JPH0521855A - ジヨセフソン素子の製造方法 - Google Patents

ジヨセフソン素子の製造方法

Info

Publication number
JPH0521855A
JPH0521855A JP3173705A JP17370591A JPH0521855A JP H0521855 A JPH0521855 A JP H0521855A JP 3173705 A JP3173705 A JP 3173705A JP 17370591 A JP17370591 A JP 17370591A JP H0521855 A JPH0521855 A JP H0521855A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
metal oxide
bridge
etching
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3173705A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3149460B2 (ja
Inventor
Akira Enohara
晃 榎原
Kentaro Setsune
謙太郎 瀬恒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP17370591A priority Critical patent/JP3149460B2/ja
Publication of JPH0521855A publication Critical patent/JPH0521855A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3149460B2 publication Critical patent/JP3149460B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属酸化物超伝導体によるブリッジ型ジョセ
フソン接合において、高い加工精度を必要としない製造
方法を実現する。 【構成】 基板11上に金属酸化物超伝導薄膜12を形
成した後、エッチングにより2つの電極部分13と、2
つの電極部分13をつなぐ微小なブリッジ部14をエッ
チングにより形成した後、ブリッジ部分14に紫外線を
照射する。 【作用】 紫外線照射によって、ブリッジ部14の表面
から超伝導特性が劣化し、ブリッジ部14の実効的な厚
さを薄くすることができ、これによって、高いエッチン
グ加工精度なしにジョセフソン素子が作製できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超伝導応用技術の一つ
であるジョセフソン素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年発見された酸化物超伝導体の中に
は、その超伝導遷移温度が液体窒素温度(77.3K)
を越えるものがあり、超伝導体の応用分野を大きく広げ
ることとなった。この金属酸化物超伝導体の実用化の一
つであるジョセフソン素子については、様々な製造方法
が考案され、試されている。酸化物超伝導体を二つに割
り、再びわずかに接触させたブレーク型ジョセフソン素
子、酸化物超伝導膜作製の際に起こる粒成長の現象を積
極的に利用する、いわゆる粒界接合を利用したジョセフ
ソン素子などが従来試作されているが、主として再現性
に問題があり、実用化にはほど遠い。また、トンネル型
ジョセフソン接合では、きわめて薄い(約数nm厚)絶
縁膜を超伝導体で挟み込む必要があり、安定な絶縁膜の
形成が難しい金属酸化物超伝導体を用いたものは作製が
きわめて困難である。
【0003】これに対して、弱結合型ジョセフソン接合
として、ブリッジ型ジョセフソン接合は、微小なブリッ
ジ部で2つの超伝導部分を接続したもので、構造が2次
元的で、通常のエッチングプロセスを用いて作製できる
ため、作製プロセスは単純で簡便であり、さらに、他の
電子デバイスとのモノリシック化の可能性等の利点があ
り、実用性が高い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ブリッ
ジ型ジョセフソン接合では、原理上、ブリッジ部の寸法
がコヒーレント長(数nm)程度であることが必要であ
り、このコヒーレント長に加工する方法および精度が課
題となっている。
【0005】本発明は、このような加工精度を解決した
ジョセフソン素子の製造方法の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のジョセフソン素
子の製造方法では、金属酸化物超伝導薄膜にエッチング
により作製されたブリッジ部に対して紫外線を照射する
ことにより、従来の課題を克服した。
【0007】
【作用】本発明のジョセフソン素子の製造方法では、ブ
リッジ部をエッチングで作製した後、紫外線照射する。
紫外線照射によって金属酸化物超伝導薄膜中に酸素欠損
が生成され、超伝導特性が劣化、あるいは、消滅するこ
とを例えば特願平2−216885号等で本発明者らに
よって明らかにした。その後本発明者らの鋭意努力の結
果、この紫外線照射の効果は、照射量(照射強度×照射
時間)の増加によって、徐々に膜表面から内部に影響が
およぶことが判り、照射量を正確に制御すれば、膜表面
から思う深さまで、超伝導特性を劣化させることも判明
した。したがってブリッジ部の実効的な厚さだけを選択
的に超電導特性を劣化もしくは消滅させることで、比較
的低いエッチング精度でも再現性よくブリッジ型ジョセ
フソン接合が作製できる。
【0008】
【実施例】本発明のジョセフソン素子は、基板上に金属
酸化物超伝導薄膜を形成し、この薄膜をエッチングによ
りブリッジ型ジョセフソン素子の概略形状を形成する。
【0009】本発明に供される基板としては、例えばM
gO等の通常の基板材料が適応できる。
【0010】本発明で形成される金属酸化物超伝導薄膜
は、例えばスパッタ蒸着、CVD蒸着、電子ビーム蒸
着、抵抗加熱蒸着等が適応されるが、金属酸化物超伝導
薄膜の組成制御が容易であるためスパッタ蒸着が好まし
い。
【0011】また、本発明のエッチング方法としては、
例えばイオンビームエッチング等の通常の手法で充分行
える。
【0012】本発明に供される金属酸化物超伝導薄膜
は、紫外線照射により超伝導特性が変化する材料であれ
ば何れでも良い。例えばA−B−Cu−O系複合化合物
(但しAはSc、Y、La、およびLa系列元素(原子
番号57、59〜60、62〜71)の内少なくとも1
種、BはBa、SrなどIIa族元素の内少なくとも1
種、かつAおよびB両元素とCu元素の濃度は0.5≦
(A+B)/Cu≦2.5の関係を満足する)、Bi−
Sr−Ca−Cu−O系複合化合物、Bi−Sr−Ca−
Cu−O系複合化合物中のSr原子の一部をPbで置換
された化合物、Tl−Ba−Ca−Cu−O系複合化合
物、もしくはTl−Ba−Ca−Cu−O系複合化合物
中のBa原子の一部をPbで置換された化合物等の銅系
複合酸化物または非銅系複合酸化物が供される。但し、
これらの超伝導材料は各超伝導転移温度が変わることに
よって、作製したジョセフソン素子の動作温度が変化す
ること勿論である。
【0013】エッチングで概略形成されたジョセフソン
素子のブリッジ部にのみ選択的に紫外線を照射して、こ
のブリッジ部を非超伝導化する。本発明のジョセフソン
素子は、ブリッジ部に紫外線を照射することを特徴とし
ている。超伝導体にエネルギー線を照射すると超伝導特
性が変化することは、前述した特願平2−216885
号で開示したが、紫外線よりもエネルギーの高いエネル
ギー線を照射すると、例え照射量を制御したとしてもエ
ネルギー線は超伝導薄膜の内部にまで到達し、照射した
部分の超伝導特性は制御できない。したがって、照射す
るエネルギー線のエネルギーが低い紫外線の場合のみ照
射量制御で超伝導特性が制御できる。本発明に適応でき
る紫外線の波長領域は、400〜300nmの近紫外線
もしくは300〜190nmの遠紫外線である。
【0014】以下に、本発明の一実施例について図面を
用いて説明する。図1は、本発明の一実施例のジョセフ
ソン素子の製造方法の一工程を表したものである。ここ
で、基板11上に、例えばスパッタリングで金属酸化物
超伝導薄膜12を形成する。次に、フォトリソグラフィ
ーとドライエッチングなどの手法を用いて図1のよう
に、2つの電極部13とそれらをつなぐブリッジ部14
を形成する。そして最後に、ブリッジ部14に対して、
紫外線を照射する。
【0015】紫外線照射によって、ブリッジ部14の表
面部分から超伝導性を劣化させ、実効的なブリッジ部の
厚さを制御できる。そして、照射量を適当に調節するこ
とによって、実効的ブリッジ厚を、コヒーレント長程度
まで、きわめて薄くすることができ、これによって、ブ
リッジ型ジョセフソン効果が現れる。
【0016】エッチングで作製するときのブリッジ部1
4の実際の幅は、10μm程度以下であればよく、通常
のドライエッチングプロセスで十分実現可能で、集束イ
オンビームなど超高精度の加工は必要としない。また、
紫外線照射の領域も、ブリッジ部14の全部、あるいは
一部分に照射すればよく、したがって、フォトマスクな
どを利用して高精度に露光する必要はなく、メタルマス
クを試料の上に置く程度で十分である。
【0017】本発明の効果をさらに理解させるために、
図1を引用して具体的な実施例について述べる。
【0018】実施例1 MgO単結晶を基板11として用い、その(100)面
上に金属酸化物超伝導薄膜12を高周波プレーナマグネ
トロンスッパタにより形成した。スパッタでは、焼結し
たBiSrCaCuO粉末をターゲットに用いた。スパ
ッタ条件は、Ar,O2混合ガスの圧力を0.5Pa、
ガス混合比Ar:O2=1:5、スパッタ電力は150
W、スパッタ時間は10分で、薄膜の厚さ110nmで
ある。なお、スパッタの際の基板11の温度は580℃
にした。できた薄膜12の超伝導転移温度は80Kであ
った。また、この薄膜12の表面はジョセフソン接合を
形成するのには十分の平坦度を有していた。
【0019】この金属酸化物超伝導薄膜12の表面に、
ネガ型フォトレジスト(OMR)を回転塗布した。幅、
長さともに10μmのブリッジパターンのフォトマスク
を用いて露光し、現像して、エッチングのためのマスク
を膜12上に形成した。エッチングは、アルゴンイオン
ビームエッチング装置を利用し、約600μA/cm 2
のイオン電流密度で、約25分エッチングを行い、図1
のような金属酸化物超伝導薄膜によるパターンを形成し
た。エッチング後、表面に残っているレジスト膜は、酸
素プラズマによって酸化させ、取り除いた。
【0020】次に、紫外線照射を行なった。光源には、
160Wの低圧水銀ランプを用い、試料周辺でのオゾン
生成を防ぐため、試料は減圧ヘリウムガス中にセットし
た。試料上にメタルマスクをおいて、ブリッジ部14に
のみ紫外線が照射されるようにして、約1時間の紫外線
照射を行ない、素子作製工程は終了する。
【0021】電極部13の間に定電流を流しながら、そ
の両端の電圧を測定し、電圧・電流特性を観測しなが
ら、10GHz前後のマイクロ波をブリッジ部に照射し
たところ、膜12の超伝導転移温度以下の温度では、電
流を増減させると、約20μV程度の階段状の電圧変
化、いわゆるシャピロ(Shapiro)ステップが観測され
た。このことから、本製造方法によって、ジョセフソン
接合が形成されたことを確認した。
【0022】上記実施例では、金属酸化物超伝導薄膜1
2として、Bi−Sr−Ca−Cu−O超伝導薄膜を用
いたが、この種のものに限る必要はなく、A−B−Cu
−O複合化合物を用いた場合でも、同様に本発明は有効
であった。ここに、AはSc、Y、La、およびLa系
列元素(原子番号57、59〜60、62〜71)の内
少なくとも1種、BはBa、SrなどIIa族元素の内少
なくとも1種、かつA、B元素とCu元素の濃度が0.
5≦(A+B)/Cu≦2.5を満足すれば、作製した
薄膜の超伝導転移温度に多少の差は生じるが基本的に本
発明にとってその有効性に変化を与えない。さらに、B
i−Sr−Ca−Cu−O化合物中のSr原子の一部をPb
で置換された化合物、あるいは、Tl−Ba−Ca−C
u−O化合物またはTl−Ba−Ca−Cu−O化合物
中のBa原子の一部をPbで置換された化合物を用いて
も同様に本発明は有効であった。
【0023】
【発明の効果】本発明のジョセフソン素子の製造方法で
は、金属酸化物超伝導薄膜をエッチングで加工したのち
に、紫外線照射を行なう。紫外線照射量を制御すること
によって、通常のブリッジ型ジョセフソン接合作製にと
って従来必要であった、数nm程度の加工精度を必要と
せずに、良好な特性のジョセフソン素子を再現性よく作
製できる。
【0024】ジョセフソン素子は、超高性能マイクロ波
ミキサーや超高感度磁界計測装置などではきわめて重要
な構成要素であり、また、金属酸化物超伝導体の中で、
将来さらに転移温度の高い材料の発見も期待できること
から、本発明の工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のジョセフソン素子の製造法
の一工程における斜視図
【符号の説明】
1 基板 2 金属酸化物超伝導薄膜 3 電極部 4 ブリッジ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に金属酸化物超伝導薄膜を形成し
    た後、前記金属酸化物超伝導薄膜をエッチングにより2
    つの電極部と前記2つの電極部をつなぐ微小なブリッジ
    部を形成した後、前記ブリッジ部に紫外線を照射するこ
    とを特徴とするジョセフソン素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属酸化物超伝導薄膜が、A−B−Cu
    −O複合化合物であることを特徴とする、請求項1記載
    のジョセフソン素子の製造方法。ここに、AはSc、
    Y、La、およびLa系列元素(原子番号57、59〜
    60、62〜71)の内少なくとも1種、BはIIa族元
    素の内少なくとも1種、かつAおよびB両元素とCu元
    素の濃度は、0.5≦(A+B)/Cu≦2.5。
  3. 【請求項3】 金属酸化物超伝導薄膜が、Bi−Sr−C
    a−Cu−O系化合物、前記Bi−Sr−Ca−Cu−O系化
    合物中のSr原子の一部をPbで置換された化合物、T
    l−Ba−Ca−Cu−O系化合物または前記Tl−B
    a−Ca−Cu−O系化合物中のBa原子の一部をPb
    で置換された化合物の何れかであることを特徴とする、
    請求項1記載のジョセフソン素子の製造方法。
JP17370591A 1991-07-15 1991-07-15 ジョセフソン素子の製造方法 Expired - Fee Related JP3149460B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17370591A JP3149460B2 (ja) 1991-07-15 1991-07-15 ジョセフソン素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17370591A JP3149460B2 (ja) 1991-07-15 1991-07-15 ジョセフソン素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0521855A true JPH0521855A (ja) 1993-01-29
JP3149460B2 JP3149460B2 (ja) 2001-03-26

Family

ID=15965605

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17370591A Expired - Fee Related JP3149460B2 (ja) 1991-07-15 1991-07-15 ジョセフソン素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3149460B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3149460B2 (ja) 2001-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Keller et al. A seven-junction electron pump: design, fabrication, and operation
EP0325765A1 (en) Josephson device having a Josephson junction structure suitable for an oxide superconductor
EP0414205B1 (en) Methods of manufacturing thin film superconductors and superconductor devices
US5356870A (en) Method for processing superconducting thin films
JP3149460B2 (ja) ジョセフソン素子の製造方法
RU2645167C2 (ru) Способ создания интегрированного криогенного адаптера питания на одном чипе в одном технологическом процессе
Lacquantii et al. Properties of RF-sputtered Nb/Al-AlO/sub x//Nb Josephson SNAP junctions
US5880069A (en) Process of making high Tc Josephson junction device
RU2080693C1 (ru) Способ формирования пленочных микромостиков из высокотемпературных сверхпроводников
JP2633888B2 (ja) 超電導デバイス及び超電導配線の製造方法
JP2713343B2 (ja) 超電導回路の作製方法
JP2682136B2 (ja) ジョセフソン素子の製造方法
JP2001244511A (ja) ランプエッジ構造を持つジョセフソン素子の製造方法および成膜装置
US5873985A (en) Process of making squid device having tilt-boundary junction
JP2776004B2 (ja) ジョセフソン素子の製造方法
JP2976427B2 (ja) ジョセフソン素子の製造方法
JPH04171874A (ja) ジョセフソン素子およびその製造方法
JP3147999B2 (ja) ジョセフソン接合素子及びその製造方法
Hinken et al. Materials and Production Methods
JPH01286373A (ja) ジョセフソン素子およびその製造方法
Ohta et al. Seven-channel RF SQUID with 1/f noises only at very low frequencies
JPH06338639A (ja) ジョセフソン素子の製造方法
Wang The growth and properties of niobium based trilayered and stacked Josephson junctions
JPH01202876A (ja) ジョセフソン接合素子の作製方法
Katz Fabrication, characterization, and analysis of nanofabricated ion damage high temperature Josephson junctions

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees