JPH0522031Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電動芝刈機の出力軸に挿入固定され
た筒状の絶縁材にてなるブレードホルダーに関す
る。

〔従来の技術〕

自走式の電動芝刈機は、機体上に搭載した電動
機の出力軸にカツターブレードを取り付け、且つ
この出力軸の動力をベルト伝動により後輪側に伝
達することにより後輪を駆動するように構成され
ている。

〔考案が解決しようとする課題〕 しかして、電動芝刈機にあつては、電動機の出
力軸とカツターブレードを電気的に絶縁状態に保
持するように構成するとともに、出力軸に取り付
ける自走用のプーリーも出力軸と絶縁することが
望まれる。

これは次の理由による。すなわち、カツターブ
レードは刃の状態などによつて交換することがあ
り、また刃の状態などを点検することもある。こ
のようなカツターブレードの交換、点検時に、カ
ツターブレードが電動機の導体から形成されてい
る出力軸に対して電気的に絶縁されていれば、カ
ツターブレードの交換、点検作業を容易に行うこ
とができる。

また、ベルト駆動によつて後輪を駆動するため
のベルトの交換、点検時に、プーリーが出力軸に
対して電気的に絶縁されていれば、ベルトの交
換、点検作業を容易に行うことができる。さらに
は、電動機の熱が出力軸を伝わり、プーリーを通
つてベルトに伝わると、ベルトの耐久性が劣化す
るおそれがあるが、プーリーが絶縁材で形成され
ていれば、電動機の熱がベルトに伝わりにくくな
るため、ベルトの耐久性を向上させることができ
る。

本考案の目的は、出力軸に対してカツターブレ
ードの絶縁性を確保すること、自走用のプーリー
の出力軸に対する絶縁性を確保するとともにプー
リーの軽量化及び部品点数、組立工数の削減を図
ることである。

〔課題を径決するための手段〕

本考案の構成は、電動機の下方に突出した出力
軸に挿入固定した筒状のブレードホルダーを介し
て前記出力軸の下部にカツターブレードを固定し
てなる電動芝刈機において、前記ブレードホルダ
ーを絶縁材にて形成して導体からなる前記出力軸
と導体からなる前記カツターブレードとを電気的
に絶縁状態としたことを特徴とする。

そして、ブレードホルダーの上部に、動力を駆
動輪側に伝達するベルトを掛けるプーリーを一体
形成するのがよい。

〔作用〕

前記した手段によれば、カツターブレードの交
換あるいは点検時に、カツターブレードがブレー
ドホルダーによつて電動機の出力軸に対して電気
的に絶縁されているため、カツターブレードの交
換、点検作業を容易に行うことができる。

ベルトの交換、点検時に、プーリーが絶縁材で
形成され、出力軸に対して電気的に絶縁されてい
れば、ベルトの交換、点検作業を容易に行うこと
ができる。さらには、プーリーが絶縁材で形成さ
れていれば、電動機の熱が出力軸からプーリーを
通つてベルトに伝わりにくくなり、ベルトの耐久
性が向上する。また、ブレードホルダーに自走用
のプーリーを一体形成すれば、プーリーの軽量
化、および部品点数を、組立工数の削減が図れ
る。

〔実施例〕

第１図は自走式電動芝刈機の要部を示す縦断面
図、第２図はその出力軸部分の拡大詳細図を示
す。

図面の芝刈機は、自走式の電動芝刈機で、カツ
ターハウジング１上に電動機２を搭載し、電動機
２の出力軸３がカツターハウジング１内を垂直下
方に延出する。そしてこの出力軸３にはブレード
ホルダー４が挿入固定されている。

ブレードホルダー４は絶縁材、例えば樹脂にて
形成された有底筒状部材で、その長さは出力軸３
と略同じ長さを有し、出力軸３に挿入されてその
殆どの部分を覆い、出力軸３を他と電気的に絶縁
状態に保持する。なお、ブレードホルダー４の下
半部の内側には、内径がブレードホルダー４の内
径と同一の有底筒状の芯金部材５が一体に埋め込
まれており、この芯金部材５と出力軸３がスプラ
イン係合する。

そして、ブレードホルダー４の底面には２段の
円形突出部４ａ，４ｂが設けられ、上方の大径の
円形突出部４ａにカツターブレード６の取付孔が
挿入されて、カツターブレード６がブレードホル
ダー４の下底に配置する。そしてカツターブレー
ド６は結合板金７によつてブレードホルダー４に
結合される。結合板金７は両端部に互いに反対方
向に直角に折れ曲がつた突出片７ａ，７ｂを有す
る板部材で、中央の取付孔を前記大径の円形突出
部４ａに挿入してブレードホルダー４とカツター
ブレード６との間に配置し、前記突出片７ａ，７
ｂがそれぞれブレードホルダー４とカツターブレ
ード６に設けられた挿入孔に挿入されて、両者を
一体に回転可能に結合する。ボルト部材８は金属
製のボルト９にワツシヤ１０を嵌め、ワツシヤ１
０を含めたボルト９頭部を絶縁材、例えば樹脂に
てなる円形部材１１中に埋め込んで、ボルト９の
頭部部分を他から電気的に絶縁状態に保持するよ
うに構成したものである。なお、ボルト頭部裏面
側のボルト脚部の周りは樹脂部材１１で被覆され
ず、この部分が前記小径の円形突出部４ｂに挿入
される。このボルト部材８がブレードホルダー４
と芯金部材５の底面に形成された貫通孔を挿通
し、出力軸３に設けられたネジ孔３ａに螺入し
て、カツターブレード６とブレードホルダー４を
出力軸３に固定する。

以上のようにして、カツターブレード６は電動
機２の出力軸３と電気的に絶縁されて、出力軸３
に取り付けられ、出力軸３によつて回転駆動され
て芝を刈り取る。

そして、この電動芝刈機は、ベルト駆動によつ
て、カツターハウジング１の前後部に設けられた
車輪のうちの後輪を駆動するように構成されてい
る。このベルト駆動の一方のプーリー１２が前記
ブレードホルダー４の上端部に一体成形により形
成されている。そしてもう一方のプーリーは後方
のミツシヨンの入力軸に取り付けられ、電動機２
の出力がベルト１３によつてミツシヨンに伝達さ
れ、ミツシヨンから後輪軸に伝達されて、後輪が
回転駆動される。

このように、ブレードホルダー４により電動機
２の出力軸３の大部分が覆われるので、出力軸３
の絶縁性が確保されるため、カツターブレード６
の交換、点検作業やベルト１３の交換、点検作業
を容易に行うことができ、また、電動機２の熱が
ベルト１３に伝わりにくくなつてベルト１３の耐
久性が向上し、且つプーリー１２が一体成形され
てなるので軽量化、及び部品点数、組立工数の削
減が図れる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、電動芝刈
機において、カツターブレードの交換点検作業を
容易に行うことができる。

また、ベルトの交換、点検作業を容易に行うこ
とができるとともに、ベルトの耐久性を向上で
き、かつプーリーの軽量化が図れるとともに、部
品点数及び組立工数の削減が図れる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は自走
式電動芝刈機の要部を示す縦断面図、第２図はそ
の出力軸部分の拡大詳細図である。 １はカツターハウジング、２は電動機、３は出
力軸、４はブレードホルダー、６はカツターブレ
ード、８はボルト部材、１２はプーリー、１３は
ベルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 電動機の下方に突出した出力軸に挿入固定し
   た筒状のブレードホルダーを介して前記出力軸
   の下部にカツターブレードを固定してなる電動
   芝刈機において、前記ブレードホルダーを絶縁
   材にて形成して導体からなる前記出力軸と導体
   からなる前記カツターブレードとを電気的に絶
   縁状態としたことを特徴とする電動芝刈機のブ
   レードホルダー。 (2) ブレードホルダーの上部に、動力を駆動輪側
   に伝達するベルトを掛けるプーリーを一体形成
   したことを特徴とする請求項１記載の電動芝刈
   機のブレードホルダー。