JPH0521566A - 半導体結晶におけるイオン注入量測定方法 - Google Patents

半導体結晶におけるイオン注入量測定方法

Info

Publication number
JPH0521566A
JPH0521566A JP19848991A JP19848991A JPH0521566A JP H0521566 A JPH0521566 A JP H0521566A JP 19848991 A JP19848991 A JP 19848991A JP 19848991 A JP19848991 A JP 19848991A JP H0521566 A JPH0521566 A JP H0521566A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion implantation
implantation amount
index
intensity
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19848991A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadao Hirae
貞雄 平得
Motohiro Kono
元宏 河野
Noriyuki Kondo
教之 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd filed Critical Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority to JP19848991A priority Critical patent/JPH0521566A/ja
Publication of JPH0521566A publication Critical patent/JPH0521566A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 非接触・非破壊で、かつ小型の装置で測定で
きるイオン注入量測定方法を得る。 【構成】 基準となるイオン注入量を有する基準試料
と、評価すべき被評価試料とに紫外領域の光をそれぞれ
照射し、両試料からの反射光の強度の比K(λ)の波長
依存性35を求める。波長235nm及び320nmに
おける反射強度を示す点P1 、P2 を結んだ直線PLを
求め、波長270nmに対して直線PLが与える仮想的
な反射強度比Kiから実際の反射強度比Krを差し引い
た値を求めて指標△Kとする。予め既知のイオン注入量
を有する複数の試料から求めた指標△Kについての検量
線を用い、被評価試料のイオン注入量を求める。 【効果】 ウェハ面内のイオン注入量の分布等を精度良
く評価することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体製造技術の分野に
おける評価技術に関し、特に製造工程中に実施されるイ
オン注入量の測定技術に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程において不純物を注入す
る方法の1つとして、イオン注入法が行われている。こ
れは高エネルギーのイオンを半導体基板(以後ウェハと
いう)に打ち込むことによって半導体表面の化学、物理
的な組成及び電気的特性を任意に変化させる方法であ
る。一般に、打込みの際のイオンビーム径は小さく、ウ
エハ表面に均一にイオンを照射し、イオン注入量のウェ
ハ面内分布の均一性を確保すべくウェハをステージごと
回転しながらビームを走査する。この均一性の良否は半
導体素子のしきい値等の特性に直接影響を与えるもので
あり、そのイオン注入量の均一性を管理することは極め
て重要な技術である。
【0003】従来、ウェハ面内のイオン注入量の均一性
を測定する方法として電気伝動率を直接測定する四探針
法、ウェハ表面を伝搬する熱波の変化を光学的に検出す
る方法(例えば小川,永島:「イオンドーズ分布モニ
タ」、電子材料、1985年8月p.26参照)、パル
スレーザーを照射する非線形ラマン分光を利用した方法
(例えば特公平3−18340号公報参照)が提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記四探針法は四点の
探針をウェハ面上に接触させて外側の二探針間に電流を
流しその時に発生する電圧を内側の二探針で測定し抵抗
値を求める方法である。しかし、イオン注入で破壊され
た結晶格子の損傷と注入されたイオンを正しい結晶格子
の位置に配置する為、その測定前には高温アニール(活
性化アニール)の工程を必要とする。更にウェハ表面が
酸化被膜等で覆われている場合はそれをエッチングで除
去する工程を必要とする。
【0005】高温アニール工程はウェハ面内の温度分布
に影響を与え、イオンが再拡散するのでイオン注入本来
の均一性評価を行うことができない。また測定には外側
の二探針間距離に対応する広い面積が必要となりその中
に存在する細いパターンは測定できず、さらに、ウェハ
に探針が直接接触するので製品の管理モニターには使用
できない等の問題点を有する。
【0006】ウェハ表面を伝搬する熱波を利用する方法
は上記アニールなしでイオン注入量を測定することがで
きる。この方法では変調されたレーザー光がウェハ表面
に照射されると周期的エネルギーが吸収されて、周期的
温度振動(サーマルウェーブ)をもたらし、ウェハ表面
上に周期的熱膨脹を起こす。ここへもう一つの変調され
ていないレーザービームを照射しウェハ表面上の膨脹に
よる傾きを検出する。しかしこの方法は単一波長のレー
ザー光を用いて検出するので、その変調されたレーザー
光の反射光は表面の凹凸等の形状に著しく依存するとい
う問題点を有する。
【0007】非線形ラマン分光を利用した方法はイオン
注入過程で生じた結晶格子の損傷が純粋の結晶構造に比
べて第3高調波の強度に影響を及ぼすことに着目したも
ので、イオン注入量の変動(不均一性)をウェハ表面か
ら放射される第3高調波の変動によって測定するもので
ある。
【0008】しかし、これらの高調波が放射される確率
は高次モードのものほど著しく小さくなり、検出器の高
感度化もしくはその高調波の強度を大きくする為には照
射するビームの強度を強くする必要がある。これは測定
しながらウェハの表面温度を上げることになり、結果的
に試料をアニールすることになって、四探針法と同様の
問題点を招来する。更には測定装置が大型になるという
問題点も有する。
【0009】本発明は上記問題点を解決する為になされ
たもので、被測定試料をアニールすることなく非接触・
非破壊で、かつ小型の装置で測定できるイオン注入量測
定方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる半導体
結晶におけるイオン注入量測定方法は、(a)イオン注
入されていない半導体結晶からなる第1基準試料を少な
くとも1つと、既知のイオン注入量を有する半導体結晶
からなる第2基準試料であってそれぞれイオン注入量の
異なる複数の第2基準試料とを用意し、少なくとも1つ
の前記第1基準試料及び複数の前記第2基準試料に紫外
領域の光を照射してその反射光の強度をそれぞれ測定す
る工程と、(b)少なくとも1つの前記第1基準試料か
らの前記反射光の強度及び複数の前記第2基準試料から
のそれぞれの前記反射光の強度からそれぞれ指標を求
め、前記指標と前記既知のイオン注入量との関係を示す
検量線を求め、(c)イオン注入前及びイオン注入後の
それぞれにおいて、被測定半導体結晶に対して紫外領域
の光を照射し、それぞれの反射光の強度を測定し、
(d)前記それぞれの反射光の強度の測定結果から前記
指標を求め、(e)前記検量線と前記指標とからイオン
注入量を求める。
【0011】前記指標としては特定波長における反射光
の強度の比、あるいは複数の特定波長を有する特定波長
領域における反射光の強度のグラフにおいて、グラフの
示す谷と、前記特定波長領域の両端の波長における反射
光の強度を示す2点を結ぶ直線とが囲む面積を用いるこ
とが望ましい。
【0012】
【作用】イオン注入された半導体結晶は結晶欠陥を生
じ、この結晶性の劣化は電子の紫外領域における遷移状
態を変化させる。この遷移状態の変化によって紫外領域
の光の反射光の強度は変化するので、既知のイオン注入
量を有する半導体結晶の反射光の強度の変化を得れば、
逆に反射光の強度比からイオン注入量を知ることのでき
る検量線が得られる。従って、イオン注入前後の半導体
結晶の反射光の強度比を測定すればこの検量線からイオ
ン注入後の半導体結晶のイオン注入量が測定される。反
射光の強度比をもって評価するため用いる光源の強度変
化から受ける影響は小さく、同一半導体結晶のイオン注
入前後において測定を行うためイオン注入量の面内分布
も正確に測定される。
【0013】
【実施例】A.評価原理 本発明の具体的な実施例を説明する前に評価原理につい
て簡単に説明する。
【0014】単結晶シリコン、ゲルマニウム等は紫外領
域(200nm〜400nm)にバンド間遷移に伴う吸
収帯が存在することが一般的に知られている。図3,4
はエネルギーバンド図であり、縦軸は電子の取り得るエ
ネルギーを表し、横軸は電子の運動量に比例した波数p
を表している。
【0015】単結晶シリコンにおいては(図3)約28
8nm(4.3eV)と約365nm(3.4eV)に
価電子帯と伝導帯の上部バンド間の遷移を起こす吸収波
長が存在し、単結晶ゲルニマニウムについても(図4)
同様に約365nm(3.4eV)に吸収波長が存在す
ることがわかる。
【0016】紫外領域の光(以下「UV光」)が照射さ
れていない状態では、電子のほとんどは下部の価電子帯
に詰まっている。ところがUV光を照射すると、電子の
存在できる状態が伝導帯の上部にある場合には電子はU
V光のエネルギーを吸収して励起されその上部の状態へ
遷移する。
【0017】UV光に対するこのような性質は単結晶特
有のものであり、イオン注入によって結晶格子が破損さ
れると、破損の程度によって上記性質の消滅する度合い
も異なる。換言すれば、結晶性の度合はUV光の吸収係
数に、ひいては反射係数に影響を与えることになる。
【0018】イオン注入量が増加してゆくと孤立してい
る破損部、つまり欠陥領域は互いに重なり合ってクラス
ター状となり、更に注入量が増えると最終的には結晶性
が認められない非結晶状態(アモルファス)となる。こ
の非結晶状態となる注入量は臨界注入量と呼ばれてお
り、この臨界注入量まではイオン注入量とアモルファス
化の程度の間には正の相関関係が成り立つことがわかっ
ている。またアモルファス化の程度は単結晶とアモルフ
ァスの組成比で表すことができ、その組成比はイオン注
入前の単結晶からの反射率の減少率で定量化することが
できる。
【0019】なお、臨界注入量はイオンの加速エネルギ
ー、注入速度、基板温度等に依存する。この値は注入イ
オンの質量にも依存し、ほぼこれに反比例するが1013
〜1016cm-2の値であることが知られている(「電子
・イオンビームハンドブック第2版」、日本学術振興会
編、p.574)。
【0020】一般に単結晶基板等の物質表面に垂直に入
射する光の反射率Rは、その物質の屈折率をn、吸収係
数をkとおくと、光の波長λに依存して
【0021】
【数1】
【0022】と表される。
【0023】ここで屈折率nや吸収係数kは、物質が異
なればもちろん異なるが、既述のように、同一物質にお
いてもイオン注入等などによって結晶性が変化するとそ
れに伴って大きく変化する。例えば単結晶シリコンの場
合、イオン注入していない基板の反射率Rc(λ)とイ
オン注入した基板(アニールせず)の反射率Ri(λ)
とは異なる。例えば臨界注入量までイオン注入されてア
モルファス化したシリコンの反射率Ra(λ)を単結晶
シリコンの反射率Rc(λ)で除した値の波長依存性は
図5に示されるようになり、波長λに依存した値をとる
ことがわかる。
【0024】即ちイオン注入量はその結晶性変化を仲立
ちとして、反射率の変化から測定することができる。こ
のように本発明はその波長依存性をも含めて反射率がイ
オン注入量に依存することに着目したものであり、試料
からの反射光の強度(以下「反射強度」)という)を測
定することにより、試料に注入されたイオン注入量を測
定するものである。
【0025】但し、反射強度の測定において可視光より
長い波長の光を用いると、半導体の電子の状態遷移には
エネルギーが不十分であるので、イオン注入量が小さい
場合には屈折率の変化がほとんどなく、臨界注入量を越
えてはじめて屈折率の違いが確認される。従って可視光
より長い波長の光を用いて屈折率の変化を検出できる領
域では、イオン注入量とアモルファス化の程度の間の相
関関係は成立せず、反射強度はイオン注入量を反映しな
い。換言すれば単結晶基板に注入されたイオン注入量が
小さくても、UV光を用いることによりその測定を高感
度に行うことができるのである。
【0026】B.装置構成 本発明の評価方法の説明を行う前に、本発明を適用する
装置の構成を説明する。図6は本発明を適用するイオン
注入量評価装置の概略図であり、UV光を用いた膜厚計
と同様の構成を有する。重水素ランプ1から照射された
UV光は光学系2を通ってハーフミラー3により反射さ
れる。光源は重水素ランプでなくてもUV光を発するも
のであれば他のランプ、例えばXeランプでも構わな
い。反射されたUV光は対物レンズ4を経由してステー
ジ6上の試料5に照射され、ここで逆向きに反射され
る。ステージ6はウェハ内分布の測定を可能にするため
CPU16で制御される可動ステージである。
【0027】再び対物レンズ4を経由したUV光はハー
フミラー3を経由して分光器7へ向かう。分光器7に入
射されたUV光はピンホールミラー8によって一部は反
射されて光学系12を通り、カメラ13に入射する。光
学系12においてはフィルター12aが設けられている
のでUV光のうち特定範囲内の波長のみがカメラ13に
到達し、モニタ14にてモニタリングできる。
【0028】一方、ピンホールミラー8を通過したUV
光はホログラフィックグレーティング10によって波長
に応じて回折され、イメージセンサ11に入射する。イ
メージセンサ11は例えばCCDなどのラインセンサー
により構成される。ここでホログラフィックグレーティ
ング10によって分光された各波長のUV光を受光し順
次反射光強度信号RSを出力することができる。
【0029】このようにして得られた波長ごとの反射光
強度信号RSはインターフェース15を通してデータR
DとなりCPU16に送られる。このデータRDについ
ての後述する処理はこのCPU16において行われる
が、キーボード17により所定の命令を入力することが
でき、またCRT18やプリンター19に処理結果を出
力することができる。
【0030】C.検量線の作成方法 イオン注入量のウェハ内分布を定量的に測定する為に
は、あらかじめ検量線を作成し、実際に得られたデータ
とその検量線を照合することでイオン注入量を算出する
必要がある。以下検量線を作成する為に行う測定とデー
タの解析方法について説明する。
【0031】図7にこの発明の一実施例のフローチャー
トを示す。ステップS100〜600が検量線を作成す
る為に行う工程を示す。
【0032】まずイメージセンサ11の暗電流補正等の
イオン注入量測定装置の初期設定を行う(ステップS1
00)。例えば暗電流補正の場合には、図6のシャッタ
ー9を閉じて測定を行う。
【0033】次に基準試料となる既知のイオン注入量を
有する半導体結晶の測定を行う。この時試料は酸化膜等
の薄膜で覆われていても構わないが、いずれの基準試料
も同様に酸化膜等の薄膜で覆われていることが望まし
い。即ち基準試料の間ではイオン注入の有無以外は全て
等価な試料であることが望ましい。
【0034】まずイオン注入されていない単結晶シリコ
ンの反射強度Ic(λ)を測定する。具体的にはステー
ジ6の上にイオン注入されていない単結晶シリコン基板
を試料5として載せ、重水素ランプ1から発せられたU
V光が「A.装置構成」で説明したように各構成部を通
じて反射光となり、ホログラフィックグレーティング1
0によって波長λごとの反射強度が測定される。よって
上述の反射強度信号RSやデータRDは反射強度Ic
(λ)についての情報を伝達するものであり、以下では
反射強度Ic(λ)と同等に扱い説明する。
【0035】次に他の既知のイオン注入量を有する他の
シリコン基板を用いて同様にして反射強度Is(λ)を
測定する(ステップS300)。
【0036】このようにして測定された反射強度Ic
(λ)、Is(λ)はCPU16に送られ、記録され
る。これらのデータをもとにしてステップS400によ
り反射強度比
【0037】
【数2】
【0038】を求める。測定に用いたUV光は同じもの
なので反射強度比K(λ)はイオン注入されたシリコン
基板の反射率Rs(λ)とイオン注入していない単結晶
シリコンとの反射率Rc(λ)の比と等しく、
【0039】
【数3】
【0040】でもある。よってステップS200〜S4
00の測定により、「A.測定原理」で説明したような
反射強度比のデータを得ることができる。この反射強度
比のデータは複数の異なるイオン注入量を有する試料に
ついて測定する。図8のグラフ31〜35は47nmの
厚みを持つ熱酸化膜で覆われた単結晶シリコンへ注入電
圧100keVでそれぞれ1011、1012、1013、1
14、1015の濃度(単位cm-2)のリンをイオン注入
した場合の反射強度比K(λ)の波長λに対する依存性
を示したものである。
【0041】単結晶基板へのイオン注入で結晶格子が破
壊され非結晶状態となる程度はそのイオン注入層に存在
する非晶質と単結晶の組成比で表すことができ、その組
成比はイオン注入前の単結晶からの反射率の減少率で定
量化できることはすでに述べたとおりである。図8から
わかるように、イオン注入量を変化させた場合に反射強
度比が最も変化するのは270nm付近であり、λ0
270nm付近において反射強度比の比較を行えば最も
精度良くイオン注入量を測定することができる。 な
お、反射強度比の比較においてそのピークの遷移を比較
することも考えられるが、反射強度比の減少度を評価す
る方が望ましい。一般にピークの遷移はその結晶性が変
化した表面の凹凸を敏感に反映すると考えられるためで
ある。可視光領域ではピークの遷移はあまり顕著には発
生しないため、ウェハ面内のイオン注入量の分布という
精度が要求される測定には向いていない。
【0042】次にλ0 =270nm付近における反射強
度の減少度を定量化して評価する方法について述べる。
図1は図8に示したグラフのうち、最も変化の顕著な1
15cm-2のイオン注入量を有する試料のグラフ35の
みを取り出して再度示したものである。λ0 =270n
mから一定の波長だけ離れた2つの波長、即ち235n
m及び320nmにおける反射強度を示す点P1 、P2
を結んだ直線PLを求め、波長270nmに対して直線
PLが与える仮想的な反射強度比Kiから実際の反射強
度比Krを差し引いた値を求めて指標△Kとする。数多
くの実験データを整理すると、このようにして得られた
指標△Kとイオン注入量との間には一定の相関があるこ
とが発明者によって確認された。図6の分光器7によっ
て分光されて同時に得られる諸波長のデータから指標△
Kを求めると、光源の強度変動およびイオン注入された
表面の凹凸による乱反射の影響を完全に除くことができ
るからである。この指標ΔKについて、検量線を求める
(ステップS500)。
【0043】図9に、測定データを解析して指標△Kを
イオン注入量の関数としてプロットしたグラフ、即ち検
量線を例示する。図8に示した試料と同一の試料につい
てまとめたものであり、指標△Kとイオン注入量との間
に正の相関関係があることがわかる。
【0044】検量線は他の指標を用いて作成することも
できる。図2に示すように直線PLと反射強度比を表す
グラフとで囲まれた斜線部の面積Sを指標とすると、更
に高感度に測定できることも発明者によって確認され
た。これは波長ごとに指標△Kを測定してそれらの和を
求めることに相当するため、外部雑音に強いからであ
る。
【0045】図10に面積Sを指標に用いた場合と、指
標△Kを指標に用いた場合とを比較して示す。シリコン
結晶にリンを70keVで1×1015/cm2 のイオン
注入を行った試料を用い、同一箇所を20回測定したも
のである。縦軸のアモルファス組成比は完全にアモルフ
ァス化したシリコンとの比較によって求めたものであ
る。面積Sを指標に用いた場合の方が、再現性の良い結
果が得られていることがわかる。
【0046】なおウェハ面内のわずかな分布の変化を測
定する場合は、被測定試料のイオン注入濃度と少しずつ
濃度の異なる基準試料を数枚使って細かく検量線を作成
すれば良い。ただし、イオンの種類、打ち込む電圧が異
なる場合はあらためて検量線を作成する必要がある。
【0047】D.イオン注入量測定方法 あらかじめ作成された検量線をCPU16に記憶させて
おけば検量線を作成するときに説明した同様の手続きで
測定することができる。この手続は図7に示したフロー
チャートのステップS600〜1000によって実行さ
れる。
【0048】まずステージ6の上に、イオン注入前の被
測定試料であるシリコン基板を試料5として載せ、
「C.検量線の作成方法」で説明した方法を用いて反射
強度Io(λ)が測定され、CPU16に送られ、記憶
される(ステップS600)。このようにイオン注入前
の基板について反射光の強度を測定することにより、表
面にパターン等の凹凸が存在しても、その影響を除去し
てイオン注入後のウェハを測定することができる。
【0049】次にイオン注入された被測定試料を用いて
同様にして反射強度Ii(λ)を測定する(ステップS
700)。このようにして測定された反射強度Ii
(λ)もCPU16に送られ、反射強度Io(λ)及び
反射強度Ii(λ)から図8に示すような反射強度比K
(λ)についてのデータが得られる(ステップS80
0)。このように、検量線を作成する場合と同様に、反
射強度の比を以て測定することで、用いる光源の強度変
化の影響を小さくすることができる。
【0050】次に「C.検量線の作成方法」で説明した
方法で指標△Kあるいは面積Sを求め、この値からあら
かじめ記憶させておいた検量線と照合することでイオン
注入量が求められる(ステップS900)。その照合の
方法としては一般的な補間法を用いれば十分である。
【0051】本発明は「A.評価原理」で説明したこと
からわかるように、シリコンの評価のみならず、ゲルマ
ニウムなど紫外領域に吸収帯が存在する他の半導体につ
いても同様にして行うことができる。もちろんこの場合
には反射率の比較を行う最適な波長λ0 はシリコンの場
合とは別に選ぶ必要がある。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、半導体結
晶に紫外領域の光を照射し、反射光の強度を測定してイ
オン注入量を測定するので、従来の測定方法に比べて簡
単な測定工程で測定を実施でき、従って測定時間も短縮
できる。更に、照射する光の強度も小さくて済み、被測
定試料をアニールすることなく完全に非破壊、非接触で
測定することができる。
【0053】また同一の半導体結晶へのイオン注入の前
後において反射光の強度を測定するので、表面にパター
ン等の凹凸が存在しても、その影響を除去して測定する
ことができる。更に、被測定試料と近いイオン注入量を
有する結晶を用いて検量線を作成することにより、一層
正確な評価が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を説明するグラフである。
【図2】この発明の他の実施例を説明するグラフであ
る。
【図3】単結晶シリコンのエネルギーバンド図である。
【図4】単結晶ゲルマニウムのエネルギーバンド図であ
る。
【図5】反射強度比の波長依存性を示すグラフである。
【図6】この発明の一実施例を適用するイオン注入量評
価装置である。
【図7】この発明の一実施例の工程を示すフローチャー
トである。
【図8】結晶性の異なる試料の反射強度比の波長依存性
を示すグラフである。
【図9】イオン注入量の検量線を示すグラフである。
【図10】面積Sによる評価を示すグラフである。
【符号の説明】
5 試料 Is(λ)、Ic(λ)、Ii(λ) 反射強度 ΔK 指標 S 面積
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年1月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】ここで屈折率nや吸収係数kは、物質が異
なればもちろん異なるが、既述のように、同一物質にお
いてもイオン注入などによって結晶性が変化するとそれ
に伴って大きく変化する。例えば単結晶シリコンの場
合、イオン注入していない基板の反射率Rc(λ)とイ
オン注入した基板(アニールせず)の反射率Ri(λ)
とは異なる。例えば臨界注入量までイオン注入されてア
モルファス化したシリコンの反射率Ra(λ)を単結晶
シリコンの反射率Rc(λ)で除した値の波長依存性は
図5に示されるようになり、波長λに依存した値をとる
ことがわかる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】でもある。よってステップS200〜S4
00の測定により、「A.評価原理」で説明したような
反射強度比のデータを得ることができる。この反射強度
比のデータは複数の異なるイオン注入量を有する試料に
ついて測定する。図8のグラフ31〜35は47nmの
厚みを持つ熱酸化膜で覆われた単結晶シリコンへ注入電
圧100keVでそれぞれ1011、1012、1013、1
14、1015の濃度(単位cm-2)のリンをイオン注入
した場合の反射強度比K(λ)の波長λに対する依存性
を示したものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】D.イオン注入量測定方法 あらかじめ作成された検量線をCPU16に記憶させて
おけば検量線を作成するときに説明した手続きと同様の
手続きで測定することができる。この手続きは図7に示
したフローチャートのステップS600〜1000によ
って実行される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 教之 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)イオン注入されていない半導体結
    晶からなる第1基準試料を少なくとも1つと、既知のイ
    オン注入量を有する半導体結晶からなる第2基準試料で
    あってそれぞれイオン注入量の異なる複数の第2基準試
    料とを用意し、少なくとも1つの前記第1基準試料及び
    複数の前記第2基準試料に紫外領域の光を照射してその
    反射光の強度をそれぞれ測定する工程と、 (b)少なくとも1つの前記第1基準試料からの前記反
    射光の強度及び複数の前記第2基準試料からのそれぞれ
    の前記反射光の強度からそれぞれ指標を求め、前記指標
    と前記既知のイオン注入量との関係を示す検量線を求め
    る工程と、 (c)イオン注入前及びイオン注入後のそれぞれにおい
    て、被測定半導体結晶に対して紫外領域の光を照射し、
    それぞれの反射光の強度を測定する工程と、 (d)前記それぞれの反射光の強度の測定結果から前記
    指標を求める工程と、 (e)前記検量線と前記指標とからイオン注入量を求め
    る工程と、 を備えた半導体結晶におけるイオン注入量測定方法。
  2. 【請求項2】 前記指標は、特定波長における反射光の
    強度の比である請求項1記載の半導体結晶におけるイオ
    ン注入量測定方法。
  3. 【請求項3】 前記指標は、複数の特定波長を有する特
    定波長領域における反射光の強度のグラフにおいて、グ
    ラフの示す谷と、前記特定波長領域の両端の波長におけ
    る反射光の強度を示す2点を結ぶ直線とが囲む面積であ
    る請求項1記載の半導体結晶におけるイオン注入量測定
    方法。
JP19848991A 1991-07-12 1991-07-12 半導体結晶におけるイオン注入量測定方法 Pending JPH0521566A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19848991A JPH0521566A (ja) 1991-07-12 1991-07-12 半導体結晶におけるイオン注入量測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19848991A JPH0521566A (ja) 1991-07-12 1991-07-12 半導体結晶におけるイオン注入量測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0521566A true JPH0521566A (ja) 1993-01-29

Family

ID=16391970

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19848991A Pending JPH0521566A (ja) 1991-07-12 1991-07-12 半導体結晶におけるイオン注入量測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0521566A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000043191A (ko) * 1998-12-28 2000-07-15 김영환 반도체소자의 검사장치 제조방법
JP2008124083A (ja) * 2006-11-08 2008-05-29 Tokyo Univ Of Agriculture & Technology 結晶化率の測定方法および測定装置
JP2009536354A (ja) * 2006-05-05 2009-10-08 メトロソル・インコーポレーテツド 比反射率測定法を用いて反射率計を精密に校正する方法と装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000043191A (ko) * 1998-12-28 2000-07-15 김영환 반도체소자의 검사장치 제조방법
JP2009536354A (ja) * 2006-05-05 2009-10-08 メトロソル・インコーポレーテツド 比反射率測定法を用いて反射率計を精密に校正する方法と装置
JP2008124083A (ja) * 2006-11-08 2008-05-29 Tokyo Univ Of Agriculture & Technology 結晶化率の測定方法および測定装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4636088A (en) Method and apparatus for evaluating surface conditions of a sample
US5164790A (en) Simple CD measurement of periodic structures on photomasks
EP0432963B1 (en) Method and apparatus for evaluating ion implant dosage levels in semiconductors
US6462817B1 (en) Method of monitoring ion implants by examination of an overlying masking material
US5125740A (en) Method and apparatus for measuring optical constants of a thin film as well as method and apparatus for fabricating a thin film utilizing same
JP4773155B2 (ja) 基板に形成されたパターンの検査方法、及びこれを行うための検査装置
US20030043382A1 (en) Apparatus and method for determining the active dopant profile in a semiconductor wafer
JP2002517915A (ja) 半導体ウェーハ評価装置及び方法
US6535285B1 (en) Combination thermal wave and optical spectroscopy measurement system
JPH05121509A (ja) シリコン薄膜の結晶性評価方法
CN113167744A (zh) 用于半导体结构中应变测量的基于散射测量的方法及系统
JP5239346B2 (ja) ラマン分光を用いた応力評価方法及び半導体装置の製造方法
US6233046B1 (en) Method of measuring the thickness of a layer of silicon damaged by plasma etching
US5471293A (en) Method and device for determining defects within a crystallographic substrate
US4755049A (en) Method and apparatus for measuring the ion implant dosage in a semiconductor crystal
US6825933B2 (en) Computer-implemented reflectance system and method for non-destructive low dose ion implantation monitoring
JPH0521566A (ja) 半導体結晶におけるイオン注入量測定方法
JP3762784B2 (ja) 測定方法、測定装置および品質管理方法
KR19990088290A (ko) 실리콘가공물처리장치
US6605482B2 (en) Process for monitoring the thickness of layers in a microelectronic device
JP3939179B2 (ja) 微粒子検出装置、微粒子製造装置
US20240053280A1 (en) Methods And Systems For Systematic Error Compensation Across A Fleet Of Metrology Systems Based On A Trained Error Evaluation Model
TWI837239B (zh) 光學計量系統與方法及計量目標對
TWI420094B (zh) 於半導體結構中應變及主動性摻雜物之光反射特徵的方法
JP2007113930A (ja) 異物検査方法および装置