JPH05220389A - アフィニティ分離用膜 - Google Patents

アフィニティ分離用膜

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JPH05220389A
JPH05220389A JP2537492A JP2537492A JPH05220389A JP H05220389 A JPH05220389 A JP H05220389A JP 2537492 A JP2537492 A JP 2537492A JP 2537492 A JP2537492 A JP 2537492A JP H05220389 A JPH05220389 A JP H05220389A
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JP
Japan
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membrane
immobilized
group
affinity separation
proa
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JP2537492A
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English (en)
Inventor
Tamami Koyama
珠美 小山
Akiko Watabe
明子 渡部
Soyao Moriguchi
征矢生 森口
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マトリックス単位量当りの吸着能および分離
能が優れた高性能アフィニティ分離用膜を得る。 【構成】 反応性の高いアミノ基、カルボキシル基ある
いは酸無水物などを多数有する特殊な結合基を用いてリ
ガンドを大量に固定化し、なおかつ分子鎖の長い結合基
を介して立体障害を除くことによりリガンドの性能を発
揮させる高性能アフィニティ分離用膜。 【効果】 本法により、従来のアフィニティ分離用膜が
有するリガンドの数倍量を固定化することが可能であ
る。さらに等量のリガンドを有するアフィニティ分離用
膜に関しても、当該法により調整したアフィニティ分離
用膜の性能は、従来法に比べて優れた分離能を有するこ
とが確認された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リガンドが高濃度にま
た効率的に固定化されたアフィニティ分離用膜に関す
る。
【0002】
【従来の技術】分離技術の一つとして、互いに特異的に
相互作用を及ぼし合う物質対の親和性を利用して分離精
製を行うアフィニティ分離技術があるが、これは例えば
生体物質をその生物学的特性を発揮する分子上のある特
定の化学構造を識別して精製する場合などに有効であ
る。このアフィニティ分離技術は液体クロマトグラフィ
ーの分野においてよく用いられるが、最近は膜にも応用
されるようになってきた。アフィニティ分離用膜は、水
に不溶性の多孔質膜(マトリックス)に結合基(スペー
サー)を結合させて活性支持膜とし、さらにスペーサー
にリガンドを結合させたものであり、このリガンドと互
いに相互作用を及ぼし合う物質の組合せを選択して吸着
分離操作を行う。前記アフィニティ分離用膜の主構成成
分である活性支持膜に望まれる性質としては、非特異的
吸着が少ないこと、リガンドの結合が容易であり固定化
可能容量が大きいこと、化学的に安定でpH域、塩濃度、
温度の広範な条件下で充分安定であること、充分な機械
的強度を有することおよび生物学的汚染に耐えることな
どが挙げられる。
【0003】上記性質を満たすべく、最近散見されるア
フィニティ分離用膜は様々な活性支持膜が工夫されてお
り、例えばセルロース、ナイロンおよびポリフッ化ビニ
リデン等をマトリックスとしたものを挙げることができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにマ
トリックスの多様化をはかることにより活性支持膜の性
能向上が試みられてきたが、特に固定化可能容量の大き
さに関してはいずれのマトリックスに於いてもほぼ一定
の水準にとどまり、上記一連のマトリックスの充分な性
能発揮を妨げる大きな要因となっているのは否めない。
したがって、さらなる性能アップを図るためにはリガン
ドの固定化量を大幅に増加させることが必要とされてい
る。またリガンドの固定化に伴う立体障害によって惹き
起こされる性能の低下を避けることも必要である。この
ようにマトリックス単位量当りのリガンド固定化量の増
加、固定化方法の改良を行うことにより、分離能、吸着
能の向上およびこれに伴う使用アフィニティ分離用膜量
減少による様々な経済的有利性等が期待されている。本
発明の目的は、従来のアフィニティ分離用膜の欠点を克
服して、リガンドの固定化可能容量が大きく、また固定
化に伴う立体障害による性能低下が改善されたアフィニ
ティ分離用膜を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記欠点を
克服する方法について種々研究した結果、反応性の高い
官能基を多数有する結合基を水に不溶性の多孔質膜に結
合させることによって活性支持膜とし、前記結合基を介
してリガンドを固定化させることにより、リガンドの固
定化量を大幅に増加させ、なおかつアフィニティ吸着の
際立体障害により惹き起こされるリガンドの性能の低下
を避けることを可能にし本発明をなすに至った。本発明
は、アミノ基、カルボキシル基、酸無水物から選ばれる
少なくとも1つの官能基を有する結合基を介して、水に
不溶性の多孔質膜にリガンドが共有結合により効率的に
固定化されたアフィニティ分離用膜にある。
【0006】本発明に用いられるマトリックスとして
は、水に不溶性の多孔質膜であって、リガンドを結合さ
せるに必要な結合基導入基を有すること以外に特に制限
はないが、一般的によく用いられているニトロセルロー
ス膜の他、多孔質膜を形成する代表的な合成ポリマーで
あるポリオレフィン、ポリスチレンまたは置換ポリスチ
レン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリ
デンなどを含むフッソ化ポリマー、ポリスルホン、ポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、
ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリメタクリレート、
ポリビニルアルコール、ポリウレタンおよびこれらの共
重合体などからなる膜等を例示することができる。
【0007】多孔質膜の大きさ、厚さなどの形状および
孔径は特に制限はないが、孔径については通常約0.001
〜100 μm 程度、好ましくは約0.1 〜50μm 程度の大き
さの平均孔径を有するものが望ましい。
【0008】本発明に用いられる結合基とは、反応性の
高い官能基を有する結合基であり(以下結合基(A)と
する)、これを用いることによってマトリックスにリガ
ンドを高濃度にまた効率的に固定化させることが可能に
なった。
【0009】結合基(A)としては、固定化を目的とす
るリガンドと結合し得る反応性の高い官能基を有するも
のであればよく、他に特に制限はない。結合基(A)の
有する反応性の高い官能基としては、アミノ基、カルボ
キシル基、酸無水物が挙げられる。例えば多数のアミノ
基を有する結合基(A)としてはポリアスパラギン酸、
ポリグルタミン酸、ポリリジンのような塩基性ポリアミ
ノ酸、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリエチ
レンイミンのようなポリアミン類などが挙げられる。カ
ルボキシル基を有する結合基(A)としてはポリグルタ
ミン酸、ポリアスパラギン酸、などの酸性ポリアミノ酸
等が挙げられる。酸無水物を有する結合基(A)として
は無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。尚、ここ
で用いられる無水マレイン酸共重合体は無水マレイン酸
とそれと重合しうるビニルモノマー、たとえば、メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニル
エーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、など
との共重合体を例示することができる。本共重合体に、
エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、フェニレン
ジアミン等のジアミン類を反応させて上記のアミノ基を
有する結合基を得ることもできる。また、適当な条件下
で加水分解することにより、カルボキシル基を有する結
合基を得ることもできる。結合基(A)の長さとしては
特に制限はないが、結合させるリガンドの大きさに応じ
た立体障害を除去し、さらにリガンドを高濃度に担持さ
せるため、原子数200 〜3000程度が望ましい。結合基
(A)に結合させる官能基の数は特に限定されないが、
結合基(A)1分子あたり3個以上が望ましい。
【0010】結合基(A)をマトリックスに結合させる
に際しては、マトリックスが有する水酸基等の結合基導
入基に直接反応させる方法と、従来のアフィニティ分離
用膜やアフィニティクロマトグラフィー用吸着担体の合
成によく用いられてきた二官能性結合基(以下結合基
(B)とする)をまずマトリックスに結合させた後結合
基(B)に結合基(A)を結合させる方法がある。これ
らの合成法は、例えば千畑一郎ら「実験と応用 アフィ
ニティクロマトグラフィー」(講談社、1980)およ
び本願出願人の出願特許(特願平3−125477号、
特願平3−194734号参照)などに記載された方法
を用いて容易に行うことが出来る。
【0011】結合基(B)としては、マトリックスおよ
び結合基(A)とそれぞれ結合可能な官能基を有するも
のであればよい。例えば、結合基(B)が有する官能基
としてはエポキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドラ
ジノ基、カルボキシル基、ホルミル基等が例示される。
具体的には例えばエポキシ基あるいはハロゲン原子を有
する結合基(B)としては、エピクロルヒドリンのよう
なエピハロヒドリン類、1,4-ブタンジオールジグリシジ
ルエーテルのようなジグリシジルエーテル類、1,7-オク
タジエンジエポキシドのようなジエポキシド類等があげ
られる。これらはマトリックス上の水酸基とアルカリ条
件下で速やかに反応しエポキシ変性支持膜あるいはハロ
ゲン変性支持膜を与える。また、得られたエポキシ変性
支持膜は、アンモニア、ヒドラジン、あるいはプロパン
ジアミンのようなジアミノアルカン類等と反応させるこ
とによりアミノ基あるいはヒドラジノ基を有するアミノ
変性支持膜あるいはヒドラジノ変性支持膜を、またアミ
ノ酪酸のようなアミノカルボン酸類と反応させることで
カルボキシル変性支持膜を、また、エポキシ基を加水分
解し過ヨウ素酸酸化を行うことでホルミル変性支持膜を
与える。また、アミノ変性支持膜は、無水コハク酸のよ
うな酸無水物と反応させることによりカルボキシル変性
支持膜とすることもできる。なお、結合基(B)の長さ
としては、特に制限はないが、原子数3 〜30程度が望ま
しい。
【0012】マトリックス−結合基(A)あるいはマト
リックス−結合基(B)−結合基(A)から構成される
活性支持膜を調整するに際して、マトリックスと結合基
(A)との間に結合基(B)を介在させるかどうかは、
使用するマトリックスと結合基(A)の有する官能基の
種類や反応性によって適宜選択される。また結合基
(A)に結合させるリガンドの立体障害を除去する目的
で、マトリックスとリガンドの間の長さを調節する必要
のある場合に、結合基(B)を用いて調節することも可
能である。本発明に用いられるリガンドについては特に
制限はないが、フェニルアラニン、セリン、ヒスチジ
ン、アルギニンパラニトロアニリド、イソロイシルプロ
ピルアルギニルパラニトロアニリドなどのアミノ酸、ペ
プチド及びその誘導体、ω−アミノカプリル酸、ε−ア
ミノカプロン酸等のアミノカルボン酸、グルコサミン、
ガラクトサミン等のアミノ糖及びヒスタミンなどをはじ
めとする合成または天然のアミノ化合物、糖、脂肪酸及
びその誘導体、ホルモン、レセプター、抗体、抗原、コ
ンカナバリンAなどのレクチン、酵素、酵素阻害剤など
のようなタンパク質、ウシ血清アルブミンなどの血漿タ
ンパク質、糖タンパク質、糖脂質、あるいはオリゴアデ
ニル酸、ポリウリジル酸などの核酸、オルガネラ、細
胞、微生物等を例示することが出来る。
【0013】前記活性支持膜の結合基(A)にリガンド
を共有結合させるに際しては、必ずしも制限はないが、
結合基(B)に結合基(A)を結合させると同様、結合
基が有する官能基の種類に応じて必要であれば、前記引
用文献および特許に記載の触媒や反応試薬などを用いて
適当な溶媒下で行うことが出来る。
【0014】本発明のアフィニティ分離用膜を用いてア
フィニティ吸脱着を行うに際しては通常の膜の使用方法
以外に特に制限はない。即ちガラス、金属、プラスチッ
ク製などの漏斗、濾過器、注射筒、専用のホルダー、ウ
エル、プレート等に装着し吸脱着溶液と接触させるなど
により行うことができる。また、バイオリアクターとし
て管や容器等に装着し反応や精製を行うこともできる。
さらに、液体クロマトグラフィーや酵素免疫測定法など
と組み合わせて用いることも可能である。
【0015】
【実施例】以下、本発明に付いて代表的な例を示しさら
に具体的に説明する。なお、これらは説明のための単な
る例示であって本発明はこれらになんら制限されるもの
でないことは言うまでもない。
【0016】実施例1 ポリフッ化ビニリデン(ミリポア社製、商品名Immobilo
n Affinity Membrane、直径1.3cm 、孔径0.65μm )30
枚にプロパンジアミン4.5ml を含む水19.5mlを加え、25
℃で1時間30分振とうしアミノ基を導入した。このアミ
ノ化膜に無水マレイン酸メチルビニルエーテル共重合体
(GAF 社製、以下MAMEC と称する)の2%ジメチルスル
ホキシド溶液30mlを加え25℃で1時間振とうし、次いで
膜をジメチルスルホキシド及びアセトンで洗浄してMAME
C 固定化膜を得た。この膜2枚にプロティンA(RepliG
en社製、以下ProAと称する)2mg を含む10mM酢酸緩衝液
(pH4.0 )1ml を加え25℃で4時間振とうし、反応後の
膜を1M塩化ナトリウム水溶液及び水で洗浄した後、2ml
の10mMアンモニア水溶液を加え5分間振とうし、ProA固
定化膜を得た。反応前後に於けるProA溶液中のProAの減
少量を高速液体クロマトグラフィーで定量することによ
り固定化されたProAは、乾燥膜1枚当り0.5mg であるこ
とが確かめられた。
【0017】比較例1 実施例1で用いたAffinity Membrane にプロパンジアミ
ン及びMAMEC を介さずProAを直接固定化した。膜2枚に
ProA2mg を含む10mM炭酸水素ナトリウム1ml を加え、25
℃で8時間振とう後4℃で一晩放置させた。反応後の膜
を1M塩化ナトリウム水溶液及び水で洗浄した後、2ml の
1Mトリスー塩酸緩衝液(pH8.5 )を加え、室温で2時間
振とうした。反応前後に於ける溶液中のProAの減少はな
く、この反応条件下ではProAは固定化できないことが判
った。
【0018】比較例2 実施例1で用いたAffinity Membrane 2枚にε- アミノ
カプロン酸0.17g を含む 1.9M炭酸ナトリウム水溶液2m
l を加え、40℃で8時間振とう後一晩放置させた。次い
で1M塩化ナトリウム水溶液及び水で洗浄し乾燥させ、N-
ヒドロキシコハク酸イミド(以下HOSuと称する)6mg 及
びジシクロヘキシルカルボジイミド(以下DCC と称す
る)20mgの無水ジオキサン溶液1.76mlを加え、室温で2
時間振とうした後無水ジオキサン、メタノールで素早く
洗浄した。この膜にProA2mg を含む10mM炭酸水素ナトリ
ウム水溶液1ml を加え、25℃で4時間振とうした。反応
前後に於ける溶液中のProAの減少量から、固定化された
ProAは膜1枚当り0.2mg であることが確かめられた。
【0019】実施例2 実施例1と同様の方法で調整したMAMEC 固定化膜にアビ
ジン(和光純薬工業社製)を固定化したところ、反応前
後に於ける溶液中のアビジンの減少量から、固定化され
たアビジン量は、膜1枚当り0.5mg であることが確かめ
られた。
【0020】比較例3 比較例1と同様の方法でProAの替わりにアビジンを直接
固定化したところ、膜1枚当り0.3mg のアビジンが固定
化できたことが判った。
【0021】実施例3 実施例1に於けるMAMEC 膜にウシ血清アルブミン(Sigm
a 社製、以下BSA と称する)を固定化したところ、膜1
枚当り0.4mg のBSA が固定化できたことが判った。
【0022】比較例4 比較例1と同様の方法でProAの替わりにBSA を直接固定
化したところ、反応前後に於ける溶液中のBSA の減少は
なく、この反応条件下ではBSA は固定化できないことが
判った。
【0023】比較例5 実施例1に於けるプロパンジアミン化膜2枚をBSA 2mg
を含む10mM炭酸水素ナトリウム水溶液1ml に加え、水溶
性カルボジイミド塩酸2.8mg を3回に分け25℃で40分間
振とうしながら加えた。反応前後に於ける溶液中のBSA
の減少量から、固定化されたBSA 量は、膜1枚当り0.1m
g であることが確かめられた。
【0024】実施例4 実施例1に於けるMAMEC 固定化膜にフェチュイン(Sigm
a 社製)を10mM酢酸緩衝液(pH3.0 )中で固定化したと
ころ、膜1枚当り0.7mg のフェチュインが固定化できた
ことが判った。
【0025】比較例6 比較例1と同様の方法でProAの替わりにフェチュインを
直接固定化したところ、膜1枚当り0.1mg のフェチュイ
ンが固定化できたことが判った。
【0026】実施例5 比較例2に於けるHOSu化膜2枚をポリグルタミン酸(以
下poly-D-Gluと称する)25mgの10mM炭酸水素ナトリウム
水溶液1ml に加え、室温で3時間振とうした。次いで膜
を1M塩化ナトリウム水溶液及び水で洗浄した。こうして
得られたpoly-D-Glu固定化膜を乾燥させ、HOSu60mg及び
DCC200mgの無水ジオキサン溶液2ml を加え、室温で1.5
時間振とうした後膜を無水ジオキサン、メタノールで素
早く洗浄した。この膜にリゾチーム(Sigma 社製)2mg
の10mM炭酸水素ナトリウム水溶液1ml を加え、室温で4
時間振とうした。次いで膜を1M塩化ナトリウム水溶液及
び水で洗浄した後、2ml の1Mトリスー塩酸緩衝液(pH8.
5 )を加え、室温で2時間振とうした。反応前後に於け
る溶液中のリゾチームの減少量から、固定化されたリゾ
チーム量は、膜1枚当り0.2mg であることが確かめられ
た。
【0027】比較例7 比較例1と同様の方法でProAの替わりにリゾチームを直
接固定化したところ、膜1枚当り0.1mg のリゾチームが
固定化できたことが判った。
【0028】実施例6 実施例1に於けるMAMEC 固定化膜にヒト免疫グロブリン
G(Sigma 社製、以下IgG と称する)を固定化したとこ
ろ、膜1枚当り0.4mg のIgG が固定化できたことが判っ
た。
【0029】比較例8 比較例1と同様の方法でProAの替わりにIgG を直接固定
化したところ、膜1枚当り0.1mg のIgG が固定化できた
ことが判った。
【0030】実施例7 実施例1に於けるMAMEC 固定化膜にトリプシン(Boehri
nger Mannheim GmbH社製)を固定化したところ、膜1枚
当り0.5mg のトリプシンが固定化できたことが判った。
【0031】比較例9 比較例1と同様の方法でProAの替わりにトリプシンを直
接固定化したところ、膜1枚当り0.02mgのトリプシンが
固定化できたことが判った。
【0032】実施例8 実施例1に於けるMAMEC 膜にダイズトリプシンインヒビ
ター(Sigma 社製、以下STI と称する)を10mM酢酸緩衝
液(pH3.0 )中で固定化したところ、膜1枚当り 0.5m
g のSTI が固定化できたことが判った。
【0033】比較例10 比較例1と同様の方法でProAの替わりにSTI を直接固定
化したところ、膜1枚当り0.01mgのSTI が固定化できた
ことが判った。
【0034】実施例9 実施例1に於けるMAMEC 固定化膜にトランスフェリン
(Sigma 社製)を固定化したところ、膜1枚当り0.6mg
のトランスフェリンが固定化できたことが判った。
【0035】比較例11 比較例1と同様の方法でProAの替わりにトランスフェリ
ンを直接固定化したところ、膜1枚当り0.04mgのトラン
スフェリンが固定化できたことが判った。
【0036】実施例10 実施例1に於けるMAMEC 固定化膜にインシュリン(Sigm
a 社製)を10mM酢酸緩衝液(pH3.0 )中で固定化したと
ころ、膜1枚当り0.05mgのインシュリンが固定化できた
ことが判った。
【0037】比較例12 比較例1と同様の方法でProAの替わりにインシュリンを
直接固定化したところ、反応前後に於ける溶液中のイン
シュリンの減少はなく、この条件下ではインシュリンは
固定化できないことが判った。
【0038】実施例11 実施例1で得られたProA固定化膜(以下ProA固定化膜
(A)とする)2枚を図1に示す内径8mm の膜評価用ス
テンレス製ホルダーに挟み、高速液体クロマトグラフを
用いてIgG のアフィニティ吸脱着を行ったところ、図2
に示すような結果が得られた。即ち溶離液Aを用いて50
μg のIgG を含む水溶液を本装置に図1の矢印の示す方
向に注入したところIgG は溶出されなっかたが、図2の
矢印の箇所に示す時点で溶離液Aを溶離液Bに切り替え
たところ精製されたIgG が溶出された。したがって本Pr
oA固定化膜(A)はIgG のアフィニティ吸着担体として
用い得ることが確かめられた。 分析条件 試料 :IgG (ヒト血清、Sigma 社製) 溶離液 :10mM酢酸緩衝液(pH7.5 )(溶離液A) 10mM酢酸緩衝液(pH2.9 )(溶離液B) 溶離速度:0.5ml/min 検出器 :紫外分光光度計(280nm ) 温度 :25℃
【0039】比較例13 比較例2で得られたHOSuで活性化させてProAを固定化し
た膜(以下ProA固定化膜(B)とする)を用いて実施例
11と同様の条件でアフィニティクロマトグラフィーを
行った結果を図3に示した。ProA固定化膜(B)にはIg
G は殆ど吸着せず、ProA固定化膜(A)の方が優れてい
ることが判った。
【0040】実施例12 実施例1で得られたProA固定化膜(A)5枚を内径9mm
のステンレス製ホルダー(東洋ろ紙社製)に挟み、注射
筒を用いてIgG のアフィニティ吸脱着を行った。溶離液
Aを用いて5mg のIgG を含む水溶液を注入し、ろ液の28
0nm 吸光度がなくなるまで溶離液Aで洗浄した後、液溶
離液Bを注入したところ精製されたIgGが溶出され
た。したがって本ProA固定化膜(A)はIgG のアフ
ィニティ吸着担体として用い得ることが確かめられた。 分析条件 試料 :IgG (ヒト血清、Sigma 社製) 溶離液 :10mM酢酸緩衝液(pH7.5 )(溶離液A) 10mM酢酸緩衝液(pH2.9 )(溶離液B) 検出器 :紫外分光光度計(280nm )
【0041】
【発明の効果】本発明によるアフィニティ分離用膜は、
マトリックスとリガンドを、反応性の高い官能基を有す
る結合基を介して結合させたことにより、従来の分離用
膜が有するリガンドの数倍から数十倍量を固定化するこ
とが可能になり、またリガンドの立体障害が減少された
ことにより、等量のリガンドを有する分離用膜において
も従来と比較して高い分離能を発現させることが可能に
なった。本発明はマトリックス単位量当りの吸着能及び
分離能に優れた、アフィニティ分離用膜であり、生体物
質の分離精製に関わる様々な分離用膜の応用分野におい
て有用な手段を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は膜評価用ステンレス製ホルダーである。
【図2】図2はMAMEC を介してProAを固定化した膜に対
するIgG の溶出挙動を示すクロマトグラムである。
【図3】図3はHOSu活性化によりProAを固定化した膜に
対するIgG の溶出挙動を示すクロマトグラムである。
【符号の説明】 膜 膜ホルダー 膜ホルダー 膜押えネジ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に不溶性の多孔質膜に、アミノ基、カ
    ルボキシル基または酸無水物から選ばれる少なくとも1
    つの官能基を有する結合基を介して共有結合によりリガ
    ンドが固定化されていることを特徴とするアフィニティ
    分離用膜。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1059356C (zh) * 1994-12-28 2000-12-13 中国科学院大连化学物理研究所 一种改性聚砜超滤膜及其制备和应用
JP2008156617A (ja) * 1994-09-23 2008-07-10 Massey Univ クロマトグラフ用樹脂およびその使用方法
WO2024029556A1 (ja) * 2022-08-02 2024-02-08 テルモ株式会社 フィルタおよびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008156617A (ja) * 1994-09-23 2008-07-10 Massey Univ クロマトグラフ用樹脂およびその使用方法
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