JPH05209563A - 吸気音制御装置 - Google Patents

吸気音制御装置

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JPH05209563A
JPH05209563A JP4155024A JP15502492A JPH05209563A JP H05209563 A JPH05209563 A JP H05209563A JP 4155024 A JP4155024 A JP 4155024A JP 15502492 A JP15502492 A JP 15502492A JP H05209563 A JPH05209563 A JP H05209563A
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JP
Japan
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signal
engine
control
intake
intake sound
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Application number
JP4155024A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Tanaka
克幸 田中
Yasushi Ohara
康司 大原
Masanori Kato
正典 加藤
Tokio Kohama
時男 小浜
Yoshitaka Nishio
佳高 西尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 全回転域にわたり機関の吸気音を制御できる
吸気音制御装置を提供することにある。 【構成】 エンジン回転センサ1はエンジンの駆動に伴
う吸気音情報を採取し、コントローラ2は、採取された
吸気音情報により所望の次数比成分に相当する周波数を
有する信号を生成するとともに、その信号に対し位相制
御及び振幅制御を行い、エンジンの吸気音の伝播経路に
配置されたスピーカ3から制御音を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、吸気音制御装置に係
り、詳しくは、機関の吸気音に対し制御音を干渉させる
ことにより、吸気音を消音したり所望の特性を持つ音に
加工できる吸気音制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関の吸気騒音の低減を図る
ために、吸気系にレゾネータ等の消音器を設けることが
行われてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、容量が一定
のレゾネータでは消音可能な周波数域が一部の回転域に
限られており、エンジン回転に同期して発生する吸気音
に対して全回転域にわたって消音することは不可能であ
った。
【0004】この発明の目的は、全回転域にわたり機関
の吸気音を制御可能な吸気音制御装置を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、機関の駆動
に伴う吸気音情報を採取する吸気音情報採取手段と、前
記吸気音情報採取手段にて採取された吸気音情報により
所望の次数比成分に相当する周波数を有する信号を生成
する信号生成手段と、前記信号生成手段による信号に対
し位相制御及び振幅制御を行う信号加工手段と、前記機
関の吸気音の伝播経路に配置され、前記信号加工手段に
よる信号を入力してその信号に応じた制御音を発生する
制御音発生手段とを備えた吸気音制御装置をその要旨と
するものである。
【0006】
【作用】吸気音情報採取手段により機関の駆動に伴う吸
気音情報が採取され、信号生成手段がその吸気音情報に
より所望の次数比成分に相当する周波数を有する信号を
生成する。そして、信号加工手段は信号生成手段による
信号に対し位相制御及び振幅制御を行い、制御音発生手
段から機関の吸気音の伝播経路に制御音を発生する。
【0007】
【実施例】
(第1実施例)以下、本発明を具体化した一実施例を図
面に従って説明する。
【0008】図1にエンジン(内燃機関)の吸気音制御
装置のシステムブロック図を示す。吸気音制御装置はエ
ンジン回転センサ1とコントローラ2とスピーカ(制御
用アクチュエータ)3とから構成されている。エンジン
回転センサ1はエンジンのクランク軸の回転に応じたエ
ンジン回転信号(パルス信号)を出力する。尚、通常、
図2に示すように、電子制御式エンジンでは、エンジン
制御用ECU21(電子コントロールユニット)に回転
数情報を得るための回転センサからの信号あるいは負荷
情報を得るための信号が入力されているため、このエン
ジン制御用ECU21を用いることも可能である。そし
て、このエンジン制御用ECU21を用いる時には、波
形整形回路4の省略を可能とすることができる。
【0009】コントローラ2は波形整形回路4と逓倍回
路5とローパスフィルタ回路6と位相制御回路7と振幅
制御回路(増幅回路)8とCPU9とメモリ(記憶媒
体)10とから構成されている。波形整形回路4はエン
ジン回転センサ1からのエンジン回転信号を取り込み、
パルス信号の整形を行なう。波形整形回路4には逓倍回
路5が接続され、この逓倍回路5は波形整形回路4から
の信号に対し消音を図るターゲットの次数比によりその
逓倍数を変化させることができるようになっている。つ
まり、CPU9の指令により回転パルスの所定の整数倍
のパルス波形、即ち、消音を行なう制御次数比成分の信
号を生成する。
【0010】逓倍回路5にはローパスフィルタ回路6が
接続され、このローパスフィルタ回路6は逓倍回路5か
らの信号のうちの高調波成分をカットする波形整形を行
い、目的の次数成分の一次成分のみの波形(第1実施例
においては、サイン波に近い波形)に整形する。このロ
ーパスフィルタ回路6はCPU9の指令によりそのカッ
トオフ周波数を可変できるようになっている。又、この
カットオフ周波数は制御次数比及びエンジン回転数によ
り変化する。波形整形回路4と逓倍回路5とローパスフ
ィルタ回路6とにより、制御次数比成分の源信号が生成
される。
【0011】ローパスフィルタ回路6には位相制御回路
7が接続され、位相制御回路7はローパスフィルタ回路
6からの信号を位相制御して出力する。又、振幅制御回
路8は位相制御回路7からの信号の振幅を制御してスピ
ーカ3に出力する。この位相制御回路7及び振幅制御回
路8を通すことにより、消音するための信号が生成され
る。位相制御回路7および振幅制御回路8ともCPU9
により制御される。
【0012】又、このCPU9はエンジン回転数信号及
びエンジン負荷信号を入力して、エンジン回転数及びエ
ンジン負荷を検知するようになっている。メモリ10に
は位相制御回路7の位相量及び振幅制御回路8の振幅量
(増幅量)が予めマップ情報として記憶されている。こ
のマップ情報は図3に示すように、エンジン回転数及び
エンジン負荷の2つのパラメータに対応する信号の位相
量と振幅量のデータであり、このマップ情報は各々のエ
ンジンの吸気管系により異なる値を有するものである。
又、マップ情報は、任意の複数の回転次数比成分につい
て用意され、例えば、任意次数(1)には、2次の情
報、任意次数(2)には4次の情報というようになって
いる。
【0013】また、図10図に示されるように、スピー
カ3はエンジンの吸気管20系の所定の位置に設けられ
ている。即ち、エンジンの吸気音の伝播経路に配置され
ている。そして、スピーカ3は前記コントローラ2から
の信号に基づいて所定の次数比成分の制御音を発する。
尚、スピーカ3の代わりに、ピエゾ素子にて振動板を振
動させたり、コンプレッサにより振動板にて区画された
圧力制御室の圧力を変化させて振動板を振動させてもよ
い。さらには、振動板をレゾネータ内に設けて、振動板
の発生音を増強させたりすることにより、制御音を発生
してもよい。
【0014】また、コントローラ2内のCPU9および
メモリ10は、エンジン制御用ECU21にすでに内蔵
されている部品と共用することも可能である。次に、上
記のように構成された吸気音制御装置の作用を、図4の
フローチャートに基づいて説明する。
【0015】まず、CPU9はステップ100で任意の
次数比に設定するために、逓倍回路5の逓倍率を設定
し、ステップ101で制御次数比以外の高調波成分カッ
トのためにローパスフィルタ回路6のカットオフ周波数
を設定する。そして、CPU9はステップ102でエン
ジン回転数を取り込み、ステップ103でエンジン回転
数が図3のマップでの各回転領域を外れたか否かを判定
する。つまり、エンジン回転数が図3でのN1,N2,N3
…にて形成された領域から隣の領域に移行したか否か判
定する。そして、エンジン回転数がそれまでの回転領域
から外れると、CPU9はステップ104でその時点で
のエンジン回転数及びエンジン負荷により、メモリ10
のマップ情報にて位相量及び振幅量を算出する。CPU
9はこの算出された値に従い、ステップ105で位相制
御回路7の位相量を、ステップ106で振幅制御回路8
の振幅量を設定する。その後、CPU9は同様の処理を
繰り返し、吸気音の制御を実行する。
【0016】このようにして、任意の次数比成分の信号
波形をエンジン回転信号から生成することにより、回転
変動の影響を受けない効率のよい制御波形が得られる。
又、コントローラ2においてCPU9の制御により、逓
倍回路5の逓倍率を切り換えることにより任意の次数比
成分の制御波形を生成できる。さらに、メモリ10内に
収められている各種のマップ情報を利用し、任意のエン
ジン回転数での、任意の次数比信号の位相量及び振幅量
をリアルタイムに取り出すことが可能である。
【0017】さらには、位相制御回路7及び振幅制御回
路8を的確に操作して、急激な過渡応答制御にも対応可
能な効果的な吸気音制御を行うことができる。このよう
に本実施例では、エンジン回転センサ1(吸気音情報採
取手段)によりエンジンの駆動に伴う吸気音情報を採取
し、コントローラ2(信号生成手段及び信号加工手段)
は、採取された吸気音情報により所望の次数比成分に相
当する周波数を有する信号を生成するとともに、その信
号に対し位相制御及び振幅制御を行い、エンジンの吸気
音の伝播経路に配置されたスピーカ3(制御音発生手
段)から制御音を発生するようにした。その結果、全回
転域にわたりエンジンの吸気音を制御できる。
【0018】つまり、近年、車両の低騒音化が進むにつ
れて、車室内での静寂化が求められるようになってきて
いる。中でも、エンジンの急加速時に発生する異音等が
問題となっており、吸気騒音等の比較的低周波で車室内
に伝播し易い騒音の対策が必要となっている。ここで、
吸気騒音はエンジンの爆発に起因するもので、例えば4
気筒エンジンでは主に回転2次成分が大きなウェイトを
占めているとともに、エンジン負荷状態により、そのレ
ベルは大きく変化する。本実施例では、制御音の干渉に
より吸気騒音の低減化、さらには、リニア感の感じられ
る吸気音とするための音色制御を行なう制御システムが
構築できる。 (第2実施例)次に、第2実施例を、第1実施例と異な
る点を図5を用いて説明する。
【0019】本実施例は、複数の次数比成分について同
時に制御を行うため、逓倍回路5、ローパスフィルタ回
路6、位相制御回路7、振幅制御回路8を複数組用意
し、ミキサー30を用いてスピーカ3から制御音を発生
する。その結果、同時に複数の次数比の制御を行うこと
ができる。 (第3実施例)次に、第3実施例を第1実施例と異なる
点のみ説明する。
【0020】第1実施例ではマップ情報を用いて位相量
及び振幅量を制御したが、本実施例ではマップ情報を用
いた制御の他に、各々の吸気管系の特性を数式に表し、
CPU9により算出して制御を行なうものである。
【0021】吸気騒音はエンジンの爆発に起因する脈動
音であり、吸気管内を伝播して吸気口より発生している
と考えられる。ここで、吸気管のエンジンヘッド部(サ
ージタンクを含む)から、さらに詳しくは、吸気バルブ
の位置から、スピーカ3による吸気管内の制御点までの
距離をL(m)、エンジン回転数をNe(rpm)、制
御次数比成分をn、音速C(m/s)とすると、エンジ
ンの第1気筒のTDC信号を基準とする位相量θは次式
で表される
【0022】
【数1】θ=6・L・Ne・n/C+Kθ ただし Kθ;補正項 そして、この式にて位相量θを算出するとともに、振幅
量は第1実施例で説明したようにマップにより算出す
る。 (第4実施例)次に、第4実施例を第1実施例と異なる
点のみ説明する。
【0023】第1実施例ではマップにより選択されるエ
ンジン回転領域から外れると位相量及び振幅量をそれま
での値から変更していたが、本実施例は、マップでの選
択されるエンジン回転領域の中間回転数で制御量(位相
量及び振幅量)の補間を行いながらエンジン回転数の変
化に追従してより細やかに制御を行うものである。
【0024】つまり、補間を行うことによりエンジン回
転数の変化により鋭敏に追従できるものである。又、エ
ンジン回転数の変化が、所定の回転数幅を越えた時に位
相量及び振幅量を算出することにより、制御値の算出回
数を減少させ制御部の負担を軽くして制御部をエンジン
制御などの制御部と共用可能とするものである。
【0025】CPU9が実行するフローチャートを図6
に示す。まず、CPU9はステップ200でその時のエ
ンジン回転数Ni を取り込み、ステップ201で前回の
制御回転数No との差の絶対値を求め、所定値(回転数
変動幅)Na と比較する。そして、CPU9は|Ni −
No |がNa より大きければ、ステップ202でその時
のエンジン回転数Ni を制御回転数No として記憶し、
ステップ203でその回転数No に応じた位相量及び振
幅量を算出して、ステップ204で位相量及び振幅量を
設定する。ここで、エンジン回転数に応じた位相量及び
振幅量は、予め用意されたマップ情報や数式などより求
める。尚、このマップ情報や数式などは各々のエンジン
の吸気管路別に求められたものである。
【0026】このようにして、エンジン回転数に応じた
制御値の補間を行うとともにエンジン回転数の変化が所
定の変動幅を越えた時にエンジン回転数に追従して位相
量及び振幅量を変化させることにより、エンジンの回転
変動の影響を少なくしてエンジン回転数への追従性を保
ちながら制御値の算出回数が少ない、制御部の負担の軽
いアクティブ騒音制御を実現できることとなる。
【0027】又、本発明者らは、図7に示すように、実
験により急加速条件として2800rpmから5500
rpmを15秒程度で上昇させた場合の回転数変動幅と
消音量の関係を求めた。この図7において横軸には回転
数変動幅をとり、縦軸にはエンジンを搭載した車両にお
ける吸気管の先端開口部での消音量をとっている。そし
て、消音量が確実に20dB以上確保できる回転数変動
幅は10rpmとなる。この消音量20dBは、車両室
内の乗員が吸気音の消音効果が確認できる吸気管の先端
開口部での消音量である。
【0028】以上より、回転数変動幅(図4でのNa )
を10rpmとすることが望ましいことが判明した。 (第5実施例)次に、第5実施例を第1実施例と異なる
点のみ説明する。
【0029】第1実施例では複数の次数比成分の全回転
域にわたるマップ情報を用意していたが、本実施例は周
波数別での位相及び回転数別での特定次数の増幅を記憶
している。その結果、少ない情報で効率の良い音色制御
を実現するものである。
【0030】図8にはマップ情報を示し、横軸にエンジ
ン回転数NE をとり、縦軸に回転の次数比nをとり、任
意の回転数で、任意の次数比の制御信号の増幅度(振幅
量)はa倍であることを示すものである。例えば、エン
ジン回転数がNE1で、次数比がn1 である場合の増幅度
はa11倍であり、又、同じ次数比n1 で回転数NE2に変
化した場合は増幅度はa12倍に変化する。又、その間の
回転数では、例えば等比的に直線補間等がなされ、増幅
度aが算出されるものとする。
【0031】又、図9に次数比分析結果を示す。同図に
明らかなように、エンジン毎の吸気系ではその吸気音特
性に違いがあり、各次数比n1,n2,n3,…のピークが現
れるエンジン回転数も様々である。よって、各エンジン
回転数NE をみると、そのオーバーオールの値に影響を
与える次数比も、その時々の回転数によって違いのある
ことが図9より分かる。例えば、次数比がn1 の場合
は、回転数NE3付近にピークを持っており、n2 の場合
は回転数NEm-1付近にピークがあり、オーバーオールの
値に大きく影響を与えていることが分かる。よって、こ
れらの次数比成分を制御することにより、吸気騒音の制
御が可能となる。
【0032】この図9の次数比分析の結果を基に図8の
増幅量のマップ情報が得られている。ただし、図8のマ
ップで情報の入っていない箇所(図6においては「B」
で示す)は、その回転数で、その次数比の音は、オーバ
ーオールのレベルに寄与していない、あるいは音質に寄
与していないということを示すもので、その次数比成分
を制御しても、その時の吸気騒音には影響を与えないと
いうものである。従って、制御対象音は、複数次数比で
なく、単一のエンジン爆発次数回転数のみの場合もあ
り、その時にも、この方法により、マップ情報の間引き
が可能である。加えて、図6の増幅量の情報は、任意の
回転数の任意の次数比での全負荷状態での値である。そ
して、エンジン負荷は変動しているため、CPUは、そ
の時々の負荷の値を、電子制御式エンジンに見られるよ
うに、エンジン吸気の負圧の値や、スロット開度の値な
どから換算して、その算出された負荷値と全負荷値との
関係から、最終的な増幅量を決定する。
【0033】具体的には、図10に示すように、吸気騒
音は、スロットルバルブ開度が大きいほど、すなわち全
負荷の時に最大レベルになり、スロットルバルブ開度が
小さくなるにつれて、吸気騒音も小さくなっていく。こ
の結果から、図11に示すようなスロットルバルブ開度
αでの補正量w(即ち(任意の負荷時の音圧)/(全負
荷時の音圧))の値を表の情報として持ち、最終的な増
幅量を決定することになる。
【0034】さらに、スロットル開度が小さく、即ち、
吸気騒音が小さい時には、制御の必要がないこともあ
り、例えば全負荷時より音圧レベルが10dB下がった
時のスロットル開度より閉じ側では、制御せず、図11
の表を、簡略化するというようなことも可能である。
【0035】また、述べるまでもなく、以上の方法によ
り、図3のマップ情報で縦軸のエンジン負荷は図12の
如く全負荷だけにしておき、後で図11の表より係数を
かけるというやり方が可能になるということである。
【0036】以上が振幅量に関する制御方法である。次
に、もう一つの制御因子である位相量θについては、図
8と同様マップ情報として持たせても、もちろん良い
が、この例では、図13に示すように、任意の周波数f
での位相量θの値を表の情報として持っている。この場
合の周波数fは、回転数NE 及び次数比nから求められ
るもので、次式で表される。
【0037】
【数2】f=NE ・n/60 ただし、NE の単位はrpmであり、fの単位はHzと
する。
【0038】この場合の位相量θは、各々の吸気系で異
なる値を示すもので、吸気音はエンジン爆発に起因する
という考え方から、例えばエンジンの第1気筒のTDC
信号を基準とし、スピーカ3の設置場所で、各周波数f
の位相量θを求めるものである。これにより、各次数比
成分nでの位相量θのマップ情報を持たなくても、周波
数fでの情報を持つことにより、位相制御が可能とな
る。又、図8で振幅量制御が必要であると振幅量の情報
が書かれてある任意の回転数NE 及び次数比nが決定さ
れた場合に、(2)式を用いてfを求め、その時の位相
量を図13で求めることとなる。
【0039】これらの方法にて位相量及び振幅量を決定
することにより、全回転数域及び全負荷域での複数の次
数比成分の制御量をマップ情報として持つ方法に比べ
て、その情報量は格段に少なくて済むと共に、当然制御
に要するアクセス時間も低減され、より高速で高精度の
制御が可能となるものである。つまり、複数の次数比成
分の全回転域にわたるマップ情報に換え、周波数別での
位相制御情報及び回転数別での特定次数の増幅度情報を
記憶することにより、少ない情報で効率の良い吸気音制
御を実現することができる。 (第6実施例)次に、第6実施例を図14を用いて説明
する。
【0040】前記各実施例においてはエンジン回転セン
サ1によりエンジンの駆動に伴う吸気音情報を採取して
いたが、本実施例ではマイクロフォン11により直接、
吸気音を検出するものである。
【0041】マイクロフォン11はエンジンの吸気音を
検出する位置に配置され、吸気音を電気信号に変換す
る。このマイクロフォン11には可変型バンドパスフィ
ルタ12が接続され、同フィルタ12は通過領域を変更
できるものである。そして、可変型バンドパスフィルタ
12はマイクロフォン11からの信号のうちの設定帯域
の信号のみを通過させる。可変型バンドパスフィルタ1
2には位相制御回路13と振幅制御回路14とスピーカ
15とが順に接続されている。又、制御回路16はエン
ジン回転数信号を入力してエンジン回転数を検知する。
そして、制御回路16は前記(2)式を用いてエンジン
回転数と目標の次数から可変型バンドパスフィルタ12
の通過中心周波数を算出してその中心周波数に対して所
定の幅を持たせたものを可変型バンドパスフィルタ12
の通過領域として設定する。
【0042】本装置の作用は次のようになる。制御回路
16はエンジン回転数と目標の次数から可変型バンドパ
スフィルタ12の通過領域を設定する。そして、マイク
ロフォン11にてエンジンの吸気音が検出され、可変型
バンドパスフィルタ12にて所望の次数比成分の信号の
みを抽出して、位相制御回路13にて位相を制御すると
ともに振幅制御回路14にて振幅を制御してスピーカ1
5から制御音を発生する。
【0043】このように本実施例では、マイクロフォン
11(吸気音情報採取手段)にてエンジンの駆動に伴う
吸気音を採取し、可変型バンドパスフィルタ12及び制
御回路16(信号生成手段)にてマイクロフォン11に
よる吸気音から所望の次数比成分に相当する周波数を有
する信号を抽出し、位相制御回路13及び振幅制御回路
14(信号加工手段)にて位相制御及び振幅制御を行
い、スピーカ15(制御音発生手段)にて制御音を発生
するようにした。 (第7実施例)次に、第7実施例として、サイン波整形
について説明する。
【0044】上記実施例において、図1のローパス・フ
ィルタ回路6で高周波成分をカットすることで、サイン
波を整形することを述べたが、他の方法として、デュー
ティ比50の矩形波、あるいは三角波として、あらかじ
め整形してあれば、その波形と同一周期のサイン波との
形状の違いは一義的に決定されるため、それらの整形さ
れた整形波に同一周期のサイン波との差分を補正してや
ることでサイン波整形が可能となる。 (第8実施例)次に第8実施例として逓倍回路5とは別
の方法について説明する。
【0045】第8実施例では、エンジン回転数の代わり
に、クランク角信号を入力し、逓倍回路5の代わりに、
分周回路をもたせるやり方でも可能である。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
全回転域にわたり機関の吸気音を制御可能となる優れた
効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の吸気音制御装置の電気ブロック図
である。
【図2】本発明の概略構成図である。
【図3】マップを示す図である。
【図4】第1実施例のフローチャートである。
【図5】第2実施例の電気ブロック図である。
【図6】第2実施例のフローチャートである。
【図7】回転数変動幅と消音量との関係を示す図であ
る。
【図8】マップを示す図である。
【図9】エンジン回転数と音圧レベルとの関係を示す図
である。
【図10】スロットル開度と音圧レベルとの会計を示す
図である。
【図11】マップを示す図である。
【図12】第5実施例のエンジン負荷を示す説明図であ
る。
【図13】マップを示す図である。
【図14】第6実施例の吸気音制御装置の電気ブロック
図である。
【符号の説明】
1 吸気音情報採取手段としてのエンジン回転センサ 2 信号生成手段及び信号加工手段としてのコントロー
ラ 3 制御音発生手段としてのスピーカ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 正典 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 小浜 時男 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 西尾 佳高 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関の駆動に伴う吸気音情報を採取する
    吸気音情報採取手段と、 前記吸気音情報採取手段にて採取された吸気音情報によ
    り所望の次数比成分に相当する周波数を有する信号を生
    成する信号生成手段と、 前記信号生成手段による信号に対し位相制御及び振幅制
    御を行う信号加工手段と、 前記機関の吸気音の伝播経路に配置され、前記信号加工
    手段による信号を入力してその信号に応じた制御音を発
    生する制御音発生手段とを備えたことを特徴とする吸気
    音制御装置。
  2. 【請求項2】 前記吸気音情報採取手段は、機関の回転
    軸の回転に伴う信号を発生する回転センサであり、前記
    信号生成手段は、前記回転センサからの信号を逓倍する
    逓倍回路と、逓倍した信号のうちの高次数成分の信号を
    除去して所望の回転次数比成分に相当する1次の成分の
    みを取り出すローパスフィルタ回路を備えているもので
    ある請求項1に記載の吸気音制御装置。
  3. 【請求項3】 前記信号加工手段は、機関の回転数の変
    化を求め、この変化量が予め定めた値を越えると新しい
    位相量及び振幅量にて制御を行うものである請求項1に
    記載の吸気音制御装置。
  4. 【請求項4】 前記信号生成手段は、機関の回転数に応
    じた次数比を用いるものである請求項1に記載の吸気音
    制御装置。
  5. 【請求項5】 前記信号加工手段は、周波数別での位相
    量のデータと回転数別での特定次数比の振幅量のデータ
    を用いて制御を行うものである請求項1に記載の吸気音
    制御装置。
  6. 【請求項6】 前記信号加工手段の振幅制御は、機関の
    負荷情報に基づいて行うものである請求項1に記載の吸
    気音制御装置。
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