JPH05203616A - pH測定装置及びその校正方法 - Google Patents

pH測定装置及びその校正方法

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JPH05203616A
JPH05203616A JP4038675A JP3867592A JPH05203616A JP H05203616 A JPH05203616 A JP H05203616A JP 4038675 A JP4038675 A JP 4038675A JP 3867592 A JP3867592 A JP 3867592A JP H05203616 A JPH05203616 A JP H05203616A
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昌春 山里
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芳紀 柳田
Hiroko Konno
裕子 金野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属や金属酸化物をpH感応膜とするpH電
極の電極電位を短時間で簡単に安定化できるようにし、
校正操作を容易にする。 【構成】 測定終了後、pH電極30及び比較電極10
を装置本体に付属するアダプタ1内に収納し、その内部
に注入された比較電極10の内部液13と同一のpH
6.86の溶液15に電極30、10を浸漬する。ま
た、これら電極30及び10の電極プラグをpH端子2
及び比較端子3に接続し、スイッチ4をオンにしてpH
電極30と比較電極10とを短絡する。これによって、
pH電極30はその電極電位がすぐに元の状態に復帰
し、安定化される。一方、装置本体のpH端子と比較端
子を短絡し、メータの表示値をpH6.86に合わせ
る。これによって、1点目の校正が電気的に行なえるの
で、従来の面倒な校正操作をする必要がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶液のpHを測定するp
H測定装置及び該装置を校正する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、溶液のpH測定には水素
イオン選択性の感応膜を有するpH電極が使用され、そ
の代表的なものにガラスをpH感応膜とするガラス電極
がある。また、高温溶液等の特殊な溶液や特殊な用途に
おいては、白金等の金属や酸化チタン等の金属酸化物を
pH感応膜とするpH電極が使用されている。実際に溶
液のpHを測定する場合には、上記のpH電極を作用電
極とし、この作用電極を甘汞電極や銀−塩化銀電極等の
比較電極と共に測定すべき溶液(被測定溶液)に浸漬
し、両電極間の電位差から被測定溶液のpH値が求めら
れる。
【0003】ところで、被測定溶液のpHの測定には、
直接電位差測定方法が広く用いられており、pHの測定
に先立ち、pH電極を通常、pH6.86とpH4.0
1又はpH9.18の2つの標準液に浸漬し、2点校正
(場合によっては3点校正)を行なってから被測定溶液
のpHを測定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記校
正操作は甚だ煩雑で、面倒であり、かつ時間がかかると
いう欠点があった。
【0005】一方、上述の金属や金属酸化物をpH感応
膜として用いたpH電極は安定性の点で問題があり、例
えば金属酸化物のpH電極は濃度10-1〜100 Mのア
スコルビン酸、フェロシアン、フェリシアンといった共
存物質の影響を受けると電極電位がしばしば変動するこ
とがある。このように電極電位が変動すると、不斉電位
が大きくなるから、pH測定装置(pH計)での校正が
できなくなる。このため、電極電位が変動したpH電極
を元の電位状態に復帰させる必要があり、従来はpH一
定(例えばpH6.86)の標準液に元の電位状態に復
帰するまで浸漬していた。
【0006】しかしながら、pH電極が元の電位状態に
復帰するまでに通常は最短で10時間を必要とし、1日
(24時間)〜2日(48時間)かかるものも多数あっ
た。従って、その間はpH電極が使用できないので、極
めて効率が悪いという欠点があり、また、影響の受け方
によっては全く復帰しないこともあり、その場合には不
良品として廃棄せざるを得ないという欠点もあった。
【0007】従って、本発明の1つの目的は、金属や金
属酸化物をpH感応膜とするpH電極の電極電位を短時
間で簡単に安定化することができ、しかも校正操作が容
易になるpH測定装置を提供することである。
【0008】本発明の他の目的は、金属や金属酸化物を
pH感応膜とするpH電極を簡単かつ正確に、しかも短
時間で校正することができるpH測定装置の校正方法を
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
pH測定装置及びその校正方法によって達成される。要
約すれば、本発明は、金属酸化物又は金属をpH感応膜
とするpH電極と、該pH電極のpH感応膜と同じ金属
酸化物又は金属を内極として使用する比較電極と、前記
pH電極が接続されるpH端子及び前記比較電極が接続
される比較端子を備え、これら電極によって検出された
電位からpH値を計測し、そのpH値を指示する測定・
指示部とを具備するpH測定装置において、前記pH電
極及び比較電極を収納する収納部を有し、該収納部内に
前記比較電極の内部液と同一のpH一定の溶液を入れて
収納した両電極を該溶液に浸漬し、かつこれら電極を互
いに電気的に短絡させて前記pH電極の電極電位を安定
化させる手段を設けたことを特徴とするpH測定装置、
並びに、金属酸化物又は金属をpH感応膜とするpH電
極と、該pH電極のpH感応膜と同じ金属酸化物又は金
属を内極として使用する比較電極とを、互いに電気的に
短絡させた状態で、前記比較電極の内部液と同一のpH
一定の溶液中に浸漬し、装置本体のpH端子と比較端子
とを短絡させてpH表示値を前記比較電極の内部液のp
H値に合わせることを特徴とするpH測定装置の校正方
法である。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付図面を参
照して詳細に説明する。
【0011】図1は本発明によるpH測定装置の一実施
例を示す概略構成図であり、pH電極30及び比較電極
10が装置本体に付属するアダプタ1内に収納されてい
る状態を示す。このアダプタ1はその内部に比較電極1
0の内部液13と同一のpH一定の溶液15が注入され
ており、また、pH電極30のリード線31及び比較電
極10のリード線23の先端にそれぞれ取り付けられた
電極プラグ(図示せず)が差し込めるpH端子(入力ジ
ャック)2及び比較端子(入力ジャック)3を備えてい
る。これら端子間にはオン・オフスイッチ4が接続され
ており、スイッチ4をオンにすると、pH電極30と比
較電極10とが短絡できるように構成されている。
【0012】本実施例のpH電極30のpH感応膜及び
比較電極11の内極にはそれぞれ酸化イリジウムよりな
る金属酸化物が使用されている。本発明者達は金属酸化
物について種々の研究を行なった結果、化学的に安定で
フッ化水素酸を含む酸に侵されない、しかも膜抵抗値の
低い酸化イリジウムがpHに感応する事実を確認し、こ
の酸化イリジウム膜をpH感応膜とするpH電極及び酸
化イリジウム膜を内極とする比較電極を製造した。次
に、これら電極について説明する。
【0013】上記比較電極10は内筒11及び外筒12
にそれぞれジャンクション11a及び12aを有するダ
ブルジャンクション形のものが使用され、内筒11内の
内部液13中に浸漬された内極14に酸化イリジウムが
使用されている。この内極14は、図2に拡大して示す
ように、所定の形状及び寸法の導電性の電極支持体21
と、この支持体21の1つの面に、例えばスパッタリン
グによって製膜された酸化イリジウム膜22とから構成
され、電極支持体21が内筒11内に同軸的に配置され
た支持管体16の底面に形成された透孔中に液密状態に
取り付けられることによって、酸化イリジウム膜22は
内筒11内の内部液13中に完全に浸漬した状態で支持
されている。
【0014】電極支持体21は酸化イリジウム膜22の
支持体として機能するもので、アルミニウム、白金、タ
ンタル、チタン、イリジウムなど導電性を有するもので
あればどんな金属でも良いが、本実施例では細長い板状
体のタンタルの金属板が使用され、酸化イリジウム膜2
2が被着された以外の全表面は絶縁膜24で電気的に絶
縁されている。また、電極支持体21の内部液13と接
触しない上端部にはリード線23が電気的に接続され、
このリード線23は支持管体16内を通り、その先端に
取り付けられた電極プラグがアダプタ1の比較端子3に
差し込まれている。なお、溶液のpHを測定するときに
は、図示しない装置本体の測定処理回路の比較端子(入
力ジャック)に接続される。
【0015】なお、図2では酸化イリジウム膜22と電
極支持体21との間に絶縁膜24が存在しないが、電極
支持体21には初めにその全面に絶縁膜24が被着され
ており、酸化イリジウム膜22を、例えばスパッタリン
グ被着することによってその間にある絶縁膜が除去さ
れ、酸化イリジウム膜22は電極支持体21と電気的に
強固に接続される。従って、酸化イリジウム膜を形成す
る部分の絶縁膜を予め電極支持体21から除去しておく
必要はない。
【0016】また、電極支持体21として、例えばサフ
ァイヤ、ガラス、セラミックスなどの無機材料やポリ塩
化ビニル(PVC)、フッ素樹脂などのプラスチック材
料よりなる絶縁物の板状体を使用してもよい。この場合
には酸化イリジウム膜22の上部を支持管体16内に配
置し、リード線23を酸化イリジウム膜22の上端部に
接続することになる。一方、絶縁膜24としては、五酸
化タンタル(Ta2O5) 、アルミナ(Al2O3) 、二酸化ケイ素
(SiO2)、窒化ケイ素(Si3N4) などの絶縁性の酸化物、窒
化物とフッ素樹脂などのプラスチック材料が使用でき
る。絶縁膜24は自然酸化膜を利用しても良いし、スパ
ッタリング、CVDなどの真空薄膜製造技術、加熱酸
化、金属アルコキシドを材料としたディップコーティン
グ法などの製造方法を使用して形成しても良い。なお、
電極支持体21の形状や寸法は任意に選択できるもので
あり、例えば、棒状体、円筒及び角筒状体等の種々の形
状の支持体が使用できる。また、金属酸化物としては、
酸化イリジウムの他に、例えば酸化パラジウム、酸化チ
タンなどの金属酸化物が使用できる。勿論、比較電極1
0の内極14は任意の構成のものが使用できる。
【0017】上記酸化イリジウムのpH電極30は、図
3に拡大して示すように、所定の形状及び寸法の導電性
の電極支持体32と、この支持体32の1つの面に、例
えばスパッタリングによって製膜された酸化イリジウム
膜よりなるpH感応膜33とを含み、このpH感応膜3
3を支持する電極支持体32が、例えばガラスの支持管
34の底面に固着されることによって、pH感応膜33
は支持管34に支持される。本実施例では、電極支持体
32として直径2mm、厚さ0.2mmの白金の円板を
使用し、この白金円板に白金のリード線31を接続し、
このリード線31をpH電極30のガラスの支持管34
の端面に形成されたリード線挿通孔に挿通して白金円板
のリード線31が接続された面をガラス支持管34の端
面に接触させ、加熱して白金円板をガラス支持管34の
端面に融着させた。このときリード線挿通孔は閉塞さ
れ、リード線31はガラス支持管34の端面に封止され
た。次に、酸洗浄により十分に表面の酸化被膜を除去し
た後、白金円板の表面の中心部に直径1mmの円形の感
応膜形成部を残して、残りの部分をマスキングし、これ
をスパッタリング装置の成膜室に入れて、酸化性雰囲気
下でIrターゲットを電圧0.8KVにて100分間ス
パッタリングして酸化イリジウム膜を形成し、次いで、
この成膜された酸化イリジウム膜をマスキングし、アル
カリ性の溶液中に24時間浸漬して酸化イリジウム膜部
分を除く白金円板の全露出面に酸化膜(絶縁膜)35を
形成した。リード線31はガラス支持管34内を通り、
その先端に取り付けられた電極プラグがアダプタ1のp
H端子3に差し込まれている。なお、溶液のpHを測定
するときには、図示しない装置本体の測定処理回路のp
H端子(入力ジャック)に接続される。
【0018】また、他の例においては、電極支持体32
として厚さ0.5mm、直径4mmのタンタルの円板を
使用し、このタンタル円板の全面に自然酸化により形成
された五酸化タンタルの被膜を絶縁膜35とし、この絶
縁被膜を有するタンタル円板上にマスキング材を用いて
直径3mmの酸化イリジウム膜をスパッタリングにより
被着し、厚さ約1000ÅのpH感応膜33を形成し
た。
【0019】なお、図3では酸化イリジウムのpH感応
膜33と白金円板の電極支持体32との間に絶縁膜35
が存在しないが、電極支持体32には初めにその全面に
絶縁膜35が被着されており、酸化イリジウムの金属酸
化物膜を、例えばスパッタリング被着することによって
その間にある絶縁膜が除去され、金属酸化物膜は電極支
持体32と電気的に強固に接続される。従って、金属酸
化物膜を形成する部分の絶縁膜を予め電極支持体32か
ら除去しておく必要はない。
【0020】上記導電性の電極支持体32は金属酸化物
膜のpH感応膜33の支持体として機能するもので、ア
ルミニウム、白金、タンタル、チタン、イリジウムなど
導電性を有するものであればどんな金属でも良い。ま
た、絶縁膜35としては、五酸化タンタル(Ta2O5) 、ア
ルミナ(Al2O3) 、二酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(Si3
N4) などの絶縁性の酸化物、窒化物とフッ素樹脂などの
プラスチック材料が使用できる。絶縁膜35は自然酸化
膜を利用しても良いし、スパッタリング、CVDなどの
真空薄膜製造技術、加熱酸化、金属アルコキシドを材料
としたディップコーティング法などの製造方法を使用し
て形成しても良い。さらに、金属酸化物膜としては、酸
化イリジウム、酸化パラジウム、酸化チタンなどの金属
酸化物が使用でき、スパッタリング、CVDなどの真空
薄膜製造技術によって電極支持体32上に製膜される。
勿論、上記pH電極の構成、使用材料、製造方法等は単
なる例示であり、必要に応じて種々に変形、変更可能で
ある。
【0021】このように、比較電極10の内極14にも
pH電極30のpH感応膜33と同じ金属酸化物、本実
施例では酸化イリジウム、が使用されているときには、
比較電極10の内筒11内に注入されている内部液13
と同一のpH一定の溶液15をアダプタ1内に注入して
おき、pH電極30と比較電極10を浸漬しておく。こ
の場合、アダプタ1のスイッチ4はオンにし(スイッチ
4は常時オンにしておき、必要なときにオフにすると好
便である)、両電極30及び10を互いに電気的に短絡
しておく。本発明者達の実験によれば、pH6.86の
標準液である中性リン酸塩溶液での電極電位が320m
Vである酸化イリジウムのpH電極30と247mVの
比較電極10とを、この比較電極10の内筒11内の内
部液13と同一のpH一定の溶液15中に浸漬し、1時
間放置した。その後、このpH電極30を上記pH6.
86の中性リン酸塩溶液に浸漬してその電極電位を測定
したところ、比較電極10と同じ247mVであった。
このように、pH電極30と比較電極10とを互いに電
気的に短絡し、比較電極10の内筒11内の内部液13
と同一のpH一定の溶液15(内部液13としてpH
6.86の中性リン酸塩溶液を用いても良い)に1時間
浸漬させると、大幅に変動した酸化イリジウムのpH電
極30の電極電位が1時間という短時間で比較電極10
の電極電位とほぼ同じになり、ほぼ元の電位状態に復帰
し、安定化されることが分かった。また、1pH当りの
傾きも理論値と一致した。このように大幅に変動した酸
化イリジウムのpH電極の電位が短時間でほぼ元の状態
に復帰し、安定化するのは、酸化イリジウムが半導体金
属酸化物であるため、相互に電気的に短絡することで電
流が流れ、平衡状態になる作用が生ずるものと考えられ
る。
【0022】次に、上記構成の本実施例のpH測定装置
の動作について説明する。
【0023】まず、溶液のpHを測定するときには、装
置本体の測定処理回路のpH端子及び比較端子を短絡
し、メータ(アナログ又はディジタル)の表示値を比較
電極10の内部液13のpH値に合わせる。なお、通常
はpH電極30及び比較電極10のリード線31及び2
3の電極プラグを装置本体の測定処理回路のpH端子及
び比較端子からはずすと、これら端子は自動的に短絡さ
れるようになっているので、別個の短絡手段は設けなく
ても良い。これによって2点校正のうちの1点目の校正
が電気的校正で行なえることになる。即ち、1点目の校
正を行なう必要がなくなる。
【0024】例えば、比較電極10の内部液13がpH
6.86の溶液である場合には、同一のpH6.86の
溶液をアダプタ1内に注入し、測定が終了した後、pH
電極30と比較電極10をアダプタ1内に収納し、それ
らの電極プラグをアダプタ1のpH端子2及び比較端子
3に差し込み、スイッチ4をオンにして両電極を短絡し
ておく。これによって、pH電極30はその電極電位が
すぐに元の状態に復帰し、安定化される。一方、装置本
体のpH端子と比較端子を短絡し(上述したように、p
H電極30及び比較電極10の電極プラグを装置本体の
pH端子及び比較端子からはずすと、これら端子は自動
的に短絡されるので、実際には短絡されている)、メー
タの表示値をpH6.86に合わせる。これによって、
pH測定時に両電極30、10を校正液に浸漬し、装置
本体の測定処理回路に接続して校正操作をする必要なし
に、1点目の校正が完了したことになる。
【0025】次に、2点目の校正は両電極プラグを装置
本体の端子に差し込み、例えばpH4.01の溶液など
で通常のように校正すれば良い。電極プラグの抜き差し
が面倒であれば、装置本体のpH端子と比較端子を短絡
するスイッチを設け、校正時にこのスイッチをオンにす
れば良い。この場合には、アダプタ1にpH端子2、比
較端子3、スイッチ4を設けなくても良い。ただし、ア
ダプタ1は装置本体から取り外し可能に構成されている
ので、上述したように、アダプタ1にpH端子2、比較
端子3、スイッチ4を設けておけば、アダプタ1だけで
使用していないpH電極の電極電位を安定化でき、好便
である。
【0026】このように、本実施例によれば、1点目の
校正が不要になるから、直ちに2点目の校正操作が行な
え、校正操作が簡単化され、短時間で行なえるという利
点がある。特に、精度をさほど必要とせず、1点校正だ
けで十分な場合には、2点目の校正をする必要がないの
で、実質的に校正操作が不必要になるし、また、校正液
が比較電極10の内部液13だけで済むという利点があ
る。さらに、pH電極の電極電位が酸化剤、還元剤など
により大幅に変動した場合でも、従来は校正不能であっ
たが、本実施例によれば、pH電極の電位が短時間で復
帰し、安定化されるため、常時校正が可能になるという
利点もある。
【0027】図4は本発明の第2の実施例を示す概略構
成図であり、本発明をフローシステムに適用した場合を
示す。上記構成のpH電極30及び比較電極10はフロ
ー系40中に配置されており、これら電極30、10は
リード線31、23を通じて装置本体の測定処理回路4
1のpH端子42及び比較端子43に接続されている。
これら端子42、43間にはスイッチ44が接続されて
おり、選択的にこれら端子間を短絡できるようになって
いる。また、フロー系40には校正液45及び比較電極
10の内部液13と同一のpH一定の溶液46のいずれ
か一方がポンプ47により選択的にフローできるように
構成されている。
【0028】上記構成において、被測定溶液のpHを測
定する場合には、スイッチ44がオフにされ、フロー系
40に被測定溶液が流入され、pH電極30及び比較電
極10を通じて測定処理回路41に検出電位が供給さ
れ、被測定溶液のpHが測定される。一方、校正時には
スイッチ44がオンにされてpH電極30と比較電極1
0が短絡され、同時にポンプ47により比較電極10の
内部液13と同一の溶液46がフロー系40に供給され
る。必要ならば、測定処理回路41のメータを内部液1
3のpH値に合わせる。これによって、被測定溶液など
で変動したpH電極30の電極電位はすぐに元の状態に
復帰し、安定化されるから、次の測定を行なうことがで
きるようになる。
【0029】また、測定が連続的でなく、間欠的に行な
われる場合には、フロー系40に内部液13と同一の溶
液46を供給しておき、スイッチ44をオンにしてpH
電極30と比較電極10を短絡しておく。そして測定処
理回路41のメータを内部液13のpH値に合わせる。
このようにするとpH電極30は常時は安定化状態にあ
るから、測定時にフロー系40に被測定溶液を供給すれ
ば、直ちに測定が行なえることになる。
【0030】本実施例においても上記第1の実施例と同
様の作用効果が得られることは明白であるので、その説
明を省略する。
【0031】図5は本発明をpHコントロールシステム
に適用した本発明の第3の実施例を示す概略構成図であ
る。本実施例は、pHを制御すべきサンプル51のpH
値が既知であり、比較電極10の内部液13としてこの
pH既知のサンプル51を使用し、このサンプル51に
例えばpH制御用ノズル52によって試薬を添加した
り、或は電解などでpH値を制御する場合である。この
場合には、1点目の校正は従来通りpH一定の標準液で
行ない、2点目の校正は、図5(A)に示すように、サ
ンプル51のpHを制御する前にスイッチ44をオンに
してサンプル51中に浸漬したpH電極30と比較電極
10を短絡し、サンプル51のpH値を校正値として測
定処理回路41のメータを合わせる。これによって2点
目の校正が終了するから、測定時には、図5(B)に示
すように、スイッチ44をオフにし、例えばpH制御用
ノズル52を通じて試薬を添加することによってpH値
が制御されたサンプル51′のpH値を、校正の終了し
たpH電極30及び比較電極10により検出して測定処
理回路41で測定すれば良い。
【0032】本実施例においても、精度をさほど必要と
しない場合には、1点目の校正は省略できるので、校正
液が1種類で済み、しかも校正操作が非常に簡単になる
という利点がある。
【0033】図6は本発明の第4の実施例を示す概略構
成図であり、本実施例は、pHを制御すべきサンプル5
1のpH値が既知であり、比較電極10の内部液13と
してこのpH既知のサンプル51を使用し、比較電極1
0及びpH電極30が液絡部53を介して配置され、p
H電極30に供給されるサンプル51のpH値がpHコ
ントロール部54によって制御されるように構成された
pHコントロールシステムに適用した場合である。この
場合には、1点目の校正を通常のように行なった後、図
6(A)に示すように、スイッチ44をオンして比較電
極10とpH電極30を短絡し、2点目の校正を行な
う。勿論、比較電極10にはpH既知のサンプル51が
供給される。次に、測定時には、図6(B)に示すよう
に、スイッチ44をオフにし、pHコントロール部54
によってpH値が制御されたサンプル51′をpH電極
30に供給し、液絡部53を介して検出された電位を測
定処理回路41に送り、制御されたサンプル51′のp
H値を測定すれば良い。
【0034】本実施例においても、上記実施例と同様の
作用効果が得られることは明白であるので、その説明を
省略する。
【0035】上記各実施例では金属酸化物として酸化イ
リジウムを使用したが、類似する性質の他の金属酸化物
の場合にも上記実施例と同様の作用効果が期待できる。
また、金、銀、白金などの金属をpH感応膜とするpH
電極に対しても上述した本発明は適用でき、同様の作用
効果が期待できる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明で明白なように、本発明によ
れば、電極電位の変動した金属酸化物又は金属をpH感
応膜とするpH電極と、このpH電極のpH感応膜と同
じ金属酸化物又は金属を内極とした比較電極とを互いに
電気的に短絡させた状態で、比較電極の内部液と同じp
H一定の溶液に浸漬するようにしたので、pH電極の変
動した電極電位を、たとえ大幅に変動していても、短時
間でほぼ元の電位状態に復帰させ、安定化させることが
できる。従って、メータを比較電極の内部液のpH値に
合わせることによって1点目の校正が不要になるから、
直ちに2点目の校正操作が行なえ、校正操作が簡単化さ
れ、短時間で行なえる。特に、精度をさほど必要とせ
ず、1点校正だけで十分な場合には、2点目の校正をす
る必要がないので、実質的に校正操作が不必要になる
し、また、校正液が内部液1種類だけで済む。さらに、
pH電極の電極電位が酸化剤、還元剤などにより大幅に
変動した場合でも、その電極電位が短時間で復帰し、安
定化されるため、常時校正が可能になる等の多くの顕著
な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるpH測定装置の第1の実施例を示
す概略構成図である。
【図2】図1のpH測定装置で使用された比較電極の一
例を拡大して示す概略構成図である。
【図3】図1のpH測定装置で使用されたpH電極の一
例を拡大して示す概略構成図である。
【図4】本発明によるpH測定装置の第2の実施例を示
す概略構成図である。
【図5】本発明によるpH測定装置の第3の実施例を示
す概略構成図である。
【図6】本発明によるpH測定装置の第4の実施例を示
す概略構成図である。
【符号の説明】
1 アダプタ 2 pH端子 3 比較端子 4 スイッチ 10 比較電極 13 比較電極の内部液 14 比較電極の内極 15 比較電極の内部液と同一のpH一定
の溶液 21 電極支持体 22 酸化イリジウム膜 23 リード線 30 pH電極 31 リード線 32 電極支持体 33 酸化イリジウムのpH感応膜 40 フロー系 41 測定処理回路 42 pH端子 43 比較端子 44 スイッチ 46 比較電極の内部液と同一のpH一定
の溶液 51 pH値が既知のサンプル 51′ pH値が制御されたサンプル 52 pH制御用ノズル 53 液絡部 54 pHコントロール部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金野 裕子 埼玉県狭山市大字北入曽613番地 東亜電 波工業株式会社狭山工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物又は金属をpH感応膜とする
    pH電極と、該pH電極のpH感応膜と同じ金属酸化物
    又は金属を内極として使用する比較電極と、前記pH電
    極が接続されるpH端子及び前記比較電極が接続される
    比較端子を備え、これら電極によって検出された電位か
    らpH値を計測し、そのpH値を指示する測定・指示部
    とを具備するpH測定装置において、前記pH電極及び
    比較電極を収納する収納部を有し、該収納部内に前記比
    較電極の内部液と同一のpH一定の溶液を入れて収納し
    た両電極を該溶液に浸漬し、かつこれら電極を互いに電
    気的に短絡させて前記pH電極の電極電位を安定化させ
    る手段を設けたことを特徴とするpH測定装置。
  2. 【請求項2】 前記金属酸化物が、Ir、Pd、Pt、
    Sn、Rh、Ta、Os、Ru、W、Tiから選ばれた
    金属の酸化物であることを特徴とする請求項1のpH測
    定装置。
  3. 【請求項3】 前記金属酸化物が酸化イリジウムである
    ことを特徴とする請求項1のpH測定装置。
  4. 【請求項4】 金属酸化物又は金属をpH感応膜とする
    pH電極と、該pH電極のpH感応膜と同じ金属酸化物
    又は金属を内極として使用する比較電極とを、互いに電
    気的に短絡させた状態で、前記比較電極の内部液と同一
    のpH一定の溶液中に浸漬し、装置本体のpH端子と比
    較端子とを短絡させてpH表示値を前記比較電極の内部
    液のpH値に合わせることを特徴とするpH測定装置の
    校正方法。
  5. 【請求項5】 前記金属酸化物が、Ir、Pd、Pt、
    Sn、Rh、Ta、Os、Ru、W、Tiから選ばれた
    金属の酸化物であることを特徴とする請求項4の校正方
    法。
  6. 【請求項6】 前記金属酸化物が酸化イリジウムである
    ことを特徴とする請求項4の校正方法。
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