JPH05217853A - 投影型露光装置 - Google Patents

投影型露光装置

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JPH05217853A
JPH05217853A JP4017524A JP1752492A JPH05217853A JP H05217853 A JPH05217853 A JP H05217853A JP 4017524 A JP4017524 A JP 4017524A JP 1752492 A JP1752492 A JP 1752492A JP H05217853 A JPH05217853 A JP H05217853A
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fly
pattern
optical system
illumination
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    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レチクルのパターン面のフーリエ変換面にお
いて光軸から偏心した複数の2次光源像からの光束の強
度を夫々等しくする。 【構成】 レチクル16のパターン面17に対して所定
の入射角ψで光束を照射するためにパターン面のフーリ
エ変換面11b,12cにおいて光軸AXから偏心した
複数の2次光源像を形成するためのフライアイレンズ1
1A,11Bとフライアイレンズ11A、11Bの夫々
に照明光を入射するための多面プリズム5a、5bを設
け、プリズム5aを光軸AXとほぼ垂直な面内で移動す
ることにより、フライアイレンズに入射する光束の強度
を夫々可変とする。また、フライアイレンズ11A、1
1Bからの光束の強度を個別に計測する照度計21を設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は投影型露光装置に関し、
特に半導体集積素子等の回路パターン又は液晶素子のパ
ターンの転写に使用される投影型露光装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】半導体等の回路パターン形成には、一般
にフォトリソグラフ技術と呼ばれる工程が必要である。
この工程には通常、レチクル(マスク)パターンを半導
体ウェハ等の試料基板上に転写する方法が採用される。
試料基板上には感光性のフォトレジストが塗布されてお
り、照射光像、即ちレチクルパターンの透明部分のパタ
ーン形状に応じて、フォトレジストに回路パターンが転
写される。投影型露光装置では、レチクル上に描画され
た転写すべき回路パターンが、投影光学系を介して試料
基板(ウェハ)上に投影、結像される。
【0003】また、レチクルを照明するための照明光学
系中には、フライアイレンズ、ファイバーなどのオプチ
カルインテグレーターが使用され、レチクル上に照射さ
れる照明光の強度分布が均一化される。その均一化を最
適に行なうために、フライアイレンズを用いた場合、フ
ライアイレンズのレチクル側焦点面とレチクルのパター
ン面とはほぼフーリエ変換の関係で結ばれており、ま
た、レチクル側焦点面と光源側焦点面ともフーリエ変換
の関係で結ばれている。従って、レチクルのパターン面
とフライアイレンズの光源側焦点面(正確にはフライア
イレンズの個々のレンズの光源側焦点面)とは、結像関
係(共役関係)で結ばれている。このためレチクル上で
は、フライアイレンズの各エレメント(2次光源像)か
らの照明光がそれぞれ加算(重畳)されることで平均化
され、レチクル上の照度均一性を良好とすることが可能
となっている。
【0004】従来の投影型露光装置では、上述のフライ
アイレンズ等のオプチカルインテグレーターの入射面に
入射する照明光束の光量分布を、照明光学系の光軸を中
心とするほぼ円形内(あるいは矩形内)でほぼ一様にな
るようにしていた。図9は、上述の従来の投影型露光装
置のオプチカルインテグレータからウェハまでの構成を
模式的に示す図である。照明光束L130は、照明光学
系中のフライアイレンズ11、空間フィルター12、及
びコンデンサーレンズ15を介してレチクル16のレチ
クルパターン17を照明する。ここで、空間フィルター
12はフライアイレンズ11のレチクル側焦点面11
b、即ちレチクル16に対するフーリエ変換面(以後、
瞳面と略す)、若しくはその近傍に配置され、投影光学
系の光軸AXを中心としたほぼ円形領域の開口を有し、
瞳面内にできる2次光源(面光源)像を円形に制限す
る。このとき照明光学系11,12,15の開口数と投
影光学系18のレチクル側開口数の比、所謂σ値は開口
絞り(例えば空間フィルター12の開口径)により決定
され、その値は0.3〜0.6程度が一般的である。
【0005】照明光束L130はレチクル16にパター
ニングされたパターン17により回折され、パターン1
7からは0次回折光D0 、+1次回折光DP 、−1次回
折光Dm が発生する。夫々の回折光D0 ,Dm ,DP
投影光学系18により集光されウェハ20上に干渉縞を
発生させる。この干渉縞がパターン17の像である。こ
のとき0次回折光D0 と±1次回折光DP ,Dm とのな
す角θ(レチクル側)はsinθ=λ/P(λ:露光波
長、P:パターンピッチ)により決まる。ここで、光束
を表す実線は1点から出た光の主光線を表している。
【0006】パターンピッチが微細化するとsinθが
大きくなり、sinθが投影光学系18のレチクル側開
口数(NAR ) より大きくなると±1次回折光DP 、D
m は投影光学系を透過できなくなる。すると、ウェハ2
0上には0次回折光D0 のみしか到達せず干渉縞は生じ
ない。つまりsinθ>NAR となる場合にはパターン
17の像は得られず、パターン17をウェハ20上に転
写することができなくなってしまう。
【0007】以上のことから、従来の露光装置において
は、sinθ=λ/P≒NAR となり、ピッチPは次式
で与えられていた。
【0008】
【数式1】P≒λ/NAR 1:1ラインアンドスペースパターンの場合、最小パタ
ーンサイズはピッチPの半分であるから、最小パターン
サイズは0.5・λ/NAR 程度となるが、実際のフォト
リソグラフィーにおいてはウェハの湾曲や、プロセスに
よるウェハの段差等の影響、又はフォトレジスト自体の
厚さのために、ある程度の焦点深度が必要となる。この
ため、実用的な最小解像パターンサイズは、k・λ/N
Aとして表される。ここでkはプロセス係数と呼ばれ0.
6〜0.8程度となる。また、投影光学系のレチクル側開
口数NAR とウェハ側開口数NAW との比は投影光学系
の投影倍率と同じであるので、レチクル上における最小
解像パターンサイズはk・λ/NAR となり、ウェハ上
の最小パターンサイズはk・λ/NAW =k・λ/M・
NAR (但し、Mは投影倍率(縮小率))となる。
【0009】従って、より微細なパターンを転写するた
めには、より短い波長の露光光源を使用するか、あるい
はより開口数の大きな投影光学系を使用するかを選択す
る必要があった。もちろん、波長と開口数の両方を最適
化する努力も考えられる。また、レチクルの回路パター
ンの透過部分のうち、特定の部分からの透過光の位相
を、他の透過部分からの透過光の位相よりπだけずら
す、いわゆる位相シフトレチクルが特公昭62−508
11号公報等で提案されている。この位相シフトレチク
ルを使用すると、従来よりも微細なパターンの転写が可
能となる。
【0010】また、レチクルを所定の角度だけ傾いた光
で照明する傾斜照明法も提案されている。この傾斜照明
法は1991年秋期応用物理学会等で発表されたレチク
ルパターンのフーリエ変換相当面、若しくはその近傍面
での2次光源形状を制限する方式(以下「変形光源法」
という)と原理的には等価である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の露
光装置においては、照明光源を現在より短波長化(例え
ば200nm以下)することは、透過光学部材として使
用可能な適当な光学材料が存在しない等の理由により現
時点では困難である。さらに投影光学系の開口数は、現
状でもすでに理論的限界に近く、これ以上の大開口化は
ほぼ望めない状態である。もし現状以上の大開口化が可
能であるとしても、±λ/2NA2 で表わされる焦点深
度は開口数の増加に伴なって急激に減少し、実使用に必
要な焦点深度がますます少なくなるという問題が顕著に
なってくる。
【0012】一方、位相シフトレチクルについては、そ
の製造工程が複雑になる分コストも高く、また検査及び
修正方法も未だ確立されていないなど、多くの問題が残
されている。また、変形光源法は所定開口部を備えた遮
光板をレチクルパターンのフーリエ変換相当面、若しく
はその近傍(特にフライアイレンズの射出端側)に設け
ることにより2次光源形状を制限しているため、光量損
失や照度均一化の劣化という問題点があった。
【0013】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、通常のレチクルを使用しても、光量損失や照度均一
化の劣化なく高解像度、且つ大焦点深度が得られる投影
型露光装置の実現を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の投影型露光装置
においては、原理的に図8に示すように構成される。図
8において従来と同じ部材には同一の符号をつけてあ
る。図8において、フライアイレンズ11A,11B
は、そのレチクル側焦点面11bがレチクル16上の回
路パターン(レチクルパターン)17に対してほぼフー
リエ変換面となる位置(投影光学系18の瞳面19と共
役な位置)に配置され、且つ、上記のフライアイレンズ
11A,11Bは、複数のフライアイレンズに分散して
配列される。また、フライアイレンズ11A,11Bの
レチクル側焦点面11bにおける照明光量分布を、上記
複数のフライアイレンズ11A,11Bの個々のフライ
アイレンズ位置以外でほぼ零とするために、フライアイ
レンズの光源側に遮光板12を設ける。このためフライ
アイレンズ11A,11Bのレチクル側焦点面11bに
おける照明光量分布は各フライアイレンズ11A、11
Bの位置でのみ存在し、それ以外ではほぼ零となる。
【0015】フライアイレンズ11A,11Bのレチク
ル側焦点面11bはレチクルパターン17に対するフー
リエ変換面にほぼ等しいので、フライアイレンズ11
A,11Bのレチクル側焦点面11bでの光量分布(光
束の位置座標)は、レチクルパターン17に対する照明
光束の入射角度ψに対応することになる。従って、フラ
イアイレンズ11A、11Bの個々の位置(光軸に垂直
な面内での位置)を調整することによって、レチクルパ
ターン17に入射する照明光束の入射角を決定すること
ができる。ここで、フライアイレンズ11A,11Bは
光軸AXと対称に配置するのが望ましい。
【0016】上記構成の露光装置において、各フライア
イレンズ11A,11B(フーリエ変換面における光軸
AXから偏心した離散的な領域にあるフライアイレン
ズ)に照明光を入射する光束分割部材と、光束分割部材
からの各々の光束の強度を調節可能な光強度可変手段を
設け、各フライアイレンズに照明光を効率よく(強度が
等しくなるようにして)入射するようにした。
【0017】また、各フライアイレンズ11A,11B
からの光束の強度を計測する照度計21を設け、この照
度計21からの光強度信号、即ち、各フライアイレンズ
より射出される光束の強度に基づいて、上記光強度可変
手段を制御する制御部を設けた。さらに本発明において
は上記フライアイレンズ11A、11Bをそれぞれ独立
に、光軸と垂直な面内方向に可動とすることも可能であ
り、個々のフライアイレンズをそれぞれ移動、位置調整
することにより、レチクル16に入射するそれぞれの照
射光束(複数本)の入射角度を任意に制御することも可
能である。
【0018】
【作用】レチクル(マスク)上に描画された回路パター
ン17は、一般に周期的なパターンを多く含んでいる。
従って1つのフライアイレンズ11Aからの照明光が照
射されたレチクルパターン17からは0次回折光成分D
0 、±1次回折光成分D P ,Dm 、及びより高次の回折
光成分が、パターンの微細度(ピッチ)に応じた回折角
の方向に発生する。このとき、図8に示すように照明光
束(主光線)L120は光軸に対して傾いた角度ψでレ
チクル16に入射するから、発生した各次数の回折光成
分も、垂直に照明された場合に比べて傾き(角度ずれ)
をもってレチクルパターン17から発生する。
【0019】照明光L120はレチクルパターン17に
より回折され、光軸AXに対してψだけ傾いた方向に進
む0次回折光D0 、0次回折光D0 に対してθP だけ傾
いた+1次回折光DP 、及び0次回折光D0 に対してθ
m だけ傾いた−1次回折光D m を発生する。従って、+
1次光DP は光軸AXに対して角度(θP +ψ)の方向
に進行し、−1次回折光Dm は光軸AXに対して角度
(θm −ψ)の方向に進行する。
【0020】このとき回折角θP 、θm はそれぞれ
【0021】
【数式2】sin(θP +ψ)− sinψ=λ/P
【0022】
【数式3】sin(θm −ψ)+ sinψ=λ/P で表される。ここでは、+1次回折光DP 、−1次回折
光Dm の両方が投影光学系18の瞳19を透過している
ものとする。
【0023】レチクルパターン17の微細化に伴って回
折角が増大すると、先ず角度(θP+ψ)の方向に進行
する+1次回折光DP が投影光学系18の瞳19を透過
できなくなる。即ちsin(θP +ψ)>NAR の関係
になってくる。しかし照明光L120が光軸AXに対し
て傾いて入射しているため、回折角が大きくなっても−
1次回折光Dm は投影光学系18に入射可能となる。即
ちsin(θm −ψ)<NAR の関係になる。よって、
ウェハ20上には0次回折光D0 と−1次回折光Dm
2光束による干渉縞が生じる。この干渉縞はレチクルパ
ターン17の像であり、レチクルパターン17が1:1
のラインアンドスペースの時、ウェハ20上に塗布され
たレジストには約90%のコントラストでレチクルパタ
ーン17の像をパターニングすることが可能となる。
【0024】尚、このときの解像限界は、
【0025】
【数式4】sin(θm −ψ)=NAR となるときであり、従って
【0026】
【数式5】NAR +sinψ=λ/P P=λ/(NAR +sinψ) が転写可能な最小パターンのレチクル側でのピッチPで
ある。例えばいま、sinψを0.5×NAR 程度に定め
るとすれば、転写可能なレチクル上のパターンの最小ピ
ッチは、
【0027】
【数式6】P=λ/(NAR +0.5NAR ) =2λ/3NAR となる。一方、図9に示したように、レチクル16の瞳
面上での照明光の分布が投影光学系18の光軸AXを中
心とする円形領域である従来の露光装置の場合、解像限
界は数式1に示したようにP≒λ/NAR であった。以
上のことから、従来の露光装置より高い解像度が実現で
きることがわかる。
【0028】次に、レチクルパターンに対して特定の入
射方向と入射角で光束を照射し、0次回折光成分と1次
回折光成分とを用いてウェハ上に結像パターンを形成す
る方法によって、焦点深度が大きくなる理由について説
明する。図8のようにウェハ20が投影光学系18の焦
点位置(最良結像面)に一致している場合には、レチク
ルパターン17中の1点を出てウェハ20上の一点に達
する各回折光は、投影光学系18のどの部分を通るもの
であってもすべて等しい光路長を有する。このため従来
のように0次回折光成分が投影光学系18の瞳面19の
ほぼ中心(光軸近傍)を通過する場合でも、0次回折光
成分とその他の回折光成分とで光路長は相等しく、相互
の波面収差も零である。
【0029】しかし、ウェハ20が投影光学系18の焦
点位置に一致していないデフォーカス状態の場合、図9
に示すような従来の装置では、投影光学系に対して斜め
に入射する高次の回折光の光路長は、光軸近傍を通る0
次回折光に対して焦点前方(投影光学系18から遠ざか
る方)では短く、焦点後方(投影光学系18に近づく
方)では長くなりその差は入射角の差に応じたものとな
る。従って、各回折光は相互に波面収差を形成し、焦点
位置の前後にボケを生じることとなる。
【0030】前述のデフォーカスによる波面収差は、ウ
ェハ20の焦点位置からのデフォーカス量をΔF、各回
折光がウェハに入射するときの入射角θw の正弦をr
(r=sinθw )とすると、ΔFr2 /2で与えられ
る量である。このときrは各回折光の、瞳面19での光
軸AXからの距離を表わす。図9に示した従来の投影型
露光装置では0次回折光D0 は光軸AXの近傍を通るの
で、r=0となり、±1次回折光DP ,Dm は、r=M
・λ/Pとなる(Mは投影光学系の倍率)。
【0031】従って、0次回折光D0 と±1次回折光D
P ,Dm とのデフォーカスによる波面収差は、ΔF・M
2(λ/P)2/2となる。一方、本発明における投影型露
光装置では、図8に示すように0次回折光成分D0 は光
軸AXから角度ψだけ傾いた方向に発生するから、瞳面
19における0次回折光成分の光軸AXからの距離はr
=M・sinψである。また、−1次回折光成分Dm
瞳面における光軸からの距離はr=M・sin(θm
ψ)となる。そしてこのとき、sinψ=sin(θm
−ψ)となれば、0次回折光成分D0 と−1次回折光成
分Dm のデフォーカスによる相対的な波面収差は零とな
り、ウェハ20が焦点位置より光軸方向に若干ずれても
パターン17の像ボケは従来程大きく生じないことにな
る。即ち、焦点深度が増大することになる。また、数式
3のように、sin(θm −ψ)+sinψ=λ/Pで
あるから、照明光束L120のレチクル16への入射角
ψが、パターンのピッチPに対してsinψ=λ/2P
の関係にあれば、焦点深度を増大することが可能であ
る。
【0032】ところで、図8では、2個のフライアイレ
ンズが光軸AXに対して位置的に対称性を保った状態を
示している。このようにフライアイレンズの位置の対称
性が 6 保たれていたとしても、この2個のフライアイレ
ンズ11A,11Bより射出される光量は必ずしも等し
いとは限らない。従ってフライアイレンズの位置とその
位置からの光束の光量とを考慮した対称性を保つには、
両フライアイレンズからの光束の光量も等しくしておく
必要がある。この対称性が保たれないと、ウェハ共役面
における照明光束の方向重心(投影光学系の瞳面におけ
る光軸から各光束への位置ベクトルに各光束の光量を乗
じたものの総和)が光軸から外れることとなる。即ち、
投影光学系のウェハ側のテレセントリシティーが保たれ
ないこととなり、デフォーカス時にパターン像の横ずれ
(所謂テレセンずれ)が生じることとなる。
【0033】本発明では、各フライアイレンズに照明光
を入射する光束分割部材と光束分割部材からの光束の強
度を調整する光強度可変手段を設けたために、各フライ
アイレンズから照射される光束の強度を調整することが
できる。また、各フライアイレンズからの光束の強度を
計測する照度計を設けたことにより、各光束の強度がほ
ぼ等しくなるように、上記光強度可変手段を調整するこ
とができる。
【0034】
【実施例】図1は本発明の実施例による投影型露光装置
(ステッパー)の概略的な構成を示す図である。この構
成において、フライアイレンズ11A,11Bの夫々の
光源側焦点面11aの所定の領域に照明光の光量分布を
集中せしめる光学部材(本発明の光束分割部材の一部)
として、多面体プリズム5を設けることとした。
【0035】水銀ランプ1より発生した照明光束は、楕
円鏡2の第2焦点f0 に集光した後、ミラー3、リレー
系等のレンズ系4を介して多面体プリズム5に照射され
る。このときの照明方法は、ケーラー照明法であっても
クリチカル照明であっても良い。多面体プリズム5から
発生した光束は、リレーレンズ9によりフライアイレン
ズ11A,11Bの夫々に集中して入射する。このと
き、フライアイレンズ11A,11Bの光源側焦点面1
1aと、多面体プリズム5とは、リレーレンズ9を介し
て、ほぼフーリエ変換の関係となっている。尚、図1で
は、多面体プリズム5への照明光を平行光束として図示
したが、実際は発散光束となっているため、フライアイ
レンズ11A,11Bへの入射光束はある大きさ(面
積)を持っている。
【0036】一方、フライアイレンズ11A,11Bの
レチクル側焦点面11bは、レチクルパターン17のフ
ーリエ変換面(瞳共役面)とほぼ一致するように、光軸
AXと垂直な面内の方向に配置されている。また、個々
のフライアイレンズ11A,11Bは光軸AXと垂直な
面内の方向に夫々独立に可動であり、且つ、そのための
可動部材に保持されているが、その詳細は後述する。
【0037】個々のフライアイレンズ11A,11Bは
同一の形状、同一の材質(屈折率)のものであることが
望ましい。また図1に示した個々のフライアイレンズ1
1A,11Bの各レンズエレメントは、両凸レンズと
し、且つ光源側焦点面11aと入射面、レチクル側焦点
面11bと射出面がそれぞれ一致する場合の例であった
が、フライアイのレンズエレメントはこの関係を厳密に
満たさなくても良く、また平凸レンズや、凸平レンズ或
いは平凹レンズであってもよい。
【0038】尚、フライアイレンズの光源側焦点面11
aとレチクル側焦点面11bとは、当然ながらフーリエ
変換の関係である。従って図1の例の場合、フライアイ
レンズのレチクル側焦点面11b、即ちフライアイレン
ズ11A,11Bの射出面は、多面体プリズム5と結像
関係(共役)になっている。図2は、投影型露光装置の
フライアイレンズ11A、11Bから投影光学系18ま
での構成を模式的に表す図であり、フライアイレンズの
レチクル側焦点面11bが、レチクルパターン17のフ
ーリエ変換面12cと一致している。またこのとき、レ
チクル側焦点面11bとレチクルパターン17とをフー
リエ変換の関係とならしめる光学系を一枚のレンズ15
aとして表わしてある。さらに、レンズ15aのフライ
アイレンズ側主点Hからフライアイレンズ11A,Bの
レチクル側焦点面11bまでの距離と、レンズ15aの
レチクル側主点H′からレチクルパターン17までの距
離は共にfであるとする。
【0039】さて、フライアイレンズ11A,11Bの
レチクル側焦点面11bより射出される光束は、コンデ
ンサーレンズ13,15、及びミラー14を介して、レ
チクル16を均一な照度分布で照明する。遮光板12
A,12Bは、それぞれフライアイレンズ11A,11
Bの各位置に対応し、可動となっている。このため、フ
ライアイレンズ11A,11Bからの照明光束を夫々任
意に遮光、透光することが可能である。このためレチク
ルパターン17に照明される照明光を、フライアイレン
ズ11A,11Bのうちいずれか一方からの光束(2次
光源像からの光束)のみとすることができ、従って、例
えばウェハ20表面との共役面にその受光面を持った後
述の照度計21を用いて光束の強度を計測する際、各フ
ライアイレンズからの光束の強度を独立して計測するこ
とができる。
【0040】この照度計は、ウェハ共役面に配置される
ものに限定されず、例えば、ミラー14の裏面にフライ
アイレンズのレチクル側焦点面11bと共役な面を作
り、そこに2つのセンサーを配置して計測してもよい。
その場合、フライアイレンズ11A、11Bからの各々
の光束の強度を同時に計測することができ、遮光板12
Aは必要ない。
【0041】こうして照明されたレチクル16上のレチ
クルパターン17から発生した回折光は、図8で説明し
たのと同様に、テレセントリックな投影光学系18によ
り集光、結像され、ウェハ20上にレチクルパターン1
7の像を転写する。前述の多面体プリズム5を使って照
明光束を分割して、その光束をフライアイレンズ11
A,11Bの光源側焦点面内の特定の位置(フライアイ
レンズ)に集中させる際、その集中位置は、多面体プリ
ズム5の傾斜角や方向性によって変化する。従って、各
フライアイレンズ11A、11Bの位置に照明光を集中
させるべく、多面体プリズム5の傾斜角や方向性を決定
する。
【0042】上記実施例では、多面体プリズム5とフラ
イアイレンズ11A,11Bの光源側焦点面をフーリエ
変換の関係としたが、結像関係としてもよい。但し、フ
ーリエ変換の関係とした方が、多面体プリズム5上のゴ
ミ等によるレチクル16上の照度均一性の悪化を防ぐこ
とができる。また図中では、多面体プリズム5により照
明光束を2光束に分割するものとしたが、多面体プリズ
ムの面数を増すことでより多くの光束に分割することが
できる。
【0043】さて、図1中多面体プリズム5は、能動部
材6に保持されており、光軸AXとほぼ垂直な方向(紙
面上下方向)に可動となっている(詳細後述)。このと
き、多面体プリズム5を光軸AXとほぼ垂直な方向に移
動すると、多面体プリズム5に入射する光束の分割位置
(多面体プリズム5と入射光束との相対位置)が変わる
ため、分割後の複数の光束の光量比を光量損失なく変え
ることができる。このとき、能動部材6は駆動系51に
よって制御される。また、駆動系51は、前述の遮光板
12A,12Bの各光路(各フライアイレンズ射出面近
傍)への出し入れも制御するものとする。さらに各フラ
イアイレンズ11A,11Bが可動であれば、各フライ
アイレンズの移動も行うものとする。
【0044】図1中、ウェハ20を保持するウェハホル
ダー22は、ウェハステージ23によって光軸AXと垂
直な面内に可動である。またウェハステージ23上に
は、照度計21が設けられている。照度計21は投影フ
ィールド内全体を一括に受光するセンサーであり、その
受光面はウェハ表面とほぼ一致する平面内に設けられて
いる。この照度計21により、ウェハ上の像面と共役な
位置での照明光強度を計測することができる。従って、
前述の遮光板12A,12Bを操作し、各フライアイレ
ンズ11A,11Bのうちの1つを残してそれ以外から
の照明光束を全て遮光することで、1つのフライアイレ
ンズからの光束の強度を計測することができる。この計
測を各フライアイレンズについて夫々行うことにより、
各フライアイレンズからの光束の強度を知ることができ
る。強度計測時にはレチクル16は装填されていない方
が好ましいが、レチクルの入った状態で計測をしてもよ
い。
【0045】計測した各光束の計測値は主制御系21で
比較される。主制御系21には照明光の強度と能動部材
6の駆動量との関係が予めテーブル値として登録されて
おり、主制御系21は各光束の強度を等しくするように
能動部材6を操作する。これによって各フライアイレン
ズからの光束の強度を等しくすることができる。また、
各フライアイレンズの配置は、光軸AXに対して対称と
する。このため、前述の投影光学系の瞳面における光軸
から各光束への位置ベクトルに各光束の光量を乗じたも
のの総和(方向重心)が零となり、前述のテレセンずれ
を零とすることができる。
【0046】ところで、光源である水銀ランプ1には使
用時間の限界(寿命)があり、現在のところ約600時
間毎に新品と交換して使用している。水銀ランプには、
製造段階で生じる個体差があり、光量の配向特性等がラ
ンプ毎に異なる。従って、以前のランプ使用時には各々
のフライアイレンズからの光束の強度が等しかった場合
でも、ランプを交換することによってそれに伴う配向特
性等の変化が生じ、各フライアイレンズからの光束の強
度が等しくならない可能性がある。またこのことは、1
個の水銀ランプを使用中の経時変化によっても発生し得
るものである。従って、上記の光束分割手段の調整は、
ランプ交換毎、或いはランプ使用中の例えば100時間
毎に行うと良い。
【0047】ところで、フライアイレンズのレチクル側
焦点面内での2次光源像の位置は、使用するレチクルの
パターンのピッチ(周期性)に応じて変更できることが
望ましい。以下に、フライアイレンズを可動とする実施
例について説明する。図3はフライアイレンズの可動部
を光軸方向から見た図であり、図4は光軸と垂直な方向
から見た図である。複数のフライアイレンズとして図3
では4個のフライアイレンズ11A,11B,11C,
11Dを光軸からほぼ等距離に配置している。また、フ
ライアイレンズ11A,11B,11C,11Dの夫々
は、図3には32個のレンズエレメントで構成されるよ
うに示しているが、これに限定されるものではなく、極
端な場合1個のレンズエレメントで構成されたフライア
イレンズとしてもよい。
【0048】さて図3、図4において、フライアイレン
ズ11A,11B,11C,11Dは夫々治具80A,
80B,80C,80Dにより保持され、これら治具8
0A,80B,80C,80Dはさらに支持棒70A,
70B,70C,70Dを介して可動部材71A,71
B,71C,71Dにより夫々支持されている。この支
持棒70A,70B,70C,70Dは、可動部材71
A,71B,71C,71Dに含まれるモーター及びギ
ア等の駆動素子により、光軸AXを中心とした放射方向
に伸縮可能となっている。また、可動部材71A,71
B,71C,71D自体も、固定ガイド72A,72
B,72C,72Dに沿って移動可能であり、従って個
々のフライアイレンズ11A,11B,11C,11D
は光軸AXと垂直な面内の任意の位置に夫々独立に移動
可能である。
【0049】また遮光板12A,12Bもフライアイレ
ンズ11A,11Bの移動に応じて移動可能であり、フ
ライアイレンズ11A,11Bの位置に係わらず、任意
のフライアイレンズからの光束のみを透過させ、他の光
束全てを遮光することができる。さらに、各フライアイ
レンズ11A,11Bを保持する治具80A,80Bが
夫々遮光羽根81A,81Bを有していれば、図8に示
すような遮光板12の開口部はフライアイレンズの径よ
りかなり大きくて良くなる。また、各遮光羽根81A,
81Bは、光軸方向にわずかずつずれていると、各フラ
イアイレンズの移動範囲に与える制限が減少される。
【0050】次に、多面体プリズム5の構成について図
5を参照して説明する。多面体プリズム5は2つの多面
体プリズム5a,5bで構成されており、少なくとも凹
型の多面体プリズム5aは、光軸AXに垂直な面内方向
に移動可能である。プリズム5aは保持具7aを介して
能動部材6aに設けられており、さらに、能動部材6a
は固定具8に設けられている。能動部材6はプリズム5
aを光軸AXと垂直な面内方向に移動する。一方、プリ
ズム5bは保持具7bを介して固定具8に設けられてい
る。プリズム5aとプリズム5bとの夫々は、固定具8
内に設けられた駆動部により光軸AX方向に移動可能で
あり、プリズム5aとプリズム5bとの光軸AX方向の
間隔を可変とすることができる。前述の如く各照明光束
の強度を等しくする場合は、少なくともプリズム5aを
光軸AXと垂直な面内方向に所定量だけ移動する。凹型
プリズム5aが複数の光学素子で構成される場合は少な
くともその一部を移動可能としてもよい。尚、図中の点
線はプリズム5aが移動した場合を示しており、この時
2つの光束が光軸AXから大きくシフトする場合は、プ
リズム5bとレンズ9aとの間の各々の光路中に平行平
板ガラスを設け、各光束の光軸AXからのシフト量を補
正すればよい。
【0051】ところで、上述の如くフライアイレンズ1
1A〜Dが移動する場合、多面体プリズム等の光束分割
部材から射出される光束の通過する位置(光軸AXを中
心として光軸と垂直な面内の位置)もフライアイレンズ
の移動に応じて変更する必要がある。この場合、プリズ
ム5aとプリズム5bの間隔を変更することにより、分
割された各光束の光軸からの距離を変更することができ
る。また、このプリズム5a,5bを光軸AXについて
回転することで、光軸を中心とした円周方向の光束の位
置も変更できる。
【0052】さて、図3、及び図4に示したフライアイ
レンズ11A,11B,11C,11Dの各位置(光軸
と垂直な面内での位置)は、転写すべきレチクルパター
ンに応じて決定(変更)するのが良い。つまり、作用の
項で述べたように各フライアイレンズからの照明光束
が、転写すべきパターンの微細度(ピッチ)に対して最
適な解像度、及び焦点深度の向上効果を得られるような
入射角ψでレチクルパターンに入射するようにすればよ
い。
【0053】次に各フライアイレンズの位置決定の具体
例について、図6を用いて説明する。図6(A),
(C)は、共にレチクルパターン17中に形成される一
部分のパターンの例を示す図である。図6(B)は、図
6(A)に示すようなパターンを照明するのに最適な、
レチクルパターンのフーリエ変換面(又は投影光学系の
瞳面)での各フライアイレンズの中心の位置(本発明で
いうフーリエ変換面内での、光量分布の極大値の位置に
相当する)を示し、同様に図6(D)は、図6(C)に
示すようなパターンを照明するのに最適な、各フライア
イレンズの中心の位置を示す図である。
【0054】図6(A)は、所謂1次元ラインアンドス
ペースパターンであって、Y方向に帯状に延びた透過部
と遮光部とが等しい幅で、且つX方向にピッチPで規則
的に並んでいる。このとき、個々のフライアイレンズの
最適位置は図6(B)に示すようにフーリエ変換面12
c内に仮定したY方向の線分Lα上、及び線分Lβ上の
任意の位置となる。図6(B)はレチクルパターン17
に対するフーリエ変換面12c(フライアイレンズのレ
チクル側焦点面11b)を光軸AX方向から見た図であ
り、且つ、面12c内の座標系X,Yは、同一方向から
レチクルパターン17を見た図6(A)と同一にしてあ
る。さて、図6(B)において光軸AXが通る中心Cか
ら、各線分Lα、Lβまでの距離α、βはα=βであ
り、露光波長をλとしたとき、α=β=f・λ/2Pに
等しい。この距離α,βをf・sinψと表わせれば、
sinψ=λ/2Pであり、これは作用の項で述べた数
値と一致している。従って各フライアイレンズの各中心
(各フライアイレンズの夫々によって作られる2次光源
像の光量分布の各重心)位置が線分Lα、Lβ上にあれ
ば、図6(A)に示す如きラインアンドスペースパター
ンに対して、各フライアイレンズからの光束を照射した
際に発生する±1次回折光のうちのどちらか一方と0次
回折光との2つの回折光は、投影光学系瞳面19におい
て光軸AXからほぼ等距離となる位置を通る。従って前
述の如く、ラインアンドスペースパターン(図6
(A))に対する焦点深度を最大とすることができ、且
つ高解像度を得ることができる。
【0055】次に図6(C)は、レチクルパターンが所
謂2次元島状パターンである場合であり、且つ、パター
ンのX方向のピッチがPx、Y方向のピッチがPyとな
っている。図6(D)はこのようなパターンを照明する
場合の各フライアイレンズの最適位置を表わす図であ
り、図6(C)の座標系X,Yの関係は図6(A),
(B)の関係と同じである。図6(C)の如き2次元パ
ターンに照明光が入射するとパターンの2次元方向の周
期性(X方向はPx、Y方向はPy)に応じた2次元方
向に回折光が発生する。この場合も、回折光中の±1次
回折光のうちのいずれか一方と0次回折光とが投影光学
系瞳面19において光軸AXからほぼ等距離となるよう
にすれば、焦点深度を最大とすることができる。つま
り、図6(C)のパターンのX方向のピッチはPxであ
るから、図6(D)に示すようにα=β=f・λ/2P
xとなる線分Lα、Lβ上に各フライアイレンズの中心
があれば、パターンのX方向成分について焦点深度を最
大とすることができる。同様に、γ=ε=f・λ/2P
yとなる線分Lγ、Lε上に各フライアイレンズの中心
があれば、パターンY方向成分について焦点深度を最大
とすることができる。
【0056】以上、図6(B)、又は(D)に示した各
位置に配置したフライアイレンズからの照明光束がレチ
クルパターン17に入射すると、+1次回折光成分
R 、又は−1次回折光成分Dm のいずれか一方と0次
光回折光成分D0 とが、投影光学系18内の瞳面19で
光軸AXからほぼ等距離となる光路を通る。従って作用
の項で述べたとおり、高解像及び大焦点深度の投影型露
光装置が実現できる。
【0057】以上、レチクルパターン17として図6
(A)、又は(C)に示した2例のみを考えたが、他の
パターンであってもその周期性(微細度)に着目し、そ
のパターンからの+1次回折光成分、又は−1次回折光
成分のいずれか一方と0次回折光成分との2光束が、投
影光学系内の瞳面19では光軸AXからほぼ等距離にな
る光路を通る様な位置に各フライアイレンズの中心を配
置すればよい。
【0058】また図6(A)、(C)のパターン例は、
遮光部と透過部との比(デューティ比)が1:1のパタ
ーンであったため、発生する回折光中では±1次回折光
が強くなる。このため、±1次回折光のうちの一方と0
次回折光との関係のみに着目した。しかし、デューティ
比が1:1から異なるパターンの場合等では他の回折
光、例えば±2次回折光のうちの一方と0次回折光との
位置関係が、投影光学系瞳面19において光軸AXから
ほぼ等距離となるようにしてもよい。
【0059】さらに、レチクルパターン17が図6
(C)の如く2次元の周期性パターンを含む場合、特定
の1つの0次回折光成分に着目したとき、投影光学系の
瞳面19上ではその1つの0次回折光成分を中心として
X方向に分布する1次以上の高次回折光成分と、Y方向
に分布する1次以上の高次回折光成分とが存在し得る。
そこで、特定の1つの0次回折光成分に対して2次元の
パターンの結像を良好に行うものとすると、X方向に分
布する高次回折光成分の1つと、Y方向に分布する高次
回折光成分の1つ、及び特定の0次回折光成分との3つ
の回折光成分が、瞳面19上で光軸AXからほぼ等距離
に分布するように、特定の0次回折光成分(1つのフラ
イアイレンズ)の位置を調節すればよい。例えば、図6
(D)中でフライアイレンズ中心位置を点Pζ、Pη、
Pκ、Pμのいずれかと一致させるとよい。点Pζ、P
η、Pκ、Pμはいずれも線分LαまたはLβ(X方向
の周期性について最適な位置、即ちX方向の±1次回折
光の一方と0次回折光とが投影光学系瞳面19上で光軸
からほぼ等距離となる位置)と線分LγまたはLε(Y
方向の周期性について最適な位置)との交点であるため
X方向、Y方向のいずれのパターン方向についても最適
な光源位置である。
【0060】以上の実施例においては、2次元パターン
としてレチクル上の同一箇所に2次元の方向性を有する
パターンを仮定したが、同一レチクルパターン中の異な
る位置に異なる方向性を有する複数のパターンが存在す
る場合にも上記の方法を適用することが出来る。レチク
ル上のパターンが複数の方向性又は微細度を有している
場合、フライアイレンズの最適位置は、上述の様にパタ
ーンの各方向性及び微細度に応じたものとなる。或いは
各最適位置の平均位置にフライアイレンズを配置しても
よい。また、この平均位置は、パターンの微細度や重要
度に応じた重みを加味した加重平均としてもよい。尚、
上記のようにフライアイレンズを移動した際は、照度計
21で各フライアイレンズからの光束の強度を計測し、
夫々所定の強度になっているかを確認するのが望まし
い。
【0061】以上のようにレチクルパターンの周期の方
向性を考慮する場合、上記の各情報は、図1中のキーボ
ード52から入力可能とする。入力する情報がパターン
の方向性である場合、それに応じた各フライアイレンズ
の位置を主制御系50で決定すればよい。ところで、各
フライアイレンズ夫々からレチクルへ照射される光束の
開口数は、σ値として0.1から0.3程度であるとよい。
σ値が小さすぎると、照度の低下や照度むらを生じやす
く、大きすぎると本発明による高解像度、大焦点深度の
効果が低下する以上の実施例においては、光源として水
銀ランプ1を用いたが、他の輝線ランプやレーザー(K
rF等)光源、或るいは連続スペクトルの光源であって
も良い。また照明光学系中の光学部材の大部分をレンズ
としたが、ミラー(凹面鏡、凸面鏡)であっても構わな
い。さらに投影光学系としては屈折系であっても、反射
系、或るいは反射屈折系であってもよい。また、以上の
実施例においては両側テレセントリックな投影光学系を
使用したが片側テレセントリック系でも、非テレセント
リック系でも同様である。その他、光源から発生する照
明光のうち、特定の波長の光のみを利用するために、照
明光学系中に干渉フィルター等の単色化手段を設けても
よい。
【0062】照明光の均一化については、フライアイレ
ンズ11A,11B,11C,11Dの光源側焦点面1
1a近傍に、拡散板や光ファイバー束等の光散乱部材を
用いることで、照明光の均一化を行なっても良い。或る
いは本発明の実施例で使用されたフライアイレンズ11
A,11Bとは別に、さらにフライアイレンズ(以後、
別フライアイレンズと称する)等のオプチカルインテグ
レーターを用いて、照明光の均一化を行なっても良い。
このとき別フライアイレンズは、上記フライアイレンズ
11A,11Bの光源側焦点面11a近傍での照明光量
分布を可変とする光学部材(即ち、インプット光学
系)、例えば図1に示した多面体プリズム5等よりも光
源側であることが望ましい。或いは、上記の各フライア
イレンズ11A、11Bよりもレチクル側にそれぞれ独
立したフライアイレンズ群を別に設けてもよい。このよ
うに、2つの照明光を各々2つのフライアイレンズで均
一化することにより、より一層の均一化が図れる。
【0063】尚、以上の実施例では光束分割部材として
ピラミッドプリズムを用いたが、これに限定されるもの
ではない。例えば、複数個のレンズを並べたレンズアレ
イとしてもよく、多面ミラーを用いて分割してもよい。
この場合も、レンズアレイや多面ミラーを光軸AXと垂
直な面内で移動させて、各光束の強度を調整すればよ
い。
【0064】また、以上では光束分割部材の少なくとも
一部を移動させて、照明光束の光束分割位置(照明光束
と光束分割部材との相対位置)を可変としていたが、図
1のレンズ系4と光束分割部材5との間に平行平板ガラ
スを設け、この平行平板ガラスの傾きを変えることによ
り、照明光束の分割位置を可変としてもよい。さらに、
特開昭60−78454号公報に開示されているよう
に、ピンホール付センサーや2次元CCDセンサーを照
度計21の代わりにステージ上に設けて、図3に示すよ
うな4つのフライアイレンズのうち、1つのフライアイ
レンズによる照明光の像面内での照度ムラを、各フライ
アイレンズ毎に計測して評価してもよい。
【0065】また、フライアイレンズ11に入射する複
数の光束に、前述のプリズム5aの移動で補正できない
程の強度差がある場合は、図1中フライアイレンズ11
A、11Bの光源側に吸光性フィルター(又は金網等)
を設け、プリズム5aの移動と併用すればよい。例え
ば、プリズム5で照明光を4つに分割し、各々の光束を
4つのフライアイレンズに入射する場合について考えて
みる。4つのフライアイレンズの中心が図6(D)の点
Pζ、Pη、Pκ、Pμにあるとしたとき、PζとPκ
の位置にあるフライアイレンズからの照明光の強度が等
しくなるようにプリズムを移動し、Pη、Pμからの照
明光の強度が等しくなるようにフィルターで補正する。
【0066】また、プリズム5とフィルターとの少なく
とも1つを使って複数の光束の強度を、レチクルパター
ンの周期性に応じて積極的に異ならせるようにしてもよ
い。これを図7を参照して説明する。図7(A)はX、
Yの2次元方向とX、Y方向に対して45度方向のパタ
ーンの2種類のパターンが混在しているレチクルパター
ンを示しており、図7(B)はフーリエ変換面での照明
光の領域(フライアイレンズの位置)を示しており、そ
の位置関係は図6(D)に示すものと同様である。強度
の異ならせ方の一例としては、図7(B)で領域110
g、110hからの光束の強度をプリズムで調整し、領
域110i、110jからの光束の強度をフィルターで
弱くする。このとき、本実施例の露光装置が特開昭60
−78454号公報に開示されているような、投影レン
ズの結像特性を制御する手段(投影レンズエレメント間
の圧力制御を行う方式等)を有している場合、各照明光
間の光量比が大きく変わることにより制御量に誤差が生
じる場合がある。これを防止するため、各光束間の光量
比に応じて、この制御量を求めるためのパラメータを変
化させるようにしてもよい。
【0067】また以上の実施例では、分割されたフライ
アイレンズ群の各々に照明光を入射させることとした
が、分割されていない大型の1つのフライアイレンズ内
で照明される領域が光軸AXから偏心した離散的な領域
となるように照明光を入射させるようにしてもよい。
【0068】
【発明の効果】以上の様に本発明によれば、通常のマス
クを使用しながら、従来よりも高解像度、大焦点深度の
投影型露光装置を実現することが可能である。しかも本
発明によれば、すでに半導体生産現場で稼働中の投影型
露光装置の照明系部分、及び主制御系の一部分を替える
だけでよく、稼働中の装置の投影光学系をそのまま利用
して,それまで以上の高解像力化が可能となる。
【0069】また、露光装置のランプ交換、或いはレー
ザ交換等に伴って、光源の配向特性、或いは位置が変化
した場合にもこれを光量損失なく補償することができ、
安定した露光装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による投影型露光装置の概略的
な構成を示す図
【図2】本発明の実施例による投影型露光装置における
フライアイレンズから投影光学系までの構成を模式的に
表す図
【図3】本発明の実施例による投影露光装置におけるフ
ライアイレンズの配置とその可動部材との構成を光軸方
向からみた図
【図4】本発明の実施例による投影露光装置におけるフ
ライアイレンズの配置とその可動部材との構成を光軸と
垂直な方向からみた図
【図5】インプット光学系の他の構成を示す図
【図6】(A),(C)は、マスク上に形成されたレチ
クルパターンの一例を示す図 (B),(D)は、図6(A),(C)に示すようなパ
ターンを照明するのに最適な、レチクルパターンのフー
リエ変換面でのフライアイレンズの位置を示す図
【図7】(A)は、本発明の実施例による投影型露光装
置に使用するレチクルパターンの他の例を示す図 (B)は、図7(A)に示すパターンを照明するのに最
適な、レチクルパターンのフーリエ変換面におけるフラ
イアイレンズの位置と照明強度を示す図
【図8】本発明の原理を説明する図
【図9】従来の投影型露光装置の構成を示す図
【符号の説明】
5a、5b 多面体プリズム 6a、6b 能動部材 9 レンズ系 10 吸光性フィルター 11A,11B,11C,11D フライアイレンズ 12,12A,12B 遮光板(空間フィルター) 12c レチクルパターンのフーリエ変換面 21 照度計 50 主制御系 70A,70B,70C,70D 支持棒 71A,71B,71C,71D 可動部材 72A,72B,72C,72D 固定ガイド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの照明光をほぼ均一な強度分布
    に成形するとともに、該均一な照明光を周期的なパター
    ン部分を有するマスクに照射する照明光学系と、前記マ
    スクのパターンの像を感光基板に結像投影する投影光学
    系とを備えた投影型露光装置において、 前記照明光学系の光路中で、前記マスクのパターンのフ
    ーリエ変換相当面、若しくはその共役面の位置近傍に、
    2次光源像を形成するフライアイレンズと;前記フーリ
    エ変換相当面、若しくはその共役面の位置近傍での光量
    分布が前記照明光学系、若しくは前記投影光学系の光軸
    に対して偏心した離散的な位置で少なくとも2つの極大
    値を持つように、前記光源からの照明光を分割する光束
    分割部材と;前記光源からの照明光の前記分割位置を可
    変とし、フライアイレンズに入射する各々の光束の強度
    を調整可能な光強度可変手段とを有することを特徴とす
    る投影型露光装置。
  2. 【請求項2】 前記光束分割部材は前記光強度可変手段
    と一体に設けられており、前記光束分割部材の少なくと
    も一部は前記光軸方向と垂直な面内方向で移動可能であ
    ることを特徴とする請求項1記載の投影型露光装置。
  3. 【請求項3】 光源からの照明光をほぼ均一な強度分布
    に成形するとともに、該均一な照明光を周期的なパター
    ン部分を有するマスクに照射する照明光学系と、前記マ
    スクのパターンの像を感光基板に結像投影する投影光学
    系とを備えた投影型露光装置において、 前記照明光学系の光路中で、前記マスクのパターンのフ
    ーリエ変換相当面、若しくはその共役面の位置近傍に、
    2次光源像を形成するフライアイレンズと;前記フーリ
    エ変換相当面、若しくはその共役面の位置近傍での光量
    分布が前記照明光学系、若しくは前記投影光学系の光軸
    に対して偏心した離散的な位置で少なくとも2つの極大
    値を持つように、前記光源からの照明光を少なくとも2
    つに分割する光束分割部材と;前記光源からの照明光の
    前記分割位置を可変とし、フライアイレンズに入射する
    各々の光束の強度を調整可能な光強度可変手段と;前記
    光束分割部材で分割された少なくとも2つの光束の強度
    を個別に測定する光強度測定手段と;該光強度測定手段
    からの情報に基づいて、前記光強度可変手段を制御する
    制御手段とを備えたことを特徴とする投影型露光装置。
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