JPH05202366A - 石油系炭化水素の接触分解法 - Google Patents
石油系炭化水素の接触分解法Info
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- JPH05202366A JPH05202366A JP4182851A JP18285192A JPH05202366A JP H05202366 A JPH05202366 A JP H05202366A JP 4182851 A JP4182851 A JP 4182851A JP 18285192 A JP18285192 A JP 18285192A JP H05202366 A JPH05202366 A JP H05202366A
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- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐水熱性に優れ、触媒再生条件等の高温時に
おけるスチーミング処理によっても活性低下等の触媒機
能の低下が著しく少なくて、繰り返し安定に使用するこ
とができ、しかも、過分解による分解ガス及びコークの
生成が少なくて、より付加価値の高い中間留分の収率が
高い触媒を用いて、比較的高沸点留分の炭化水素油から
ガソリン留分(FG)と軽質循環油(LCO)を高収率
で得る石油系炭化水素を接触分解法を提供する。 【構成】 石油系炭化水素を接触分解するにあたり、触
媒としてカチオン交換スチブンサイトを含む組成物を使
用する。
おけるスチーミング処理によっても活性低下等の触媒機
能の低下が著しく少なくて、繰り返し安定に使用するこ
とができ、しかも、過分解による分解ガス及びコークの
生成が少なくて、より付加価値の高い中間留分の収率が
高い触媒を用いて、比較的高沸点留分の炭化水素油から
ガソリン留分(FG)と軽質循環油(LCO)を高収率
で得る石油系炭化水素を接触分解法を提供する。 【構成】 石油系炭化水素を接触分解するにあたり、触
媒としてカチオン交換スチブンサイトを含む組成物を使
用する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石油精製分野等に好適
に利用される石油系炭化水素の接触分解法に関し、より
詳しく言うと、比較的高い沸点の炭化水素(例えば、ナ
フサ、灯油、軽油、常圧残油等の沸点がナフサ留分以上
の炭化水素留分)の接触分解を、分解ガスの生成等の過
分解が少なくて、より付加価値の高い中間留分への選択
性が高く、しかも、触媒再生時等にスチーミング処理し
ても活性低下が少ない触媒を用いて効率よく実施し、例
えば、減圧軽油や常圧残油から自動車燃料等として有用
なガソリン留分(FG)や軽油やA重油への混入成分等
として有用な軽質循環油(LCO)を高収率で効率よく
生産したり、各種の石油系炭化水素を接触分解して種々
の有用な炭化水素留分を有利に製造するための方法に関
する。
に利用される石油系炭化水素の接触分解法に関し、より
詳しく言うと、比較的高い沸点の炭化水素(例えば、ナ
フサ、灯油、軽油、常圧残油等の沸点がナフサ留分以上
の炭化水素留分)の接触分解を、分解ガスの生成等の過
分解が少なくて、より付加価値の高い中間留分への選択
性が高く、しかも、触媒再生時等にスチーミング処理し
ても活性低下が少ない触媒を用いて効率よく実施し、例
えば、減圧軽油や常圧残油から自動車燃料等として有用
なガソリン留分(FG)や軽油やA重油への混入成分等
として有用な軽質循環油(LCO)を高収率で効率よく
生産したり、各種の石油系炭化水素を接触分解して種々
の有用な炭化水素留分を有利に製造するための方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】石油系炭化水素を流動床等により接触分
解する方法は、石油精製分野において重要な技術であ
る。石油系炭化水素の接触分解技術には各種のプロセス
があり、使用する原料も、目的とする生成物留分もプロ
セスごとに異なるが、中でも、比較的高沸点の炭化水素
留分(例えば、ナフサ、灯油、軽油、常圧残油等の沸点
がナフサ留分以上の炭化水素留分)から過分解による分
解ガスの生成やコーキングを極力抑制し、より付加価値
の高い中間留分を選択性よく効率よく得るための技術、
例えば、減圧軽油や常圧残油を接触分解して、自動車燃
料等として有用なガソリン留分(FG)や軽油やA重油
への混入成分等として有用な軽質循環油(LCO)を収
率よく得るための技術等のFCCプロセスなどは特に重
要である。
解する方法は、石油精製分野において重要な技術であ
る。石油系炭化水素の接触分解技術には各種のプロセス
があり、使用する原料も、目的とする生成物留分もプロ
セスごとに異なるが、中でも、比較的高沸点の炭化水素
留分(例えば、ナフサ、灯油、軽油、常圧残油等の沸点
がナフサ留分以上の炭化水素留分)から過分解による分
解ガスの生成やコーキングを極力抑制し、より付加価値
の高い中間留分を選択性よく効率よく得るための技術、
例えば、減圧軽油や常圧残油を接触分解して、自動車燃
料等として有用なガソリン留分(FG)や軽油やA重油
への混入成分等として有用な軽質循環油(LCO)を収
率よく得るための技術等のFCCプロセスなどは特に重
要である。
【0003】従来、こうしたFCCプロセス等の石油系
炭化水素の接触分解においては、ゼオライト触媒が常用
されてきたが、ゼオライト触媒は耐水熱性が低く、触媒
の使用時に水蒸気に接触させたりあるいは触媒再生時等
に高温でスチーミング処理を行うと、その構造が破壊さ
れて触媒活性(転化率)が低下するという重大な問題点
を有している。
炭化水素の接触分解においては、ゼオライト触媒が常用
されてきたが、ゼオライト触媒は耐水熱性が低く、触媒
の使用時に水蒸気に接触させたりあるいは触媒再生時等
に高温でスチーミング処理を行うと、その構造が破壊さ
れて触媒活性(転化率)が低下するという重大な問題点
を有している。
【0004】このゼオライト触媒における上記の問題点
は、一般に、よく知られていることであるが、以下に示
す例によっても明らかである。
は、一般に、よく知られていることであるが、以下に示
す例によっても明らかである。
【0005】すなわち、石油学会誌,26,19(1
983)には、希土類金属イオンを含むプロトン型Y型
ゼオライト(REY)を100%スチームにてスチーミ
ング処理を行うと、ゼオライトの結晶化度が著しく減少
すること、具体的には例えば、フレッシュなゼオライト
の結晶化度を100とすると、そのスチーミング処理後
の結晶化度は、730℃、6時間処理で91に、760
℃、6時間処理で67に低下することが示されている。
983)には、希土類金属イオンを含むプロトン型Y型
ゼオライト(REY)を100%スチームにてスチーミ
ング処理を行うと、ゼオライトの結晶化度が著しく減少
すること、具体的には例えば、フレッシュなゼオライト
の結晶化度を100とすると、そのスチーミング処理後
の結晶化度は、730℃、6時間処理で91に、760
℃、6時間処理で67に低下することが示されている。
【0006】また、Ind.Eng.Chem.Pr
od.Res.Dev.,16,285(1977)に
は、ゼオライト(Y型など)を100%スチームにてス
チーミング処理を行うと、軽油の反応における転化率が
著しく減少すること、例えば、該スチーミング処理によ
って転化率が、スチーミング処理前のゼオライトの場合
に対して、760℃、1時間の処理で78%に、同温度
12時間の処理で72%に低下することが示されてい
る。
od.Res.Dev.,16,285(1977)に
は、ゼオライト(Y型など)を100%スチームにてス
チーミング処理を行うと、軽油の反応における転化率が
著しく減少すること、例えば、該スチーミング処理によ
って転化率が、スチーミング処理前のゼオライトの場合
に対して、760℃、1時間の処理で78%に、同温度
12時間の処理で72%に低下することが示されてい
る。
【0007】上記の例に限らず一般に、ZSM−5ゼオ
ライト等で代表される各種の高シリカゼオライト、A
型、X型、Y型、モルデナイト等、どのタイプのゼオラ
イトも、従来までの結果を見る限り、耐水熱性が不十分
であり、触媒反応時、触媒再生時等において高温でスチ
ーム雰囲気に曝すとその触媒活性が低下しやすいという
欠点を有しており、このことは石油系炭化水素の接触分
解に限らず、ゼオライトを用いるプロセスにおける深刻
な問題点となっている。
ライト等で代表される各種の高シリカゼオライト、A
型、X型、Y型、モルデナイト等、どのタイプのゼオラ
イトも、従来までの結果を見る限り、耐水熱性が不十分
であり、触媒反応時、触媒再生時等において高温でスチ
ーム雰囲気に曝すとその触媒活性が低下しやすいという
欠点を有しており、このことは石油系炭化水素の接触分
解に限らず、ゼオライトを用いるプロセスにおける深刻
な問題点となっている。
【0008】一方、ゼオライトには上記のほかに、石油
系炭化水素の接触分解を十分に高活性な条件で運転する
とディープクラッキング(過分解)が起こりやすいとい
う欠点もある。実際、市販のゼオライト触媒[MRZ−
204;触媒化成工業(株)製]を用いてMAT評価法
に従って減圧軽油や常圧残油等の接触分解を行うと、分
解ガス量及びコーク生成量が多く、沸点が343℃以下
の液状炭化水素油[ガソリン留分(FG)+軽質循環油
(LCO)]という、より付加価値の高い中間留分の収
率が低いという不十分な結果が得られるし(後記の実施
例の比較例を参照)、また、特開昭59−132939
号公報にも、希土類金属イオンを含むプロトン型Y型ゼ
オライト(REY)を795℃でスチーミング処理した
触媒を用いて軽油の接触分解を行った結果、(FG+L
CO)収率が66.5%という低い値に留まることが示
されている。
系炭化水素の接触分解を十分に高活性な条件で運転する
とディープクラッキング(過分解)が起こりやすいとい
う欠点もある。実際、市販のゼオライト触媒[MRZ−
204;触媒化成工業(株)製]を用いてMAT評価法
に従って減圧軽油や常圧残油等の接触分解を行うと、分
解ガス量及びコーク生成量が多く、沸点が343℃以下
の液状炭化水素油[ガソリン留分(FG)+軽質循環油
(LCO)]という、より付加価値の高い中間留分の収
率が低いという不十分な結果が得られるし(後記の実施
例の比較例を参照)、また、特開昭59−132939
号公報にも、希土類金属イオンを含むプロトン型Y型ゼ
オライト(REY)を795℃でスチーミング処理した
触媒を用いて軽油の接触分解を行った結果、(FG+L
CO)収率が66.5%という低い値に留まることが示
されている。
【0009】このほか、触媒としてゼオライト以外の粘
土鉱物を用いた石油系炭化水素の接触分解方法も報告さ
れているが、この場合も上記のゼオライトの場合と同様
に、(FG+LCO)収率が不十分であるなどの欠点が
ある。例えば、Proc.5th Int.Cong
r.Catal.,p99(1990)には、耐水熱性
が高い粘土鉱物であるレクトライトをAlポリカチオン
(多核カチオン)でイオン交換したものを400℃で1
0時間焼成した触媒を用いて軽油の接触分解を行った結
果、(FG+LCO)収率が65.5%という低い値に
留まることが示されている。
土鉱物を用いた石油系炭化水素の接触分解方法も報告さ
れているが、この場合も上記のゼオライトの場合と同様
に、(FG+LCO)収率が不十分であるなどの欠点が
ある。例えば、Proc.5th Int.Cong
r.Catal.,p99(1990)には、耐水熱性
が高い粘土鉱物であるレクトライトをAlポリカチオン
(多核カチオン)でイオン交換したものを400℃で1
0時間焼成した触媒を用いて軽油の接触分解を行った結
果、(FG+LCO)収率が65.5%という低い値に
留まることが示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
を鑑みてなされたものである。
を鑑みてなされたものである。
【0011】本発明の目的は、石油系炭化水素を接触分
解するにあたり、耐水熱性に優れ、触媒再生条件等の高
温時におけるスチーミング処理によっても活性低下等の
触媒機能の低下が著しく少なくて、繰り返し安定に使用
することができ、しかも、過分解による分解ガス及びコ
ークの生成が少なくて、より付加価値の高い中間留分の
収率が高いなど優れた触媒性能を有する新規な触媒を用
いて、例えば減圧軽油や常圧残油等の比較的高沸点留分
の炭化水素油から沸点が343℃以下の液状炭化水素油
[ガソリン留分(FG)+軽質循環油(LCO)]を高
収率で得るなど、各種の石油系炭化水素から有用な中間
留分を高収率で得ることができるなど、プロセス効率が
著しく改善された石油系炭化水素の接触分解法を提供す
ることにある。
解するにあたり、耐水熱性に優れ、触媒再生条件等の高
温時におけるスチーミング処理によっても活性低下等の
触媒機能の低下が著しく少なくて、繰り返し安定に使用
することができ、しかも、過分解による分解ガス及びコ
ークの生成が少なくて、より付加価値の高い中間留分の
収率が高いなど優れた触媒性能を有する新規な触媒を用
いて、例えば減圧軽油や常圧残油等の比較的高沸点留分
の炭化水素油から沸点が343℃以下の液状炭化水素油
[ガソリン留分(FG)+軽質循環油(LCO)]を高
収率で得るなど、各種の石油系炭化水素から有用な中間
留分を高収率で得ることができるなど、プロセス効率が
著しく改善された石油系炭化水素の接触分解法を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、石油系炭
化水素の接触分解において、前記問題点を解決すべく従
来用いられているゼオライト触媒や粘土鉱物触媒等に代
わる新規な触媒を見出すために鋭意研究を重ねた。その
結果、天然のスチブンサイトあるいは合成のスチブンサ
イトという特定の粘土鉱物系化合物(組成物)にプロト
ンや各種の活性金属カチオン(単核カチオンや多核カチ
オン)をイオン交換して得たカチオン交換スチブンサイ
トを触媒もしくは触媒成分として用いることによって、
前記目的を十分に達成することができることを見出し、
本発明を完成するに至った。
化水素の接触分解において、前記問題点を解決すべく従
来用いられているゼオライト触媒や粘土鉱物触媒等に代
わる新規な触媒を見出すために鋭意研究を重ねた。その
結果、天然のスチブンサイトあるいは合成のスチブンサ
イトという特定の粘土鉱物系化合物(組成物)にプロト
ンや各種の活性金属カチオン(単核カチオンや多核カチ
オン)をイオン交換して得たカチオン交換スチブンサイ
トを触媒もしくは触媒成分として用いることによって、
前記目的を十分に達成することができることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明は、石油系炭化水素を接
触分解するにあたり、触媒としてカチオン交換スチブン
サイトを含む組成物を使用することを特徴とする石油系
炭化水素の接触分解法を提供するものである。
触分解するにあたり、触媒としてカチオン交換スチブン
サイトを含む組成物を使用することを特徴とする石油系
炭化水素の接触分解法を提供するものである。
【0014】本発明の方法において、接触分解に供する
原料炭化水素としては、従来この種の分野で使用される
各種の炭化水素及び各種の沸点範囲にある炭化水素留分
が使用可能であるが、通常は、例えば、ナフサ、灯油、
各種軽油、常圧残油等の沸点がナフサ留分以上の炭化水
素留分が好適に使用される。中でも、接触分解によって
付加価値の高いガソリン留分(FG)や軽質循環油(L
CO)等の有用な液状燃料油を収率よく生産できる等の
理由によって、減圧軽油及び常圧残油で代表される比較
的高沸点留分の炭化水素油が特に好ましく使用される。
原料炭化水素としては、従来この種の分野で使用される
各種の炭化水素及び各種の沸点範囲にある炭化水素留分
が使用可能であるが、通常は、例えば、ナフサ、灯油、
各種軽油、常圧残油等の沸点がナフサ留分以上の炭化水
素留分が好適に使用される。中でも、接触分解によって
付加価値の高いガソリン留分(FG)や軽質循環油(L
CO)等の有用な液状燃料油を収率よく生産できる等の
理由によって、減圧軽油及び常圧残油で代表される比較
的高沸点留分の炭化水素油が特に好ましく使用される。
【0015】なお、これらの炭化水素は、必要に応じ
て、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合物等
として併用してもよいし、また、上記の各種の留分を単
独で用いてもよいし、必要に応じて、2種以上の留分を
さらに混合するなどして併用してもよい。
て、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合物等
として併用してもよいし、また、上記の各種の留分を単
独で用いてもよいし、必要に応じて、2種以上の留分を
さらに混合するなどして併用してもよい。
【0016】本発明の方法において、前記接触分解の触
媒あるいは触媒成分として使用に供する前記カチオン交
換スチブンサイトは、所定の石油系炭化水素の接触分解
反応に対して少なくとも十分な活性を与えることができ
るカチオン(以下、これを活性カチオンと呼ぶことがあ
る。)成分を含有するスチブンサイトのことであり、こ
のものは、そのままでは不活性な各種の組成のスチブン
サイトに、所定の活性カチオン成分をイオン交換するこ
とによって容易に得ることができる。
媒あるいは触媒成分として使用に供する前記カチオン交
換スチブンサイトは、所定の石油系炭化水素の接触分解
反応に対して少なくとも十分な活性を与えることができ
るカチオン(以下、これを活性カチオンと呼ぶことがあ
る。)成分を含有するスチブンサイトのことであり、こ
のものは、そのままでは不活性な各種の組成のスチブン
サイトに、所定の活性カチオン成分をイオン交換するこ
とによって容易に得ることができる。
【0017】該スチブンサイトは、天然ものを使用して
もよく、合成したものを使用してもよく、それらを混合
物するなどして併用してもよい。また、前記触媒は、前
記カチオン交換スチブンサイトを含有するならば他の適
当な成分との組成物として使用することができるので、
前記イオン交換(カチオン交換)に供するスチブンサイ
トは、もちろん純粋なものでもよいが、必ずしも純粋な
ものでなくてもよい。
もよく、合成したものを使用してもよく、それらを混合
物するなどして併用してもよい。また、前記触媒は、前
記カチオン交換スチブンサイトを含有するならば他の適
当な成分との組成物として使用することができるので、
前記イオン交換(カチオン交換)に供するスチブンサイ
トは、もちろん純粋なものでもよいが、必ずしも純粋な
ものでなくてもよい。
【0018】例えば、天然のスチブンサイトは、一般
に、スチブンサイトと他の粘土鉱物等の他の成分からな
る組成物であるが、これをそのまま触媒原料として使用
することもできるし、一方、合成スチブンサイトの場合
には、比較的純度の高いスチブンサイトとして得ること
ができるが、この場合においても、スチブンサイト以外
の他の成分を含有する組成物の状態で使用することもで
きる。すなわち、前記活性カチオンを導入するための前
記イオン交換は、純粋なスチブンサイトに対して行って
もよく、あるいは、スチブンサイトと他の適当な成分と
の組成物に対して行ってもよい。
に、スチブンサイトと他の粘土鉱物等の他の成分からな
る組成物であるが、これをそのまま触媒原料として使用
することもできるし、一方、合成スチブンサイトの場合
には、比較的純度の高いスチブンサイトとして得ること
ができるが、この場合においても、スチブンサイト以外
の他の成分を含有する組成物の状態で使用することもで
きる。すなわち、前記活性カチオンを導入するための前
記イオン交換は、純粋なスチブンサイトに対して行って
もよく、あるいは、スチブンサイトと他の適当な成分と
の組成物に対して行ってもよい。
【0019】前記スチブンサイトには、ゼオライトの場
合と同様に、各種の組成のものがあり、すべてのものを
単一の一般式で表すことは困難ではあるが、合成スチブ
ンサイトの典型的なものは、通常、下記の一般式[1]
で表される化学組成を有するものとして入手することが
できる。 E2xMg3-x Si4 O10(OH)2 [1]
合と同様に、各種の組成のものがあり、すべてのものを
単一の一般式で表すことは困難ではあるが、合成スチブ
ンサイトの典型的なものは、通常、下記の一般式[1]
で表される化学組成を有するものとして入手することが
できる。 E2xMg3-x Si4 O10(OH)2 [1]
【0020】ここで、式[1]中のEは、イオン交換性
のカチオンであり、典型的なものは、Na+ 、K+ など
である。但し、式[1]の例では、Eは、一価(+1)
のカチオンとして示されているが、E2 が全部あるいは
一部が二価のカチオンとなるなど、イオン交換性のカチ
オンの一部あるいは全部が一価以外の他の価数のカチオ
ンに置き換わったものであってよい。また、上記式
[1]中におけるxは、一般に、0〜0.7程度の実数
を表す。xが0の場合には、式[1]は次の式[2] [Mg3 Si4 O10(OH)2 ] [2] で表される化学組成を有しており、この場合、E又はE
で代表されているイオン交換性のカチオンを有していな
いので、その部分にはそのままではイオン交換ができな
いが、この組成のものを触媒成分として含有していても
構わないし、場合によっては、これを、触媒の調製時等
に組成を調整してカチオン交換性のものに変換させるこ
とも可能である。一方、xが0でないものは、そのまま
でも、E又はEで代表されているイオン交換カチオンを
有しているので、その一部又は全部を適宜各種のカチオ
ンでイオン交換することができる。すなわち、スチブン
サイトのうちxが0でないものは、より一般には、次の
一般式[3] [Mg3-x Si4 O10(OH)2 ]2x- [3] (但し、式[3]においては、xは、0を除く0〜0.
7程度の実数である。)で表されるアニオン単位と各種
の対カチオンからなる化合物もしくは組成物と見なすこ
とができる。
のカチオンであり、典型的なものは、Na+ 、K+ など
である。但し、式[1]の例では、Eは、一価(+1)
のカチオンとして示されているが、E2 が全部あるいは
一部が二価のカチオンとなるなど、イオン交換性のカチ
オンの一部あるいは全部が一価以外の他の価数のカチオ
ンに置き換わったものであってよい。また、上記式
[1]中におけるxは、一般に、0〜0.7程度の実数
を表す。xが0の場合には、式[1]は次の式[2] [Mg3 Si4 O10(OH)2 ] [2] で表される化学組成を有しており、この場合、E又はE
で代表されているイオン交換性のカチオンを有していな
いので、その部分にはそのままではイオン交換ができな
いが、この組成のものを触媒成分として含有していても
構わないし、場合によっては、これを、触媒の調製時等
に組成を調整してカチオン交換性のものに変換させるこ
とも可能である。一方、xが0でないものは、そのまま
でも、E又はEで代表されているイオン交換カチオンを
有しているので、その一部又は全部を適宜各種のカチオ
ンでイオン交換することができる。すなわち、スチブン
サイトのうちxが0でないものは、より一般には、次の
一般式[3] [Mg3-x Si4 O10(OH)2 ]2x- [3] (但し、式[3]においては、xは、0を除く0〜0.
7程度の実数である。)で表されるアニオン単位と各種
の対カチオンからなる化合物もしくは組成物と見なすこ
とができる。
【0021】さらに、スチブンサイトは、上記の式
[1]〜[3]におけるMgやSiの一部が、ゼオライ
トの場合のように、他の金属によって同形置換したもの
もあるが、これらも本発明における前記触媒成分あるい
は触媒原料として使用することができる。
[1]〜[3]におけるMgやSiの一部が、ゼオライ
トの場合のように、他の金属によって同形置換したもの
もあるが、これらも本発明における前記触媒成分あるい
は触媒原料として使用することができる。
【0022】天然系のスチブンサイト及び通常の合成法
によって得られる合成系のスチブンサイトは、上記のE
又はEに相当する対イオンとして、通常、Na+ やK+
等の不活性なイオンを多く含有しているので、そのまま
では所望の接触分解反応に対して不活性であるかあるい
は活性が不十分であるが、これらの不活性もしくは活性
が不十分なスチブンサイトに対して、十分な活性を与え
るために、適当な活性イオン成分をイオン交換法等によ
って導入すれば、本発明の方法において使用する前記カ
チオン交換スチブンサイトを得ることができる。もちろ
ん、スチブンサイトの合成時に、適当な活性カチオン成
分が十分に導入されているならば、必ずしも、さらにイ
オン交換法等によって活性カチオン成分を導入しないで
もそのまま触媒又は触媒成分として使用可能である。
によって得られる合成系のスチブンサイトは、上記のE
又はEに相当する対イオンとして、通常、Na+ やK+
等の不活性なイオンを多く含有しているので、そのまま
では所望の接触分解反応に対して不活性であるかあるい
は活性が不十分であるが、これらの不活性もしくは活性
が不十分なスチブンサイトに対して、十分な活性を与え
るために、適当な活性イオン成分をイオン交換法等によ
って導入すれば、本発明の方法において使用する前記カ
チオン交換スチブンサイトを得ることができる。もちろ
ん、スチブンサイトの合成時に、適当な活性カチオン成
分が十分に導入されているならば、必ずしも、さらにイ
オン交換法等によって活性カチオン成分を導入しないで
もそのまま触媒又は触媒成分として使用可能である。
【0023】前記カチオン交換スチブンサイトは、前記
したように活性カチオンを十分に有するものであれば各
種のものが使用可能であるが、通常は、該カチオン成分
として、周期表IA、IB、IIA、IIB、III
A、IIIB、IVA、IVB、VA、VB、VIA、
VIIIA族の元素の単核カチオン及び周期表IB、I
IA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、IVB、
VA、VB、VIA、VIIIA族の元素1種又は2種
以上からなる多核カチオン、のうちの少なくとも1種の
カチオンを含有するものが好適に使用され、中でも、該
カチオン成分として、H、Cu、Mg、Ca、Sr、B
a、Zn、La、Ce、Al、Ga、Ti、Zr、G
e、Sn、V、Nb、Bi、Cr、Mo、Fe、Co及
びNiから選ばれる元素の単核カチオン及びCu、L
a、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Ce、Al、G
a、Ti、Zr、Ge、Sn、V、Nb、Bi、Cr、
Mo、Fe、Co及びNiから選ばれる元素1種又は2
種以上からなる多核カチオン、のうちの少なくとも1種
のカチオンを含有するものが好ましく使用される。これ
らの中でも、特に好ましいカチオン交換スチブンサイト
として、プロトンを含有するものとAlを含有するもの
を挙げることができる。
したように活性カチオンを十分に有するものであれば各
種のものが使用可能であるが、通常は、該カチオン成分
として、周期表IA、IB、IIA、IIB、III
A、IIIB、IVA、IVB、VA、VB、VIA、
VIIIA族の元素の単核カチオン及び周期表IB、I
IA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、IVB、
VA、VB、VIA、VIIIA族の元素1種又は2種
以上からなる多核カチオン、のうちの少なくとも1種の
カチオンを含有するものが好適に使用され、中でも、該
カチオン成分として、H、Cu、Mg、Ca、Sr、B
a、Zn、La、Ce、Al、Ga、Ti、Zr、G
e、Sn、V、Nb、Bi、Cr、Mo、Fe、Co及
びNiから選ばれる元素の単核カチオン及びCu、L
a、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Ce、Al、G
a、Ti、Zr、Ge、Sn、V、Nb、Bi、Cr、
Mo、Fe、Co及びNiから選ばれる元素1種又は2
種以上からなる多核カチオン、のうちの少なくとも1種
のカチオンを含有するものが好ましく使用される。これ
らの中でも、特に好ましいカチオン交換スチブンサイト
として、プロトンを含有するものとAlを含有するもの
を挙げることができる。
【0024】なお、前記カチオン交換スチブンサイトに
おける上記例示のプロトンや各種の活性金属イオン(単
核カチオン及び/又は多核カチオン)のイオン交換率
は、必ずしも100%でなくてもよいが、通常、10%
以上、好ましくは50%以上である。ここで、前記活性
イオン成分の含有割合(イオン交換率)が、5%未満で
あると、十分な触媒活性を得ることができないことがあ
る。
おける上記例示のプロトンや各種の活性金属イオン(単
核カチオン及び/又は多核カチオン)のイオン交換率
は、必ずしも100%でなくてもよいが、通常、10%
以上、好ましくは50%以上である。ここで、前記活性
イオン成分の含有割合(イオン交換率)が、5%未満で
あると、十分な触媒活性を得ることができないことがあ
る。
【0025】前記各種の活性カチオンを有するカチオン
交換スチブンサイトは、各々1種単独で使用してもよい
し、任意の2種以上の混合物として使用してもよいし、
あるいは、それ自体では不活性もしくは活性が低い各種
の組成のスチブンサイトとの混合物もしくは組成物等と
して用いてもよい。さらには、前記したようにスチブン
サイト以外の他の適当な成分(例えば、後述のバインダ
ー成分)との組成物として使用することもできる。
交換スチブンサイトは、各々1種単独で使用してもよい
し、任意の2種以上の混合物として使用してもよいし、
あるいは、それ自体では不活性もしくは活性が低い各種
の組成のスチブンサイトとの混合物もしくは組成物等と
して用いてもよい。さらには、前記したようにスチブン
サイト以外の他の適当な成分(例えば、後述のバインダ
ー成分)との組成物として使用することもできる。
【0026】前記カチオン交換スチブンサイトは、例え
ばゼオライト系触媒分野におけるカチオン交換ゼオライ
トの調製と同様な手法等の各種の調製手法によって調製
することができるが、通常は、例えばNa型、K型等の
不活性カチオン型のスチブンサイトに、プロトンや前記
例示の各種の活性金属イオンをイオン交換することによ
って好適に調製される。
ばゼオライト系触媒分野におけるカチオン交換ゼオライ
トの調製と同様な手法等の各種の調製手法によって調製
することができるが、通常は、例えばNa型、K型等の
不活性カチオン型のスチブンサイトに、プロトンや前記
例示の各種の活性金属イオンをイオン交換することによ
って好適に調製される。
【0027】この好適に使用されるカチオン交換スチブ
ンサイトの調製方法としては、例えば、下記に示す方法
を挙げることができる。この方法においては、まず、上
記例示の各種の活性金属の塩(例えば、硝酸塩、塩化
物、アルコキシド等)の水溶液や各種のアンモニウム化
合物(例えば、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム
等)の水溶液又は鉱酸水溶液(例えば、希塩酸、希硝酸
等)あるいはこれらのうちの2種以上の混合水溶液を調
製し、これをそのままイオン交換原液として用いるか、
あるいは、これを必要に応じて例えば室温〜100℃の
範囲の温度で数週間以下の期間熟成したものをイオン交
換原液として使用し、該イオン交換原液と前記スチブン
サイト(通常、Na型又はK型等の不活性金属型のもの
でよい。)もしくはこれを含有する組成物を混合し、通
常、例えば室温〜100℃の範囲の温度で5分〜数週間
の範囲の時間をかけてイオン交換を行う。その際、前記
イオン交換原液に添加する前記スチブンサイトもしくは
これを含有する組成物の形態としては、特に制限はない
が、通常、イオン交換をより短時間でかつ均一に行うた
めに粉末状もしくはスラリー状のものを前記イオン交換
原液と混合させる方法が好適に採用される。また、使用
に供する前記イオン交換原液中の活性成分(前記金属
塩、アンモニウム化合物、鉱酸)の濃度としては、特に
制限はないが、通常、0.01〜1モル/lの範囲に適
宜設定するのが好適である。
ンサイトの調製方法としては、例えば、下記に示す方法
を挙げることができる。この方法においては、まず、上
記例示の各種の活性金属の塩(例えば、硝酸塩、塩化
物、アルコキシド等)の水溶液や各種のアンモニウム化
合物(例えば、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム
等)の水溶液又は鉱酸水溶液(例えば、希塩酸、希硝酸
等)あるいはこれらのうちの2種以上の混合水溶液を調
製し、これをそのままイオン交換原液として用いるか、
あるいは、これを必要に応じて例えば室温〜100℃の
範囲の温度で数週間以下の期間熟成したものをイオン交
換原液として使用し、該イオン交換原液と前記スチブン
サイト(通常、Na型又はK型等の不活性金属型のもの
でよい。)もしくはこれを含有する組成物を混合し、通
常、例えば室温〜100℃の範囲の温度で5分〜数週間
の範囲の時間をかけてイオン交換を行う。その際、前記
イオン交換原液に添加する前記スチブンサイトもしくは
これを含有する組成物の形態としては、特に制限はない
が、通常、イオン交換をより短時間でかつ均一に行うた
めに粉末状もしくはスラリー状のものを前記イオン交換
原液と混合させる方法が好適に採用される。また、使用
に供する前記イオン交換原液中の活性成分(前記金属
塩、アンモニウム化合物、鉱酸)の濃度としては、特に
制限はないが、通常、0.01〜1モル/lの範囲に適
宜設定するのが好適である。
【0028】以上のようにして、所定のイオン(活性金
属イオン、プロトン又はプロトンの前駆体となるアンモ
ニウムイオン)で十分に交換されたスチブンサイトもし
くはこれを含有する組成物を得ることができる。次い
で、こうしてイオン交換を施された固体を、例えば濾過
等によって液体から分離し、必要に応じて、適当な洗浄
液(例えば水やアルコールあるいは水とアルコールの混
合液等)によって洗浄後、常法に従って乾燥する。乾燥
は、通常の空気乾燥で行ってもよいが、例えば、凍結乾
燥法などの他の方法を用いて行うこともできる。
属イオン、プロトン又はプロトンの前駆体となるアンモ
ニウムイオン)で十分に交換されたスチブンサイトもし
くはこれを含有する組成物を得ることができる。次い
で、こうしてイオン交換を施された固体を、例えば濾過
等によって液体から分離し、必要に応じて、適当な洗浄
液(例えば水やアルコールあるいは水とアルコールの混
合液等)によって洗浄後、常法に従って乾燥する。乾燥
は、通常の空気乾燥で行ってもよいが、例えば、凍結乾
燥法などの他の方法を用いて行うこともできる。
【0029】なお、上記の濾過後又は洗浄後に、得られ
た固体に対して、必要に応じて、再び上記と同様にして
イオン交換原液によるイオン交換を行ってもよいし、あ
るいは、例えば室温〜100℃の範囲の温度で数週間以
下の期間熟成を行ってもよい。
た固体に対して、必要に応じて、再び上記と同様にして
イオン交換原液によるイオン交換を行ってもよいし、あ
るいは、例えば室温〜100℃の範囲の温度で数週間以
下の期間熟成を行ってもよい。
【0030】以上のようにして得られた乾燥固体は、そ
のまま、触媒として使用に供することも可能であるが、
得られた固体が粉末状で成形を要する場合には、通常、
適当なバインダー(例えば、アルミナ、シリカ、カオリ
ン等の粘土鉱物等)を用いて、常法に従って、適当な形
状に成形する。その際、バインダーの使用量は、通常、
0〜99重量%、好ましくは10〜90重量%の範囲か
ら適宜選択するのがよい。
のまま、触媒として使用に供することも可能であるが、
得られた固体が粉末状で成形を要する場合には、通常、
適当なバインダー(例えば、アルミナ、シリカ、カオリ
ン等の粘土鉱物等)を用いて、常法に従って、適当な形
状に成形する。その際、バインダーの使用量は、通常、
0〜99重量%、好ましくは10〜90重量%の範囲か
ら適宜選択するのがよい。
【0031】前記イオン交換は、前記したように、スチ
ブンサイトに対して所定のイオンをできるだけ均一に効
率よく行うためには、通常、粉末状又はスラリー状のも
のに対して行うのが好ましいが、必ずしもこれに限定さ
れるものではなく、例えば、上記のようにバインダーを
用いて成形されたものに対して行ってもよい。
ブンサイトに対して所定のイオンをできるだけ均一に効
率よく行うためには、通常、粉末状又はスラリー状のも
のに対して行うのが好ましいが、必ずしもこれに限定さ
れるものではなく、例えば、上記のようにバインダーを
用いて成形されたものに対して行ってもよい。
【0032】こうして得られた成形物等のカチオン交換
スチブンサイト含有物の表面積(BET法)は、120
℃一晩の空気中での乾燥後、通常、100〜800m2
/gの好適な範囲にあることが確認されている。また、
粉末X線法によると、このものは、d001 が0.94〜
2.8nmの範囲にあることも確認された。
スチブンサイト含有物の表面積(BET法)は、120
℃一晩の空気中での乾燥後、通常、100〜800m2
/gの好適な範囲にあることが確認されている。また、
粉末X線法によると、このものは、d001 が0.94〜
2.8nmの範囲にあることも確認された。
【0033】以上のようにして得られたカチオン交換ス
チブンサイト若しくはこれを含有する組成物、特に、こ
れらの成形物は、本発明の方法における触媒として好適
に使用することができるが、前記接触分解反応に使用前
に、必要に応じて、適当な温度で空気等の適当な雰囲気
で焼成してもよい。例えば、アンモニウムイオンで交換
されているスチブンサイトの場合には、この空気焼成等
によってプロトン交換型のもの(H型スチブンサイト)
に容易に変換することができる。また、必要に応じて、
接触分解に供する前に、窒素等の不活性ガスや水蒸気含
有ガスあるいは場合により水素含有ガス気流中等で適宜
活性化処理を行ってもよい。
チブンサイト若しくはこれを含有する組成物、特に、こ
れらの成形物は、本発明の方法における触媒として好適
に使用することができるが、前記接触分解反応に使用前
に、必要に応じて、適当な温度で空気等の適当な雰囲気
で焼成してもよい。例えば、アンモニウムイオンで交換
されているスチブンサイトの場合には、この空気焼成等
によってプロトン交換型のもの(H型スチブンサイト)
に容易に変換することができる。また、必要に応じて、
接触分解に供する前に、窒素等の不活性ガスや水蒸気含
有ガスあるいは場合により水素含有ガス気流中等で適宜
活性化処理を行ってもよい。
【0034】以上のようにして所望のカチオン交換スチ
ブンサイト含有触媒を好適に得ることができるが、その
調製法は上記例示の方法に限定されるものではない。
ブンサイト含有触媒を好適に得ることができるが、その
調製法は上記例示の方法に限定されるものではない。
【0035】前記カチオン交換スチブンサイトは、プロ
トンや前記活性金属イオン成分を含有しているので、前
記各種の炭化水素の接触分解に対して十分に高い活性を
有しているとともに、スチブンサイト構造を有している
ことから、その接触分解において、過度の分解による分
解ガスの生成及びコークの生成が十分に抑制されてお
り、付加価値の高い中間留分の収率が十分に高いなどの
優れた触媒特性を発揮する。また、このカチオン交換ス
チブンサイトは、従来のゼオライトと比較的して、耐水
熱性が著しく優れているので、高温でのスチーミング処
理に対しても十分な安定性を示す。従って、本発明の方
法において使用する前記カチオン交換スチブンサイト含
有触媒は、例えば、スチーム含有ガスによって触媒の再
生を繰り返しても触媒活性(触媒機能)が低下しにく
く、触媒の使用寿命が大幅に改善されている。
トンや前記活性金属イオン成分を含有しているので、前
記各種の炭化水素の接触分解に対して十分に高い活性を
有しているとともに、スチブンサイト構造を有している
ことから、その接触分解において、過度の分解による分
解ガスの生成及びコークの生成が十分に抑制されてお
り、付加価値の高い中間留分の収率が十分に高いなどの
優れた触媒特性を発揮する。また、このカチオン交換ス
チブンサイトは、従来のゼオライトと比較的して、耐水
熱性が著しく優れているので、高温でのスチーミング処
理に対しても十分な安定性を示す。従って、本発明の方
法において使用する前記カチオン交換スチブンサイト含
有触媒は、例えば、スチーム含有ガスによって触媒の再
生を繰り返しても触媒活性(触媒機能)が低下しにく
く、触媒の使用寿命が大幅に改善されている。
【0036】本発明の方法においては、前記カチオン交
換スチブンサイトの少なくとも1種を含有する組成物を
触媒として用いて、前記例示の各種の炭化水素留分等の
所定の原料炭化水素の接触分解を行い、所望の有用な炭
化水素留分を製造する。
換スチブンサイトの少なくとも1種を含有する組成物を
触媒として用いて、前記例示の各種の炭化水素留分等の
所定の原料炭化水素の接触分解を行い、所望の有用な炭
化水素留分を製造する。
【0037】ここで使用する反応装置及び反応方式とし
ては、特に制限はなく、従来のこの種の石油系炭化水素
の接触分解法に常用されるものを適宜充当することがで
きる。例えば、前記接触分解は、固定床、移動床あるい
は流動床による連続プロセスによって好適に実施するこ
とができる。中でも特に、本発明の方法において使用す
る前記触媒は耐水熱性に十分に優れるなど流動床方式に
よる使用にも適しているので、流動床による連続生産方
式が好ましく使用される。
ては、特に制限はなく、従来のこの種の石油系炭化水素
の接触分解法に常用されるものを適宜充当することがで
きる。例えば、前記接触分解は、固定床、移動床あるい
は流動床による連続プロセスによって好適に実施するこ
とができる。中でも特に、本発明の方法において使用す
る前記触媒は耐水熱性に十分に優れるなど流動床方式に
よる使用にも適しているので、流動床による連続生産方
式が好ましく使用される。
【0038】前記接触分解の反応温度は、通常、390
〜710℃、好ましくは、420〜600℃の範囲の温
度に選定するのが適当である。390℃未満では反応速
度が遅く十分な転化率が得られないことがあり、一方、
710℃を超えると過分解が著しくなり、付加価値の低
い分解ガスの生成量が多くなったり、コーキングによる
活性低下が起りやすくなるなどの支障をきたすことがあ
る。
〜710℃、好ましくは、420〜600℃の範囲の温
度に選定するのが適当である。390℃未満では反応速
度が遅く十分な転化率が得られないことがあり、一方、
710℃を超えると過分解が著しくなり、付加価値の低
い分解ガスの生成量が多くなったり、コーキングによる
活性低下が起りやすくなるなどの支障をきたすことがあ
る。
【0039】反応圧力は、通常、0〜11kg/cm2
G、好ましくは、0〜4.0kg/cm2 Gの範囲に選
定するのが適当である。反応圧力が11kg/cm2 G
を超えると、反応器の材質等の点で効率より運転が困難
となることがある。
G、好ましくは、0〜4.0kg/cm2 Gの範囲に選
定するのが適当である。反応圧力が11kg/cm2 G
を超えると、反応器の材質等の点で効率より運転が困難
となることがある。
【0040】前記接触分解反応は、前記所定の原料炭化
水素とともに、必要に応じて、例えば、水素や水蒸気等
の他の成分を供給して行うことができる。
水素とともに、必要に応じて、例えば、水素や水蒸気等
の他の成分を供給して行うことができる。
【0041】以上のようにして、前記例示の各種の炭化
水素留分等の所定の原料炭化水素から、付加価値の高い
中間留分を高い収率で効率よく製造することができ、例
えば、減圧軽油や常圧残油からは、特に付加価値の高い
ガソリン留分(FG)及び軽質循環油(LCO)を高収
率で効率よく得ることができる。もちろん、その際、L
PG留分等の他の留分も得られるが、本発明の方法によ
ると、カチオン交換スチブンサイトという特定の触媒成
分を使用しているので、従来のゼオライト系触媒の場合
と比較して過分解が少ないので、LPG等の付加価値が
比較的低い分解ガス留分やコークの生成は比較的少な
く、従って、より付加価値の高いガソリン留分や軽質循
環油(LCO)をより高収率で安定に効率よく得ること
ができるのである。
水素留分等の所定の原料炭化水素から、付加価値の高い
中間留分を高い収率で効率よく製造することができ、例
えば、減圧軽油や常圧残油からは、特に付加価値の高い
ガソリン留分(FG)及び軽質循環油(LCO)を高収
率で効率よく得ることができる。もちろん、その際、L
PG留分等の他の留分も得られるが、本発明の方法によ
ると、カチオン交換スチブンサイトという特定の触媒成
分を使用しているので、従来のゼオライト系触媒の場合
と比較して過分解が少ないので、LPG等の付加価値が
比較的低い分解ガス留分やコークの生成は比較的少な
く、従って、より付加価値の高いガソリン留分や軽質循
環油(LCO)をより高収率で安定に効率よく得ること
ができるのである。
【0042】また、本発明の方法において使用する前記
触媒は、その活性成分であるカチオン交換スチブンサイ
トが耐水熱性にも十分に優れ、スチーミング処理に対し
て安定であるなどの優れた性能を有しているので、該触
媒の再生を常法に従って水蒸気含有ガスで行った際に、
従来のゼオライト系触媒の場合と比較的して、触媒活性
の低下が著しく少なく、従って、反応と触媒再生を繰り
返す連続運転をより長期間持続させることができる。
触媒は、その活性成分であるカチオン交換スチブンサイ
トが耐水熱性にも十分に優れ、スチーミング処理に対し
て安定であるなどの優れた性能を有しているので、該触
媒の再生を常法に従って水蒸気含有ガスで行った際に、
従来のゼオライト系触媒の場合と比較的して、触媒活性
の低下が著しく少なく、従って、反応と触媒再生を繰り
返す連続運転をより長期間持続させることができる。
【0043】
【実施例】以下に、本発明を実施例及び比較例等に基づ
いて詳細に説明するが、本発明は、これらに限定される
ものではない。 実施例1 (A)触媒調製と物性評価 触媒調製 1N NH4Cl水溶液2リットルにNa−スチブンサ
イト(イオナイトT、水澤化学工業(株)製)20gを
粉末として添加し、80℃にて2時間攪拌混合して、十
分に分散させた。その後、溶液を瀘過、純水及びアルコ
ールで洗浄した後、120℃で空気乾燥した。得られた
試料(アンモニウムイオン交換スチブンサイト)の物性
値を表1に示す。
いて詳細に説明するが、本発明は、これらに限定される
ものではない。 実施例1 (A)触媒調製と物性評価 触媒調製 1N NH4Cl水溶液2リットルにNa−スチブンサ
イト(イオナイトT、水澤化学工業(株)製)20gを
粉末として添加し、80℃にて2時間攪拌混合して、十
分に分散させた。その後、溶液を瀘過、純水及びアルコ
ールで洗浄した後、120℃で空気乾燥した。得られた
試料(アンモニウムイオン交換スチブンサイト)の物性
値を表1に示す。
【0044】
【表1】 上記で得たNH4 +型スチブンサイトを400℃で2時間
空気気流中で焼成し、プロトン交換のスチブンサイトを
得た(イオン交換率:100%)。
空気気流中で焼成し、プロトン交換のスチブンサイトを
得た(イオン交換率:100%)。
【0045】(B)スチーミング処理評価 次いで、上記で得たプロトン交換スチブンサイトについ
てスチーミング処理(650℃、10h、スチーム20
%)を行った。スチーミング前後のX線回折ピーク強度
から求めた結晶化度(但し、スチーミング処理前のプロ
トン交換スチブンサイトの結晶化度を100とした。)
を表2に示す。
てスチーミング処理(650℃、10h、スチーム20
%)を行った。スチーミング前後のX線回折ピーク強度
から求めた結晶化度(但し、スチーミング処理前のプロ
トン交換スチブンサイトの結晶化度を100とした。)
を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】(C)反応成績評価 上記の触媒調製(A)で得たプロトン交換スチブンサイ
トを触媒として用い、表3に示す原料炭化水素油(VG
O)の接触分解を実施し、反応成績を評価した。但し、
この反応及びその結果の評価は、ASTM(D−390
7)に準拠したMAT法によって行い、このMAT法に
よる反応条件として、原料油(VGO)供給速度1.3
3g/75sec、使用触媒量4g、触媒/VGO=
3.33g/g、反応温度482℃の条件を用いた。
トを触媒として用い、表3に示す原料炭化水素油(VG
O)の接触分解を実施し、反応成績を評価した。但し、
この反応及びその結果の評価は、ASTM(D−390
7)に準拠したMAT法によって行い、このMAT法に
よる反応条件として、原料油(VGO)供給速度1.3
3g/75sec、使用触媒量4g、触媒/VGO=
3.33g/g、反応温度482℃の条件を用いた。
【0048】
【表3】 得られた結果の代表的な例を、表4に示す。
【0049】なお、上記のMAT法とは、マイクロアク
ティビティーテスト法のことであり、触媒の石油系炭化
水素分解活性評価法[ASTM(D−3907)]の標
準的な手法である。
ティビティーテスト法のことであり、触媒の石油系炭化
水素分解活性評価法[ASTM(D−3907)]の標
準的な手法である。
【0050】
【表4】 1)沸点216℃以下の液体成分2) 沸点216〜343℃の液体成分3) 沸点343℃以上の液体成分
【0051】比較例1 実施例1で用いたプロトン交換スチブンサイト触媒に代
えてFCC用市販ゼオライト系触媒[MRZ−204、
触媒化成工業(株)製]を用いた以外は、実施例1と同
様にして、スチーミング処理評価及び反応成績評価を行
った。
えてFCC用市販ゼオライト系触媒[MRZ−204、
触媒化成工業(株)製]を用いた以外は、実施例1と同
様にして、スチーミング処理評価及び反応成績評価を行
った。
【0052】この市販触媒のスチーミング処理前後の結
晶化度を、X線回折によるYゼオライト含有量で評価し
たところ第2表に示す結果を得た。なお、この結晶化度
は、スチーミング処理前の触媒の結晶化度を100とし
た場合の値である。この市販触媒を用いた反応結果(反
応成績評価値)は、4表に示す。
晶化度を、X線回折によるYゼオライト含有量で評価し
たところ第2表に示す結果を得た。なお、この結晶化度
は、スチーミング処理前の触媒の結晶化度を100とし
た場合の値である。この市販触媒を用いた反応結果(反
応成績評価値)は、4表に示す。
【0053】実施例2 実施例1で用いたプロトン交換スチブンサイト触媒に代
えてMg交換スチブンサイト(イオン交換率:100
%)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応成績評
価を行った。結果を表4に示す。
えてMg交換スチブンサイト(イオン交換率:100
%)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応成績評
価を行った。結果を表4に示す。
【0054】実施例3 実施例1で用いたプロトン交換スチブンサイト触媒に代
えてLa交換スチブンサイト(イオン交換率:100
%)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応成績評
価を行った。結果を表4に示す。
えてLa交換スチブンサイト(イオン交換率:100
%)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応成績評
価を行った。結果を表4に示す。
【0055】実施例4 実施例1で用いたプロトン交換スチブンサイト触媒に代
えてAl交換スチブンサイト(イオン交換率:100
%)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応成績評
価を行った。結果を表4に示す。
えてAl交換スチブンサイト(イオン交換率:100
%)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応成績評
価を行った。結果を表4に示す。
【0056】実施例5 実施例1で用いたプロトン交換スチブンサイト触媒に代
えてFe交換スチブンサイト(イオン交換率:100
%)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応成績評
価を行った。結果を表4に示す。
えてFe交換スチブンサイト(イオン交換率:100
%)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応成績評
価を行った。結果を表4に示す。
【0057】実施例6 実施例1で行ったプロトン交換スチブンサイト触媒に代
えてZr交換スチブンサイト(イオン交換率:100
%)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応成績評
価を行った。結果を表5に示す。
えてZr交換スチブンサイト(イオン交換率:100
%)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応成績評
価を行った。結果を表5に示す。
【0058】実施例7 実施例1で行ったプロトン交換スチブンサイト触媒に代
えてSr交換スチブンサイト(イオン交換率:100
%)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応成績評
価を行った。結果を表5に示す。
えてSr交換スチブンサイト(イオン交換率:100
%)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応成績評
価を行った。結果を表5に示す。
【0059】実施例8 実施例1で用いたプロトン交換スチブンサイト触媒に代
えてAl交換スチブンサイト(イオン交換率:100
%)とSiO2の混練品(重量比;50:50)を用い
た以外は、実施例1と同様にして反応成績評価を行っ
た。結果を表5に示す。
えてAl交換スチブンサイト(イオン交換率:100
%)とSiO2の混練品(重量比;50:50)を用い
た以外は、実施例1と同様にして反応成績評価を行っ
た。結果を表5に示す。
【0060】実施例9 実施例1で用いたプロトン交換スチブンサイト触媒に代
えてAl交換スチブンサイト(イオン交換率:100
%)とAl2O3の混練品(重量比;50:50)を用い
た以外は、実施例1と同様にして反応成績評価を行っ
た。結果を表5に示す。
えてAl交換スチブンサイト(イオン交換率:100
%)とAl2O3の混練品(重量比;50:50)を用い
た以外は、実施例1と同様にして反応成績評価を行っ
た。結果を表5に示す。
【0061】実施例10 実施例9で用いたAl交換スチブンサイトとAl2O3の
混練品(重量比;50:50)をスチーミング(760
℃、6h、スチーム100%)して、実施例1と同様に
して反応成績評価を行った。結果を実施例9の反応成績
結果と共に表6に示す。
混練品(重量比;50:50)をスチーミング(760
℃、6h、スチーム100%)して、実施例1と同様に
して反応成績評価を行った。結果を実施例9の反応成績
結果と共に表6に示す。
【0062】比較例2 比較例1で用いたFCC用市販ゼオライト系触媒[MR
Z−204、触媒化成工業(株)製]をスチーミング
(760℃、6h、スチーム100%)して、実施例1
と同様にして反応成績評価を行った。結果を比較例1の
反応成績結果と共に表6に示す。
Z−204、触媒化成工業(株)製]をスチーミング
(760℃、6h、スチーム100%)して、実施例1
と同様にして反応成績評価を行った。結果を比較例1の
反応成績結果と共に表6に示す。
【0063】実施例11 実施例1で用いたプロトン交換スチブンサイトをスチー
ミング(650℃、100h、スチーム10%)して、
実施例1と同様にして反応成績評価を行った。結果を実
施例1の反応成績結果と共に表7に示す。
ミング(650℃、100h、スチーム10%)して、
実施例1と同様にして反応成績評価を行った。結果を実
施例1の反応成績結果と共に表7に示す。
【0064】比較例3 比較例1で用いたFCC用市販ゼオライト系触媒[MR
Z−204、触媒化成工業(株)製]をスチーミング
(650℃、100h、スチーム10%)して、実施例
1と同様にして反応成績評価を行った。結果を比較例1
の反応成績結果と共に表7に示す。
Z−204、触媒化成工業(株)製]をスチーミング
(650℃、100h、スチーム10%)して、実施例
1と同様にして反応成績評価を行った。結果を比較例1
の反応成績結果と共に表7に示す。
【0065】
【表5】 1)沸点216℃以下の液体成分2) 沸点216〜343℃の液体成分3) 沸点343℃以上の液体成分
【0066】
【表6】 4)(H2+分解ガス+FG+コーク)収率
【0067】
【表7】 4)(H2+分解ガス+FG+コーク)収率
【0068】表4及び表5の結果からも、カチオン交換
スチブンサイトは、比較例1における市販のゼオライト
系触媒(MRZ−204)と比較して、沸点が343℃
以下の液状炭化水素油[ガソリン留分(FG)+軽質循
環油(LCO)]の収率が高いことが分かる。
スチブンサイトは、比較例1における市販のゼオライト
系触媒(MRZ−204)と比較して、沸点が343℃
以下の液状炭化水素油[ガソリン留分(FG)+軽質循
環油(LCO)]の収率が高いことが分かる。
【0069】また、表6及び表7の結果からも、カチオ
ン交換スチブンサイトは市販のゼオライト系触媒と比較
して、スチーミング処理に対して安定で、優れた耐水熱
性を有することがわかる。
ン交換スチブンサイトは市販のゼオライト系触媒と比較
して、スチーミング処理に対して安定で、優れた耐水熱
性を有することがわかる。
【0070】
【発明の効果】本発明の方法によると、従来のゼオライ
ト系接触分解触媒と比較して耐水熱性等に優れスチーミ
ング処理に対して高い安定性を示し、しかも過度の分解
反応が少ないなど優れた性能を有するカチオン交換スチ
ブンサイトを触媒又は触媒成分として使用しているの
で、各種の石油系炭化水素の接触分解を効率よく行うこ
とができ、より付加価値の低いLPG等の分解ガスの生
成及びコークの生成を十分に抑制して、より付加価値の
高い中間留分を高い収率で安定に製造することができ、
例えば、減圧軽油や常圧残油からは、特に付加価値の高
いガソリン留分(FG)及び軽質循環油(LCO)を高
収率で効率よく得ることができる。
ト系接触分解触媒と比較して耐水熱性等に優れスチーミ
ング処理に対して高い安定性を示し、しかも過度の分解
反応が少ないなど優れた性能を有するカチオン交換スチ
ブンサイトを触媒又は触媒成分として使用しているの
で、各種の石油系炭化水素の接触分解を効率よく行うこ
とができ、より付加価値の低いLPG等の分解ガスの生
成及びコークの生成を十分に抑制して、より付加価値の
高い中間留分を高い収率で安定に製造することができ、
例えば、減圧軽油や常圧残油からは、特に付加価値の高
いガソリン留分(FG)及び軽質循環油(LCO)を高
収率で効率よく得ることができる。
【0071】また、該触媒の再生を水蒸気含有ガスで行
った際に、従来のゼオライト系触媒の場合と比較的し
て、触媒活性の低下が著しく少なく、従って、反応と触
媒再生の繰り返し運転をより長期間持続させることがで
きる。
った際に、従来のゼオライト系触媒の場合と比較的し
て、触媒活性の低下が著しく少なく、従って、反応と触
媒再生の繰り返し運転をより長期間持続させることがで
きる。
【0072】すなわち、本発明によると、上記の優れた
利点を有する実用上著しく有利な石油系炭化水素の接触
分解方法を提供することができる。
利点を有する実用上著しく有利な石油系炭化水素の接触
分解方法を提供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 石油系炭化水素を接触分解するにあた
り、触媒としてカチオン交換スチブンサイトを含む組成
物を使用することを特徴とする石油系炭化水素の接触分
解法。 - 【請求項2】 カチオン交換スチブンサイトが、カチオ
ン成分として、周期表IA、IB、IIA、IIB、I
IIA、IIIB、IVA、IVB、VA、VB、VI
A、VIIIA族の元素の単核カチオン及び周期表I
B、IIA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、I
VB、VA、VB、VIA、VIIIA族の元素1種又
は2種以上からなる多核カチオン、のうちの少なくとも
1種のカチオンを含有するものである請求項1記載の石
油系炭化水素の接触分解法。 - 【請求項3】 カチオン交換スチブンサイトが、該カチ
オン成分として、H、Cu、Mg、Ca、Sr、Ba、
Zn、La、Ce、Al、Ga、Ti、Zr、Ge、S
n、V、Nb、Bi、Cr、Mo、Fe、Co及びNi
から選ばれる元素の単核カチオン及びCu、Mg、C
a、Sr、Ba、Zn、La、Ce、Al、Ga、T
i、Zr、Ge、Sn、V、Nb、Bi、Cr、Mo、
Fe、Co及びNiから選ばれる元素1種又は2種以上
からなる多核カチオン、のうちの少なくとも1種のカチ
オンを含有するものである請求項1記載の石油系炭化水
素の接触分解法。 - 【請求項4】 カチオン交換スチブンサイトがカチオン
交換合成スチブンサイトである請求項1記載の石油系炭
化水素の接触分解法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4182851A JPH0751709B2 (ja) | 1991-07-16 | 1992-06-18 | 石油系炭化水素の接触分解法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-199784 | 1991-07-16 | ||
JP19978491 | 1991-07-16 | ||
JP4182851A JPH0751709B2 (ja) | 1991-07-16 | 1992-06-18 | 石油系炭化水素の接触分解法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05202366A true JPH05202366A (ja) | 1993-08-10 |
JPH0751709B2 JPH0751709B2 (ja) | 1995-06-05 |
Family
ID=26501491
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4182851A Expired - Lifetime JPH0751709B2 (ja) | 1991-07-16 | 1992-06-18 | 石油系炭化水素の接触分解法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0751709B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS636485A (ja) * | 1986-06-27 | 1988-01-12 | Fuji Electric Co Ltd | デイスクリミネ−シヨンレベル設定装置 |
US5023221A (en) * | 1990-05-31 | 1991-06-11 | Union Oil Company Of California | Middle distillate hydrocracking catalyst and process |
-
1992
- 1992-06-18 JP JP4182851A patent/JPH0751709B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS636485A (ja) * | 1986-06-27 | 1988-01-12 | Fuji Electric Co Ltd | デイスクリミネ−シヨンレベル設定装置 |
US5023221A (en) * | 1990-05-31 | 1991-06-11 | Union Oil Company Of California | Middle distillate hydrocracking catalyst and process |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0751709B2 (ja) | 1995-06-05 |
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