JPH0522038U - スパイダレス円錐式旋動破砕機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヘッドキャップの寿命の長いスパイダレス円
錐式旋動破砕機 【構成】 破砕機の主軸21の先端部を投入原石から保護
するヘッドキャップ24の頂部に、ヘッドキャップ頂部の
外径より大きい、底部を逆円錐台状に面取り４した円盤
状の耐摩耗性のゴム製ライナ１を固着したスパイダレス
円錐式旋動破砕機。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、岩石破砕時の投入原石によるヘッドキャップの摩耗を軽減し、寿命 の長いスパイダレス円錐式旋動破砕機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

被破砕物を破砕する破砕機には種々の形式のものがあるが、その中にスパイダ レス円錐式旋動破砕機（以下、破砕機という）と呼ばれる形式のものがある。こ の破砕機は図２に示すように、原石はコンベアあるいはシュートによって破砕機 の上方から、破砕機に投入される。投入された原石は、回転する主軸21に取り付 けられたマントル22とコーンケーブリング23間で破砕される。

【０００３】 原石は破砕機の主軸21の上方から投入されるため、主軸21の上部はヘッドキャ ップ24で保護されている。このヘッドキャップ24は投入原石との擦り減り摩耗に よって、摩耗が非常に早く、ヘッドキャップの寿命が破砕機の生産性に大きく影 響している。したがって、ヘッドキャップの摩耗を防止するために、今日までい ろいろな工夫が行われている。

【０００４】 ヘッドキャップの摩耗防止策としては、ヘッドキャップの上部に鋼製のライナ を取り付け、ライナが摩耗した時点で、これを取り換えるようにしたものや、ヘ ッドキャップ24の上部に鋼製の原石受け25を設け、原石受け内の原石26でヘッド キャップ24の摩耗を防止するものなどがある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記した構成の破砕機は、短時間稼働では特に問題はないが、長時間 にわたる稼働になると以下のような問題が生じる。すなわち、鋼製のライナは長 時間の稼働で表面が摩耗し、また、鋼製の原石受けも長時間の稼働で、原石受け の側面が摩耗し、これらを取り換えるために破砕作業を停止しなくてはならず、 生産性低下の原因になっている。ちなみに、ヘッドキャップの寿命は鋼製ライナ を取り付けた場合は２〜６か月程度、原石受けを設けた場合は約３か月である。

【０００６】 本考案は、上記の問題点を解決するためになされたもので、ヘッドキャップの 頂部に耐摩耗性樹脂製のライナを固着することによって、ヘッドキャップの寿命 の長いスパイダレス円錐式旋動破砕機を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

スパイダレス円錐式旋動破砕機において、この破砕機の主軸の先端部を投入原 石から保護するヘッドキャップの頂部に、ヘッドキャップ頂部の外径より大きい 、底部を逆円錐台状に面取りした円盤状の耐摩耗性樹脂製のライナを固着してな るスパイダレス円錐式旋動破砕機である。

【０００８】

【作用】

ヘッドキャップの頂部に、円盤状の耐摩耗性樹脂製のライナを固着することに よって、原石による擦り減り摩耗を軽減することができる。すなわち、耐摩耗性 樹脂製のライナは樹脂弾性により原石の衝撃エネルギを吸収し、鋼製ライナおよ び原石受けと異なり、擦り減り摩耗を軽減することができる。したがって、ライ ナの取り換えまでの期間が長くなる。

【０００９】 また、円盤状の耐摩耗性樹脂製のライナの外径を、ヘッドキャップ頂部の外径 より大きくすることによって、原石投入時、原石が直接ヘッドキャップに当たる のを避け、ヘッドキャップの擦り減り摩耗を軽減することができる。

【００１０】 さらに、円盤状の耐摩耗性樹脂製のライナの底部を逆円錐台状に面取りするこ とによって、原石がヘッドキャップの頂部を越える高さまで投入された場合、円 盤状の耐摩耗性樹脂製のライナに下方から加わる力を逃がし、円盤状の耐摩耗性 樹脂製のライナがヘッドキャップの頂部から剥離するのを防止する。

【００１１】

【実施例】

実施例を図に基づいて説明する。 図１(a) は本考案のゴム製ライナをヘッドキャップの頂部に固着した状態を示 す図で、(b) はゴム製ライナをヘッドキャップの頂部に固着する手順を示す図で ある。

【００１２】 図中１はゴム製ライナで、ゴム製ライナ１は鋼板３の表面上に耐摩耗性ゴム２ を焼き付けたものである。ゴム製ライナ１の底部は面取り４が行われている。

【００１３】 ゴム製ライナ１は、バネ座金７を通した六角穴付ボルト６をゴム製ライナ１の 貫通穴５に通して、ヘッドキャップ24の頂部に設けたボルト穴８に鋼板３を締め つけ螺着することによって、ヘッドキャップ24の頂部に固着される。固着後、貫 通穴５にはゴム栓９をした。なお、六角穴付ボルト６には、締めつけ前に、ゆる み止めの嫌気性封着剤を塗布した。

【００１４】 このようにして、ヘッドキャップの頂部にゴム製ライナを固着した破砕機で、 原石の破砕を長時間行った。その結果、ゴム製ライナの外径をヘッドキャップの 外径よりも大きくしているため、原石投入時のヘッドキャップの摩耗はほとんど 無く、また、底部を面取りしているため、ゴム製ライナに下方から加わる力を逃 がし、六角穴付ボルトのゆるみ、折損もなくゴム製ライナのヘッドキャップ頂部 からの剥離もなかった。ゴム製ライナ１の摩耗は鋼製ライナおよび原石受けに比 べて少なく、寿命が延び、従来の２〜６か月に対して１年程度になった。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は、ヘッドキャップの頂部に、ヘッドキャップ頂部の外径より大きい、 底部を逆円錐台状に面取りした円盤状の耐摩耗性樹脂製のライナを固着したスパ イダレス円錐式旋動破砕機であって、本考案の破砕機を使用することによって、 ヘッドキャップの寿命が延び、長時間の破砕作業が可能となり、生産性が向上す る。

【図面の簡単な説明】

【図１】(a) は本考案のゴム製ライナをヘッドキャップ
の頂部に固着した状態を示す図で、(b) はゴム製ライナ
をヘッドキャップの頂部に固着する手順を示す図であ
る。

【図２】従来技術を説明する図である。

【符号の説明】

１…ゴム製ライナ、２…耐摩耗性ゴム、３…鋼板、４…
面取り、５…貫通穴、６…六角穴付ボルト、７…バネ座
金、８…ボルト穴、９…ゴム栓、21…主軸、22…マント
ル、23…コーンケーブリング、24…ヘッドキャップ、25
…原石受け、26…原石。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スパイダレス円錐式旋動破砕機におい
   て、この破砕機の主軸の先端部を投入原石から保護する
   ヘッドキャップの頂部に、ヘッドキャップ頂部の外径よ
   り大きい、底部を逆円錐台状に面取りした円盤状の耐摩
   耗性樹脂製のライナを固着してなることを特徴とするス
   パイダレス円錐式旋動破砕機。