JPH05215337A - ガスタービンの燃焼器 - Google Patents

ガスタービンの燃焼器

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JPH05215337A
JPH05215337A JP1774092A JP1774092A JPH05215337A JP H05215337 A JPH05215337 A JP H05215337A JP 1774092 A JP1774092 A JP 1774092A JP 1774092 A JP1774092 A JP 1774092A JP H05215337 A JPH05215337 A JP H05215337A
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air
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dilution
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Masahiko Nishikawa
匡彦 西川
Masahiro Nagae
正浩 長江
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Toyota Motor Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスタービンの燃焼器において、燃焼用空気
量と希釈用空気量の割合を簡単な構成で制御してNOx
の発生を抑制すると共に良好な燃焼効率を確保する。 【構成】 第1筒状部材2の下流側端部2aは第2筒状
部材4の上流側端部4a内に摺動可能に嵌入される。1
次燃焼用空気孔8および2次燃焼用空気孔10を介して
1次燃焼領域6a内および2次燃焼領域6b内に燃焼用
空気が流入する。また希釈用空気孔12を介して希釈領
域6c内に希釈用空気が流入する。機関低負荷運転時に
は図1に示されるように希釈用空気孔12が全開状態に
保たれる。一方、機関高負荷運転時には燃焼室6内で発
生する熱量が増加するので第1筒状部材2が熱膨張し、
その結果希釈用空気孔12の一部が第2筒状部材4の上
流側端部4a周壁面によって閉鎖される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガスタービンの燃焼器に
関する。
【0002】
【従来の技術】燃焼室を形成する筒状部材の壁面上に燃
焼用空気孔を形成し、圧縮機により圧縮された空気を燃
焼用空気孔を介して燃焼室内に供給して燃焼室内に供給
された燃料を燃焼させると共に、燃焼用空気孔下流の筒
状部材壁面上に希釈用空気孔を形成し、圧縮機により圧
縮された空気を希釈用空気孔を介して燃焼室内に供給し
て既燃ガスを希釈し、希釈用空気孔内に連通する希釈用
空気供給通路内に希釈用空気供給通路の流路面積を制御
する希釈用空気量制御弁を配置してこの希釈用空気量制
御弁をアクチュエータによって駆動し、機関低負荷運転
時には希釈用空気量制御弁の開度を大きくし、機関高負
荷運転時には希釈用空気量制御弁の開度を小さくするよ
うにしたガスタービン機関の燃焼器が公知である(実開
平2−149836号公報参照)。このガスタービン機
関の燃焼器では機関低負荷運転時には希釈用空気量制御
弁の開度を大きくすることにより燃焼室内に供給される
希釈用空気量に対する燃焼用空気量の比率を低減させ、
一方機関高負荷運転時には希釈用空気量制御弁の開度を
小さくすることにより希釈用空気量に対する燃焼用空気
量の比率を増大させるようにしている。このようにこの
ガスタービン機関の燃焼器では機関負荷に応じて希釈用
空気量に対する燃焼用空気量の比率を変化させることに
より、機関負荷に拘らず常に良好な燃焼効率が得られる
ようにすることを目指している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述のガ
スタービン機関の燃焼器では機関運転状態に応じて希釈
用空気量制御弁の開度をアクチュエータにより変化させ
るようにしているので、機関運転状態を検出する検出
器、希釈用空気量制御弁を駆動するアクチュエータ、ア
クチュエータの制御装置等が必要となり、その結果コス
トの上昇を招くと共に構造が複雑になるので故障要因が
増大してしまうという問題を生ずる。特に燃焼器の近傍
は高温を呈するのでアクチュエータ等の良好な耐久信頼
性を確保しにくい。またアクチュエータはガスタービン
の圧縮機から燃焼器に至る希釈用空気供給通路を含めた
空気供給通路の外部に設置されることになるので、希釈
用空気量制御弁とアクチュエータとの連結部の周りから
空気が空気供給通路の外部に漏洩してしまいやすいとい
う問題も生ずる。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明によれば、燃焼室を形成する筒状部材の壁面
上に燃焼用空気孔を形成し、圧縮機により圧縮された空
気を燃焼用空気孔を介して燃焼室内に供給して燃焼室内
に供給された燃料を燃焼させると共に、燃焼用空気孔下
流の筒状部材壁面上に希釈用空気孔を形成し、圧縮機に
より圧縮された空気を希釈用空気孔を介して燃焼室内に
供給して既燃ガスを希釈するようにしたガスタービンの
燃焼器において、燃焼用空気孔の下流において筒状部材
を上流側の第1の筒状部材と下流側の第2の筒状部材と
に分割すると共に第1筒状部材の下流側の端部と第2筒
状部材の上流側の端部とを摺動自在に嵌合せしめ、第1
筒状部材の下流側端部近傍の周壁面および第2筒状部材
の上流側端部近傍の周壁面のいずれか一方または両方に
希釈用空気孔を形成し、燃焼室内の燃焼温度が高くなる
につれて第1筒状部材が熱膨張することにより第1筒状
部材の下流側端部周壁面または第2筒状部材の上流側端
部周壁面によって閉鎖される希釈用空気孔の面積が増大
するようにしている。
【0005】更に、上記問題点を解決するために本発明
によれば、燃焼室を形成する筒状部材の壁面上に燃焼用
空気孔を形成し、圧縮機により圧縮された空気を燃焼用
空気孔を介して燃焼室内に供給して燃焼室内に供給され
た燃料を燃焼させると共に、燃焼用空気孔下流の筒状部
材壁面上に希釈用空気孔を形成し、圧縮機により圧縮さ
れた空気を希釈用空気孔を介して燃焼室内に供給して既
燃ガスを希釈するようにしたガスタービンの燃焼器にお
いて、希釈用空気孔内に連通する希釈用空気供給通路内
に希釈用空気供給通路の流路面積を制御する希釈用空気
量制御自動弁を配置し、希釈用空気量制御自動弁を弾性
部材により常時開弁方向に向けて付勢せしめ、機関回転
数が高くなるにつれて希釈用空気量制御自動弁が希釈用
空気供給通路内を流れる空気から受ける抗力が増大する
ことにより希釈用空気量制御自動弁の開度が低減するよ
うに希釈用空気量制御自動弁を形成している。
【0006】更に、上記問題点を解決するために本発明
によれば、燃焼室を形成する筒状部材の壁面上に燃焼用
空気孔を形成し、圧縮機により圧縮された空気を燃焼用
空気孔を介して燃焼室内に供給して燃焼室内に供給され
た燃料を燃焼させると共に、燃焼用空気孔下流の筒状部
材壁面上に希釈用空気孔を形成し、圧縮機により圧縮さ
れた空気を希釈用空気孔を介して燃焼室内に供給して既
燃ガスを希釈するようにしたガスタービンの燃焼器にお
いて、希釈用空気孔内に連通する希釈用空気供給通路内
に希釈用空気供給通路の流路面積を制御する希釈用空気
量制御自動弁を配置すると共に燃焼用空気孔内に連通す
る燃焼用空気供給通路内に希釈用空気量制御自動弁と一
体的に作動して燃焼用空気供給通路の流路面積を制御す
る燃焼用空気量制御自動弁を配置し、希釈用空気量制御
自動弁と燃焼用空気量制御自動弁とを弾性部材により希
釈用空気量制御自動弁の開弁方向でかつ燃焼用空気量制
御自動弁の閉弁方向に向けて常時付勢せしめ、機関回転
数が高くなるにつれて希釈用空気量制御自動弁が希釈用
空気供給通路内を流れる空気から受ける抗力が増大する
と共に燃焼用空気量制御自動弁が燃焼用空気供給通路内
を流れる空気から受ける抗力が増大することにより希釈
用空気量制御自動弁の開度が低減すると共に燃焼用空気
量制御自動弁の開度が増大するように希釈用空気量制御
自動弁および燃焼用空気量制御自動弁を形成している。
【0007】
【作用】請求項1に記載の発明では、機関高負荷運転時
には機関低負荷運転時に比べて燃焼室内の燃焼ガスの温
度が高くなるので第1筒状部材が熱膨張し、その結果第
1筒状部材と第2筒状部材との軸線方向の嵌合長さが増
大する。その結果、第1筒状部材の下流側端部周壁面ま
たは第2筒状部材の上流側端部周壁面によって閉鎖され
る希釈用空気孔の面積が増大せしめられる。斯くして機
関高負荷運転時には機関低負荷運転時に比べて希釈用空
気孔の開口面積が低減せしめられるので、希釈用空気孔
を介して燃焼室内に供給される希釈用空気量に対して燃
焼用空気孔を介して燃焼室内に供給される燃焼用空気量
の比率が増大せしめられる。
【0008】請求項2に記載の発明では、機関高回転運
転時には機関低回転運転時に比べて燃焼器の圧力損失が
増大するので希釈用空気供給通路内を流れる空気の流速
が大きくなる。その結果、希釈用空気量制御自動弁が希
釈用空気供給通路内を流れる空気から受ける抗力が増大
し、斯くして希釈用空気量制御自動弁の開度が弾性部材
の付勢力に抗して低減せしめられる。その結果希釈用空
気量に対する燃焼用空気量の比率が増大せしめられる。
【0009】請求項3に記載の発明では、機関高回転運
転時には機関低回転運転時に比べて燃焼器の圧力損失が
増大するので、希釈用空気供給通路内を流れる空気の流
速が大きくなると共に燃焼用空気供給通路内を流れる空
気の流速が大きくなる。その結果、希釈用空気量制御自
動弁が希釈用空気供給通路内を流れる空気から受ける抗
力が増大すると共に燃焼用空気量制御自動弁が燃焼用空
気供給通路内を流れる空気から受ける抗力が増大する。
斯くして希釈用空気量制御自動弁および燃焼用空気量制
御自動弁は、希釈用空気量制御自動弁の開度が低減する
と共に燃焼用空気量制御自動弁の開度が増大する方向に
向けて弾性部材の付勢力に抗して一体的に作動せしめら
れる。その結果希釈用空気量に対する燃焼用空気量の比
率が増大せしめられる。
【0010】
【実施例】図1に本発明によるガスタービン機関の燃焼
器の第1の実施例を示す。なお図1において一点鎖線の
下側は燃焼器の側面図であり、一点鎖線の上側は燃焼器
の側面断面図である。図1を参照すると、2は第1の筒
状部材、4は第2の筒状部材、6は第1筒状部材2と内
周壁面と第2筒状部材4の内周壁面とにより形成された
燃焼室を夫々示す。第1筒状部材2の円筒状をなす下流
側端部2aは、第2筒状部材4の円筒状をなす上流側端
部4a内に半径方向にわずかな隙間を有して軸線方向に
摺動可能に嵌入されている。また第1筒状部材2の上流
側端部は例えば機関ハウジングに固定され、第2筒状部
材4も例えば機関ハウジングに固定されている。
【0011】図1に示されるように燃焼室6は上流側か
ら、円筒状をなす1次燃焼領域または副室6a、大径の
円筒状をなす2次燃焼領域または主室6b、および円筒
状をなす希釈領域6cの三つの領域に分けられる。1次
燃焼領域6aを形成する第1筒状部材2部分の周壁面上
には1次燃焼用空気孔8が形成される。また2次燃焼領
域6bを形成する第1筒状部材2部分の周壁面上には多
数の円形をなす2次燃焼用空気孔10が形成される。ま
た希釈領域6cの一部を形成する第1筒状部材2部分、
即ち第1筒状部材2の下流側端部2aの周壁面上には複
数の円形をなす希釈用空気孔12が形成される。一方、
これら希釈用空気孔12に対面する第2筒状部材4の上
流側端部4aの周壁面部分には夫々円弧状をなす切欠き
14が形成されている。第1筒状部材2と第2筒状部材
4とが組付けられる時(冷間時)には、希釈用空気孔1
2が第2筒状部材4の上流側端部4a周壁面によって全
く閉鎖されない状態、即ち全開状態になるように組付け
られる。
【0012】図1に示す実施例では図示しない圧縮機に
より圧縮された空気が熱交換器(図示しない)により加
熱され、この加熱された空気が図1において白抜き矢印
で示されるように1次燃焼用空気孔8と2次燃焼用空気
孔10と希釈用空気孔12とを介して燃焼室6内に夫々
供給される。1次燃焼領域6aに配置された燃料噴射弁
(図示しない)から燃料が噴射され、この噴射燃料が1
次燃焼用空気孔8および2次燃焼用空気孔10から供給
された空気と混合されて1次燃焼領域6aおよび2次燃
焼領域6bにおいて燃焼が行われる。次いでこの高温の
燃焼ガスは希釈領域6cにおいて希釈用空気孔12から
供給された空気によって希釈され、これによりガス温が
タービン(図示しない)の許容温度まで低下せしめられ
る。次いでこの希釈された既燃ガスがタービン内に送り
込まれる。
【0013】次に、図2を参照して図1に示される実施
例の機関低負荷運転時および機関高負荷運転時における
作動について説明する。なお、図2において(a)は機
関低負荷運転時の状態を示しており、(b)は機関高負
荷運転時の状態を示している。機関低負荷運転時には燃
焼室6内の燃焼ガスの温度が比較的低く、このとき希釈
用空気孔12は図2(a)に示されるように全開状態に
保たれる。即ち、希釈用空気孔12は第2筒状部材4の
上流側端部4a周壁面によって全く閉鎖されていない状
態に保たれる。ところで、1次燃焼領域6aおよび2次
燃焼領域6bにおいて燃焼せしめられる混合気の燃空比
F/Aは、1次燃焼用空気孔8と2次燃焼用空気孔10
と希釈用空気孔12との開口面積比、即ち各空気孔8,
10,12から夫々供給される空気量の比率と、燃料噴
射弁から噴射される燃料噴射量とに依存する。図1に示
す実施例では図2(a)に示されるように希釈用空気孔
12が全開状態にあるときに1次燃焼領域6aおよび2
次燃焼領域6bにおいて燃空比F/Aが比較的高いリッ
チな混合気(図3に示されるように燃空比F/Aが例え
ば0.005程度の混合気)が形成されるように、1次
燃焼用空気孔8と2次燃焼用空気孔10と希釈用空気孔
12との開口面積比が設定されていると共に燃料噴射弁
から噴射される燃料噴射量が機関負荷に応じて制御され
る。従って、希釈用空気孔12が全開状態に保たれる機
関低負荷運転時には1次燃焼領域6aおよび2次燃焼領
域6bにおいて燃空比F/Aが比較的リッチな混合気が
燃焼せしめられることになる。その結果、燃焼温度がよ
り上昇するので図3に示されるように燃焼効率ηを向上
させることができ、その結果未燃HCおよび未燃COの
発生も低減させることができる。
【0014】一方、機関高負荷運転時には機関低負荷運
転時に比べて燃焼室6内で発生する熱量が増加するので
第1筒状部材2の温度が高温になり、第1筒状部材2が
熱膨張せしめられる。このとき第1筒状部材2の上流側
端部が図1に示されるように機関ハウジングに固定され
ているので第1筒状部材2の下流側端部2aが図1にお
いて右側に移動せしめられ、その結果図2(b)に示さ
れるように第2筒状部材4内に嵌入する第1筒状部材2
の下流側端部2aの軸線方向の嵌入長さが増大せしめら
れる。斯くして機関高負荷運転時には希釈用空気孔12
の一部が第2筒状部材4の上流側端部4a周壁面によっ
て閉鎖されることになる。その結果1次燃焼用空気孔8
および2次燃焼用空気孔10の開口面積に対する希釈用
空気孔12の開口面積の比率が低減せしめられる。斯く
して、圧縮機から熱交換器を介して燃焼室6内に供給さ
れる空気の内で希釈用空気孔12を介して希釈領域6c
内に供給される希釈用空気量の割合が低減せしめられる
と共に、1次燃焼用空気孔8および2次燃焼用空気孔1
0を介して1次燃焼領域6a内および2次燃焼領域6b
内に供給される燃焼用空気量の割合が増大せしめられ
る。図3に示されるようにもし仮に燃焼用空気孔8,1
0の開口面積に対する希釈用空気孔12の開口面積の比
率が機関運転状態に拘らず一定に保たれる場合には機関
高負荷運転時に1次燃焼領域6aおよび2次燃焼領域6
bに形成される混合気の燃空比F/Aが例えば0.04
程度になるが、図1および図2に示す実施例では上述の
ように機関高負荷運転時に上述の開口面積比が低減せし
められるので燃空比F/Aが比較的低いリーンな混合気
(燃空比F/Aが例えば0.03程度の混合気)が燃焼
せしめられることになる。その結果燃焼用空気量が燃料
量に対してより余剰に供給された状態で燃焼が行われる
ので燃焼温度が低下し、その結果図3に示されるように
NOxの発生を抑制することができる。
【0015】このように図1および図2に示す実施例で
は機関高負荷運転時には機関低負荷運転時に比べて希釈
領域6c内に供給される希釈用空気量に対して1次燃焼
領域6a内および2次燃焼領域6b内に供給される燃焼
用空気量の比率を増大させることにより、機関運転状態
に拘らずNOx、未燃HCおよび未燃COの発生を抑制
すると共に機関運転状態に拘らず良好な燃焼効率ηを確
保するようにしている。しかもこのことを、希釈用空気
量または燃焼用空気量を制御するための弁やアクチュエ
ータ等を何ら用いることなくシンプルな構造で実現して
いるので、高い信頼性を確保することができる。更に、
互いに摺動可能に嵌合する第1筒状部材2と第2筒状部
材4とにより燃焼室6が形成されるので、筒状部材の熱
膨張が嵌合部の嵌合長さの変化によって吸収され、従っ
て筒状部材が熱膨張によって変形したり折損したりする
ことが防止される。
【0016】次に図4から図6に第2の実施例を示す。
なお、以下に記載する各実施例では図1および図2に示
す実施例と同様の構成要素に対しては同一の参照符号を
用いる。図4を参照すると、20は燃焼室6を形成する
筒状部材を示す。図1に示す実施例と同様に燃焼室6は
上流側から1次燃焼領域6a、2次燃焼領域6b、およ
び希釈領域6cの三つの領域に分けられる。図4に示す
実施例では希釈領域6cは切頭円錐形状をなす。この筒
状部材20は機関ハウジング(図示しない)内に形成さ
れた空気供給通路21内に配置され、圧縮機(図示しな
い)で圧縮された空気が熱交換器(図示しない)を介し
て空気供給通路21内に送り込まれる。
【0017】筒状部材20の上流側端部の中央部には1
次燃焼用空気孔8が形成され、この1次燃焼用空気孔8
の中心部に燃料噴射弁22が配置されると共に燃料噴射
弁22の周囲に旋回羽根24が配置される。圧縮機から
熱交換器を介して空気供給通路21内に供給された空気
の一部はこの旋回羽根24を介して1次燃焼領域6a内
に流入する。この空気は旋回羽根24を通過する際に旋
回流を与えられ、従ってこの空気は旋回しつつ1次燃焼
領域6a内に流入する。一方、2次燃焼領域6bを形成
する筒状部材20部分の周壁面上には複数の円形をなす
2次燃焼用空気孔10が形成され、圧縮機から熱交換器
を介して空気供給通路21内に供給された空気の一部は
これらの2次燃焼用空気孔10を介して2次燃焼領域6
b内に流入する。一方、希釈領域6cを形成する筒状部
材20の周壁面部分20a上には複数の円形をなす希釈
用空気孔12が形成される。また筒状部材20の周壁面
部分20aには希釈域外筒26が気密的に固定され、希
釈域外筒26の内周壁面と希釈域外筒26の底壁面26
aと筒状部材20の周壁面部分20aとにより閉鎖空間
28が形成される。また希釈域外筒26の周壁面上には
希釈用空気供給管30が連結される。なお、この希釈用
空気供給管30も空気供給通路21内に配置される。従
って、圧縮機から熱交換器を介して空気供給通路21内
に供給された空気の一部は希釈用空気供給管30、閉鎖
空間28および希釈用空気孔12を介して希釈領域6c
内に流入する。
【0018】図4および図5に示されるように希釈用空
気供給管30内には希釈用空気供給管30の流路面積を
制御する希釈用空気量制御自動弁32が配置される。こ
の希釈用空気量制御自動弁32は図5において矢印Bで
示されるようにピン34回りに旋回自在に取り付けられ
る。また希釈用空気量制御自動弁32と一体的に形成さ
れた棒36が希釈用空気供給管30の壁面上に形成され
た小穴38を介して希釈用空気供給管30の外部に突出
されている。この棒36は希釈用空気供給管30の外壁
面上に固定された棒40に引張ばね42を介して連結さ
れる。図5からわかるように希釈用空気量制御自動弁3
2は引張ばね42により常時開弁方向に向けて付勢せし
められる。
【0019】次に、図6を参照して図4および図5に示
される実施例の作動について説明する。なお、ガスター
ビンは一般的にその運転期間中の大部分において定格運
転状態、即ち機関高回転全負荷運転状態(機関回転数N
が例えば60000rpm から80000rpm 程度)で使
用され、運転期間の残りの部分のほとんどが機関始動時
および機関停止時におけるアイドル運転状態、即ち機関
低回転無負荷運転状態(機関回転数Nが例えば3000
0rpm から40000rpm 程度)での使用に相当する。
従って機関高回転運転時が機関高負荷運転時にほぼ対応
し、一方機関低回転運転時が機関低負荷運転時にほぼ対
応する。図6において(a)は機関低回転運転時の状態
を示しており、(b)は機関高回転運転時の状態を示し
ている。
【0020】機関低回転運転時には図7に示されるよう
に燃焼器の圧力損失LP が小さく、このとき希釈用空気
量制御自動弁32は図6(a)に示されるように引張ば
ね42の付勢力により開度が大きい状態に保持される。
図4および図5に示される実施例では図1および図2に
示す実施例と同様に図6(a)に示されるように希釈用
空気量制御自動弁32の開度が大きい状態にあるときに
1次燃焼領域6aおよび2次燃焼領域6bにおいて燃空
比F/Aが比較的高いリッチな混合気が形成されるよう
に、1次燃焼用空気孔8と2次燃焼用空気孔10と希釈
用空気孔12との開口面積比が設定されている。従って
機関低回転運転時には図1および図2に示す実施例と同
様に比較的リッチな混合気が燃焼せしめられることにな
り、その結果燃焼効率ηを向上させることができると共
に未燃HCおよび未燃COの発生を抑制することができ
る。
【0021】一方、機関高回転運転時には図7に示され
るように燃焼器の圧力損失LP が比較的大きくなり、そ
の結果希釈用空気供給管30内を流れる空気の流速が大
きくなる。その結果希釈用空気量制御自動弁32が希釈
用空気供給管30内を流れる空気から受ける抗力が増大
し、斯くして希釈用空気量制御自動弁32の開度が図6
(b)に示されるように引張ばね42の付勢力に抗して
低減せしめられ、希釈用空気供給管30内を流れる空気
流量が低減せしめられる。斯くして、圧縮機から熱交換
器を介して燃焼室6内に供給される空気の内で希釈用空
気孔12を介して希釈領域6c内に供給される希釈用空
気量の割合が低減せしめられると共に、1次燃焼用空気
孔8および2次燃焼用空気孔10を介して1次燃焼領域
6a内および2次燃焼領域6b内に供給される燃焼用空
気量の割合が増大せしめられる。その結果機関高回転運
転時には図1および図2に示す実施例と同様に1次燃焼
領域6aおよび2次燃焼領域6bにおいて燃空比F/A
が比較的低いリーンな混合気が燃焼せしめられることに
なり、その結果NOxの発生が抑制される。
【0022】このように図4から図6に示す実施例では
機関高回転運転時には機関低回転運転時に比べて希釈領
域6c内に供給される希釈用空気量に対して1次燃焼領
域6a内および2次燃焼領域6b内に供給される燃焼用
空気量の比率を増大させることにより、機関運転状態に
拘らずNOxの発生を抑制すると共に良好な燃焼効率η
を確保するようにしている。しかも燃焼室6内に供給さ
れる希釈用空気量と燃焼用空気量との比率の制御が希釈
用空気量制御自動弁32によって自動的に行われるの
で、希釈用空気量制御自動弁32を駆動するためのアク
チュエータやこのアクチュエータを制御するための制御
装置等が不要である。燃焼器の近傍は高温を呈するがこ
のようにシンプルな構造で希釈用空気量および燃焼用空
気量の制御が行われるので、高い信頼性を確保すること
ができる。更に、空気供給通路21の外部に希釈用空気
量制御自動弁32のアクチュエータを設ける必要がない
ので、希釈用空気量制御自動弁32とアクチュエータと
の連結部周りの機関ハウジングにシール構造を備える必
要がないと共に空気が空気供給通路21の外部に漏洩す
る恐れがない。
【0023】次に図8から図10に第3の実施例を示
す。図8から図10に示す実施例では図8に示されるよ
うに燃焼室6を形成する筒状部材20の周囲に筒状部材
20のほぼ全体を覆う円筒状の外筒50が気密的に固定
されている。この外筒50内には外筒50の内周壁面と
筒状部材20の外周壁面間に形成される空間を二つの領
域に圧力分割する隔壁52が設けられる。隔壁52と外
筒50の内周壁面と外筒50の底壁面50aと筒状部材
20の外周壁面とにより、1次燃焼用空気孔8および2
次燃焼用空気孔10に連通する燃焼領域側閉鎖空間54
が形成される。一方、隔壁52と外筒50の内周壁面と
外筒50の底壁面50bと筒状部材20の外周壁面とに
より、希釈用空気孔12に連通する希釈領域側閉鎖空間
56が形成される。
【0024】また燃焼領域側閉鎖空間54を形成する外
筒50の周壁面部分上には燃焼用空気供給管58が連結
され、一方希釈領域側閉鎖空間56を形成する外筒50
の周壁面部分上には希釈用空気供給管30が連結され
る。図8に示されるように燃焼用空気供給管58および
希釈用空気供給管30は夫々L字形状をなし、燃焼用空
気供給管58の一部と希釈用空気供給管30の一部とが
互いに隣接配置されている。また外筒50、燃焼用空気
供給管58および希釈用空気供給管30は機関ハウジン
グ(図示しない)内に形成された空気供給通路21内に
配置されている。従って、圧縮機から熱交換器を介して
空気供給通路21内に供給された空気の一部が燃焼用空
気供給管58および1次燃焼用空気孔8を介して1次燃
焼領域6a内に流入し、空気供給通路21内に供給され
た空気の一部が燃焼用空気供給管58および2次燃焼用
空気孔10を介して2次燃焼領域6b内に流入し、空気
供給通路21内に供給された空気の残りの部分が希釈用
空気供給管30および希釈用空気孔12を介して希釈領
域6c内に流入する。このとき、互いに隣接配置された
燃焼用空気供給管58部分と希釈用空気供給管30部分
を夫々流れる空気は互いに反対向きに流れる。
【0025】図8および図9に示されるように互いに隣
接配置された燃焼用空気供給管58部分内および希釈用
空気供給管30部分内にL字形状をなす空気量制御自動
弁60が配置される。図9に示されるように隣接する燃
焼用空気供給管58壁面と希釈用空気供給管30壁面間
にピン62が配置され、L字形状をなす空気量制御自動
弁60の折曲部がピン62上に旋回自在に支持される。
従って空気量制御自動弁60は図9において矢印Dで示
されるようにピン62回りに旋回自在に配置されてい
る。従って燃焼用空気供給管58内に位置する空気量制
御自動弁60の部分60aが燃焼用空気供給管58の流
路面積を制御する燃焼用空気量制御自動弁を構成すると
共に、希釈用空気供給管30内に位置する空気量制御自
動弁60の部分60bが希釈用空気供給管30の流路面
積を制御する希釈用空気量制御自動弁を構成している。
また燃焼用空気供給管58の外部に配置されたレバー6
4の一端がピン62上に空気量制御自動弁60と一体的
に連結され、レバー64の他端は燃焼用空気供給管58
の外壁面上に固定された棒66に引張ばね68を介して
連結される。図9からわかるように空気量制御自動弁6
0は引張ばね68により燃焼用空気供給管58の流路面
積を低減させる方向、即ち燃焼用空気量制御自動弁60
aの閉弁方向でかつ希釈用空気供給管30の流路面積を
増大させる方向、即ち希釈用空気量制御自動弁60bの
開弁方向に向けて常時付勢せしめられる。
【0026】次に、図10を参照して図8および図9に
示される実施例の作動について説明する。なお図10に
おいて(a)は機関低回転運転時の状態を示しており、
(b)は機関高回転運転時の状態を示している。また図
10では引張ばね68の作用がわかりやすいように、引
張ばね68が燃焼用空気供給管58内に固定された棒6
6と燃焼用空気量制御自動弁60aとを連結するように
図示している。機能的には図8および図9に示される配
置の場合と同様である。
【0027】機関低回転運転時には図7に示されるよう
に燃焼器の圧力損失LP が小さく、このとき空気量制御
自動弁60は図10(a)に示されるように引張ばね6
8の付勢力により燃焼用空気供給管58の流路面積が小
さくて希釈用空気供給管30の流路面積が大きい位置に
保持される。図1および図2に示す実施例と同様に図8
および図9に示す実施例では空気量制御自動弁60が図
10(a)に示される位置にあるときに1次燃焼領域6
aおよび2次燃焼領域6bにおいて燃空比F/Aが比較
的高いリッチな混合気が形成されるように、1次燃焼用
空気孔8と2次燃焼用空気孔10と希釈用空気孔12と
の開口面積比が設定されている。従って機関低回転運転
時には図1および図2に示す実施例および図4から図6
に示す実施例と同様に比較的リッチな混合気が燃焼せし
められることになり、その結果未燃HCおよび未燃CO
の発生が抑制され、燃焼効率ηが向上する。
【0028】一方、機関高回転運転時には図7に示され
るように燃焼器の圧力損失LP が比較的大きくなり、そ
の結果燃焼用空気供給管58内を流れる空気の流速およ
び希釈用空気供給管30内を流れる空気の流速が大きく
なる。その結果燃焼用空気量制御自動弁60aが燃焼用
空気供給管58内を流れる空気から受ける抗力が増大す
ると共に希釈用空気量制御自動弁60bが希釈用空気供
給管30内を流れる空気から受ける抗力が増大する。図
10からわかるように、燃焼用空気供給管58内を流れ
る空気と希釈用空気供給管30内を流れる空気とは互い
に反対向きに流れるので、燃焼用空気量制御自動弁60
aが受ける抗力および希釈用空気量制御自動弁60bが
受ける抗力はいずれも空気量制御自動弁60をピン62
回りに図10において反時計回りに回転させるべく作用
する。従って、機関高回転運転時にこれらの抗力が増大
すると、空気量制御自動弁60は図10(b)に示され
るように燃焼用空気供給管58の流路面積が大きくて希
釈用空気供給管30の流路面積が小さい位置に保持され
る。斯くして、圧縮機から熱交換器を介して燃焼室6内
に供給される空気の内で1次燃焼領域6a内および2次
燃焼領域6b内に供給される燃焼用空気量の割合が増大
せしめられると共に希釈領域6c内に供給される希釈用
空気量の割合が低減せめしられる。その結果機関高回転
運転時には図1および図2に示す実施例および図4から
図6に示す実施例と同様に燃空比F/Aが比較的低いリ
ーンな混合気が燃焼せしめられることになり、その結果
NOxの発生が抑制される。
【0029】図8から図10に示す実施例では燃焼用空
気量制御自動弁60aと希釈用空気量制御自動弁60b
とが一体的に形成されたL字形状の空気量制御自動弁6
0を用いて燃焼用空気量と希釈用空気量との比率を制御
している。もしこの代わりに燃焼用空気供給管58内お
よび希釈用空気供給管30内に夫々独立した燃焼用空気
量制御自動弁および希釈用空気量制御自動弁を配置する
と共にこれらの自動弁を夫々別々のばねで付勢するよう
にすると、適切なばね等の選択が難しく、従って機関運
転状態に応じて燃焼用空気量と希釈用空気量との比率を
適切に制御することが困難になる。図8から図10に示
す実施例では燃焼用空気量制御自動弁60aと希釈用空
気量制御自動弁60bとが一体的に形成された空気量制
御自動弁60を用いているので、燃焼用空気量と希釈用
空気量との比率を適切かつ確実に制御することができ
る。
【0030】次に図11に第4の実施例を示す。図11
に示す実施例は図8から図10に示す実施例とほぼ同様
の構造を有する。図8から図10に示す実施例との相違
点について説明する。図11に示す実施例では互いに隣
接配置された燃焼用空気供給管58部分を流れる空気と
希釈用空気供給管30部分を流れる空気とが同じ向きに
流れるように燃焼用空気供給管58および希釈用空気供
給管30が配置されている。図11に示されるように互
いに隣接配置された燃焼用空気供給管58部分内および
希釈用空気供給管30部分内にショートケーキ形の空気
量制御自動弁70が配置される。この空気量制御自動弁
70は直線状をなす部分70aと円弧状をなす部分70
bとを有する。隣接する燃焼用空気供給管58壁面と希
釈用空気供給管30壁面間にピン72が配置され、空気
量制御自動弁部分70aの一端がピン72上に旋回自在
に支持される。従って空気量制御自動弁70はピン72
回りに旋回自在に配置されており、空気量制御自動弁部
分70aが燃焼用空気供給管58の流路面積を制御する
燃焼用空気量制御自動弁を構成すると共に、空気量制御
自動弁部分70bが希釈用空気供給管30の流路面積を
制御する希釈用空気量制御自動弁を構成している。図1
1からわかるように空気量制御自動弁70は引張ばね7
4により燃焼用空気供給管58の流路面積を低減させる
方向、即ち燃焼用空気量制御自動弁70aの閉弁方向で
かつ希釈用空気供給管30の流路面積を増大させる方
向、即ち希釈用空気量制御自動弁70bの開弁方向に向
けて常時付勢せしめられる。なお図11では引張ばね7
4が燃焼用空気供給管58の内部に配置されているが、
図8および図9に示す実施例と同様に引張ばね74を燃
焼用空気供給管58の外部に配置するようにしてもよ
い。
【0031】次に、図11に示す実施例の作動について
説明する。機関低回転運転時には空気量制御自動弁70
は図11において実線で示されるように引張ばね74の
付勢力により燃焼用空気供給管58の流路面積が小さく
て希釈用空気供給管30の流路面積が大きい位置に保持
される。従って図8から図10に示す実施例と同様に機
関低回転運転時には1次燃焼領域6aおよび2次燃焼領
域6bにおいて燃空比F/Aが比較的高いリッチな混合
気が燃焼せしめられる。一方、機関高回転運転時には燃
焼用空気供給管58内を流れる空気の流速および希釈用
空気供給管30内を流れる空気の流速が大きくなり、そ
の結果空気量制御自動弁70が空気供給管58,30内
を流れる空気から受ける抗力が増大する。このとき燃焼
用空気量制御自動弁70aが受ける抗力は空気量制御自
動弁70をピン72回りに図11において時計回りに回
転させるべく作用する。一方、希釈用空気量制御自動弁
70bは円弧状をなすので希釈用空気量制御自動弁70
bが受ける抗力は空気量制御自動弁70を回転させる作
用を生じせしめない。従って、機関高回転運転時にこれ
らの抗力が増大すると、空気量制御自動弁70は図11
において2点鎖線で示されるように燃焼用空気供給管5
8の流路面積が大きくて希釈用空気供給管30の流路面
積が小さい位置に保持される。斯くして図8から図10
に示す実施例と同様に1次燃焼領域6a内および2次燃
焼領域6b内に供給される燃焼用空気量の割合が増大せ
しめられると共に希釈領域6c内に供給される希釈用空
気量の割合が低減せしめられる。
【0032】次に図12に第5の実施例を示す。図12
に示す実施例は図8から図10に示す実施例とほぼ同様
の構造を有し、空気量制御自動弁60の作動は図8から
図10に示す実施例の場合と同じである。一方、図12
に示す実施例では点火栓80が空気量制御自動弁60の
動きに連動して筒状部材20の内外に移動する構造にな
っている。即ち、外筒50の周壁面上には2次燃焼用空
気孔10の一つと整列配置された穴82が形成されてお
り、点火栓80がこの穴82内に挿入され、この点火栓
80は第1のアーム84とリンク板86と第2のアーム
88とを具備するリンク機構90を介して空気量制御自
動弁60に連結されている。機関低回転運転時には点火
栓80が2次燃焼用空気孔10を介して筒状部材20の
内部、即ち2次燃焼領域6b内に配置される。一方、機
関高回転運転時には上述した空気量制御自動弁60の動
きにリンク機構90を介して点火栓80が連動せしめら
れ、その結果点火栓80が筒状部材20の外部に移動せ
しめられる。斯くして機関高回転運転時(機関定格運転
時)に点火栓80を火炎の熱から確実に防御することが
できる。次いで機関運転状態が機関低回転運転状態に移
行すると、空気量制御自動弁60の動きに連動して点火
栓80が再び筒状部材20の内部に挿入されるので、必
要があれば再点火を行うことも可能である。
【0033】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば機関高負
荷運転時には機関低負荷運転時に比べて希釈用空気孔の
開口面積が低減せしめられることにより、燃焼室内に供
給される希釈用空気量に対して燃焼用空気量の比率を増
大させることができる。斯くして機関運転状態に拘らず
NOxの発生を抑制することができると共に良好な燃焼
効率を確保することができる。このとき弁やアクチュエ
ータを用いることなく希釈用空気量および燃焼用空気量
を制御することができるので、高い信頼性を確保するこ
とができる。
【0034】請求項2に記載の発明によれば機関高回転
運転時には機関低回転運転時に比べて希釈用空気量制御
自動弁の開度が低減せしめられることにより、燃焼室内
に供給される希釈用空気量に対して燃焼用空気量の比率
を増大させることができる。斯くして機関運転状態に拘
らずNOxの発生を抑制することができると共に良好な
燃焼効率を確保することができる。このとき希釈用空気
量制御自動弁を駆動するためのアクチュエータを用いる
ことなく希釈用空気量および燃焼用空気量を制御するこ
とができるので、高い信頼性を確保することができる。
【0035】請求項3に記載の発明によれば機関高回転
運転時には機関低回転運転時に比べて希釈用空気量制御
自動弁の開度が低減すると共に燃焼用空気量制御自動弁
の開度が増大するように、希釈用空気量制御自動弁およ
び燃焼用空気量制御自動弁が一体的に作動せしめられ
る。その結果機関高回転運転時には燃焼室内に供給され
る希釈用空気量に対して燃焼用空気量の比率を増大させ
ることができる。斯くして機関運転状態に拘らずNOx
の発生を抑制することができると共に良好な燃焼効率を
確保することができる。このとき希釈用空気量制御自動
弁と燃焼用空気量制御自動弁とが一体的に作動するの
で、希釈用空気量と燃焼用空気量との比率を適切かつ確
実に制御することができる。更に希釈用空気量制御自動
弁および燃焼用空気量制御自動弁を駆動するためのアク
チュエータが必要ないので高い信頼性を確保することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガスタービンの燃焼器の一部断面側面図であ
る。
【図2】機関低負荷運転時と機関高負荷運転時における
希釈用空気孔の近傍領域を示す拡大図である。
【図3】燃焼効率およびNOx発生量の燃空比に対する
関係を示す線図である。
【図4】第2の実施例の燃焼器を示す斜視図である。
【図5】希釈用空気量制御自動弁の近傍領域を示す拡大
斜視図である。
【図6】機関低回転運転時と機関高回転運転時における
希釈用空気量制御自動弁の作動を説明するための拡大側
面断面図である。
【図7】機関回転数と燃焼器の圧力損失との関係を示す
線図である。
【図8】第3の実施例の燃焼器を示す斜視図である。
【図9】空気量制御自動弁の近傍領域を示す拡大斜視図
である。
【図10】機関低回転運転時と機関高回転運転時におけ
る空気量制御自動弁の作動を説明するための概略的に示
した拡大側面断面図である。
【図11】第4の実施例の空気量制御自動弁の近傍領域
を示す拡大側面断面図である。
【図12】第5の実施例の燃焼器を示す斜視図である。
【符号の説明】
2…第1の筒状部材 4…第2の筒状部材 6…燃焼室 6a…1次燃焼領域 6b…2次燃焼領域 6c…希釈領域 8…1次燃焼用空気孔 10…2次燃焼用空気孔 12…希釈用空気孔 20…筒状部材 21…空気供給通路 22…燃料噴射弁 24…旋回羽根 26…希釈域外筒 30…希釈用空気供給管 32…希釈用空気量制御自動弁 42…引張ばね 50…外筒 52…隔壁 58…燃焼用空気供給管 60,70…空気量制御自動弁 60a,70a…燃焼用空気量制御自動弁 60b,70b…希釈用空気量制御自動弁 68,74…引張ばね 80…点火栓 90…リンク機構

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室を形成する筒状部材の壁面上に燃
    焼用空気孔を形成し、圧縮機により圧縮された空気を該
    燃焼用空気孔を介して燃焼室内に供給して燃焼室内に供
    給された燃料を燃焼させると共に、該燃焼用空気孔下流
    の筒状部材壁面上に希釈用空気孔を形成し、該圧縮機に
    より圧縮された空気を該希釈用空気孔を介して燃焼室内
    に供給して既燃ガスを希釈するようにしたガスタービン
    の燃焼器において、上記燃焼用空気孔の下流において上
    記筒状部材を上流側の第1の筒状部材と下流側の第2の
    筒状部材とに分割すると共に該第1筒状部材の下流側の
    端部と該第2筒状部材の上流側の端部とを摺動自在に嵌
    合せしめ、該第1筒状部材の下流側端部近傍の周壁面お
    よび該第2筒状部材の上流側端部近傍の周壁面のいずれ
    か一方または両方に上記希釈用空気孔を形成し、燃焼室
    内の燃焼温度が高くなるにつれて該第1筒状部材が熱膨
    張することにより第1筒状部材の下流側端部周壁面また
    は第2筒状部材の上流側端部周壁面によって閉鎖される
    該希釈用空気孔の面積が増大するようにしたガスタービ
    ンの燃焼器。
  2. 【請求項2】 燃焼室を形成する筒状部材の壁面上に燃
    焼用空気孔を形成し、圧縮機により圧縮された空気を該
    燃焼用空気孔を介して燃焼室内に供給して燃焼室内に供
    給された燃料を燃焼させると共に、該燃焼用空気孔下流
    の筒状部材壁面上に希釈用空気孔を形成し、該圧縮機に
    より圧縮された空気を該希釈用空気孔を介して燃焼室内
    に供給して既燃ガスを希釈するようにしたガスタービン
    の燃焼器において、上記希釈用空気孔内に連通する希釈
    用空気供給通路内に該希釈用空気供給通路の流路面積を
    制御する希釈用空気量制御自動弁を配置し、該希釈用空
    気量制御自動弁を弾性部材により常時開弁方向に向けて
    付勢せしめ、機関回転数が高くなるにつれて該希釈用空
    気量制御自動弁が該希釈用空気供給通路内を流れる空気
    から受ける抗力が増大することにより希釈用空気量制御
    自動弁の開度が低減するように希釈用空気量制御自動弁
    を形成したガスタービンの燃焼器。
  3. 【請求項3】 燃焼室を形成する筒状部材の壁面上に燃
    焼用空気孔を形成し、圧縮機により圧縮された空気を該
    燃焼用空気孔を介して燃焼室内に供給して燃焼室内に供
    給された燃料を燃焼させると共に、該燃焼用空気孔下流
    の筒状部材壁面上に希釈用空気孔を形成し、該圧縮機に
    より圧縮された空気を該希釈用空気孔を介して燃焼室内
    に供給して既燃ガスを希釈するようにしたガスタービン
    の燃焼器において、上記希釈用空気孔内に連通する希釈
    用空気供給通路内に該希釈用空気供給通路の流路面積を
    制御する希釈用空気量制御自動弁を配置すると共に上記
    燃焼用空気孔内に連通する燃焼用空気供給通路内に該希
    釈用空気量制御自動弁と一体的に作動して該燃焼用空気
    供給通路の流路面積を制御する燃焼用空気量制御自動弁
    を配置し、該希釈用空気量制御自動弁と該燃焼用空気量
    制御自動弁とを弾性部材により希釈用空気量制御自動弁
    の開弁方向でかつ燃焼用空気量制御自動弁の閉弁方向に
    向けて常時付勢せしめ、機関回転数が高くなるにつれて
    該希釈用空気量制御自動弁が該希釈用空気供給通路内を
    流れる空気から受ける抗力が増大すると共に該燃焼用空
    気量制御自動弁が該燃焼用空気供給通路内を流れる空気
    から受ける抗力が増大することにより希釈用空気量制御
    自動弁の開度が低減すると共に燃焼用空気量制御自動弁
    の開度が増大するように希釈用空気量制御自動弁および
    燃焼用空気量制御自動弁を形成したガスタービンの燃焼
    器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001012741A (ja) * 1999-06-22 2001-01-19 Abb Alstom Power Uk Ltd ガスタービン用燃焼器
JP2012202561A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Tokyo Gas Co Ltd バーナ

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JP4711489B2 (ja) * 1999-06-22 2011-06-29 オールストム パワー ユーケイ リミテッド ガスタービン用燃焼器
JP2012202561A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Tokyo Gas Co Ltd バーナ

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