JPH05212606A - 工作機械の作業スピンドルに直接に収容するための回転加工工具用の標準シャフト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 工作機械の作業スピンドルに直接に収容する
ための回転加工工具用の標準シャフトにおいて、締めつ
けるべき加工工具を簡単に釈放可能に収容でき、小型、
大保持力で、高い真円精度で保持するように改良する。 【構成】 標準シャフト１は収容孔２４の前方軸方向に
薄肉の締付けブッシュ１５を有する。締付けブッシュ１
５に形状記憶合金製の縮みカラー１８を嵌め込む。この
形状記憶合金はそのオーステナイト終点温度が運転温度
以下であるように選択される。縮みカラー１８の締付け
ブッシュ１５の側の内側面１９の内径は、オーステナイ
ト組織のとき締付けブッシュ１５の外径Ｄに比べて明白
な過小寸法に、過冷却によってマルテンサイト組織状態
に遷移したとき締付けブッシュ１５に比べて僅かに過大
寸法を有する如く定める。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、搬送ラインで工業的に
量産切削加工する分野で公知のような特許請求の範囲請
求項１の上位概念部分に記載の回転加工工具に対する円
筒状の標準シャフトに関する。

【０００２】

【従来の技術】かかる用途の場合、装着すべき多数の作
業スピンドルは、高価なチャックおよび締付け精度と真
円精度の犠牲を避けるために、加工工具を直接収容する
ための一様な収容開口を有利に備えている。加工工具の
寿命を長くするために真円精度が高いことは重要なこと
である。しかし大きさが異なった加工工具を標準化した
収容開口にはめ込めるようにするために、各加工工具の
工具シャフトにはそれぞれアダプタとして使用する標準
シャフトを設けねばならない。その相対的な結合は勿
論、できるだけ高い真円精度、大きな締付け力および小
さな構造容積で実現しなければならない。

【０００３】一般の標準シャフトの場合、加工工具は標
準シャフトの収容孔に嵌め込みろう付けするか接着しな
ければならなず、これらのろう付けも接着も、標準シャ
フトを再利用できるように再び釈放することはできな
い。あるいは加工工具は標準シャフトの過小寸法に仕上
げられた収容孔の中に非常にきつい圧力嵌めによって圧
入されるか、あるいは標準シャフトの収容孔が加熱およ
びそれに続く冷却によって加工工具のシャフトに縮み結
合される。従って加工工具は標準シャフトからもはや無
傷で取り出すことはできない。

【０００４】上述の加工工具の収容方式は、加工工具の
作業面がその標準シャフトへの嵌め込みおよび固定後に
はじめて工具全体を収容する際に研磨機械において標準
シャフトの嵌め込みシリンダに研磨加工されるとき、非
常に場所が節約され十分な真円精度が得られる。しかし
これらすべての場合、完全に摩耗した後あるいは加工工
具が破損した後、標準シャフトも解体しなければならな
い。更にろう付けは所定の工具材料即ち硬質金属の場合
しかできず、この場合も材料組織の或る害を甘受した状
態でしか実現できない。

【０００５】加工工具を標準シャフトにコレットによっ
て締付け固定することも考えられるが、これは次の理由
により実用的ではない。即ち、過小の真円精度しか再生
できず、加工工具を標準シャフト内に確実に固定するこ
とができず、また十分な安定性においては特に半径方向
に関して大きな構造容積によってしか実現できない。

【０００６】これと同じ理由は、液圧で荷重される金属
カラー（スリーブ）によって標準シャフト内に加工工具
を締めつける方式にも原理的には当てはまる（例えばド
イツ特許出願公開第３９０９６３０号公報又はドイツ特
許第２６３９３２０号公報参照）。この場合、構造容積
が大きいという欠点および加工工具が限界内で浮遊保持
されるという欠点があり、更に加工工具の全寿命中にわ
たって液圧式締付け力を一様に高く維持することには非
常に問題があり、納得して実用できない。

【０００７】工作機械の作業スピンドルに標準シャフト
を締付け固定するために設けられているようないわゆる
「ホィッスル ノッチ（whistle notch)」によって、標
準シャフトに加工工具を締付け固定することも考えられ
る。かかる「ホィッスル ノッチ」はシャフト円周にお
ける約２°の角度で内側に向けて傾斜されている傾斜面
によって形成されており、この傾斜面にはこれに対して
直角に作業スピンドルの壁に配置されている止めねじが
作用する。しかしこの結合方式は大きなシャフト直径に
対してしか役に立たず、これはスピンドル側の締付け固
定に対して、高い真円精度（ここではやっと是認でき
る）についての要求と一般の工具による締付け固定の迅
速且つ簡単な釈放性（ここでは与えられる）との間の避
けられない妥協を図る。同じ工具締付け固定における
「ホィッスル ノッチ」結合の再利用は避けられない真
円誤差を許容できないほど大きくしてしまい、更に加工
工具と標準シャフトとの間の結合は単純な工具では釈放
できない。この理由から加工工具と標準シャフトとの間
にいわゆる「ホィッスル ノッチ」結合を利用すること
は考えられない。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、冒頭
に述べた形式の標準シャフトを、これが締めつけるべき
加工工具を簡単に釈放可能に収容でき、これにより標準
シャフトが簡単に数回繰り返して使用でき、同時に締付
け装置の小さな構造容積において加工工具が大きな保持
力で再生可能な高い真円精度で固定して保持されるよう
に改良することにある。更に新規の工具締付け方式によ
って工具の寿命が決して害されず、良好に影響されるよ
うにしようとするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明によればこの目的
は、請求の範囲第１項の特徴事項によって達成される。
本発明の場合加工工具の標準シャフトからの釈放可能性
は、一般的な形状では多くの理由から工具の締付け固定
に対して不十分なそれ自体公知のコレット原理を利用す
ることによって実現されている。本発明の場合にそれに
も拘わらず小さな半径方向構造容積において達成可能な
高い締付け力および再生可能な高い締付け精度は、驚く
べきことに形状記憶合金製の縮みカラー（収縮スリー
ブ）を利用することから生ずる。締付けブッシュの全内
側面にわたって一様に作用する大きな締付け圧により、
その内側面の精度は工具締付け固定する際に十分に作用
する。縮みカラーの材料組織を加熱によってマルテンサ
イト（過冷却状態）からオーステナイト（室温状態）に
遷移する場合、縮みカラーはその合金の形状記憶性能に
基づいて直径が縮まり、その場合縮みカラーは締付けブ
ッシュの外側に大きな力を与える。高い真円精度によっ
て残留アンバランスおよび工具のアンバランス振動励起
は極めて小さく、これは加工精度および工具寿命に良好
に作用する。本発明に基づく工具締付け固定は更に驚く
べき振動減衰作用を生じ、これは同様に加工精度および
工具寿命を改善する。振動減衰作用は一方では互いに同
心的な円筒状の２つのはめ合い面により締付けヒステリ
シス特性に基づいて実現され、他方では縮みカラーの形
状記憶材料の良好な減衰特性に基づいて実現される。

【００１０】本発明を大企業の大量切削加工に幅広く利
用する場合、次のような一連の利点が得られる。 − 標準シャフトは、その中に収容された加工工具が破
損した場合あるいは再々の研磨で完全に利用し尽くされ
たとき、簡単に再利用できる。 − 標準シャフトは加工工具の単一価格に比べて約２倍
ほど高価であり、これが再利用できるので、標準シャフ
トが多数量産される場合、大きなコストダウンが図れ
る。 − 加工工具はこれが釈放できるにも拘わらず、再生可
能な高い真円精度で大きな保持力で標準シャフトの中に
締めつけでき、その中に固定できる。 − 一般のすべての切削工具の材料組織が全く変化せず
大きな熱膨張も生じない（低い）温度で工具が締付け固
定されるので、本発明に基づく標準シャフトによれば、
考えられるすべての材料特に非常に高価な高速切削鋼あ
るいは特に耐摩耗性の切削セラミックスから成る工具を
締付け固定できる。 − 一般的な交換切削工具に比べて標準シャフトは、極
めて高い保持力、繰り返して締付け固定された後でも再
生できる極めて高い真円精度（＜１５μｍ）、および特
に半径方向に関して極めて小さな構造容積（これはワー
クの狭い環境の中での加工にとって価値がある）にする
ことができる。 − 形状記憶合金製の縮みカラーは半径方向振動に対し
て大きな減衰作用を有する。 − これに無関係に更に、互いに同心的に位置する２つ
の接合面によって締付けヒステリシス特性に基づいて減
衰作用が生ずる。 − 工具の半径方向振動に対する工具締付け装置の大き
な減衰作用に基づいて、減衰作用が小さな公知の工具締
付け装置よりも工具の寿命を長くできる。 − 加工工具と標準シャフトとの間の締付け結合は非常
に簡単に釈放でき（乾燥雪（ＣＯ2 ）の中に置くか液体
窒素の中に漬けることによる過冷却）、しかもこの締付
け結合は搬送ラインの作業員によって現場の一般的な道
具で釈放できず、また誤っても釈放されず、長期間にわ
たって確実に工具が締付け固定される。 − 標準化され従って安価にされ短期間で補充でき既に
仕上げ研磨された状態にある加工工具は、工具の顧客な
いし使用者によって標準シャフトの中に収容でき固定で
きるので、使用者において高価な特別な工具を経費をか
けて長時間にわたって保管する必要はない。 − 標準シャフトは（これが孔を開けられて中空にされ
ているとき）、加工工具の締付け部を通して冷却剤およ
び潤滑剤を確実に損失なしに導くことを可能にする。

【００１１】なお例えばドイツ特許出願公開第３００７
３０７号公報において、形状記憶合金製の縮みカラーを
利用した可逆的に釈放可能な縮み結合方式は知られてい
るが、これは互いに突き当てられた円筒状の部品特に管
を結合することを問題としている。これらの管はそれら
の端部の上に直接被せられ接合部を覆っている縮みカラ
ーによって結合されている。この分野で働く専門家にと
っては工具締付けに対する高い精度要求に直面して、鉄
筋構造の分野で公知の縮み結合方式が、それに対しては
必要な締付け精度をもたらさないコレットに利用する場
合、満足すべきすべての要求について完全に満足するこ
とは予見できなかった。課せられた課題のもとで不適当
と見なされた形状記憶合金製の縮みカラーを変更して利
用して全く異なった分野に移転することは、元来専門的
に見て普通ではなく問題があると見なさざるを得なかっ
た。

【００１２】本発明の目的に適った実施態様は特許請求
の範囲の各請求項に記載されている。請求項６における
締付けブッシュの長手スリットの長さ制限によって、工
具シャフトの締付け部は冷却剤ないし潤滑剤の損失ない
し早期の流出に対して有効に密封する。

【００１３】以下図に示した実施例を参照して本発明を
詳細に説明する。

【００１４】

【実施例】図１には例えば搬送ラインの量産切削加工に
おける概略的に図示した工作機械５の作業スピンドル４
の工具側端が示されている。作業スピンドル４はその前
端に搬送ラインの同じ大きさのすべての作業スピンドル
に対して共通の即ち標準化された収容開口３を有してい
る。この収容開口３は形状および真円精度について精確
に作られている。希望する作業運転に応じて種々の加工
工具が作業スピンドル４の中に直接、即ち変更可能なチ
ャックを介さずに収容される。従って加工工具はすべ
て、標準化した収容開口３に適合されアダプタとして使
用する円筒状の標準シャフト１を有していなければなら
ない。この標準シャフト１はその都度の加工工具に円筒
状圧入結合部１０によって永続的に固定される。標準シ
ャフト１の外周面には、作業スピンドル４における円筒
状の収容開口３に対してほんの僅かに小さな精確な寸法
を有する嵌め合わせシリンダ１４が切削加工されてい
る。加工精度上および工具の寿命上の理由から、標準シ
ャフト１の嵌め合わせシリンダ１４に対して加工工具２
の作業面１３の真円精度をできるだけ高くしなければな
らない。この高い真円精度はアンバランスを避けるため
にも重要であり、そうでない場合には、しばしば非常に
高いスピンドル回転数において、工具に動的ラジアル変
形を生じさせ、これは更に（追加的に）加工精度および
工具の寿命に悪い影響を与える。標準シャフト１と加工
工具２との間に円筒状圧入結合部１０を形成するため
に、標準シャフト側に標準シャフト１と一体結合される
半径方向に柔軟な締付けブッシュ１５が設けられてい
る。この締付けブッシュ１５は内側に所定の直径をした
収容開口２０を備えている。締付けブッシュ１５はこれ
を半径方向に固定するために形状記憶合金製の縮みカラ
ー１８で取り囲まれている。この縮みカラー１８は温度
変化によって材料組織および従って幾分寸法が可逆的に
変化し、それに応じて大きな半径方向力が可逆的に与え
られる。工具側には円筒状の工具シャフト１２が設けら
れている。

【００１５】図示した実施例の場合、作業スピンドル４
の収容開口３内への標準シャフト１の固定はいわゆるホ
ィッスル・ノッチ（Whistle Notch)結合によって行われ
る。かかるホィッスル・ノッチは、標準シャフト外周面
における傾斜面６によって形成されている。この傾斜面
６は約２°の角度で内側に向かって傾斜され、この傾斜
面６にはこれに対して直角に作業スピンドル４の壁に配
置されている止めねじ７が作用する。この結合方式は大
きなシャフト直径に対して信頼されているが、これは標
準シャフトのスピンドル側における固定に対しては、一
方では（ここではやっと容認できる）高い真円精度につ
いての条件と、他方では（ここで与えられる）一般的な
工具による迅速で簡単な釈放可能性との間の避けられな
い妥協を図る。

【００１６】加工工具と反対側において作業スピンドル
４の収容開口３の底に向いている標準シャフト１の端面
に調整ねじ８が配置されている。この調整ねじ８は収容
開口３の中への標準シャフト１の差し込み深さを調整す
るために使用され、標準シャフト１にきつく しか
ねじ込めない。後述する収容孔２４の底にも同じように
して標準シャフト１に堅いピッチでしかねじ込めない調
整ねじ１１が設けられている。この調整ねじ１１によっ
て、収容孔２４への加工工具２の差し込み深さＴが（上
述の深さ調整に無関係に）調整できる。図示した実施例
の場合、調整ねじ８，１１は冷却剤および潤滑剤を貫流
するために同心的に軸方向にそれらの全長にわたって孔
９′ないし９″で貫通されている。作業スピンドル４も
標準シャフト１および加工工具２と同じように中央孔９
を備えているので、冷却剤および潤滑剤は加工工具２の
切削作業面１３の範囲まで導かれる。この個所において
は既に、標準シャフト１と加工工具２との圧入結合部１
０が簡単に十分に気密性を有し、冷却剤および潤滑剤の
（早まった）流出ないし損失に対する特別な処置が不要
であるという利点がある。このためにただ加工工具２の
差し込み方向における締付けブッシュ１５における長手
スリット２３の長さ（Ｌ）を、標準シャフト１の収容孔
２４への加工工具１２の最小差し込み深さＴより小さく
形成するだけでよい。

【００１７】標準シャフト１と加工工具２ないし工具シ
ャフト１２との上述の圧入結合部１０は、標準シャフト
１が収容孔２４の前方軸方向範囲に長手スリット２３を
持った薄肉の締付けブッシュ１５を有し、この締付けブ
ッシュ１５が標準シャフト１の他の材料と一体に結合さ
れていることによって、高い真円精度において釈放可能
に形成されている。締付けブッシュ１５は内側が収容孔
２４によって形成されている。この収容孔２４は寸法的
に高い精度で作られ、その寸法精度によって圧入結合部
１０の真円精度を決定している。しかもこの締付けブッ
シュ１５はその外周面２０にも所定の外径Ｄを備えてい
る。締付けブッシュ１５には形状記憶合金例えばニッケ
ル・チタン合金製の縮みカラー１８が被せられている。
この縮みカラー１８の軸方向長さは締付けブッシュ１５
のそれよりも幾分短い。その上に締付けブッシュ１５は
非常に薄い肉厚ｓを有しており、これは最小の安定性を
与える理由から任意に小さくすることはできない。他方
では締付けブッシュ１５は過大な厚みに形成することも
できない。何故ならばそのような締付けブッシュは、半
径方向において硬くなりすぎ、縮みカラー１８によって
十分な力で工具のシャフトに押しつけられなくなってし
まうからである。また非常に厚肉の締付けブッシュの場
合、これはもっと厚く寸法づけられた縮みカラーによっ
て圧縮させられるが、これによって締付け結合部全体は
構造的に半径方向に不必要に大きくなるだけでなく、縮
みカラーはこれが高価な材料から成っているために非常
に高価なものとなる。縮みカラー１８の肉厚Ｓは少なく
とも締付けブッシュ１５の肉厚ｓに相応し、好ましくは
縮みカラー１８の肉厚Ｓを工具シャフト１２の直径の少
なくとも１５％に選択する。この理由から締付けブッシ
ュ１５は外側が肩部１６を介して標準シャフト１の他の
外周面に移行しており、その軸垂直面１７から締付けブ
ッシュ１５への移行部は切欠き効果を避けるために念入
りに丸められ、湾曲部２１を備えている。

【００１８】形状記憶合金は公知であり、その専門文献
に記載されているので、その文献を参照されたい。ここ
ではただ次のことについて言及しておく。即ち本発明の
用途に対する形状記憶合金は、そのオーステナイト・終
点・温度が運転温度より低く特に約１０℃であるように
されている。これによって室温ないし運転温度において
縮みカラーはオーステナイト組織状態となり、これに対
して縮みカラーをマルテンサイト組織状態に遷移するた
めには、人工的な冷却あるいは過冷却を行わねばならな
い。

【００１９】圧入結合部１０の釈放可能な形成において
縮みカラー１８がその記憶作用を実行できるようにする
ために、縮みカラーはその材料の形状記憶特性に基づい
て「記憶」作業過程を進行しなければならない。その場
合、縮みカラー１８は個々のブッシュとして又は後述す
るように連続している管として処理され、その場合、長
い管として加工することは、複数の同じ縮みカラーが同
時に加工できるという利点を有する。このように前処理
された管から、短い個々の縮みカラーを旋盤で切断する
か別の方法で所望の長さに切断するだけでよい。

【００２０】縮みカラー１８ないし対応した管の材料の
オーステナイト組織状態から出発して、この縮みカラー
の締付けブッシュ１５側の内側面１９は、締付けブッシ
ュ１５の外径Ｄに比べて明らかに小さな寸法に加工され
るので、縮みカラー１８が締付けブッシュ１５の外周面
２０と結合する場合、計算上は大きなバイアス圧が生ず
る。このオーステナイト組織状態における加工は、切削
加工あるいは中実成形加工例えば環状ノズルを通した引
き抜き加工あるいは自由引張成形加工によって行われ
る。

【００２１】続く加工はマルテンサイト組織状態で実施
しなければならない。このマルテンサイト組織状態は過
冷却によって発生され、（いわゆる拡大されたヒステリ
シス特性の形状記憶合金が利用されない場合には）連続
的な冷却状態によって維持されねばならない。マルテン
サイト組織状態における加工は中実成形加工で行えばよ
い。詳しくは縮みカラーは目的に適って避けられない軸
方向収縮において円周方向に膨張され、弛緩した状態に
おいて縮みカラー１８ないし対応した管の内側面１９の
直径は締付けブッシュ１５ないしその外周面２０に対し
て僅かな過大寸法を有し、縮みカラー１８は締付けブッ
シュ１５の上に大きな力を必要とせずに挿入できる。

【００２２】マルテンサイト組織状態で実施すべき縮み
カラーの中実成形は、注意深い工程において次のように
実施することもできる。即ちまず工具シャフト１２が締
付けブッシュ１５の収容孔２４の中に縮みカラー無しに
はめ込まれる。続いて縮みカラー１８がマルテンサイト
状態で注意深く圧縮装置の中において締付けブッシュ１
５の外周面２０の上に軸方向に押し被せられ、その場
合、縮みカラー１８は塑性変形して直径が拡大される。
最後に縮みカラーは、縮みカラー、工具および標準シャ
フトに共通した適当な熱処理によってオーステナイト組
織状態に遷移されねばならない。即ちこの構造ユニット
は、拡大したヒステリシス特性を有する形状記憶合金の
場合、このために一旦オーステナイト・終点温度以上に
加熱され、それから運転温度たいていは室温に冷却され
ねばならない。先に簡単に触れた縮みカラーの第２の単
純な作業工程において、縮みカラーはいわばその初めて
の使用によってまだ「処女」状態において中実成形で最
終加工される。

【００２３】マルテンサイトの縮みカラーの連続的な長
い加工作業が凝固点以下の低温で実施する必要がないよ
うにするために、（上述したように）縮みカラーに対し
て、マルテンサイト始点温度とオーステナイト始点温度
が少なくとも５０〜８０ケルビン（絶対）温度だけ離れ
ているようないわゆる拡大したヒステリシス特性を有す
る形状記憶合金を利用することが目的に適っている。か
かる合金の場合、温度スペクトル内の遷移範囲の適当な
状態および縮みカラーの適当な前処理において室温にお
いてもまだ、冷却の際にマルテンサイト組織状態への遷
移が非常に低い温度ではじめて行われるにも拘わらず、
マルテンサイト組織が存在する。この理由からこの組織
状態において必要な加工は室温において有利に行える。

【００２４】このように作られた縮みカラー１８によっ
て工具シャフト１２を圧入結合部１０において標準シャ
フト１に結合できるようにするために、工具シャフト１
２は収容孔２４の中に所望の深さＴだけ差し込まれ、続
いてマルテンサイト組織状態にある縮みカラー１８が締
付けブッシュ１５の上にはめ込んで被せられる。このは
め込み中において場合によっては、マルテンサイト組織
状態が最初は維持され、即ち大気および又は標準シャフ
トの加熱によって自動的にオーステナイト状態への一部
だけの組織遷移が生じないように配慮される。縮みカラ
ー１８を締付けブッシュ１５の上に被せる際に、縮みカ
ラー１８がはめ込まれた状態において引き抜き装置に対
する設置面を提供しない場合には、肩部１６の軸垂直面
１７とこれに対向して位置する縮みカラー１８の端面と
の間に引き抜き装置の爪を設置するために十分大きな軸
方向隙間が存在するように考慮される。圧入結合部を作
るために、縮みカラーはオーステナイト組織状態に遷移
され、これは室温への加熱によって行われる。この場合
縮みカラーは自由端から即ち加工工具２から加熱される
ので、マルテンサイトからオーステナイトへの組織遷移
は自由端から軸方向に縮みカラーを通って伝播し、圧入
結合部１０は縮みカラーの自由端から閉じはじめる。即
ち、縮みカラーは自由端から肩部１６の方向に蠕動的に
縮んでいく。縮みカラー１８を締付けブッシュ１５の上
に縮み結合することによって、締付けブッシュ１５内に
おける工具シャフト１２の非常にきつい締付け固定が生
じ、これによって標準シャフト１と締付けブッシュ１５
と縮みカラー１８との間で安定した支持結合が達成され
る。圧入結合部１０の本発明に基づく形成により加工シ
ャフト１２は、圧入結合部が特に半径方向における構造
寸法が小さいにも拘わらず大きな締付け力および高い真
円精度で固定される。

【００２５】圧入結合部１０を再び釈放するためには、
標準シャフト１をその中に収容された加工工具２と一緒
にただ乾燥雪（炭酸ガス）あるいは液体空気ないし液体
窒素の中に置くだけで済まされる。このようにして行え
る工具の過冷却によって、縮みカラー１８の材料はマル
テンサイト組織状態に遷移され、これによって縮みカラ
ーはこれが少なくとも「訓練」（これは多数回の工具交
換によって自動的に行われる）されたとき、この組織状
態で引き起こされる大きな直径の寸法状態に記憶を戻さ
れ、即ち、縮みカラーは直径が増大し、圧入結合を釈放
する。これにより工具シャフト１２は大きな力が要らず
に締付けブッシュ１５ないし収容孔２４から引き抜け
る。縮みカラーがまだ「訓練」されていない限りは、
（マルテンサイトの）縮みカラー材料の小さな弾性係数
および小さな降伏点により、および締付けブッシュ１５
の半径方向外側に向けられた負荷軽減作用をする力によ
って、締付けブッシュの明白な負荷軽減が生ずるので、
工具シャフトはどんな場合でも標準シャフトから無傷で
取り出される。工具交換の回数が増大するにつれて、縮
みカラーはますます「訓練」され、縮みカラーのマルテ
ンサイト状態への遷移後における負荷軽減効果はますま
す良くなる。このようにして標準シャフト１における工
具交換は、過冷却手段が存在している特別な工場でも、
簡単且つ迅速に行える。まだ「未訓練の」縮みカラーの
場合は別として、締付けブッシュ上における半径方向に
拡大された縮みカラーの或る軸方向の引き締めは、縮み
カラーが締付けブッシュの上に乾燥され且つ又は硬化し
た冷却材によって固く接着されることによって、あるい
は両方の部品の表面が局所的に分子付着によって互いに
粘着することによって生ずる。かかる引き締めにも拘わ
らず拡大された状態に遷移された縮みカラーが締付けブ
ッシュから軸方向に引き抜けるようにするために、縮み
カラーはそれに当てられた引き抜き装置によって引き抜
かれ、そのために軸垂直面１７と縮みカラー端面２７と
の間に上述の円周隙間が開けられている。工作機械の場
所においてどんな場合でもそこにある一般的な道具によ
って標準シャフト内部における加工工具の交換はでき
ず、また誤ってもできず、これは正に意図していること
である。圧入結合部１０はこれが力を要らずに釈放でき
るにも拘わらず、室温において永続的に固く結合されて
いる。

【００２６】釈放可能な圧入結合部１０の原理は図４に
示されているようにいわば逆の形にもできる。そこの標
準シャフト１′は、圧入結合部１０′を介して真円に大
きな保持力において標準シャフト１′に結合しようとす
る同心孔２６付きの円板状の加工工具２′を受けるため
に使用される。この目的のために標準シャフトには同様
に締付けブッシュ１５′が設けられており、これは加工
工具２′をその外側面に直接に固定マンドレルの形で受
ける。このように形成された固定マンドレルの内部に、
形状記憶合金製の排除プラグ２５が差し込まれ、軸方向
において肩部１６′に接している。排除プラグ２５はオ
ーステナイト組織状態において締付けブッシュ１５′の
内周面に対して明白な過大寸法を有しており、これに対
して排除プラグ２５をマルテンサイト組織状態に前処理
することにより、締付けブッシュ１５′の内部の開口の
中に挿入できる。ここではただ、図１の実施例に対して
構造的にも逆にされている場合に同じ原理が同心孔２６
付きの加工工具２′に利用できることを示している。

【００２７】基本的には、締付けブッシュを全く長手ス
リットなしに形成することも考えられ、詳しくは収容孔
２４がその中に特に小さな遊びで工具シャフト１２をは
め込まれ、締付けブッシュが特に薄肉に作られ、縮みカ
ラーが比較的頑丈に作られているときに、締付けブッシ
ュを長手スリットなしに形成することが考えられる。か
かる形成は、高い締付け精度についての要求を種々の観
点において快く受け入れ、詳しくは一方では、収容孔の
中に工具シャフトが小さな遊びではめ込まれることによ
って、および他方ではスリットが切られていない締付け
ブッシュの小さな締付け行程と大きな固有剛性によって
受け入れる。もっともスリットなしの締付けブッシュは
その弾性限度まで荷重され、かかる締付けブッシュが亀
裂を生ずるという危険がある。長手スリット２３，２
３″あるいは長手溝３０を設けることによって、締付け
ブッシュ１５，１５″，１５′″のラジアル弾性はかな
り増大されるが、通しの長手スリット１５は締付けブッ
シュの曲げ強さを害してしまい、これは装置全体の締付
け精度に不利に作用する。図５および図６には、締付け
ブッシュ１５″ないし１５′″がスリットの存在にも拘
わらず曲げに強く形成できる方式が示されている。

【００２８】図５に示されている実施例の場合、標準シ
ャフト１″の締付けブッシュ１５″に設けられた長手ス
リット２３″は締付けブッシュ１５″の自由端まで通し
て切削されておらず、側フライスによる切削加工におい
て締付けブッシュ１５″の自由端にくさび状あるいは三
角形の残留ウェブ２８が残されている。この残留ウェブ
２８は締付けブッシュ１５″の曲げ強さに関して非常に
安定して、長手スリット２３″に円周方向において隣接
する締付けブッシュ１５″の両側の円筒状殻体に作用す
る。即ち図５における締付けブッシュ１５″は、図１に
おける通しの長手スリットが切られた締付けブッシュ１
５よりも非常に大きさ曲げ強さを有している。更に残留
ウェブ２８は、長手スリット２３″、工具シャフトと収
容孔との接触面の範囲、締付けブッシュと縮みカラーと
の接触面の範囲に、汚れあるいは異物が侵入することを
阻止する。また図５における締付けブッシュ１５″はそ
の自由端範囲がいわば円周方向に閉じられたリングとし
て形成されており、この範囲において縮みカラー１８が
縮む際に亀裂が生ずる危険がある。しかしこれは、その
亀裂は狭い範囲に局所的に存在し、従って最終的に壊れ
ることはなく、更に残留ウェブの安定作用は僅かな亀裂
にも拘わらず少なくとも固く縮み結合された縮みカラー
において維持されるので、問題とならない。

【００２９】図６に示されている標準シャフト１′″の
実施例の場合、締付けブッシュ１５′″は長手溝３０を
備えている。この長手溝３０は締付けブッシュ１５′″
の壁における溝底の範囲に溝底ウェブ２９を残してい
る。この溝底ウェブ２９は同様に長手溝に円周方向に隣
接する締付けブッシュ１５′″の壁部分に安定して作用
する。かかる締付けブッシュは非常に安定しており、そ
のために非常に高い締付け精度を有する。長手溝３０が
十分な数および十分な幅で設けられているとき、締付け
ブッシュ１５′″に亀裂が発生する危険がほとんどなし
に締付けブッシュ１５′″に十分に大きなラジアル弾性
が与えられる。溝底ウェブ２９が半径方向において非常
に薄く円周方向に非常に幅広くされているとき、締付け
ブッシュの形状はスプライン形状に類似され、従って溝
底ウェブ２８は縮みカラー１８が縮む際にその中央の長
手方向に延びる範囲がすべて条溝状に外側に湾曲され、
詳しくはその材料の弾性限界が超過される危険なしに湾
曲される。同時に溝底ウェブ２９はこのような形状にお
いても締付けブッシュ１５′″を少なくとも締めつけら
れていない状態あるいはまだ完全に締めつけられていな
い状態において有効に安定させ、正確に方向づけられた
工具位置において固い締付け作用を生ずる。

【００３０】

【発明の効果】本発明によれば、標準シャフトは締めつ
けるべき加工工具を簡単に釈放可能に収容でき、これに
より標準シャフトは簡単に数回繰り返して使用でき、同
時に締付け装置の小さな構造容積において加工工具が大
きな保持力で再生可能な高い真円精度で固定して保持で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】加工工具を含む標準シャフトがその中に収容さ
れている工作機械の作業スピンドルの前端部分の断面
図。

【図２】図１における部分＿の拡大詳細図。

【図３】標準シャフトおよびそれに同軸的に差し込まれ
た縮みカラーの斜視図。

【図４】排除プラグ付き固定マンドレルに中央孔付きの
加工工具を釈放可能に受けるための標準シャフトの実施
例の断面図。

【図５】長手スリット付きであるが安定している締付け
ブッシュを持った標準シャフトの実施例の断面図。

【図６】長手溝付き締付けブッシュの実施例の断面図。

【符号の説明】

１ 標準シャフト ２ 加工工具 １１ 調整ねじ １５ 締付けブッシュ １８ 縮みカラー １９ 縮みカラーの内周面 ２０ 締付けブッシュの外周面 ２３ スリット ２４ 収容孔 ２８ 残留ウェブ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ブルーノ トイシユ ドイツ連邦共和国 7300 エスリンゲン ワイツエンシユトラーセ ６ (72)発明者 ライナー レンツ ドイツ連邦共和国 7000 シユツツトガル ト ライプニツツシユトラーセ 86 (72)発明者 デイーター イエヌワイン ドイツ連邦共和国 7000 シユツツトガル ト 75 ブオワルトシユトラーセ 67 シ ー

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 工作機械の作業スピンドルに形状および
   真円精度について正確に製作された好適には円筒状の収
   容開口の中に収容するためあるいは作業スピンドルの収
   容開口にはめ込まれたアダプタ特に急勾配アダプタに収
   容するための切削加工用の回転加工工具の標準シャフト
   であって、作業スピンドルあるいはアダプタの収容開口
   の中にはめ込まれる標準シャフトの端部に、外周面が精
   確に加工された回転対称の好適には円筒状の嵌め込みピ
   ンが研磨加工され、円筒状の収容開口と嵌め込みシリン
   ダの場合に嵌め込みシリンダが作業スピンドルにおける
   円筒状の収容開口に比べてほんの僅かな過小寸法を有
   し、標準シャフト内に加工工具が円筒状の圧入結合部に
   よって永続的に固定され、その場合、標準シャフトの嵌
   め込みシリンダに対して加工工具の作業面が最も高い真
   円精度にされ、標準シャフトと加工工具との間の円筒状
   嵌め込み結合部が、標準シャフト側における所定の直径
   に加工されている円筒状の収容孔と工具側における直径
   が収容孔に合わされた円筒状の工具シャフトとによって
   形成されている工作機械の作業スピンドルに直接に収容
   するための回転加工工具用の標準シャフトにおいて、 標準シャフト（１）が収容孔（２４）の前方軸方向範囲
   に薄肉の締付けブッシュ（１５）を有し、この締付けブ
   ッシュ（１５）が標準シャフト（１）の他の材料に一体
   結合され、その外周面が円筒状の外側面（２０）を規定
   する外径を有し、締付けブッシュ（１５）に軸方向長さ
   がたかだかこの締付けブッシュ（１５）の長さに相応し
   ている形状記憶合金製の縮みカラー（１８）が嵌め込ん
   で被せられ、この形状記憶合金がその組成（合金形式）
   に関してそのオーステナイト終点温度が運転温度以下で
   あるように選択され、縮みカラー（１８）が、その記憶
   機能にとって重要でありその材料の形状記憶特性に基づ
   いて「記憶可能な」次の製造条件状態を通され、即ち、
   縮みカラー（１８）の締付けブッシュ（１５）の側の内
   側面（１９）が（縮みカラー（１８）の材料のオーステ
   ナイト組織状態から出発して）締付け（１５）の外径
   （Ｄ）に比べて明白な過小寸法に加工され、縮みカラー
   （１８）が締付けブッシュ（１５）の外周面（２０）と
   結合された際に計算上において大きなバイアス圧が生
   じ、続いて過冷却によってマルテンサイト組織状態に遷
   移した縮みカラー（１８）が、縮みカラー（１８）の内
   側面（１９）の直径がマルテンサイト組織状態において
   締付けブッシュ（１５）に比べて僅かに過大寸法を有
   し、縮みカラー（１８）が締付けブッシュ（１５）の上
   を移動できる程に円周方向において膨張されることを特
   徴とする工作機械の作業スピンドルに直接に収容するた
   めの回転加工工具用の標準シャフト。
2. 【請求項２】 締付けブッシュ（１５）が長手スリット
   （２３，２３″）あるいは長手溝（３０）を備えている
   ことを特徴とする請求項１記載の標準シャフト。
3. 【請求項３】 締付けブッシュ（１５″）の長手スリッ
   ト（２３″）がスリットを橋渡しする残留ウェブ（２
   ８）を備えており、この残留ウェブ（２８）が特に締付
   けブッシュ（１５″）の自由端に配置されていることを
   特徴とする請求項２記載の標準シャフト。
4. 【請求項４】 締付けブッシュ（１５）が肩部（１６）
   で標準シャフトの外側面に移行し、その軸垂直面（１
   ７）から締付けブッシュ（１５）への移行部が切欠き効
   果を避けるために念入りに丸められていることを特徴と
   する請求項１記載の標準シャフト。
5. 【請求項５】 標準シャフト（１）の収容孔（２４）の
   底に、加工工具（２）の収容孔（２４）への差し込み深
   さ（Ｔ）を調整するために標準シャフト（１）にきつく
   ねじ込まれる調整ねじ（１１）が配置され、この調整ね
   じ（１１）が特にその全長にわたって同心的に冷却剤お
   よび潤滑剤を貫流するために軸方向に孔（９″）が開け
   られていることを特徴とする請求項１記載の標準シャフ
   ト。
6. 【請求項６】 締付けブッシュ（１５）における長手ス
   リット（２３）が加工工具（２）の差し込み方向におい
   て、工具シャフト（１２）の標準シャフト（１）の収容
   孔（２４）への差し込み深さ（Ｔ）よりも短い（長さ
   Ｌ）ことを特徴とする請求項１記載の標準シャフト。
7. 【請求項７】 縮みカラー（１８）がニッケル・チタン
   合金から成っていることを特徴とする請求項１記載の標
   準シャフト。
8. 【請求項８】 縮みカラー（１８）が、マルテンサイト
   始点温度とオーステナイト始点温度が少なくとも５０〜
   ８０ケルビン温度だけ離れているようないわゆる拡大し
   たヒステリシス特性を有する形状記憶合金から成ってい
   ることを特徴とする請求項１記載の標準シャフト。
9. 【請求項９】 縮みカラー（１８）の肉厚（Ｓ）が少な
   くとも締付けブッシュ（１５）の肉厚（ｓ）に相応して
   いることを特徴とする請求項１記載の標準シャフト。