JPH05212399A - 嫌気性消化槽のモニター装置 - Google Patents
嫌気性消化槽のモニター装置Info
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- JPH05212399A JPH05212399A JP2025992A JP2025992A JPH05212399A JP H05212399 A JPH05212399 A JP H05212399A JP 2025992 A JP2025992 A JP 2025992A JP 2025992 A JP2025992 A JP 2025992A JP H05212399 A JPH05212399 A JP H05212399A
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Abstract
するに際して、測定試料から測定の妨害物質としての固
形物成分を除去して、測定精度を向上させることを目的
とする。 【構成】 消化汚泥が貯留される濾液槽1と、この濾液
槽1内の消化汚泥がサンプリングされて導入されるとと
もにpH計5,5が夫々配備された酸滴定槽3及びアル
カリ滴定槽4と、制御部10にて求められた値に対応し
た量の試薬を分注器7a,7bにより上記酸滴定槽3及
びアルカリ滴定槽4に分注する滴定機構とを具備して成
り、サンプリングの液pH値と試薬の滴定量に基づい
て、酸−アルカリ平衡理論から汚泥の消化状態を連続的
にモニタリングするようにした装置において、上記濾液
槽1と酸及びアルカリ滴定槽3,4との間に、濾液槽1
に貯留された消化汚泥の固液分離を行うための限外濾過
装置2を配設した構成にしてある。
Description
化槽からサンプリングされた試料を、限外濾過装置を利
用して固液分離した後に酸−アルカリ滴定槽に送り込ん
で滴定することにより、総有機酸濃度,全無機炭素濃
度,総アンモニア濃度,全リン濃度,全硫化物濃度の5
項目により、消化槽内の状態変化を連続的にモニタリン
グするようにしたモニター装置に関するものである。
種類の細菌群によって段階的に進行する。第一段階は
「酸生成段階」と呼称され、消化槽に投入された汚泥が
加水分解菌とか酸生成菌の働きによって有機酸等の中間
生成物に分解される。第二段階は「メタン生成段階」と
呼称され、上記酸生成段階で生成された有機酸等の中間
生成物が、メタン生成菌の働きによってメタンガス,二
酸化炭素,アンモニア等の最終生成物に分解される。
第一段階で生成される有機酸を中和する機能と、二酸化
炭素が溶解して生じる重炭酸塩とともにpH緩衝能力
(pH変化に抵抗する能力)を有しており、メタン生成
菌にとって良好な弱アルカリの槽内環境を創り出すこと
に役立っている。
度が遅く、且つ環境変化に敏感であることから、一般に
消化速度を律速するのはメタン生成段階であるとされて
いる。従って消化槽の良好な運転のためには、メタン生
成菌の生存に適した槽内環境を維持することが重要であ
る。
化を達成維持するためには、消化槽内の状態変化を連続
的にモニタリングすることが極めて重要であり、特に嫌
気性汚泥消化で一旦処理が不良となった場合には、その
回復に長時間を要するため、槽内の状態が異常であるこ
とをいち早く察知することが運転管理上の最重要課題で
ある。更に経済性をも考慮に入れた最適運転制御を目指
す場合には、連続モニター監視によって対象となる消化
槽の良好な運転範囲を常時把握しておき、槽内の状態が
その良好な運転範囲を逸脱しないように監視しながら制
御を行う必要がある。
標としては、以下の4項目が挙げられる。
管理 上記(1)のpHの管理に関して述べると、一般に良好
に稼働している消化槽の場合には槽内のpHは中性付近
に維持されている。しかし消化槽内に異常が発生した場
合には、先ずpH異常,即ちpHが中性付近からの逸脱
するという現象となって現れる。例えば前記第二段階の
メタン生成菌の活動が弱まると、嫌気性消化の第一段階
で生成される有機酸が分解されずに蓄積され、pH低下
(酸敗)現象が起こる。又、第二段階でのアンモニア生
成が第一段階での酸生成に比べて過剰な場合には、pH
上昇現象が発生する。
べると、この有機酸はメタン生成菌にとって基質である
が、有機酸濃度が高くなるか或はpHが低下すると、有
機酸が弱酸であることからイオン化していない非電離の
有機酸が増加する。この非電離の有機酸は、ある濃度以
上となるとメタン生成菌にとっての抑制毒性物質となる
ことが知られており、消化槽への有機物過負荷が原因と
しておこる酸敗現象は、非電離有機酸の抑制毒性効果の
結果とされている。非電離有機酸濃度は、有機酸濃度か
らpHの関数として求めることができる。
て述べると、消化槽内の汚泥はpHの緩衝能力が高いた
め、消化槽の異常がpH異常として顕著に現れるのは、
トラブルの進行がかなり進んだ末期状態である場合が多
い。しかし消化槽のpH異常の前兆は、pHの緩衝能力
の変化として捕らえることができる。上記アルカリ度と
は、このpHの緩衝能力を表わす指標である。嫌気汚泥
のアルカリ度は主に溶解性無機炭素によるものである。
溶解性無機炭素は、溶液中のイオン電荷の変化に伴い、
二酸化炭素・重炭酸・炭酸と形態変化することによっ
て、溶液pHの変化を緩衝する。これら三形態無機炭素
のモル比は、三形態の総和としての溶解性無機炭素濃度
からpHの関数として理論計算によって求めることがで
きる。
理に関して述べると、メタン生成菌の環境変化とか抑制
毒性物質(硫化物や重金属類)流入による活性度異常
は、メタンガス生成速度の低下として現れる。メタンガ
スの発生速度は、ガス生成速度にガス中のメタンガス分
圧(濃度)を乗じることで求められる。但しメタンガス
分圧に関しては、直接メタンガス濃度を測定しなくても
前記(3)の溶解性無機炭酸濃度から計算することも可
能である。即ち、メタンガス分圧は、消化ガスのほとん
どがメタンガスと二酸化炭素ガスより構成されているこ
とから、1分圧より二酸化炭素ガス分圧を差し引くこと
で求めることができる。
ヘンリーの法則(気液平衡)から、溶解性の二酸化炭素
濃度より理論計算で求めることが可能である。溶解性の
二酸化炭素濃度は、前記(3)の溶解性無機炭素濃度と
pHより理論計算で求められるものである。従って発生
ガス速度、溶解性無機炭素濃度とpHとが分かっていれ
ば、メタンガス発生速度は計算で推定することができ
る。
き指標としてイオン化していないアンモニア濃度とか、
全リン濃度及び全硫化物濃度を挙げることができる。即
ち、嫌気性消化の第二段階でのアンモニア生成は、これ
が適度な場合には槽内pHの中性付近を維持する上で不
可欠であるが、アンモニア生成が過度である場合には、
槽内pHの上昇を引き起こして、メタン生成にとって好
ましくない環境を作ってしまうことになる。更に高いp
Hと過度のアンモニア蓄積は、結果としてイオン化して
いない遊離アンモニア濃度を上昇させ、この遊離アンモ
ニアが高濃度の場合には、メタン生成菌への抑制毒性効
果があることが報告されている。遊離アンモニア濃度
は、アンモニア濃度とpHより求めることができる。
mg/l〜数百mg/l程度含まれており、消化槽内の
状態変化を正確に把握するためには、全リン濃度及び全
硫化物濃度の項目についてもモニタリングする必要があ
る。
ンス(C/N比、微量必須重金属)や槽内温度の管理が
挙げられる。しかし栄養塩バランスは、投入汚泥組成が
急変しない限り頻度高く連続的にモニターする必要はな
く、槽内温度は従来から十分監視制御されている項目で
ある。
てColin,F.,“Development of
an automatic equipment f
orthe study of acid−base
equilibriafor the control
of auaerobic digestion,”
と、フランス特許,F.Colin,0056117等
を参照。)
槽のモニター手段において、一般に測定時の前処理とし
て消化汚泥の固液分離工程を実施することが必要である
が、通常この固液分離手段としては遠心分離法を利用し
た装置とか、沈澱槽を利用して得られる上澄液を利用す
る方法、又は消化汚泥を一旦受泥槽に貯留した後、凝集
槽で凝集剤を添加することによって汚泥を沈降させる方
法、更には上記各手段に濾紙を用いた濾過手段を併用す
る方法が行われている。
中の固形物成分、例えばss成分の除去率が低く、この
ような固形物成分が妨害物質として作用することによ
り、測定精度が低下してしまうことがあるという難点が
あり、且つ測定装置の自動化が困難であるという問題点
を有している。
き全ての項目を連続モニターすることは非常に困難であ
るという問題点がある。例えば上記連続モニター項目を
測定するための既存の機器として以下のものが使用され
る。 pH・・・・・・・・・・・・・pH電極 有機酸・・・・・・・・・・・液体クロマトグラフ 無機炭酸・・・・・・・・・IC計或は滴定によるアルカリ度測
定 メタンガス・・・・・・・ガスクロマトグラフ ガス生成速度・・・・・ガス流量計 アンモニア・・・・・・・アンモニア電極 従来はこのような各々の分析に必要な分析機器を全て確
保しなければならない上、多くの機器は前処理が必要で
あったり、サンプル用の特殊機器が必要であったりし
て、連続的に測定することができる機器は少ない。更に
測定に際しても各々の機器で検量線を作成しなければな
らないという繁雑さがあり、測定機器が多いほど保守点
検を行う作業員の数を増大させなければならない。
モニタリングを実施する際に生じる課題を解消して、測
定前の固液分離処理時における固形物成分の除去率を高
め、しかも多くの測定機器を使用する必要をなくして、
全測定工程の自動化をはかることができる嫌気性消化槽
のモニター方法を提供することを目的とするものであ
る。
成するために、消化汚泥が貯留される濾液槽と、この濾
液槽内の消化汚泥がサンプリングされて導入されるとと
もにpH計が夫々配備された酸滴定槽及びアルカリ滴定
槽と、制御部にて求められた値に対応した量の試薬を分
注器により上記酸滴定槽及びアルカリ滴定槽に分注する
滴定機構とを具備して成り、サンプリングの液pH値と
試薬の滴定量に基づいて、酸−アルカリ平衡理論から汚
泥の消化状態を連続的にモニタリングするようにした装
置において、上記濾液槽と酸及びアルカリ滴定槽との間
に、該濾液槽に貯留された消化汚泥の固液分離を行うた
めの限外濾過装置を配設した嫌気性消化槽のモニター装
置の構成にしてある。
濾液槽に貯留された消化汚泥の一定量が限外濾過装置に
よって固液分離されてから酸及びアルカリ滴定槽にサン
プリングされて送り込まれる。この酸滴定槽とアルカリ
滴定槽には、滴定試薬が分注器等を用いた滴定機構の作
用に基づいて順次添加され、所定のpH値になるまで滴
定が行われ、この滴定量とpH計で測定されたpH値と
が制御部に送り込まれて酸−アルカリ平衡理論に基づく
処理が実施され、総有機酸濃度,アンモニア濃度,全無
機炭素濃度等が連続的にモニタリングされる。
外濾過装置によって行われるため、試料中に測定の妨害
物質としての固形物成分がほとんど残存せず、モニター
装置としての測定精度を向上させることができる。しか
も固液分離装置自体の構成は簡易化されるので、測定装
置の自動化をはかることが可能となる。
ー装置の一実施例を詳述する。
であり、図中の1は濾液槽であって、この濾液槽1内に
図外の消化槽からの消化汚泥20が流入して貯留され
る。2は限外濾過装置、3は酸滴定槽、4はアルカリ滴
定槽であり、該酸滴定槽3とアルカリ滴定槽4には夫々
pH計5,5と温度計6,6が配備されている。
ルカリ滴定槽4に添加する分注器、8はシーケンスコン
トローラ、9はパーソナルコンピュータであり、このシ
ーケンスコントローラ8とパーソナルコンピュータ9と
によって制御部10が構成される。11は消化汚泥のサ
ンプリング用ポンプ、12は二方向バルブである。
る。先ず図外の消化槽から濾液槽1内に送り込まれた消
化汚泥20の一定量(例えば100ml)がサンプリン
グ用ポンプ11の作用に基づいて限外濾過装置2によっ
て固液分離されてから二方向バルブ12を介して酸滴定
槽3及びアルカリ滴定槽4に送り込まれる。
滴定試薬であるHClとNaOHが分注器7a,7b及
び電動ビューレットを用いて例えばピッチ量0.05−
0.10mlで順次添加され、pHが各々2.0と1
0.0になるまで滴定が行われ、この滴定量とpH計
5,5で測定されたpH値とが制御部10を構成するシ
ーケンスコントローラ8及びパーソナルコンピュータ9
に送り込まれて後述する酸−アルカリ平衡理論に基づく
処理が実施され、総有機酸濃度(A)の外に、アンモニ
ア濃度(N),全無機炭素濃度(T)等がモニタリング
される。尚、シーケンスコントローラ8を介さずにパー
ソナルコンピュータ9のみで処理を行うことも出来る。
更に測定されたデータは温度計6,6によって測定され
た液温度値により補正される。
た消化汚泥20の固液分離手段として限外濾過装置2を
採用したことが大きな特徴となっている。この限外濾過
装置(Ultrafilter)はコロイド粒子をも濾過する機能
を有しており、一般には適当な半透膜を調製して限外濾
過膜とし、これを袋状にしたり、支持台に保持して取り
付け、加圧又は減圧によってコロイド粒子と溶媒を分離
する構造が採用されている。上記濾過膜の目の大きさ
は、蛋白質や色素の濾過の難易から大体の目安が得られ
るようになっている。
来用いられている遠心分離装置とか濾紙による固液分離
法と比較してみると、通常の遠心分離装置では、濾液中
に残存する固形物成分としてのss成分(Suspended so
lid,水中の懸濁物質)が数百〜数千mg/lであり、
更に濾紙を用いた場合の上記ss成分が数十〜千mg/
lであるのに対して、限外濾液装置2を用いた場合に
は、残存するss成分がほとんど検知することができな
い値となる。従ってモニターすべき各項目の測定時に上
記ss成分が妨害物質として作用することがなくなり、
測定精度を向上させることができる。しかも固液分離装
置自体の構成は簡易化されるので、測定装置の自動化が
はかれるという利点を有している。
モニター機器で以下の5項目、即ち、(1)総有機酸濃
度(非電離有機酸濃度),(2)全無機炭素濃度(アルカ
リ度+ガス組成),(3)総アンモニア濃度(遊離アンモ
ニア濃度),(4)全リン濃度(リン酸),(5)全硫化
物濃度(硫化水素)を連続的に測定することが可能であ
る。具体的には、消化槽モニターとしてpH−滴定量の
データ対から前記した連続的にモニターすべき項目の全
てを測定することができる。
平衡理論を説明する。即ち、本実施例では消化槽内汚泥
に対する酸−アルカリ滴定カーブから最大以下の17個
の物質濃度を求める。
H],[H2CO3],[HCO3 -],[CO3 2-],pCO2,[NH4 +],
[NH4OH],[PO4 3-],[HPO4 2-],[H2PO4 -][H3P
O4],[S2-],[HS-],[H2S] 消化槽内の有機酸は、酢酸,プロピオン酸、酪酸等であ
るが、これらの有機酸はそれぞれ1.76×10-5,1.34×10
-5,1.54×10-5の比較的似通った電離定数を持ってい
る。従ってこれらの有機酸は、一括した形で酢酸として
まとめて考えて、電離定数は1.5×10-5であると仮定で
きる。
化学平衡関係式が成立する。
総有機酸濃度(A),総アンモニア濃度(N),全無機
炭素濃度(T)と水素イオン濃度によって以下のように
式の変形が可能である。
式が成立する。これはプラスイオンの電荷の総和がマイ
ナスイオンの電荷の総和と等しいとの法則である。これ
を式で表わすと(12)式となる。
である。実際の試料中には上記の有機酸,アンモニア,
無機炭素等のイオンの他に、リン酸,硫化水素が数mg
/l〜数百mg/l程度含まれている。ただし、鉄,亜
鉛,銅,鉛,カドミウム等の金属は溶存硫化物と反応し
て不溶性の金属硫化物を形成するので、硫化物の場合は
前記バランス式に関与するのは一部である。
2-]、[CH3COO-]、[OH-]イオン以外の全てのイオンの
電荷のプラス総和(陽イオン電荷の総和−陰イオン電荷
の総和)を正味の陽イオン濃度[Z]として定数扱いす
ることができる。
O3 -]、[CO3 2-]、[CH3COO-]、[OH-]濃度は、先にも
示したように総有機酸濃度(A),総アンモニア濃度
(N),全無機炭素濃度(T)と水素イオン濃度によっ
て(13)式のように表わすことができる。
することができるので、電荷バランス式中の未知数は総
有機酸濃度(A),総アンモニア濃度(N),全無機炭
素濃度(T)と正味の陽イオン濃度(Z)の4項目であ
る。ここで連立方程式の未知数と式数の関係から、4つ
の未知数を求めるためには4つの式が必要である。
することによって得られる。他の3つは酸或はアルカリ
の滴定によって3つの異なるpH値を達成すれば得るこ
とが可能である。但しこの場合、正味の陽イオン濃度
(Z)は酸或はアルカリの滴定量で修正を受ける。
pHがpH1となった場合、
pHと、滴定によって3つの異なるpH値を達成した際
の滴定量さえ分かれば4つの連立方程式が成立し、この
連立方程式を解くことによって4つの未知数である総有
機酸濃度(A),総アンモニア濃度(N),全無機炭素
濃度(T)及び正味の陽イオン濃度(Z)を求めること
ができる。しかし実際にはpH値や滴定量に機器の測定
誤差が当然含まれるため、4つ以上のデータ(全ての滴
定点データ)から重回帰分析によって統計的に4つの未
知数を求めることが必要となる。
り、前記(7)〜(11)式を用いて他のイオン濃度を
計算することができる。特に酸−アルカリ平衡理論(化
学平衡式、電荷バランス式)に基づいて導かれる(式1
4)から水素イオン濃度(pH)と全無機炭素濃度
(T),総アンモニア濃度(N),総有機酸濃度(A)
の関係を求めることができる。
つ自動注入して、夫々のpH滴定量(Xモル)を記録、保
存してその値を前記の(式14)に当てはめて4つの未
知数T,N,A及びZを求める。この4つの未知数の計
算手法として重回帰分析法を採用する。
式(式15)に変形させることが出来る。 y=Z+b1・N+b2・T+b3・A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(15) ここで、 y=X1−[H+]+Ke/[H+]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(16) b1=1/(1+Kn/[H+])・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(17) b2=−1/(1+[H+]/K1+K2/[H+]) −2/(1+[H+]/K2+[H+]2/K1/K2)・・(18) b3=−1/(1+[H+]/Ka)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(19) 一方、試料中に含まれるリン酸は、以下の3段階に解離
する。
する。
(S)は次のようにして求められる。
物濃度(S)を考慮すると、前記式(15)は次のよう
になる。
おける滴定量X1とpHより、y,b1,b2,b3,b
4,b5を計算し、重回帰分析法を用いることによっ
て、全ての滴定データに対して統計的に最も適合する
T,N,A,Z,P,Sの値を計算することができる。
のデータ対から重回帰分析法によって統計的に未知数を
決定する手法を採用した。
に働くためには、重回帰式に含まれる誤差(ε)は4つ
の仮定、即ち、(1)不偏性,(2)等分散性,(3)
無相関性,(4)正規性を満足しなければならない。こ
の(1)〜(4)を集約すると、「誤差は互いに独立に
平均0、分散(σ2)の正規分布に従う」となる。
れないのが普通であって、前記誤差(ε)の分散が均一
でない場合には、通常の最小二乗法による推定の確度が
保証されないことになる。
るか否かを検討する方法として、誤差分析法がある。こ
の誤差分析法を本実施例に適用した場合の一例を以下に
示す。図6は消化槽汚泥を遠心分離した後、その上澄液
を濾過した濾液を測定試料として、この測定試料にアル
カリNaOH又は酸HClを滴定した際のpH−滴定量
曲線である。図6中の(〇)は実測値を示し、実線は酸
−アルカリ平衡理論を用いて計算した曲線を示してい
る。
きさと出現頻度を求めることにより、図7のヒストグラ
ムに示した分布図が得られる。図7から上記の残差は正
規分布ではなく、且つ試料によっては分布が二山になる
こともあるため、重回帰分析法の適用のみでは十分な精
度が得られないことがわかる。
ャートに基づいて前記未知数Z,T,N,A,P,Sを
決定する手法を採用した。即ち、先ずステップ101で、
pH−滴定量の関係とか水温等の測定データを読み込
み、次にステップ102で前記の(式27)に基づいて重
回帰分析法を適用して複数の水質項目であるZ,T,
N,A,P,Sを計算する。但し重回帰分析結果は、最
適化処理の初期値として利用するので、該略の値が得ら
れれば良いこと、又、重回帰分析では、必要以上に変数
を増やすと全体の精度が低下することがあること、又、
全リンや硫化物は他の項目(総有機酸,全無機炭素,総
アンモニア濃度)に比べて濃度が低いことから、重回帰
分析はZ,T,N,Aの4項目のみで行うこともでき
る。この場合には、重回帰式は式(15)を用いれば良
い。又、全リンや硫化物を含める場合には、式(27)
を用いる。
Z,T,N,A,P,S等の水質データを最適化処理す
るための初期値Z0,T0,N0,A0,P0,S0の設定を
実施し、ステップ104で最適化処理を実施する。最適化
したい項目は、例えばT,N,A、Z,T,N,
A、Z,T,N,A,P、Z,T,N,A,S、
Z,T,N,A,S,P等の組み合わせが考えられる
が、最適化処理の初期値はどの項目を選択するかにより
変更する必要がある。例えば上記Z,T,N,Aを最
適化したい場合には、重回帰分析(最適化処理に合わせ
て4項目としておく)結果の4項目を初期値(Z0,
T0,N0,A0)とする。
ては重回帰分析を用いるが、Z,T,N,A,P,S各
項目の上下限設定値の範囲内における任意の値を初期値
とすることも可能である。
されているが、本実施例ではシンプレックス法を用い
た。このシンプレックス法とは、非線形計画法−直接探
索法の1つであり、具体的には最適化したいパラメータ
の個数がNPA%個であるとすると、先ずNPA%+1
個のパラメータの組み合わせで直接誤差評価を行う。消
化槽モニターの場合には上記パラメータは最大Z,T,
N,A,P,Sの6個である。次にこの結果を用いて、
ステップ105で評価関数の計算を行い、評価誤差がより
小さくなるような新たなパラメータの探索を行う。その
後、新たな組み合わせを、先に最大の誤差評価を示した
組み合わせと置き換え、ステップ106で収束チェックす
る。
とによってNPA%+1個のパラメータの組み合わせが
最適な点に移動しながら収束され、NPA%+1個のパ
ラメータの組み合わせ間の評価誤差の差が十分小さくな
った時点で最適点に収束したものとみなして、最適化処
理を終了する。
タリングすべきT,N,A,P,S各項目の未知数の制
約条件の範囲内で任意に設定してある。
試料を調製して本滴定法に基づくpH−滴定のデータ対
を作成し、重回帰分析及び最適化処理した計算値と人工
試料調製濃度と比較した結果を図3,図4に示す。図3
は重回帰分析のみを行った場合の結果であり、図4は重
回帰分析と最適化処理とを組み合わせた場合の結果を示
している。図3,図4中の破線は滴定法と人工試料調製
濃度との理想的な関係(理論計算値)を示している。図
4から明らかなように重回帰分析に最適化処理を組み合
わせたことにより、重回帰分析のみを実施した図3の場
合に比して測定精度が大幅に向上していることが理解さ
れる。
総有機酸濃度(A)が夫々10mg/l,100mg/
l,200mg/l,400mg/l,500mg/l
の場合のpH−滴定量の関係を示している。図5によれ
ば、pH域によって総有機酸濃度(A)の違いに対する
pHの変化幅に差があることがわかる。この例では総有
機酸濃度(A)の違いがpH4からpH6及びpH7〜
pH9の域に特に良く現れていることがわかる。従って
総有機酸濃度の計算精度を向上させるためには、上記の
pH範囲におけるpH−滴定量の実測値と計算値とが一
致するように留意する必要がある。
付けをした評価関数を用いて、上記特徴的なpH範囲の
計算時に重み係数を他のpH範囲よりも大きくすること
により、モニタリングするT,N,A,P,S各項目を
パラメータとする評価関数の計算を実施した手段を採用
した。これによって一層総有機酸濃度の測定精度向上を
はかることができる。
T,N,A,P,Sの濃度範囲を指定することができな
いため、物理的に意味のないマイナスの値が計算値とし
て出力されることがあるが、重回帰分析に加えて最適化
処理を実施することによって各未知数に上下限値等の制
約条件を付けることが可能となり、計算結果の安定性が
高められるという効果がある。
かる嫌気性消化槽のモニター装置によれば、濾液槽に貯
留された消化汚泥の一定量が限外濾過装置によって固液
分離されてから酸及びアルカリ滴定槽にサンプリングさ
れて送り込まれので、測定試料中に測定の妨害物質とし
ての固形物成分がほとんど残存せず、モニター装置とし
ての測定精度を向上させることができる。しかも固液分
離装置自体の構成は簡易化されるので、測定装置の自動
化をはかることが可能となる。
試薬の酸−アルカリ滴定アルゴリズムに基づく自動分注
器による滴定と、サンプリングの液pH値と試薬の滴定
量とから汚泥の消化状態を連続的にモニタリングするこ
とにより、比較的簡易化された装置によって、消化槽内
の水質を連続的にモニタリングするための管理指標とな
る項目である全無機炭素濃度,全アンモニア濃度,総有
機酸濃度を無人状態で高精度に且つ自動的に測定するこ
とを可能として、前記固液分離装置の構成簡易化とも相
俟って工程の全自動化をはかることができる。
一実施例を示す概要図。
ャート図。
結果と理論計算値とを比較するグラフ。
み合わせた場合の結果と理論計算値とを比較するグラ
フ。
値の比較を示すグラフ。
−滴定量曲線の実測値(○印)と酸−アルカリ平衡理論
を用いた計算値(実線)との比較を示すグラフ。
度を示すヒストグラム。
Claims (1)
- 【請求項1】 消化汚泥が貯留される濾液槽と、この濾
液槽内の消化汚泥がサンプリングされて導入されるとと
もにpH計が夫々配備された酸滴定槽及びアルカリ滴定
槽と、制御部にて求められた値に対応した量の試薬を分
注器により上記酸滴定槽及びアルカリ滴定槽に分注する
滴定機構とを具備して成り、サンプリングの液pH値と
試薬の滴定量に基づいて、酸−アルカリ平衡理論から汚
泥の消化状態を連続的にモニタリングするようにした装
置において、 上記濾液槽と酸及びアルカリ滴定槽との間に、該濾液槽
に貯留された消化汚泥の固液分離を行うための限外濾過
装置を配設したことを特徴とする嫌気性消化槽のモニタ
ー装置。
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JP2025992A JP3120531B2 (ja) | 1992-02-05 | 1992-02-05 | 嫌気性消化槽のモニター装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2025992A JP3120531B2 (ja) | 1992-02-05 | 1992-02-05 | 嫌気性消化槽のモニター装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH05212399A true JPH05212399A (ja) | 1993-08-24 |
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JPH069936U (ja) * | 1992-02-24 | 1994-02-08 | 明和グラビア株式会社 | 装飾用貼着シート |
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1992
- 1992-02-05 JP JP2025992A patent/JP3120531B2/ja not_active Expired - Fee Related
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