒は、第1の室外電動膨脹弁24,第2の室外電動
膨脹弁26を経て第2の分岐管35で集合し液管36か
ら室外機20を出て液配管45に流入する。
【0037】一方、暖房室内機50aに至る冷媒は、吐
出管30から高圧ガス管37を経由し高圧ガス配管43
から分岐ユニット40aに分配される。この時、高圧ガ
ス弁41aは開路、低圧ガス弁42aは閉路されてお
り、これにより、冷媒ガスは高圧ガス弁41aを経由し
て、室内機50aに到達する。室内機50aでは、冷媒
は、室内側熱交換器52aで凝縮液化し、室内側電動膨
脹弁51aを経て液配管45に流入する。
【0038】この時、第1,第2の室外側熱交換器2
3,25と室内側熱交換器52aは、ともに凝縮器とし
て、冷凍サイクル上並列に接続されている。
【0039】このように、室外機20,室内機50aで
凝縮された冷媒は、分岐ユニット40b,40c,40
dを経由して、室内機50b,50c,50dで蒸発液
化し、蒸発した冷媒ガスは、分岐ユニット40b,40
c,40dを経由して、室外機20に還る。
【0040】室内の冷房負荷が減少し、冷媒の蒸発量に
対して、凝縮量が過剰になった場合は、これを検知し、
第2の室外電動膨脹弁26が絞られ、冷媒の凝縮量を減
少させる。さらに、冷媒凝縮量が過剰な場合には、第2
の室外電動膨脹弁26を全閉とするとともに、第1の二
方弁27を閉路する。これにより、第2の室外側熱交換
器25は休止状態となり、さらに、凝縮量が過剰な場合
には、第1の電動膨脹弁24を絞ることにより、凝縮量
を調整する。
【0041】暖房運転時は、四方弁22が第1,第2の
室外側熱交換器23,25と吸入管31と連通するよう
に切り替えられる。このため、冷媒は吐出管30から高
圧ガス管37を経由し高圧ガス配管43から各分岐ユニ
ット40に分配される。このとき、第1の二方弁27は
開路、第2の二方弁28は閉路している。
【0042】この時、高圧ガス弁41は開路、低圧ガス
弁42は閉路されており、これにより、冷媒ガスは高圧
ガス弁41を経由して、室内機50に到達する。室内機
50では、冷媒は、室内側熱交換器52で凝縮液化し、
室内側電動膨脹弁51を経由して、分岐ユニット40を
経由して、液配管45により各室内機50で凝縮液化し
た液冷媒とともに室外機20へ還る。
【0043】室外機20では、液管36を流れ第2の分
岐管35で分流された液冷媒が、第1,第2の室外側電
動膨脹弁24,26により膨脹し、第1,第2の室外側
熱交換器23,25で蒸発気化し、第1の分岐管32で
集合した後、四方弁22を経て、吸入管31から能力可
変圧縮機21へと還る。
【0044】暖房主体の冷房暖房同時運転時について説
明する。室内機50aを冷房、他3台を暖房運転するも
のとして説明する。
【0045】室内機50aを冷房運転する場合、分岐ユ
ニット40a内の高圧ガス弁41aは閉路、低圧ガス弁
42aは開路され、他の分岐ユニット40b,40c,
40dの高圧ガス弁41b,41c,41dは開路、低
圧ガス弁42b,42c,42dは閉路されている。
【0046】また四方弁22は、暖房運転時と同じ開路
に切り替えられている。このとき、第1の二方弁27は
開路、第2の二方弁28は閉路している。暖房室内機5
0b,50c,50dに至る冷媒は、吐出管30から高
圧ガス管37を経由し高圧ガス配管43から分岐ユニッ
ト40b,40c,40dに分配される。この時、高圧
ガス弁41b,41c,41dは開路、低圧ガス弁42
b,42c,42dは閉路されており、これにより、冷
媒ガスは高圧ガス弁41b,41c,41dを経由して
室内機50b,50c,50dに到達する。室内機50
b,50c,50dでは、冷媒は、室内側熱交換器52
b,52c,52dで凝縮液化し、室内側電動膨脹弁5
1b,51c,51dを経て液配管45に流入する。
【0047】この液化した冷媒の一部は、分岐ユニット
40aから室内機50aへ流れ、室内側電動膨脹弁51
aで減圧膨脹し室内側熱交換器52aで蒸発気化する。
気化した冷媒は分岐ユニット40a内の低圧ガス弁42
aを通り、低圧ガス配管44を流れ、室外機20へ帰
り、低圧ガス管38から吸入管31により能力可変圧縮
機21へ吸入される。
【0048】暖房室内機50b,50c,50dで凝縮
した液冷媒の残りは、分岐ユニット40b,40c,4
0dを経由し液配管45により室外機20へ帰る。液冷
媒は液管36から第2の分岐管35で分流され、第1,
第2の室外側電動膨脹弁24,26で減圧膨脹され、第
1,第2の失アイドル側熱交換器23,25で蒸発気化
し四方弁22を経由して、吸入管31により能力可変圧
縮機21へ吸入される。
【0049】この時、第1,第2の室外側熱交換器2
3,25と室内側熱交換器52aは、ともに蒸発器とし
て、冷凍サイクル上並列に接続されている。
【0050】室内の暖房負荷が減少し、冷媒の凝縮量に
対して、蒸発量が過剰になった場合は、これを検知し、
第2の室外側電動膨脹弁26が絞られ、冷媒の蒸発量を
減少させる。さらに、冷媒蒸発量が過剰な場合には、第
2の室外側電動膨脹弁26を全閉とするとともに、第1
の二方弁27を閉路する。これにより、第2の室外側熱
交換器25は休止状態となり、さらに、蒸発量が過剰な
場合には、第1の電動膨脹弁24を絞ることにより、蒸
発量を調整する。
【0051】次に、実施例の制御の動作について説明す
る。各室内機制御手段69a,69b,69c,69d
は、リモコン70a,70b,70c,70dが操作さ
れ、運転状態が確定された後、冷房,暖房,停止の状態
を室外機制御手段67に伝送する。室外機制御手段67
は、冷房暖房の比率を計算することにより、室外機20
が冷房主体、または暖房主体のどちらで動作するかを判
断する。
【0052】これにより、冷房主体運転の場合について
説明する。吸入圧力制御手段74は、室外機制御手段6
7よりの冷房主体運転であることを伝送により判断する
と、インバータ63に運転司令を出し、インバータ63
は所定の起動運転周波数(例えば60Hz)により、能
力可変圧縮機21を起動する。吸入圧力検知手段62
は、能力可変圧縮機21の吸入圧力を検知し、所定の制
御インターバル(例えば10秒)ごとに吸入圧力制御手
段74に入力する。
【0053】冷房主体運転時、吸入圧力制御手段74
は、そのときの運転条件に最適な吸入圧力を目標値と
し、インバータ63の出力周波数を制御する。
【0054】吐出圧力に対しては、第1,第2の室外電
動膨脹弁24,26の弁開度または室外ファン29によ
り制御する。このとき、吐出圧力の状態すなわち、目標
値との差や時間あたりの変化量により、第1,第2の室
外電動膨脹弁24,26の弁開度で制御を行うか、室外
ファン29の回転数で行うかをファジィ推論手段73に
より判断し選択切り替えを行う。
【0055】室内側の負荷の変動により、吸入圧力が変
化を開始する。制御を行うための制御量のサンプリング
時間はtであり、現在時間Tより時間t毎に吐出圧力検
知手段62は吸入圧力を検知する。吸入圧力の目標値は
Rであり、ファジィ推論入力演算手段72は、吸入圧力
の変化量ΔP、目標値との偏差DPを(数1),(数
2)により演算する。
【0056】
【数1】
【0057】
【数2】
【0058】以上のように演算された吸入圧力の変化量
ΔP、目標値との偏差DPは、ファジィ推論手段73に
入力される。メモリ装置77はファジィ推論手段73で
実行されるファジィ推論に必要な判断ルールを格納して
いる。
【0059】室外ファン吐出圧力制御と室外電動膨脹弁
吐出圧力制御を吐出圧力の状態に応じて切り替えるため
の判断は、下記のような判断ルールを基にして実行され
る。
【0060】本実施例で採用した判断ルールは次のよう
な9ルールである。たとえば ルールR1:もし偏差が正で、変化量が負であれば、室
外ファン制御を大きく、電動膨脹弁を少し行え ルールR2:もし偏差が正で、変化量がほぼ零であれ
ば、室外ファン制御を大きく、電動膨脹弁制御を少し行
え ・ ・ 等である。
【0061】前記言語ルールは、発明者が数多くの実験
データより得た経験則より求めた、吐出圧力の制御に最
適な制御の切り替えの判断ルールであり、これを吐出圧
力の変化量と目標値との偏差の関係で表に示すと(表
1)の通りとなる。(表1)は実施例に示す冷房主体運
転の通常運転時の室外ファン制御と室外電動膨脹弁制御
の関係を示す表である。
【0062】
【表1】
【0063】(表1)は横方向に吐出圧力の変化量ΔP
を強度によって3段階(N=負,Z0=ゼロ,P=正)
に分け、縦方向に吐出圧力と目標値との偏差DPを強度
により3段階(N=負,ZO=ゼロ,P=正)に分けて
配置し、上記区分された変化量ΔP,偏差DPとのおの
おの交わった位置には、そのときの各強度に対して行う
べき制御(0=室外電動膨脹弁制御比率1,1=室外フ
ァン制御比率1)の比率を設定している。すなわち、前
記判断ルールRiは表における升目(Ri)で示されて
いる。本発明の発明者は、表に従い室外ファン制御と室
外電動膨脹弁制御の切り替え判断を行うことにより、最
適な冷房主体運転での吐出圧力制御が実現できることを
実験的に確認している。
【0064】また、前記判断ルールはメモリ装置77の
内に記憶する場合に下記のようなルールで記憶されてい
る。本発明で使用したルール数は9個である。
【0065】 ルールR1:1F ΔP=N AND DP=N THEN C=0.8 ルールR2:1F ΔP=ZO AND DP=N THEN C=0.8 ・ ・ なお、この判断ルールの後件部は室外電動膨脹弁の制御
比率を示し、室外ファン制御の比率はこの値を1より減
じた値となる。
【0066】次にファジィ推論手段73では予めメモリ
装置77に記憶されている前記判断ルールを取り出して
ファジィ推論により吐出圧力に対する最適な制御手段を
判断し、吐出圧力制御手段64に出力する。吐出圧力制
御手段64はファジィ推論手段73により求めた比率に
より室外ファン吐出圧力制御手段75と室外電動膨脹弁
吐出圧力制御手段76の出力にそれぞれの制御比率を乗
じた値を室外ファン29,第1,第2の室外電動膨脹弁
24,26へ出力する。
【0067】前記言語ルールR1,R2・・・ルールR
9のルールは偏差DP,変化量ΔPに対する制御の切り
替えを段階的に決めているので、制御の切り替えによる
制御量の変動を小さくするためには、前記判断ルールの
前件部(IF部)をどの程度満たしているかの度合いを
算出して、その度合いに応じて制御を切り替えていく必
要がある。そのために、本実施例では前記度合いを算出
するのにファジィ変数のメンバーシップ関数を利用して
いる。
【0068】図5(a)は、偏差DPに対するファジィ
変数N,ZO,Pのメンバーシップ関数μN(DP),
μZO(DP),μP(DP)を示したものであり、図
5(b)は、変化量ΔPに対するファジィ変数N,Z
O,Pのメンバーシップ関数μN(ΔP),μZO(Δ
P),μP(ΔP)を示したものである。
【0069】ファジィ論理手段18で実行するファジィ
推論は、前記判断ルールR1,ルールR2・・・ルール
R9と図5(a),(b)のメンバーシップ関数とを用
いてファジィ推論計算を行って、判断を行う。推論形式
としては合成法にmax−min法,非ファジィ化に重
心法を用いた。
【0070】ここで、室内機50a,50b,50cが
冷房運転、室内機50dが暖房運転しているとする。こ
のとき、冷凍サイクル上の凝縮器は、第1の実施例で説
明の通り、室内側熱交換器52dと、第1,第2の室外
側熱交換器23,25が並列となる。このため、凝縮圧
縮即ち吐出圧力は、室内側熱交換器52dと、第1,第
2の室外側熱交換器23,25の合計凝縮能力により、
決定される。室内機50dの暖房負荷増加または減少に
より、室内機制御手段69dが室内側電動膨脹弁51d
の弁開度を増加または減じ、室内側熱交換器52dの凝
縮能力が大きくまたは小さくなると合計凝縮能力も大き
くまたは小さくなり、このため、吐出圧力が下降または
上昇する。
【0071】この吐出圧力の下降または上昇を吐出圧力
検知手段62が検知し(step1),室外ファン吐出
圧力制御手段75,室外電動膨脹弁吐出圧力制御手段7
6は、それぞれ吐出圧力に対する操作量の計算を行うと
共に(step2)、同時に吐出圧力の状態をファジィ
推論手段73により室外ファン吐出圧力制御手段75の
出力と室外電動膨脹弁吐出圧力制御手段76の出力のど
ちらで吐出圧力を制御するかを選択判断する(step
3)。これらの演算結果より吐出圧力制御手段64は、
最適な比率で制御を行うための各操作量を計算し(st
ep4)、第1,第2の室外電動膨脹弁24,26の弁
開度をそれぞれ第1,第2の室外電動膨脹弁駆動手段6
5,66により閉弁あるいは開弁するか室外ファン29
の回転数を減少あるいは増加するように操作する。
【0072】これにより、第1,第2の室外側熱交換器
23,25への冷媒循環量を減少または増加することま
たは、風量を減少あるいは増加することにより、凝縮能
力を減じまたは増し、吐出圧力を変化前の所定の吐出圧
力とし、冷凍サイクルの運転を継続する(step
5)。
【0073】一方、冷房運転中の室内機50a,50
b,50cの冷房負荷変動に対しては、各室内機制御手
段69a,69b,69cが各室内側電動膨脹弁51
a,51b,51cを負荷に応じて、開閉する。この結
果、全体の冷房能力が大きくなり、能力可変圧縮機21
の出力よりも大きくなると、吸入圧力は上昇、反対に小
さくなると下降する。この吸入圧力の変化を、吸入圧力
検知手段62が検知し、吸入圧力制御手段74は、イン
バータ63に指令し、目標吸入圧力に対し吸入圧力が上
昇した場合は周波数を上昇、下降した場合は周波数を下
降することにより、吸入圧力を目標吸入圧力に制御す
る。
【0074】以上のように、本実施例では、冷房負荷,
暖房負荷をそれぞれ吸入圧力,吐出圧力により検知し、
主体となる空調負荷を能力可変圧縮機21で、従となる
空調負荷を室外ファン29と第1,第2の室外電動膨脹
弁24,26を吐出圧力の状態によりファジィ推論によ
り選択切り替えて制御を行うので、常に室内機50の空
調負荷を検知し、きめ細かな能力制御が可能となるもの
である。
【0075】次に、本発明の第2の実施例を図6から図
10を参考に説明する。なお、第1の実施例と同じ構成
については、詳細な説明を省略し、同符号を付す。
【0076】80は暖房ファジィ推論手段、81は暖房
吐出圧力制御手段、82は室外ファン吸入圧力制御手
段、83は暖房室外電動膨脹弁開度決定手段である。8
5は、室外熱交換器出口過熱度検知手段、86は室内空
調負荷検知手段である。87は暖房メモリ装置である。
【0077】吐出圧力の制御開路は、吐出圧力検知手段
62,暖房吐出圧力制御手段81,インバータ63と接
続する。
【0078】吸入圧力の制御開路は吸入圧力検知手段6
1,室外ファン吸入圧力制御手段82,室外ファン駆動
手段71と接続する。
【0079】また、第1,第2の室外電動膨脹弁24,
26は、室外熱交換器出口過熱度検知手段85と室内空
調負荷検知手段86を入力とし、暖房室外電動膨脹弁開
度決定手段83で各入力に対する第1,第2の室外電動
膨脹弁24,26の開度を決定し、この各開度を暖房フ
ァジィ推論手段80で推論入力を室外熱交換機過熱度検
知手段85の出力としたファジィ推論を行い、この推論
結果が、第1,第2の電動膨脹弁駆動手段65,66に
接続される。
【0080】次に動作について説明する。暖房運転時
は、図8に示すように四方弁22が第1,第2の室外側
熱交換器23,25と吸入管31と連通するように切り
替えられる。このため、冷媒は吐出管30から高圧ガス
管37を経由して高圧ガス配管43から各分岐ユニット
40に分配される。このとき、第1の二方弁27は開
路、第2の二方弁28は閉路している。
【0081】この時、高圧ガス弁41は開路、低圧ガス
弁42は閉路されており、これにより、冷媒ガスは高圧
ガス弁41を経由して、室内機50に到達する。室内機
50では冷媒は、室内側熱交換器52で凝縮液化し、室
内側電動膨脹弁51を経由して、分岐ユニット40を経
由して、液配管45により各室内機50で凝縮液化した
液冷媒とともに室外機20へ還る。
【0082】室外機20では、液管36を流れ第2の分
岐管35で分流された液冷媒が、第1,第2の室外側電
動膨脹弁24,26により膨脹し、第1,第2の室外側
熱交換器23,25で蒸発気化し、第1の分岐管32で
集合した後、四方弁22を経て、吸入管31から能力可
変圧縮機21へと還る。
【0083】暖房主体の冷房暖房同時運転時について図
9を参照しながら説明する。室内機50aを冷房、他の
3台を暖房運転するものとして説明する。
【0084】室内機50aを冷房運転する場合、分岐ユ
ニット40a内の高圧ガス弁41aは閉路、低圧ガス弁
42aは開路され、他の分岐ユニット40b,40c,
40dの高圧ガス弁41b,41c,41dは開路、低
圧ガス弁42b,42c,42dは閉路されている。
【0085】また四方弁22は、暖房運転時と同じ回路
に切り替えられている。このとき、第1の二方弁27は
開路、第二の二方弁28は閉路している。暖房室内機5
0b,50c,50dに至る冷媒は、吐出管30から高
圧ガス管37を経由し高圧ガス配管43から分岐ユニッ
ト40b,40c,40dに分配される。この時、高圧
ガス弁41b,41c,41dは開路、低圧ガス弁42
b,42c,42dは閉路されており、これにより、冷
媒ガスは高圧ガス弁41b,41c,42dを経由し
て、室内機50b,50c,50dに到達する。室内機
50b,50c,50dでは、冷媒は、室内側熱交換器
52b,52c,52dで凝縮液化し、室内側電動膨脹
弁51b,51c,51dを経て液配管45に流入す
る。
【0086】この液化した冷媒の一部は、分岐ユニット
40aから室内機50aへ流れ、室内側電動膨脹弁51
aで減圧膨脹し室内側熱交換器52aで蒸発気化する。
気化した冷媒は分岐ユニット40a内の低圧ガス弁42
aを通り、低圧ガス配管44を流れ室外機20へ帰り、
低圧ガス管38から吸入管31により能力可変圧縮機2
1へ吸入される。
【0087】暖房室内機50b,50c,50dで凝縮
した液冷媒の残りは、分岐ユニット40b,40c,4
0dを経由し液配管45により室外機20へ帰る。液冷
媒は液管36から第2の分岐管35で分流され、第1,
第2の室外側電動膨脹弁24,26で減圧膨脹され、第
1,第2の室外側熱交換器23,25で蒸発気化し四方
弁22を経由して、吸入管31により能力可変圧縮機2
1へ吸入される。
【0088】この時、第1,第2の室外側熱交換器2
3,25と室内側熱交換器52aは、ともに蒸発器とし
て、冷凍サイクル上並列に接続されている。
【0089】室内の暖房負荷が減少し、冷媒の凝縮量に
対して、蒸発量が過剰になった場合は、これを検知し、
第2の室外側電動膨脹弁26が絞られ、冷媒の蒸発量を
減少させる。さらに、冷媒蒸発量が過剰な場合には、第
2の室外側電動膨脹弁26を全閉とするとともに、第1
の二方弁27を閉路する。これにより、第2の室外側熱
交換器25は休止状態となり、さらに、蒸発量が過剰な
場合には、第1の電動膨脹弁24を絞ることにより、蒸
発量を調整する。
【0090】次に、本発明の制御の動作について図6,
図7を参考に説明する。各室内機制御手段69a,69
b,69c,69dは、リモコン70a,70b,70
c,70dが操作され、運転状態が確定された後、冷
房,暖房,停止の状態を室外機制御手段67に伝送す
る。室外機制御手段67は、冷房暖房の比率を計算する
ことにより、室外機20が冷房主体、または暖房主体の
どちらで動作するかを判断する。
【0091】これより、暖房主体運転の場合について説
明する。暖房主体運転時、吐出圧力検知手段62は、能
力可変圧縮機21の吐出圧力を検知し、所定の制御イン
ターバル(例えば10秒)ごとに暖房吐出圧力制御手段
81に入力する。
【0092】暖房主体運転時、暖房吐出圧力制御手段8
1は、そのときの運転条件に最適な吐出圧力を目標値と
し、インバータ63の出力周波数を制御する。
【0093】吸入圧力に対しては、吸入圧力検知手段6
1は、能力可変圧縮機21の吸入圧力を検知し、所定の
制御インターバル(例えば10秒)ごとに室外ファン吸
入圧力制御手段82に入力する。
【0094】暖房主体運転時、室外ファン吸入圧力制御
手段82は、そのときの運転条件に最適な吸入圧力を目
標値とし、室外ファン29により制御する。
【0095】また、室内空調負荷検知手段86は、室内
機50a,50b,50c,50dの負荷を検知する。
また、室外熱交換器出口過熱度検知手段85は、第1の
分岐管32の部分の冷媒過熱度を検知する。暖房室外電
動膨脹弁開度決定手段83は、それぞれについて第1,
第2の電動膨脹弁24,26の開度を2つ決定する。こ
の2つの開度を暖房ファジィ推論手段80が室外熱交換
器出口過熱度検知手段85の出力である過熱度を推論入
力としファジィ推論を行う。
【0096】室内側の負荷の変動により、冷媒過熱度が
変化を開始する。制御を行うための制御量のサンプリン
グ時間はtであり、現在時間Tより時間t毎に室外熱交
換器出口過熱度検知手段85は過熱度SHを検知する。
【0097】過熱度SHは暖房ファジィ推論手段80に
入力される。暖房メモリ装置87は暖房ファジィ推論手
段80で実行されるファジィ推論に必要な判断ルールを
格納している。
【0098】室外電動膨脹弁開度の決定を室外熱交換器
出口過熱度の状態に応じて切り替えるための判断は、下
記のような判断ルールを基にして実行される。
【0099】本実施例で採用した判断ルールは次のよう
な3ルールである。たとえば ルールR1:もし室外熱交換器出口過熱度が小さけれ
ば、室外熱交換器出口過熱度を制御入力とする ルールR2:もし室外熱交換器出口過熱度が適度であれ
ば、室内空調負荷を制御入力とする ルールR3:もし室外熱交換器出口過熱度が大きけれ
ば、室外熱交換器出口過熱度を制御入力とするである。
【0100】前記言語ルールは、発明者が数多くの実験
データより得た経験則より求めた、室外電動膨脹弁の開
度決定に最適な制御の切り替えの判断ルールである。
【0101】本発明の発明者は、制御ルールに従い室外
電動膨脹弁制御の入力の切り替え判断を行うことによ
り、最適な暖房主体運転での室外電動膨脹弁制御が実現
できることを実験的に確認している。
【0102】また、前記判断ルールは暖房メモリ装置8
7の内に記憶する場合に下記のようなルールで記憶され
ている。本発明で使用したルール数は3個である。
【0103】 ルールR1:1F SH=N THEN X=SH ルールR2:1F SH=ZO THEN X=QI ルールR3:1F SH=P THEN X=SH なお、この判断ルールの後件部は室外電動膨脹弁の制御
入力Xとして室外熱交換器出口過熱度SHを用いるか、
室内空調負荷QIを用いるかを示す。また前件部のSH
=N,ZO,Pは過熱度SHの強度を3段階(N=(N
=小,ZO=適度,P=大)に表す。
【0104】次に暖房ファジィ推論手段80では予め暖
房メモリ装置87に記憶されている前記判断ルールを取
り出してファジィ推論により吐出圧力に対する最適な制
御手段を判断し、暖房室外電動膨脹弁開度決定手段83
の出力を選択し第1,第2の電動膨脹弁駆動手段65,
66を出力し、第1,第2の室外電動膨脹弁24,26
を操作する。
【0105】前記言語ルールR1,R2,R3のルール
は室外熱交換器出口過熱度SHに対する制御の切り替え
を段階的に決めているので、制御の切り替えによる制御
量の変動を小さくするためには、前記判断ルールの前件
部(1F部)をどの程度満たしているかの度合いを算出
して、その度合いに応じて制御を切り替えていく必要が
ある。そのために、本実施例では前記度合いを算出する
のにファジィ変数のメンバーシップ関数を利用してい
る。
【0106】図10は、室外熱交換器出口過熱度SHに
対するファジィ変数N,ZO,Pのメンバーシップ関数
μN(SH),μZO(SH),μP(SH)を示した
ものである。
【0107】暖房ファジィ推論手段80で実行するファ
ジィ推論は、前記判断ルールR1,ルールR2,R3と
図10のメンバーシップ関数とを用いてファジィ論理計
算を行って、判断を行う。推論形式としては合成方にm
ax−min法,非ファジィ化に重心法を用いた。
【0108】ここで、室内機50a,50b,50cが
暖房運転、室内機50dが冷房運転しているとする。こ
のとき、冷凍サイクル上の蒸発器は、第1の実施例で説
明の通り、室内側熱交換器52dと、第1,第2の室外
側熱交換器23,25が並列となる。このため、蒸発圧
力即ち吸入圧力は、室内側熱交換器52dと、第1,第
2の室外側熱交換器23,25の合計蒸発能力により、
決定される。室内機50dの冷房負荷増加または減少に
より、室内機制御手段69dが室内側電動膨脹弁51d
の弁開度を増加または減じ、室内側熱交換器52dの冷
媒循環量が増減する。このため、第1,第2の室外熱交
換器24,26を流れる冷媒循環量も、室内側と反対の
方向で増減し、このため、第1,第2の室外熱交換器2
4,26の冷媒循環量が増加すると、過熱度が小さくな
り、減少すると過熱度は大きくなる。
【0109】この過熱度の増加または減少を室外熱交換
器出口過熱度検知手段85が検知すると同時に室内空調
負荷検知手段86が室内の空調負荷を検知し(step
1)、暖房室外電動膨脹弁開度検定手段83は、それぞ
れの制御入力に対する操作量の計算を行うと共に(st
ep2)、同時に過熱度の状態を暖房ファジィ推論手段
80により制御入力を過熱度か室内空調負荷のどちらで
室外電動膨脹弁を操作するかを選択判断し(step
3)、これらの演算結果より暖房ファジィ推論手段80
は、最適な比率で制御を行うための各操作量を計算し
(step4)、第1,第2の室外電動膨脹弁24,2
6の弁開度をそれぞれ第1,第2の室外電動膨脹弁駆動
手段65,66により閉弁あるいは開弁するように操作
する。
【0110】これにより、第1,第2の室外側熱交換器
23,25への冷媒循環量を減少または増加することに
より、室外熱交換器への冷媒循環量を減じまたは増し、
室外熱交換器出口過熱度を変化前の所定の過熱度とし、
冷凍サイクルの運転を継続する(step5)。
【0111】一方、暖房運転中の室内機50a,50
b,50cの暖房負荷変動に対しては、各室内機制御手
段69a,69b,69cが各室内側電動膨脹弁51
a,51b,51cを負荷に応じて、開閉する。この結
果、全体の暖房能力が大きくなり、能力可変圧縮機21
の出力よりも大きくなると、吐出吸入圧力は下降、反対
に小さくなると上昇する。この吐出圧力の変化を、吐出
圧力検知手段62が検知し、暖房吐出圧力制御手段81
は、インバータ63に司令し、目標吐出圧力に対し吐出
圧力が下降した場合は周波数を上昇、上昇した場合は周
波数を下降することにより、吐出圧力を目標吐出圧力に
制御する。
【0112】
【発明の効果】以上のように本発明の多室型空気調和機
は、能力可変圧縮機,三方切替機構,室外側熱交換器,
室外電動膨脹弁,室外ファンを設置した室外機と、室内
側電動膨脹弁,室内側熱交換器を設置した複数の室内機
と、高圧ガス弁と低圧ガス弁を設置した複数の分岐ユニ
ットからなる。
【0113】前記分岐ユニットは高圧ガス管,低圧ガス
管,液管により、室外機に対し並列に接続し、前記各分
岐ユニットと前記室内機はガス管と液管により接続し、
前記能力可変圧縮機の吐出管と吸入管は、前記室外側熱
交換器と前記三方切替機構により選択可能に連通するよ
うに接続し、前記室外側熱交換器の他端に前記室外側電
動膨脹弁を接続し、前記室外電動膨脹弁の他端を液管と
し、前記液管を前記分岐ユニットを経由して前記室内機
に接続し、前記能力可変圧縮機の吐出管と吸入管は、そ
れぞれ前記高圧ガス管と低圧ガス管に接続する。
【0114】前記能力可変圧縮機の吐出管と吸入管にそ
れぞれ設けた吐出圧力検知手段と吸入圧力検知手段と、
前記能力可変圧縮機の駆動電源周波数を変化するインバ
ータと、前記室外電動膨脹弁を駆動する室外電動膨脹弁
駆動手段と、前記室外ファンの風量を連続的に変化する
室外ファン駆動手段と、前記吐出圧力検知手段とによ
り、冷房運転時、前記室外電動膨脹弁駆動手段と前記室
外ファン駆動手段へ制御指令を行う吐出圧力制御手段
と、吐出圧力制御を前記室外電動膨脹弁、あるいは前記
室外ファンにより行うかを選択判断するファジィ推論手
段を設けたという構成を備えたものである。
【0115】これより、冷暖房の同時運転が可能とな
り、各室の負荷に応じた快適な空調空間を実現でき、快
適性の面で多大な効果を有する。
【0116】さらに、前記室外側電動膨脹弁の暖房運転
回路出口に設置した室外熱交換器出口過熱度検知手段と
前記室内機の空調負荷を検出する室内空調負荷検出手段
と、暖房運転時、前記吐出圧力検知手段の出力より前記
能力可変圧縮機の駆動周波数を決定する暖房吐出圧力制
御手段と、前記吸入圧力検知手段の出力により、前記室
外ファンを制御する室外ファン吸入圧力制御手段と、前
記室外熱交換器出口過熱度検知手段の出力と前記室内空
調負荷検知手段の出力より室外側電動膨脹弁開度を決定
する暖房室外電動膨脹弁開度決定手段と、前記室外熱交
換器出口過熱度検知手段の出力と前記室内空調負荷検知
手段の出力のどちらを室外側電動膨脹弁開度決定に用い
るかを選択判断する暖房ファジィ推論手段を設けたとい
う構成を有している。
【0117】そのため、各室で要求される冷房暖房負荷
により、吐出圧力と吸入圧力により負荷を検知し、どの
ような空調負荷においても各室の冷暖房負荷に最適な冷
暖房同時運転制御が可能となるため、常に最適な冷凍サ
イクル条件で運転可能となるため、各種運転条件下で快
適な空調空間を実現でき快適性の面で多大な効果を有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である多室型空気調和機
の冷房運転時の冷凍サイクル制御の制御ブロック図
【図2】同実施例の運転制御のフローチャート
【図3】同実施例の多室型空気調和機の冷房運転時の冷
媒循環状態を示す冷凍サイクル図
【図4】同実施例の多室型空気調和機の冷房主体冷暖房
同時運転時の冷媒循環状態を示す冷凍サイクル図
【図5】(a)同実施例のファジィ推論の吸入圧力の変
化量に対するメンバーシップ関数を示す特性図 (b)同実施例のファジィ推論吸入圧力の目標値との偏
差に対するメンバーシップ関数を示す特性図
【図6】本発明の第2の実施例である多室型空気調和機
の暖房運転時の冷凍サイクル制御の制御ブロック図
【図7】同実施例の運転制御のフローチャート
【図8】同実施例の多室型空気調和機の暖房運転時の冷
媒循環状態を示す冷凍サイクル図
【図9】同実施例の多室型空気調和機の暖房主体冷暖同
時運転時の冷媒循環状態を示す冷凍サイクル図
【図10】同実施例のファジィ推論のメンバーシップ関
数を示す特性図
【図11】従来の多室型空気調和機の冷凍サイクル図で
ある多室型空気調和機の冷房運転時の冷凍サイクル制御
の制御ブロック図
【図12】従来の多室型空気調和機の制御ブロック図
【符号の説明】
20 室外機 21 能力可変圧縮機 22 四方弁 23 第1の室外側熱交換器 24 第1の室外電動膨脹弁 25 第2の室外側熱交換器 26 第2の室外電動膨脹弁 29 室外ファン 30 吐出管 31 吸入管 36 液管 37 高圧ガス管 38 低圧ガス管 40a,40b,40c,40d 分岐ユニット 41a,40b,40c,40d 高圧ガス弁 42a,42b,42c,42d 低圧ガス弁 50a,50b,50c,50d 室内機 51a,51b,51c,51d 室内側電動膨脹弁 52a,52b,52c,52d 室内側熱交換器 61 吸入圧力検知手段 62 吐出圧力検知手段 63 インバータ 64 吐出圧力制御手段 65 第1の室外電動膨脹弁駆動手段 66 第2の室外電動膨脹弁駆動手段 71 室外ファン駆動手段 73 ファジィ推論手段 80 暖房ファジィ推論手段 81 暖房吐出圧力制御手段 82 室外ファン吸入圧力制御手段 83 暖房室外電動膨脹弁開度決定手段 85 室外熱交換器出口過熱度検知手段 86 室内空調負荷検知手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 能力可変圧縮機,三方切替機構,室外側
    熱交換器,室外電動膨脹弁,室外ファンを設置した室外
    機と、室内側電動膨脹弁,室内側熱交換器を設置した複
    数の室内機と、高圧ガス弁と低圧ガス弁を設置した複数
    の分岐ユニットからなり、前記分岐ユニットは高圧ガス
    管,低圧ガス管,液管により、前記室外機に対し並列に
    接続し、前記各分岐ユニットと前記室内機はガス管と液
    管により接続し、前記能力可変圧縮機の吐出管と吸入管
    は、前記室外側熱交換器と前記三方切替機構により選択
    可能に連通するように接続し、前記室外側熱交換器の他
    端に前記室外側電動膨脹弁を接続し、前記室外電動膨脹
    弁の他端を液管とし、前記液管を前記分岐ユニットを経
    由して前記室内機に接続し、前記能力可変圧縮機の吐出
    管と吸入管は、それぞれ前記高圧ガス管と低圧ガス管に
    接続し、前記能力可変圧縮機の吐出管と吸入管にそれぞ
    れ設けた吐出圧力検知手段と吸入圧力検知手段と、前記
    能力可変圧縮機の駆動電源周波数を変化するインバータ
    と、前記室外電動膨脹弁を駆動する室外電動膨脹弁駆動
    手段と、前記室外ファンの風量を連続的に変化する室外
    ファン駆動手段と、前記吐出圧力検知手段とにより、冷
    房運転時、前記室外電動膨脹弁駆動手段と前記室外ファ
    ン駆動手段へ制御指令を行う吐出圧力制御手段と、吐出
    圧力制御を前記室外電動膨脹弁、あるいは前記室外ファ
    ンにより行うかを選択判断するファジィ推論手段を設け
    た多室型空気調和機。
  2. 【請求項2】 室外側電動膨脹便の暖房運転回路出口に
    設置した室外熱交換器出口過熱度検知手段と、室内機の
    空調負荷を検出する室内空調負荷検出手段と、暖房運転
    時、前記吐出圧力検知手段の出力より前記能力可変圧縮
    機の駆動周波数を決定する暖房吐出圧力制御手段と、前
    記吸入圧力検知手段の出力により、前記室外ファンを制
    御する室外ファン吸入圧力制御手段と、前記室外熱交換
    器出口過熱度検知手段の出力と前記室内空調負荷検知手
    段の出力より室外側電動膨脹弁開度を決定する暖房室外
    電動膨脹弁開度決定手段と、前記室外熱交換器出口過熱
    度検知手段の出力と前記室内空調負荷検知手段の出力の
    どちらを室外側電動膨脹弁開度決定に用いるかを選択判
    断する暖房ファジィ推論手段を設けた請求項1記載の多
    室型空気調和機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006317050A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Yanmar Co Ltd 冷暖同時運転型空気調和装置の制御装置
JP2014043993A (ja) * 2012-08-27 2014-03-13 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 空気調和装置
CN114294807A (zh) * 2022-01-11 2022-04-08 珠海格力电器股份有限公司 空调机组、存储介质及空调机组的控制方法

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