JPH05220899A - 人工木板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 積層構造を木口面に露出させることによって
縞模様を表し縁飾りするようにした人工木板を提供する
こと。 ［構成］ 色違いにするか若しくは明暗の差を付けた硬
質の繊維質製単板１と合成樹脂製単板２を交互に複数枚
積層し、これを一体に接着成層してなる人工木板。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、テーブルやカウンター
の天板、或いは飾り棚の棚板や仕切り板等に使用される
人工木板に関する。

【０００２】

【従来の技術】テーブルやカウンターの天板、或いは棚
板等に使用されている板材の多くは合成材であって、こ
とに近時の素材の多くは発泡ウレタンや発泡スチロール
を芯材に使用してその表面に化粧合板を添わせ多層に積
層させたもの、或いは上記発泡樹脂板に代えてハニカム
コアを使用し強度を付与しながら軽量化を図ったもの等
多種に亘って提供されている。これら人工の板材は天然
材の不足を補う一方、狂いが少ないこと、強度に優れる
こと、更に廉価に提供できることなどから多くの需要が
あり、その製造技術も急速な進歩を示している。しか
し、これら人工木板は積層構造を基本とすることから天
板や棚板として使用する場合には板内部の露出を防ぐた
め何らかの方法で木口面を被覆する必要がある。従来、
この場合の一般的な処理方法として木口面に沿って例え
ば合成樹脂製の縁材を接着剤等を使って貼着し、積層状
態や内部の空洞状態を被覆する方法、或いは積層板の周
縁に溶融した合成樹脂液を流して固化させ被覆する方法
等が広く実用化されているが、縁材が剥離する問題、板
自体の形状、大きさが予め特定されることや、用途によ
って使用が制約される等の問題があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする問題点】本発明は、上述従来
の人工木板、特にテーブルの天板や棚板に使用される化
粧合板の木口面の処理についての問題点に鑑み、これを
本質的に改善するため研究開発されたものである。即
ち、前述するように従来の人工木板は所要の板厚と剛性
を得るため芯材にチップボードやハニカムコアを使用
し、これの表面に化粧板を貼着して天然木材の外観とし
たり、着色，模様付けによって装飾し、また周縁部につ
いては縁材等を貼着して内部の露出を防止し人工木板の
体裁を整えるようにしていたが、本発明は人工木板の構
成体に改良を施して所要の板厚，剛性を得ながら芯部分
を含む全体の構造を露出させ、これを模様として装飾効
果を発揮させるようにした人工木板を提供せんとするも
のである。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】即ち、本発明は、木板
自体を複数枚の単板を積層させた積層構造体としてその
積層構造をそのまま木口面に露出させることによって装
飾性の高い、しかも加工性に優れ且つ所要の強度を有し
た人工木板を提供せんとするものであって、その特徴と
するところは着色した或いは明暗の差を付けた合成樹脂
製の単板と、硬質のチップボード等の繊維質製の単板と
を交互に積層し、これらを接着剤を介して一体に接着成
層した人工木板を提供することにある。

【０００５】更にこれを詳述すると、本発明は着色又は
明暗の差を付けた複数枚の合成樹脂製単板と複数枚の硬
質繊維製単板とを交互に積層し接着固定することによっ
て板材に形成し、所要の強度を得る一方、積層状態を木
口面に露出させて縞模様を発現させ、板の縁部を自動的
に装飾できるようにした人工木板を提供せんとするもの
である。

【０００６】本発明の人工木板は積層する単板の板厚を
均一に揃えることによって断面の縞模様を均一に揃えら
れる外、各単板の板厚に差を付けることによって、或い
は着色を変え、明暗の差を付けることによって縞模様に
変化を付けることができるもので様々な模様を発現させ
ることができるものとなっている。更に成層する合成樹
脂製単板に発泡ポリスチロールや発泡ポリウレタン等の
発泡合成樹脂板を用いることによつて軽量化を図ること
ができる一方、この合成樹脂板を硬質繊維質単板で挟持
することによって合成樹脂板を補強しつつ強度を付与
し、所要強度の板材とすることができるものとなってい
る。

【０００７】尚、合成樹脂製単板と繊維製単板との積層
に当たっては木板自体の両表面に繊維製単板を配置し軟
弱な合成樹脂製単板、ことに発泡合成樹脂製単板を被覆
し表面を保護するようにするとよく、堅牢な板材を得る
ことができる。

【０００８】

【作 用】上記本発明に係る人工木板によれば、上述の
構成から積層形成される各単板が木口面に積層した状態
のまま露出することから板の全周に亘って均一な縞模様
が発現する一方、単板自体に任意の着色を施した場合に
は色を違えた縞模様が、また明暗の差を付けた場合には
そのままの差を付けた縞模様がそれぞれ表現されると同
時に、この人工木板は全体が積層構造に係ることから周
縁部の外、板の任意の場所を切り取っても同一の縞模様
が現れることになる。次に本発明を図示する実施例につ
き詳述することにする。

【０００９】

【実施例】図１は本発明に係る人工木板の斜視図であ
り、１は硬質の繊維質製の単板、ここではチップボード
製の単板であり、２は発泡樹脂製の単板である。両単板
１、２は交互に積層され、各層間に接着剤を介挿して一
体に接着成層される。図示するように木板の両表面には
硬質の繊維質製単板１を配して軟質の単板２を保護する
と同時に木板自体の表面剛性を出すようにしてある。

【００１０】繊維質製の単板として前述したようにチッ
プボード製の単板を用いているが、発泡樹脂製の単板に
ついては発泡スチロール樹脂、発泡ウレタン樹脂等の単
板が適している。これらの単板は木板の用途に応じて板
厚が選択されることになるが、実験の結果では３〜５ｍ
ｍ厚の単板が適当であり、通常のテーブル等の天板素材
とする場合には５〜７枚の単板を積層したものがよい。

【００１１】図２は上記２種の単板１、２を交互に７枚
積層した他の実施例を示したもので、この場合も両表面
に硬質の繊維質製単板１が配置されるようにして木板の
表面を堅牢なものとしている。

【００１２】ところで、チップボード等繊維質製の単板
１については素材の地色をそのまま使用してもよく、ま
た合成樹脂製単板２については着色して使用するとよ
い。ことに、発泡合成樹脂板については着色が容易であ
ることと同時に、この単板間に介挿される繊維質製単板
は一般に地色が暗色であるため、この地色を基調に色を
選択することによって積層断面の縞模様を自由に、しか
も容易に選ぶことができる。また、複数枚の単板１、２
を積層してなる木板は表面に硬質な繊維質製単板を配す
ることで表面の剛性を確保することができるが、更にこ
の表面に化粧板若しくは化粧シートを貼り合わせて装飾
し、保護するようにしてもよい。尚、図中３は上記得ら
れた人工木板をテーブルの天板としたとき、この天板に
コップ若しくは清涼飲料水の瓶、或いは缶を保持するた
め板を貫通して穿った保持部である。

【００１３】本発明人工木板は上述の様に構成されるも
ので、木板全体が繊維質製と合成樹脂製の各単板の交互
の積層によって形成され、しかも各単板が色彩、若しく
は明暗を異にすることから、その木口面は層をなした縞
模様を呈するものであり、それ自体によって装飾性に優
れたものとなる。従って、本発明人工木板によれば、こ
の木板の木口面を露出させたままにおいて美感を呈する
ものであることから、従来の人工木板のように木口面に
縁材を接着して被覆装飾する必要がなく、そのまま例え
ばテーブルの天板として使用が可能である。しかも、木
板の全体が積層体であり、断面の縞模様がいずれの部分
においても等しく現れることから前記した如く貫通状の
穴を穿って保持部３を形成したとき、ここに縁部と共通
した縞模様が現れることになる。また、木板の全体が積
層体であって切断面が共通の縞模様となることから天板
の外形を円形や矩形にした場合はもとより、周縁部の木
口面を任意曲線に沿った曲面に形成した場合でも同一の
縞模様がその全面に現れることになる。

【００１４】

【発明の効果】以上本発明を図示する実施例に基づき詳
述したが、本発明人工木板は木板の全体に亘って複数枚
の色彩を異にした、或いは明暗に差を付けた繊維質製の
単板と合成樹脂製の単板との積層体からなることから、
木口面の全面に積層に沿った一定の縞模様が現れこれが
装飾効果を発揮することから従来の人工木板のような縁
材を粘着するような後加工を要せず美麗な化粧合板を提
供することができる。そして、本発明人工木板はいずれ
の個所で切断しても木口面には同一の縞模様が現れるの
で、天板等の場合従来の人工木板製の天板においては不
可能であった自由な曲線をもった縁部に形成することが
可能であり、変化に富んだテーブル等の天板が提供でき
る。また、これに併せて切断面をそのまま縁部とするこ
とができ、縁材によって被覆装飾する必要がないので木
口面を平面とするほかに、断面が凹凸の弧状面を呈する
曲面に形成することも可能であり、しかもこの弧状面に
することによって木口面に露出する各単板の幅に変化を
付けることができるため一層変化に富んだ天板を提供す
ることができる。そして更に本発明木板においては、発
泡合成樹脂製単板の両面に硬質の繊維質製単板を積層し
て保護すると共に、強度を付与する構造としたことから
剛性にすぐれた木板が得られ、また木板自体の両表面に
上記繊維質製単板が配されて保護する構造になっている
ことから特に板の表面に化粧板等を貼付するなどの処理
を要することなくそのまま使用できる利点がある。勿
論、本発明化粧合板は別体の縁飾りを付けることがない
ので外観を損ねることもなく有効である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る人工木板の斜視図。

【図２】その他の実施例における人工木板の斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 硬質の繊維質製の単板 ２ 合成樹脂製の単板

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 硬質繊維質製単板と合成樹脂製単板を交
   互に積層し一体に接着してなることを特徴とした人工木
   板。
2. 【請求項２】 請求項１の記載において、硬質繊維質製
   単板はチップボードであることを特徴とした人工木板。
3. 【請求項３】 請求項１の記載において、合成樹脂製単
   板は発泡樹脂製単板であることを特徴とした人工木板。
4. 【請求項４】 請求項１の記載において、硬質繊維質製
   単板と合成樹脂製単板を交互に積層してなる積層板は両
   表面が硬質繊維質製単板であることを特徴とした人工木
   板。
5. 【請求項５】 請求項１の記載において、硬質繊維質製
   単板と合成樹脂製単板は色彩を違えるか若しくは明暗に
   差を付けることを特徴とした人工木板。