JPH0521459B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 送信データの有無又はデータ長を示す情報を送
信局に転送することにより、データ無しを示す場
合に、無用なキヤリアの送出を停止して、送信局
に於ける消費電力の低減を図るものである。

〔産業上の利用分野〕

本発明は、送信データがない時の無用なキヤリ
アの送出を停止するように制御して、消費電力を
低減する無線通信制御方式に関するものである。

無線通信方式に於ける送信局は、転送されたデ
ータを変調し、その変調波を送信周波数に変換し
て電力増幅器により増幅し、アンテナから送信す
るものである。送信局の各部は常時動作状態であ
るから、送信データがない場合には、無変調波が
電力増幅器に加えられることになり、従つて、キ
ヤリアが送出されることになる。即ち、送信デー
タがない時でも、キヤリアを送出する為の電力が
消費されることになる。このような無用な消費電
力を低減することが要望されている。

〔従来の技術〕

送信局は、変調器、周波数変換器、電力増幅器
等を備えており、例えば、有線回線を介して転送
されたデータを、FM，FSK，PSK等の各種の変
調方式に従つた変調器により変調し、その変調波
を送信周波数となるように周波数変換器により変
換し、電力増幅器により所定の送信電力となるよ
うに増幅して、アンテナから送信するものであ
る。

又都道府県等を単位とするような地域毎に、複
数の送信局を分散配置し、地域内の各送信局と中
心局とを公衆回線等を介して接続し、同一地域内
の送信局から例えば280MHzでFSK変調されたデ
ータを送信し、ページヤ受信機の呼出通信を行う
ページング・システムが知られている。このペー
ジング・システムに於ける送信電力は、例えば、
250Wであり、送信データは、例えば、８個のペ
ージヤ受信機対応のデータを１バツチとし、１バ
ツチ又は複数バツチの先頭に、同期用のプリアン
ブルワードを付加したフオーマツトにより送信さ
れる。

又或る地域毎に割当てられた地域用の周波数と
複数の地域に共通に割当てられた広域用の周波数
とを用い、地域用のページヤ受信機は、所定の地
域内でのみ呼出通信が可能であるが、広域用のペ
ージヤ受信機は、任意の地域内でも呼出通信が可
能となるページング・システムも知られている。
その場合に、地域用の周波数を用いた呼出通信
と、広域用の周波数を用いた呼出通信とを時分割
で行う方式を先に提案した。この方式に於いて
は、所定長のフレーム内を、地域用の呼出通信の
呼量と、広域用の呼出通信の呼量とに対応して分
割することにより、効率の良い呼出通信が可能と
なるものである。

このようなページング・システムに於ける送信
局でも、送信データの有無を判定しないものであ
るから、中心局からデータが転送されない場合に
は、キヤリアが送出されるものであつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

送信局に送信データが転送されない場合でも、
送信局の各部は動作状態であるから、例えば、変
調器の出力の無変調波が周波数変換器に加えられ
て送信周波数に変換され、電力増幅器により増幅
されて送信されることになる。

例えば、FSK変調器を電圧制御発振器により
構成した場合、中心周波数で発振するように制御
電圧が設定され、その制御電圧に送信データが重
畳されることにより、中心周波数に対して±Δ
の偏移周波数となるFSK変調波となる。そして、
送信データがない場合は、変調器からは中心周波
数の信号が出力され、直接或いは周波数変換され
て電力増幅器に加えられ、増幅出力はアンテナか
ら送信される。この場合は、無変調のキヤリアが
送信されることになり、送信データ有りの場合と
同様に電力が消費されることになる。

本発明は、このような無用なキヤリアの送出を
防止して、消費電力を低減することを目的とする
ものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の無線通信制御方式は、送信データの有
無又はデータ長の情報に従つて変調波の送出を制
御するもので、第１図を参照して説明する。

フレーム内にデータの有無又はデータ長を示す
情報を挿入したフレーム構成のデータを回線１を
介して送信局２に転送し、分離部３によりその情
報を分離して制御部４に加え、制御部４により変
調送信部５を制御して、送信データ無しの場合は
電力増幅器６の入力を阻止するようにして、アン
テナ７から無用なキヤリアが送出されないように
するものである。

〔作用〕

データの有無又はデータ長を示す情報が挿入さ
れて送信局２に転送されるから、その情報を分離
部３で分離し、制御部４では、その情報がデータ
有り又は零でないデータ長を示す場合、回線１を
介して転送されたデータを送信するように、変調
送信部５を制御し、変調、周波数変換等を行つた
データを電力増幅器６に加え、増幅してアンテナ
７から送信する。又その情報がデータ無し又は零
のデータ長を示す場合、制御部４は、変調送信部
５の出力が零となるように、又はその出力が電力
増幅器６に入力されないように制御する。従つ
て、送信データ無しの場合は、電力増幅器６に於
ける消費電力は低減される。

〔実施例〕

以下図面を参照して本発明の実施例について詳
細に説明する。

第２図は本発明の一実施例のブロツク図であ
り、変調器１５、周波数変換器１６、スイツチ回
路２１、局部発振器２０等により変調送信部５が
構成されている。この送信局に、フレーム構成の
データが回線１１を介して転送され、その中にデ
ータの有無又はデータ長を示す情報が挿入されて
いるので、分離部１２により分離される。分離さ
れた情報は制御部１９に加えられて識別される。
又分離部１２で情報が分離された残りのデータは
増幅器１３により増幅され、低域フイルタ１４を
介して変調器１５に加えられ、例えば、FSK変
調される。

変調器１５の出力のFSK変調波は周波数変換
器１６に加えられ、局部発振器２０からスイツチ
回路２１を介して加えられる局部発振信号によつ
て送信周波数に変換される。この送信周波数に変
換された変調波は、送信周波数を中心周波数とし
た帯域フイルタ１７を介して電力増幅器１８に加
えられ、増幅出力信号は図示を省略したアンテナ
から送信される。

制御部１９によつてスイツチ回路２１がオフと
なるように制御されると、局部発振器２０からの
局部発振信号が周波数変換器１６に加えられなく
なるから、変調器１５の出力信号が周波数変換器
１６に加えられても、送信周波数に変換されない
ことになる。従つて、周波数変換器１６の出力信
号は帯域フイルタ１７により阻止される。即ち、
データ無しの場合に電力増幅器１８の入力を阻止
することができる。それによつて、キヤリア送出
も停止されることになり、消費電力を低減するこ
とができる。

第３図は信号フオーマツト説明図であり、同期
信号SYNと制御信号CTLと複数のデータD1〜
Dnとにより１フレームが構成され、制御信号
CTL内に、データの有無情報又はデータ長情報
が挿入されている。このようなフオーマツトの信
号が回線１１を介して転送されると、分離部１２
では、同期信号SYNによりフレーム同期をとり、
制御信号CTL中のデータの有無情報又はデータ
長情報を分離する。この分離した情報は前述のよ
うに制御部１９に加えることになる。

データの有無情報を用いた場合に、データ有り
の情報が制御部１９に加えられると、そのフレー
ム期間中は、スイツチ回路２１をオン状態に保持
させる。従つて、１フレーム中に数個のデータし
かない場合でも、データ有りの情報により、その
フレーム期間中は電力増幅器１８に帯域フイルタ
１７を介して信号が入力されることになる。

又データ長情報を用いた場合、制御部１９は、
データ長の期間のみスイツチ回路２１をオン状態
となるように制御する。従つて、１フレーム中に
数個のデータしかない場合には、その数個のデー
タを送信できる期間だけ、スイツチ回路２１をオ
ン状態とし、残りの期間は無効データの期間であ
るから、スイツチ回路２１をオフ状態とする。そ
れによつて、無用なキヤリアが送出されないこと
になる。

第４図は本発明の他の実施例のブロツク図であ
り、第２図と同一符号は同一名称の部分を示す。
この実施例は２個の局部発振器２０ａ，２０ｂを
設けて、異なる送信周波数で時分割的にデータを
送信する場合を示す。又制御部１９によりスイツ
チ回路２１Ａは、オフ状態、局部発振器２０ａの
出力を選択する状態、局部発振器２０ｂの出力を
選択する状態に切替制御される。そして、局部発
振器２０ａからの周波数1の局部発振信号がスイ
ツチ回路２１Ａを介して周波数変換器１６に加え
られた時、地域用の送信周波数F1に変換され、
又局部発振器２０ｂからの周波数cの局部発振信
号がスイツチ回路２１Ａを介して周波数変換器１
６に加えられた時、広域用の送信周波数Fcに変
換されるものである。又帯域フイルタ１７は、地
域用の周波数F1と広域用の周波数Fcとを通過さ
せる構成が用いられる。

第５図は本発明の他の実施例の信号フオーマツ
ト説明図であり、ａは前述の地域用の広域用との
呼出通信を時分割で行うページング・システムに
於ける信号フオーマツトを示す。F1は地域用の
周波数、Fcは広域用の周波数による呼出通信の
期間を示し、それぞれ地域用と広域用との呼量に
対応してフレーム内の期間が割当てられている。
即ち、第１フレームは地域用の呼量が多く、又第
２フレームは広域用の呼量が多い場合を示してい
る。

又ｂは広域用の周波数Fcによる信号フオーマ
ツトを示し、同期用とデータの有無情報又はデー
タ長情報とを含むプリアンブルワードBPWと、
バツチBB１，BB２，BB３とからなる場合を示
す。又ｃは地域用の周波数F1による信号フオー
マツトを示し、同期用とデータの有無情報又はデ
ータ長情報とを含むプリアンブルワードNPWと
バツチNB１，NB２，NB３，NB４とからなる
場合を示す。又ｄはバツチNB１の内容を示し、
８個のページヤ受信機対応のデータＤ１〜Ｄ８か
らなるもので、他のバツチについても同様であ
る。なお、８個に満たない場合は、ダミーデータ
を付加して８個のデータと等価な長さとするもの
である。又ｅはプリアンブルワードNPWの内容
を示し、同期用とデータの有無情報又はデータ長
情報とからなるものであり、広域用のプリアンブ
ルワードBPWについても同様である。

前述のような信号が回線１１を介して転送され
るから、分離部１２に於いてプリアンブルワード
NPW，BPWからデータの有無情報又はデータ長
情報を分離されて制御部１９に加えられる。プリ
アンブルワードNPWからデータの有無情報又は
データ長情報が分離され、データ有り又は零でな
いデータ長を示す場合は、制御部１９により、局
部発振器２０ａからの周波数1の局部発振信号が
周波数変換器１６に加えられるようにスイツチ回
路２１Ａが制御される。従つて、変調器１５によ
り変調された変調波は、地域用の周波数F1に変
換され、帯域フイルタ１７を介して電力増幅器１
８に加えられて、地域用のページヤ受信機の呼出
通信が行われる。

又プリアンブルワードBPWからデータの有無
情報又はデータ長情報が分離されて制御部１９に
加えられた時は、データ有り又は零でないデータ
長を示す場合は、局部発振器２０ｂからの周波数
cの局部発振信号が周波数変換器１６に加えられ
るようにスイツチ回路２１Ａが制御される。従つ
て、変調器１５により変調された変調波は、広域
用の周波数Fcに変換され、帯域フイルタ１７を
介して電力増幅器１８に加えられ、広域用のペー
ジヤ受信機の呼出通信が行われる。

又データ無し又は零のデータ長を示す情報の場
合は、制御部１９によりスイツチ回路２１Ａがオ
フ状態となるように制御される。従つて、周波数
変換器１６には、変調器１５の出力信号のみが入
力されるから、送信周波数に変換されないことに
なり、帯域フイルタ１７により阻止される。従つ
て、電力増幅器１８の入力は零となり、キヤリア
送出は行われないことになる。

データ長情報を用いた場合は、制御部１９は、
そのデータ長に従つた期間だけスイツチ回路２１
Ａをオン状態とすれば良いことになり、ダミーデ
ータ等の場合の送信を停止することができる。又
地域用と広域用との切替えの制御も、予めデータ
長が判ることから容易となる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明は、データの有無
又はデータ長を示す情報を制御信号として挿入し
たフレーム構成のデータを、回線１を介して送信
局２に転送し、データの有無又はデータ長を示す
情報を分離部３により分離して制御部４に加え、
分離した情報がデータ有りを示す場合は、変調送
信部５から電力増幅器６に変調波を入力し、デー
タ無しを示す場合は、変調送信部５から電力増幅
器６に変調波が入力されないように制御し、又分
離した情報がデータ長によりデータ有りを示す場
合は、前述の場合と同様に、データ長に従つた期
間のみ変調送信部５から電力増幅器６に変調波を
入力し、データ長が零でデータ無しを示す場合
は、前述の場合と同様に、変調送信部５から電力
増幅器６に変調波が入力されないように制御する
ものである。

それによつて、無用なキヤリアが送出されない
ようにして、送信局２に於ける消費電力を低減で
きると共に、電力増幅器６へ変調波を入力するか
否かを制御するものであるから、変調波の送信開
始の立上りを高速化することができる利点があ
る。即ち、無用なキヤリアの送出を停止し、デー
タ有りの場合のデータの送信を高速で開始できる
利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の原理ブロツク図、第２図は本
発明の一実施例のブロツク図、第３図は信号フオ
ーマツト説明図、第４図は本発明の他の実施例の
ブロツク図、第５図は本発明の他の実施例の信号
フオーマツト説明図である。 １は回線、２は送信局、３は分離部、４は制御
部、５は変調送信部、６は電力増幅器、７はアン
テナ、１１は回線、１２は分離部、１３は増幅
器、１４は低域フイルタ、１５は変調器、１６は
周波数変換器、１７は帯域フイルタ、１８は電力
増幅器、１９は制御部、２０，２０ａ，２０ｂは
局部発振器、２１，２１Ａはスイツチ回路であ
る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ フレーム構成のデータを回線１を介して送信
   局２に転送し、該送信局２の変調送信部５により
   変調し、電力増幅器６により増幅して送信する無
   線通信方式に於いて、 前記フレーム内にデータの有無又はデータ長を
   示す情報を挿入して転送し、 前記送信局２に、前記情報を分離する分離部３
   と、該分離部３によつて分離された前記情報を加
   える制御部４とを設け、 該制御部４にデータ無しを示す前記情報が加え
   られた時に、前記変調送信部５を制御して、前記
   電力増幅器６への入力を阻止する ことを特徴とする無線通信制御方式。