JPH05214547A - 無電解めっき方法 - Google Patents

無電解めっき方法

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JPH05214547A
JPH05214547A JP4208292A JP4208292A JPH05214547A JP H05214547 A JPH05214547 A JP H05214547A JP 4208292 A JP4208292 A JP 4208292A JP 4208292 A JP4208292 A JP 4208292A JP H05214547 A JPH05214547 A JP H05214547A
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compound
structural formula
alkyl group
carbon atoms
group
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JP4208292A
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Masao Tsuchiya
雅夫 土谷
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 均一な無電解めっきを施す為に有効な前処理
方法の提供を目的とする。 【構成】 予めポジ型フォトレジストを塗布した基体の
表面に無電解めっきを施す場合、該フォトレジスト表面
を特定の化合物例えばN−ポリオキシアルキルアルキル
アミドの溶液で前処理する。続いて、錫−パラジウム系
活性剤で処理し該フォトレジスト表面に触媒を吸着させ
る。しかる後、無電解めっき浴に浸漬し、該フォトレジ
スト表面に金属皮膜を析出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無電解めっき方法に関
し、例えば所定のパタンを有するポジ型フォトレジスト
膜が形成されている基体に対して無電解ニッケルメッキ
を施す方法に関する。より詳しくは、無電解めっき処理
に先立ち行なわれる前処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無電解めっき法は、陰極表面における金
属の電気化学的な還元反応に基く電解めっきと異なり、
溶液中に含まれている還元剤によって金属イオンを還元
する事により、被めっき体の表面に自己触媒的に金属も
しくは合金を析出させる方法である。
【0003】この無電解めっき法は適当な触媒を吸着さ
せる事により絶縁物の表面にも金属を析出させる事がで
き、様々な技術分野に適用されている。例えば、プリン
ト回路における回路パタンの形成やスルーホールめっ
き、ハードディスク用アルミニウム系基板上における非
磁性下地膜の形成、コンピュータ筐体の電磁波シールド
等に応用されている。
【0004】特に、光ディスクを製造する為の原盤(ス
タンパ)作製も、有力な適用分野の1つである。光ディ
スクの一般的な原盤作製工程においては、まず研磨した
ガラス板等からなる基板の上にフォトレジストを塗布
し、レーザ光の選択照射及び現像により信号ピットやガ
イド溝等の所定のパタンを有するフォトレジスト層を形
成する。続いて、導体化処理及び電鋳処理を経てメタル
マスタを作製する。このメタルマスタを直接射出成形機
にセットしスタンパとして使用する事ができる。無電解
めっき法は上述した導体化処理に適用されており、非導
電性のフォトレジスト層の表面に金属被膜を形成して導
電性を付与し、電鋳処理を可能としている。
【0005】無電解めっき法により析出され得る金属と
しては銀、銅及びニッケル等の幾つかの種類が知られて
いる。例えば、上述した光ディスクの原盤作製工程にお
ける導体化処理においては、ピンホール等の欠陥が少な
く硬度の大きな金属被膜が得られるニッケルが有効であ
る。
【0006】ところで、一般に非金属の表面に無電解め
っき法により金属被膜を形成するには、その前処理とし
て表面に金属の析出反応の開始点となる触媒を吸着させ
ておき、これを核として金属を析出させる方法が取られ
る。所謂活性化処理である。従って、触媒をいかに吸着
させるかという事が無電解めっきの前処理として最重要
事項となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】例えばニッケル等を析
出させる場合、上述した触媒としてはパラジウムのコロ
イドを吸着させるのが一般的である。近年、このパラジ
ウムの核を吸着させる為錫とパラジウムの両者を含む溶
液、所謂キャタリストと呼ばれる錫−パラジウム系活性
剤が使用されている。このキャタリスト中では、パラジ
ウムは錫イオンの保護コロイドに被覆された状態で存在
しており沈澱物を生じにくいという利点がある。
【0008】しかしながら、このキャタリストを用いれ
ばどの様な表面でも活性化できるという訳ではない。例
えば、ABS樹脂の射出成形品の場合、このままではパ
ラジウムのコロイドは吸着しにくいので、硫酸−クロム
酸混合液等でその表面を軽くエッチングする必要があ
る。このエッチング処理により非常に微細な凹凸が表面
に生じ触媒の吸着性が改善される。
【0009】又、前述した光ディスクの原盤作製工程に
おいても、ポジ型フォトレジスト層の表面に何の処理も
施さない場合には、例え前述した錫−パラジウム系活性
剤を施しても表面への触媒の吸着量が少なく、全面均一
な金属被膜を得る事は困難である。この為、上述した硫
酸−クロム酸混合液を用いたエッチング処理を施す事も
考えられる。しかしながら、ポジ型フォトレジストの耐
薬品性は一般にそれ程強くない為、容易に剥離したり溶
解して均一なエッチングは困難である。加えて、光ディ
スクの原盤作製に用いられるフォトレジストあるいは半
導体製造に用いられるフォトレジストは非常に微細なパ
タンを有しており、エッチング処理を施すとこの微細パ
タンが損傷する惧れがあり好ましくない。
【0010】従って、フォトレジスト表面に上述した損
傷等を与えずに触媒の吸着を容易にする為の前処理ある
いは表面改質処理が重要であり、本発明はその為に有効
な手段を提供する事を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は上述した目的
を達成する為に検討を行なった結果、ポジ型フォトレジ
ストの表面を特定の分子構造を有する化合物を含む溶液
で前処理する事により、ポジ型フォトレジストの表面に
も錫−パラジウム系活性剤による活性化を容易に行なう
事ができ、均一な無電解めっきが可能になる事を見い出
した。本発明にかかる無電解めっきの前処理方法はこの
知見に基いて提案されたものである。即ち、予め所定の
パタンが形成されたポジ型フォトレジストの表面を以下
に列挙する化合物の内の少なくとも1つを含む溶液中に
浸漬し、又はスプレー等の方法で塗布した後水洗する。
引き続き、塩酸を主成分とする錫−パラジウム系活性剤
又は食塩を主成分とする錫−パラジウム系活性剤で処理
し水洗する。さらに、所定の酸又はアルカリで当該表面
を処理し不要の錫分を除いた後、無電解めっき浴槽に前
述したフォトレジストの形成された基板を浸漬し、金属
被膜を均一に析出する事を特徴とするものである。
【0012】上述した前処理あるいは表面改質処理に適
した化合物は19種類程あり以下に列挙する。
【0013】(1)まず第1に次の化学式1で表わされ
る構造を有する化合物N−ポリオキシアルキルアルキル
アミドが挙げられる。但し、化学式1中Rは炭素数1以
上望ましくは8以上20以下のアルキル基、又は芳香族
基を有するアルキル基であり、nは1以上望ましくは2
〜5の数である。
【化20】 RCONH(CH2 CH2 O)n H ……………………(1)
【0014】(2)上記の化学式1中、エチレンオキサ
イドの代りにプロピレンオキサイド又はエチレンオキサ
イドとプロピレンオキサイドの共重合体を用いた次の化
学式2で表わされ化合物も有用である。
【化21】
【0015】(3)上記の化学式1又は化学式2におい
て、アルキルオキサイドに付随している水素をスルホン
基に置換した次の化学式3で表わされる化合物ポリオキ
シアルキルアルキルアミドサルフォネートを用いる事も
できる。
【化22】
【0016】(4)次の化学式4で表わされる構造を有
する化合物NNビスポリオキシアルキルアルキルアミド
を用いる事もできる。但し、Rは炭素数1以上望ましく
は8〜20のアルキル基もしくは芳香族基を含むアルキ
ル基であり、n及びmは1以上の数である。
【化23】
【0017】(5)上記の化学式4中、エチレンオキサ
イドの代りにプロピレンオキサイドもしくはエチレンオ
キサイドとプロピレンオキサイドの共重合体を用いた次
の化学式5で表わされる化合物を用いる事もできる。
【化24】
【0018】(6)次の化学式6で表わされる構造を有
する化合物NNビスポリオキシアルキルアルキルアミン
を用いる事ができる。但し、Rは炭素数1以上望ましく
は8〜20のアルキル基又は芳香族基を含むアルキル基
であり、n及びmは1以上の数である。
【化25】
【0019】(7)上述の化学式6中、エチレンオキサ
イドの代りにプロピレンオキサイド又はエチレンオキサ
イドとプロピレンオキサイドの共重合体を用いた次の化
学式7で表わされる化合物を用いる事ができる。
【化26】
【0020】(8)次の化学式8で表わされる構造を有
する化合物NNジアルキルアルキルアミドを用いる事が
できる。但し、R1 〜R3 は炭素数1以上のアルキル基
である。
【化27】 R1 CONR2 3 ………………………………………(8)
【0021】(9)次に示す化学式9で表わされる構造
を有する化合物アルキルピリジニウムハライドを用いる
事ができる。但し、Rは炭素数1以上のアルキル基であ
る。
【化28】
【0022】(10)次の化学式10で表わされる構造
を有する化合物トリアルキルポリオキシアルキルアミン
ハライドを用いる事ができる。但し、R1 〜R3 は炭素
数1以上のアルキル基であり、nは1以上の数であり、
Xはハロゲンである。
【化29】
【0023】(11)次の化学式11で表わされる構造
を有する化合物アミノアルキルシランを用いる事ができ
る。但し、Rは水素又はアミノ基を有するアルキル基で
あり、nは1以上の数である。
【化30】 RNH(CH2 n −Si(CH3 O)3 ……………………(11)
【0024】(12)次の化学式12で表わされる構造
を有する化合物を用いる事ができる。但し、化学式12
中Rは水素もしくはアミノ基を有するアルキル基であ
り、nは1もしくは2の数であり、mはnが1の時は2
又nが2の時は1となる数である。
【化31】 RNH(CH2 n Si(CH3 n (CH3 O)m ………(12)
【0025】(13)次の化学式13で表わされる構造
を有する化合物NNビスポリオキシアルキルNNジアル
キルアミンハライドを用いる事ができる。但し、化学式
13中、R1 及びR2 は炭素数1以上のアルキル基又は
芳香族基であり、Xはハロゲンであり、n及びmは1以
上の数である。
【化32】
【0026】(14)上記の化学式13中、エチレンオ
キサイドの代りにプロピレンオキサイド又はエチレンオ
キサイドとプロピレンオキサイドの共重合体を用いた次
の化学式14で表わされる化合物を用いる事もできる。
【化33】
【0027】(15)次の化学式15で表わされる構造
を有する化合物アルキルベンザルコニウムベタインを用
いる事ができる。但し、化学式15中Rは炭素数1以上
望ましくは8〜20のアルキル基又は芳香族基を含むア
ルキル基であり、n及びmは1以上の数である。
【化34】
【0028】(16)次の化学式16で表わされる構造
を有する化合物Nアルキルアルキルジアミンを用いる事
ができる。但し、化学式16中Rは炭素数1以上のアル
キル基又は芳香族基を含むアルキル基であり、nは1以
上の数である。
【化35】 RNH(CH2 n NH2 …………………………………(16)
【0029】(17)次の化学式17で表わされる構造
を有する化合物アルキルリン酸エステルを用いる事がで
きる。但し、Rは炭素数1以上望ましくは8〜20のア
ルキル基又は芳香族基を含むアルキル基である。
【化36】 RPO4 H ………………………………………………(17)
【0030】(18)次の化学式18で表わされる構造
を有する化合物アルコキシポリオキシアルキルリン酸エ
ステルを用いる事ができる。但し、Rは炭素数1以上望
ましくは8〜20のアルキル基又は芳香族基を含むアル
キル基であり、nは1以上の数である。
【化37】 RO(CH2 CH2 O)n PO3 2 ………………………(18)
【0031】(19)最後に、次の化学式19で表わさ
れる構造を有する化合物ビスアルコキシポリオキシアル
キルリン酸エステルを用いる事ができる。但し、Rは炭
素数1以上望ましくは8〜20のアルキル基又は芳香族
基を含むアルキル基であり、nは1以上の数である。
【化38】 {RO(CH2 CH2 O)}2 PO2 H ………………………(19)
【0032】本発明の理解を容易にする為に、無電解め
っき法を具体的に説明する。まず、ポジ型フォトレジス
トは常法に従ってガラス板又はシリコンウェハ上に塗布
された後、選択的に露光及び現像され、所定のパタンを
有するポジ型フォトレジスト層が形成される。このフォ
トレジスト被膜表面は、このままでは上述の様に錫−パ
ラジウム系の活性剤を吸着しにくいので、本発明では上
記に列挙した化合物をフォトレジスト表面に前処理とし
て吸着させる。この前処理は上記に列挙した化合物の1
種類を単独で使用しても良いし、あるいは数種類の化合
物を混合して使用しても良い。使用時には上記に列挙し
た化合物を0.001%〜2%程度含む水溶液を調整す
る。あるいは、一部の化合物を用いる場合、エチルアル
コール又はイソプロピルアルコール等の水と任意に混合
する有機溶剤を多くとも20%程度含む水溶液を調整す
る。この様に調整された水溶液中に被めっき物を浸漬す
る。あるいは、該水溶液をフォトレジスト表面に吹き付
ける様にしても良い。この処理に要する時間は濃度や温
度等に依存するので一定ではない。しかしながら、数秒
ないし数分で十分な効果が得られる様条件を設定する事
が実用的である。濃度が薄すぎる場合、多くの化合物で
は錫−パラジウム系活性剤の触媒を均一に吸着させるだ
けの表面改質効果が得られない。又、得られるとしても
非常に長時間を要し実用的ではない。又、濃度が高すぎ
る場合には、化合物によって沈澱やミセル化を起しやは
り実用的ではない。なお、エチルアルコールやイソプロ
ピルアルコールの添加は特定の化合物を水に溶解させる
為に用いられるものである。しかしながら、上述した濃
度範囲0.001%〜2%は本発明の技術的範囲を限定
するものではなく、浸漬時間、液温、化合物の種類等に
よりその範囲は広くもなり狭くもなるものである。上記
範囲は単に実用的な数値を例示したにすぎない。
【0033】先に列挙された化合物の溶液で前処理を施
されたフォトレジスト表面は水洗により過剰の化合物溶
液が除去された後、常法に従って錫−パラジウム系活性
剤による活性化処理を経た後、無電解めっき浴槽に浸漬
される。この結果、フォトレジスト表面に均一に無電解
めっきが施される。なお、ここで用いられた活性剤とし
ては、塩酸を主成分の1つとする錫−パラジウム系でも
良く、あるいは食塩を主成分の1つとする錫−パラジウ
ム系活性剤でも良く、特に限定されるものではない。な
お、活性化処理を施した後、一般に酸又はアルカリ等か
らなる促進剤又はアクセルレータを用いた後処理が行な
われ、不要の錫が除去される。この促進剤も特に限定さ
れるものではなく、市販品や、硫酸、塩酸、水酸化ナト
リウム等から適当に選択する事ができる。加えて、錫−
パラジウム系活性剤あるいはキャタリストに代えて、塩
化第1錫溶液と塩化パラジウム溶液を各々独立に用いて
活性化処理を行なっても良い。
【0034】
【作用】本発明において前処理用に用いられる先に列挙
した化合物は何れも表面改質処理に適した界面活性剤で
ある。これらの化合物は非導電性物質の表面に強く吸着
する性質を有している。従って、かかる界面活性剤は本
発明において被めっき体となる基体、即ち予め所定のパ
タンを有するポジ型フォトレジスト層が形成された基体
上にも良好に吸着する。この様に界面活性剤が吸着され
た基体の表面は、錫−パラジウム系活性剤に対する親和
性が高められた状態となり、錫イオンの保護コロイドに
被覆されたパラジウムを保持する事ができる様になる。
この事により、最終的に上記保護コロイドが酸もしくは
アルカリにより除去されても、パラジウムが安定に基体
上に保持され、適当な還元剤の存在下でこれを核とした
金属例えばニッケルの析出が可能となる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を実験結果に基
いて詳細に説明する。
【0036】(実施例1)本実施例は、本発明を光ディ
スク製造用のスタンパの作製に適用したものであり、ポ
ジ型フォトレジスト材料としてヘキスト社製、商品名A
Z−1350を使用した。このフォトレジスト材料はナ
フトキノンジアジド系であり、フェノール系樹脂と光分
解性化合物であるナフトキノンジアジドとを主成分とす
る。
【0037】まず、研磨した36cm径のディスク状ガラ
ス基板に、上記のポジ型フォトレジストAZ−1350
を塗布し乾燥した後、選択露光及び現像により所定のパ
タンを有するポジ型フォトレジスト層を形成した。
【0038】次に、前処理用の水溶液を調整した。本実
施例では、C1225CON(CH2CH2 O)H(C
2 CH2 O)H(但しn及びmは0ではなく合計が
5に等しい)を用い、1リットル当り1グラムの割合で
溶解した水溶液を作製した。この化合物は先に列挙した
化学式4で表わされる化合物を代表するものである。ポ
ジ型フォトレジストを塗布した基板を1分間室温でこの
水溶液に浸漬し得た後、流水洗浄を行なって過剰な界面
活性剤分子を除去した。この処理により、フォトレジス
ト表面は均一に上記化合物あるいは界面活性剤の分子が
吸着した状態になった。
【0039】次に、この基板を濃厚溶液状の錫−パラジ
ウム系活性剤(シプレー社製、商品名キャタリスト9
F)1部を濃塩酸1部と純水5部により希釈した混合液
中に室温で1分間浸漬し、流水洗浄を行なった。
【0040】さらに、上記錫イオンの保護コロイドを除
去してパラジウムのみをフォトレジスト表面に吸着させ
る為に、酸促進剤(シプレー社製、商品名アクセレレー
タ19)1部を純水5部で希釈した混合液中に室温で3
0秒浸漬し、流水洗浄を行なった。ここで、上記錫−パ
ラジウム系活性剤はポジ型フォトレジスト層に弾かれる
事なく、表面全体に渡って均一に付着し、続く酸促進剤
処理により均一にパラジウムが吸着した状態になった。
【0041】かかる基板を、無電解ニッケルめっき液
(シプレー社製、商品名ニポジット468)を満しため
っき浴槽中(浴温35〜40℃)に1分間浸漬した。こ
れにより、ポジ型フォトレジスト層の表面も含めて基板
表面には厚さ0.03〜0.3μmのニッケル被膜が均
一に析出した。このニッケル被膜はその後の電鋳工程に
おいても剥離する事はなかった。
【0042】(実施例2)ポジ型フォトレジスト材料と
して東京応化社製、商品名OFPR−800を使用した
他は、上述の実施例1と同様にサンプルを作製した。こ
の場合にも良好なニッケル被膜が得られた。
【0043】(実施例3)上述した実施例1において用
いられたシプレー社製のキャタリスト9Fとアクセレレ
ータ19の代りに奥野製薬工業(株)製の食塩タイプ錫
−パラジウム系活性剤を用いても同じ効果が得られた。
具体的には、キャタリスト9Fの代りに奥野製薬工業の
OPC−80キャタリストM50mlと食塩250gを水
で希釈し1リットルにした水溶液に基板を2分間浸漬し
水洗した。続いて、シプレー社製のアクセレレータ19
の代りに、奥野製薬工業のOPC555アクセレレータ
Mの水溶液に1分間浸漬した。この水溶液の濃度は純水
1リットル当りアクセレレータを100ml溶解したもの
である。水洗後、上述した無電解ニッケルめっき液ニポ
ジット468に40℃で1分間浸漬したところ均一なニ
ッケル被膜を得る事ができた。
【0044】(実施例4)前処理に用いられた化合物水
溶液の濃度を0.01g/リットルに下げ且つ浸漬時間
を10分間に延長した他、条件を実施例1と同一にして
サンプルを作製した。この場合にもフォトレジスト上に
均一なニッケル被膜を形成する事ができた。
【0045】(実施例5)次に、以下の表1の左欄に列
挙する前処理用化合物について、実施例1と同様の処理
を行ないサンプルを作製した。何れの化合物を用いた場
合にも、最終的にフォトレジスト層上には均一なニッケ
ル被膜が形成できた。なお表1中、左欄の具体的な化合
物が各々代表する先に列挙した化合物群に対応する構造
を化学式番号として右欄に表示しておく。代表した具体
的な化合物に限られず、先に列挙した化合物群に含まれ
る物質は全て有効な表面改質機能を備えている。なお、
この表1に具体的に挙げなかった化合物についても、先
に列挙した化学式1ないし19で表わされる構造を有す
るものは全て優れた表面改質機能を備えている事が実験
結果により明らかになった。
【表1】
【0046】(実施例6)以下の表2に示す化合物2点
について、それぞれ1gをイソプロピルアルコール20
gに溶かした後純水1リットルに加えた水溶液を用いて
実施例1と同様の処理を行なったところ、フォトレジス
ト層の上に均一なニッケル被膜が得られた。
【表2】
【0047】(比較例)いかなる界面活性剤も使用せず
に、上述の実施例1と同様の実験を行なったが、ガラス
基板の露出部にはニッケル被膜が形成されたものの、ポ
ジ型フォトレジスト層の表面には全くニッケル被膜が形
成されなかった。さらに、錫−パラジウム系活性剤(シ
プレー社製、商品名キャタリスト9F)の濃度を実施例
の2倍及び3倍とした場合、濃塩酸の濃度を実施例1の
2倍とした場合、及び無電解ニッケルめっき液(シプレ
ー社製、商品名ニポジット468)の濃度を実施例1の
2倍とした場合についてそれぞれ同様の実験を行なった
が、何れの場合にもポジ型フォトレジスト層の表面には
ニッケル被膜が全く形成されなかった。従って、上述の
様なポジ型フォトレジスト層を有する基板の表面に均一
な無電解ニッケルめっきを行なう為には、界面活性剤に
よる予備処理が必須である事が明らかである。
【0048】なお、以上の各実施例及び比較例において
は、光ディスク製造用のスタンパの作製を前提とした説
明を行なったが、本発明はこれに限定されるものではな
く、ポジ型フォトレジスト層上に無電解めっきを施す方
法として広く適用され得るものである。金属被覆もニッ
ケルに限られるものではなく他にも適用可能である。
【0049】
【発明の効果】以上の説明からも明らかな様に、本発明
の無電解めっき方法を適用すれば、予め所定のパタンに
形成されたポジ型フォトレジスト層を有する基板上に均
一な無電解めっきを施す事ができる。しかも、本発明は
安価な設備にて生産性良く、高い信頼性をもって実施す
る事が可能である。本発明を例えば光ディスク製造用の
スタンパの作製に適用すれば、信号ピット等の微細なパ
タンを忠実に反映した信頼性の高いスタンパを経済的に
作製する事ができるという効果がある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予めポジ型フォトレジストを塗布した基
    体の表面に無電解めっきを施す方法であって、該フォト
    レジスト表面を以下に示す構造式を有する化合物の内か
    ら選ばれた1つ又は複数の化合物の溶液で前処理した
    後、錫−パラジウム系活性剤で処理し該フォトレジスト
    表面に触媒を吸着させ、しかる後無電解めっき浴に浸漬
    し、該フォトレジスト表面に金属被膜を析出させる事を
    特徴とする無電解めっき方法。(1) 【化1】RCONH(CH2 CH2 O)n H の構造式を有する化合物。但しRは炭素数1以上望まし
    くは8以上20以下のアルキル基、又は芳香族基を有す
    るアルキル基であり、nは1以上望ましくは2〜5の数
    である。 (2)上記(1)の構造式中エチレンオキサイドの代り
    にプロピレンオキサイド又はエチレンオキサイドとプロ
    ピレンオキサイドの共重合体を用いた次の構造式を有す
    る化合物。 【化2】 (3)上記(1)又は(2)の構造式中アルキルオキサ
    イドに付随している水素をスルフォン基に置換した次の
    構造式を有する化合物。 【化3】 (4) 【化4】 の構造式を有する化合物。但しRは炭素数1以上望まし
    くは8〜20のアルキル基もしくは芳香族基を含むアル
    キル基であり、n及びmは1以上の数である。 (5)上記(4)の構造式中エチレンオキサイドの代り
    にプロピレンオキサイドもしくはエチレンオキサイドと
    プロピレンオキサイドの共重合体を用いた次の構造式を
    有する化合物。 【化5】 (6) 【化6】 の構造式を有する化合物。但しRは炭素数1以上望まし
    くは8〜20のアルキル基又は芳香族基を含むアルキル
    基であり、n及びmは1以上の数である。 (7)上記(6)の構造式中エチレンオキサイドの代り
    にプロピレンオキサイド又はエチレンオキサイドとプロ
    ピレンオキサイドの共重合体を用いた次の構造式を有す
    る化合物。 【化7】 (8) 【化8】R1 CONR2 3 の構造式を有する化合物。但しR1 〜R3 は炭素数1以
    上のアルキル基である。 (9)ピリジニウムハライドの構造式を有する化合物。 【化9】 但し、Rは炭素数1以上のアルキル基である。 (10) 【化10】 なる構造式を有する化合物。但しR1 〜R3 は炭素数1
    以上のアルキル基であり、nは1以上の数であり、Xは
    ハロゲンである。 (11) 【化11】R1 NH(CH2 n −Si(R2 O)3 なる構造式を有する化合物。但しR1 は水素又はアミノ
    基を有するアルキル基であり、R2 は炭素数1以上望ま
    しくは1又は2のアルキル基であり、nは1以上の数で
    ある。 (12) 【化12】 RNH(CH2 n Si(CH3 n (CH3 O)m なる構造式を有する化合物。但しRは水素もしくはアミ
    ノ基を有するアルキル基であり、nは1もしくは2の数
    であり、mはnが1の時は2又nが2の時は1となる数
    である。 (13) 【化13】 なる構造式を有する化合物。但しR1 及びR2 は炭素数
    1以上のアルキル基又は芳香族基であり、Xはハロゲン
    であり、n及びmは1以上の数である。 (14)上記(13)の構造式中エチレンオキサイドの
    代りにプロピレンオキサイド又はエチレンオキサイドと
    プロピレンオキサイドの共重合体を用いた次の構造式を
    有する化合物。 【化14】 (15)ベンザルコニウムベタインの構造式を有する化
    合物。 【化15】 但しRは炭素数1以上望ましくは8〜20のアルキル基
    又は芳香族基を含むアルキル基であり、n及びmは1以
    上の数である。 (16) 【化16】RNH(CH2 n NH2 の構造式を有する化合物。但しRは炭素数1以上のアル
    キル基又は芳香族基を含むアルキル基であり、nは1以
    上の数である。 (17) 【化17】RPO4 H の構造式を有する化合物。但しRは炭素数1以上望まし
    くは8〜20のアルキル基又は芳香族基を含むアルキル
    基である。 (18) 【化18】RO(CH2 CH2 O)n PO3 2 の構造式を有する化合物。但しRは炭素数1以上望まし
    くは8〜20のアルキル基又は芳香族基を含むアルキル
    基であり、nは1以上の数である。 (19) 【化19】{RO(CH2 CH2 O)}2 PO2 H の構造式を有する化合物。但しRは炭素数1以上望まし
    くは8〜20のアルキル基又は芳香族基を含むアルキル
    基であり、nは1以上の数である。
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