JPH052197A - 光伝送システム,光波長変換方式及び受信方式 - Google Patents

光伝送システム,光波長変換方式及び受信方式

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JPH052197A
JPH052197A JP3154368A JP15436891A JPH052197A JP H052197 A JPH052197 A JP H052197A JP 3154368 A JP3154368 A JP 3154368A JP 15436891 A JP15436891 A JP 15436891A JP H052197 A JPH052197 A JP H052197A
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JP
Japan
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light
wavelength conversion
wavelength
signal
conversion element
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JP3154368A
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Nobuhiko Kikuchi
信彦 菊池
Shinya Sasaki
慎也 佐々木
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】偏波変動に対する対策を不要とし、光源の位相
ノイズの影響を無くし、かつ波長変換素子の縦続接続の
容易な波長変換方式を実現する。 【構成】送信機内に信号光源100とポンプ光源101
を配置し、両光の偏波を合致させて送信する。光増幅器
104で両光の伝送損を補償しコンバータ光105を加え
半導体光増幅器106の入力とする。バンドパスフィル
タ107でコンバータ光、及び、半導体光増幅器中の4
光波混合でコンバータ光の両側に発生する波長変換光を
抽出し、これを波長変換素子の出力光とする。受信機で
はコンバータ光を局発光に用いてヘテロダイン受信を行
う。波長変換素子を縦続接続する場合、コンバ−タ光を
次段の波長変換素子のポンプ光として用いる。この結
果、偏波変動対策が不要となり、コンバータ光の位相ノ
イズが打ち消される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信,光交換,波長
多重光ネットワーク等で使用される光波長変換に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】半導体光増幅器内の4光波混合効果を利
用した波長変換方式の一つとして、信号光,ポンプ光、
及び第2のポンプ光(コンバータ光)の3光を半導体光
増幅器の入力光とする方式が、エレクトロニクス・レ
ターズ,17(1988年)第1106頁から第110
7頁(Electronics Letters 17(1988)pp1106
−1107)に記載されている。において報告された
2つのポンプ光を用いる手法は、数10nm以上の範囲
で高効率の波長変換が可能であるという利点を持ってい
る。
【0003】以下、この従来の波長変換方式について説
明する。
【0004】図3に、の波長変換方式の構成例を示
す。送信機内に配置された信号光源100は光周波数f
sの信号光sを送出する。信号光sは伝送したい信号で
変調されており、光ファイバ103を伝送される。送信
機の出力光の光スペクトルを図4(1)に示す。
【0005】この信号光sに、ポンプ光源101とコン
バータ光源105それぞれの出力光であるポンプ光p,
第2のポンプ光(コンバータ光)cが加えられ、波長変
換素子である半導体光増幅器106に入力される。
【0006】ここで、ポンプ光pは信号光sに偏波が一
致し、かつ、光周波数がδfだけ異なるように設定され
ている。この周波数差δfが半導体光増幅器内部のキャ
リアライフタイムの逆数(数GHz程度)以下になるよ
うに設定しておけば、両光は半導体光増幅器106内部
で干渉し、キャリアの密度は両光の周波数差δfで増減
する。コンバータ光cが半導体光増幅器106を通過す
るとキャリア密度の振動周波数δfによって変調を受
け、コンバータ光cの両側の周波数δfだけ離れた点に
新しい光信号n,n′が発生する。半導体光増幅器10
6の出力光スペクトルを図4(2)に示す。s,p,c
は、それぞれ入力された信号光、ポンプ光,コンバータ
光が半導体光増幅器106を通過し増幅された出力光で
ある。コンバータ光の両側に新たに発生した光信号n,
n′は信号光sと同じ変調を受けており、それぞれ信号
光sを光周波数fn=fc+δf,fn′=fc−δf
に波長変換した信号とみなすことができる。
【0007】半導体光増幅器106の入力端の信号光
s,ポンプ光p,コンバータ光cの光電界Es,Ep,
Ecは(数1)のように表すことができる。
【0008】
【数1】 Es(t)=As・exp{j(2πfs・t+φs(t))}+c.c Ep(t)=Ap・exp{j(2πfp・t+φp(t))}+c.c …(数1) Ec(t)=Ac・exp{j(2πfc・t+φc(t))}+c.c As,Ap,Acはそれぞれ信号光s,ポンプ光p,コ
ンバータ光cの電界振幅であり、φs(t),φp(t),φ
c(t)は各入力光の位相である。ポンプ光p及びコンバ
ータ光cは無変調であるため、φp(t),φc(t)はそ
れぞれの光源の位相ノイズを示す。また、信号光の振幅
As,周波数fs、ないし位相φs(t)は伝送したい情
報によって変調を施されている。なお、jは虚数単位
を、c.cは複素共役を示す。
【0009】4光波混合過程によって半導体光増幅器1
06の出力端に現れる波長変換された信号光出力n,
n′の電界En,En′は近似的に(数2)のように表
される。Cは定数、αは線幅増大係数であり、*は複素
共役を示している。
【0010】
【数2】 En(t)=(1+jα)・C・As・Ap*・Ac ・exp{j(2πfn・t+φs(t)−φp(t)+φc(t))}+c.c En′(t)=(1+jα)・C*・As*・Ap・Ac ・exp{j(2πfn′・t−φs(t)+φp(t)+φc(t))}+c.c …(数2) (数2)で出力光nの光電界Enは、信号光電界Es
とまったく同じ変調を受けている。なお、En′はEs
と位相共役な変調を受けている。
【0011】光バンドパスフィルタ107は、図4(2)
の出力光のうち波長変換信号n付近の光のみ通過するよ
うに設定され、これを通過した光が出力光となる。波長
変換信号nのみを取り出すには通過帯域幅数GHz程度
の狭帯域光フィルタを用いる必要がある。多層膜光フィ
ルタ等の通過帯域幅の広い光バンドパスフィルタを用い
た場合、出力光スペクトルは図4(3)に示すようにコン
バータ光c,位相共役信号n′の混じったものとなる。
これらの不要な信号はノイズとなったり、余分な帯域を
占有するため、マッハツェンダ干渉系などの狭帯域の光
フィルタを用いてnのみを取り出す試みも行なわれてい
る。しかしながら、フィルタの構造が複雑となったり安
定化を必要とするなど実用上の困難が多い。
【0012】波長変換信号nは、光ファイバ108を伝
送されたのち受信機で受信される。受信信号には局発光
源110の出力光である局発光Loが加えられ、フォト
ダイオード109を用いて光ヘテロダイン受信を行な
い、中間周波数帯の電気信号に変換される。この様子を
図4(4)に示す。必要な信号はnのみであるので、中間
周波数帯でこの信号のみをバンドパスフィルタ117で
切り出し復調器114,再生器115によって復調・再
生を行なう。
【0013】以上が、従来の波長変換方式である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来例の波長変
換方式では、光ファイバ103を伝送された信号光sは
偏波変動を受けているため、信号光とポンプ光を半導体
光増幅器内部で干渉させるには両者の偏波を一致させる
機構が必要である。従来の実験では手動式の偏波コント
ローラを用いる等の方式をとっており、実用上の大きな
問題となっていた。
【0015】また、波長変換素子の縦続接続が困難であ
るという点も大きな問題である。図3の光バンドパスフ
ィルタ107に通過帯域の広い(数10GHz以上)も
のを用いた場合、波長変換素子の出力光には図4(3)の
ように波長変換信号n以外に位相共役変換出力n′,コ
ンバータ光cが混入しノイズとして作用する。受信時に
は電気的なフィルタでこれらの信号を除去することが可
能であるが、波長変換素子を縦続接続し多段の波長変換
を行なう場合には、通過帯域数GHz以下の狭帯域光フ
ィルタを用いて波長変換された出力光nのみを取り出す
ことが必要となる。しかしながら、このような狭帯域光
フィルタは、構成が複雑であり、波長安定性が悪く安定
化のための制御回路を要する等、多くの問題を持ってい
る。
【0016】また、従来例では信号光源100,ポンプ
光源101,コンバータ光源105,局発光源110に
位相ノイズのある光源を使用した場合、受信信号にはこ
れらの位相ノイズが加算されるという問題がある(数
2)。すなわち、n段の波長変換素子を通過した後の受
信機の中間周波数帯のスペクトル線幅Δνifは(数3)
で与えられることになる。
【0017】
【数3】 Δνif=Δνs+n・(Δνp+Δνc)+ΔνLo …(数3) Δνs,Δνp,Δνc,ΔνLoは、それぞれ信号
光s,ポンプ光p,コンバータ光c,局発光Loのスペ
クトル線幅である。このように位相ノイズが累積される
と受信信号のSN比が劣化し、ついには伝送不能とな
る。
【0018】この問題の対策の一例として、情報を数1
00MHzのサブキャリアに乗せて伝送する手法が、
イー・シー・オー・シー・プロシーディングズ,3(198
9年)第17頁から第20頁(ECOC,3(1989)
pp17−pp20)に記載されている。しかしながら
この手法も、変調手法が限定される、変調手法が複雑と
なる等の問題点を持っている。
【0019】本発明の目的は、偏波依存性を持たず、ま
た位相ノイズが累積せず、かつ縦続接続の容易な光伝送
方式,波長変換方式を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的は、送信機内に
ポンプ光源と信号光源を配置し互いに偏波面を一致させ
て送出すること、また波長変換素子を縦続接続する場合
には、前段の波長変換素子の出力に含まれる、波長変換
素子を通過したコンバータ光と波長変換された信号光
を、それぞれ次段の波長変換素子のポンプ光と信号光と
して使用すること、また、波長変換光を受信する場合に
は、コンバータ光と波長変換された信号光を光検出器に
入力し、両光の差周波成分を取り出して受信を行なうこ
と、または局発光源を有する光ヘテロダイン受信機でコ
ンバータ光と波長変換された信号光を受信し電気領域で
両信号成分を乗算し、差周波成分を検出することによっ
て達成される。
【0021】
【作用】従来の手法において波長変換素子にポンプ光と
信号光の偏波を合致させる機構が必要であるという課題
は、あらかじめ送信機内で両光の偏波を合致させて送出
することにより光ファイバ中を伝送した後も両光の偏波
は合致した状態に保たれるため、解決される。波長変換
素子を多段に接続する場合にも、前段の波長変換素子の
出力光に含まれるコンバータ光と波長変換された信号光
をそれぞれ次段の波長変換素子のポンプ光と信号光とし
て使用すれば、波長変換素子の出力光に含まれるコンバ
ータ光と波長変換された信号光の偏波は完全に合致して
いるので、2段目以降の波長変換素子においても偏波を
一致させる機構は不要となる。
【0022】また、波長変換素子の縦続接続が困難であ
るという課題は、前段の波長変換素子の出力光に含まれ
るコンバータ光と波長変換された信号光をそれぞれ次段
の波長変換素子のポンプ光と信号光として使用すること
で、狭帯域の光フィルタ等を用いることなく波長変換素
子を縦続接続することが可能となり、解決される。
【0023】また、波長変換された信号光に光源の位相
ノイズが累積するという課題は、以下のように波長変換
・受信の過程でコンバータ光の位相ノイズが打ち消され
ることによって解決される。波長変換素子を縦続接続す
る場合には、前段の波長変換素子の出力光に含まれる、
波長変換素子を通過したコンバータ光と波長変換された
信号光をそれぞれ次段の波長変換素子のポンプ光と信号
光として使用することで、両光に共通に含まれるコンバ
ータ光の位相ノイズφc(t)は次段の波長変換素子内部
で両光の周波数差δfのビートを生成する過程で打ち消
される。また、波長変換素子の出力であるコンバータ光
と波長変換された信号光を光検出器で受信し両光の差周
波成分を検出した場合も、コンバータ光の位相ノイズφ
c(t)が打ち消される。この結果、n段の波長変換素子
が縦続接続されている場合にも全てのコンバータ光源の
位相ノイズが消去可能である。最終的に受信機の中間周
波数帯で観測されるスペクトル線幅Δνifは、(数
4)のように送信機内の信号光源の線幅Δνsとポンプ
光源の線幅Δνpの和となる。
【0024】
【数4】 Δνif=Δνs+Δνp …(数4) また、波長変換素子の出力光であるコンバータ光と波
長変換された信号光を局発光源を有する通常のヘテロダ
イン受信機で受信して電気信号に変換し、コンバータ光
と波長変換された信号光の受信成分を乗算器等の非線形
性を有する電気回路の入力として、両者の差周波成分を
抽出し復調・再生を行ない受信した場合にも同様の線幅
消去効果が期待できる。この場合には、局発光源の位相
ノイズも打ち消され、受信機の中間周波数帯のスペクト
ル線幅Δνifは(数4)と同じ式で表される。
【0025】
【実施例】図1に本発明の一実施例を示す。送信機は、
信号光源100及び、この光源とδfだけ光周波数の異
なるポンプ光源101より成る。信号光源100の出力
である信号光sには光周波数変調や光位相変調等の手法
で変調が施されている。信号光sは、ポンプ光源101
の出力であるポンプ光pと合波された後、光ファイバ1
03を伝送される。この際、偏波コントローラ102に
より信号光sの偏波を調整し、ポンプ光pの偏波に一致
させておく。δfが数GHz程度とあまり大きくない場
合には、光ファイバ中を伝送した後も両光の偏波はほぼ
一致した状態に保たれている。図2(1)に送信機の出力
光の光スペクトルを示す。
【0026】波長変換素子として用いられる半導体光増
幅器106の入力端では、信号光s及びポンプ光pは光
ファイバ103の伝送損によって減衰を受けている。減
衰量が大きく充分な波長変換効率が得られない場合に
は、光増幅器104によりこれを補償する。この後、コ
ンバータ光源105からのコンバータ光cを合波し、半
導体光増幅器106に入力する。光バンドパスフィルタ
107は半導体光増幅器の出力光のうちコンバータ光
c,波長変換信号n,n′の3者が通過するように設定
し、この3光を波長変換素子の出力光とする。出力光の
スペクトルを図2(2)に示す。
【0027】波長変換素子の出力光は、光ファイバ10
8を伝送された後、受信機で受信されるか、次段の波長
変換素子の入力光として利用される。
【0028】図1は波長変換された信号光を本発明の受
信方式で受信する場合を示している。コンバータ光c,
波長変換信号n,n′の3光はフォトダイオード109
に入力され、これらの光のビート信号は周波数δfの中
間周波数帯の電気信号として検出される。フォトダイオ
ードの光電流iは以下のように計算される。
【0029】波長変換信号n,n′の光電界は前述の
(数2)で与えられている。また、コンバータ光の出力
光電界Ecoは近似的に以下の(数5)のように表され
る。Gは半導体光増幅器のゲインである。
【0030】
【数5】 Eco(t)=G・Eci(t) =G・Ac・exp{j(2πfc・t+φc(t))}+c.c …(数5) フォトダイオードの光電流iは、(数6)のように計
算される。
【0031】
【数6】 i∝|En′(t)+Eco(t)+En(t)|2 =|En′(t)|2+|Eco(t)|2+|En(t)|2 +2G*C・As・Ap*・|Ac|2・exp{j(2πδf・t+φs(t) −φp(t))}+c.c+…(周波数2δf以上の成分) …(数6) (数6)のように、受信される光電流iの周波数δf
成分は信号光sの電界強度・位相の情報を保持している
ため、この受信信号からEsの周波数/電界強度/位相
等に乗せられた情報を再生することが可能となる。コン
バータ光cの位相ノイズφc(t)は受信過程で打ち消さ
れ受信信号には現れない。
【0032】上記の原理でコンバータ光の位相ノイズが
打ち消される過程については、以下のように波長変換信
号受信時のスペクトル線幅の観察を行って確認した。
【0033】実験系を図5(a)に示す。ポンプ光源10
1に波長1.542μm ,スペクトル線幅2MHzのD
FBレーザを、信号光源100にはスペクトル線幅0.
1MHzの外部共振器レーザを使用した。両光の周波数
差δfは1GHzであり、信号光は無変調である。コン
バータ光源105には波長1.556μm ,スペクトル
線幅20MHzのDFBレーザを使用し、約14nmの
波長変換を行った。光バンドパスフィルタ107は中心
波長1.556μm ,通過帯域幅3nm(370GH
z)の多層膜干渉フィルタである。フォトダイオード1
09で波長変換素子の出力光を受信し、スペクトラムア
ナライザ111で観測した中間周波数帯のスペクトルを
図5(b)に示す。受信信号のスペクトル線幅はΔνif
=2.6MHz であった。これは測定誤差の範囲で信号
光とポンプ光のスペクトル線幅の和に一致しており、コ
ンバータ光(スペクトル線幅20MHz)の位相ノイズ
の影響を受けていないことが確認される。
【0034】また、本発明の受信方式のように波長変換
素子の出力光であるコンバータ光と波長変換された信号
光を局発光源を有する通常のヘテロダイン受信機で受信
し電気信号に変換し、コンバータ光と波長変換された信
号光の受信成分を乗算器等の非線形性を有する電気回路
に入力し、両者の差周波成分を抽出し復調・再生を行な
う場合にもコンバータ光と局発光源の位相ノイズを消去
することが可能である。この受信方式の一例を図6に示
す。
【0035】波長変換素子の出力光は、局発光源110
の出力光Lo(光周波数fLo)を局初光としてフォト
ダイオード109でヘテロダイン検波される。図6(1)
は波長変換素子の出力光の光スペクトルであり、(2)は
フォトダイオードの入力光の光スペクトル、(3)はフォ
トダイオードの出力である中間周波数帯の電気信号のス
ペクトルを示している。バンドパスフィルタ116,1
17は、中間周波数帯のスペクトル中からコンバータ光
cの受信成分,波長変換された信号nの受信成分のみを
抽出するように設定されている。両信号を乗算器122
で乗算しローパスフィルタ118で差周波成分(周波数
δf)を切り出し、復調器114,再生器115で復調
・再生することで受信信号が得られる。バンドパスフィ
ルタ116,117の出力信号はともに、コンバータ光
cの位相ノイズφc(t),局発光Loの位相ノイズφL
o(t)の影響を同位相に含んでいるため、差周波成分を
抽出することでこれらの位相ノイズの影響は消去され
る。本受信方式は、図1の局発光を用いない受信方式に
比べ、受信感度が高いという特徴を有している。
【0036】なお、図7には本受信方式の第2の実施例
を示す。本例では、フォトダイオード109の出力信号
から、波長変換信号nとコンバータ光cの受信成分をバ
ンドパスフィルタ119で切り出し、2乗回路123に
入力しローパスフィルタ118で差周波成分(周波数δ
f)を抽出、再生・復調を行なうことで図6と同じ効果
が得られる。バンドパスフィルタ119は、波長変換信
号n,n′とコンバータ光cの3光を切り出すように設
定することも可能である。
【0037】また、本発明の方式で波長変換素子を縦続
接続した場合図8も、同じ効果によってコンバータ光の
位相ノイズが打ち消される。この過程を以下に示す。
【0038】1段目の波長変換素子120の出力光の電
界Ec1,En1,En1′は(数7)のように表され
る。
【0039】
【数7】 Ec1(t)=G・Ac1・exp{j(2fc1・t+φc1(t))}+c.c En1(t)=(1+jα)・C・As・Ap*・Acl ・exp{j(2πfn1・t+φs(t)−φp(t) +φcl(t))}+c.c En1′(t)=(1+jα)・C*・As*・Ap・Acl ・exp{j(2πfn1′・t−φs(t)+φp(t) +φc1(t))}+c.c …(数7) 2段目の波長変換素子121にこの3光を入力した場
合、波長変換出力En2,En2′は(数8)のように
なる。
【0040】
【数8】 En2(t)=2(1+jα)・G|C|2・As・Ap*・|Acl|2・Ac2 ・exp{j(2πfn・t+φs(t)−φp(t)+φc2(t))} +c.c En2′(t)=2(1+jα)・G*|C|2・As*・Ap・|Ac1|2・Ac2 ・exp{j(2πfn′・t−φs(t)+φp(t)+φc2(t)) +c.c …(数8) (数7)と(数8)を比較すると、2段目の波長変換
の過程で1段目の波長変換素子のコンバータ光の位相ノ
イズφc1(t)は打ち消され、かわりに2段目の波長変
換素子のコンバータ光の位相ノイズφc2(t)が加わる
ことが分かる。
【0041】以上の手法で波長変換素子を縦続接続し、
得られた波長変換信号を本発明の受信方式で受信した場
合、コンバータ光の位相ノイズはすべて次段の波長変換
素子又は受信器内部で打ち消され、最終的に受信器の中
間周波数帯の電気信号にはポンプ光と信号光の位相ノイ
ズのみが残留することになる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、波長変換素子の入力光
に対する偏波依存性を無くし偏波対策を不要とすること
ができるので、波長変換素子の構造が簡素化され実用性
が向上する。また、波長変換素子を容易に縦続接続する
ことが可能であり、狭帯域の光フィルタ等が不要である
という効果もある。さらに、コンバータ光源の位相ノイ
ズが受信信号に影響しないため、波長変換素子の接続段
数や使用する光源の位相ノイズの大きさの制限が緩和さ
れる。位相ノイズが減少する結果、伝送品質が向上し、
信号の変調・復調方式の自由度が大きくなるという効果
もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光伝送システムの一実施例を示す構成
図である。
【図2】本発明の波長変換方式の一実施例における光ス
ペクトルを示す図である。
【図3】従来の波長変換方式の一例を示す構成図であ
る。
【図4】従来の波長変換方式における光スペクトルを示
す図である。
【図5】本発明による位相ノイズ消去効果を示す実験例
である。
【図6】本発明の受信方式の第1の実施例を示す構成図
である。
【図7】本発明の受信方式の第2の実施例を示す構成図
である。
【図8】本発明による波長変換素子の縦続接続の一実施
例を示す構成図である。
【符号の説明】
100…信号光源、101…ポンプ光源、102…偏波
コントローラ、103…光ファイバ、104…光増幅
器、105…コンバータ光源、106…半導体光増幅
器、107…光バンドパスフィルタ、108…光ファイ
バ、109…フォトダイオード、110…局発光源、1
11…スペクトラムアナライザ、112…コンバータ光
源1、113…コンバータ光源2、114…復調器、1
15…再生器、116…バンドパスフィルタ、117…
バンドパスフィルタ、118…ローパスフィルタ、11
9…バンドパスフィルタ、120…半導体光増幅器1、
121…半導体光増幅器2、122…乗算器、123…
2乗回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 10/04 10/06 10/18 8426−5K H04B 9/00 M

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、送信機,光ファイバ伝送線,
    半導体光増幅器中の4光波混合を利用した波長変換素
    子、及び受信機からなる光伝送システムにおいて、信号
    光源とポンプ光源を送信機内に配置し、両光の偏波面を
    合致させて光ファイバ伝送線に送出し、波長変換素子に
    伝送することを特徴とする光伝送システム。
  2. 【請求項2】信号光、及び、信号光と偏波面が略一致
    し、かつ信号光との周波数差が半導体光増幅器内部のキ
    ャリア応答周波数以下となるように設定されたポンプ
    光、及び、波長変換後の出力光の波長を決める第2のポ
    ンプ光(コンバータ光)の3光を入力とする、半導体光
    増幅器中の4光波混合を利用した光波長変換素子を縦続
    接続する光波長変換方式において、前段の波長変換素子
    の出力光に含まれる、波長変換素子を通過したコンバー
    タ光と波長変換された信号光を、それぞれ次段の波長変
    換素子のポンプ光と信号光として利用することを特徴と
    する波長変換方式。
  3. 【請求項3】半導体光増幅器中の4光波混合を利用した
    波長変換素子によって波長変換された光信号を受信する
    受信方式において、波長変換素子の出力に含まれる、波
    長変化素子を通過したコンバータ光と波長変換された信
    号光を光検出器に入力し、これらの光信号のビート信号
    を検出することで中間周波数帯の電気信号を得ることを
    特徴とした受信方式。
  4. 【請求項4】半導体光増幅器中の4光波混合を利用した
    波長変換素子によって波長変換された光信号を受信する
    受信方式において、波長変換素子の出力に含まれる、波
    長変換素子を通過したコンバータ光と波長変換された信
    号光を、局発光源を備えた光受信機で光ヘテロダイン受
    信し電気信号に変換した後、波長変換素子を通過したコ
    ンバータ光と局発光のビート成分を、波長変換された信
    号光と局発光のビート成分と乗算し、両成分の差周波成
    分を取り出すことを特徴とした受信方式。
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