JPH0521100Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ この考案は液晶テレビジヨン等に用いられる液
晶表示パネルのバツクライト装置に関する。

［従来技術とその問題点］ 従来、液晶表示パネルにより映像等の画像情報
を表示する液晶テレビジヨンが種々の製品化され
ている。この種の液晶テレビジヨンは、液晶表示
パネルの裏面側にバツクライト装置を配設し、こ
のバツクライト装置で光を液晶表示パネルに照射
して透過させることにより、液晶表示パネルの表
示を視認可能となつている。

このようなバツクライト装置は、第５図ａに示
すように液晶表示パネル１の裏面側（下面側）に
放物面状の反射板２を配設し、この反射板２の焦
点位置に蛍光管等の光源３を配置したもの、ある
いは第５図ｂに示すように液晶表示パネル１の裏
面側に反射面４ａを有する導光板４を配設し、こ
の導光板４の側方に光源３を配置したものがあ
る。そして、これらいずれのものにおいても、反
射板２および導光板４で反射された光は液晶表示
パネル１に対して垂直に照射されているため、液
晶表示パネル１に対してほぼ垂直な矢印Ａ方向か
ら見た場合に、最も表示が見やすい。

一方、上記のような液晶テレビジヨンにおいて
は、周囲の明るさに応じて液晶表示パネル１自体
の輝度を調整する輝度調整ツマミを備えており、
この輝度調整ツマミを操作することにより、液晶
表示パネル１内の液晶材に対する印加電圧を変
え、表示の濃淡を変化させている。即ち、輝度調
整ツマミを操作して印加電圧を次第に下げて行く
と、液晶材を構成する液晶分子の長軸方向の角度
が変わり、液晶表示パネル１に対し、垂直よりも
ある角度傾いた方向（矢印Ｂ方向）から見た際に
最も見易い表示となる。

したがつて、上記のような液晶テレビジヨンに
おいては、バツクライト装置の反射板２および導
光板４による反射光が液晶表示パネル１に対して
常に垂直方向に照射するため、輝度調整ツマミを
操作して液晶材に対する印加電圧を次第に下げて
行つた場合には、反射光の照射方向と表示の見易
い方向とが一致しない。そのため、液晶表示パネ
ル１を斜め方向（矢印Ｂ方向）より見ると、液晶
表示パネル１の表示面（画面）が暗く、輝度むら
を生じ、表示が見難いという欠点がある。

［考案の目的］ この考案は上述した事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、輝度を調整して印
加電圧を変化させても、明るく輝度むらがなく、
良好に表示を見ることができる液晶表示パネルの
バツクライト装置を提供することにある。

［考案の要点］ この考案は上述した目的を達成するために、前
記光源の位置を前記液晶表示パネルと前記反射板
の間で、前記液晶表示パネルおよび前記反射板に
対して相対的に移動可能として、光の照射方向を
表示の見やすい位置に任意に設定できるようにし
たことを要点とする。

［実施例］ 以下、第１図から第４図を参照して、この考案
を液晶テレビジヨンに適用した場合の一実施例に
つき説明する。

構 成 第１図は液晶テレビジヨンの外観を示す。この
液晶テレビジヨン１０は平板状をなすケース１１
の上面に液晶表示パネル１２が配設され、この液
晶表示パネル１２の近傍におけるケース１１の側
面には輝度調整ツマミ１３が設けられている。こ
の場合、液晶表示パネル１２は映像等の画像情報
を表示するものであり、上下一対の透明なガラス
基板の対向面に透明な電極をマトリクス状に配列
形成し、その間に液晶材を封入し、ガラス基板の
上下の外側面に偏光板を設けた構成となつてお
り、その裏面側（下面側）には後述するバツクラ
イト装置１４が配置されている。また、輝度調整
ツマミ１３は液晶表示パネル１２の輝度を調整す
るものであり、その構成につては後述する。な
お、ケース１１には上述した輝度調整ツマミ１３
以外に、チユーニングスイツチ、ボリユームスイ
ツチ等の各種のスイツチ（図示せず）が設けられ
ている。

第２図および第３図はバツクライト装置１４を
示す。このバツクライト装置１４は、液晶表示パ
ネル１２の下面に光を照射して透過させることに
より表示を視認させるものであり、輝度調整ツマ
ミ１３の操作に応じて連動する移動機構１５と、
この移動機構１５により移動される蛍光管１６
と、移動機構１４により反射角度が変化する反射
板１７とから構成されている。この場合、輝度調
整ツマミ１３はケース１１に回転可能に設けら
れ、その一部がケース１１の外部に突出している
とともに、その外周面には歯車の歯部１３ａが形
成されており、その軸１３ｂには可変抵抗器１８
が取り付けられている。この可変抵抗器１８は輝
度調整ツマミ１３の回転操作に応じて抵抗が変化
し、この抵抗の変化により液晶表示パネル１２の
透明な電極に印加される電圧を変化させ、これに
より液晶材の液晶分子の長軸方向の角度を変化さ
せるものである。

移動機構１５は輝度調整ツマミ１３の操作に連
動して蛍光管１６の位置および反射板１７の角度
を変化させるものであり、第３図に示すように、
２本のガイドレール１９，１９と、このガイドレ
ール１９，１９上を移動する移動台２０と、この
移動台２０の両端に設けられた支持柱２１，２１
と、この支持柱２１，２１間に架け渡された２本
のガイド軸２２，２２とから構成されている。ガ
イドレール１９，１９は液晶表示パネル１２の前
後端の下方に対応して配設され、それぞれ細長い
板状をなし、その上面にガイド溝１９ａ，１９ａ
が形成されている。移動台２０は２本のガイドレ
ール１９，１９に跨つて配置され、その両端側下
面にガイド突起２０ａ，２０ａが設けられ、この
ガイド突起２０ａ，２０ａがガイドレール１９，
１９のガイド溝１９ａ，１９ａ内にスライド可能
に配置されている。また、移動台２０の右端面に
はラツク部２０ｂが形成され、このラツク部２０
ｂが輝度調整ツマミ１３の外周に形成された歯部
１３ａと噛み合つており、輝度調整ツマミ１３の
回転操作に連動して移動台２０を移動させる。こ
の移動台２０の両端に設けられた支持柱２１，２
１はその上部間に蛍光管１６が取り付けられ、そ
の下側に２本のガイド軸２２，２２が架け渡され
ている。即ち、蛍光管１６は液晶表示パネル１２
の下面に光を照射する光源であり、移動台２０と
共に移動する。２本のガイド軸２２，２２はその
間に反射板１７が配置され、移動台２０と共に移
動して反射板１７の反射角度を変える。反射板１
７は屈曲可能な薄いステンレス板、あるいはフイ
ルム等からなり、その上面が反射面になつてお
り、その中間が移動機構１５の２本のガイド軸２
２，２２の間に配置され、両端が第２図に示すよ
うに固定ピン２３，２３に取り付けられ、全体が
湾曲状をなして張り渡されている。

動 作 次に、上記のように構成された液晶テレビジヨ
ンを使用する場合について、第４図Ａ〜Ｃを参照
して説明する。

通常は第４図Ａに示すように、移動機構１５の
移動台２０が液晶表示パネル１２の下側中央に位
置し、これにより反射板１７がほぼ放物面状に湾
曲しており、この反射板１７のほぼ焦点位置に蛍
光管１６が配置されている。そのため、反射板１
７で反射された光は、液晶表示パネル１２の下面
側から垂直に照射される。一方、この状態におけ
る液晶表示パネル１２にはその電極に比較的高い
電圧が印加されており、液晶表示パネル１２に対
してほぼ垂直方向（矢印ａ方向）から見た場合
が、最も表示が見易い。したがつて、このような
状態では、反射光の照射方向と、液晶表示パネル
１２の最も見易い方向とが一致するので、明るく
輝度むらがなく、良好に表示を見ることができ
る。

また、周囲の明るさに応じて液晶表示パネル１
２の輝度を調整する場合には、ケース１１の側面
に設けられた輝度調整ツマミ１３を回転操作すれ
ば良い。即ち、輝度調整ツマミ１３を回転させる
と、その外周に形成された歯部１３ａが移動機構
１５の移動台２０に設けられたラツク部２０ｂに
噛み合つているので、輝度調整ツマミ１３の回転
に伴なつて移動台２０がガイドレール１９，１９
に沿つて移動する。これと同時に、輝度調整ツマ
ミ１３の軸１３ｂも回転し、可変抵抗器１８の抵
抗値を変化させるので、液晶表示パネル１２の電
極に印加される電圧が変化し、表示の濃淡が変化
する。つまり、輝度調整ツマミ１３を操作して印
加電圧を下げると、液晶表示パネル１２の液晶分
子の長軸方向の角度が変わり、第４図Ｂに示すよ
うに、液晶表示パネル１２に対して垂直よりある
角度傾斜した方向（矢印ｂ方向）から見た場合に
最も表示が見易い。一方、この場合には、輝度調
整ツマミ１３に連動して移動機構１５の移動台２
０が移動し、これに伴なつて蛍光管１６が移動す
るとともに、反射板１７の湾曲状態が２本のガイ
ド軸２２，２２によりその左側の曲率が大きく、
右側の曲率が小さくなるように変化する。この結
果、反射板１７による反射光は第４図Ｂに示すよ
うに、液晶表示パネル１２に対してある程度傾い
た方向（ほぼ矢印ｂ方向と同じ方向）から照射す
る。そのため、このような状態でも、反射光の照
射方向と、液晶表示パネル１２の最も見易い方向
とがほぼ一致するので、明るく輝度むらがなく、
良好に表示を見ることができる。

さらに、輝度調整ツマミ１３を操作すると、液
晶表示パネル１２の電極に印加される電圧がさら
に低下し、表示の最も見易い方向がさらに傾き、
第４図Ｃに示すような矢印ｃ方向となる。一方、
移動機構１５は輝度調整ツマミ１２の回転操作に
伴なつてさらに右側へ移動し、第４図Ｃに示すよ
うに、蛍光管１６がさらに右側へ移動するととも
に、反射板１７の湾曲状態が上述した場合より
も、左側の曲率が大きく、右側の曲率が小さくな
るように変化する。この結果、反射光は上述した
場合よりも液晶表示パネル１２に対してさらに傾
く。したがつて、このような状態においても、反
射光の照射方向と、液晶表示パネル１２の最も見
易い方向とがほぼ一致するので、明るく輝度むら
がなく、良好に表示を見ることができる。

なお、上述した実施例では移動機構１５を輝度
調整ツマミ１３に連動させる手段として、歯部１
３ａとラツク部２０ｂとからなる歯車機構を用い
たが、この考案はこれに限らず、リンク機構、カ
ム機構等、他の伝達手段を用いても良いことは勿
論である。

また、この考案は上述したような液晶テレビジ
ヨンに限らず、ワードプロセツサ等の液晶表示パ
ネルを用いる電子機器に広く適用することができ
る。

［考案の効果］ 以上詳細に説明したように、この考案に係る液
晶表示パネルのバツクライト装置によれば、光源
の位置を前記液晶表示パネルと前記反射板の間
で、前記液晶パネルおよび前記反射板に対して相
対的に移動可能として、光の照射方向を表示の見
やすい位置に任意に設定できるようにしたので良
好に液晶表示パネルの表示を見ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図から第４図はこの考案の一実施例を示
し、第１図は液晶テレビジヨンの外観斜視図、第
２図はバツクライト装置の側面図、第３図はその
斜視図、第４図Ａ〜Ｃはその使用状態を示す図、
第５図ａ，ｂは従来例を示す図である。 １２……液晶表示パネル、１３……輝度調整ツ
マミ、１４……バツクライト装置、１５……移動
機構、１６……蛍光管、１７……反射板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 画像等の情報を表示する液晶表示パネルの裏面
   側に光源および反射板により光を照射する液晶表
   示パネルのバツクライト装置において、 前記光源の位置を前記液晶表示パネルと前記反
   射板の間で、前記液晶表示パネルおよび前記反射
   板に対して相対的に移動可能としたことを特徴と
   する液晶表示パネルのバツクライト装置。