JPH05214480A - ブレーキ部品 - Google Patents

ブレーキ部品

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JPH05214480A
JPH05214480A JP4798492A JP4798492A JPH05214480A JP H05214480 A JPH05214480 A JP H05214480A JP 4798492 A JP4798492 A JP 4798492A JP 4798492 A JP4798492 A JP 4798492A JP H05214480 A JPH05214480 A JP H05214480A
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JP
Japan
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hub mounting
value
regulated
hub
mounting hole
Prior art date
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Pending
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JP4798492A
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English (en)
Inventor
Fumio Obata
文雄 小幡
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ブレーキ部品の摺動部付近は『鳴き』を防止
するに充分な材質となし、しかもボルトによる組み立て
部は高周波焼入れにより使用中に塑性変形や損耗するこ
とのない材質としたブレーキ部品を提供する。 【構成】 摺動部とハブ取付け部を有し、単一溶湯によ
る鋳造製一体構造のブレーキ部品であって、化学成分が
鉄と不可避的不純物と重量%で,C : 3.5 〜
3.90 %,Si : 2.3 〜3.0 %,Mn
: 0.7 〜1.1 %,P : <
0.05 %,S : 0.08〜0.12 %,Cu
: 0.7 〜1.2 %で,CE値が 4.3
〜4.7であり,引張強さは 15 〜20k
gf/mm2 ,減衰能は 12 〜20×10
-3 で,ハブ取付け孔内面には硬さHRB90〜105
になるよう高周波焼入れを施すブレーキ部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用のブレーキ部
品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブレーキ部品としてはドラム型およびロ
ータ型の2種類が一般に用いられている。図1、図2に
示すようにドラム1およびロータ2はいずれもボルト3
によってハブ4に固着して使用されるもので、ハブ4は
強度と靱性が要求されるためFCD50程度の球状黒鉛鋳
鉄が用いられ、ドラム1及びロータ2は減衰能、固有振
動数などいわゆるブレーキ性能の優れたFC20程度の片
状黒鉛鋳鉄が用いられている。このように、球状黒鉛鋳
鉄製のハブ4と片状黒鉛鋳鉄製のドラム1あるいはロー
タ2をそれぞれ機械加工してボルト3により同心に組み
立て使用するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが近年、ブレー
キ性能のさらに優れたドラムおよびロータの要求が高ま
り、特に制動時に発する、いわゆるブレーキの『鳴き』
現象の防止が強く望まれているところである。この『鳴
き』の発生の確率と、部材を構成する材料の減衰能特性
の間には密接な関係がある。すなわち、部材より切り出
したテストピースのQ-1値が12×10-3以上で『鳴
き』の発生が大幅に減少し、16×10-3以上で完全に
防止することができる。次にQ-1値と、材料の化学組成
の一つである炭素当量〔CE値=C(%)+1/3Si
(%)〕の間にも直線関係が存在する。すなわち、図3
はA形片状黒鉛組織の鋳鉄材のCE値と減衰能の関係を
しめしたものであるが、材料の炭素当量が、4.3以上
でほぼQ-1値の16×10-3以上を満足する。
【0004】なお、鋳鉄材の減衰特性を支配する大きな
要素は黒鉛の形状と量である。形状においてはA形片
状黒鉛が最も減衰能を向上させ、量においては黒鉛の組
織中に占める面積率が約15%以上でQ-1値>16×1
-3を満足するようになる。この黒鉛面積率>15%は
CE値を共晶点以上にすることによってほぼ満足される
ため、本発明では、工業的に制御し易いCE値をもって
表示することとした。ここで問題となるのは、上記のよ
うに炭素当量が4.3以上、すなわち過共晶成分の片状
黒鉛鋳鉄は硬度が低く、このため図1および図2で示し
たハブ1とボルト3による組み立て部が塑性変形および
損耗して使用に耐えなくなることである。そこでハブ取
付け孔の内面に硬さHRB90〜105の高周波焼入れ
を施すことにより強度を向上させたものである。
【0005】本発明は上述せる問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、ブレーキ部品の
摺動部付近は『鳴き』を防止するに充分な材質となし、
しかもボルトによる組み立て部は高周波焼入れにより使
用中に塑性変形や損耗することのない材質としたブレー
キ部品を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のブレーキ部品
は、摺動部とハブ取付け部を有し、単一溶湯による鋳造
製一体構造のブレーキ部品であって、化学成分が鉄と不
可避的不純物と重量%で C : 3.5 〜3.90 % Si : 2.3 〜3.0 % Mn : 0.7 〜1.1 % P : <0.05 % S : 0.08〜0.012% Cu : 0.7 〜1.2 %で CE値が 4.3 〜4.7であり 引張強さは 15 〜20kgf/mm2 減衰能は 12 〜20×10-3 で ハブ取付け孔内面には硬さHRB90〜105になるよ
う高周波焼入れを施すことを特徴とするものである。
【0007】
【実施例1】以下本発明の実施例を図面に基づいてさら
に詳細に説明する。 1.化学成分およびCE値 鉄と不可避的不純物と
【表1】の成分とからなる溶湯を溶製した。
【表1】
wt% 2.溶湯処理注湯直前にCa−SiをSi当量で0.3%
接種した。 上記溶湯を図4に示す生型鋳型に鋳湯しブレーキロータ
を複数個製作した。5はハブ取付け部であり、鋳造肉厚
は15mmとした。なお製品となった場合、図における
上面はボルト締め付け面になり、下面はハブ接触面とな
る。6は摺動部であり鋳造肉厚は24mmとした。
【0010】3.加工および試料採取 摺動部およびハブ取付け部の上下面とハブ取付け孔を切
削加工し、ハブ取付け孔に高周波焼入れを行ない摺動部
から減衰能測定試片、引張試片、および組織試片を切り
出し、ハブ取付け孔9から硬さ試片を採取した。
【0011】4.結果 摺動部の黒鉛形状は図5に示すように良好なA型黒鉛で
あり、引張強さは18.5kgf/mm2、減衰能は1
7.5×10-3であり、ハブ取付孔の硬さ(HRB)は9
8であった。
【0012】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
ブレーキ部品は摺動部では『鳴き』現象を起こさない高
減衰能を有するA型片状黒鉛組織で良好なブレーキ特性
を備え、ハブ取付け孔は耐摩耗性と高強度を有するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドラムの断面図
【図2】ロータの断面図
【図3】減衰能とCE値の関係
【図4】鋳型の断面図
【図5】鋳型の断面図
【図6】摺動部の顕微鏡組織写真(×100)
【符号の説明】
1 ドラム 2 ロータ 3 ボルト 4 ハブ 5.7 ハブ取付け部 6.8 摺動部 9 ハブ取付け孔
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ブレーキ部品
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用のブレーキ部
品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブレーキ部品としてはドラム型およびロ
ータ型の2種類が一般に用いられている。図1、図2に
示すようにドラム1およびロータ2はいずれもボルト3
によってハブ4に固着して使用されるもので、ハブ4は
強度と靱性が要求されるためFCD50程度の球状黒鉛鋳
鉄が用いられ、ドラム1及びロータ2は減衰能、固有振
動数などいわゆるブレーキ性能の優れたFC20程度の片
状黒鉛鋳鉄が用いられている。このように、球状黒鉛鋳
鉄製のハブ4と片状黒鉛鋳鉄製のドラム1あるいはロー
タ2をそれぞれ機械加工してボルト3により同心に組み
立て使用するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが近年、ブレー
キ性能のさらに優れたドラムおよびロータの要求が高ま
り、特に制動時に発する、いわゆるブレーキの『鳴き』
現象の防止が強く望まれているところである。この『鳴
き』の発生の確率と、部材を構成する材料の減衰能特性
の間には密接な関係がある。すなわち、部材より切り出
したテストピースのQ-1 値が12×10-3 以上で『鳴
き』の発生が大幅に減少し、16×10-3以上で完全に
防止することができる。次にQ-1 値と、材料の化学組
成の一つである炭素当量〔CE値=C(%)+1/3Si
(%)〕の間にも直線関係が存在する。すなわち、図3は
A形片状黒鉛組織の鋳鉄材のCE値と減衰能の関係をし
めしたものであるが、材料の炭素当量が、4.3以上で
ほぼQ-1 値の16×10-3 以上を満足する。
【0004】なお、鋳鉄材の減衰特性を支配する大きな
要素は黒鉛の形状と量である。形状においてはA形片状
黒鉛が最も減衰能を向上させ、量においては黒鉛の組織
中に占める面積率が約15%以上でQ-1 値>16×1
-3 を満足するようになる。この黒鉛面積率>15%
はCE値を共晶点以上にすることによってほぼ満足され
るため、本発明では、工業的に制御し易いCE値をもっ
て表示することとした。ここで問題となるのは、上記の
ように炭素当量が4.3以上、すなわち過共晶成分の片
状黒鉛鋳鉄は硬度が低く、このため図1および図2で示
したハブ1とボルト3による組み立て部が塑性変形およ
び損耗して使用に耐えなくなることである。そこでハブ
取付け孔の内面に硬さHRB90〜105の高周波焼入
れを施すことにより強度を向上させたものである。
【0005】本発明は上述せる問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、ブレーキ部品の
摺動部付近は『鳴き』を防止するに充分な材質となし、
しかもボルトによる組み立て部は高周波焼入れにより使
用中に塑性変形や損耗することのない材質としたブレー
キ部品を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のブレーキ部品
は、摺動部とハブ取付け部を有し、単一溶湯による鋳造
製一体構造のブレーキ部品であって、化学成分が鉄と不
可避的不純物と重量%で C : 3.5 〜3.90 % Si : 2.3 〜3.0 % Mn : 0.7 〜1.1 % P : <0.05 % S : 0.08〜0.12 % Cu : 0.7 〜1.2 %で CE値が 4.3 〜4.7であり 引張強さは 15 〜20kgf/mm2 減衰能は 12 〜20×10-3 で ハブ取付け孔内面には硬さHRB90〜105になるよ
う高周波焼入れを施すことを特徴とするものである。
【0007】
【実施例1】以下本発明の実施例を図面に基づいてさら
に詳細に説明する。 1.化学成分およびCE値 鉄と不可避的不純物と
【表1】の成分とからなる溶湯を溶製した。
【表1】
wt% C Si Mn P S Cu CE値 3.71 2.69 0.99 0.024 0.098 1.00 4.61 2.溶湯処理注湯直前にCa−SiをSi当量で0.3%
接種した。 上記溶湯を図4に示す生型鋳型に鋳湯しブレーキロータ
を複数個製作した。5はハブ取付け部であり、鋳造肉厚
は15mmとした。なお製品となった場合、図における
上面はボルト締め付け面になり、下面はハブ接触面とな
る。6は摺動部であり鋳造肉厚は24mmとした。
【0008】3.加工および試料採取 摺動部およびハブ取付け部の上下面とハブ取付け孔を切
削加工し、ハブ取付け孔に高周波焼入れを行ない摺動部
から減衰能測定試片、引張試片、および組織試片を切り
出し、ハブ取付け孔9から硬さ試片を採取した。
【0009】4.結果 摺動部の黒鉛形状は図5に示すように良好なA型黒鉛で
あり、引張強さは18.5kgf/mm2 、減衰能は1
7.5×10-3 であり、ハブ取付孔の 硬さ(HR
B)は98であった。
【0010】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
ブレーキ部品は摺動部では『鳴き』現象を起こさない高
減衰能を有するA型片状黒鉛組織で良好なブレーキ特性
を備え、ハブ取付け孔は耐摩耗性と高強度を有するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドラムの断面図
【図2】ロータの断面図
【図3】減衰能とCE値の関係
【図4】鋳型の断面図
【図5】鋳型の断面図
【図6】摺動部の顕微鏡組織写真(×100)
【符号の説明】 1 ドラム 2 ロータ 3 ボルト 4 ハブ 5.7 ハブ取付け部 6.8 摺動部 9 ハブ取付け孔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】摺動部とハブ取付け部を有し、単一溶湯に
    よる鋳造製一体構造のブレーキ部品であって、化学成分
    が鉄と不可避的不純物と重量%で C : 3.5 〜3.90 % Si : 2.3 〜3.0 % Mn : 0.7 〜1.1 % P : <0.05 % S : 0.08〜0.012% Cu : 0.7 〜1.2 %で CE値が 4.3 〜4.7であり 引張強さは 15 〜20kgf/mm2 減衰能は 12 〜20×10-3 で ハブ取付け孔内面には硬さHRB90〜105になるよ
    う高周波焼入れを施すことを特徴とするブレーキ部品。
JP4798492A 1992-02-04 1992-02-04 ブレーキ部品 Pending JPH05214480A (ja)

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JP4798492A JPH05214480A (ja) 1992-02-04 1992-02-04 ブレーキ部品

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013122248A1 (ja) 2012-02-17 2013-08-22 本田技研工業株式会社 鋳鉄およびブレーキ部品

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013122248A1 (ja) 2012-02-17 2013-08-22 本田技研工業株式会社 鋳鉄およびブレーキ部品
EP2816127A4 (en) * 2012-02-17 2015-11-11 Honda Motor Co Ltd CAST IRON AND BRAKE PART

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