JPH05203411A - 回折格子を用いた位置ずれ量測定方法及びその装置 - Google Patents

回折格子を用いた位置ずれ量測定方法及びその装置

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JPH05203411A
JPH05203411A JP4012413A JP1241392A JPH05203411A JP H05203411 A JPH05203411 A JP H05203411A JP 4012413 A JP4012413 A JP 4012413A JP 1241392 A JP1241392 A JP 1241392A JP H05203411 A JPH05203411 A JP H05203411A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本願の位置ずれ測定方法は、2つの回折格子
に2波長の単色光を入射させて生じる2つの回折光を光
ヘテロダイン干渉させ、これらの干渉光を基に光ヘテロ
ダイン干渉ビート信号を発生させ、これらのビート信号
間の位相差の変化量を求め、回折格子の位置ずれ量を求
める。また装置は、2波長の単色光を発生する光源32
と、単色光を回折格子に入射させる光入射手段と、2つ
の光ヘテロダイン干渉合成回折光DL1,DL2を検出し
ビート信号HB1,HB2を発生させる光検出手段と、ビ
ート信号間の位相差を求め、回折格子間の位置ずれ量を
求める演算処理手段36とを具備する。 【効果】 回折格子の位置ずれ量を高精度で高安定かつ
容易に測定することができる。また、検出光学系の微小
揺らぎ、光路系の空気の温度、気圧等の変動の影響がな
く、マーク領域が小さくなり、2方向の位置ずれ量の測
定が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、IC、LSI
等の半導体を製造するための露光装置等において、形成
されたパタン間の重ね合せ精度を測定する際に好適に用
いられ、回折格子を測長基準尺とし、複数の回折格子に
より得られるそれぞれの回折光を光ヘテロダイン干渉さ
せて得られるビート信号の位相差により、回折格子間の
相対的な位置ずれ量を検出することができる回折格子を
用いた位置ずれ量の測定方法及びその装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、IC、LSI等の半導体
を製造するための露光装置等において、形成されたパタ
ン間の重ね合せ精度を測定する際に用いられる位置ずれ
量の測定方法としては、下記に述べる様々な方法が知ら
れている。第1の方法は、パターン線幅測定装置を用い
て被測定物に焼付けられた測定用のパターンの相互間の
位置ずれの大きさを測定することにより、相対的な位置
ずれ量を測定する方法である。また、第2の方法はバー
ニア方式といわれ、ピッチの異なる格子を被測定物たる
集積回路上に焼付けて丁度重なる格子の部分を読み取る
ことにより、相対的な位置ずれ量を測定する方法であ
る。また、第三の方法は抵抗測定法といわれ、被測定物
たる集積回路上に複数の細長い抵抗体と電極とを重ね合
せて形成し、これらの抵抗体の各値を比較することによ
り、相対的な位置ずれ量を測定する方法である。しかし
ながら、上述した第1の方法及び第2の方法では用いる
装置の精度により測定精度が決ってしまい、例えば、第
1の方法では高々0.01μm程度、また、第2の方法
では0.04μm程度の精度しか得られないという欠点
がある。また、第三の方法では高精度が得られる反面、
測定をするためにかなり複雑な測定装置を必要とし、演
算処理に長時間かかるという問題がある。
【0003】そこで、これらの欠点や問題点を解決する
方法として、回折格子を被測定物たるウエハ上に焼付
け、前記回折格子の回折光の位相差によりパターンの位
置ずれ量を測定する方法が提案されている。図8は、上
記の方法を適用した回折格子の位置ずれ量測定装置(以
下、位置ずれ測定装置と略称する)の一例を示す構成図
である(例えば、特開昭62−56818号公報参
照)。この位置ずれ測定装置1は、光源2、コリメータ
レンズ系3、ビームスプリッター(分路器)4、超音波
変調器(AOM)5,6、ミラー7,7,…、ステージ
8、対物レンズ9、絞り10、ハーフミラー11、光電
変換素子列12、位置ずれ検出制御回路13、接眼レン
ズ14から構成されている。ここで、光源2は、周波数
の異なる2波長のコヒーレントな単色光を出射するレー
ザ光源であり、光電変換素子列12は、フォトダイオー
ド(PD)またはアバランシェフォトダイオード(AP
D)からなる光電変換素子を複数個配列したものであ
る。そして、ステージ8上には位置ずれ量を測定すべき
ウエハ15が載置されている。
【0004】ウエハ15は、露光装置のマスク又はレチ
クル上に形成された2枚の露光パターンが表面に重ね焼
きされ、現像処理がなされたものである。このウエハ1
5には、図9に示す様に、2枚の露光パターンが焼付け
られる際に、これらの露光パターンの焼付け位置を表す
第1の回折格子G1(G11,G12)と第2の回折格子G2
(G21,G22)からなる回折格子Gが形成されている。
第1の回折格子G1(G11,G12)は、第1回目の露光
処理時に露光パターンと一緒に焼付けられたもので、各
格子エレメントg,g,…の配列方向がy軸方向と一致
し、かつ、各格子エレメントgの長手方向がx軸方向と
一致するように、各格子エレメントg,g,…がピッチ
(間隔)dで二列に配列されている。また、第2の回折
格子G2(G21,G22)は、前記第1の回折格子G1(G
11,G12)と同様の方法により第2回目の重ね合せ露光
処理により焼付けられたもので、第1の回折格子G11
12間に第2の回折格子G21が形成され、第1の回折格
子G12の外方(図中右方)に第2の回折格子G22が形成
されている。そして、これらの第2の回折格子G21,G
22においても、各格子エレメントg,g,…の配列方向
がy軸方向と一致し、かつ、各格子エレメントgの長手
方向がx軸方向と一致するように、各格子エレメント
g,g,…がピッチ(間隔)dで二列に配列されてい
る。
【0005】位置ずれ検出制御回路13は、図10に示
す様に、光電変換素子列12の各光電変換素子12a〜
12dに接続された複数のプリアンプ21a〜21d、
PLL回路22a〜22d、位相差検出回路(PHS)
23a〜23d、発信器(OSC1)24、発信器(O
SC2)25、周波数変換回路26、位置ずれ算定回路
27、表示装置28から構成されている。
【0006】次に、この位置ずれ測定装置1を用いてウ
エハ15の位置ずれ量を測定する方法について説明す
る。光源2から出射されたレーザ光Lは、コリメータレ
ンズ系3a,3bを通過しビームスプリッタ4に入射さ
れる。ビームスプリッタ4では、レーザ光Lを2つに分
波し、この分波された第1のレーザ光L1は超音波変調
器(AOM)5に、また第2のレーザ光L2はミラー7
により反射され超音波変調器(AOM)6にそれぞれ入
射される。
【0007】超音波変調器(AOM)5に入射された第
1のレーザ光L1は、発信器(OSC1)24及び周波
数変換回路26により電気的に生成された変調信号S1
により周波数f1だけシフト変調され、ミラー7,7に
より反射されながらウエハ15の回折格子G上に第1の
コヒーレント光LL1として照射される。一方、超音波
変調器(AOM)6に入射された第2のレーザ光L
2は、発信器(OSC1)25により電気的に生成され
た変調信号S2により周波数f2だけシフト変調され、ミ
ラー7,7により反射されながらウエハ15の回折格子
G上に第2のコヒーレント光LL2として照射される。
ここでは、回折格子Gにより発生された第1のコヒーレ
ント光LL1の1次回折光LF1の反射方向と第2のコヒ
ーレント光LL2の1次回折光LF2の反射方向とが一致
するように、かつ、その方向がウエハ14の表面に対し
てほぼ垂直方向となるように設定されている。回折格子
Gにより発生される1次回折光LF1,LF2は互いに干
渉し合い、対物レンズ9、絞り10を通過しさらにハー
フミラー11を通過した後に、光電変換素子列12に入
射する。この場合、一部の回折光はハーフミラー11に
より反射されるので、接眼レンズ14によりこの回折光
の干渉縞を観察することができる。
【0008】光電変換素子列12では、各光電変換素子
12a〜12dが第1の回折格子G11,G12及び第2の
回折格子G21,G22各々に対応しているので、第1の回
折格子G11,G12及び第2の回折格子G21,G22各々か
ら発生する回折光の干渉光を対応する光電変換素子12
a〜12dが検出し、周波数Δf1(=f1−f2)の4
つのビート信号S11〜S22を発生する。発生した4つの
ビート信号S11〜S22は、位置ずれ検出制御回路13に
送られる。位置ずれ検出制御回路13では、各光電変換
素子12a〜12dから出力されるビート信号S11〜S22
の位相をPLL回路22a〜22dによりそれぞれ位相ロ
ックすることによりノイズが除去された周波数Δf(=
0)の位相出力SF1〜SF4を得る。その後、位相差
検出回路(PHS)23a〜23dにより、これらの位
相出力SF1〜SF4の位相と、発信器24から得られる
基準周波数出力S0の位相とを比較し、それぞれの位相
差α,β,γ,δを求める。位置ずれ算定回路27で
は、これらの位相差α,β,γ,δを基に位置ずれ量Δ
yを、次式 Δy=(d/(4π))・((3β−3γ−α+δ)/4) … …(1) ただし、dは回折格子Gのピッチにより求め、この位置
ずれ量Δyを表示装置28により表示する。
【0009】ここで、第1の回折格子G11,G12及び第
2の回折格子G21,G22間にy軸方向の位置ずれがなけ
れば、第1の回折格子G11,G12の各格子エレメント
g,g,…と第2の回折格子G21,G22の各格子エレメ
ントg,g,…とがx軸方向の同一直線上に並んでいる
とみなされ、第1及び第2の露光パターンに位置ずれが
ないと判定される。これに対し、第1の回折格子G11
12及び第2の回折格子G21,G22間に位置ずれΔyが
あれば、第1の回折格子G11,G12の各格子エレメント
g,g,…と第2の回折格子G21,G22の各格子エレメ
ントg,g,…とはΔyだけy軸方向にずれているとみ
なされ、第1及び第2の露光パターンに位置ずれΔyが
あると判定される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した位
置ずれ測定装置1を用いる方法では、電子回路により発
生させた基準信号を用いて位相差を求めているために、
検出光学系の微小揺らぎや光路系の媒質である空気の温
度、気圧等の変動の影響を受けやすく、位相差信号が変
動し位置ずれ量の誤差要因となるという問題がある。ま
た、この方法では、光学系と回折格子との傾きの影響を
前記(1)式により消去しているために、位相差を検出
する4つの電子回路系の不安定性の他に相互の回路特性
の違いによる演算誤差を含みやすく、高精度で位置ずれ
量を求めることが難しいという問題がある。また、一方
向の位置ずれ量を検出するためには少なくとも4つの回
折格子が必要となり、位置ずれ検出用のマーク(回折格
子)を形成する領域が大きくなるという欠点もある。
【0011】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、上記の問題点や欠点を解決するとともに、
従来よりも高精度、高安定かつ容易に回折格子間の相対
的な位置ずれ量を検出することができる回折格子を用い
た位置ずれ量の測定方法及びその装置を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次の様な回折格子を用いた位置ずれ量測定
方法及びその装置を採用した。すなわち、請求項1記載
の回折格子を用いた位置ずれ量測定方法は、被測定物の
同一平面上に設けられた第1の回折格子及び第2の回折
格子各々に周波数の異なる2波長からなる単色光を入射
し、これらの回折格子から生じる2つの回折光を光ヘテ
ロダイン干渉させて2つの光ヘテロダイン干渉合成回折
光を発生させ、これらの光ヘテロダイン干渉合成回折光
を基に前記第1の回折格子及び第2の回折格子各々に対
応する光ヘテロダイン干渉ビート信号を発生させ、この
第1の光ヘテロダイン干渉ビート信号と第2の光ヘテロ
ダイン干渉ビート信号との間の位相差の変化量を求める
ことにより前記第1の回折格子に対する第2の回折格子
の位置ずれ量を求めることを特徴としている。
【0013】また、請求項2記載の回折格子を用いた位
置ずれ量測定方法は、請求項1記載の回折格子を用いた
位置ずれ量測定方法において、前記同一平面上に第3の
回折格子及び第4の回折格子を設け、これらの回折格子
各々に周波数の異なる2波長からなる単色光を入射し、
これらの回折格子から生じる2つの回折光を光ヘテロダ
イン干渉させて2つの光ヘテロダイン干渉合成回折光を
発生させ、これらの光ヘテロダイン干渉合成回折光を基
に前記第3の回折格子及び第4の回折格子各々に対応す
る光ヘテロダイン干渉ビート信号を発生させ、この第3
の光ヘテロダイン干渉ビート信号と第4の光ヘテロダイ
ン干渉ビート信号との間の位相差の変化量を求めて基準
値とし、前記第1の光ヘテロダイン干渉ビート信号と第
2の光ヘテロダイン干渉ビート信号との間の位相差の変
化量から前記基準値を差し引くことにより、前記第1の
回折格子に対する前記第2の回折格子の位置ずれ量を求
めることを特徴としている。
【0014】また、請求項3記載の回折格子を用いた位
置ずれ量測定方法は、請求項2記載の回折格子を用いた
位置ずれ量測定方法において、前記第2の回折格子ない
し第4の回折格子を用い、これらの回折格子各々に周波
数の異なる2波長からなる単色光を入射し、これらの回
折格子から生じる回折光を光ヘテロダイン干渉させて光
ヘテロダイン干渉合成回折光を発生させ、これらの光ヘ
テロダイン干渉合成回折光を基に前記第2の回折格子な
いし第4の回折格子各々に対応する光ヘテロダイン干渉
ビート信号を発生させ、この第3の光ヘテロダイン干渉
ビート信号と第4の光ヘテロダイン干渉ビート信号との
間の位相差の変化量を求めて基準値とし、前記第4の光
ヘテロダイン干渉ビート信号と第2の光ヘテロダイン干
渉ビート信号との間の位相差の変化量から前記基準値を
差し引くことにより、前記第4の回折格子に対する前記
第2の回折格子の位置ずれ量を求めることを特徴として
いる。
【0015】また、請求項4記載の回折格子を用いた位
置ずれ量測定方法は、請求項1,2または3記載の回折
格子を用いた位置ずれ量測定方法において、前記回折格
子は、2次元の回折格子からなることを特徴としてい
る。
【0016】また、請求項5記載の回折格子を用いた位
置ずれ量測定装置は、周波数の異なる2波長からなる単
色光を発生する光源と、当該光源から発せられた単色光
を、被測定物の同一平面上に設けられた第1の回折格子
及び第2の回折格子各々に入射させる光入射手段と、前
記第1の回折格子及び第2の回折格子各々から生じる2
つの回折光を光ヘテロダイン干渉させてなる2つの光ヘ
テロダイン干渉合成回折光を検出し、前記第1の回折格
子及び第2の回折格子各々に対応する光ヘテロダイン干
渉ビート信号を発生させる光検出手段と、前記第1の光
ヘテロダイン干渉ビート信号と第2の光ヘテロダイン干
渉ビート信号との間の位相差を求め、前記第1の回折格
子に対する第2の回折格子の位置ずれ量を求める演算処
理手段とを具備してなることを特徴としている。
【0017】また、請求項6記載の回折格子を用いた位
置ずれ量測定装置は、請求項5記載の回折格子を用いた
位置ずれ量測定装置において、前記光入射手段に、前記
光源が前記同一平面上に設けられた第1ないし第4の回
折格子に対して平行な状態を保ちつつ前記光源と前記第
1ないし第4の回折格子とを相対移動させる移動手段を
設け、前記演算処理手段は、前記第1の光ヘテロダイン
干渉ビート信号と第2の光ヘテロダイン干渉ビート信号
との間の位相差の変化量から第3の光ヘテロダイン干渉
ビート信号と第4の光ヘテロダイン干渉ビート信号との
間の位相差の変化量を差し引き、前記第1の回折格子に
対する前記第2の回折格子の位置ずれ量を求める手段を
具備してなることを特徴としている。
【0018】
【作用】本発明の請求項1記載の回折格子を用いた位置
ずれ量測定方法では、前記第1の回折格子及び第2の回
折格子各々から生じる2つの回折光を光ヘテロダイン干
渉させて2つの光ヘテロダイン干渉合成回折光を発生さ
せ、これらの干渉光を基に第1の光ヘテロダイン干渉ビ
ート信号と第2の光ヘテロダイン干渉ビート信号とを発
生させ、これらのビート信号間の位相差の変化量を求
め、前記第1の回折格子に対する第2の回折格子の位置
ずれ量を求める。これにより、高精度で高安定かつ容易
に回折格子間の相対的な位置ずれ量を測定する。
【0019】また、請求項2記載の回折格子を用いた位
置ずれ量測定方法では、前記同一平面上に第3の回折格
子及び第4の回折格子を設け、これらの回折格子から生
じる2つの回折光を光ヘテロダイン干渉させて2つの光
ヘテロダイン干渉合成回折光を発生させ、これらの干渉
光を基に前記第3の回折格子及び第4の回折格子各々に
対応する光ヘテロダイン干渉ビート信号を発生させ、こ
れらのビート信号間の位相差の変化量を基準値とし、前
記第1の光ヘテロダイン干渉ビート信号と第2の光ヘテ
ロダイン干渉ビート信号との間の位相差の変化量から前
記基準値を差し引く。これにより、検出光学系の微小揺
らぎ、光路系の空気の温度、気圧等の変動の影響がな
く、高精度、高安定かつ容易に回折格子間の相対的な位
置ずれ量を測定する。
【0020】また、請求項3記載の回折格子を用いた位
置ずれ量測定方法では、前記第2の回折格子ないし第4
の回折格子を用い、これらの回折格子から生じる回折光
を光ヘテロダイン干渉させて光ヘテロダイン干渉合成回
折光を発生させ、これらの干渉光を基に前記第2の回折
格子ないし第4の回折格子各々に対応する光ヘテロダイ
ン干渉ビート信号を発生させ、第3のビート信号と第4
のビート信号との間の位相差の変化量を求めて基準値と
し、前記第4のビート信号と第2のビート信号との間の
位相差の変化量から前記基準値を差し引くことにより、
前記第4の回折格子に対する前記第2の回折格子の位置
ずれ量を求める。これにより、検出光学系の微小揺ら
ぎ、光路系の空気の温度、気圧等の変動の影響がなく、
また基準値を採る必要がなくなり、高精度、高安定かつ
容易に回折格子間の相対的な位置ずれ量を測定する。
【0021】また、請求項4記載の回折格子を用いた位
置ずれ量測定方法では、前記回折格子を2次元の回折格
子とすることにより、マーク領域を小さくし、2方向の
位置ずれ量の測定を可能にする。
【0022】また、請求項5記載の回折格子を用いた位
置ずれ量測定装置では、光源が周波数の異なる2波長か
らなる単色光を発生し、光入射手段が該単色光を被測定
物の同一平面上に設けられた第1の回折格子及び第2の
回折格子各々に入射させる。また、光検出手段が前記回
折格子各々から生じる2つの回折光を光ヘテロダイン干
渉させてなる2つの光ヘテロダイン干渉合成回折光を検
出し、前記第1の回折格子及び第2の回折格子各々に対
応する光ヘテロダイン干渉ビート信号を発生させる。ま
た、演算処理手段が前記ビート信号間の位相差を求め、
前記第1の回折格子に対する第2の回折格子の位置ずれ
量を求める。これにより、高精度で高安定かつ容易な回
折格子間の相対的な位置ずれ量の測定が可能になる。
【0023】また、請求項6記載の回折格子を用いた位
置ずれ量測定装置では、前記光入射手段に設けられた移
動手段が、前記光源が前記同一平面上に設けられた第1
ないし第4の回折格子に対して平行な状態を保ちつつ前
記光源と前記第1ないし第4の回折格子とを相対移動さ
せ、前記演算処理手段が、前記第1の光ヘテロダイン干
渉ビート信号と第2の光ヘテロダイン干渉ビート信号と
の間の位相差の変化量から第3の光ヘテロダイン干渉ビ
ート信号と第4の光ヘテロダイン干渉ビート信号との間
の位相差の変化量を差し引き、前記第1の回折格子に対
する前記第2の回折格子の位置ずれ量を求める。これに
より、検出光学系の微小揺らぎ、光路系の空気の温度、
気圧等の変動の影響が低減され、高精度で高安定かつ容
易な回折格子間の相対的な位置ずれ量の測定が可能にな
る。
【0024】
【実施例】以下、本発明の各実施態様について説明す
る。 (第1実施例)図1は、本発明の第1実施例である回折
格子を用いた位置ずれ量測定装置(以下、位置ずれ測定
装置と略称する)31を示す概略構成図である。なお、
この位置ずれ測定装置31において、従来の位置ずれ測
定装置1と同一の構成要素については同一の符号を付
し、説明を省略する。
【0025】この位置ずれ測定装置31は、2波長直交
偏光レーザ光源(2波長レーザ光源)32、コリメータ
レンズ系3、偏光ビームスプリッター(分路器)33、
1/2波長板34、ミラー7,7,…、xyステージ3
5、対物レンズ9、絞り10、ハーフミラー11、光電
変換素子列12、信号処理制御部36から構成されてい
る。そして、xyステージ35上には位置ずれ量を測定
すべきウエハ37が載置されている。
【0026】ウエハ37は、露光装置のマスク又はレチ
クル上に形成された2枚の露光パターンが表面に重ね焼
きされ、現像処理がなされたものである。このウエハ3
7の中央部には、図2に示す様に、2枚の露光パターン
が焼付けられる際に、これらの露光パターンの焼付け位
置を表す第1の回折格子H1と第2の回折格子H2からな
る回折格子Hが形成されている。
【0027】第1の回折格子H1は、第1回目の露光処
理時に露光パターンと一緒に焼付けられたもので、各格
子エレメントh,h,…の配列方向がx軸方向と一致
し、かつ、各格子エレメントhの長手方向がy軸方向と
一致するように、各格子エレメントh,h,…がピッチ
(間隔)dで二列に配列されている。また、第2の回折
格子H2は、前記第1の回折格子H1と同様の方法により
第2回目の重ね合せ露光処理により焼付けられたもの
で、該第1の回折格子H1に対しy方向に所定間隔を保
って形成され、この第2の回折格子H2においても、各
格子エレメントh,h,…の配列方向がx軸方向と一致
し、かつ、各格子エレメントhの長手方向がy軸方向と
一致するように、各格子エレメントh,h,…がピッチ
(間隔)dで二列に配列されている。
【0028】次に、この位置ずれ測定装置31を用いて
ウエハ37の位置ずれ量を測定する方法について説明す
る。2波長レーザ光源32から出射したレーザ光PL
は、コリメータレンズ系3a,3bを通過した後、偏光
ビームスプリッター33により、それぞれ水平成分(p
偏光成分)、または垂直成分(s偏光成分)のみを有す
る直線偏光でしかも周波数がわずかに異なる2波長の光
に分離される。このうちp偏光成分からなる入射ビーム
光Lpは、1/2波長板34により偏光方向が回転さ
れ、ミラー7,7を介してxyステージ35上に設置さ
れたウエハ37の回折格子Hに該回折格子H面に垂直な
法線方向(Z方向)に対し一次回折角の方向から入射す
る。一方、s偏光成分からなる入射ビーム光Lsは、同
様に、ミラー7を介して回折格子H面に垂直な法線方向
(Z方向)に対し前記入射ビーム光Lpと対称の一次回
折角の方向から回折格子Hに入射する。
【0029】ここでは、第1の回折格子H1と第2の回
折格子H2が、2波長の各入射ビーム光Lp,Lsの同
一ビームスポット41内に入るようにウエハ37の位置
が設定されているので、第1の回折格子H1と第2の回
折格子H2に入射ビーム光Lp,Lsが入射されると、
第1の回折格子H1及び第2の回折格子H2各々からそれ
ぞれZ方向に2つの2波長の一次回折光の合成回折光、
すなわち第1の回折格子H1による入射ビーム光Lpの
−1次回折光と入射ビーム光Lsの−1次回折光との光
ヘテロダイン干渉合成回折光(合成光)LD1と、第2
の回折格子H2による入射ビーム光Lpの−1次回折光
と入射ビーム光Lsの−1次回折光との光ヘテロダイン
干渉合成回折光(合成光)LD2とが得られる。2つの
合成光LD1,LD2は、対物レンズ9、絞り10を通過
し光電変換素子列12において検出され、光ヘテロダイ
ン干渉ビート信号(ビート信号)HB1,HB2として信
号処理制御部36に入力される。
【0030】信号処理制御部36では、第1の回折格子
1及び第2の回折格子H2各々から得られるビート信号
HB1,HB2について、ビート信号HB1に対するビー
ト信号HB2の位相差Δφから第1の回折格子H1に対す
る第2の回折格子H2の位置ずれ量Δxを次式より求め
る。 Δφ=2π・2・Δx/d … …(2) この信号処理制御部36では、位置ずれ量Δxの値を表
示装置等を用いて表示することは極めて容易である。
【0031】ここで、x軸方向について、第1の回折格
子H1と第2の回折格子H2との間に位置ずれがなけれ
ば、第1の回折格子H1の各格子エレメントh,h,…
と第2の回折格子H2の各格子エレメントh,h,…と
がy軸方向の同一直線上に並んでいるとみなされ、第1
及び第2の露光パターンに位置ずれがないと判定され
る。これに対し、第1の回折格子H1と第2の回折格子
2との間に位置ずれΔxがあれば、第1の回折格子H1
の各格子エレメントh,h,…と第2の回折格子H2
各格子エレメントh,h,…とはΔxだけx軸方向にず
れているとみなされ、第1及び第2の露光パターンに位
置ずれΔxがあると判定される。
【0032】以上説明した様に、上記第1実施例の位置
ずれ測定方法によれば、直線偏光でしかも周波数がわず
かに異なる入射ビーム光Lp,Lsを回折格子Hに入射
し、第1の回折格子H1及び第2の回折格子H2各々に対
応する合成光LD1,LD2を発生させ、これらの合成光
LD1,LD2により得られるビート信号HB1,HB2
ビート信号HB1に対するビート信号HB2の位相差Δφ
を求め、第1の回折格子H1に対する第2の回折格子H2
の位置ずれ量Δxを求めることとしたので、第1の回折
格子H1に対する第2の回折格子H2の位置ずれ量Δxを
高精度で高安定かつ容易に測定することができる。
【0033】また、上記第1実施例の位置ずれ測定装置
31によれば、2波長レーザ光源32、コリメータレン
ズ系3、偏光ビームスプリッター33、1/2波長板3
4、ミラー7,7,…、xyステージ35、対物レンズ
9、絞り10、ハーフミラー11、光電変換素子列1
2、信号処理制御部36から構成されることとしたの
で、第1の回折格子H1に対する第2の回折格子H2の位
置ずれ量Δxの高精度、高安定かつ容易な測定ができ
る。
【0034】なお、上記実施例においては、2波長の単
色光光源として2波長レーザ光源32を用いたが、この
2波長レーザ光源32の他に、例えば、ブラッグセルな
どの音響光学素子を用いて発生させた2波長の単色光を
用いても同様の効果を得ることができる。この場合、音
響光学素子と半導体レーザを組合せることにより、2波
長単色光光源のコンパクト化が可能である。さらに、2
波長レーザ光の入射光学系に偏波面保存光ファイバ等の
光ファイバを用いて、位置ずれ検出光学系本体と2波長
単色光光源とを分離させ、両者を光ファイバで結合させ
る等の技術を適用させることにより、位置検出光学系を
さらにコンパクト化させることが可能である。
【0035】また、回折格子Hへの入射光の方向及び該
回折格子Hからの回折光の方向がこの回折格子H面に垂
直なyz平面に含まれる例について説明したが、回折格
子Hへの入射光の方向及び回折格子Hからの回折光の方
向として、回折格子H面に垂直なyz平面に含まれない
斜め入射及び斜め出射の2波長の回折光を光学的に合成
して光ヘテロダイン干渉ビート信号を検出するようにし
ても同様の効果を得ることができる。また、回折格子H
としては、吸収型回折格子、位相型回折格子のいずれを
用いてもよく、またバイナリー回折格子に限らず正弦波
状回折格子、フレーズ回折格子等、種々の回折格子を用
いることが可能である。
【0036】また、光ヘテロダイン干渉合成回折光とし
て1次回折光を用いた例について説明したが、一般に、
n次の回折光を用いても同様の効果を得ることができ
る。
【0037】さらにまた、上記の実施例においては、第
1の回折格子H1と第2の回折格子H2とをy軸の方向に
形成したものを用いているが、y軸に垂直なx軸の方向
にも同様の回折格子を形成し、x,yの2方向の位置ず
れ量Δx,Δyを検出できるように光学系をx,yの2
方向に設定することも可能である。
【0038】(第2実施例)図3は、本発明の第2実施
例である位置ずれ測定方法に用いられる回折格子HSを
示す構成図である。この回折格子HSは、上記第1実施
例のウエハ37の中央部に形成された回折格子Hと、該
ウエハ37の端部に形成された第3の回折格子H3と第
4の回折格子H4からなる回折格子H´とから構成され
ている。この回折格子H´は測定上の基準となる回折格
子で、第3の回折格子H3と第4の回折格子H4との配置
は、第1の回折格子H1と第2の回折格子H2との配置と
全く同一であり、各格子エレメントh,h,…の配列方
向がx軸方向と一致し、かつ、各格子エレメントhの長
手方向がy軸方向と一致するように、各格子エレメント
h,h,…がピッチ(間隔)dで二列に配列されてい
る。また、この回折格子H´は、第1回目の露光処理時
に第1の回折格子H1及び露光パターンと同時に焼付け
るか、または第2回目の重ね合せ露光処理時に第2の回
折格子H2及び露光パターンと同時に焼付けることによ
り形成される。
【0039】次に、この回折格子HSを用いてウエハ3
7の位置ずれ量を測定する方法について説明する。2波
長レーザ光源32から出射したレーザ光PLは偏光ビー
ムスプリッター33により2波長の光に分離され、入射
ビーム光Lpは回折格子HSに一次回折角の方向から入
射し、入射ビーム光Lsは回折格子HSに前記入射ビー
ム光Lpと対称の一次回折角の方向から入射する。ここ
では、xyステージ35を水平面上でx軸方向及びy軸
方向に移動させることにより、2波長レーザ光源32を
回折格子HSに対して平行な状態を保ちつつ回折格子H
Sを移動させるか、または、2波長レーザ光源32から
光電変換素子列12までを構成する光学系全体を回折格
子HSに対して平行な状態を保ちつつ該光学系全体を移
動させることにより、入射ビーム光Lp,Lsのビーム
スポット41内に回折格子H及び回折格子H´をそれぞ
れ設定する。
【0040】信号処理制御部36では、第1の回折格子
1及び第2の回折格子H2各々から得られるビート信号
HB1,HB2について、ビート信号HB1に対するビー
ト信号HB2の位相差Δφxと、第3の回折格子H3及び
第4の回折格子H4各々から得られるビート信号HB3
HB4について、ビート信号HB3に対するビート信号H
4の位相差Δφ0とから第1の回折格子H1に対する第
2の回折格子H2の位置ずれ量Δxを次式より求める。 Δφ=Δφx−Δφ0 =2π・2・Δx/d … …(3) ただし、Δφ0は、光学系のビームスポット41内の波
面歪と回折格子HSとの位置関係により生ずるオフセッ
ト量、またはxyステージ35の移動方向と回折格HS
の格子エレメントhの方向との回転ずれにより生ずる位
相差誤差である。また、(3)式において、Δφ0≒0
°の場合が第1実施例の場合である。
【0041】この位置ずれ測定方法によれば、検出光学
系の微小揺らぎ、光路系の空気の温度、気圧等の変動の
影響がなく、第1の回折格子H1に対する第2の回折格
子H2の位置ずれ量Δxを高精度で高安定かつ容易に測
定することができる。また、この位置ずれ測定装置によ
れば、検出光学系の微小揺らぎ、光路系の空気の温度、
気圧等の変動の影響を除去することができ、第1の回折
格子H1に対する第2の回折格子H2の位置ずれ量Δxの
高精度で高安定かつ容易な測定が可能になる。しかも、
回折格子H´を測定上の基準としたので、ビームスポッ
ト41内の波面歪を高精度化することができ、xyステ
ージ35の移動方向に対し回転ずれなく回折格子を設定
することができる。
【0042】(第3実施例)図4は、本発明の第2実施
例の回折格子HSを変形したものである。この回折格子
HTは、第2の回折格子H2、第4の回折格子H4、第3
の回折格子H3をy軸方向に配列したもので、第1の回
折格子H1と第4の回折格子H4を共通化し、第3の回折
格子H3と第4の回折格子H4を第1回目の露光処理時に
露光パターンと同時に焼付けたものである。この回折格
子HTを用いて第4の回折格子H4に対する第2の回折
格子H2の位置ずれ量Δxを求めることができ、したが
って、前記第2実施例と同様の作用・効果を奏すること
ができる。
【0043】(第4実施例)図5は、本発明の第1実施
例の回折格子Hを二次元回折格子Jに置き換えたもので
ある。この二次元回折格子Jは、位置ずれ検出光学系と
してx方向、y方向の2チャンネルの光学系により、x
方向、y方向の位置ずれ量Δx,Δyを測定するもの
で、複数の矩形状の格子エレメントj,j,…が縦横に
配列された第1の二次元回折格子J1と、該第1の二次
元回折格子J1の−x方向及びy方向それぞれに形成さ
れこの第1の二次元回折格子J1と同様の構成要素から
なる2つの第2の二次元回折格子J2,J3とから構成さ
れ、これらは露光処理時に露光パターンと同時に焼付け
られて形成される。ここでは、x方向検出用のビームス
ポット51内に第1の二次元回折格子J1及び第2の二
次元回折格子J2が設定され、また、x方向検出用光学
系と同様の構成からなるy方向検出用のビームスポット
52内に第1の二次元回折格子J1及び第2の二次元回
折格子J3が設定されている。
【0044】前記第1の二次元回折格子J1及び第2の
二次元回折格子J2を用いて位置ずれ量Δxを、また、
第1の二次元回折格子J1及び第2の二次元回折格子J3
を用いて位置ずれ量Δyを、それぞれ求めることがで
き、したがって、2方向の位置ずれ量を測定することが
できる。
【0045】(第5実施例)図6の二次元回折格子JT
は、本発明の第4実施例の二次元回折格子Jの第2の二
次元回折格子J2,J3各々を一次元回折格子H5,H6
置き換えたものである。この第5実施例においても、前
記第4実施例と同様の作用・効果を奏することができ
る。
【0046】(第6実施例)図7の二次元回折格子JV
は、本発明の第4実施例の二次元回折格子Jに基準とな
る二次元回折格子J4を付加したもので、位置ずれ検出
光学系としてx方向、y方向の2チャンネルの光学系に
より、x方向、y方向の位置ずれ量Δx,Δyを測定す
るものである。基準二次元回折格子J4は、第2の二次
元回折格子J2,J3に対して位置ずれのない基準回折格
子群を形成しており、これらの第2の二次元回折格子J
2,J3及び基準二次元回折格子J4は、同一の露光時に
形成される。
【0047】前記基準二次元回折格子J4と第2の二次
元回折格子J3とにより、x方向のオフセット量Δφ0x
を測定することができ、このオフセット量Δφ0xと、第
2の二次元回折格子J2と第1の二次元回折格子J1との
位相差検出値Δφxから、式(4)によりx方向の位置
ずれ量Δxを求めることができる。 Δφx−Δφ0x=2π・2・Δx/d … …(4) また、基準二次元回折格子J4と第2の二次元回折格子
2とにより、y方向のオフセット量Δφ0yを測定する
ことができ、このオフセット量Δφ0yと、第2の二次元
回折格子J3と第1の二次元回折格子J1との位相差検出
値Δφyから、式(5)によりy方向の位置ずれ量Δy
を求めることができる。 Δφy−Δφ0y=2π・2・Δy/d … …(5)
【0048】この二次元回折格子JVを用いることによ
り、位置ずれ量Δx、Δyを求めることができ、したが
って、2方向の位置ずれ量を測定することができる。
【0049】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の請
求項1記載の回折格子を用いた位置ずれ量測定方法によ
れば、被測定物の同一平面上に設けられた第1の回折格
子及び第2の回折格子各々に周波数の異なる2波長から
なる単色光を入射し、これらの回折格子から生じる2つ
の回折光を光ヘテロダイン干渉させて2つの光ヘテロダ
イン干渉合成回折光を発生させ、これらの光ヘテロダイ
ン干渉合成回折光を基に前記第1の回折格子及び第2の
回折格子各々に対応する光ヘテロダイン干渉ビート信号
を発生させ、この第1の光ヘテロダイン干渉ビート信号
と第2の光ヘテロダイン干渉ビート信号との間の位相差
の変化量を求めることにより前記第1の回折格子に対す
る第2の回折格子の位置ずれ量を求めることとしたの
で、第1の回折格子に対する第2の回折格子の位置ずれ
量を高精度で高安定かつ容易に測定することができる。
【0050】また、請求項2記載の回折格子を用いた位
置ずれ量測定方法によれば、請求項1記載の回折格子を
用いた位置ずれ量測定方法において、前記同一平面上に
第3の回折格子及び第4の回折格子を設け、これらの回
折格子各々に周波数の異なる2波長からなる単色光を入
射し、これらの回折格子から生じる2つの回折光を光ヘ
テロダイン干渉させて2つの光ヘテロダイン干渉合成回
折光を発生させ、これらの光ヘテロダイン干渉合成回折
光を基に前記第3の回折格子及び第4の回折格子各々に
対応する光ヘテロダイン干渉ビート信号を発生させ、こ
の第3の光ヘテロダイン干渉ビート信号と第4の光ヘテ
ロダイン干渉ビート信号との間の位相差の変化量を求め
て基準値とし、前記第1の光ヘテロダイン干渉ビート信
号と第2の光ヘテロダイン干渉ビート信号との間の位相
差の変化量から前記基準値を差し引くことにより、前記
第1の回折格子に対する前記第2の回折格子の位置ずれ
量を求めることとしたので、検出光学系の微小揺らぎ、
光路系の空気の温度、気圧等の変動の影響がなく、高精
度で高安定かつ容易に回折格子間の相対的な位置ずれ量
を測定することができる。
【0051】また、請求項3記載の回折格子を用いた位
置ずれ量測定方法によれば、請求項2記載の回折格子を
用いた位置ずれ量測定方法において、前記第2の回折格
子ないし第4の回折格子を用い、これらの回折格子各々
に周波数の異なる2波長からなる単色光を入射し、これ
らの回折格子から生じる回折光を光ヘテロダイン干渉さ
せて光ヘテロダイン干渉合成回折光を発生させ、これら
の光ヘテロダイン干渉合成回折光を基に前記第2の回折
格子ないし第4の回折格子各々に対応する光ヘテロダイ
ン干渉ビート信号を発生させ、この第3の光ヘテロダイ
ン干渉ビート信号と第4の光ヘテロダイン干渉ビート信
号との間の位相差の変化量を求めて基準値とし、前記第
4の光ヘテロダイン干渉ビート信号と第2の光ヘテロダ
イン干渉ビート信号との間の位相差の変化量から前記基
準値を差し引くことにより、前記第4の回折格子に対す
る前記第2の回折格子の位置ずれ量を求めることとした
ので、検出光学系の微小揺らぎ、光路系の空気の温度、
気圧等の変動の影響がなく、また基準値を採る必要もな
く、高精度で高安定かつ容易に回折格子間の相対的な位
置ずれ量を測定することができる。
【0052】また、請求項4記載の回折格子を用いた位
置ずれ量測定方法によれば、請求項1,2または3記載
の回折格子を用いた位置ずれ量測定方法において、前記
回折格子は、2次元の回折格子からなることとしたの
で、マーク領域を小さくすることができ、2方向の位置
ずれ量を測定することができる。
【0053】また、請求項5記載の回折格子を用いた位
置ずれ量測定装置によれば、周波数の異なる2波長から
なる単色光を発生する光源と、当該光源から発せられた
単色光を、被測定物の同一平面上に設けられた第1の回
折格子及び第2の回折格子各々に入射させる光入射手段
と、前記第1の回折格子及び第2の回折格子各々から生
じる2つの回折光を光ヘテロダイン干渉させてなる2つ
の光ヘテロダイン干渉合成回折光を検出し、前記第1の
回折格子及び第2の回折格子各々に対応する光ヘテロダ
イン干渉ビート信号を発生させる光検出手段と、前記第
1の光ヘテロダイン干渉ビート信号と第2の光ヘテロダ
イン干渉ビート信号との間の位相差を求め、前記第1の
回折格子に対する第2の回折格子の位置ずれ量を求める
演算処理手段とを具備してなることとしたので、高精
度、高安定かつ容易な回折格子間の相対的な位置ずれ量
の測定を可能にすることができる。
【0054】また、請求項6記載の回折格子を用いた位
置ずれ量測定装置によれば、請求項5記載の回折格子を
用いた位置ずれ量測定装置において、前記光入射手段
に、前記光源が前記同一平面上に設けられた第1ないし
第4の回折格子に対して平行な状態を保ちつつ前記光源
と前記第1ないし第4の回折格子とを相対移動させる移
動手段を設け、前記演算処理手段は、前記第1の光ヘテ
ロダイン干渉ビート信号と第2の光ヘテロダイン干渉ビ
ート信号との間の位相差の変化量から第3の光ヘテロダ
イン干渉ビート信号と第4の光ヘテロダイン干渉ビート
信号との間の位相差の変化量を差し引き、前記第1の回
折格子に対する前記第2の回折格子の位置ずれ量を求め
る手段を具備してなることとしたので、検出光学系の微
小揺らぎ、光路系の空気の温度、気圧等の変動の影響を
低減することができ、高精度、高安定かつ容易な回折格
子間の相対的な位置ずれ量の測定を可能にすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の回折格子を用いた位置ず
れ量測定装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施例の回折格子を示す斜視図で
ある。
【図3】本発明の第2実施例の回折格子を示す斜視図で
ある。
【図4】本発明の第3実施例の回折格子を示す斜視図で
ある。
【図5】本発明の第4実施例の二次元回折格子を示す斜
視図である。
【図6】本発明の第5実施例の二次元回折格子を示す斜
視図である。
【図7】本発明の第6実施例の二次元回折格子を示す斜
視図である。
【図8】従来の位置ずれ量測定装置を示す概略構成図で
ある。
【図9】従来の回折格子を示す平面図である。
【図10】従来の位置ずれ量測定装置の位置ずれ検出制
御回路を示すブロック図である。
【符号の説明】
31 回折格子を用いた位置ずれ量測定装置 32 2波長直交偏光レーザ光源 3 コリメータレンズ系 33 偏光ビームスプリッター(分路器) 34 1/2波長板 7 ミラー 35 xyステージ 9 対物レンズ 10 絞り 11 ハーフミラー 12 光電変換素子列 36 信号処理制御部 37 ウエハ 41,51,52 ビームスポット H,H´,HS 回折格子 H1 第1の回折格子 H2 第2の回折格子 H3 第3の回折格子 H4 第4の回折格子 H5,H6 回折格子 h 格子エレメント J,JT,JV 二次元回折格子 J1 第1の二次元回折格子 J2,J3 第2の二次元回折格子 J4 基準二次元回折格子 j 格子エレメント d ピッチ(間隔) PL レーザ光 Lp,Ls 入射ビーム光 LD1,LD2 光ヘテロダイン干渉合成回折光 HB1,HB2 光ヘテロダイン干渉ビート信号 Δx,Δy 位置ずれ量

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物の同一平面上に設けられた第1
    の回折格子及び第2の回折格子各々に周波数の異なる2
    波長からなる単色光を入射し、これらの回折格子から生
    じる2つの回折光を光ヘテロダイン干渉させて2つの光
    ヘテロダイン干渉合成回折光を発生させ、これらの光ヘ
    テロダイン干渉合成回折光を基に前記第1の回折格子及
    び第2の回折格子各々に対応する光ヘテロダイン干渉ビ
    ート信号を発生させ、この第1の光ヘテロダイン干渉ビ
    ート信号と第2の光ヘテロダイン干渉ビート信号との間
    の位相差の変化量を求めることにより前記第1の回折格
    子に対する第2の回折格子の位置ずれ量を求めることを
    特徴とする回折格子を用いた位置ずれ量測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の回折格子を用いた位置ず
    れ量測定方法において、 前記同一平面上に第3の回折格子及び第4の回折格子を
    設け、これらの回折格子各々に周波数の異なる2波長か
    らなる単色光を入射し、これらの回折格子から生じる2
    つの回折光を光ヘテロダイン干渉させて2つの光ヘテロ
    ダイン干渉合成回折光を発生させ、これらの光ヘテロダ
    イン干渉合成回折光を基に前記第3の回折格子及び第4
    の回折格子各々に対応する光ヘテロダイン干渉ビート信
    号を発生させ、この第3の光ヘテロダイン干渉ビート信
    号と第4の光ヘテロダイン干渉ビート信号との間の位相
    差の変化量を求めて基準値とし、前記第1の光ヘテロダ
    イン干渉ビート信号と第2の光ヘテロダイン干渉ビート
    信号との間の位相差の変化量から前記基準値を差し引く
    ことにより、前記第1の回折格子に対する前記第2の回
    折格子の位置ずれ量を求めることを特徴とする回折格子
    を用いた位置ずれ量測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の回折格子を用いた位置ず
    れ量測定方法において、 前記第2の回折格子ないし第4の回折格子を用い、これ
    らの回折格子各々に周波数の異なる2波長からなる単色
    光を入射し、これらの回折格子から生じる回折光を光ヘ
    テロダイン干渉させて光ヘテロダイン干渉合成回折光を
    発生させ、これらの光ヘテロダイン干渉合成回折光を基
    に前記第2の回折格子ないし第4の回折格子各々に対応
    する光ヘテロダイン干渉ビート信号を発生させ、この第
    3の光ヘテロダイン干渉ビート信号と第4の光ヘテロダ
    イン干渉ビート信号との間の位相差の変化量を求めて基
    準値とし、前記第4の光ヘテロダイン干渉ビート信号と
    第2の光ヘテロダイン干渉ビート信号との間の位相差の
    変化量から前記基準値を差し引くことにより、前記第4
    の回折格子に対する前記第2の回折格子の位置ずれ量を
    求めることを特徴とする回折格子を用いた位置ずれ量測
    定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3記載の回折格子を
    用いた位置ずれ量測定方法において、 前記回折格子は、2次元の回折格子からなることを特徴
    とする回折格子を用いた位置ずれ量測定方法。
  5. 【請求項5】 周波数の異なる2波長からなる単色光を
    発生する光源と、 当該光源から発せられた単色光を、被測定物の同一平面
    上に設けられた第1の回折格子及び第2の回折格子各々
    に入射させる光入射手段と、 前記第1の回折格子及び第2の回折格子各々から生じる
    2つの回折光を光ヘテロダイン干渉させてなる2つの光
    ヘテロダイン干渉合成回折光を検出し、前記第1の回折
    格子及び第2の回折格子各々に対応する光ヘテロダイン
    干渉ビート信号を発生させる光検出手段と、 前記第1の光ヘテロダイン干渉ビート信号と第2の光ヘ
    テロダイン干渉ビート信号との間の位相差を求め、前記
    第1の回折格子に対する第2の回折格子の位置ずれ量を
    求める演算処理手段とを具備してなることを特徴とする
    回折格子を用いた位置ずれ量測定装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の回折格子を用いた位置ず
    れ量測定装置において、 前記光入射手段に、前記光源が前記同一平面上に設けら
    れた第1ないし第4の回折格子に対して平行な状態を保
    ちつつ前記光源と前記第1ないし第4の回折格子とを相
    対移動させる移動手段を設け、 前記演算処理手段は、前記第1の光ヘテロダイン干渉ビ
    ート信号と第2の光ヘテロダイン干渉ビート信号との間
    の位相差の変化量から第3の光ヘテロダイン干渉ビート
    信号と第4の光ヘテロダイン干渉ビート信号との間の位
    相差の変化量を差し引き、前記第1の回折格子に対する
    前記第2の回折格子の位置ずれ量を求める手段を具備し
    てなることを特徴とする回折格子を用いた位置ずれ量測
    定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5585923A (en) * 1992-11-14 1996-12-17 Canon Kabushiki Kaisha Method and apparatus for measuring positional deviation while correcting an error on the basis of the error detection by an error detecting means
JP2010532466A (ja) * 2007-06-19 2010-10-07 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー ウェブの位置を表示するためのシステム及び方法

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