JPH05222011A - 診断処置での血餅形成危険の緩和用組成物 - Google Patents

診断処置での血餅形成危険の緩和用組成物

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JPH05222011A
JPH05222011A JP4134845A JP13484592A JPH05222011A JP H05222011 A JPH05222011 A JP H05222011A JP 4134845 A JP4134845 A JP 4134845A JP 13484592 A JP13484592 A JP 13484592A JP H05222011 A JPH05222011 A JP H05222011A
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hydrogen
compounds
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JP4134845A
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Ramachandran S Ranganathan
ラマチャンドラン・エス・ランガナサン
Michael F Tweedle
マイケル・エフ・ツイードル
Paul W Wedeking
ポール・ダブリュー・ウェデキング
Radhakrishna Pillai
ラダクリシュナ・ピライ
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Bristol Myers Squibb Co
ER Squibb and Sons LLC
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Bristol Myers Squibb Co
ER Squibb and Sons LLC
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    • A61K49/04X-ray contrast preparations
    • A61K49/0433X-ray contrast preparations containing an organic halogenated X-ray contrast-enhancing agent
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  • Hydrogenated Pyridines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 診断処置(具体的にはX線不透過性化合物が
必要とされる診断分野での処置)での血餅形成の危険を
緩和する組成物の提供。 【構成】 抗凝血性を有する非イオン性造影剤および医
薬的に許容しうる担体から成り、非イオン性造影剤が複
素環基を有する三ヨウ化フェニル化合物であることを特
徴とする。本発明に係る化合物として、例えば、一般式
XIVaを有するものが挙げられる。 〔XIVaにおいて、R=R=−CONH−CH−C
H(OH)−CH−OH〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は診断処置での血餅形成危
険の緩和用組成物、更に詳しくは、抗凝血性を有する非
イオン性造影剤を有効成分とする血餅形成危険の緩和用
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年の診
断分野において、血管造影への使用には非イオン性造影
剤、たとえばヨーパミドール(iopamidol)およびヨーヘ
キソール(iohexol)が一般に普及している。この主な理
由は、非イオン性造影剤の静脈注射の副作用の頻度が、
ほとんどのイオン性造影剤(たとえばジアトリゾエー
ト、ナトリウムメグルミン等)の場合と比較して、2つ
の要因によって緩和されるという事実に終始する。
【0003】しかしながら、非イオン性造影剤を用いる
血管造影処置での投与中に、限られた数のケースにおい
て血餅が見られることがある。このまれな障害現象につ
いて調べたところ、造影剤自体はイオン性あるいは非イ
オン性に拘わらず、積極的にトロンボゲン形成を引き起
こさないことが満場一致で確認されている。
【0004】数種のインビトロ研究によれば、イオン性
造影剤は一般的に、その非イオン性対応物と比較して、
抗凝血性効果が大であることが認められている。従っ
て、血管造影処置に適する造影剤の慎重な選択には、他
の要因の中で、イオン性造影剤の大きな抗凝血性効果に
対しこれと非イオン性造影剤の固有の低い化学毒性との
バランスを考慮することが必要である。
【0005】ところで、調査員はこのまれな血餅現象が
開業医が行う処置結果によるものと思っている。一見し
たところ、体内から吸引した血液を処置の前に数分間に
わたって、造影物質の注射器内に放置、すなわち、非イ
オン性造影剤と接触せしめておくと、血栓形成が起こり
うる。この限られた問題への主たる解決は、処置技術の
いろいろな改変および改良であると考えられている。そ
れでもやはり、この潜在的技術に基づく血餅に対する別
の予防策は、抗凝血剤の利用であった。またこの予防策
は、他の血栓形成の傾向にある被検者においても必要で
ある。
【0006】抗凝血活性を有する物質として広く用いら
れている公知のものはヘパリンである。概して、特に高
凝血の病歴のある被検者において全身性ヘパリン投与が
採用されているが、血管造影処置は全身性ヘパリン投与
を保証しないと思われる。この種の処置には、ヘパリン
と造影剤の併用が試みられている。しかし、この試みに
困難が伴わないことはない。血塊とフィブリン溶解の自
然競合過程、並びにいずれかの方向へのアンバランス、
すなわちそれぞれ血栓症または出血が起こりうるという
問題を考慮すれば、一般にヘパリンの使用には危険は伴
わないと理解される。さらに、心虚血や虚血性脳損傷な
どの場合は血管造影中のヘパリン投与の結果によると思
われる。
【0007】ヨーロッパ特許出願No.0390242
に、ヒト血液の赤血球凝集は、非イオン性造影剤に20
〜60mM濃度で塩化ナトリウムを加えることによって
緩和されうることが記載されている。しかし、このアプ
ローチは、非イオン性造影剤の重量オスモル濃度を増大
する望ましくない影響を持つ。
【0008】血管造影処置あるいは血栓形成の高い可能
性が存在する患者のいずれかにおいて、非イオン性造影
剤を用いる改良組成物は、当該分野に対して有用な付加
となる。
【0009】
【発明の構成と効果】すなわち、本発明は、非イオン性
造影剤を用いる、診断処置での血餅形成危険の新規な緩
和用組成物を提供するものである。また本発明は、かか
る緩和用組成物に用いる非イオン性造影剤である新規化
合物も提供する。本発明において、1個の複素環基を有
する三ヨウ化フェニル造影剤または少なくとも1個の複
素環基を有する三ヨウ化フェニル二量体造影剤を使用す
る。
【0010】本発明は、その最も広い観点において、血
餅形成の可能性が存在する環境での血餅形成危険の緩和
用組成物に関係する。上述の如く、かかる危険は採用す
る個々の血管造影処置もしくは技法の結果によるか、あ
るいは診断処置に付される患者の固有性に基づくもので
ある。
【0011】U.S.特許出願No.710884(名称
“新規な非イオン性X線撮影造影剤")に、式:
【化31】 の化合物において、予期しえない程度の抗凝血性が見ら
れることが開示されている。そこで、本発明によれば、
1個の非置換もしくは適当に置換した複素環基を有する
三ヨウ化フェニル化合物、または少なくとも1個の複素
環基を有するその二量体は、かかる複素環置換基を有し
ない非イオン性造影剤よりも大なる抗凝血性を示す性質
を持つことがわかった。
【0012】特定のケースにおいて、かかる抗凝血活性
はイオン性造影剤のそれと同等もしくはそれより大であ
る。このことは、全ての診断処置、特に血餅形成の可能
性が問題と考えられる処置に対して安全策を高めると思
われる。すなわち、本発明はイオン性造影剤の使用と比
較して副作用が少なく、かつ他の非イオン性造影剤より
も大なる抗凝血性およびイオン性造影剤と同等もしくは
それより大なる抗凝血性を有するという利点を持つ。
【0013】本発明で使用する抗凝血性を持つ非イオン
性造影剤は、ヨウ素で置換されていない位置の少なくと
も1つに複素環基を有する、式:
【化32】 の三ヨウ化フェニル核を包含する。4〜6個のヒドロキ
シ基を有する化合物が好ましく、5個のヒドロキシ基を
有する化合物が最も好ましい。ヒドロキシ基の大部分を
複素環基から離れた位置に有する化合物が特に好まし
い。たとえば、下記式[I]において、複素環基に1ま
たは2個のヒドロキシ基およびR1およびR2に3または
4個のヒドロキシ基を有する化合物は、より安定で毒性
が少ないと思われる。
【0014】上記複素環基は好ましくは、下記式(A)〜
(E):
【化33】
【化34】 の基の群から選ばれ、RおよびR'はそれぞれ独立し
て、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロ
キシアルキルまたはアルコキシアルキル;X1
【化35】 −S−または−O−;X2はX1または−CH2−;mは1〜
4またはX2が−CH2−のときmは0〜4;nは0〜3;p
は2〜5;qおよびrはそれぞれ独立して1または2;およ
びsが2〜5である。
【0015】好ましい三ヨウ化フェニル造影剤は、式:
【化36】 (式中、R1
【化37】 2
【化38】 3はヘテロシクロ;またはR2は−W−Zであってよ
く、ここでZは
【化39】 Wは結合基;R8
【化40】 またはヘテロシクロ;R9
【化41】 またはヘテロシクロ;R4,R5,R10およびR11は同一も
しくは異なって、水素、メチルまたは−CH2CH2
H;R6,R7,R12およびR13は同一もしくは異なって、
水素、
【化42】 −CH2CH2OH、
【化43】 またはWは−X−Y−X−;Xは
【化44】 Yは
【化45】 14およびR14'はH、アルキルまたはヒドロキシアル
キル;Aは単結合、−O−、−S−または−N−COR
14;nは0〜6である)で示される。
【0016】上記(A)の複素環基を有する三ヨウ化フェ
ニル化合物の具体例は、非イオン性造影剤としてU.
S.特許出願No.710884(名称“新規な非イオン
性X線撮影造影剤")に開示されている。このU.S.特
許出願に、式:
【化46】 (式中、Yは単結合、−CH2CH2−、−CH2O−、
−OCH2−、−N−CH2−、
【化47】 −CH2N−、−CH2−、−O−、−CH2−CH2−C
2−または−N−;R1およびR2は同一もしくは異なっ
て、水素、
【化48】 −CH2CH2OH、
【化49】 または
【化50】 3およびR14は同一もしくは異なって、水素、メチル
または−CH2CH2OH;R5は水素、アルキル、−CH
2CH2OH、−CH2OHまたは−OH;およびR6はア
ルキル、−CH2CH2OH、−CH2OH、−OHまた
は水素で、R6はR5と同一もしくは異なってよく、およ
びmは0または1であり、但し、複素環基のメチレンま
たはメチン炭素原子は窒素および酸素原子の両方に結合
せず、さらにYが単結合のときmは0でない)の化合物が
開示されている。なお、「アルキル」とは、炭素数1〜6
の直鎖または分枝鎖基を指称し、たとえばメチル、エチ
ル、プロピルが挙げられる。
【0017】上記U.S.特許出願の複素環基(A)が4
−ヒドロキシメチル置換基を有するオキサゾリジニルで
ある化合物の製法は、下記工程式で示される。
【化51】
【化52】
【化53】
【化54】
【0018】商業上入手しうる上記化合物[IA]を希塩
化水素酸溶液中、カリウムヨードジクロリドなどの化合
物でヨウ素化して、5−アミノ−2,4,6−トリヨード
−1,3−ベンゼンジカルボン酸[II]を得る。この化
合物[II]を精製した塩化チオニルで塩素化して、対応
するビス−クロリド[III]を得る。次いで化合物[I
II]を1−アミノ−2,3−プロパンジオール[IV]で
アミド化して、イソフタルアミド[V]を得る。次いで化
合物[V]をピリジン中、無水酢酸で選択的にO−アシル
化して、5−アミノ−N,N'−ビス[2,3−ビス(アセ
チルオキシ)プロピル]−2,4,6−トリヨード−1,3
−ベンゼンジカルボキサミド[VI]を得る。化合物[V
I]を酢酸エチル中、60℃にてホスゲンのトルエン溶
液で16時間にわたり処理してアミノ脱ハロゲン化を行
い、対応するイソシアネート[VII]に変換する。反応
が終わると、反応進行中に遊離した未反応の過剰ホスゲ
ンおよび塩化水素と共に溶媒を留去する。酢酸エチルと
の共蒸留を繰返して、残存する痕跡量の酸を除去する。
【0019】粗イソシアネート[VII]に酢酸エチル
中、塩化第1銅またはフェニル水銀アセテートなどの触
媒の存在下、室温にてグリシドールを一夜加えて、オキ
シラニルメチル[3,5−ビス[[[2,3−ビス(アセチル
オキシ)プロピル]アミノ]カルボニル−2,4,6−トリ
ヨードフェニル]カルバメート[VIII]を得る。
【0020】グリシジルカルバメート[VIII]の塩基
性溶液を75℃で30分間加熱する。分子内閉環が起こ
り、水性メタノールより結晶化を行った後、単独生成物
として、N,N'−ビス[2,3−ビス(アセチルオキシ)プ
ロピル]−5−[4−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−
3−オキサゾリジニル]−2,4,6−トリヨード−1,3
−ベンゼンジカルボキサミド[IX]が得られる。
【0021】テトラアセテート[IX]をメタノール中、
ナトリウムメトキシドで処理して脱アセチル化した後、
Dowex−50(H+)樹脂で中和し、次いで活性炭で脱色
して、N,N'−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)−
5−[4−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−3−オキ
サゾリジニル]−2,4,6−トリヨード−1,3−ベンゼ
ンジカルボキサミド[X]を得る。この生成物を脱塩し、
さらに低圧逆相カラムクロマトグラフィーで精製する。
水または水性イソプロパノールより結晶化して、化合物
[X]を得る。
【0022】5位に置換基を有しない置換ピロリジン−
2−オン誘導体は、下記工程式に従って製造される。
【化55】
【化56】
【0023】前記工程式に記載の方法を用いて形成され
るアミド[XI]を、ω−ハロ−酸ハライドと反応させ
て、アニリド化合物[XII]を得た後、化合物[XII]
を閉環して、ピロリジン−2−オン[XIII]とする。
【0024】上記U.S.特許出願の複素環基がピペリ
ジン−2−オンである化合物は、以下の手順に従って製
造することができる。すなわち、化合物[XI]を適当な
溶媒(たとえばジメチルアセタミド)中、式:
【化57】 の適当に置換したブロモペンタノイルブロミド[XIV]
と反応させて、対応する式:
【化58】 のアニリド[XV]を得、これを適当な溶媒(たとえばジ
メチルアセタミド)中、炭酸カリウムなどの塩基で処理
すると、所望の式:
【化59】 のピペリジン−2−オン[XVI]が得られる。
【0025】化合物[XVI]のR5またはR6がヒドロキ
シまたはヒドロキシメチルであるとき、対応するアセテ
ートまたはエーテルとして保護し、最終的に通常の方法
で脱保護する。ピペリジン−2−オン環のハロゲン置換
基は、酢酸中の酢酸銀または適当な溶媒中の酢酸テトラ
エチルアンモニウムで処理して、アセチルオキシ基に変
換することができる。このアセテートをナトリウムメト
キシドの存在下、水性メタノール性水酸化ナトリウムま
たはメタノールで加溶媒分解すれば、R5および/また
はR6がヒドロキシまたはCH2OHである化合物[XV
I]が得られる。たとえば、式:
【化60】 のジブロモ−アニリド[XVII]を、式:
【化61】 の3−ブロモ−ピペリジン−2−オン[XVIII]に閉
環することができる。
【0026】ブロモ成分の化合物[XVIII]を上記の
方法に従って、アセテート、次いで対応ヒドロキシ化合
物に変換することができる。
【0027】化合物[XVII]の製造に用いる2,5−
ジブロモペンタノイルブロミドは、δ−バレロラクトン
を赤リンの存在下、ヨウ素で処理することにより製造さ
れる。2,5−ジブロモペンタノイルブロミドを化合物
[XI]と縮合して、化合物[XVII]を形成する。
【0028】複素環基(B)が結合した式[I]の三ヨウ化
フェニル誘導体は、下記式[XIX]で示される新規化合
物である。
【化62】 (式中、Rは水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキ
シ、ヒドロキシアルキルおよびアルコキシアルキルから
選ばれ;X1
【化63】 −S−または−O−;pは2〜5;R1
【化64】 2
【化65】 またはR2は−W−Zであってよく、ここでZは
【化66】 Wは結合基;R8
【化67】 またはヘテロシクロ;R9
【化68】 またはヘテロシクロ;R4,R5,R10およびR11は同一も
しくは異なって、水素、メチルまたは−CH2CH2
H;R6,R7,R12およびR13は同一もしくは異なって、
水素、
【化69】 −CH2CH2OH、
【化70】 またはWは−X−Y−X−;Xは
【化71】 Yは
【化72】 14およびR14'はH、アルキルまたはヒドロキシアル
キル;Aは単結合、−O−、−S−または−N−COR
14;nは0〜6である)
【0029】なお、上記定義においておよび本明細書を
通じて「アルキル」とは、炭素数1〜6の分枝鎖または直
鎖基を指称する。
【0030】式[XIX]の好ましい新規化合物は、X1
が酸素;pが3;Rがヒドロキシアルキル;R4およびR5
共に水素;およびR6およびR7が共にヒドロキシアルキ
ルである化合物である。
【0031】本発明の新規化合物にあって、最も好まし
いのは、式:
【化73】 の複素環基が
【化74】 4およびR5が共に水素;およびR6およびR7が共に
【化75】 の場合である。
【0032】本発明の新規化合物を製造するには、化合
物[XI]を中性溶媒(たとえばジメチルアセタミド)中、
式: XX CH2=CHCH2CH2COCl の4−ペンテノイルクロリド[XX]で処理して、対応す
る式:
【化76】 (式中、R1およびR2が活性官能基、たとえば−OH、
−SHおよびNHR基を含有する場合、R1およびR2
保護されることが理解される)のペンテノイルアニリド
[XXI]を得る。この最終生成物(保護体)は、公知の方
法で脱保護することができる。
【0033】なお、上記4−ペンテノイルクロリド[X
X]は、4−ペンテン酸から公知の方法で製造した[アッ
シャーの「Chem.Abs.」(50,1599),“イサン酸
およびイサノール酸の構造",589、222〜238、
1954参照]。
【0034】その後、化合物[XXI]を溶媒(たとえば
クロロホルム)中、N−ヨードスクシンイミドで処理し
て、式:
【化77】 の化合物[XXII]を得ることができる。
【0035】次いで化合物[XXII]を、酢酸銀/酢酸
で処理するアセトキシル化に付し、式:
【化78】 の化合物[XXVIII]を得る。
【0036】脱アセチル化、たとえば、ナトリウムメト
キシド/メタノールで処理して、式:
【化79】 の所望生成物[XIVa]を得る。
【0037】また化合物[XI]を好ましくは塩基または
ルイス酸触媒の存在下、式:
【化80】 (式中、Y1およびY2はそれぞれ独立して、HまたはO
H、LはClまたはBrなどの脱離可能基である)の化合
物と反応させて、式:
【化81】 の化合物[XIVb]を得ることができる。最も好ましく
は、ルイス酸触媒はAlCl3またはSnCl4である。
【0038】式:
【化82】 の複素環基を有する三ヨウ化フェニル化合物の具体例は
公知で、たとえばG.B.ホイらの「The Chemistry
of X−Ray Contrast Media(X線造影剤の化
学)」(1章、放射線造影剤、ソバーク編、ベルリン、ス
プリンガー−ベルラーグ、1984年)に開示されてい
る。十分に記載されたこの種の具体例は、式:
【化83】 のヨーガラミド(Iogalamide)(MP−10013)であ
る。
【0039】式:
【化84】 の複素環基を有する三ヨウ化フェニル化合物の具体例
は、U.S.特許No.4021481に見られ、この
U.S.特許には、式:
【化85】 (式中、RおよびR'はH、アルキルまたはヒドロキシア
ルキル;R"はアルキル、またはポリもしくはモノヒドロ
キシアルキルである)の化合物が記載されている。この
種の周知の化合物はメトリザミド(metrizamide)であ
る。
【0040】式:
【化86】 の複素環基を有する化合物の具体例も公知で、ネラーの
U.S.特許No.4066743に開示されている。
このU.S.特許には明確に、式:
【化87】 (式中、R1はヒドロキシメチルおよびR2はヒドロキシ
メチルまたはC14アルキルである)の化合物(およびそ
の製法)が開示されている。
【0041】結合基が複素環成分を有しない二量体は、
従来技術で十分に記載された方法によって製造される。
二量体の周知の具体例は、ヨートロラン(Iotrolan)お
よびヨーキサグル酸(Ioxaglic acid)である。
【0042】後記表1の結果から、本発明者が研究し
た、一般に用いられている非環式非イオン性造影剤の全
ては、0.2〜0.3範囲のAPTT指数を有すること
が明らかである。一方、上記(D)に属する複素環置換非
イオン性ヨウ化造影剤(NICM)であるメトリザミドの
APTT指数は0.8である。上記(A)および(B)に属
し、この特許に開示の新規複素環置換NICMは、0.
4〜2.6範囲のAPTT指数を有する。新しいNIC
Mの少なくとも2つは、イオン性NICMであるヨーキ
サグル酸およびジアトリゾン酸(そのAPTT指数はそ
れぞれ0.9および1.0)よりもAPTT指数が大き
い。複素環の中で、分枝したヒドロキシメチル置換基を
持つものは、APTT指数が0.3〜0.5の低い範囲
にある。ヒドロキシ置換体類はAPTT指数が0.6〜
0.8の中間範囲にあり、非置換類縁体のAPTT指数
は2.0〜2.6範囲の最高値である。
【0043】なお、表1に記載の化合物の構造式は以下
の通りである。イソビスト(Isovist)−240(Iotrolan)
【化88】 オプチレイ(Optiray)−320(ヨーバーゾール、Iove
rsol)
【化89】 オムニパーク(Omnipaque)−350(ヨーヘキソール、
Iohexol)
【化90】
【0044】イゾブエ(Isovue)−370(ヨーパミド
ール、Iopamidol)
【化91】 ウルトラビスト(Ultravist)−370(ヨープロミド、
Iopromide)
【化92】 3HM5−ヨーモルホール(Iomorphol)−A
【化93】
【0045】2HM5−ヨーピロール(Iopyrol)−A
【化94】 5HM−ヨーフロール(Iofurol)−A
【化95】 3H2−ヨーピロール−A
【化96】
【0046】3H2−ヨーピロール−S
【化97】 3H2−ヨーピペリドール(Iopiperidol)−A
【化98】 メトリザミド
【化99】
【0047】ヘキサブリックス(Hexabrix)−320(ヨ
ーキサグル酸/ヨーキサグレートナトリウム/ヨーキサ
グレートメグルミン)ヨーキサグル酸
【化100】 (そのナトリウムおよびメグルミン塩と併用)
【0048】レノグラフィン(Renografin)−76(ジア
トロゾエートメグルミン)
【化101】 2−ヨーピロール−A
【化102】 2−ヨーピペリドール−A
【化103】
【0049】
【0050】注1)他に特別な指示がない限り、全ての
測定は370mgI/ml濃度で行った。 注2)I=(Tc−Ts)/(Tr−Ts)、Tcは物質の血餅時
間、Tsは0.9%食塩水の血餅時間、およびTrはRen
ografin−76の血餅時間である。 注3)イオン性NICM
【0051】以上の構成から成る本発明組成物は、水可
溶のX線不透過性化合物が必要とされるほとんどの適用
分野で、たとえば脈管造影、尿路造影、関節造影での使
用、並びに脳脊髄液を含有する体腔の視覚化に好適であ
る。本発明で用いる化合物は、水溶液の粘度を増大する
添加剤を配合することにより、気管支造影や子宮卵管造
影に対し有利に使用することができる。
【0052】本発明の式[XIX]のX線不透過性化合物
は特に、心臓血管系の視覚化、たとえば冠血管造影、お
よび脳血管造影の水性組成物の有効成分として使用でき
る。これらの化合物はイオン性が故に、脊髄脳液を含有
する体腔の視覚化、たとえば神経根造影、脳室造影およ
び脊髄造影に適する。
【0053】上記適用への水性組成物は、本発明の新規
な複素環含有化合物もしくはその他本明細書に開示の従
来化合物の1種、または個々の化合物が極めて純粋であ
れば2種以上を含有するよう配合することができる。
【0054】本発明のX線不透過性組成物は、100ml
当り15g以上の化合物(50〜約500mgのヨウ素/ml
に相当)を含有する水溶液である。より濃度の高い溶液
が概して好ましく、また一般的に公知でかつ視覚化が意
図される体腔に応じて選ばれた方法で適用される。脈管
造影において、溶液を脈管、特に血管へ注射または注入
する。尿路造影では、静脈注射を用いる。脊髄造影や神
経根造影の場合、腰椎穿刺あるいは後頭下穿刺の後に溶
液を点滴注入する。溶液の必要量は一般に、脊髄造影で
5〜15ml、神経根造影で3〜5ml、および脳室造影で
1〜2mlである。
【0055】また本明細書に記載の新規造影剤の溶液ま
たは懸濁液も投与しうる。懸濁液の場合、1〜100ミ
リモルの造影剤を、1〜2lの生理的に適合する担体液
に懸濁したものが適当である。
【0056】有効成分として本発明の新規化合物を含有
するX線造影剤組成物は、塩形成成分あるいは溶解補助
成分を全く必要としないことから、極めて簡単に製造さ
れる。後記実施例の新規化合物のいずれか1種を無菌条
件下で、所定量の再蒸留水に溶解し、次いで得られる溶
液を容易にバイアルへ収容し、殺菌する。この化合物
は、通常の殺菌温度での殺菌時間(120℃×30分ま
たは100℃×60分)では分解しない。
【0057】本明細書に記載の新しい複素環をベースと
する非イオン性造影剤は、一般に入手しうる造影剤では
見られない改良した特長を有する。すなわち、その優れ
た安定性特性は、オートクレーブ処理による配合物の殺
菌中に有機緩衝剤または二酸化炭素飽和を使用する必要
を排除する。
【0058】本明細書に記載の新しい複素環をベースと
する非イオン性造影剤は、血管造影や尿路造影において
重要な因子である、耐性、安定性、重量オスモル濃度、
粘度等に関するすばらしい性質を有することがわかる。
【0059】さらに、これらの式[XIX]の新規複素環
式非イオン性造影剤、および複素環基(A)、(B)、
(C)、(D)または(E)(その二量体を含む)を有する三ヨ
ウ化フェニル化合物の全ては、標準非イオン性造影剤
(たとえばヨーパミドール、ヨーヘキソールまたはヨー
バーゾール)と同等もしくはそれより大なる抗凝血性を
有することが認められ、また新規複素環式造影剤の幾種
かは、イオン性造影剤(たとえばジアトリゾン酸または
ヨーキサグル酸)と同等もしくはそれより大なる抗凝血
性を有する。すなわち、本発明によれば、血餅形成が問
題となる場合においてその血餅形成の危険を緩和するこ
とができる。
【0060】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。 実施例1 [N,N'−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)]−5−
[(ジヒドロ−5−(ヒドロキシメチル)−2(3H)−フラ
ニリデン]アミノ]−2,4,6−トリヨード−1,3−ベ
ンゼンジカルボキサミドの製造:− A.N,N'−ビス[2,3−ビス(アセチルオキシ)プロピ
ル]−2,4,6−トリヨード−5−[(1−オキソ−4−
ペンテノイル)アミノ]−1,3−ベンゼンジカルボキサ
ミド ジメチルアセタミド(150ml)中の5−アミノ−N,N'
−ビス[2,3−ビス(アセチルオキシ)プロピル]−2,
4,6−トリヨード−1,3−ベンゼンジカルボキサミド
(21.8g、25ミリモル)の撹拌溶液に室温にて、4
−ペンテノイルクロリド(7.44g、62ミリモル)を
加え、混合物を16時間撹拌する。ジメチルアセタミド
を減圧除去し、残渣を酢酸エチル(250ml)に溶解す
る。溶液を水性重炭酸ナトリウム(10%、100ml)お
よび水(100ml×2)で洗う。有機層を乾燥し、溶媒を
除去して粗生成物をオフホワイト固体で得る。さらに酢
酸エチル(250ml)とヘキサン(50ml)の混合物より結
晶化して精製し、標記A化合物を得る(21.3g)。m.
p.225〜227℃、TLC(酢酸エチル中),Rf=
0.50。 マススペクトル:m/Z956(M+H)+、830、65
3 元素分析(C27323311として) 計算値:C33.95、H3.38、I39.85、N
4.40、O18.42 実測値:C33.94、H3.24、I39.68、N
4.30
【0061】B.N,N'−ビス[2,3−ビス(アセチル
オキシ)プロピル]−5[[ジヒドロ−5−(ヨードメチル)
−2(3H)−フラニリデン]アミノ]−2,4,6−トリヨ
ード−1,3−ベンゼンジカルボキサミド クロロホルム(300ml)中の上記A化合物(14.3g、
15ミリモル)の溶液に、N−ヨードスクシンイミド
(4.48g、2ミリモル)を加え、混合物を50℃で1
時間加熱する。この反応の進行を、TLCおよび逆相H
PLCの両方で監視する。1時間後に反応の終了が認め
られる。クロロホルムを留去し、得られる残渣を酢酸エ
チル(30ml)に溶解する。得られる溶液を水(100m
l)、水性チオ硫酸ナトリウム(25%、50ml×2)、お
よび水(100ml×2)で連続的に洗う。有機層を乾燥
し、溶媒を除去して生成物を淡黄色ガラス状固体で得る
(16.6g)。この粗生成物をさらに、シリカゲル(20
0g、長さ45cmカラム)にて、溶離剤として酢酸エチル
を用い、50ml画分を集めるカラムクロマトグラフィー
に付して精製する。純生成物を含有する画分をコンバイ
ンし、溶媒を除去して標記B化合物をガラス状固体で得
る(13.0g)。TLC(酢酸エチル中),Rf=0.4
7。 マススペクトル:m/Z(M+H)+1082、907、7
81 元素分析(C27314311として) 計算値:C30.19、H2.94、I46.57、N
3.86、O16.44 実測値:C30.15、H2.77、I46.25、N
3.72
【0062】C.5−[[5−[(アセチルオキシ)メチル]
ジヒドロ−2(3H)−フラニリデン]アミノ]−N,N'−
ビス(アセチルオキシ)プロピル]−2,4,6−トリヨー
ド−1,3−ベンゼンジカルボキサミド 氷酢酸(165ml)中の上記B化合物(16.32g、15
0ミリモル)の溶液に、酢酸銀(10.01g、600ミ
リモル)を加え、混合物を80℃で16時間撹拌する。
不溶物質を濾去し、酢酸を60℃で減圧除去し、残渣を
酢酸エチル(200ml)に溶解し、得られる溶液を水(1
00ml)、水性重炭酸ナトリウム(200ml)および水(1
00ml)で連続的に洗う。酢酸エチル層を乾燥し、溶媒
を除去して粗生成物を赤色固体で得る。シリカゲルに
て、25%ヘキサン/酢酸エチルから10%ヘキサン/
酢酸エチルに変化する溶剤勾配を用いるカラムクロマト
グラフィーで精製して、純粋な標記C化合物を明ピンク
色ガラス状固体で得る(13.2g)。TLC(酢酸エチル
中),Rf=0.35。 マススペクトル:m/Z(M+H)+1014、888、8
39、713 元素分析(C29343313として) 計算値:C34.37、H3.38、I37.57、N
4.15、O20.53 実測値:C34.37、H3.53、I37.88、N
4.17
【0063】D.[N,N'−ビス(2,3−ジヒドロキシ
プロピル)]−5−[[ジヒドロ−5−(ヒドロキシメチル)
−2(3H)−フラニリデン]アミノ]−2,4,6−トリヨ
ード−1,3−ベンゼンジカルボキサミド メタノール(150ml)中の上記C化合物(22.3g、2
2ミリモル)の溶液を、ナトリウムメトキシド(23ミリ
モル)/メタノール(16ml)で処理し、混合物を室温で
3時間撹拌する。この時間後に、イオン交換樹脂ダウエ
ックス(Dowex)−50(H+)で溶液のpHを6に調整す
る。この樹脂を濾去し、メタノールを減圧除去し、得ら
れる残渣を水(150ml)に溶解し、次いで脱色する活性
炭で3回処理し(1g×3)、濾過し、溶媒除去して粗生
成物をベージュ色ガラス状固体で得る(17.50g)、
HPLC分析により、この物質の純度97.7%が認め
られる。この生成物(17.50g)をさらに、非イオン
性CHP−20樹脂を用い、かつ溶離剤として水性エタ
ノールを用いる逆相カラムクロマトグラフィーで精製す
る。所望の生成物を無色ガラス状固体で得る(15.9
5g)。この物質1.00gを温ブタノール(30ml)より
結晶化して、標記化合物を無色針状晶で得る(970m
g)。TLC(酢酸エチル/メタノール=7:3中),Rf=
0.3。 マススペクトル:m/Z(M+H)+804、713、58
7 元素分析(C1924333・0.85H2Oとして) 計算値:C27.88、H3.16、I46.52、N
5.14、O15.64 実測値:C28.03、H2.99、I46.35、N
4.92、H2O1.87
【0064】実施例2 5−[[ジヒドロ−5−(ヒドロキシメチル)−2(3H)−
フラニリデン]アミノ]−N,N'−ビス[(2−ヒドロキ
シ)−1−(ヒドロキシメチル)エチル]−2,4,6−トリ
ヨード−1,3−ベンゼンジカルボキサミドの製造:− A.N,N'−ビス[2−(アセチルオキシ)−1−[(アセ
チルオキシ)メチル]エチル]−2,4,6−トリヨード−
5−[(1−オキソ−4−ペンテニル)アミノ]−1,3−
ベンゼンジカルボキサミド ジメチルアセタミド(400ml)中のN,N'−ビス[2−
(アセチルオキシ)−1−[(アセチルオキシ)メチル]エチ
ル]−5−アミノ−2,4,6−トリヨード−1,3−ベン
ゼンジカルボキサミド(47.75g、50ミリモル)の
撹拌溶液に室温にて、4−ペンテノイルクロリド(1
1.9g、100ミリモル)を加え、混合物を16時間撹
拌する。ジメチルアセタミドを減圧除去し、残渣を酢酸
エチル(600ml)に溶解する。溶液を水性重炭酸ナトリ
ウム(10%、150ml×2)、水(100ml×2)および
塩水(150ml)で洗う。有機層を乾燥し、溶媒除去して
粗生成物をオフホワイト固体で得る。さらにアセトン
(250ml)とヘキサン(75ml)の混合物より結晶化して
精製し、標記A化合物を得る(42.5g)。m.p.16
2〜164℃、TLC(酢酸エチル中),Rf=0.55。 マススペクトル:m/Z956(M+H)+、830、65
3 元素分析(C27323311として) 計算値:C33.95、H3.38、N4.40、I3
9.85 実測値:C33.93、H3.18、N4.22、I3
9.84
【0065】B.N,N'−ビス[2−(アセチルオキシ)
−1−[(アセチルオキシ)メチル]エチル]−5−[[ジヒ
ドロ−5−(ヨードメチル)−2(3H)−フラニリデン]
アミノ]−2,4,6−トリヨード−1,3−ベンゼンジカ
ルボキサミド クロロホルム(200ml)中の上記A化合物(9.55g、
10ミリモル)の溶液に、N−ヨードスクシンイミド
(4.48g、20ミリモル)を加え、混合物を50℃で
1時間加熱する。この反応の進行を、TLCおよび逆相
HPLCの両方で監視する。1時間後に、反応の終了が
認められる。クロロホルムを留去し、得られる残渣を酢
酸エチル(200ml)に溶解し、得られる溶液を水(10
0ml)、水性チオ硫酸ナトリウム(25%、50ml×
2)、および水(100ml×2)で連続的に洗う。有機層
を乾燥し、溶媒除去して生成物を淡黄色ガラス状固体で
得る(10.2g)。この粗生成物をさらに、シリカゲル
(200g)にて、溶離剤として酢酸エチル/ヘキサン
(7:3)混合物を用いるカラムクロマトグラフィーに付
して精製し、標記B化合物をガラス状固体で得る(8.
5g)。m.p.126〜130℃(泡立つ)、145〜15
0℃(分解)。 元素分析(C27314311として) 計算値:C29.99、H2.91、N3.89、I4
6.95 実測値:C30.04、H2.81、N3.77、I4
7.05
【0066】C.N,N'−ビス[2−(アセチルオキシ)
−1−[(アセチルオキシ)メチル]エチル]−5−[[5−
[(アセチルオキシ)メチル]−ジヒドロ−2(3H)−フラ
ニリデン]アミノ]−2,4,6−トリヨード−1,3−ベ
ンゼンジカルボキサミド 氷酢酸(100ml)中の上記B化合物(7.5g、6.93
ミリモル)の溶液に、酢酸銀(3.34g、20ミリモル)
を加え、混合物を80℃で16時間撹拌する。不溶物質
を濾去し、酢酸を60℃で減圧除去し、残渣を酢酸エチ
ル(250ml)に溶解し、得られる溶液を水(100ml)、
水性重炭酸ナトリウム(100ml)および水(100ml)で
連続的に洗う。酢酸エチル層を乾燥し、溶媒除去して粗
生成物を赤色固体で得る。この粗物質をシリカゲル(2
00g、長さ250cmカラム)にて、25%ヘキサン/酢
酸エチルから10%ヘキサン/酢酸エチルに変化する溶
剤勾配で溶離するクロマトグラフィーに付して、標記C
化合物をピンク色ガラス状固体で得る(5.5g)。m.
p.172〜175℃。 元素分析(C29343313として) 計算値:C34.37、H3.38、N4.15、I3
7.57 実測値:C34.22、H3.50、N4.06、I3
7.82
【0067】D.5−[[ジヒドロ−5−(ヒドロキシメ
チル)−2(3H)−フラニリデン]アミノ]−N,N'−ビ
ス[(2−ヒドロキシ)−1−(ヒドロキシメチル)エチル]
−2,4,6−トリヨード−1,3−ベンゼンジカルボキ
サミド メタノール(50ml)中の上記C化合物(2.7g、2.6
6ミリモル)の溶液を、ナトリウムメトキシド(2.6ミ
リモル)/メタノール(6ml)で処理し、混合物を室温で
3時間撹拌する。この時間後に、イオン交換樹脂Dowex
−50(H+)で溶液のpHを6に調整する。この樹脂を濾
去し、メタノールを減圧除去し、得られる残渣を水(1
50ml)に溶解し、次いで脱色する活性炭(0.3g)で3
回処理し、濾過し、溶媒除去してベージュ色ガラス状固
体を得る(2.1g)。この生成物をさらに、非イオン性
CHP−20樹脂を用い、かつ溶離剤として水性エタノ
ールを用いる逆相カラムクロマトグラフィーで精製し
て、純粋な標記化合物を得る(1.85g)。m.p.20
8〜210℃(軟化)、258〜262℃(泡立つ)、28
5〜289℃(分解)。 元素分析(C1924338・0.6H2Oとして) 計算値:C28.04、H3.12、N5.16、I4
6.58 実測値:C28.15、H3.28、N5.21、I4
6.78、H2O1.32
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 207/26 7019−4C 223/12 A 229/00 233/38 239/06 8615−4C 239/10 8615−4C 241/08 8615−4C 243/04 243/08 263/20 265/32 277/14 9051−4C 279/06 9284−4C 279/12 9284−4C 281/00 9284−4C 281/02 9284−4C 281/06 9284−4C 281/18 9284−4C 305/08 305/10 307/30 309/14 7729−4C 309/28 7729−4C 313/04 7729−4C (72)発明者 マイケル・エフ・ツイードル アメリカ合衆国ニュージャージー州プリン ストン、ライブラリー・プレイス72番 (72)発明者 ポール・ダブリュー・ウェデキング アメリカ合衆国ニュージャージー州ヒルズ バロー、コーンウォール・コート610番 (72)発明者 ラダクリシュナ・ピライ アメリカ合衆国ニュージャージー州ケンダ ル・パーク、ドナルド・アベニュー39番

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗凝血性を有する非イオン性造影剤およ
    び医薬的に許容しうる担体から成り、非イオン性造影剤
    が複素環基を有する三ヨウ化フェニル化合物であること
    を特徴とする診断処置での血餅形成危険の緩和用組成
    物。
  2. 【請求項2】 複素環基を有する三ヨウ化フェニル化合
    物が、式: 【化1】 の基またはその2量体を包含し、複素環基が下記式(A)
    〜(E): 【化2】 【化3】 【化4】 の基の群から選ばれ、RおよびR'がそれぞれ独立し
    て、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロ
    キシアルキルまたはアルコキシアルキル;X1が 【化5】 −S−または−O−;X2がX1または−CH2−;mが1〜
    4またはX2が−CH2−のときmが0〜4;nが0〜3;p
    が2〜5;qおよびrがそれぞれ独立して1または2;およ
    びsが2〜5である請求項1に記載の緩和用組成物。
  3. 【請求項3】 複素環基を有する三ヨウ化フェニル化合
    物が、式: 【化6】 (式中、R1は 【化7】 2は 【化8】 3はヘテロシクロ;またはR2は−W−Zであってよ
    く、ここでZは 【化9】 Wは結合基;R8は 【化10】 またはヘテロシクロ;R9は 【化11】 またはヘテロシクロ;R4,R5,R10およびR11は同一も
    しくは異なって、水素、メチルまたは−CH2CH2
    H;R6,R7,R12およびR13は同一もしくは異なって、
    水素、 【化12】 −CH2CH2OH、 【化13】 またはWは−X−Y−X−;Xは 【化14】 Yは 【化15】 14およびR14'はH、アルキルまたはヒドロキシアル
    キル;Aは単結合、−O−、−S−または−N−COR
    14−;nは0〜6である)で示される請求項1記載の緩和
    用組成物。
  4. 【請求項4】 R3が0〜2個のヒドロキシ基を有し、
    1とR2が合せて3〜4個のヒドロキシ基を有する請求
    項3記載の緩和用組成物。
  5. 【請求項5】 式: 【化16】 (式中、Rは水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキ
    シ、ヒドロキシアルキルおよびアルコキシアルキルから
    選ばれ;X1は 【化17】 −S−または−O−;pは2〜5;R1は 【化18】 2は 【化19】 またはR2は−W−Zであってよく、ここでZは 【化20】 Wは結合基;R8は 【化21】 またはヘテロシクロ;R9は 【化22】 またはヘテロシクロ;R4,R5,R10およびR11は同一も
    しくは異なって、水素、メチルまたは−CH2CH2
    H;R6,R7,R12およびR13は同一もしくは異なって、
    水素、 【化23】 −CH2CH2OH、 【化24】 またはWは−X−Y−X−;Xは 【化25】 Yは 【化26】 14およびR14'はH、アルキルまたはヒドロキシアル
    キル;Aは単結合、−O−、−S−または−N−COR
    14;nは0〜6である)で示される化合物。
  6. 【請求項6】 X1が酸素;pが3;Rがヒドロキシアルキ
    ル;R4およびR5が共に水素;およびR6およびR7が共に
    ヒドロキシアルキルである請求項5記載の化合物。
  7. 【請求項7】 式: 【化27】 の複素環基が 【化28】 4およびR5が共に水素;およびR6およびR7が共に 【化29】 である請求項5記載の化合物。
  8. 【請求項8】 R6およびR7が共に 【化30】 である請求項5記載の化合物。
  9. 【請求項9】 [N,N'−ビス(2,3−ジヒドロキシプ
    ロピル)]−5−[[ジヒドロ−5−(ヒドロキシメチル)−
    2(3H)−フラニリデン]アミノ]−2,4,6−トリヨー
    ド−1,3−ベンゼンジカルボキサミドである請求項5
    記載の化合物。
  10. 【請求項10】 5−[[ジヒドロ−5−(ヒドロキシメ
    チル)−2(3H)−フラニリデン]アミノ]−N,N'−ビ
    ス[(2−ヒドロキシ)−1−(ヒドロキシメチル)エチル]
    −2,4,6−トリヨード−1,3−ベンゼンジカルボキ
    サミドである請求項5記載の化合物。
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